説明

コールセンターシステムおよびコールセンターシステム開発プログラムならびに電話制御用インタフェースプログラム

【課題】CTI基盤システムの仕様に依存せず、電話制御情報等に応じて電話応対業務アプリケーションの画面やフローを制御することができるコールセンターシステムを提供する。
【解決手段】IP電話70およびオペレータ端末60との間で電話制御情報を授受するための電話制御インタフェース41を有するCTI基盤システム40と、業務サーバ50と、電話制御インタフェース41との間で電話制御情報の授受を行う電話制御部62を有するオペレータ端末60、およびIP電話70が内部ネットワーク10に接続されたコールセンターシステム1であって、オペレータ端末60は、業務アプリケーション63から電話制御部62にアクセスして電話制御を行うための標準化されたプログラミングインタフェースを有する電話制御API65を含み業務アプリケーション63に対して電話制御に係る標準化されたイベントを通知する電話制御ミドルウェア64を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンターシステムの技術に関し、特に、一連の電話応対業務をワークフローとして定義することが可能なコールセンターシステム、およびこのようなコールセンターシステムを実現するアプリケーションプログラムを開発するためのコールセンターシステム開発プログラムならびに電話制御用インタフェースプログラムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顧客からの問い合わせなどの電話を一括して受け付けるいわゆるコールセンターやコンタクトセンター(以下では単に「コールセンター」と総称する)では、オペレータやコミュニケータ(以下では単に「オペレータ」と総称する)による電話応対業務を制御・管理するためのコンピュータシステムとしてコールセンターシステム(応対管理システム)が構築され利用される。
【0003】
コールセンターシステムでは、オペレータ毎のスキルの違いなどを吸収して応対品質を確保したり、顧客の対応内容に応じて迅速に必要な情報を参照し、柔軟かつ的確に応対可能とすることができるよう支援したりすることが求められる。このため、例えば、オペレータの端末上での画面遷移や、他のオペレータ、スーパーバイザ等への通話や処理の転送などを制御するワークフローの機能が実装される場合がある。
【0004】
例えば、特開2009−81717号公報(特許文献1)には、オペレータが実行すべき業務手順として、複数種類の手続きの実行順序を示す順序情報と、各手続きの内容を示すオペレーション情報を保持し、順序情報にしたがって、顧客対応中のオペレータに各手続きのオペレーション情報を示し、オペレータが権限委譲を指示すると、顧客対応を引継ぐべきオペレータが選択され、以降の手続きのオペレーション情報は、引き継ぎ先のオペレータに示されることで、コールセンターにおける顧客対応業務を支援する顧客対応支援装置に係る技術が記載されている。
【0005】
このようなコールセンターシステムでは、顧客等からの電話を適切なオペレータに割り振ったり、オペレータが電話応対する際に必要となる各種情報を参照可能としたり、応対手順や内容等のガイドを行ったりといった機能を実現するため、電話とコンピュータシステムとを連携させるCTI(Computer Telephony Integration)の機能を有する。この機能では、構内電話を制御するPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)システムやCTIシステムと、各オペレータの端末とがネットワークにより接続され、電話制御情報がやり取りされる。
【0006】
一般的に、オペレータが端末において利用する業務アプリケーションプログラムを開発する際には、電話を制御する機能を組み込む必要があるが、このとき、PBXシステムやCTIシステムが有する端末との連携機能(インタフェース)を利用することになる。このインタフェースを利用することにより、例えば、電話の発信、着信に対して端末上の画面表示やアプリケーションを連動させて適切な情報を表示したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−81717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オペレータが端末において利用する業務アプリケーションは、一般的にWebアプリケーションとして実装され、端末上のWebブラウザを介して操作される。Webアプリケーションにおいては、一般的に、アプリケーションの画面制御やフロー制御のトリガとなるのは、Webブラウザ上でのオペレータの能動的な操作である。
【0009】
一方、コールセンターシステムにおける業務アプリケーションでは、上述したようにPBXやCTIシステムと連携することによる電話制御の機能を有する必要がある。従って、電話機に対する制御に加えて、電話機の動作をトリガとした受動的な画面制御やフロー制御の機能が必要となる。
【0010】
ここで、コールセンターで利用されるようなIP電話等の電話機は、ベンダー毎の製品によってそれぞれ異なる特徴を有するものの、コールセンターのオペレータによる操作という観点では、操作の流れや利用する機能についての基本的な部分は、どのベンダーの製品を利用してもほぼ同様なものとなる。
【0011】
しかしながら、PBXやCTIシステムと端末との連携を実現するインタフェースの部分については、ベンダー毎の異なる仕様に大きく依存する。すなわち、業務アプリケーションに対して電話との連携を行う電話制御機能を組み込む場合、ベンダー毎の製品仕様を熟知し、これに特化したアプリケーションを開発する必要がある。
【0012】
このため、例えば、上述したようなワークフロー機能を実装した場合でも、画面制御やフローについて、例えば運用開始後の実態に応じて柔軟に変更を行うというようなことも容易ではなく、開発コストが増大するという問題がある。また、PBXやCTIシステムが変わると、これと連携する業務アプリケーションもその仕様に合わせて作り直しとなり、コールセンターシステムの効率的な拡張や横展開が困難であるという問題がある。
【0013】
そこで本発明の目的は、PBXやCTIシステム等のシステム基盤の仕様に依存せず、電話制御情報等に応じて電話応対業務のアプリケーションプログラムの画面やフローを制御することができるコールセンターシステムを提供することにある。また、コールセンターシステムにおいて稼働する業務アプリケーションを容易に開発するためのコールセンターシステム開発プログラムならびに業務アプリケーションから利用されるミドルウェアとしての電話制御用インタフェースプログラムを提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0016】
本発明の代表的な実施の形態によるコールセンターシステムは、オペレータが使用する電話機およびオペレータ端末との間で電話制御情報を授受するための電話制御インタフェースを有し、前記電話機と前記オペレータ端末とを連携させるCTI基盤システムと、ワークフローにより電話応対業務に係る処理を実行する業務アプリケーションのサーバとして動作する業務サーバと、オペレータが使用し、前記電話制御インタフェースとの間で電話制御情報の授受を行う電話制御部を有して、前記業務アプリケーションのクライアントとして動作する前記オペレータ端末、および当該オペレータが使用する前記電話機からなる複数の組とが内部ネットワークに接続されたコールセンターシステムであって、以下の特徴を有するものである。
【0017】
すなわち、コールセンターシステムにおける前記オペレータ端末は、前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションから前記電話制御部にアクセスして電話制御を行うための標準化されたプログラミングインタフェースを有する電話制御APIを含み前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションに対して電話制御に係る標準化されたイベントを通知する電話制御ミドルウェアを有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明は、ワークフローにより電話応対業務に係る処理を実行する業務アプリケーションをグラフィカルなユーザインタフェースによって開発することができ、上記のコールセンターシステムにおいて用いられる前記電話制御ミドルウェアによって通知されるイベントと、前記電話制御APIおよび/または前記電話制御履歴アクセスAPIとを組み込んだコールセンターシステム開発プログラム、ならびに上記のコールセンターシステムにおいて用いられる前記電話制御ミドルウェアと、前記電話制御APIおよび/または前記電話制御履歴アクセスAPIとを有する電話制御用インタフェースプログラムにも適用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0020】
本発明の代表的な実施の形態によれば、PBXやCTIシステム等のシステム基盤の仕様に依存せず、電話制御情報等に応じて電話応対業務のアプリケーションプログラムの画面やフローを制御することができるコールセンターシステムを実現することが可能となる。また、このようなコールセンターシステムにおいて稼働する業務アプリケーションを容易に開発するためのコールセンターシステム開発プログラムならびに業務アプリケーションから利用されるミドルウェアとしての電話制御用インタフェースプログラムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態であるコールセンターシステムの構成例について概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施の形態における電話制御ミドルウェアおよび電話制御APIの構成例について概要を示した図である。
【図3】本発明の一実施の形態の業務アプリケーションにおける基本的な電話応対業務のワークフローの例について概要を示した図である。
【図4】本発明の一実施の形態における電話制御に係るイベントについて標準化したものを分類した場合の例について示した図である。
【図5】本発明の一実施の形態における電話制御履歴から取得可能な電話制御に係る統計情報について標準化した場合の例を示した図である。
【図6】従来のコールセンターシステムの構成例について概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下においては、本発明の特徴を分かり易くするために、従来の技術と比較して説明する。
【0023】
<概要>
図6は、従来のコールセンターシステムの構成例について概要を示した図である。コールセンターシステム1は、LAN(Local Area Network)等の内部ネットワーク10に対して、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ20、IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答装置)システム30、CTI基盤システム40、業務サーバ50、およびオペレータ4が利用する複数のオペレータ端末60とIP電話70の組が接続する構成となっている。
【0024】
VoIPゲートウェイ20は、コールセンター外部の公衆回線網2と内部ネットワーク10とのゲートウェイであり、公衆回線網2を経由した顧客3からの電話の音声データをIP(Internet Protocol)パケットにプロトコル変換して内部ネットワーク10に送出し、またその逆を行う機器である。
【0025】
IVRシステム30は、顧客3からの電話に対して音声による自動応答を行う装置である。例えば、顧客3は、IVRシステム30によって出力された音声ガイドに従って所望の番号を押すことでメニューを選択し、選択されたメニューに対応して予め登録された音声応答を聞くことができる。顧客3がオペレータ4による対応を希望する場合は、その旨のメニューを選択すると、後述するCTI基盤システム40を介して、IVRシステム30からオペレータ4のIP電話70に通話が転送される。
【0026】
CTI基盤システム40は、図示しないPBXシステムやCTI機能を実装するサーバ機器等を含むシステムであり、IP電話70や外部のソフトウェアプログラム、IVRシステム30等から電話制御機能にアクセスし、また、これらに対して電話制御に係るイベントを出力するためのソフトウェアもしくはハードウェアによるインタフェースとして電話制御インタフェース41を有する。
【0027】
業務サーバ50は、コールセンターシステム1にて利用される業務アプリケーションのサーバ機能を実装するコンピュータシステムであり、OS(Operating System)やデータベース管理プログラム、Webサーバプログラムなどのミドルウェアからなる基盤部51と、例えば、Webサーバプログラム上で稼働するアプリケーションプログラムである業務アプリケーション53とを有する。
【0028】
オペレータ端末60は、IP電話70との組で各オペレータ4によって利用されるPC(Personal Computer)等のクライアント端末であり、OSなどからなる基盤部61と、電話制御を行うためのソフトウェアプログラムである電話制御部62とを有する。さらに例えば、Webブラウザや専用のクライアントアプリケーションによって実装され、業務サーバ50上の業務アプリケーション53に対するクライアント機能を実装する業務アプリケーション63を有する。
【0029】
オペレータ端末60の業務アプリケーション63は、電話制御部62を介してCTI基盤システム40の電話制御インタフェース41にアクセスすることで、対応するIP電話70の制御を行うことができる。また、顧客3からの電話の着信に対して、CTI基盤システム40は、電話制御インタフェース41からイベントを出力することで、該当するIP電話70に着信させるとともに、対応するオペレータ端末60の電話制御部62に対してイベントを通知する。
【0030】
オペレータ端末60の電話制御部62は、当該イベントを受信してこれを業務アプリケーション63に通知することで、業務アプリケーション63は電話制御に係る受動的なイベント(例えばIP電話70における着信等の動作のイベント)をトリガとして処理を行う。また、必要に応じて業務サーバ50の業務アプリケーション53にアクセスして画面の遷移やフロー制御などを行う。
【0031】
ここで、CTI基盤システム40の電話制御インタフェース41、およびこれに対応する電話制御部62は、CTI基盤システム40の機器や製品のベンダーによって製品として提供されるものであり、固有の仕様を有する。従って、各オペレータ端末60の業務アプリケーション63は、電話制御部62(および電話制御インタフェース41)の固有の仕様に対応する形で実装されている。
【0032】
このため、CTI基盤システム40においてPBXシステムやCTIシステムが変わり、電話制御部62および電話制御インタフェース41の仕様が変わると、これに対応して業務アプリケーション63もその都度改修する必要が生じる。また、業務アプリケーション53、63における画面制御やフローについて、例えば運用開始後の実態に応じて柔軟に変更を行うというようなことも容易ではない。
【0033】
そこで、本発明の一実施の形態であるコールセンターシステムでは、CTI基盤システム40におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽するミドルウェアとしてのインタフェースプログラムを設け、電話制御における基本的・標準的な機能に対するアクセス方法(メソッド)やイベントからなる電話制御情報を標準化する。これにより、CTI基盤システム40におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽し、業務アプリケーションへの影響を回避できるようにする。
【0034】
また、例えば、ワークフロー機能を有するWebアプリケーションプログラムをグラフィカルなユーザインタフェースによって開発することができる既存もしくは新規の開発プログラムに対して、標準化したアクセス方法やイベント、および基本的な電話制御のフローについて部品化したものなどを組み込む。これにより、ワークフローにより電話応対業務を行う業務アプリケーションを迅速かつ効率的に開発し、また、システム構築後に柔軟に画面制御等を変更して保守することを可能とする。
【0035】
また、CTI基盤システム40におけるPBXやCTIシステムで蓄積される電話制御の履歴情報から把握されるオペレータの業務状況についての各種の統計情報や、オペレータの属性情報、オペレータや顧客の状況に係る情報などを取得するためのインタフェースプログラムを設ける。このインタフェースプログラムを利用して、例えば、業務サーバ50の業務アプリケーション53からこれらの情報を取得することで、オペレータや顧客の状況に応じた画面制御やフロー制御を行うことを可能とする。
【0036】
オペレータの状況に応じた画面制御の例としては、受電した電話の種別(例えば、IVRのメニューで選択された番号に対応する種別)に応じて、問合せの場合と商品注文の場合でオペレータ端末の画面に表示する内容を変更することが考えられる。また、各オペレータの応対業務の統計データ(例えば、応対あたりの通話時間や画面あたりの表示時間など)に基づいて、オペレータが初心者であるか熟練者であるかを判定し、初心者の場合にはガイド画面を表示し、熟練者の場合には表示しないなどの制御を行うことが考えられる。
【0037】
顧客の状況に応じた画面制御の例としては、顧客の属性(例えば、発信者番号やIVRで入力された情報など)に応じて、お得意様の場合は過去に販売した製品の利用状況を尋ねる画面を表示することなどが考えられる。また、既存の音声認識技術を利用して顧客の声のデータから感情データを数値化し、当該数値が所定の閾値を超えた場合には、顧客が怒っていると判断して上位のオペレータやスーパーバイザ等に通話を転送するよう促す画面を表示するなどの制御を行うことが考えられる。
【0038】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態であるコールセンターシステムの構成例について概要を示した図である。図6に示した従来のコールセンターシステムと同様に、コールセンターシステム1は、LAN等の内部ネットワーク10に対して、VoIPゲートウェイ20、IVRシステム30、CTI基盤システム40、業務サーバ50、および複数のオペレータ端末60とIP電話70の組が接続する構成となっている。
【0039】
本実施の形態では、図6に示した構成に加えて、オペレータ端末60に、電話制御ミドルウェア64、およびこれに含まれる電話制御API(Application Programming Interface)65を有し、業務サーバ50に電話制御履歴アクセスAPI52を有する。また、CTI基盤システム40には、PBXやCTIシステムでの電話制御の履歴情報を蓄積するデータベースである電話制御履歴42を有する。
【0040】
電話制御ミドルウェア64、および電話制御API65は、後述するように、CTI基盤システム40および電話制御部62におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽して、業務アプリケーション63への電話制御に係る標準化されたイベントの通知、および業務アプリケーション63から電話制御を行うための標準化されたプログラミングインタフェースを提供するものである。また、電話制御履歴アクセスAPI52は、後述するように、電話制御履歴42についてのベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽して、業務アプリケーション53(もしくは業務アプリケーション63)がオペレータの業務状況についての各種の統計情報などを取得するための標準化されたプログラミングインタフェースを提供するものである。
【0041】
上記のようなインタフェースプログラム(APIを含むミドルウェア)を有することにより、CTI基盤システム40および電話制御部62におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽して、これらの仕様の相違に依存しない業務アプリケーション53、63を実装することができる。
【0042】
図2は、業務アプリケーション63からアクセスされる電話制御ミドルウェア64および電話制御API65の構成例について概要を示した図である。左図では、CTI基盤システム40の電話制御インタフェース41a、およびオペレータ端末60の電話制御部63aは、それぞれ、CTI製品Aに対応するものである。このとき、電話制御ミドルウェア64では、CTI製品Aの電話制御部63aのインタフェースに対応する部分として、CTI製品Aに対応した接続部66aを有する。接続部66aは、電話制御部63aとの間のCTI製品Aに固有の仕様と、電話制御ミドルウェア64での標準的な仕様との間でのプロトコル変換を行う。これにより、業務アプリケーション63に対するインタフェースをCTI製品Aの仕様に依存しない標準的なものとすることができる。
【0043】
ここで、例えば右図のようにCTI基盤システム40においてCTI製品AをCTI製品Bに変更した場合、CTI製品Bに対応する電話制御インタフェース41bおよび電話制御部63bに対応するよう、接続部66bのみを新たに実装すればよく、業務アプリケーション63の改修を不要とすることができる。
【0044】
この点は電話制御履歴アクセスAPI52についても同様であり、例えば、CTI製品Bに対応するよう電話制御履歴アクセスAPI52のみを実装し直すことで、業務アプリケーション53の改修を不要とすることができる。また、電話制御履歴アクセスAPI52の実装形態として、図2における接続部66a、bと同様に、電話制御履歴42にアクセスするためプロトコル変換を行うアクセス部(図示しない)を設けておき、このアクセス部のみをCTI製品Bに対応するように変更する形としてもよい。
【0045】
<ワークフロー>
図3は、本実施の形態の業務アプリケーション53、63における基本的な電話応対業務のワークフローの例について概要を示した図である。ここでは、ワークフローを電話応対業務における一種の状態遷移として取り扱い、オペレータ4によるIP電話70に対する操作等による能動的なイベントや、顧客3からのIP電話70への着信等の受動的なイベントをトリガとして状態を遷移させ、これに伴い、必要に応じてオペレータ端末60の画面の制御を行うものである。
【0046】
ここでの電話制御に係るイベントは、上述したように、電話制御API65や電話制御ミドルウェア64によって、CTI基盤システム40および電話制御部62におけるベンダーや製品毎の仕様に依存しないよう標準化されている。これらのイベントは、大きく4つの種類に分類される。図4は、電話制御に係るイベントについて標準化したものを分類した場合の例について示した図である。
【0047】
電話制御に係るイベントとしては、図示するように、A:PC(オペレータ端末60)と電話(IP電話70)の連携制御に関するイベントとして、例えば、オペレータ端末60とIP電話70との接続(イベントA1)、および切断(イベントA2)の各イベントがある。また、B:オペレータ4の在席制御に関するイベントとして、例えば、オペレータ4が席について受付可能となった場合(イベントB1)、業務内で一時的に受付不可となった場合(イベントB2)、および業務を外れて受付不可となった場合(イベントB3)の各イベントがある。
【0048】
また、C:オペレータ4による能動的な電話制御に関するイベントとして、例えば、オペレータ4が電話を発信した場合(イベントC1)、他のオペレータ4等に対して通話を転送して呼び出しを行った場合(イベントC2)、転送の呼び出しを取り消した場合(イベントC3)、転送先のオペレータ4等が通話を開始して転送が完了した場合(イベントC4)、通話中にオペレータ4が通話を保留にした場合(イベントC5)、保留を解除した場合(イベントC6)、オペレータ4が通話を切断した場合(イベントC7)、およびオペレータ4が自身への着信に対して応答した場合(イベントC8)の各イベントがある。
【0049】
また、D:顧客3や他のオペレータ4からの受動的な電話制御に関するイベントとしては、例えば、対象のIP電話70への着信があった場合(イベントD1)もしくは着信の取消しがあった場合(イベントD2)、オペレータ4による発信や転送による着信に対して相手方が応答した場合(イベントD3)、相手方が応答しなかった場合(イベントD4)、および通話中に相手方が通話を切断した場合(イベントD5)の各イベントがある。
【0050】
上記のうち、A〜Cに分類されるイベントについては、イベントが電話制御ミドルウェア64により受動的に発生される場合と、電話制御API65(メソッド)を呼び出すことで能動的に発生させる場合とがある。なお、標準化されたイベントとして図示するもの以外の他のイベントが定義されていてもよいし、逆に図示する全てのイベントが定義されてない場合であってもよいが、少なくとも図4に示したイベントについては定義されているほうが望ましい。
【0051】
図3のワークフローにおいて、基本的な状態(画面)遷移の例としては以下の通りである。まず、初期状態はIP電話70とオペレータ端末60とが「未接続」(連携していない)の状態であり、ここで、オペレータ端末60上の業務アプリケーション63が電話制御API65を利用してIP電話70と接続(連携を開始)すると(イベントA1)、「接続」状態に移行する。さらに、業務アプリケーション63が電話制御API65を利用してオペレータ端末60をIP電話70と関連付けてCTI基盤システム40に登録し、オペレータ4がオペレータ端末60からログインすると、「準備」状態に移行する。
【0052】
「準備」状態にて、オペレータ4が業務アプリケーション63上で電話応対業務を開始するために受付可能の操作を行うと(イベントB1)、顧客3からの着信の「待機」状態に移行する。この状態でCTI基盤システム40を介して顧客3から対象のIP電話70に着信があり、業務アプリケーション63が着信のイベント(イベントD1)を電話制御ミドルウェア64から受けると「着信」状態に移行する。着信に対してオペレータ4が応答すると(イベントC8)、顧客3との「通話」状態に移行する。なお、図中で、「通話」状態など、二重線の枠となっている状態は、顧客3との通話中(保留状態含む)であることを示す。
【0053】
この状態では、顧客3との応対の内容に応じて、オペレータ4が業務アプリケーション63の画面を操作して業務サーバ50の業務アプリケーション53と連携することで、例えば、過去の取引履歴を参照したり口座情報を確認したりといった通常のWebアプリケーションとしての処理(画面遷移)を行うことができる。
【0054】
「通話」状態において、例えば、顧客3に対する応対が終了してオペレータ4が通話を切断したか(イベントC7)、顧客3が通話を切断した場合は(イベントD5)、「準備」状態に戻り、その後再度「待機」状態に移行する。その後、例えばオペレータ4が、応対記録の入力などの後処理を行うために業務アプリケーション63上でいったん受付不可とする操作を行うと(イベントB2)、「準備」状態に移行する。後処理が終了し、再度業務アプリケーション63上で受付可能の操作を行うと(イベントB1)、「待機」状態に移行して次の顧客3からの着信を待ち受けることができる。
【0055】
他の遷移パターンとしては、例えば「通話」状態から、オペレータ4が通話を保留する(イベントC5)ことで「保留」状態に移行したり、応対の内容に応じて他のオペレータ4やスーパーバイザ等に通話を転送する(イベントC2)ことで「転送呼出1(顧客3が通話保留中)」状態に移行したりする場合がある。また、「準備」状態からオペレータ4が顧客3などに対して発信する(イベントC1)ことで「発信」状態に移行したり、「待機」状態において他のオペレータ4等からの転送通話の着信(イベントD1)を受けて「転送着信」状態に移行したりする場合などがある。
【0056】
上記のようなワークフローの制御においては、電話制御に係るイベントだけではなく、CTI基盤システム40におけるPBXやCTIシステムで蓄積される電話制御履歴42の情報から把握されるオペレータ4の業務状況についての各種の統計情報や、オペレータ4の属性情報、オペレータ4や顧客3の状況に係る情報などに基づいた画面制御、フロー制御を行うことも可能である。
【0057】
例えば、業務サーバ50の業務アプリケーション53は、オペレータ端末60の業務アプリケーション63からの処理要求に対して応答画面を生成して応答する際に、電話制御履歴アクセスAPI52を利用してCTI基盤システム40の電話制御履歴42の統計情報を取得し、その内容に応じて業務アプリケーション63に応答する(表示させる)画面を変えるよう制御することができる。
【0058】
図5は、電話制御履歴42から取得可能な電話制御に係る統計情報について標準化した場合の例を示した図である。これらの統計情報は、電話制御履歴アクセスAPI52による標準化されたインタフェースを利用して業務アプリケーション53(もしくは業務アプリケーション63)から取得することができる。電話制御履歴アクセスAPI52においては、上述したように、電話制御履歴42にアクセスする部分のみがベンダーや製品の仕様に合わせて実装されるため、CTI基盤システム40におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽することができる。
【0059】
統計情報としては、オペレータ4毎の一定期間(例えば日次)の応対業務のログ等を集計した結果に基づいて、例えば、顧客3からの外線電話の着信件数(統計情報S1)、顧客3への発信件数(統計情報S2)、他のオペレータ4等への通話の転送件数(統計情報S3)等の各種件数に関する統計情報を取得することができる。また、顧客3との外線電話による通話時間の合計(統計情報S4)、通話を保留にした件数(統計情報S5)、通話の保留時間の合計(統計情報S6)、オペレータ4が席について受付可能状態であった時間の合計(統計情報S7)、オペレータ4が受付不可にした件数(統計情報S8)、受付不可状態であった時間の合計(統計情報S9)、および転送先もしくは転送元の相手方との通話時間の合計(統計情報S10)等の各種時間に関する統計情報を取得することができる。
【0060】
これらの情報に基づいて、例えば、通話件数あたりの通話時間が長いオペレータ4については、応対に時間がかかっており熟練度が低いと判断したり、転送件数や保留時間が多いオペレータ4については、他のオペレータ4に応対を代替・エスカレーションしたり、応対内容の確認や指示を仰いだりしており熟練度が低いと判断したりすることができる。
【0061】
電話制御履歴42から取得可能である上記のような電話制御に係る統計情報以外にも、例えば、業務サーバ50がユーザ情報等として管理するオペレータ4に係る属性情報を取得可能なインタフェース(API)を設けてもよい。このような属性情報としては、例えば、オペレータ4のユーザIDや氏名等の識別情報や、オペレータ4が実施可能な対象業務の情報、オペレータ4の在籍日数やスキルレベルなどの熟練度に関連する情報などがある。
【0062】
なお、これらの属性情報が保持される場所や形態が、例えばCTI基盤システム40によって異なる場合は、電話制御履歴アクセスAPI52と同様に、当該インタフェースも、CTI基盤システム40におけるベンダー毎の相違に依存しない標準化されたインタフェースとして実装する。実装に際しては、上述した他のAPIと同様に、当該インタフェースにおいて上記の属性情報を実際に取得する部分のみをベンダーや製品の仕様に合わせて実装することになる。
【0063】
また、CTI基盤システム40等で顧客3との通話の内容を記録した情報に基づいて、顧客3に係る情報を取得可能なインタフェース(API)を設けてもよい。このような情報としては、例えば、顧客3の通話の音声データから既存の音声認識技術を利用して感情データを数値化した情報などがある。当該インタフェースについても、上述した他のAPIと同様に、CTI基盤システム40におけるベンダー毎の相違に依存しない標準化されたインタフェースとして実装し、上記のような情報を実際に取得する部分のみをベンダーや製品の仕様に合わせて実装する。
【0064】
上述したような電話制御に係る各種イベントや統計情報等に基づく画面制御に加えて、通常のWebアプリケーションと同様の、画面操作によるイベントや業務データに基づく画面制御を組み合わせることで、電話応対業務としての業務アプリケーション53、63のフロー制御や画面制御を定義する。
【0065】
このようなフロー制御や画面制御の定義を容易に行って、業務アプリケーション53、63を柔軟かつ効率的に開発・保守することを可能とするため、例えば、ワークフロー機能を有するWebアプリケーションプログラムをグラフィカルなユーザインタフェースによって開発することができる既存もしくは新規の開発プログラムに対して、上述したような電話応対業務について標準化したイベントやAPI(メソッド)を有する電話制御用インタフェースプログラムを組み込んでコールセンターシステム開発プログラムとして構成する。例えば、上記のような標準化したイベントを通知し、また、電話制御を行うためのメソッドを有するクラスライブラリを電話制御用インタフェースプログラムとして組み込むことでこれを実現することができる。
【0066】
このようなコールセンターシステム開発プログラムを利用することにより、グラフィカルなユーザインタフェースでワークフロー全体を視覚化して把握することができるとともに、ドラッグ&ドロップ等の直感的な操作により、電話制御に係るイベントもトリガとしてフロー制御や画面制御を行うことができる業務アプリケーション53、63の開発を容易に行うことが可能となる。また、運用開始後のフローや画面制御の変更も柔軟に行うことが可能となる。さらに、図3に示したような基本的なワークフローを業務(例えば、住所変更や解約など)毎に作成して部品化してコールセンターシステム開発プログラムに組み込んでおくことにより、これらを組み合わせることで業務アプリケーション53、63をより効率的に開発することが可能となる。
【0067】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態であるコールセンターシステム1によれば、CTI基盤システム40におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽するミドルウェアとしてのインタフェースプログラムである電話制御ミドルウェア64および電話制御API65を設け、電話制御における基本的・標準的な機能に対するアクセス方法(メソッド)やイベントを標準化する。これにより、CTI基盤システム40におけるベンダーや製品毎の仕様の相違を隠蔽し、業務アプリケーション63への影響を回避することができる。
【0068】
また、例えば、ワークフロー機能を有するWebアプリケーションプログラムをグラフィカルなユーザインタフェースによって開発することができる既存もしくは新規の開発プログラムに対して、電話制御ミドルウェア64および電話制御API65におけるイベントやメソッド、および基本的な電話制御のフローについて部品化したものなどを組み込む。これにより、ワークフローにより電話応対業務を行う業務アプリケーション53、63を迅速かつ効率的に開発し、また、システム構築後に柔軟に画面制御等を変更して保守することが可能となる。
【0069】
また、CTI基盤システム40で蓄積される電話制御履歴42から把握されるオペレータ4の業務状況についての各種の統計情報や、オペレータ4の属性情報、オペレータ4や顧客3の状況に係る情報などを取得するためのインタフェースプログラムとして、電話制御履歴アクセスAPI52などのAPIを設ける。これらのインタフェースプログラムを利用して、例えば、業務サーバ50の業務アプリケーション53からこれらの情報を取得することで、オペレータ4や顧客3の状況に応じた画面制御やフロー制御を行うことが可能となる。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、一連の電話応対業務をワークフローとして定義することが可能なコールセンターシステム、およびこのようなコールセンターシステムを実現するアプリケーションプログラムを開発するためのコールセンターシステム開発プログラムならびに電話制御用インタフェースプログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…コールセンターシステム、2…公衆回線網、3…顧客、4…オペレータ、
10…内部ネットワーク、
20…VoIPゲートウェイ、
30…IVRシステム、
40…CTI基盤システム、41、41a、41b…電話制御インタフェース、42…電話制御履歴、
50…業務サーバ、51…基盤部、52…電話制御履歴アクセスAPI、53…業務アプリケーション、
60…オペレータ端末、61…基盤部、62…電話制御部、63、63a、63b…業務アプリケーション、64…電話制御ミドルウェア、65…電話制御API、66a、66b…接続部、
70…IP電話。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータが使用する電話機およびオペレータ端末との間で電話制御情報を授受するための電話制御インタフェースを有し、前記電話機と前記オペレータ端末とを連携させるCTI基盤システムと、
ワークフローにより電話応対業務に係る処理を実行する業務アプリケーションのサーバとして動作する業務サーバと、
オペレータが使用し、前記電話制御インタフェースとの間で電話制御情報の授受を行う電話制御部を有して、前記業務アプリケーションのクライアントとして動作する前記オペレータ端末、および当該オペレータが使用する前記電話機からなる複数の組とが内部ネットワークに接続されたコールセンターシステムであって、
前記オペレータ端末は、前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションから前記電話制御部にアクセスして電話制御を行うための標準化されたプログラミングインタフェースを有する電話制御APIを含み前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションに対して電話制御に係る標準化されたイベントを通知する電話制御ミドルウェアを有することを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記電話制御ミドルウェアが前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションに通知するイベントとして、前記電話機と前記オペレータ端末との連携制御に関するイベント、前記オペレータの在席制御に関するイベント、前記オペレータによる能動的な電話制御に関するイベント、および顧客や他のオペレータからの受動的な電話制御に関するイベント、のうち少なくとも一つ以上の種別に含まれるイベントが定義されていることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記CTI基盤システムは、さらに電話制御に関する履歴情報を保持する電話制御履歴記録手段を有し、
前記業務サーバは、前記業務サーバもしくは前記オペレータ端末上の前記業務アプリケーションから前記電話制御履歴記録手段にアクセスして、オペレータの業務状況についての統計情報を取得するための標準化されたプログラミングインタフェースを有する電話制御履歴アクセスAPIを有することを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコールセンターシステムにおいて、
前記電話制御履歴アクセスAPIが前記電話制御履歴記録手段から取得した履歴情報に基づいて出力する統計情報として、対象のオペレータの一定期間の応対業務について、顧客からの外線電話の着信件数、顧客への外線電話の発信件数、他のオペレータへの通話の転送件数、顧客との外線電話による通話時間の合計、通話を保留にした件数、通話の保留時間の合計、対象のオペレータが受付可能状態であった時間の合計、対象のオペレータが受付不可にした件数、対象のオペレータが受付不可状態であった時間の合計、および転送先もしくは転送元の相手方との通話時間の合計のうち少なくとも一つ以上の情報を含むことを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項5】
ワークフローにより電話応対業務に係る処理を実行する業務アプリケーションをグラフィカルなユーザインタフェースによって開発することができるコールセンターシステム開発プログラムであって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコールセンターシステムにおける前記電話制御ミドルウェアによって通知されるイベントと、前記電話制御APIおよび/または前記電話制御履歴アクセスAPIとを組み込んだことを特徴とするコールセンターシステム開発プログラム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコールセンターシステムにおける電話制御ミドルウェアと、前記電話制御APIおよび/または前記電話制御履歴アクセスAPIとを有することを特徴とする電話制御用インタフェースプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−44569(P2012−44569A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185767(P2010−185767)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】