説明

コールセンタシステム、通信端末、通信試験方法、およびコンピュータプログラム

【課題】コールセンタシステムの通信端末間での通信の試験を本来の業務に支障を来たさないように実施する。
【解決手段】通話ユニット11〜13に、パーソナルコンピュータ1Aと音声編集装置1Bとを設ける。音声編集装置1Bに、他の通話ユニット1それぞれから音声信号を入力する入力端子と、他の通話ユニット1それぞれに音声信号を出力する出力端子と、入力端子より入力された音声信号の出力先とする出力端子を決定する回路と、を設ける。パーソナルコンピュータ1Aに、試験の対象である通話ユニット12、13との間で試験信号TSの送受信を行うための試験用パスをその回路に設定する試験用パス設定指令部5M2と、コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視部5M6と、着信監視部5M6によって着信が検知された場合に試験用パスを解除する試験終了制御部5M7と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンタで使用されるコールセンタシステムおよび通信端末に関する。特に、これらの通信試験に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VoIP(Voice Over IP)の技術が発達し、コールセンタにおいてもVoIPを採用したコールセンタシステムが普及し始めている。
【0003】
特に、警察および消防などの重要性の高い機関で使用されるコールセンタシステムは、常に高い品質を保ちかつ安定的に運用されることが求められる。そこで、コールセンタシステムにおける通信の試験を的確に実行する必要がある。
【0004】
通信の試験の方法として、特許文献1、2に記載されるような方法が提案されている。特許文献1に記載される方法によると、試験サーバより、TGW(Trunk Gateway)の音声符号化部とパケット化部を介して、TGW内の交換機インタフェース側に設けた折り返し手段へ、音声信号を符号化して得た試験パターンを送り、その信号折り返し手段からの試験パターンを、再度、音声符号化部とパケット化部を介して試験サーバで受信する。そして、その受信試験パターンに基づいて、TGWの音声符号化/再生動作の正常性を確認する。
【0005】
特許文献2に記載される方法によると、第1の通信プロトコルと第2の通信プロトコルのあいだでプロトコル変換を行うゲートウエイ装置に、次のような回路を備える。第1のネットワークインタフェース回路と、第1の端末インタフェース回路と、第2のネットワークインタフェース回路と、プロトコル変換手段と、第1の通信ネットワークと第1のネットワークインタフェース回路のあいだ、および第1の通信端末と第1の端末インタフェース回路のあいだに介在し、通常時には、第1の通信ネットワークと第1のネットワークインタフェース回路を接続するとともに第1の端末インタフェース回路と第1の通信端末を接続し、試験時には、第1の端末インタフェース回路と第1のネットワークインタフェース回路を接続するセレクタ回路とを備える。
【特許文献1】特開2003−8645号公報
【特許文献2】特開2005−6051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上に述べたような方法によって試験を行う場合は、コールセンタの業務時間外に行うのが望ましい。なぜなら、業務時間中に試験を行うと、業務に支障を来たすおそれがあるからである。ところが、警察または消防などで使用されるコールセンタシステムは、休みなく運用されているので、それは不可能である。
【0007】
そこで、コールセンタシステムの一部の通信端末ずつを対象に順次試験を行うことが考えられる。しかし、そうすると、試験中はコールセンタシステムの処理能力が低下するので、特に警察または消防などで使用される緊急性を要するコールセンタシステムにおいては、望ましい試験方法であるとは言えない。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑み、コールセンタシステムに用いられる通信端末間での通信の試験を本来の業務に支障を来たさないように実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコールセンタシステムは、コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末によって構成されるコールセンタシステムであって、試験の対象である前記通信端末同士が試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る通信端末は、コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末であって、試験の対象である他の通信端末との間で試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、他の通信端末それぞれから音声信号を入力するための入力端子と、他の通信端末それぞれに音声信号を出力するための出力端子と、前記入力端子より入力された音声信号の出力先とする前記出力端子を決定する回路と、を有し、前記経路設定手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を設定し、前記経路解除手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を解除する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、コールセンタシステムに用いられる通信端末間での通信の試験を本来の業務に支障を来たさないように実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明に係るコールセンタシステムCCSの全体的な構成の例を示す図、図2はパーソナルコンピュータ1Aのハードウェア構成の例を示す図、図3は主試験端末アプリケーションAP1が起動中である通話ユニット1の機能的構成の例を示す図、図4は副試験端末アプリケーションAP2が起動中である通話ユニット1の機能的構成の例を示す図、図5は音声編集装置1Bのハードウェア構成の例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本発明に係るコールセンタシステムCCSは、複数の通話ユニット1、VoIP−LAN回線網2、音声用ルーティング網3、およびVoIPトランク4などによって構成され、外部から掛かってきた電話に対して電話オペレータが応対するために用いられる。
【0015】
以下、警察または消防などの公共機関のコールセンタにおいて緊急の通報に応対するためコールセンタシステムCCSが使用される場合を例に説明する。
【0016】
通話ユニット1は、電話オペレータが使用する通話用の通信端末であって、パーソナルコンピュータ1A、音声編集装置1B、およびヘッドセット1Cなどによって構成される。1人の電話オペレータごとに1組の通話ユニット1が割り当てられている。電話オペレータは、自分に割り当てられた通話ユニット1を操作することによって通報者に応対する。以下、これらの通話ユニット1を、「通話ユニット11」、「通話ユニット12」、「通話ユニット13」、…と区別して記載することがある。
【0017】
パーソナルコンピュータ1Aは、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)1Aa、RAM(Random Access Memory)1Ab、ROM(Read Only Memory)1Ac、ハードディスク1Ad、ディスプレイ1Ae、キーボード1Af、マウス1Ag、LANカード1Ah、バスインタフェース1Ai、およびサウンドカード1Ajなどによって構成される。
【0018】
ディスプレイ1Aeは、CPU1Aaによる処理の結果を電話オペレータに知らせる画面、緊急車両の手配などを電話オペレータに行わせるための画面、その他種々の画面を表示する。キーボード1Afおよびマウス1Agは、電話オペレータがコマンドまたはデータを通話ユニット1に入力するための入力装置である。
【0019】
LANカード1Ahは、VoIP−LAN回線網2を介して他の通話ユニット1およびVoIPトランク4と接続し通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、特に、通報者との会話(通話)の音声データの送受信をVoIP(Voice Over IP)のプロトコルに基づいて行い、または、他の通話ユニット1のパーソナルコンピュータ1Aに対して指令を与えるために、用いられる。
【0020】
バスインタフェース1Aiは、音声編集装置1Bと接続し通信を行うためのインタフェースである。バスインタフェース1Aiとして、例えば、USB(Universal Serial Bus)またはRS−232Cなどが用いられる。
【0021】
サウンドカード1Ajは、FM音源、PCM音源、音声入力端子、および音声出力端子などによって構成され、音声編集装置1Bから音声信号を入力し所定のフォーマットの音声データに変換しまたは通報者からの音声データを音声信号に変換する。
【0022】
ハードディスク1Adには、従来のコールセンタシステムの通話ユニット用のパーソナルコンピュータの場合と同様に、オペレーティングシステムをはじめ、VoIPに基づいて音声データをパケット化するアプリケーション、受信したパケットを音声データに復号するアプリケーション、会議通話(3人以上による同時通話)への参加者を選択するためのアプリケーション、および緊急車両の手配や関係機関への連絡を行うためのアプリケーションなどがインストールされている。
【0023】
さらに、ハードディスク1Adには、会議通話の試験を行うための主試験端末アプリケーションAP1および副試験端末アプリケーションAP2がインストールされている。主試験端末アプリケーションAP1は、図3に示すような試験開始日時検知部5M1、試験用パス設定指令部5M2、試験開始処理要求部5M3、試験音声発信制御部5M4、音声チェック部5M5、着信監視部5M6、試験終了制御部5M7、および試験中フラグ5MFなどの機能を実現するためのプログラムおよびデータによって構成される。
【0024】
一方、副試験端末アプリケーションAP2は、図4に示すような試験開始処理要求受付部5S1、試験用パス設定指令部5S2、着信監視部5S3、試験終了制御部5S4、および試験中フラグ5SFなどの機能を実現するためのプログラムおよびデータによって構成される。
【0025】
ハードディスク1Adにインストールされているこれらのソフトウェアは必要に応じてRAM1AbにロードされCPU1Aaによって実行される。
【0026】
図1に戻って、ヘッドセット1Cは、電話オペレータが通報者または他の電話オペレータの音声を聴くためのイヤホン1Caおよび電話オペレータが通報者または他の電話オペレータに対して発話するためのマイクロホン1Cbによって構成される。ヘッドセット1Cは、1台の音声編集装置1Bごとに1つずつ用意されている。
【0027】
音声編集装置1Bは、図5に示すように、音声編集処理部1B1、制御部1B2、およびバスインタフェース1B3などによって構成され、その音声編集装置1Bを使用する電話オペレータに聴かせる音声の編集を行う。さらに、他の通話ユニット1の音声編集装置1Bに対して出力する音声信号の編集を行う。通報者に対して出力する音声信号の編集を行うこともある。
【0028】
音声編集処理部1B1は、パーソナルコンピュータ1Aのサウンドカード1Ajの音声出力端子および音声入力端子とそれぞれ繋ぐための音声入力端子Ti0および音声出力端子To0、電話オペレータが使用するヘッドセット1Cのマイクロホン1Cbから音声信号を入力するための音声入力端子TiH、イヤホン1Caに音声信号を出力するための音声出力端子ToH、他の通話ユニット1の音声編集装置1Bそれぞれから出力された音声信号を音声用ルーティング網3を介して入力するための音声入力端子Ti1、Ti2、Ti3、…、他の通話ユニット1の音声編集装置1Bそれぞれに対して音声信号を出力するための音声出力端子To1、To2、To3、…、および予備用の音声入力端子TiYおよび音声出力端子ToYなど、音声信号の入出力を行うための多数の端子を有する。
【0029】
以下、通話ユニット11、12、13、…と繋がれる音声入力端子を「音声入力端子Ti1」、「音声入力端子Ti2」、「音声入力端子Ti3」、…と記載する。音声出力端子についても同様に「音声出力端子To1」、「音声出力端子To2」、「音声出力端子To3」、…と記載する。
【0030】
なお、音声入力端子TiYおよび音声出力端子ToYは、本実施形態においては、専ら試験のために、互いにケーブルで繋がれた状態で使用される。つまり、音声出力端子ToYから出力された音声信号がそのまま音声入力端子TiYより入力されるように構成されている。
【0031】
さらに、音声編集処理部1B1は、音声加算分配回路SACを有する。この音声加算分配回路SACは、各音声入力端子から入力された音声信号をいずれの音声出力端子から出力させるのかを決定する。つまり、入力信号の分配を行う。さらに、電話オペレータ本人、通報者、または他の電話オペレータの複数人の音声を同時に再現するための音声信号を、各音声入力端子から入力された複数の音声信号を加算することによって生成する。これにより、会議通話が可能になる。音声信号を分配しまたは加算するための技術として、下記の公知技術文献1に記載される技術が用いられる。
【0032】
〔公知技術文献1〕特開平2003−274031号公報
このように、音声加算分配回路SACは、入力されたどの音声信号をどの音声出力端子から出力させるのかを決めるパス(経路)を形成する。
【0033】
バスインタフェース1B3は、パーソナルコンピュータ1Aのバスインタフェース1Aiと同じ規格のインタフェースであって、パーソナルコンピュータ1Aと接続しデータ通信を行うために用いられる。
【0034】
制御部1B2は、バスインタフェース1B3を介して送信されてきたパーソナルコンピュータ1Aからの指令に基づいて音声加算分配回路SACを制御する。
【0035】
次に、図3および図4に示す各部の処理内容などについて詳細に説明する。前に述べたように、主試験端末アプリケーションAP1および副試験端末アプリケーションAP2は、会議通話の試験のために用いられるが、これらのアプリケーションによると、いわゆるコールスルーの試験を行うことができる。すなわち、会議通話に使用される複数の通話ユニット1のうちの1つから音声信号を発信し、その音声信号が残りの通話ユニット1を順次通過して元の通話ユニット1に戻ってくるか否かの検証を行う。また、戻ってきた音声信号に基づいて通信の質の検証を行う。以下、通話ユニット11、12、13、11の順に音声信号を通過させることによってコールスルーの試験を行う例に、説明する。
【0036】
通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aでは、主試験端末アプリケーションAP1が起動されており、図3に示す各部が機能している。一方、通話ユニット12、13の各パーソナルコンピュータ1Aでは、副試験端末アプリケーションAP2が起動されており、図4に示す各部が機能している。
【0037】
図3において、通話ユニット11の試験中フラグ5MFは、現在試験中であるか否かを示すフラグである。試験中フラグ5MFは、試験中である場合は「SET(セット)」を示し、試験中でない場合は「CLR(クリア)」を示す。図4に示す通話ユニット12および通話ユニット13それぞれの試験中フラグ5SFも同様に、試験中である場合は「SET」を示し、試験中でない場合は「CLR」を示す。
【0038】
試験開始日時検知部5M1は、試験を開始する日時が来たことを検知すると、試験のための処理を開始するように各部に指令するとともに、試験中フラグ5MFを「SET」にする。
【0039】
試験用パス設定指令部5M2は、通話ユニット11自身の音声編集装置1Bに対して、音声入力端子Ti0より入力された音声信号が音声出力端子ToYから出力され、音声入力端子TiYより入力された音声信号が音声出力端子To2から出力され、かつ音声入力端子Ti3より入力された音声信号が音声出力端子To0から出力されるパスを音声加算分配回路SACに設定(形成)するように、指令を与える。すると、音声編集装置1Bの制御部1B2は、係る指令の通りに音声信号のパスが設定されるように音声編集処理部1B1を制御する(図5、図7参照)。
【0040】
試験開始処理要求部5M3は、通話ユニット12、13に対して、コールスルーの試験を開始するための処理を行うように要求する。この際に、どのようなパスを設定すべきかを示すデータ(以下、「パスリモート設定データ」と記載する。)を、VoIP−LAN回線網2を介して通話ユニット12、13に送信する。
【0041】
図4において、通話ユニット12、13の試験開始処理要求受付部5S1は、通話ユニット11からの要求およびパスリモート設定データを受け付ける。すると、それぞれの試験中フラグ5SFが「SET」に切り換えられる。また、それぞれの試験用パス設定指令部5S2は、パスリモート設定データに基づいてそれぞれの音声編集装置1Bに対して試験用のパスの設定を行うように指令を与える。
【0042】
すなわち、通話ユニット12の試験用パス設定指令部5S2は、通話ユニット12自身の音声編集装置1Bに対して、音声入力端子Ti1より入力された音声信号が音声出力端子ToYから出力されかつ音声入力端子TiYより入力された音声信号が音声出力端子To3から出力されるパスを音声加算分配回路SACに設定するように、指令を与える。すると、制御部1B2は、係る指令の通りに音声信号のパスが設定されるように音声編集処理部1B1を制御する(図5、図7参照)。
【0043】
一方、通話ユニット13の試験用パス設定指令部5S2は、通話ユニット13自身の音声編集装置1Bに対して、音声入力端子Ti2より入力された音声信号が音声出力端子ToYから出力されかつ音声入力端子TiYより入力された音声信号が音声出力端子To1から出力されるパスを音声加算分配回路SACに設定するように、指令を与える。すると、制御部1B2は、係る指令の通りに音声信号のパスが設定されるように音声編集処理部1B1を制御する(図5、図7参照)。
【0044】
通話ユニット11の試験音声発信制御部5M4は、通話ユニット11〜13の各音声加算分配回路SACに試験用のパスが設定されたら、試験用の音声信号を発信するように通話ユニット11自身のサウンドカード1Ajを制御する。以下、この試験用の音声信号を「試験信号TS」と記載する。試験信号TSは、上に説明した処理によって通話ユニット11〜13それぞれの音声編集装置1Bの音声加算分配回路SACに設定されたパスおよび音声用ルーティング網3をスルー(経由)し、通話ユニット11のサウンドカード1Ajに入力される。つまり、通話ユニット11に戻ってくる。
【0045】
音声チェック部5M5は、戻ってきた試験信号TSを検知することによって、コールスルーのパスがきちんと設定されていることを確認する。さらに、戻ってきた試験信号TSを測定することによって、通信の質を検証する。つまり、戻ってきた試験信号TSと発信時の試験信号TSとの測定値を比較し、両者が一致する場合は、音声の劣化がなく通信の質が良好であることが確認できる。これにより、試験が完了する。
【0046】
着信監視部5M6は、通報者からの電話の着信の有無を監視する。また、着信フラグ5MGを有しており、着信があったら直ちに着信フラグ5MGを「オフ」から「オン」に切り換える。
【0047】
試験終了制御部5M7は、戻ってきた試験信号TSが検知された場合または試験中フラグ5MFが「SET」であるときに着信フラグ5MGが「オン」になった場合に、試験用のパスの解除を行うように音声編集装置1Bに対して直ちに指令する。
【0048】
すると、音声編集装置1Bは、音声加算分配回路SACのパスを初期値にリセットする。これにより、試験用のパスが解除され、通話ユニット11を通常通り業務のために使用することができるようになる。そして、試験中フラグ5MFは「CLR」にリセットされる。
【0049】
通話ユニット12、13の着信監視部5S3は、通話ユニット11の着信監視部5M6と同様、通報者からの電話の着信の有無を監視する。また、着信フラグ5SGを有しており、着信があったら直ちに着信フラグ5SGを「オフ」から「オン」に切り換える。
【0050】
試験終了制御部5S4は、試験信号TSが自らの音声編集装置1Bをスルーしたことが検知された場合または試験中フラグ5SFが「SET」であるときに着信フラグ5SGが「オン」になった場合に、試験用のパスの解除を行うように自らの音声編集装置1Bに対して直ちに指令する。
【0051】
すると、音声編集装置1Bは、通話ユニット11の音声編集装置1Bの場合と同様に、音声加算分配回路SACのパスを初期値にリセットする。そして、試験中フラグ5SFは「CLR」にリセットされる。
【0052】
図6はコールスルー試験の処理の流れの例を説明するフローチャート、図7はコールスルー試験の際の試験信号TSの流れの例を説明するための図、図8はコールスルー試験中に電話の着信があった場合の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0053】
ここで、通話ユニット11〜13におけるコールスルーの試験の際の処理の手順を、図6、図7、および図8を参照して説明する。
【0054】
通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aは、試験の開始日時になったら、通話ユニット12、13に対して試験を開始するように指令を与える(図6の#101、#102)。通話ユニット11〜13の各パーソナルコンピュータ1Aは、それぞれの試験中フラグ(試験中フラグ5MFまたは試験中フラグ5SF)を「SET」にするとともに(#103〜#105)、音声加算分配回路SACに試験用のパスを設定する(#106〜#108)。
【0055】
通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aは、自らの音声編集装置1Bに対して試験信号TSを発信する(#109)。
【0056】
すると、図7において、その音声編集装置1Bは、その試験信号TSを音声入力端子Ti0より入力し音声出力端子ToYから出力する。さらに、出力されたその試験信号TSをそのまま音声入力端子TiYより入力する。
【0057】
つまり、有人の試験を行うのであれば、通話ユニット11の電話オペレータに視聴させるために試験信号TSを音声出力端子ToHから出力し、通話ユニット11の電話オペレータが発した試験用の音声の音声信号を音声入力端子TiHより入力すべきである。しかし、音声出力端子ToHの代わりに音声出力端子ToYから試験信号TSを出力し、それを音声入力端子TiHの代わりに音声入力端子TiYからケーブル経由で直接入力することによって、電話オペレータに対する音声の出力および電話オペレータが発した音声の音声信号の入力の両方を無人で擬することができる。
【0058】
通話ユニット12の音声編集装置1Bは、通話ユニット11からの試験信号TSを、音声入力端子Ti1より入力し、音声出力端子ToYから出力する。さらに、それを音声入力端子TiYより入力し、音声出力端子To3から出力する。これにより、通話ユニット11の場合と同様に、通話ユニット12の電話オペレータに対する音声の出力および電話オペレータが発した音声の音声信号の入力が擬される。
【0059】
通話ユニット13の音声編集装置1Bは、通話ユニット12からの試験信号TSを、音声入力端子Ti2より入力し、音声出力端子ToYから出力する。さらに、それを音声入力端子TiYより入力し、音声出力端子To1から出力する。これにより、通話ユニット11、12の場合と同様に、通話ユニット13の電話オペレータに対する音声の出力および電話オペレータが発した音声の音声信号の入力が擬される。
【0060】
そして、通話ユニット11の音声編集装置1Bは、通話ユニット13から戻ってきた試験信号TSを、音声入力端子Ti3より入力し音声出力端子To0から通話ユニット11自身のパーソナルコンピュータ1Aに対して出力する。
【0061】
図6に戻って、通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aは、通話ユニット12、13を経由して戻ってきた試験信号TSを受信すると(#110〜#112)、今回のコールスルーのパスが正しく繋がっていると判別する。また、戻ってきた試験信号TSと元の試験信号TSとを比較することによって通信の質をチェックする(#113)。そして、通話ユニット11〜13の各パーソナルコンピュータ1Aは、自らの試験中フラグを「CLR」にリセットし(#114〜#116)、各音声編集装置1Bは自らの音声加算分配回路SACに設定している試験用のパスを解除して初期値に戻す(#117〜#119)。
【0062】
ところで、ステップ#101〜#113の処理の実行中つまり試験中に、コールセンタシステムCCSに通報者からの電話が掛かってくることがある。図8において、通話ユニット11〜13の各パーソナルコンピュータ1Aは、通報者からの電話の着信を検知すると(#122〜#124)、自らの試験中フラグを「CLR」にリセットし(#125〜#127)、各音声編集装置1Bは自らの音声加算分配回路SACに設定している試験用のパスを解除して初期値に戻し(#128〜#130)、試験を直ちに中止する。これにより、通報者からの電話に直ちに応対できる状態に戻ることができる。
【0063】
なお、通話ユニット11は、試験を実施するスケジュールのデータを有しており、そのスケジュールに従って自動的に試験を開始する。または、定期的に自動的に試験を開始する。
【0064】
図9はコールスルー試験の際の試験信号TSの流れの変形例を説明するための図である。
【0065】
コールスルーの試験のパスの設定の仕方は、図7に示した例に限られない。例えば、図9に示すように設定しておき、通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aから発信した試験信号TSがそのパーソナルコンピュータ1A自身に戻ってくるか否かを検証し、かつ、通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aから発信した試験信号TSが通話ユニット12および通話ユニット13それぞれの音声編集装置1Bをスルーして通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aに戻ってくるか否かを検証してもよい。
【0066】
なお、図9において、通話ユニット11の音声編集装置1Bに音声入力端子Ti0および音声出力端子To0を2つずつ記載しているが、これは、上記の2種類の検証のための試験信号TSの流れを説明するために便宜的に記載したものであって、実際には各端子は1つずつ設けられている。
【0067】
本実施形態によると、複数の通話ユニット1同士で通信の試験を実施している最中に通報者からの電話の着信があった場合に、直ちに通信の試験を中止し、試験用のパスの設定を解除する。このような構成により、本来の業務に支障を来たさないように試験を実施することができる、
また、通話ユニット1は、試験を無人で自動的にフレキシブルに実施し、試験の終了後は通常通りの使用が可能となる。よって、電話オペレータは、試験の実施の有無を意識することなく業務に従事することができる。
【0068】
コールセンタシステムCCSの保守担当者は、試験の対象の通話ユニット1をコールセンタシステムCCSから分離したり元に戻したりするための作業を行わなくてよい。よって、保守担当者の負担を軽減することができる。
【0069】
しかも、予備の音声入力端子TiHと音声出力端子ToHとを折返し用のケーブルで繋ぐ以外ハードウェアのインフラ(基盤)をほとんど変える必要がないので、試験のコストを低く抑えることができる。
【0070】
本実施形態では、VoIPを使用したコールセンタシステムCCSを例に説明したが、本発明は、VoIPを使用しないコールセンタシステムにも適用可能である。
【0071】
〔他の試験形態における本発明の適用例〕
図10は公衆網を介した二者通話の試験の処理の流れの例を説明するフローチャート、図11は公衆網を介した二者通話の試験の際の音声信号などの流れの例を説明するための図、図12は公衆網を介した二者通話の試験中に着信があった場合の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0072】
本実施形態では、コールセンタシステムCCSの中の通信網のみを使用した試験を行う場合を例に説明したが、公衆網も使用した試験を行う場合にも本発明を適用することができる。
【0073】
このような試験を行う場合は、コールセンタシステムCCSの各装置は、例えば図10、図11、および図12に示すような手順の処理を行えばよい。
【0074】
以下、図10、図11、および図12を参照しながら、通話ユニット11および通話ユニット12が公衆網を介して試験を行う場合について説明する。なお、通話ユニット11、12それぞれの内部での処理の概念については、上に述べた実施形態における処理の概念と共通するので、説明を省略する。
【0075】
図10および図11において、通話ユニット12は、通話ユニット11に対して試験の開始を通知する(図10の#201、図11の丸数字1)。通話ユニット11、12は、それぞれ、自らの試験用フラグを「SET」にする(#202、#203)。
【0076】
また、通話ユニット12は、試験の開始を通知する際に、通話ユニット12自身が後に公衆網を介してコールセンタシステムCCSにダイヤルするときの発信者番号を予め通話ユニット11に知らせておく。さらに、通話ユニット11が公衆網を介して通話ユニット12から受信した試験用の音声の音声信号を、音声用ルーティング網3を介して通話ユニット12に返す(ループバックする)ためのパスを設定するように要求する。
【0077】
通話ユニット11は、通話ユニット12からの要求通りのパスが設定されるように、自らの音声加算分配回路SACを制御する(#204)。また、通話ユニット12も、通話ユニット11からループバックされてきた試験信号を入力できるように自らの音声加算分配回路SACの設定の制御を行う(#205)。
【0078】
通話ユニット12は、VoIPトランク4に対しても、試験の開始を通知するとともに上記の発信者番号を通知しておく(#206、丸数字2)。VoIPトランク4は、試験が終了するまでの間、その発信者番号から掛かってきた電話を通話ユニット11にのみ知らせるように制御を行う。
【0079】
これらの準備が整ったら、通話ユニット12は、コールセンタシステムCCSにダイヤルする(#207)。すると、公衆網の局(電話局)は、コールセンタシステムCCSを呼び出す(#208、丸数字3)。VoIPトランク4がその呼出を受けると、発信者番号に基づいて、通話ユニット11にのみ着信を知らせる(#209、丸数字4)。通話ユニット11は、その着信が試験用の着信であることを、今回の発信者番号および前に通話ユニット12から知らされた発信者番号に基づいて判断し、その着信に応答する(#210)。これにより、通話ユニット11と通話ユニット12とが公衆網およびVoIP−LAN回線網2を介して接続される。
【0080】
通話ユニット12は、試験用の音声を発する(#211)。すると、その試験用の音声は、VoIPに従って音声データ化されVoIPトランク4に送信される。VoIPトランク4は、これをその公衆網のプロトコルに応じたデータまたは信号に変換して電話局に向けて送信する(#212)。電話局は、それをコールセンタシステムCCSに送信する(#213)。VoIPトランク4は、電話局から帰ってきた試験用の音声のデータまたは信号を、VoIPに従って音声データ化し、通話ユニット11に送信(中継)する(#214)。そして、通話ユニット11は、その音声データを音声用ルーティング網3に対応した音声信号に変換し、音声用ルーティング網3を介して通話ユニット12に送信(出力)する(#215)。
【0081】
通話ユニット12は、ステップ#211〜#215(丸数字5)の経路を通ってループバックされてきた音声信号の音声の質と元の音声の質とを比較することによって、通信の質をチェックする(#216)。
【0082】
そして、通話ユニット11、12は、自らの試験中フラグを「CLR」にリセットし(#217、#218)、自らの音声加算分配回路SACに設定している試験用のパスを解除して初期値に戻す(#219、#220)。
【0083】
ステップ#201〜#215の処理の実行中つまり試験中に、コールセンタシステムCCSに通報者からの電話が掛かってくることがある。図12において、通話ユニット11、12は、通話ユニット11の上記の発信者番号以外の電話の着信を検知すると(#231、#232)、自らの試験中フラグを「CLR」にリセットし(#233、#234)、自らの音声加算分配回路SACに設定している試験用のパスを解除して初期値に戻し(#235、#236)、試験を直ちに中止する。これにより、通報者からの電話に直ちに応対できる状態に戻ることができる。
【0084】
図13は通報者および2人の電話オペレータが参加する会議通話の試験の際の音声信号の流れの例を説明するための図である。
【0085】
図13に示すような通報者と2人の電話オペレータとの会議通話の試験においても、本発明を適用することができる。
【0086】
図13において、通話ユニット11は通報者の電話機を擬する。通話ユニット12および通話ユニット13は、通報者に応対する2人の電話オペレータがそれぞれに使用する通話ユニット1の役を行う。
【0087】
通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aは、通報者の音声を擬した音声の音声信号Saを発信する。通話ユニット12のパーソナルコンピュータ1Aおよび通話ユニット13のパーソナルコンピュータ1Aは、それぞれ、第一の電話オペレータの音声を擬した音声の音声信号Sbおよび第二の電話オペレータの声を擬した音声の音声信号Scを発信する。音声信号Sa、Sb、およびScは、互いに異なる所定の周波数の音声の信号である。
【0088】
第一の電話オペレータの音声および第二の電話オペレータの音声を通報者に対して正常に出力できるか否かの試験は、次のような手順で行われる。通話ユニット11〜13の各パーソナルコンピュータ1Aは試験中フラグを「SET」にするとともに、各音声編集装置1Bはそれぞれの音声加算分配回路SACのパスの設定を行う。
【0089】
通話ユニット11は、公衆網を介して通話ユニット12に接続する。これにより、通話ユニット12、13から見ると、通話ユニット11をコールセンタシステムCCSの外部の者つまり通報者であると擬制することができる。
【0090】
通話ユニット12のパーソナルコンピュータ1Aは音声信号Sbを発信し、通話ユニット13のパーソナルコンピュータ1Aは音声信号Scを発信する。すると、音声信号Sbおよび音声信号Scが通話ユニット12の音声編集装置1Bに入力される。通話ユニット12の音声編集装置1Bは、両音声信号を通話ユニット11に送信する。通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aは、通話ユニット12から送信されてきた音声信号の音声に、音声信号Sbおよび音声信号Scそれぞれの所定の周波数の音声のみが含まれているか否かをチェックする。両者のみが含まれていれば、通報者に対して音声を出力するためのパスが正常に通っていることが確認できる。
【0091】
通報者の音声および第二の電話オペレータの音声を第一の電話オペレータに対して正常に出力できるか否かの試験および通報者の音声および第一の電話オペレータの音声を第二の電話オペレータに対して正常に出力できるか否かの試験も、同様の方法で行うことができる。
【0092】
つまり、音声信号Saおよび音声信号Scを通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aおよび通話ユニット13のパーソナルコンピュータ1Aからそれぞれ発信し、通話ユニット12のパーソナルコンピュータ1Aに届いた音声信号の音声に、音声信号Saおよび音声信号Scそれぞれの所定の周波数の音声のみが含まれていれば、第一の電話オペレータに対して音声を出力するためのパスが正常に通っていることが確認できる。
【0093】
また、音声信号Saおよび音声信号Sbを通話ユニット11のパーソナルコンピュータ1Aおよび通話ユニット12のパーソナルコンピュータ1Aからそれぞれ発信し、通話ユニット13のパーソナルコンピュータ1Aに届いた音声信号の音声に、音声信号Saおよび音声信号Sbそれぞれの所定の周波数の音声のみが含まれていれば、第二の電話オペレータに対して音声を出力するためのパスが正常に通っていることが確認できる。
【0094】
本試験の実行中にも、やはり、コールセンタシステムCCSに本当の通報者からの電話が掛かってくることがある。この場合は、通話ユニット11〜13は、自らの試験中フラグを「CLR」にリセットし、自らの音声加算分配回路SACに設定している試験用のパスを解除して初期値に戻し、試験を直ちに中止する。これにより、本当の通報者からの電話に直ちに応対できる状態に戻ることができる。
【0095】
上に述べた以外にも、種々の通信形態の試験のために本発明を適用することができる。例えば、4人以上による会議通話の試験にも、本発明を適用することができる。または、いわゆる扱い者割り込み(一部の電話オペレータは通報者および他の電話オペレータの音声を聴き取るだけであり、当該電話オペレータ自身の音声は誰にも聴かせないようにした、会議通話。)にも適用することができる。
【0096】
その他、コールセンタシステムCCS、通話ユニット1、パーソナルコンピュータ1A、音声編集装置1Bの全体または各部の構成、処理内容、処理順序の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0097】
上に述べた実施例には、以下に述べるような付記も開示されている。
(付記1)
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末によって構成されるコールセンタシステムであって、
試験の対象である前記通信端末同士が試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、
前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、
を有することを特徴とするコールセンタシステム。
(付記2)
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末であって、
試験の対象である他の通信端末との間で試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、
前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、
を有することを特徴とする通信端末。
(付記3)
他の通信端末それぞれから音声信号を入力するための入力端子と、
他の通信端末それぞれに音声信号を出力するための出力端子と、
前記入力端子より入力された音声信号の出力先とする前記出力端子を決定する回路と、を有し、
前記経路設定手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を設定し、
前記経路解除手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を解除する、
付記2記載の通信端末。
(付記4)
所定のタイミングで自動的に前記出力端子から試験用の信号を発信させる試験用信号発信手段、を有する、
付記2記載の通信端末。
(付記5)
前記経路解除手段は、前記着信監視手段によって検知された前記着信の発信元の電話番号が所定の電話番号である場合は、前記試験用経路を解除しない、
付記2ないし付記4のいずれかに記載の通信端末。
(付記6)
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末によって構成されるコールセンタシステムにおける通信試験方法であって、
試験の対象である前記通信端末同士が試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定し、
当該コールセンタへの電話の着信を監視し、
前記信号の送受信を実行している最中に前記着信を検知した場合に前記試験用経路を解除する、
ことを特徴とする通信試験方法。
(付記7)
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記通信端末に、
試験の対象である他の通信端末との間で試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する処理を実行させ、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する処理を実行させ、
前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係るコールセンタシステムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】パーソナルコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】主試験端末アプリケーションが起動中である通話ユニットの機能的構成の例を示す図である。
【図4】副試験端末アプリケーションが起動中である通話ユニットの機能的構成の例を示す図である。
【図5】音声編集装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図6】コールスルー試験の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図7】コールスルー試験の際の試験信号の流れの例を説明するための図である。
【図8】コールスルー試験中に着信があった場合の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図9】コールスルー試験の際の試験信号の流れの変形例を説明するための図である。
【図10】公衆網を介した二者通話の試験の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図11】公衆網を介した二者通話の試験の際の音声信号などの流れの例を説明するための図である。
【図12】公衆網を介した二者通話の試験中に着信があった場合の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図13】通報者および2人の電話オペレータが参加する会議通話の試験の際の音声信号の流れの例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0099】
CCS コールセンタシステム
1 通話ユニット(通信端末)
1B2 制御部(経路設定手段、経路解除手段)
5M2、5S2 試験用パス設定指令部
5M6、5S3 着信監視部(着信監視手段)
5M7、5S4 試験終了制御部(経路解除手段)
SAC 音声加算分配回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末によって構成されるコールセンタシステムであって、
試験の対象である前記通信端末同士が試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、
前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、
を有することを特徴とするコールセンタシステム。
【請求項2】
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末であって、
試験の対象である他の通信端末との間で試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する経路設定手段と、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する着信監視手段と、
前記着信監視手段によって前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する経路解除手段と、
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項3】
他の通信端末それぞれから音声信号を入力するための入力端子と、
他の通信端末それぞれに音声信号を出力するための出力端子と、
前記入力端子より入力された音声信号の出力先とする前記出力端子を決定する回路と、を有し、
前記経路設定手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を設定し、
前記経路解除手段は、前記回路を制御することによって前記試験用経路を解除する、
請求項2記載の通信端末。
【請求項4】
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末によって構成されるコールセンタシステムにおける通信試験方法であって、
試験の対象である前記通信端末同士が試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定し、
当該コールセンタへの電話の着信を監視し、
前記信号の送受信を実行している最中に前記着信を検知した場合に前記試験用経路を解除する、
ことを特徴とする通信試験方法。
【請求項5】
コールセンタの電話オペレータが使用する通信端末に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記通信端末に、
試験の対象である他の通信端末との間で試験用の信号の送受信を行うための通信経路である試験用経路を設定する処理を実行させ、
当該コールセンタへの電話の着信を監視する処理を実行させ、
前記着信が検知された場合に前記試験用経路を解除する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−274513(P2007−274513A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99494(P2006−99494)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】