コーナー保護材
【課題】段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることが可能な段ボール製のコーナー保護材を提供する。
【解決手段】コーナー保護材12は、被梱包物(1)のコーナー部(1a〜1d)を保護する。コーナー保護材(12)は、第1及び第2内側面部(21、22)と第1及び第2外側面部(23、24)とが1つの段ボール素材(P、P’)を折り曲げることで形成される。第1及び第2内側面部(21、22)は、コーナー部(1a〜1d)の頂点であるコーナー頂部(A)から被梱包物(1)の第1及び第2コーナー端部(B、D)に向かって延びる。第1及び第2外側面部(23、24)は、第1及び第2コーナー端部(B、D)からコーナー頂部(A)よりも外周側に位置するコーナー外周側頂部(C)に向かって真っ直ぐに延びる。段ボール素材(P)の両端(E、F)は、面部(21〜24)のいずれかにおいて重なる。
【解決手段】コーナー保護材12は、被梱包物(1)のコーナー部(1a〜1d)を保護する。コーナー保護材(12)は、第1及び第2内側面部(21、22)と第1及び第2外側面部(23、24)とが1つの段ボール素材(P、P’)を折り曲げることで形成される。第1及び第2内側面部(21、22)は、コーナー部(1a〜1d)の頂点であるコーナー頂部(A)から被梱包物(1)の第1及び第2コーナー端部(B、D)に向かって延びる。第1及び第2外側面部(23、24)は、第1及び第2コーナー端部(B、D)からコーナー頂部(A)よりも外周側に位置するコーナー外周側頂部(C)に向かって真っ直ぐに延びる。段ボール素材(P)の両端(E、F)は、面部(21〜24)のいずれかにおいて重なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー保護材、特に、略直方体形状の被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており被梱包物の側面を覆う外装材によって被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、略直方体形状の被梱包物を梱包する梱包装置がある。この梱包装置は、主として、被梱包物を載置するパレットと、被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護するコーナー保護材と、被梱包物の側面をコーナー保護材とともに外周側から覆う外装材とを有している。コーナー保護材として段ボール製のものを採用する場合には、段ボール素材を積層して平面視略L字形状に形成したもの(図11を参照)が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の梱包装置では、コーナー保護材が段ボール素材を積層して形成されているため、被梱包物側方からの荷重に対してコーナー保護材の変形が小さく、被梱包物のコーナー部の保護は良好であるが、段ボール素材の使用量が多くなる傾向にあった。
【0004】
本発明の課題は、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることが可能な段ボール製のコーナー保護材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点にかかる段ボール製のコーナー保護材は、略直方体形状の被梱包物を梱包する梱包装置において、被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており、被梱包物の側面を覆う外装材によって、被梱包物とともに外周側から覆われるものである。このコーナー保護材は、第1及び第2内側面部と第1及び第2外側面部とが1つの段ボール素材を折り曲げることによって形成されている。第1及び第2内側面部は、被梱包物の平面視において、コーナー部を被梱包物の外周側から挟むように面接触しており、コーナー部の頂点であるコーナー頂部から被梱包物の外周面に沿って第1及び第2コーナー端部に向かって延びる面部である。第1及び第2外側面部は、被梱包物の平面視において、第1及び第2コーナー端部からコーナー頂部よりも外周側に位置しかつ外装材に接触する点であるコーナー外周側頂部に向かって真っ直ぐに延びる面部である。そして、被梱包物の平面視において、段ボール素材の両端は、複数の面部のいずれかにおいて重なっている。
【0006】
このコーナー保護材では、2つの内側面部及び2つの外側面部によって、被梱包物の平面視において、2つの三角形が合わさった形状の中空空間を有するものとなり、これが被梱包物のコーナー部を囲むことになる。そして、このコーナー保護材では、2つの内側面部が被梱包物に面接触し、かつ、2つの外側面部が第1及び第2コーナー端部からコーナー外周側頂部に向かって真っ直ぐ延びており、しかも、段ボール素材の両端がこれらの面部のいずれかにおいて重なっている。このため、このコーナー保護材では、中空空間を有する形状であるにもかかわらず、被梱包物側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0007】
これにより、このコーナー保護材では、段ボール素材を積層して形成する場合に比べて、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0008】
第2の観点にかかるコーナー保護材は、第1の観点にかかるコーナー保護材において、被梱包物の平面視において、段ボール素材は、その一端が第1内側面部に位置し、その他端が第2内側面部に位置し、コーナー頂部、第1内側面部及び第2内側面部で重なっている。
【0009】
このコーナー保護材では、段ボール素材の両端が被梱包物のコーナー部に接触するコーナー頂部、第1内側面部及び第2内側面部で重なっているため、被梱包物のコーナー部の保護をより良好なものとすることができる。
【0010】
第3の観点にかかるコーナー保護材は、第1の観点にかかるコーナー保護材において、被梱包物の平面視において、段ボール素材は、その一端が第1外側面部に位置し、その他端が第1コーナー端部に位置し、第1外側面部で重なっている。
【0011】
このコーナー保護材では、段ボール素材の両端が第1外側面部で重なっているため、段ボール素材の折り曲げ箇所を少なくすることが可能になり、コーナー保護材を形成する作業を省力化することができる。
【0012】
第4の観点にかかるコーナー保護材は、第2の観点にかかるコーナー保護材において、段ボール素材には、第1内側面部又は第2内側面部における重なり部分に係止爪が形成されている。
【0013】
このコーナー保護材では、係止爪が形成されているため、被梱包物側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0015】
第1の観点にかかるコーナー保護材では、段ボール素材を積層して形成する場合に比べて、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0016】
第2の観点にかかるコーナー保護材では、被梱包物のコーナー部の保護をより良好なものとすることができる。
【0017】
第3の観点にかかるコーナー保護材では、コーナー保護材を形成する作業を省力化することができる。
【0018】
第4の観点にかかるコーナー保護材では、被梱包物側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明にかかるコーナー保護材が採用された梱包装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】コーナー保護材の拡大斜視図である。
【図3】コーナー保護材の平面断面図である。
【図4】コーナー保護材の展開図である。
【図5】変形例1にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図6】変形例1にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図7】変形例2にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図8】変形例2にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図9】変形例2にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図10】変形例2にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図11】従来のコーナー保護材の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかるコーナー保護材が採用された梱包装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
<梱包装置の全体構成>
図1は、本発明にかかるコーナー保護材12が採用された梱包装置10を示す斜視図である。図2は、コーナー保護材12の拡大斜視図である。尚、以下の説明においては、被梱包物1が梱包装置10に梱包された状態を基準とし、この状態における被梱包物1の上下方向を「平面視」とし、被梱包物1の前後方向や左右方向を「側面視」とする。
【0022】
被梱包物としての製品1は、空気調和装置等の機械製品である。本実施形態において、被梱包物1は、略直方体形状である。
【0023】
梱包装置10は、略直方体形状の被梱包物1を梱包する梱包装置である。梱包装置10は、主として、パレット11と、コーナー保護材12と、外装材13とを有している。
【0024】
パレット11は、梱包装置10の下部を構成しており、被梱包物1が載置される部材である。ここでは、パレット11は、木製の板材が釘やネジ等によって互いに固定されることによって構成されている。
【0025】
コーナー保護材12は、被梱包物1の平面視における各コーナー部1a、1b、1c、1dをそれぞれ保護する部材である。ここでは、コーナー保護材12は、段ボール製の棒状の部材であり、被梱包物1の各コーナー部1a、1b、1c、1dを外周側から覆うように装着されている。そして、コーナー保護材12は、被梱包物1の側面を覆う外装材13によって、被梱包物1とともに外周側から覆われる。尚、コーナー保護材12の詳細な構成は、後述するものとする。
【0026】
外装材13は、被梱包物1の側面をコーナー保護材12とともに外周側から覆う部材である。ここでは、外装材13は、下面が開口した段ボール製の箱状の部材であり、主として、天面部13aと、側面部13bとを有している。天面部13aは、被梱包物1の頂部が直接又は緩衝材等を介して接する略正方形状又は略長方形状の部分である。側面部13bは、天面部13aの周縁から下方に向かって延びる四角筒状の部分であり、コーナー保護材12によってコーナー部1a、1b、1c、1dが覆われた状態の被梱包物1の側面を上方から被せることによって覆っている(図1の矢印Xを参照)。外装材13は、所定の形状に切り取られた段ボール素材を折り曲げ加工することによって形成されている。
【0027】
<コーナー保護材の構成>
次に、コーナー保護材12の構成について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図3は、コーナー保護材12の平面断面図である。図4は、コーナー保護材12の展開図である。
【0028】
コーナー保護材12は、第1及び第2内側面部21、22と第1及び第2外側面部23、24とが1つの段ボール素材Pを折り曲げることによって形成されている。
【0029】
第1及び第2内側面部21、22は、被梱包物1の平面視において、コーナー部1a、1b、1c、1dを被梱包物1の外周側から挟むように面接触する面部である。第1内側面部21は、コーナー部1a、1b、1c、1dの頂点に対応するコーナー頂部Aから被梱包物1の外周面に沿ってコーナー頂部Aから遠い側に位置する第1コーナー端部Bに向かって延びている。第2内側面部22は、コーナー頂部Aから被梱包物1の外周面に沿ってコーナー頂部Aから遠い側に位置する第2コーナー端部Dに向かって延びている。すなわち、第2内側面部22は、コーナー頂部Aから第1内側面部21に直交する方向する方向に延びている。
【0030】
第1外側面部23は、被梱包物1の平面視において、第1コーナー端部Bからコーナー頂部Aよりも外周側に位置しかつ外装材13に接触する点であるコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐに延びる面部である。第2外側面部24は、被梱包物1の平面視において、第2コーナー端部Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐに延びる面部である。すなわち、第1及び第2外側面部23、24は、いずれも、被梱包物1の平面視において、被梱包物1から外周側に離れたコーナー外周側頂部Cから被梱包物1に接する第1又は第2コーナー端部B、Dに向かって屈曲することなく延びている。そして、2つの内側面部21、22及び2つの外側面部23、24によって、被梱包物1の平面視において2つの三角形が合わさった形状の中空空間Sが形成されている。
【0031】
そして、被梱包物1の平面視において、段ボール素材Pの両端E、Fは、複数の面部21、22、23、24のいずれかにおいて重なるように折り曲げられている。ここでは、段ボール素材Pは、その一端Eが第1内側面部21に位置し、その他端Fが第2内側面部22に位置し、コーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なっている。より具体的には、複数の面部21、22、23、24は、幅L(図4(b)を参照)の段ボール素材Pを各端部A、B、C、Dの位置で折り曲げることによって形成される面部31、32、33、34、35、36によって構成されている。そして、段ボール素材Pの一端Eに対応する面部36と面部32とが、第1内側面部21で重なっている。また、段ボール素材Pの他端Fに対応する面部31と面部35とが、第2内側面部22で重なっている。その他の面部33、34は、第1及び第2外側面部23、24をそれぞれ構成している。
【0032】
また、段ボール素材Pは、コーナー保護材12の各頂部及び端部A、B、C、Dの折り曲げ線(図4(b)の山折り線及び谷折り線)に直交する方向に波目が現れるように型取りされている(図4(a)を参照)。
【0033】
<コーナー保護材の特徴>
上記の構成を有するコーナー保護材12は、以下のような特徴を有している。
【0034】
コーナー保護材12では、上記のように、2つの内側面部21、22及び2つの外側面部23、24によって、被梱包物1の平面視において、2つの三角形が合わさった形状の中空空間Sを有するものとなり、これが被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dを囲んでいる。そして、コーナー保護材12では、2つの内側面部21、22が被梱包物1に面接触し、かつ、2つの外側面部23、24が第1及び第2コーナー端部B、Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びている。しかも、段ボール素材Pの両端E、Fが第1及び第2内側面部21、22において重なっている。
【0035】
このため、コーナー保護材12では、中空空間Sを有する形状であるにもかかわらず、被梱包物1側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。具体的には、コーナー外周側頂部Cに対して被梱包物1側方から荷重Gが作用する場合(図3を参照)、この荷重Gは、図3の紙面上方に向かう荷重G1と、図3の紙面右方に向かう荷重G2とに分けることができる。そして、コーナー保護材12に荷重G1が作用すると、この荷重G1は、第1外側面部23及び第2内側面部22によって受けることになる。この際、第2内側面部22が被梱包物1に面接触しているため、第2内側面部22の位置は動くことはない。このため、第2内側面部22にコーナー頂部Aを介して繋がっている第1内側面部21の位置、すなわち、第1コーナー端部Bの位置も動くことはない。そうすると、第1外側面部23は、第1コーナー端部Bからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びているため、荷重G1が作用しても動くことはない。すなわち、コーナー外周側頂部Cの荷重G1方向の移動が生じない。また、コーナー保護材12に荷重G2が作用すると、この荷重G2は、第2外側面部24及び第1内側面部21によって受けることになる。この際、第1内側面部21が被梱包物1に面接触しているため、第1内側面部21の位置は動くことはない。このため、第1内側面部21にコーナー頂部Aを介して繋がっている第2内側面部22の位置、すなわち、第2コーナー端部Dの位置も動くことはない。そうすると、第2外側面部24は、第2コーナー端部Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びているため、荷重G2が作用しても動くことはない。すなわち、コーナー外周側頂部Cの荷重G2方向の移動が生じない。したがって、コーナー外周側頂部Cの位置は、荷重Gが作用しても動くことはなく、これにより、被梱包物1側方から荷重が作用してもコーナー保護材12の変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0036】
これにより、コーナー保護材12では、段ボール素材Pを積層して形成する場合に比べて(図11を参照)、段ボール素材Pの使用量を少なくしつつ、被梱包物1側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0037】
また、コーナー保護材12では、上記のように、段ボール素材Pの両端E、Fが被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dに接触するコーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なっているため、被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dの保護をより良好なものとすることができる。
【0038】
また、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pは、上記のように、コーナー保護材12の各頂部及び端部A、B、C、Dの折り曲げ線に直交する方向に波目が現れるように型取りされている。
【0039】
このため、コーナー保護材12の被梱包物1側方からの荷重に対する強度が高くなり、コーナー保護材12の変形がさらに抑えられている。
【0040】
<変形例1のコーナー保護材の構成及びその特徴>
上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)では、段ボール素材Pの両端E、Fがコーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なるようにしているが、段ボール素材Pの両端E、Fを重ねる部分は、これに限定されるものではない。
【0041】
例えば、図5、6に示すように、被梱包物1の平面視において、段ボール素材Pの一端Eが第1外側面部23に位置し、その他端Fが第1コーナー端部Bに位置し、第1外側面部23で重なるようにしてもよい。より具体的には、複数の面部21、22、23、24は、幅L’(図6(b)を参照)の段ボール素材P’を各端部A、B、C、Dの位置で折り曲げることによって形成される面部131、132、133、134、135によって構成されている。そして、段ボール素材P’の一端Eに対応する面部135と面部131とが、第1外側面部23で重なっている。また、段ボール素材P’の他端Fに対応する面部131が、第1コーナー端部Bに位置している。その他の面部132、133、134は、第2外側面部24、第2内側面部22、及び、第1内側面部21をそれぞれ構成している。
【0042】
そして、本変形例のコーナー保護材12においても、上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)と同様に、中空空間Sを有する形状であるにもかかわらず、被梱包物1側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0043】
また、本変形例のコーナー保護材12では、段ボール素材Pを積層して形成する場合に比べて(図11を参照)、段ボール素材Pの使用量を少なくしつつ、被梱包物1側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。具体的には、上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)では、段ボール素材Pの折り曲げ箇所が5箇所であるが、本変形例のコーナー保護材12では、段ボール素材P’の折り曲げ箇所が4箇所である。これにより、コーナー保護材12を形成する作業を省力化することができる。
【0044】
また、本変形例のコーナー保護材12では、折り曲げ箇所が少なくなることに起因して、段ボール素材P’の幅L’も上記のコーナー保護材12の段ボール素材Pの幅Lよりも小さくすることができる。これにより、段ボール素材の使用量をさらに少なくすることができる。
【0045】
<変形例2のコーナー保護材の構成及びその特徴>
上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)において、被梱包物1側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができるようにするために、第1内側面部21又は第2内側面部22の重なり部分に係止爪を形成するようにしてもよい。
【0046】
例えば、図7、8に示すように、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pにおいて、第1内側面部21における重なり部分に係止爪25を形成するようにしてもよい。ここでは、第2内側面部22を構成する面部31に係止穴26を形成し、第1内側面部21を構成する面部36に係止爪25を形成して、係止爪25を係止穴26に挿入するようにしている。また、図7、8に示すように、第1外側面部23を構成する面部33にも係止爪27を形成して、係止穴26に挿入するようにしてもよい。
【0047】
また、図9、10に示すように、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pにおいて、第2内側面部22における重なり部分に係止爪28を形成するようにしてもよい。ここでは、第2内側面部22を構成する面部31に係止穴29を形成し、第2内側面部22を構成する面部35に係止爪28を形成して、係止爪28を係止穴29に挿入するようにしている。
【0048】
本変形例のコーナー保護材12では、このような係止爪25、27、28が形成されているため、被梱包物1側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【0049】
尚、図8、10においては、係止爪25、27、28がコーナー保護材12の長手方向(被梱包材1の上下方向)に1つだけ設けられているが、複数設けるようにしてもよい。
【0050】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態及び変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、この実施形態及び変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態及び変形例においては、外装材13として下面が開口した段ボール製の箱状の部材を使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、被梱包物1の側面をコーナー保護材12とともに外周側から覆うようにストレッチフィルムを巻き付ける等のように、外装材として他の部材を使用してもよい。
【0052】
また、変形例2においては、上記実施形態のコーナー保護材12の第1内側面部21又は第2内側面部22における重なり部分に係止爪25、27、28を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、変形例1のコーナー保護材12において、第1外側面部23に係止爪を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、略直方体形状の被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており被梱包物の側面を覆う外装材によって被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 被梱包物
1a〜1d コーナー部
10 梱包装置
12 コーナー保護材
13 外装材
21、22 第1及び第2内側面部
23、24 第1及び第2外側面部
25、28 係止爪
A コーナー頂部
B、D 第1及び第2コーナー端部
C コーナー外周側頂部
E、F 段ボール素材の両端
P、P’ 段ボール素材
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー保護材、特に、略直方体形状の被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており被梱包物の側面を覆う外装材によって被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、略直方体形状の被梱包物を梱包する梱包装置がある。この梱包装置は、主として、被梱包物を載置するパレットと、被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護するコーナー保護材と、被梱包物の側面をコーナー保護材とともに外周側から覆う外装材とを有している。コーナー保護材として段ボール製のものを採用する場合には、段ボール素材を積層して平面視略L字形状に形成したもの(図11を参照)が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の梱包装置では、コーナー保護材が段ボール素材を積層して形成されているため、被梱包物側方からの荷重に対してコーナー保護材の変形が小さく、被梱包物のコーナー部の保護は良好であるが、段ボール素材の使用量が多くなる傾向にあった。
【0004】
本発明の課題は、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることが可能な段ボール製のコーナー保護材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点にかかる段ボール製のコーナー保護材は、略直方体形状の被梱包物を梱包する梱包装置において、被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており、被梱包物の側面を覆う外装材によって、被梱包物とともに外周側から覆われるものである。このコーナー保護材は、第1及び第2内側面部と第1及び第2外側面部とが1つの段ボール素材を折り曲げることによって形成されている。第1及び第2内側面部は、被梱包物の平面視において、コーナー部を被梱包物の外周側から挟むように面接触しており、コーナー部の頂点であるコーナー頂部から被梱包物の外周面に沿って第1及び第2コーナー端部に向かって延びる面部である。第1及び第2外側面部は、被梱包物の平面視において、第1及び第2コーナー端部からコーナー頂部よりも外周側に位置しかつ外装材に接触する点であるコーナー外周側頂部に向かって真っ直ぐに延びる面部である。そして、被梱包物の平面視において、段ボール素材の両端は、複数の面部のいずれかにおいて重なっている。
【0006】
このコーナー保護材では、2つの内側面部及び2つの外側面部によって、被梱包物の平面視において、2つの三角形が合わさった形状の中空空間を有するものとなり、これが被梱包物のコーナー部を囲むことになる。そして、このコーナー保護材では、2つの内側面部が被梱包物に面接触し、かつ、2つの外側面部が第1及び第2コーナー端部からコーナー外周側頂部に向かって真っ直ぐ延びており、しかも、段ボール素材の両端がこれらの面部のいずれかにおいて重なっている。このため、このコーナー保護材では、中空空間を有する形状であるにもかかわらず、被梱包物側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0007】
これにより、このコーナー保護材では、段ボール素材を積層して形成する場合に比べて、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0008】
第2の観点にかかるコーナー保護材は、第1の観点にかかるコーナー保護材において、被梱包物の平面視において、段ボール素材は、その一端が第1内側面部に位置し、その他端が第2内側面部に位置し、コーナー頂部、第1内側面部及び第2内側面部で重なっている。
【0009】
このコーナー保護材では、段ボール素材の両端が被梱包物のコーナー部に接触するコーナー頂部、第1内側面部及び第2内側面部で重なっているため、被梱包物のコーナー部の保護をより良好なものとすることができる。
【0010】
第3の観点にかかるコーナー保護材は、第1の観点にかかるコーナー保護材において、被梱包物の平面視において、段ボール素材は、その一端が第1外側面部に位置し、その他端が第1コーナー端部に位置し、第1外側面部で重なっている。
【0011】
このコーナー保護材では、段ボール素材の両端が第1外側面部で重なっているため、段ボール素材の折り曲げ箇所を少なくすることが可能になり、コーナー保護材を形成する作業を省力化することができる。
【0012】
第4の観点にかかるコーナー保護材は、第2の観点にかかるコーナー保護材において、段ボール素材には、第1内側面部又は第2内側面部における重なり部分に係止爪が形成されている。
【0013】
このコーナー保護材では、係止爪が形成されているため、被梱包物側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0015】
第1の観点にかかるコーナー保護材では、段ボール素材を積層して形成する場合に比べて、段ボール素材の使用量を少なくしつつ、被梱包物側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0016】
第2の観点にかかるコーナー保護材では、被梱包物のコーナー部の保護をより良好なものとすることができる。
【0017】
第3の観点にかかるコーナー保護材では、コーナー保護材を形成する作業を省力化することができる。
【0018】
第4の観点にかかるコーナー保護材では、被梱包物側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明にかかるコーナー保護材が採用された梱包装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】コーナー保護材の拡大斜視図である。
【図3】コーナー保護材の平面断面図である。
【図4】コーナー保護材の展開図である。
【図5】変形例1にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図6】変形例1にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図7】変形例2にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図8】変形例2にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図9】変形例2にかかるコーナー保護材の平面断面図である。
【図10】変形例2にかかるコーナー保護材の展開図である。
【図11】従来のコーナー保護材の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかるコーナー保護材が採用された梱包装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
<梱包装置の全体構成>
図1は、本発明にかかるコーナー保護材12が採用された梱包装置10を示す斜視図である。図2は、コーナー保護材12の拡大斜視図である。尚、以下の説明においては、被梱包物1が梱包装置10に梱包された状態を基準とし、この状態における被梱包物1の上下方向を「平面視」とし、被梱包物1の前後方向や左右方向を「側面視」とする。
【0022】
被梱包物としての製品1は、空気調和装置等の機械製品である。本実施形態において、被梱包物1は、略直方体形状である。
【0023】
梱包装置10は、略直方体形状の被梱包物1を梱包する梱包装置である。梱包装置10は、主として、パレット11と、コーナー保護材12と、外装材13とを有している。
【0024】
パレット11は、梱包装置10の下部を構成しており、被梱包物1が載置される部材である。ここでは、パレット11は、木製の板材が釘やネジ等によって互いに固定されることによって構成されている。
【0025】
コーナー保護材12は、被梱包物1の平面視における各コーナー部1a、1b、1c、1dをそれぞれ保護する部材である。ここでは、コーナー保護材12は、段ボール製の棒状の部材であり、被梱包物1の各コーナー部1a、1b、1c、1dを外周側から覆うように装着されている。そして、コーナー保護材12は、被梱包物1の側面を覆う外装材13によって、被梱包物1とともに外周側から覆われる。尚、コーナー保護材12の詳細な構成は、後述するものとする。
【0026】
外装材13は、被梱包物1の側面をコーナー保護材12とともに外周側から覆う部材である。ここでは、外装材13は、下面が開口した段ボール製の箱状の部材であり、主として、天面部13aと、側面部13bとを有している。天面部13aは、被梱包物1の頂部が直接又は緩衝材等を介して接する略正方形状又は略長方形状の部分である。側面部13bは、天面部13aの周縁から下方に向かって延びる四角筒状の部分であり、コーナー保護材12によってコーナー部1a、1b、1c、1dが覆われた状態の被梱包物1の側面を上方から被せることによって覆っている(図1の矢印Xを参照)。外装材13は、所定の形状に切り取られた段ボール素材を折り曲げ加工することによって形成されている。
【0027】
<コーナー保護材の構成>
次に、コーナー保護材12の構成について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図3は、コーナー保護材12の平面断面図である。図4は、コーナー保護材12の展開図である。
【0028】
コーナー保護材12は、第1及び第2内側面部21、22と第1及び第2外側面部23、24とが1つの段ボール素材Pを折り曲げることによって形成されている。
【0029】
第1及び第2内側面部21、22は、被梱包物1の平面視において、コーナー部1a、1b、1c、1dを被梱包物1の外周側から挟むように面接触する面部である。第1内側面部21は、コーナー部1a、1b、1c、1dの頂点に対応するコーナー頂部Aから被梱包物1の外周面に沿ってコーナー頂部Aから遠い側に位置する第1コーナー端部Bに向かって延びている。第2内側面部22は、コーナー頂部Aから被梱包物1の外周面に沿ってコーナー頂部Aから遠い側に位置する第2コーナー端部Dに向かって延びている。すなわち、第2内側面部22は、コーナー頂部Aから第1内側面部21に直交する方向する方向に延びている。
【0030】
第1外側面部23は、被梱包物1の平面視において、第1コーナー端部Bからコーナー頂部Aよりも外周側に位置しかつ外装材13に接触する点であるコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐに延びる面部である。第2外側面部24は、被梱包物1の平面視において、第2コーナー端部Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐに延びる面部である。すなわち、第1及び第2外側面部23、24は、いずれも、被梱包物1の平面視において、被梱包物1から外周側に離れたコーナー外周側頂部Cから被梱包物1に接する第1又は第2コーナー端部B、Dに向かって屈曲することなく延びている。そして、2つの内側面部21、22及び2つの外側面部23、24によって、被梱包物1の平面視において2つの三角形が合わさった形状の中空空間Sが形成されている。
【0031】
そして、被梱包物1の平面視において、段ボール素材Pの両端E、Fは、複数の面部21、22、23、24のいずれかにおいて重なるように折り曲げられている。ここでは、段ボール素材Pは、その一端Eが第1内側面部21に位置し、その他端Fが第2内側面部22に位置し、コーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なっている。より具体的には、複数の面部21、22、23、24は、幅L(図4(b)を参照)の段ボール素材Pを各端部A、B、C、Dの位置で折り曲げることによって形成される面部31、32、33、34、35、36によって構成されている。そして、段ボール素材Pの一端Eに対応する面部36と面部32とが、第1内側面部21で重なっている。また、段ボール素材Pの他端Fに対応する面部31と面部35とが、第2内側面部22で重なっている。その他の面部33、34は、第1及び第2外側面部23、24をそれぞれ構成している。
【0032】
また、段ボール素材Pは、コーナー保護材12の各頂部及び端部A、B、C、Dの折り曲げ線(図4(b)の山折り線及び谷折り線)に直交する方向に波目が現れるように型取りされている(図4(a)を参照)。
【0033】
<コーナー保護材の特徴>
上記の構成を有するコーナー保護材12は、以下のような特徴を有している。
【0034】
コーナー保護材12では、上記のように、2つの内側面部21、22及び2つの外側面部23、24によって、被梱包物1の平面視において、2つの三角形が合わさった形状の中空空間Sを有するものとなり、これが被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dを囲んでいる。そして、コーナー保護材12では、2つの内側面部21、22が被梱包物1に面接触し、かつ、2つの外側面部23、24が第1及び第2コーナー端部B、Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びている。しかも、段ボール素材Pの両端E、Fが第1及び第2内側面部21、22において重なっている。
【0035】
このため、コーナー保護材12では、中空空間Sを有する形状であるにもかかわらず、被梱包物1側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。具体的には、コーナー外周側頂部Cに対して被梱包物1側方から荷重Gが作用する場合(図3を参照)、この荷重Gは、図3の紙面上方に向かう荷重G1と、図3の紙面右方に向かう荷重G2とに分けることができる。そして、コーナー保護材12に荷重G1が作用すると、この荷重G1は、第1外側面部23及び第2内側面部22によって受けることになる。この際、第2内側面部22が被梱包物1に面接触しているため、第2内側面部22の位置は動くことはない。このため、第2内側面部22にコーナー頂部Aを介して繋がっている第1内側面部21の位置、すなわち、第1コーナー端部Bの位置も動くことはない。そうすると、第1外側面部23は、第1コーナー端部Bからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びているため、荷重G1が作用しても動くことはない。すなわち、コーナー外周側頂部Cの荷重G1方向の移動が生じない。また、コーナー保護材12に荷重G2が作用すると、この荷重G2は、第2外側面部24及び第1内側面部21によって受けることになる。この際、第1内側面部21が被梱包物1に面接触しているため、第1内側面部21の位置は動くことはない。このため、第1内側面部21にコーナー頂部Aを介して繋がっている第2内側面部22の位置、すなわち、第2コーナー端部Dの位置も動くことはない。そうすると、第2外側面部24は、第2コーナー端部Dからコーナー外周側頂部Cに向かって真っ直ぐ延びているため、荷重G2が作用しても動くことはない。すなわち、コーナー外周側頂部Cの荷重G2方向の移動が生じない。したがって、コーナー外周側頂部Cの位置は、荷重Gが作用しても動くことはなく、これにより、被梱包物1側方から荷重が作用してもコーナー保護材12の変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0036】
これにより、コーナー保護材12では、段ボール素材Pを積層して形成する場合に比べて(図11を参照)、段ボール素材Pの使用量を少なくしつつ、被梱包物1側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。
【0037】
また、コーナー保護材12では、上記のように、段ボール素材Pの両端E、Fが被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dに接触するコーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なっているため、被梱包物1のコーナー部1a、1b、1c、1dの保護をより良好なものとすることができる。
【0038】
また、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pは、上記のように、コーナー保護材12の各頂部及び端部A、B、C、Dの折り曲げ線に直交する方向に波目が現れるように型取りされている。
【0039】
このため、コーナー保護材12の被梱包物1側方からの荷重に対する強度が高くなり、コーナー保護材12の変形がさらに抑えられている。
【0040】
<変形例1のコーナー保護材の構成及びその特徴>
上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)では、段ボール素材Pの両端E、Fがコーナー頂部A、第1内側面部21及び第2内側面部22で重なるようにしているが、段ボール素材Pの両端E、Fを重ねる部分は、これに限定されるものではない。
【0041】
例えば、図5、6に示すように、被梱包物1の平面視において、段ボール素材Pの一端Eが第1外側面部23に位置し、その他端Fが第1コーナー端部Bに位置し、第1外側面部23で重なるようにしてもよい。より具体的には、複数の面部21、22、23、24は、幅L’(図6(b)を参照)の段ボール素材P’を各端部A、B、C、Dの位置で折り曲げることによって形成される面部131、132、133、134、135によって構成されている。そして、段ボール素材P’の一端Eに対応する面部135と面部131とが、第1外側面部23で重なっている。また、段ボール素材P’の他端Fに対応する面部131が、第1コーナー端部Bに位置している。その他の面部132、133、134は、第2外側面部24、第2内側面部22、及び、第1内側面部21をそれぞれ構成している。
【0042】
そして、本変形例のコーナー保護材12においても、上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)と同様に、中空空間Sを有する形状であるにもかかわらず、被梱包物1側方からの荷重に対して変形が抑えられ、型くずれが生じにくくなっている。
【0043】
また、本変形例のコーナー保護材12では、段ボール素材Pを積層して形成する場合に比べて(図11を参照)、段ボール素材Pの使用量を少なくしつつ、被梱包物1側方からの荷重に対する変形を抑えることができる。具体的には、上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)では、段ボール素材Pの折り曲げ箇所が5箇所であるが、本変形例のコーナー保護材12では、段ボール素材P’の折り曲げ箇所が4箇所である。これにより、コーナー保護材12を形成する作業を省力化することができる。
【0044】
また、本変形例のコーナー保護材12では、折り曲げ箇所が少なくなることに起因して、段ボール素材P’の幅L’も上記のコーナー保護材12の段ボール素材Pの幅Lよりも小さくすることができる。これにより、段ボール素材の使用量をさらに少なくすることができる。
【0045】
<変形例2のコーナー保護材の構成及びその特徴>
上記のコーナー保護材12(図3、4を参照)において、被梱包物1側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができるようにするために、第1内側面部21又は第2内側面部22の重なり部分に係止爪を形成するようにしてもよい。
【0046】
例えば、図7、8に示すように、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pにおいて、第1内側面部21における重なり部分に係止爪25を形成するようにしてもよい。ここでは、第2内側面部22を構成する面部31に係止穴26を形成し、第1内側面部21を構成する面部36に係止爪25を形成して、係止爪25を係止穴26に挿入するようにしている。また、図7、8に示すように、第1外側面部23を構成する面部33にも係止爪27を形成して、係止穴26に挿入するようにしてもよい。
【0047】
また、図9、10に示すように、コーナー保護材12を構成する段ボール素材Pにおいて、第2内側面部22における重なり部分に係止爪28を形成するようにしてもよい。ここでは、第2内側面部22を構成する面部31に係止穴29を形成し、第2内側面部22を構成する面部35に係止爪28を形成して、係止爪28を係止穴29に挿入するようにしている。
【0048】
本変形例のコーナー保護材12では、このような係止爪25、27、28が形成されているため、被梱包物1側方からの荷重に対する変形をさらに抑えることができる。
【0049】
尚、図8、10においては、係止爪25、27、28がコーナー保護材12の長手方向(被梱包材1の上下方向)に1つだけ設けられているが、複数設けるようにしてもよい。
【0050】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態及び変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、この実施形態及び変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態及び変形例においては、外装材13として下面が開口した段ボール製の箱状の部材を使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、被梱包物1の側面をコーナー保護材12とともに外周側から覆うようにストレッチフィルムを巻き付ける等のように、外装材として他の部材を使用してもよい。
【0052】
また、変形例2においては、上記実施形態のコーナー保護材12の第1内側面部21又は第2内側面部22における重なり部分に係止爪25、27、28を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、変形例1のコーナー保護材12において、第1外側面部23に係止爪を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、略直方体形状の被梱包物の平面視における各コーナー部をそれぞれ保護しており被梱包物の側面を覆う外装材によって被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 被梱包物
1a〜1d コーナー部
10 梱包装置
12 コーナー保護材
13 外装材
21、22 第1及び第2内側面部
23、24 第1及び第2外側面部
25、28 係止爪
A コーナー頂部
B、D 第1及び第2コーナー端部
C コーナー外周側頂部
E、F 段ボール素材の両端
P、P’ 段ボール素材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状の被梱包物(1)を梱包する梱包装置(10)において、前記被梱包物の平面視における各コーナー部(1a〜1d)をそれぞれ保護しており、前記被梱包物の側面を覆う外装材(13)によって、前記被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材であって、
前記被梱包物の平面視において、前記コーナー部を前記被梱包物の外周側から挟むように面接触しており、前記コーナー部の頂点であるコーナー頂部(A)から前記被梱包物の外周面に沿って第1及び第2コーナー端部(B、D)に向かって延びる第1及び第2内側面部(21、22)と、
前記被梱包物の平面視において、前記第1及び第2コーナー端部から前記コーナー頂部よりも外周側に位置しかつ前記外装材に接触する点であるコーナー外周側頂部(C)に向かって真っ直ぐに延びる第1及び第2外側面部(23、24)と、
が、1つの段ボール素材(P、P’)を折り曲げることによって形成されており、
前記被梱包物の平面視において、前記段ボール素材の両端(E、F)は、前記複数の面部のいずれかにおいて重なっている、
コーナー保護材(12)。
【請求項2】
前記被梱包物(1)の平面視において、前記段ボール素材(P)は、その一端(E)が前記第1内側面部(21)に位置し、その他端(F)が前記第2内側面部(22)に位置し、前記コーナー頂部(A)、前記第1内側面部(21)及び前記第2内側面部(22)で重なっている、
請求項1に記載のコーナー保護材(12)。
【請求項3】
前記被梱包物(1)の平面視において、前記段ボール素材(P’)は、その一端(E)が前記第1外側面部(23)に位置し、その他端(F)が前記第1コーナー端部(B)に位置し、前記第1外側面部(23)で重なっている、
請求項1に記載のコーナー保護材(12)。
【請求項4】
前記段ボール素材(P)には、前記第1内側面部(21)又は前記第2内側面部(22)における重なり部分に係止爪(25、28)が形成されている、
請求項2に記載のコーナー保護材(12)。
【請求項1】
略直方体形状の被梱包物(1)を梱包する梱包装置(10)において、前記被梱包物の平面視における各コーナー部(1a〜1d)をそれぞれ保護しており、前記被梱包物の側面を覆う外装材(13)によって、前記被梱包物とともに外周側から覆われる段ボール製のコーナー保護材であって、
前記被梱包物の平面視において、前記コーナー部を前記被梱包物の外周側から挟むように面接触しており、前記コーナー部の頂点であるコーナー頂部(A)から前記被梱包物の外周面に沿って第1及び第2コーナー端部(B、D)に向かって延びる第1及び第2内側面部(21、22)と、
前記被梱包物の平面視において、前記第1及び第2コーナー端部から前記コーナー頂部よりも外周側に位置しかつ前記外装材に接触する点であるコーナー外周側頂部(C)に向かって真っ直ぐに延びる第1及び第2外側面部(23、24)と、
が、1つの段ボール素材(P、P’)を折り曲げることによって形成されており、
前記被梱包物の平面視において、前記段ボール素材の両端(E、F)は、前記複数の面部のいずれかにおいて重なっている、
コーナー保護材(12)。
【請求項2】
前記被梱包物(1)の平面視において、前記段ボール素材(P)は、その一端(E)が前記第1内側面部(21)に位置し、その他端(F)が前記第2内側面部(22)に位置し、前記コーナー頂部(A)、前記第1内側面部(21)及び前記第2内側面部(22)で重なっている、
請求項1に記載のコーナー保護材(12)。
【請求項3】
前記被梱包物(1)の平面視において、前記段ボール素材(P’)は、その一端(E)が前記第1外側面部(23)に位置し、その他端(F)が前記第1コーナー端部(B)に位置し、前記第1外側面部(23)で重なっている、
請求項1に記載のコーナー保護材(12)。
【請求項4】
前記段ボール素材(P)には、前記第1内側面部(21)又は前記第2内側面部(22)における重なり部分に係止爪(25、28)が形成されている、
請求項2に記載のコーナー保護材(12)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−254800(P2012−254800A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127485(P2011−127485)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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