説明

コールセンターサービスの音声ビューを視覚的にナビゲートする方法、コールセンター及びコンピュータ・プログラム

【課題】コールセンターサービスの音声ビューを視覚的にナビゲートする方法、コールセンター及びコンピュータ・プログラムを提供する。
【解決手段】方法は、コールセンターサービスのための単一セッションの発信者のために、単一セッションへのアクセスの音声チャネル及びビジュアル・チャネルを確立するステップと、ビジュアル・チャネルを介して発信者供給情報を受信するステップと、発信者供給情報を用いて単一セッションに対するモデルを更新するステップと、モデルに更新された発信者供給情報に従って、音声チャネルに対する音声ビューをナビゲートするためにモデルをアクセスの音声チャネルと同期させるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代ネットワーキング(NGN)の分野に関し、特に、NGNネットワークを介する複合サービスの配備(デプロイメント)及び配信に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代ネットワーキング(NGN)は、データ、ビデオ及び音声送信を固有にサポートする新たなコンピューティング・ネットワーク技術である。従来の回線交換電話網とは対照的に、NGNネットワークはパケット交換手法を採用し、音声及びデータを単一ネットワーク内に結合する。一般に、NGNネットワークは、コール(呼)の制御と移送(transport)との間の分割によりカテゴリ化される。また、NGNネットワークでは、すべての情報は、それぞれのタイプに従ってラベル付けできるパケットを介して送信される。従って、個々のパケットは、対応するラベルにより示されたタイプに依存して別々に処理される。
【0003】
IPマルチメディア・サブシステム(IMS)は、移動及び固定サービス用の公開されたオペレータ・フレンドリな標準化NGNマルチメディア・アーキテクチャである。IMS(IBM社の登録商標)は、セッション開始プロトコル(SIP)の変形に基づくボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)インプリメンテーションであり、標準のインターネット・プロトコル(IP)を介して動作する。NGNネットワークにおける通信オペレータは、IMSを用いてネットワーク制御のマルチメディア・サービスを提供する。IMSの目的は、現在使用可能なサービスに加えて新規サービスをNGNネットワークのユーザに提供することにある。IMSのこの広い目的は、基礎となるIP互換プロトコル及び対応するIP互換インターフェースを幅広く用いてサポートされる。このように、IMSは、インターネット上に配備(デプロイ)された、ユビキタス・アクセスに有用なサービスをセルラー技術に供給するようにして、インターネットと無線セルラーの世界を統合することができる。
【0004】
マークアップ指定文書を用いるのと同様に、NGNネットワーク内及び非NGNネットワーク内の両方でマルチメディア・サービスを分散することができる。ビジュアル・インターフェースを有するサービスの場合、拡張可能ハイパーテキスト・マークアップ言語(XHTML)のようなビジュアル指向のマークアップ及び多くの同じ種類のものは、ビジュアル・コンテンツ・チャネル例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)により管理されたチャネルを介してビジュアル・コンテンツ・ブラウザにレンダリングされる場合のサービス用にビジュアル・インターフェースを指定することができる。これと比べて、オーディオ・インターフェースを音声拡張マークアップ言語(VoiceXML)のような音声指向のマークアップによるサービス用に指定することができる。オーディオ・インターフェースの場合、分離した音声チャネル、例えば、SIPに従って管理されたチャネルを介する。
【0005】
多くの環境では、音声モード及びビジュアル・モードを含む異なるモードの複数の異なるチャネルにわたって配信されるようにサービスを構成するのが好ましい。この点において、サービス・プロバイダは必ずしも、サービスが所定のエンド・ユーザによりアクセスされる対話式モードを予測できるとは限らない。この不確実性を調整するため、予測されたモードの各々を介する、例えば、音声マークアップ及びビジュアル・マークアップによる配信に対してサービスを準備することができる。しかし、アクセスの異なるモードを満足させるため、複数の異なるマークアップ文書を生成するのはめんどうである。その結果、XHTML+VoiceXML(X+V)のような組み合わせ技術は、開発過程を単純化するのに使用される。
【0006】
特に、X+Vは、多モード・アプリケーション開発環境を作り出す1つの技術的努力を表している。X+Vでは、XHTML及びVoiceXMLを単一文書内に混合することができる。文書のXHTML部分はエンド・ユーザとのビジュアル対話を管理することができるのに対して、文書のVoiceXML部分はエンド・ユーザとの音声対話を管理することができる。X+Vでは、多モードコンテンツをレンダリングするのと同時に、コマンド、制御及びコンテンツ・ナビゲーションを使用可能にすることができる。この点において、X+Vプロファイルは、ページに存在するビジュアル・ハイパーリンクに基づいて、どのように文法的処理をするかを指定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、X+V文書の処理は、コンテンツにアクセスする際にエンド・ユーザにより使用されるクライアント装置に独自ブラウザの使用を必要とする。X+Vその他の統一技術を処理するために、すべてのエンド・ユーザ装置が独自に構成されていると想定される場合、NGNネットワーク上のパーベイシブ・デバイスを含む多様なエンド・ユーザ装置にマルチメディア・サービスを提供することが困難となる可能性がある。それどころか、NGNネットワーク内の装置が、ある1つのビジュアル対話の標準の通信チャネルと、別の1つの音声対話の標準の通信チャネルだけを処理できるように装備されていると推定するのが精一杯である。
【0008】
従って、NGNまたは非NGNネットワークに関して分散されたサービスとの複数のモードの対話を真にサポートするため、アクセスの異なるモードの各々に対して異なる通信チャネルを(X+Vの保証にかかわらず)確立しなければならない。更に、異なるモードの各々に対して各サービスを別々に指定しなければならない。さらに、サービスへのアクセスの1つのモードにわたってセッションが確立された後、同一セッション内の同一サービスへのアクセスの異なるモードへ中間セッションを変更することができない。その結果として、対話の異なるモードを調整する異なるチャネルにわたる対話は同期されず、分離したままである。従って、エンド・ユーザは、NGNネットワークにおいてサービスへのアクセスのモード間で自由に切り替えることができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、NGNネットワークにおいて、異なるアクセスのチャネルを介してアクセスされるサービスをデプロイし、配信することに関する当該技術分野の課題に対処するための新規な方法、システム及びコンピュータ・プログラムを提供する。本明細書に用いられるように、複合サービスは、異なるアクセスのチャネル間でサービスの状態の同期を維持しながら、アクセスの複数の異なるモードを介し、これに対応する異なるチャネルでアクセスされるように使用可能にされたNGNネットワークにわたってデプロイされるサービスである。
【0010】
本発明の第1実施形態では、複合サービス使用可能環境(composite service enablement environment)においてコールセンターサービスの音声ビューを視覚的にナビゲートする方法が、コールセンターサービスのための単一セッションの発信者(caller)のために、単一セッションへのアクセスの音声チャネルとビジュアル・チャネルとの両方を確立するステップを含むことができる。方法は、コールセンター・セッションへのアクセスのビジュアル・チャネルを介して発信者供給情報(caller provided information)を受信するステップを更に含むことができる。方法は、かかる供給情報を用いて単一セッションに対するモデルを更新するステップを更に含むことができる。方法は、モデルに更新された発信者供給情報に従って音声チャネルに対する音声ビューをナビゲートするようにモデルをアクセスの音声チャネルと同期させるステップを含むことができる。
【0011】
本発明の別の実施形態では、コールセンターは、複合サービス使用可能データ処理システム(composite service enabling data processing system)を含むことができる。システムは、単一セッションに対して、コールセンターサービスへのアクセスの複数の異なるチャネルを確立するように使用可能にされるチャネル・サーブレットを含む。システムは、異なるアクセスのチャネルを複合サービスに対する単一セッションに関連付けるエントリのテーブルを含むロケーション・レジストリを更に含むことができる。システムは、単一セッションに対するモデルの状態データを変更し、モデルで検出された変更に応答して、複合サービスへの異なるアクセスのチャネルの各々に対するビューを同期させるため、単一セッションに対するモデルに結合するように構成されたモデル・サーブレットをも含むことができる。好ましくは、システムは、コールセンター・ビジュアル・ナビゲーション・ロジックを備えることができる。かかるロジックは、単一セッションへのアクセスのビジュアル・チャネルを介してビジュアル・ビューに供給された情報に基づいて、セッションへのアクセスの音声チャネルを介する単一セッションの音声ビューに対するコールツリー(call tree)をトラバースするための手段を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の追加の実施態様は、以下の記述によって説明されかつ明らかになり、さらに本発明の実践することによって理解することができるだろう。本発明の実施態様は、請求項に記載した要素及びそれらの組み合わせにより実現され達成される。当然のことながら、上述の本発明の概要及び以下の詳細な記述はとも例示であって、説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではない。
【0013】
本特許出願の添付図面は、本発明の実施形態を示し、以下の記述とともに本発明の原理を説明するのに有用である。本明細書には、本発明の好適な実施形態を示すが、当然のことながら、本発明は、図示の正確な配置及び手段に限定されない。
【0014】
本発明の実施形態は、NGNネットワークにおいて複合サービスを配信する方法、システム及びコンピュータ・プログラムを提供する。本発明の実施形態によれば、音声及びビジュアル・モードを含むアクセスの対応の異なるモードによりサービスにアクセスするため、サービスへの異なるアクセスのチャネルを確立することができる。特に、各チャネルがサービスへのアクセスの異なるモードに対応する異なるチャネルの選択されたチャネルにわたってセッション内のサービスとの対話を行うことができる。音声モード及びビジュアル・モードの場合、チャネルに対する特定のモードに従って、選択されたチャネルの各々に別々のマークアップ文書を使用することができる。
【0015】
重要なことは、セッションでのサービスにアクセスするのに使用される各チャネルを、同一セッションでのサービスにアクセスするその他のチャネルの各々と関連付けることができることである。その結果、サービスの状態を変更するのに用いられるチャネルにかかわらず、モデル・ビュー・コントローラ・アーキテクチャにおけるモデル内に保管されたサービスの状態を維持することができる。更に、異なるチャネルの選択されたチャネルに対する各ビューでサービスの表現を同期させることができる。このようなものとして、エンド・ユーザは、クライアント・コンピュータ装置内に配備された煩わしい独自ロジックを必要としないで、アクセスの異なるモードを用いる異なるアクセスのチャネルにわたって単一セッションでサービスと対話することができる。
【0016】
本発明によれば、複合サービス環境内でホストされるコールセンター・セッションに対するコールツリーのビジュアル・ナビゲーションをサポートすることができる。この点において、対話式音声応答システムにより供給されるセッションの音声ビューと、セッションに対してコンテンツ・サービスにより供給されるビジュアル・ビューとの両方を供給できるコールセンターサービスに対してセッションを確立することができる。入力コールは、アクセスのビジュアル・チャネルを介するセッションのビューを視覚的にナビゲートすることができ、セッションへのアクセスの音声チャネルを介するセッションのビューを拡張することができる。このように、コールセンターサービスに対する発信者は、コールツリーの異なるノードをビジュアル・インターフェースにより満足できる場合、音声によるコールツリーを回りくどく行ったり来たりして、トラバースする必要がない。
【0017】
有利には、NGNネットワークにおけるIMS内で本発明の実施形態のシステムを具体化することができる。図1は、NGNネットワークにおいて、複合サービスに対するセッションへのアクセスのビジュアル・チャネルから当該セッションへのアクセスの音声チャネルを確立することができるデータ処理システムとともに使用されるように構成されたIMSを示す図である。図1に示すように、NGNネットワーク120において複合マルチメディア・サービス180をデプロイし、配信するように複合サービス使用可能データ処理システム200を配置することができる。本明細書で示される「複合マルチメディア・サービス」は、異なるモードの複数の異なるビューによって、これらに対応する異なる通信チャネルにわたってアクセスするように構成されたサービスとすることができる。
【0018】
特に、ビジュアル・モード、インスタント・メッセージング・モード及び音声モードを含む幾つかの異なるモードにより複合マルチメディア・サービス180にアクセスすることができる。開発者190は、サービス・デプロイメント・ツール170を用いてそれぞれのアクセスのモードを作成することができる。複合マルチメディア・サービス180へのビジュアル・アクセスを行うためのビジュアル・マークアップと、複合マルチメディア・サービス180への音によるアクセスを行うための音声マークアップとを含む複合マルチメディア・サービス180へのアクセスの異なるモードを作成するようにサービス・デプロイメント・ツール170を構成することができる。
【0019】
複合サービス使用可能データ処理システム200に1つ以上のゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム110を結合することができる。各ゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム110は、アクセスの特定モードに従って複合マルチメディア・サービス180にアクセスする通信チャネルの確立を容易にすることができる。例えば、ゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム110は、ビジュアル・モードによりNGNネットワーク120上の複合マルチメディア・サービス180にアクセスするビジュアル・マークアップを供給するのに使用可能にされるウェブ・サーバのようなコンテンツ・サーバを含むことができる。同様に、ゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム110は、音響モードによりNGNネットワーク120上の複合マルチメディア・サービス180に音によるアクセスを行うのに使用可能にされる音声サーバを含むことができる。
【0020】
エンド・ユーザ130は、クライアント・アクセス装置150の選択のいずれか1つを使用して複合マルチメディア・サービス180にアクセスすることができる。各クライアント・アクセス装置150内のアプリケーション・ロジックは、アクセスの特定モードに対してインターフェースを供給することができる。例として、パーソナル・コンピュータ装置内のコンテンツ・ブラウザ、パーベイシブ・デバイス内の音響ユーザ・インターフェース、電話受話器内の電話ユーザ・インターフェースなどが挙げられる。重要なことには、供給されるアクセスのモードの各々は、複合マルチメディア・サービス180と同一のセッションに対してNGNネットワーク120上の対応のゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム110と確立された複数のチャネル160の別々のチャネルを使用することができる。この点において、複合マルチメディア・サービス180とのセッションは、複合マルチメディア・サービス180へのアクセスの異なるモードをエンド・ユーザ130の1人に供給するために複数のチャネル160にわたって存続することができる。
【0021】
図2は、図1の複合サービス使用可能データ処理システム200を示す図である。複合サービス使用可能データ処理システム200は、アプリケーション・サーバ275内で動作することができ、異なるエンドポイント・タイプすなわちビジュアル・エンドポイント260A、音声エンドポイント260B及びインスタント・メッセージング・エンドポイント260Cに対する異なるアクセスのチャネルすなわちビジュアル・チャネル245、音声チャネル250及びインスタント・メッセージング・チャネル255を介する複合マルチメディア・サービスに対して対応のセッション225との通信対話を処理するように構成された複数のチャネル・サーブレット235を含むことができる。この点において、チャネル・サーブレット235は、HTTP上にリアル・タイム・プロトコル(RTP)を使用する音声インターフェースを組み込むビジュアル・エンドポイント260A、または、SIPを使用する音声エンドポイント260Bに対する音声イネーブラ及び音声サーバとして音声対話を処理することができる。同様に、チャネル・サーブレット235は、ビジュアル・エンドポイント260Aに対するウェブ・アプリケーションとしてビジュアル対話を処理することができる。更にもう1つの例として、チャネル・サーブレット235は、インスタント・メッセージング・エンドポイント260Cに対するインスタント・メッセージング・サーバとしてインスタント・メッセージ対話を処理することができる。
【0022】
特に、複合マルチメディア・サービスに対して対応のセッション225との対話に対するHTTPリクエストを処理するため、チャネル・サーブレット235を使用可能にすることができる。HTTPリクエストはビジュアル・チャネル245を介してビジュアル・モード指向のウェブ・ページから発生するか、インスタント・メッセージング・チャネル255を介してビジュアル・モード指向のインスタント・メッセージング・インターフェースから発生するか、または、SIPにより使用可能にされる音声チャネル250を介して音声モードでも発生させることができる。当該技術分野において既知であるように、組み合わせると、複合マルチメディア・サービスに対して対応のセッション225に対する音声対話を処理するのに有効となるSIPレット(SIPlet)に結合されたVoiceXML及びコール制御拡張マークアップ言語(CCXML)のような適切な音声マークアップを含むことができる音声イネーブラにより複合マルチメディア・サービスに対して対応のセッション225との対話に対するSIP要求を処理するため、同様にチャネル・サーブレット235を使用可能にすることができる。
【0023】
チャネル・サーブレット235の各々をモデル・サーブレット215に結合することができる。モデル・サーブレット215は、セッション225の関連の1つに対するモデル210との対話を仲介することができる。チャネル・サーブレット235を介してセッション225の対応の1つと確立される異なる通信チャネルを相関させることができるセッション・マネージャ220内でセッション225の各々を管理することができる。結合されたロケーション・レジストリ230を用いて、異なる通信チャネルの相関を容易にすることができる。ロケーション・レジストリ230は、セッション225の対応の1つに対してアクティブなシステム及びチャネルのホスト名を示すテーブルを含むことができる。
【0024】
モデル・サーブレット215は、ビジュアル・エンドポイント260A、音声エンドポイント260B及びインスタント・メッセージング・エンドポイント260Cを介してビジュアル・チャネル245、音声チャネル250及びインスタント・メッセージング・チャネル255に供給する複合マルチメディア・サービスに対して対応のセッション225に対するモデル210にアクセスするのに使用可能にされるプログラム・コードを含むことができる。例えば、モデル210をBeanコンテナ内のエンティティBean内にカプセル化することができる。更に、モデル210は、セッション225の対応の1つに関するセッション・データが作成、除去または変更されるビジュアル・チャネル245、音声チャネル250及びインスタント・メッセージング・チャネル255にかかわらず、セッション225の対応の1つに関するセッション・データをストアすることができる。
【0025】
特に、リスナ・アーキテクチャを介してビジュアル・チャネル245、音声チャネル250及びインスタント・メッセージング・チャネル255に対する異なるビュー(ビジュアル・エンドポイント260A、音声エンドポイント260B及びインスタント・メッセージング・エンドポイント260C)にわたって合成マルチメディア・サービスに対する各セッション225の状態変更を同期化することができる。リスナ・アーキテクチャは、各モデル210に対して1つ以上のリスナ240を含むことができる。各リスナはビジュアル・チャネル245、音声チャネル250及びインスタント・メッセージング・チャネル255に対応することができ、モデル210に対する状態の変更を検出することができる。複合マルチメディア・サービスに対してセッション225の対応の1つに対するモデル210に対する状態の変更を検出することに応答して、加入しているビュー(ビジュアル・エンドポイント260A、音声エンドポイント260B及びインスタント・メッセージング・エンドポイント260C)に、モデル210に対して検出された状態の変更を組み込むようにリフレッシュすることを許可するように、リスナ240は、加入しているビュー(ビジュアル・エンドポイント260A、音声エンドポイント260B及びインスタント・メッセージング・エンドポイント260C)にチャネル・サーブレット235の対応の1つを介して通知を供給することができる。
【0026】
図3は、図2のデータ処理システムにおける複合サービスに対する単一セッションへのアクセスの複数のチャネルを管理するプロセスを示すフローチャートである。ブロック310における開始で複合マルチメディア・サービスに対してアクセスの第1チャネルを開くことができ、ブロック320において複合マルチメディア・サービスとのセッションを確立することができる。セッションに関するデータを、ブロック330において確立できるセッションに対するモデルにストアすることができる。判断ブロック340においてセッションに対するアクセスの追加チャネルが確立されれば、プロセスはブロック350へ継続することができる。ブロック350において、同一のセッションに対するアクセスの追加チャネルを、必要に応じた数だけ確立することができる。
【0027】
判断ブロック340においてアクセスのチャネルがこれ以上確立されなければ、ブロック360において、セッションへのアクセスの確立されたチャネルの各々に対してリスナを登録することができる。その後、ブロック370において、イベントを各リスナに受信することができる。判断ブロック380においてモデルの変更が検出されると、ブロック390において、アクセスの確立されたチャネルの選択されたチャネルに対する各エンドポイントにモデルの変更を供給することができる。その結果、アクセスの特定チャネルを介してモデルに変更が適用されたことにかかわらず、エンドポイントは変更を受信し、同一のセッションへのアクセスの確立されたチャネルの選択されたチャネルに対して対応するビューに変更を適用することができる。
【0028】
特に、複合サービス環境内でホストされるコールセンター・セッションに対するコールツリーのビジュアル・ナビゲーションをサポートすることができる。図4は、コールセンターにおけるビジュアル・ナビゲーションを実現するための複合サービス使用可能環境(composite service enablement environment)を示す図である。図4に示すように、複合サービス使用可能データ処理システム400はコールセンターサービス430をサポートすることができる。コールセンターサービス430はコールツリーの音声ビュー420を供給することができる。更に、コールセンターサービス430はコールツリーのビジュアル・ビュー410を供給することができる。例えば、コールセンターサービス430は、起動可能なノードを有するコールツリーのビジュアル階層をレンダリングすることができる。コールセンター・ビジュアル・ナビゲーション・ロジック500は、コールセンターサービス430に結合されることができ、ビジュアル・ビュー410を介してコールツリーのビジュアル・ナビゲーションを許可するロジックを備えることができる。
【0029】
操作中、発信者450は、コンピュータ通信ネットワーク440上のコールセンターサービス430においてセッションへのアクセスの音声チャネルを確立することができる。コールセンターサービス430は、コールセンターサービス430に対するコールツリーの音声ビュー420を最初に供給することができる。それにもかかわらず、発信者450と関連するビジュアル・エンドポイント460とのセッションに対してアクセスの追加チャネルを確立することができる。その結果、コールセンター・ビジュアル・ナビゲーション・ロジック500はビジュアル・エンドポイント460にコールツリーのビジュアル・ビュー410を供給することができる。ビジュアル・エンドポイント460を介して、コールセンターサービス430に情報を供給することができ、これにより情報を音声ビュー420に同期化することができる。例えば、コールツリーにおける位置を示すためにビジュアル階層のノードを選択することができる。そのようなものとして、コールツリーの音声ビュー420を介する音による情報の供給を必要とせず、コールツリーをトラバースすることができる。このように、最初にコールツリーの音声ビュー420を介して排他的にコールツリーを回りくどくトラバースする必要なしに、発信者450はコールツリーのノードに迅速に到着することができる。
【0030】
更なる図示では、図5は、図4の複合サービス使用可能環境においてホストされるコールセンターでコールツリー・セッションを視覚的にナビゲートするプロセスを示すフローチャートである。ブロック510における開始で、コールセンターサービスでコールを受信して、発信者に対してコールセンターサービス内にセッションの作成を生じさせることができる。ブロック520において、セッションに対してアクセスの音声チャネルを確立することができる。更に、ブロック530において、発信者に対してアクセスのビジュアル・チャネルを識別することができ、ブロック540において、セッションへのアクセスのビジュアル・チャネルを発信者に供給することができる。ブロック550において、セッションに対するコールツリーのビジュアル・ビューを供給することができ、例えば、セッションへのアクセスの音声チャネルを介して音により供給されるように情報を表現する形式で一連のフィールドによりビジュアル・ビューを表現することができる。
【0031】
ブロック560において、入力をビジュアル・ビューで受信し、セッションと関連するモデルを更新するために複合サービス使用可能環境に供給することができる。ブロック570において、モデルに対するリスナは更新情報を検出し、セッションへのアクセスの音声チャネルを含むセッションへのアクセスのそれぞれのチャネルに対するビューを同期化することができる。そのようなものとして、判断ブロック580において、ビジュアル・ビューを介して既に供給された情報に対して発信者にプロンプトを出すように構成された介在ノードをスキップする間、コールツリーを内部ノードに進めるのに、ビジュアル・ビューを介して供給された情報が充分であるかを判断することができる。情報が充分でなければ、プロセスは、コールツリーを介して進むことなくブロック590へ継続することができる。しかし、情報が充分であれば、ブロック600において、コールツリーを内部にトラバースし、これにより、ビジュアル・ビューを介して供給された情報に対して発信者にプロンプトを出すように構成された介在ノードをスキップすることができる。
【0032】
本発明の実施形態は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、または、ハードウェア・エレメント及びソフトウェア・エレメントの両方を含む実施形態の形をとることができる。好適な実施形態では、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むがこれらに限定されないソフトウェアに実装される。更に、本発明は、コンピュータまたは何らかの命令実行システムにより使用するため、またはこれと接続して使用するためにプログラム・コードを供給するコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読メディアからアクセス可能なコンピュータ・プログラムの形式をとることができる。
【0033】
この説明の目的で、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読メディアを、命令実行システム、装置またはデバイスにより使用するため、またはこれと接続して使用するためにプログラムを含むか、ストアするか、伝達するか、伝搬するか、または移送することができるいかなる装置にもすることができる。メディアを、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線または半導体システム(または装置あるいはデバイス)、または伝搬メディアとすることができる。コンピュータ可読メディアの例として、半導体または固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、固定磁気ディスク及び光ディスクが挙げられる。現在の光ディスクの例として、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD‐ROM)、コンパクト・ディスク読み取り/書き込み(CD‐R/W)及びDVDが挙げられる。
【0034】
プログラム・コードをストアまたは実行するか、あるいはその両方を行うのに適するデータ処理システムは、システム・バスを介してメモリ素子に直接または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリ素子は、プログラム・コードの実際の実行中に用いられる局所メモリと、大容量ストレージと、実行中にコードを大容量ストレージから取り出さなければならない回数を削減するため、少なくとも一部のプログラム・コードの一時記憶を行うキャッシュ・メモリとを含むことができる。(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含むがこれらに限定されない)入力/出力またはI/O装置を直接に、または、介在するI/Oコントローラを介してシステムに結合することができる。介在するプライベートまたはパブリック・ネットワークを介して他のデータ処理システムまたはリモート・プリンタまたはストレージ装置に結合されるようになるようにデータ処理システムを使用可能にするため、システムにネットワーク・アダプタをも結合することができる。モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(R)カードは、現在使用可能なタイプのネットワーク・アダプタのごく一部である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】NGNネットワークにおいて複合サービスをデプロイし、配信するように配置されたデータ処理システムと用いるように構成されたIMSを示す図である。
【図2】NGNネットワークにおいて複合サービスをデプロイし、配信するように配置されたデータ処理システムを示す図である。
【図3】NGNネットワークにおいて複合サービスを配信するプロセスを示すフローチャートである。
【図4】コールセンターにおけるビジュアル・ナビゲーションのために使用可能にされた複合サービス使用可能環境を示す図である。
【図5】図4の複合サービス使用可能環境においてホストされるコールセンターでコールツリー・セッションを視覚的にナビゲートするプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
110 ゲートウェイ・サーバ・プラットフォーム
120 NGNネットワーク
150 クライアント・アクセス装置
160 チャネル
170 サービス・デプロイメント・ツール
180 複合マルチメディア・サービス
200、400 複合サービス使用可能データ処理システム
210 モデル
215 モデル・サーブレット
220 セッション・マネージャ
225 セッション
230 ロケーション・レジストリ
235 チャネル・サーブレット
240 リスナ
245 ビジュアル・チャネル
250 音声チャネル
255 インスタント・メッセージング・チャネル
260Aビジュアル・エンドポイント
260B音声エンドポイント
260C インスタント・メッセージング・エンドポイント
275 アプリケーション・サーバ
410 ビジュアル・ビュー
420 音声ビュー
430 コールセンターサービス
440 コンピュータ通信ネットワーク
450 発信者
460 ビジュアル・エンドポイント
500 コールセンター・ビジュアル・ナビゲーション・ロジック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合サービス使用可能環境においてコールセンターサービスの音声ビューを視覚的にナビゲートする方法であって、
コールセンターサービスのための単一セッションの発信者のために、前記単一セッションへのアクセスの音声チャネル及びビジュアル・チャネルを確立するステップと、
前記ビジュアル・チャネルを介して発信者供給情報を受信するステップと、
前記発信者供給情報を用いて前記単一セッションに対するモデルを更新するステップと、
前記モデルに更新された前記発信者供給情報に従って、前記音声チャネルに対する音声ビューをナビゲートするために前記モデルを前記アクセスの音声チャネルと同期させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記確立するステップは、NGNネットワークにおけるコールセンターサービスのための単一セッションの発信者のために、前記単一セッションへのアクセスの音声チャネル及びビジュアル・チャネルを確立するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信するステップは、
前記ビジュアル・チャネルを介して、ビジュアル・ビューに基づくフォームを前記発信者に供給するステップと、
前記フォームで供給された情報の前記発信者による発信を受信するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記同期させるステップは、
前記モデルの状態を維持するステップと、
前記モデルの前記状態に更新されたリスナを作成するステップと、
前記リスナにおける前記モデルの前記状態の変更を検出するステップと、
前記リスナにおける前記モデルの状態の前記変更を検出することに応答して、前記セッションへのアクセスの前記音声チャネルに対する前記音声ビューを更新するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コールセンターサービスへのアクセスの複数の異なるチャネルを、単一セッションに対して確立するための複数のチャネル・サーブレットと、
前記異なるチャネルを前記単一セッションに関連付けるエントリのテーブルを含むロケーション・レジストリと、
前記単一セッションに対するモデルの状態データを変更し、前記モデルの変更が検出されたことに応答して、前記異なるチャネルの各々に対するビューを同期させるため、前記単一セッションに対する前記モデルに結合するように構成されたモデル・サーブレットと、
を含む、データ処理システム。
【請求項6】
前記単一セッションへのアクセスのビジュアル・チャネルを介してビジュアル・ビューに供給された情報に基づいて、前記セッションへのアクセスの音声チャネルを介する前記単一セッションの音声ビューに対するコールツリーをトラバースするための手段を更に含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記チャネル・サーブレットが、前記単一セッションに対して、前記複合サービスへのアクセスの音声チャネルに対する通信チャネルを確立するための音声イネーブラ及び音声サーバを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記チャネル・サーブレット、モデル・サーブレット及びコールセンターサービスがウェブ・コンテナに配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記チャネル・サーブレット、モデル・サーブレット及びコールセンターサービスがNGNネットワーク内のインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステムに配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
複合サービス使用可能環境においてコールセンターサービスの音声ビューを視覚的にナビゲートするためのコンピュータ・プログラムであって、
コールセンターサービスのための単一セッションの発信者のために、前記単一セッションへのアクセスの音声チャネル及びビジュアル・チャネルを確立するステップと、
前記単一セッションへのアクセスの前記ビジュアル・チャネルを介して発信者供給情報を受信するステップと、
前記発信者供給情報を用いて前記単一セッションに対するモデルを更新するステップと、
前記モデルに更新された前記発信者供給情報に従って、前記音声チャネルに対する音声ビューをナビゲートするために前記モデルを前記アクセスの音声チャネルと同期させるステップと、
をコンピュータに実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項11】
前記確立するステップは、NGNネットワークにおけるコールセンターサービスのための単一セッションの発信者のために、前記単一セッションへのアクセスの音声チャネル及びビジュアル・チャネルを確立するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項12】
前記受信するステップは、
前記ビジュアル・チャネルを介して、ビジュアル・ビューに基づくフォームを前記発信者に供給するステップと、
前記フォームで供給された情報の前記発信者による発信を受信するステップ
を含む、請求項11に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項13】
前記同期させるステップは、
前記モデルの状態を維持するステップと、
前記モデルの前記状態に更新されたリスナを作成するステップと、
前記リスナにおける前記モデルの前記状態の変更を検出するステップと、
前記リスナにおける前記モデルの状態の前記変更を検出することに応答して、前記セッションへのアクセスの前記音声チャネルに対する前記音声ビューを更新するステップと
を含む、請求項12に記載のコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−159142(P2007−159142A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329689(P2006−329689)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】