説明

コードパターン画像データ生成装置、コードパターン付媒体

【課題】 デザイン性を向上させたコードパターンを実現すること。
【解決手段】 コードパターン画像データ21(QRコード(登録商標)のコードパターン画像データ)から0パーセント以上かつ100パーセントより低い第1の透過率のコードパターン半透明画像データ23が生成され、重畳用画像データ22から0パーセント以上かつ100パーセントより低い第2の透過率の重畳用半透明画像データ24が生成される。そして、コードパターン半透明画像データ23および重畳用半透明画像データ24に基づいて、第1の透過率のコードパターンと第2の透過率の重畳用画像とを重畳させた合成画像の合成画像データ25が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードパターン画像データ生成装置、コードパターン付媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、URL(Uniform Resource Locator)、電子メールアドレス、またはその他データをエンコードされたQR(Quick Response)コード(登録商標)のコードパターン画像が、商品包装、広告媒体(ポスター、チラシなど)、雑誌に印刷されたり、ウェブページ上で表示されたりしている。
【0003】
このようなQRコード(登録商標)のコードパターンは、所望の情報をエンコードして得られる、通常、白黒の模様である。そして、読取装置は、光学的にそのコードパターンを撮影し、そのコードパターンをデコードして元の情報を抽出する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−133689号公報(発明の実施の形態欄)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなQRコード(登録商標)のコードパターンを印刷したり表示したりする場合、良好に読み取られることを考慮して、他の画像、テキストなどから孤立させて印刷されたり表示される。
【0006】
しかしながら、このようにコードパターンだけを孤立させるため、媒体や表示ページ全体のデザインを損なうことがあったり、無味乾燥な印象を与えたりしてしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができるコードパターン画像データ生成装置、コードパターン付媒体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の実施の形態では以下のようにした。
【0009】
本発明に係るコードパターン画像データ生成装置は、QRコード(登録商標)のコードパターンの画像データから当該コードパターンの画像データの透過率が0パーセント以上かつ100パーセントより低い範囲内であって、単体でデコード可能である範囲で調整されたコードパターンの画像データを生成する第1の画像半透明化部と、文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを含む重畳用画像の画像データから当該重畳用画像の画像データの透過率が0パーセント以上かつ100パーセントより低い重畳用画像の画像データを生成する第2の画像半透明化部と、第1の画像半透明化部により生成されたコードパターンの画像データおよび第2の画像半透明化部により生成された重畳用画像の画像データとから合成画像の画像データを生成する画像合成部と、を備え、画像合成部により生成された合成画像の画像データは、重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかとコードパターンとが重なる部分、および重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかとコードパターン以外の部分とが重なる部分を有するように、かつコードパターン中に重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかと重ならない部分を有し、当該合成画像の画像データ内に含まれるコードパターンからデコード可能で、かつ当該画像データ内に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかは、コードパターンの略中心に配置されているものである。
【0010】
また、本発明に係るコードパターン画像データ生成装置は、上述したコードパターン画像データ生成装置に加え、次のようにしてもよい。つまり、この場合、合成画像の背景色は、白色であり、コードパターンは、モノクロ画像であり、重畳用画像は、カラー画像である。
【0011】
また、本発明に係るコードパターン付媒体は、上述したコードパターン画像データ生成装置によって生成された合成画像の画像データに基づき印刷された合成画像を表面に有するものである。
【0012】
また、本発明に係るコードパターン付媒体は、QRコード(登録商標)のコードパターンの画像と、文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを含む重畳用画像とを重ね合わせた状態の合成画像を媒体に印刷したコードパターン付媒体において、コードパターンの領域以外に重畳用画像と同じものを意味する表示がなされ、重畳用画像の文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを確認できるようにかつコードパターンの略中心に配置し、かつその周辺にコードパターンのみが視認されるようにコードパターンを配置したものである。
【0013】
また、本発明に係るコードパターン付媒体は、上述したコードパターン付媒体において、次のようにしてもよい。つまり、この場合、重畳用画像を図形とし、その図形を含む媒体に組み合わせる表現物をプリンタにて印刷したものである。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本発明の実施の形態では以下のようにしてもよい。
【0015】
本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成装置は、コードパターンの画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第1の不透明度のコードパターンの画像データを生成する第1の画像半透明化部と、重畳用画像の画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第2の不透明度の重畳用画像の画像データを生成する第2の画像半透明化部と、第1の不透明度のコードパターンの画像データおよび第2の不透明度の重畳用画像の画像データに基づいて、第1の不透明度のコードパターンと第2の不透明度の重畳用画像とを重畳させた合成画像の画像データを生成する画像合成部とを備える。
【0016】
これにより、コードパターンをデコード可能としつつ重畳用画像を視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0017】
本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成方法は、コードパターンの画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第1の不透明度のコードパターンの画像データを生成するステップと、重畳用画像の画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第2の不透明度の重畳用画像の画像データを生成するステップと、第1の不透明度のコードパターンの画像データおよび第2の不透明度の重畳用画像の画像データに基づいて、第1の不透明度のコードパターンと第2の不透明度の重畳用画像とを重畳させた合成画像の画像データを生成するステップとを備える。
【0018】
これにより、コードパターンをデコード可能としつつ重畳用画像を視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0019】
また、本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成方法は、上記のコードパターン画像データ生成方法に加え、次のようにしてもよい。つまり、この場合、第1の不透明度は、コードパターンが単体でデコード可能な範囲内のいずれかの値である。
【0020】
これにより、合成画像に含まれるコードパターンからのデコードを良好に行えるようにすることができる。
【0021】
また、本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成方法は、上記のコードパターン画像データ生成方法のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、この場合、第1の不透明度は、50パーセントであり、第2の不透明度は、50パーセント以上でかつ60パーセント以下のいずれかの値である。
【0022】
これにより、コードパターンを良好にデコード可能としつつ重畳用画像を良好に視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0023】
また、本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成方法は、上記のコードパターン画像データ生成方法のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、この場合、合成画像の背景色は、白色であり、コードパターンは、モノクロ画像であり、重畳用画像は、カラー画像である。
【0024】
これにより、コードパターンを良好にデコード可能としつつ重畳用画像を良好に視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0025】
本発明の実施の形態に係るコードパターン付媒体は、上記のコードパターン画像データ生成方法のいずれかによる合成画像の画像データに基づき合成画像を印刷されたものである。
【0026】
これにより、コードパターンがデコード可能でありかつ重畳用画像が視認可能であることから、各種媒体上においてデザイン性を向上させるコードパターンを実現することができる。
【0027】
本発明の実施の形態に係る表示装置は、上記のコードパターン画像データ生成方法のいずれかによる合成画像の画像データを所定の記憶手段から読み出すリード手段と、リード手段により読み出された画像データに基づき合成画像を表示装置に表示させる表示手段とを備える。
【0028】
これにより、コードパターンがデコード可能でありかつ重畳用画像が視認可能であることから、各種表示ページ上においてデザイン性を向上させるコードパターンを実現することができる。
【0029】
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、上記のコードパターン画像データ生成方法のいずれかによる合成画像の画像データを所定の記憶手段から読み出すリード手段、およびリード手段により読み出された画像データに基づき合成画像を表示装置に表示させる表示手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
【0030】
これにより、表示装置に表示されたコードパターンがデコード可能でありかつ重畳用画像が視認可能であることから、各種表示ページ上においてデザイン性を向上させるコードパターンを実現することができる。
【0031】
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コードパターンの画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第1の不透明度のコードパターンの画像データを生成する第1の画像半透明化部、重畳用画像の画像データから0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第2の不透明度の重畳用画像の画像データを生成する第2の画像半透明化部、並びに、第1の不透明度のコードパターンの画像データおよび第2の不透明度の重畳用画像の画像データに基づいて、第1の不透明度のコードパターンと第2の不透明度の重畳用画像とを重畳させた合成画像の画像データを生成する画像合成部としてコンピュータを機能させるためのものである。
【0032】
これにより、コードパターンをデコード可能としつつ重畳用画像を視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、コードパターンをデコード可能としつつ重畳用画像を視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態において使用されるコードパターンと重畳用画像の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態において生成されるコードパターン半透明画像と重畳用半透明画像の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態において生成される合成画像の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態において、合成画像データに基づく画像合成後のコードパターンを印刷された媒体の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態において、合成画像データに基づく合成画像を表示する表示ページの一例を示す図である。
【図7】図7は、QRコード(登録商標)のコードパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係るコードパターン画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。図1において、処理部1は、ハードディスクドライブ、メモリなどといった図示せぬ記録媒体に格納されたコンピュータプログラムを図示せぬRAMにロードして図示せぬCPUで実行することで実現され、各種データ処理を実行する処理部である。
【0037】
また、データ格納装置2は、ハードディスクドライブ、メモリなどといった記憶手段であって、コンピュータプログラム、画像データを含む各種データなどを格納する装置である。
【0038】
また、プリンタ3は、各種画像を印刷する印刷装置であり、ディスプレイ4は、各種画像を表示する表示装置である。
【0039】
処理部1において、画像半透明化部11は、コードパターン画像データ21からコードパターン半透明画像データ23を生成する第1の画像半透明化部、並びに、重畳用画像データ22から重畳用半透明画像データ24を生成する第2の画像半透明化部として機能する処理部である。
【0040】
また、画像合成部12は、第1の不透明度のコードパターン半透明画像データ23および第2の不透明度の重畳用半透明画像データ24に基づいて、第1の不透明度の二次元コードパターンと第2の不透明度の重畳用画像とを重畳させた合成画像を有する合成画像データ25を生成する処理部である。
【0041】
また、画像出力部13は、合成画像データ25に基づいて、プリンタ3を制御して媒体に合成画像を印刷させたり、ディスプレイ4を制御して合成画像を表示させたりする処理部である。画像出力部13は、合成画像データ25を(所定の記憶手段としての)データ格納装置2から読み出すリード手段、およびそのリード手段により読み出された画像データに基づき合成画像を(表示装置としての)ディスプレイ4に表示させる表示手段を含む。
【0042】
データ格納装置2において、コードパターン画像データ21は、QRコード(登録商標)といった二次元コードのコードパターンの画像データである。また、重畳用画像データ22は、文字、図形、ロゴ、イラストなどといった所望の画像の画像データである。
【0043】
また、コードパターン半透明画像データ23は、コードパターン画像データ21のコードパターンを第1の不透明度で半透明にしたコードパターン半透明画像の画像データである。また、重畳用半透明画像データ24は、重畳用画像データ22の重畳用画像を第2の不透明度で半透明にした重畳用半透明画像の画像データである。コードパターン半透明画像データ23は、コードパターン画像データ21から0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第1の不透明度の二次元コードパターンを有する。コードパターン半透明画像データ23の二次元コードパターンの模様および色彩とコードパターン画像データ21の二次元コードパターン模様および色彩は、同一であり、透明度のみが異なる。重畳用半透明画像データ24は、0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第2の不透明度の重畳用画像を有する。重畳用半透明画像データ24の二次元コードパターンの模様および色彩と重畳用画像データ22の二次元コードパターン模様および色彩は、同一であり、透明度のみが異なる。
【0044】
また、合成画像データ25は、コードパターン半透明画像データ23のコードパターン半透明画像と重畳用半透明画像データ24の重畳用半透明画像とを合成した合成画像の画像データである。
【0045】
なお、画像データ21〜25のデータフォーマットは、例えばGIF形式、PNG形式などとされる。
【0046】
次に、上記装置の動作について説明する。
【0047】
まず、データ格納装置2に、コードパターン画像データ21および重畳用画像データ22が格納される。コードパターン画像データ21は、図示せぬエンコーダプログラムにより生成されたコードパターンの画像データとすればよい。そのようなエンコーダプログラムとしては、例えばQRコード(登録商標)用のQRMakerがある。重畳用画像データ22は、Adobe社製のPhotoShop、Illustratorなどといった画像作成ソフトウェアにより作成された画像データ、デジタルカメラにより撮像された画像データ、スキャナにより生成された画像データなどの一般的な画像データとされる。
【0048】
図2は、本発明の実施の形態において使用されるコードパターンと重畳用画像の一例を示す図である。図2(A)は、二次元コードであるQRコード(登録商標)のコードパターンの一例を示す。図2(B)は、「Tokyo Show」なる文字を表した重畳用画像の一例を示す。
【0049】
そして、処理部1の画像半透明化部11は、データ格納装置2からコードパターン画像データ21を読み込み、コードパターン画像データ21から所定の第1の不透明度の二次元コードパターンを有するコードパターン半透明画像データ23を生成し、データ格納装置2に記憶させる。このときの第1の不透明度は、0パーセントより高くかつ100パーセントより低い値とされ、さらに、コードパターンが単体でデコード可能な範囲内のいずれかの値とされる。
【0050】
次に、処理部1の画像半透明化部11は、データ格納装置2から重畳用画像データ22を読み込み、重畳用画像データ22から所定の第2の不透明度の重畳用画像を有する重畳用半透明画像データ24を生成し、データ格納装置2に記憶させる。このときの第2の不透明度は、0パーセントより高くかつ100パーセントより低い値とされる。
【0051】
また、このとき、第1の不透明度を50パーセントとし、第2の不透明度を、50パーセント以上でかつ60パーセント以下のいずれかの値とすることが好ましい。
【0052】
図3は、本発明の実施の形態において生成されるコードパターン半透明画像と重畳用半透明画像の一例を示す図である。図3(A)は、図2(A)のコードパターンを半透明化したコードパターン半透明画像を示す。図3(B)は、図2(B)の重畳用画像を半透明化した重畳用半透明画像を示す。このときの第1の不透明度は、50パーセントであり、第2の不透明度は、60パーセントである。
【0053】
半透明画像データ23,24が生成されると、画像合成部12は、コードパターン半透明画像データ23および重畳用半透明画像データ24をデータ格納装置2から読み出し、これらの半透明画像データ23,24に基づいて、半透明の二次元コードパターンと半透明の重畳用画像とを重畳させた合成画像を有する合成画像データ25を生成し、データ格納装置2に記憶させる。このとき、画像合成部12は、半透明の二次元コードパターンおよび半透明の重畳用画像のうちのいずれを前面として2つの画像を重畳させてもよい。図4は、本発明の実施の形態において生成される合成画像の一例を示す図である。図4の合成画像は、図3(A)のコードパターン半透明画像と図3(B)の重畳用半透明画像とを合成したものである。
【0054】
その後、画像出力部13は、合成画像データ25に基づいて、プリンタ3を制御して媒体に合成画像を印刷させたり、ディスプレイ4を制御して合成画像を表示させたりする。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態において、合成画像データ25に基づく画像合成後のコードパターンを印刷された媒体の一例を示す図である。図5では、チラシとしての媒体101の右下隅に、合成画像データ25に基づく画像合成後のコードパターン111が印刷されている。
【0056】
図6は、本発明の実施の形態において、合成画像データ25に基づく合成画像を表示する表示ページの一例を示す図である。図6では、ディスプレイ4の表示画面4aにウィンドウ211が表示され、ウィンドウ211内の表示ページの右下隅に、合成画像データ25に基づく画像合成後のコードパターン212が表示されている。
【0057】
このようにして、印刷されたり表示されたりした画像合成後のコードパターン111,212は、カメラおよびデコーダ付の携帯電話機などにより読み取られる。そして、通常のコードパターンと同様に、エンコードされている情報が抽出される。
【0058】
ここで、第1の不透明度の設定について説明する。
【0059】
図7は、QRコード(登録商標)のコードパターンを示す図である。図7(A)は、不透明度100パーセントのコードパターンであり、図7(B)は、不透明度50パーセントのコードパターンであり、図7(C)は、不透明度40パーセントのコードパターンであり、図7(D)は、不透明度30パーセントのコードパターンであり、図7(E)は、不透明度20パーセントのコードパターンであり、図7(F)は、不透明度10パーセントのコードパターンである。
【0060】
NEC社製のNTTDoCoMo用携帯電話機N900iで、不透明度の異なる、誤り訂正率15パーセントのコードパターンを読み取り、デコードさせたところ、コードパターンをディスプレイに表示させた場合、不透明度が100パーセントから20パーセントまでの範囲内であるときには良好にデコードされ、コードパターンを普通紙にレーザ印刷させた場合、不透明度が100パーセントから10パーセントまでの範囲内であるときには良好にデコードされた。
【0061】
したがって、第1の不透明度は、合成画像データ25に基づく画像合成後のコードパターンがディスプレイで表示される用途の場合には、20パーセント以上でかつ100パーセント未満の値とされ、合成画像データ25に基づく画像合成後のコードパターンが印刷される用途の場合には、10パーセント以上でかつ100パーセント未満の値とされることが好ましい。
【0062】
以上のように、上記実施の形態によれば、コードパターン画像データ21から0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第1の不透明度のコードパターン半透明画像データ23が生成され、重畳用画像データ22から0パーセントより高くかつ100パーセントより低い第2の不透明度の重畳用半透明画像データ24が生成される。そして、コードパターン半透明画像データ23および重畳用半透明画像データ24に基づいて、第1の不透明度のコードパターンと第2の不透明度の重畳用画像とを重畳させた合成画像の合成画像データ25が生成される。
【0063】
これにより、コードパターンをデコード可能としつつ重畳用画像を視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0064】
また、上記実施の形態によれば、第1の不透明度は、コードパターンが単体でデコード可能な範囲内のいずれかの値である。これにより、合成画像に含まれるコードパターンからのデコードを良好に行えるようにすることができる。
【0065】
また、上記実施の形態によれば、第1の不透明度を50パーセントとし、第2の不透明度を50パーセント以上でかつ60パーセント以下のいずれかの値とすることが好ましい。これにより、コードパターンを良好にデコード可能としつつ重畳用画像を良好に視認可能とすることができ、デザイン性を向上させたコードパターンを実現することができる。
【0066】
また、上記実施の形態によれば、合成画像データ25に基づき画像合成後のコードパターン111が媒体101に印刷される。これにより、コードパターン111がデコード可能でありかつ重畳用画像が視認可能であることから、各種媒体上においてデザイン性を向上させるコードパターンを実現することができる。
【0067】
また、上記実施の形態によれば、合成画像データ25に基づき画像合成後のコードパターン212がディスプレイ4に表示される。これにより、コードパターン212がデコード可能でありかつ重畳用画像が視認可能であることから、各種表示ページ上においてデザイン性を向上させるコードパターンを実現することができる。
【0068】
なお、コードパターンおよび重畳用画像のいずれかの不透明度が100パーセントとされると、重畳用画像の視認性が損なわれるか、コードパターンからのデコード可能性が損なわれる。
【0069】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、コードパターンの一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)のコードパターンを挙げているが、その他、他の種類の二次元コード、1次元バーコードなどのコードパターンを採用してもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、重畳用画像は、紙面上、モノクロ画像となっているが、カラー画像でもよい。その場合、合成画像の背景色は白色とされ、コードパターンはモノクロ画像とされる。合成画像の背景色およびコードパターンが無色彩となり、重畳用画像がカラー画像となることで、重畳用画像の視認性が高まる。
【0072】
また、上記実施の形態では、コードパターン画像と、重畳用画像とをそれぞれ不透明化して合成するようにしたが、例えば、重畳用画像は用いずに、コードパターン画像のみを不透明化して、プリンタ3によって媒体に印刷したり、ディスプレイ4に表示させたりしてもよい。そのような場合でも、コードパターンの不透明度を調整することにより、従来にはない美観を演出することができる。
【0073】
また、上記実施の形態では、コードパターン画像および重畳用画像の不透明度(具体的には、例えば、透過率)を調整するようにしたが、例えば、これらの色相、明度、彩度を調整するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、プリンタ3によって印刷される媒体として、例えば、透明または半透明の媒体を使用することも可能である。例えば、アクリル板等の透明部材または磨りガラス等の半透明部材に対して印刷することが可能である。このような媒体を用いることにより、従来にはない美観を演出することができる。
【0075】
さらに、媒体の印刷が施された部分に対して、コーティング材を塗布することにより、印刷された情報を保護するようにしてもよい。その場合、例えば、コーティング材としては、「フッ化ビニリデン(フィルム)」を用いることができる。フッ化ビニリデンは、交通標識等にも使用されており、10年以上の耐性を有している。フッ化ビニリデンは、きず、よごれ、いたずら書きに強く、紫外線にも強いという特徴を有している。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、例えば、QRコード(登録商標)のデザイン性向上に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
4 ディスプレイ(表示装置)
11 画像半透明化部(第1の画像半透明化部,第2の画像半透明化部)
12 画像合成部
13 画像出力部(リード手段,表示手段)
101 媒体(コードパターン付媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
QRコード(登録商標)のコードパターンの画像データから当該コードパターンの画像データの透過率が0パーセント以上かつ100パーセントより低い範囲内であって、単体でデコード可能である範囲で調整された上記コードパターンの画像データを生成する第1の画像半透明化部と、
文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを含む重畳用画像の画像データから当該重畳用画像の画像データの透過率が0パーセント以上かつ100パーセントより低い上記重畳用画像の画像データを生成する第2の画像半透明化部と、
上記第1の画像半透明化部により生成された上記コードパターンの画像データおよび上記第2の画像半透明化部により生成された上記重畳用画像の画像データとから合成画像の画像データを生成する画像合成部と、を備え、
上記画像合成部により生成された合成画像の画像データは、上記重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかと上記コードパターンとが重なる部分、および上記重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかと上記コードパターン以外の部分とが重なる部分を有するように、かつ上記コードパターン中に上記重畳用画像に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかと重ならない部分を有し、
当該合成画像の画像データ内に含まれる上記コードパターンからデコード可能で、かつ当該画像データ内に含まれる文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかは、上記コードパターンの略中心に配置されている
ことを特徴とするコードパターン画像データ生成装置。
【請求項2】
請求項1のコードパターン画像データ生成装置であって、
前記合成画像の背景色は、白色であり、
前記コードパターンは、モノクロ画像であり、
前記重畳用画像は、カラー画像であること、
を特徴とするコードパターン画像データ生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコードパターン画像データ生成装置によって生成された前記合成画像の画像データに基づき印刷された前記合成画像を表面に有することを特徴とするコードパターン付媒体。
【請求項4】
QRコード(登録商標)のコードパターンの画像と、文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを含む重畳用画像とを重ね合わせた状態の合成画像を媒体に印刷したコードパターン付媒体において、
上記コードパターンの領域以外に上記重畳用画像と同じものを意味する表示がなされ、
上記重畳用画像の文字、図形、ロゴ、イラストのいずれかを確認できるようにかつ上記コードパターンの略中心に配置し、かつその周辺に上記コードパターンのみが視認されるように上記コードパターンを配置したことを特徴とするコードパターン付媒体。
【請求項5】
請求項4に記載のコードパターン付媒体において、
前記重畳用画像を図形とし、その図形を含む前記媒体に組み合わせる表現物をプリンタにて印刷したものであることを特徴とするコードパターン付媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−182336(P2010−182336A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108146(P2010−108146)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【分割の表示】特願2005−293176(P2005−293176)の分割
【原出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(506118836)デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 (28)
【Fターム(参考)】