説明

コールセンタ装置及びコールセンタ装置における呼接続方法

【課題】オペレータが通信機能を有する情報家電端末と通信を行うに際して、ユーザとオペレータの双方において通信先の情報家電端末の特定及び認証処理にかかる作業を簡単に行うことができるコールセンタ装置を提供する。
【解決手段】情報家電端末識別子と情報家電端末アドレスとを対応付けて記憶し、公衆網通話端末からの呼に応答して当該公衆網通話端末から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして当該情報家電端末とオペレータ端末とを呼接続するコールセンタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのオペレータ端末を含み、当該オペレータ端末と通話端末及び情報家電端末とを選択的に呼接続するコールセンタ装置及びコールセンタ装置における呼接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビなどのいわゆる家電製品であって通信機能を有する情報家電端末(以下同様)が普及しつつある。通常、これらの情報家電端末は様々な機能を有しており、ユーザが操作方法を把握していないことから、それらの機能を充分に使いこなせない場合がある。例えば特許文献1には、情報家電機器の動作状態を表す状態信号とユーザの反応を電気的な信号に変換して得られた反応信号とを関連付けて保持する保持部を備え、当該保持されている状態信号と取得状態信号とが、対応する場合には当該状態信号に関連付けられている反応信号をユーザへ表現し、対応しない場合には当該取得状態信号をユーザへ表現して当該ユーザからの反応信号と当該取得状態信号とを関連付けて保持し、当該保持されている反応信号と取得反応信号とが対応する場合には当該反応信号に関連付けられた状態信号を情報家電機器へ出力するインターフェース装置が開示されている。当該インターフェース装置によれば、様々な情報家電機器を簡単に操作し、ユーザがその情報家電機器の状態を簡単に知ることができるとしている。
【特許文献1】特開2007−11873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザは上記した特許文献1によるインターフェース装置などを用いても、なお、情報家電端末の操作方法についての充分な知識を欠いて、情報家電端末の操作方法についてコールセンタに問い合わせする場合が少なくない。情報家電端末が通信機能を備えている場合、コールセンタのオペレータは、当該通信機能により情報家電端末の内部情報確認や遠隔操作を行うことにより、より適切な対処を行うことができる。この際、通常、ユーザは情報家電端末の固有名に加えてIPアドレスなどの所在情報をオペレータに通知する必要があった。また、ユーザは情報家電端末の認証情報を口頭又は手入力の情報によりオペレータに通知しなければならず、オペレータは当該通知された認証情報に基づいて認証処理を行う必要があった。そのため、ユーザとオペレータの双方において入力すべき情報量及び認証処理にかかる作業が多くなり、手続が煩雑化してしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、オペレータが通信機能を有する情報家電端末と通信を行うに際して、ユーザとオペレータの双方において通信先の情報家電端末の特定及び認証処理にかかる作業を簡単に行うことができるコールセンタ装置及びコールセンタ装置における呼接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるコールセンタ装置は、少なくとも1つのオペレータ端末と、前記オペレータ端末と通話端末及び情報家電端末とを選択的に呼接続する呼制御部と、を含むコールセンタ装置であって、情報家電端末識別子と情報家電端末アドレスとを対応付けて保持する家電情報データベースを含み、前記呼制御部は、前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして前記情報家電端末の1と前記オペレータ端末とを呼接続することを特徴とする。
【0006】
本発明によるコールセンタ装置における呼接続方法は、少なくとも1つのオペレータ端末と、前記オペレータ端末と通話端末及び情報家電端末とを選択的に呼接続する呼制御部と、を含むコールセンタ装置における呼接続方法であって、情報家電端末識別子と情報家電端末アドレスとを対応付けて保持する情報家電端末データ保持ステップと、前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして前記情報家電端末の1と前記オペレータ端末とを呼接続する呼接続ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報家電端末識別子と、情報家電端末アドレスとを対応付けて保持し、通話端末から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして情報家電端末とオペレータ端末とを呼接続するので、情報家電端末のユーザは通話時に情報家電端末識別子をオペレータ端末に通知すれば、情報家電端末のアドレスを通知しなくても、オペレータ端末と情報家電端末とが通信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図1は本実施例によるコールセンタ装置100を情報家電端末200−1〜200−m(mは正整数)及び通話端末300などと共に表すブロック図である。
【0010】
情報家電端末200−1〜200−mの各々は、IPパケットにより、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網410を介してコールセンタ装置100と通信可能な通信部210を備える、例えば冷蔵庫、洗濯機、健康器具、ロボットなどの家電製品である情報家電端末である。
【0011】
通話端末300は、音声信号及びPB(Push Button)信号により、IP網410又は電話網などの公衆網420を介してコールセンタ装置100と通信可能な通信部310を備える、例えば固定電話機や携帯電話などの通話端末である。
【0012】
コールセンタ装置100は、顧客からの問い合わせ等に応答するコールセンタ業務を行うための装置であり、IP網ゲートウェイサーバ110と、公衆網ゲートウェイサーバ120と、コールマネジメントサーバ130と、家電情報データベース140と、オペレータ端末150−1〜150−n(nは正整数)と、ネットワーク160と、を含む。
【0013】
IP網ゲートウェイサーバ110は、IP網410とLAN(Local Area Network)などのネットワーク160との間にあって通信データを相互に変換して中継する装置である。公衆網ゲートウェイサーバ120は、公衆網420とネットワーク160との間にあって通信データを相互に変換して中継する装置である。
【0014】
コールマネジメントサーバ130は、通信部131と、呼制御部132と、認証部133と、を含む。
【0015】
通信部131は、情報家電端末200−1〜200−mの各々、通話端末300及びオペレータ端末150−1〜150−nの各々と通信する通信機能を有する。通信部131は、情報家電端末200−1〜200−mの各々からの着信呼に応答して、IP網410又は公衆網420を介して情報家電端末200−1〜200−mの各々から送信される情報家電端末情報を取得する情報家電端末情報取得手段と、当該情報家電端末情報を後述の家電情報データベース140に保持せしめる情報家電端末情報保持手段と、を備える。情報家電端末情報は、例えば、情報家電端末200−1〜200−mの各々の製品名、固有名、アドレス、端末認証情報などである。
【0016】
また、通信部131は、通話端末300からの着信呼に応答して、通話端末300を識別可能な電話番号などの通話端末識別子を通話端末300から取得する通話端末識別子取得手段と、当該通話端末識別子と情報家電端末情報に含まれる固有名とを対応付けて家電情報データベース140に保持せしめる通話端末家電端末対応保持手段と、を備える。
【0017】
呼制御部132は、コールセンタ装置100への着信呼をオペレータ端末150−1〜150−nの内のいずれか適当な端末に振分ける呼振分け手段と、情報家電端末200−1〜200−mの内の1へ呼発信してオペレータ端末150−1〜150−nの内の1と呼接続する呼接続制御手段を有する。呼制御部132は、呼発信制御手段によりオペレータ端末150−1〜150−nの内の1と情報家電端末200−1とを呼接続する場合、家電情報データベース140を参照し、情報家電端末200−1の識別子(固有名)に対応付けられている情報家電端末のアドレスを着呼先アドレスとして発呼する。情報家電端末200−2〜200−mの各々と呼接続する場合も同様である。
【0018】
認証部133は、情報家電端末200−1〜200−mの各々の端末認証処理を行う端末認証処理手段と、情報家電端末200−1〜200−mの各々のユーザ認証処理を行うユーザ認証処理手段と、を有する。認証部133は、端末認証処理手段により情報家電端末200−1の認証処理を行う場合、家電情報データベース140を参照し、情報家電端末200−1の識別子に対応付けられている端末認証情報により情報家電端末200−1との間で認証処理を行う。認証部133は、ユーザ認証処理手段により通話端末300のユーザが情報家電端末200−1の所有者であることを認証する場合、家電情報データベース140を参照し、通話端末300を識別するための通話端末識別子と情報家電端末200−1を識別するための情報(固有名)との対応付けに基づいて認証処理を行う。情報家電端末200−2〜200−mに対する認証処理を行う場合も同様である。端末認証処理及びユーザ認証処理は共に従来知られた通常の認証処理で良い。
【0019】
家電情報データベース140は、取扱い有無テーブルと、アドレス対応テーブルと、認証情報対応テーブルと、端末対応テーブルと、を含む。
【0020】
図2は取扱い有無テーブルを表す図である。「情報家電端末の製品名」は、情報家電端末200−1〜200−mの各々を製品毎に分類するための製品名であり、ここでは製品名を家電A、家電B、・・・としている。「情報家電端末の取扱い」は、コールセンタ装置100において情報家電端末200−1〜200−mの各々について取り扱うか否かを示す情報である。コールセンタ装置100の管理者は、各製品についての取り扱いの有無を取扱い有無テーブルに予め設定しておく。図2に示される取扱い有無テーブルにおいては、「家電A」を「取り扱う」、「家電B」を「取り扱わない」設定となっている。
【0021】
図3はアドレス対応テーブルを表す図である。「情報家電端末の固有名」は、コールセンタ装置100において情報家電端末200−1〜200−mの各々に固有の名称であり、各々を一意に区別するための情報家電端末識別子である。ここでは固有名を屋内の家電A1、屋内の家電A2・・・としている。固有名は情報家電端末200−1〜200−mのユーザが任意に命名できる。「情報家電端末のアドレス」は、情報家電端末200−1〜200−mの各々の所在を示す情報であり、ここでは例えばIPアドレス210.188.102.105、210.188.102.121、・・・としている。図3に示されるアドレス対応テーブルにおいては、固有名「屋内の家電A1」とIPアドレス「210.188.102.105」とが、また、固有名「屋内の家電A2」とIPアドレス「210.188.102.121」とが、それぞれ対応付けられている。
【0022】
図4は認証情報対応テーブルを表す図である。「情報家電端末の固有名」は、上記したのと同様であり、情報家電端末200−1〜200−mの各々に対する固有名である。「情報家電端末認証情報」は、情報家電端末200−1〜200−mの各々にアクセスするための認証情報であり、ここでは認証情報をxxxxxx、yyyyyy、・・・としている。図4に示される認証情報対応テーブルにおいては、固有名「屋内の家電A1」と認証情報「xxxxxx」とが、また、固有名「屋内の家電A2」と認証情報「yyyyyy」とが、それぞれ対応付けられている。
【0023】
図5は端末対応テーブルを表す図である。「通話端末の識別子」は、通話端末300を識別するための固有の通話端末識別子であり、ここでは例えば、電話番号5012345555、5012346666、・・・としている。「情報家電端末の対応付け情報」は、情報家電端末200−1〜200−mの各々と通話端末300と対応付けるための情報であり、ここでは情報家電端末200−1〜200−mの各々の情報家電端末の固有名である屋内の家電A1、屋内の家電A2・・・としている。図5に示される端末対応テーブルにおいては、電話番号「5012345555」と固有名「屋内の家電A1」とが、また、電話番号「5012346666」と固有名「屋内の家電A2」とが、それぞれ対応付けられている。
【0024】
家電情報データベース140は、コールマネジメントサーバ130からの情報家電端末の製品名、固有名、アドレス、認証情報を上記した各種テーブルに保持する。
【0025】
オペレータ端末150−1は、通信部151と、入力部152と、を含む。通信部151は、コールマネジメントサーバ130との間で呼接続のための情報を交換し、また、通話端末300との間で通話する。入力部152はオペレータからの情報家電端末の情報取得要求及び遠隔操作要求を受け付ける。オペレータ端末150−2〜150−mの各々もオペレータ端末150−1と同様の構成である。
【0026】
コールセンタ装置100は、以下の3つの処理を経て情報家電端末200−1〜200−mとの間で通信を開始する。3つの処理とはすなわち、情報家電端末200−1〜200−mの各々に関する情報を保持する情報家電端末情報保持処理、通話端末300を識別するための情報と情報家電端末200−1〜200−mの各々を識別するための情報とを対応付けて保持する端末対応保持処理、情報家電端末200−1〜200−mとの間で通話を開始する通話開始処理、である。
【0027】
図6はコールセンタ装置100における情報家電端末情報保持処理ルーチンを表すフローチャートである。図7は情報家電端末情報保持処理における動作を表すシーケンス図である。以下、図6及び図7を適宜、参照しつつ、情報家電端末200−1に関する情報を保持する場合の情報家電端末情報保持処理について説明する。
【0028】
先ず、情報家電端末200−1の通信部210が、コールセンタ装置100へ発呼して情報家電端末200−1の製品名、アドレス、固有名及び認証情報などの情報家電端末情報を、IP網410を介してコールセンタ装置100に送信する(ステップS201)。固有名及び認証情報は、情報家電端末200−1が予め保持している情報でも良いし、情報家電端末200−1の図示せぬ入力部にユーザが入力した情報でも良い。ここでは固有名を「屋内の家電A1」とし、認証情報を「xxxxxx」とする。製品名は、製造時に情報家電端末200−1の図示せぬメモリに保持されている情報でも良いし、情報家電端末200−1の図示せぬ入力部にユーザが入力した情報でも良い。ここでは製品名を「家電A」とする。アドレスは、情報家電端末200−1の設置時に割り当てられたIPアドレスなどであり、情報家電端末200−1が設置時から保持している情報でも良いし、情報家電端末200−1の図示せぬ入力部にユーザが入力した情報でも良い。ここではアドレスをIPアドレス「210.188.102.105」とする。
【0029】
コールマネジメントサーバ130の通信部131は、情報家電端末200−1からの着信呼に応答して、IP網410を介して情報家電端末200−1からの情報家電端末情報を取得する(ステップS101、S202)。次に、通信部131は、家電情報データベース140の取扱い有無テーブル(図2)を参照し(ステップS102、S203)、情報家電端末200−1からの製品名「家電A」に対応する「情報家電端末取扱い」が「取扱う」であるか「取扱わない」であるかに応じて以下の処理を行う。すなわち、情報家電端末200−1からの製品名が「家電A」である場合、通信部131は、情報家電端末200−1が取り扱い対象の製品であると判別して(ステップS103、S204)、家電情報データベース140に情報家電端末情報を与える(ステップS104、S205)。家電情報データベース140は、通信部131からの固有名「屋内の家電A1」とIPアドレス「210.188.102.105」とを対応付けてアドレス対応テーブル(図3)に保持し、且つ、固有名「屋内の家電A1」と認証情報「xxxxxx」とを対応付けて認証情報対応テーブル(図4)に保持する(ステップS105、S206)。一方、情報家電端末200−1からの製品名が「家電B」である場合、通信部131は、情報家電端末200−1が取り扱い対象の製品ではないと判別して(ステップS103、S204)、情報家電端末200−1からの着信を拒否する(ステップS106)。
【0030】
上記した情報家電端末情報保持処理により、コールセンタ装置100における取り扱い対象の情報家電端末の固有名とアドレスとが対応付けられてアドレス対応テーブル(図3)に保持され、固有名と認証情報とが対応付けられて認証情報対応テーブル(図4)に保持される。
【0031】
図8はコールセンタ装置100における端末対応保持処理ルーチンを表すフローチャートである。図9は端末対応保持処理における動作を表すシーケンス図である。以下、図8及び図9を適宜、参照しつつ、通話端末300のユーザとオペレータ端末150−1のオペレータとが通話中であるときの端末対応保持処理について説明する。
【0032】
先ず、通話端末300のユーザが、図示せぬ入力部に情報家電端末200−1の固有名を入力する(ステップS401)。ユーザは当該入力部に固有名「屋内の家電A1」を文字入力しても良いし、コールマネジメントサーバ130が音声又は画像を解析して固有名を表す固有名データを得る音声又は画像解析手段を有する場合には、固有名「屋内の家電A1」を表す音声又は画像を当該入力部に入力しても良い。固有名は情報家電端末200−1を一意に識別するための名称(識別子)であり、例えばユーザの氏名と通話端末300の名称とを組み合わせて得られた文字列などである。
【0033】
次に通話端末300の通信部310は、コールセンタ装置100へ発呼して当該固有名「屋内の家電A1」を表す固有名データをコールセンタ装置100に送信する(ステップS402)。コールマネジメントサーバ130の通信部131は通話端末300からの着信呼に応答して通話端末300からの固有名データを取得する(ステップS301、S403)。通信部131は、家電情報データベース140を参照して(ステップS302、S404)、通話端末300からの固有名「屋内の家電A1」と同一の固有名「屋内の家電A1」が、アドレス対応テーブル(図3)又は認証情報対応テーブル(図4)に保持されているか否かを判別する(ステップS303、S405)。
【0034】
例えば通話端末300からの固有名が「屋内の家電A1」である場合、「屋内の家電A1」がアドレス対応テーブルの「情報家電端末固有名」に保持されていることから、通信部131は、当該固有名「屋内の家電A1」及び通話端末300の電話番号などの通話端末識別子を家電情報データベース140に与える(ステップS304、S406)。通信部131は、例えば通話端末識別子である電話番号「5012345555」を着信呼の情報から取得する。家電情報データベース140は、通信部131からの通話端末識別子である電話番号「5012345555」と通話端末300の固有名「屋内の家電A1」とを対応付けて端末対応テーブル(図5)に保持する(ステップS305、S407)。
【0035】
一方、通話端末300からの固有名が家電情報データベース140に保持されていない例えば「屋内の家電B1」などの固有名である場合、通信部131は、通話端末300へ固有名の再送指示メッセージを送信する(ステップS306)。
【0036】
上記した端末対応保持処理により、通話端末300を識別可能な通話端末識別子と情報家電端末200−1の固有名「屋内の家電A1」とを対とが対応付けられて端末対応テーブル(図5)に保持される。
【0037】
図10はコールセンタ装置100における通信開始処理ルーチンを表すフローチャートである。図11は通信開始処理における動作を表すシーケンス図である。以下、図9及び図10を適宜、参照しつつ、通話端末300のユーザとオペレータ端末150−1のオペレータとが通話中であるときの通信開始処理について説明する。
【0038】
先ず、通話端末300の通信部310は、コールセンタ装置100に発呼して固有名「屋内の家電A1」を表す固有名データをコールセンタ装置100に送信する(ステップS601)。コールマネジメントサーバ130の通信部131は、通話端末300からの着信呼に応答して通話端末300からの固有名データを受信する(ステップS501、S602)。
【0039】
オペレータ端末150−1の通信部151が情報家電端末200−1との接続要求をコールマネジメントサーバ130へ発する(ステップS502、S603)。コールマネジメントサーバ130の呼制御部132は、当該接続要求に応じて(ステップS503)、家電情報データベース140を参照し(ステップS504、S604)、固有名「屋内の家電A1」に対応付けられているアドレス、認証情報及び公衆網端末情報が、アドレス対応テーブル、認証情報対応テーブル、端末対応テーブルに保持されているか否かを判別する(ステップS505、S605)。これらのテーブルには、固有名「屋内の家電A1」に対応付けられている情報が保持されている。すなわち、アドレス対応テーブルにはIPアドレス「210.188.102.105」、認証情報対応テーブルには情報家電端末認証情報「xxxxxx」、端末対応テーブルには通話端末識別子である電話番号「5012345555」、がそれぞれ対応付けられている。
【0040】
呼制御部132は、固有名に対応付けられているアドレス、認証情報及び公衆網端末情報が家電情報データベース140に保持されていると判別した場合、情報家電端末200−1へ呼発信する。このとき、呼制御部132は、アドレス対応テーブルを参照し、固有名「屋内の家電A1」に対応付けられているIPアドレス「210.188.102.105」を発呼先として呼発信する(ステップS506、S606)。これにより、通話時においては、ユーザはオペレータへ情報家電端末200−1のアドレスを通知するために当該アドレスを入力及び送信する必要が無く、また、オペレータは当該アドレスを手入力せずとも呼制御部132により自動的に情報家電端末200−1へ呼発信される。
【0041】
認証部133は、認証情報対応テーブルを参照し、固有名「屋内の家電A1」に対応付けられている情報家電端末認証情報「xxxxxx」により、情報家電端末200−1との間で情報家電端末認証処理を行う(ステップS507)。すなわち、認証部133は、情報家電端末200−1からの認証情報の求めに応じて、認証情報対応テーブルに保持されている情報家電端末認証情報を提示することにより、自動的に認証処理を行うため、通話時にユーザ及びオペレータの双方が手入力で認証処理を行う必要が無い。
【0042】
認証部133は、通話端末300の着信呼から得られた電話番号「5012345555」と、情報家電端末200−1の固有名「屋内の家電A1」と、が端末対応テーブルにおいて対応付けられていることから、通話端末300のユーザが情報家電端末200−1の所有者であると判別する(ステップS508)。これにより、通話端末300のユーザは、通話時に自身が情報家電端末200−1の所有者であることを示すユーザ認証情報を入力及び送信する必要が無く、また、オペレータは当該ユーザ認証情報に基づいて手入力によりユーザ認証処理を行わずとも呼制御部132により自動的にユーザ認証処理がなされる。
【0043】
通話端末300からの固有名が家電情報データベース140に保持されていない例えば「屋内の家電B1」などの固有名である場合、呼制御部132は、通信部131をして通話端末300へ固有名の再送指示メッセージを送信せしめる(ステップS509)。
【0044】
情報家電端末200−1は、コールマネジメントサーバ130からの呼着信に応じて、
コールマネジメントサーバ130へ着信許可の通知をする(ステップS607)。コールマネジメントサーバ130は、当該着信許可に応じて(ステップS510)、オペレータ端末150−1へ呼接続許可の通知をする(ステップS511、S608)。以上の処理により、オペレータ端末150−1と情報家電端末200−1とが通信可能となる(ステップS512、S609)。
【0045】
当該通信状態の確立後、オペレータはオペレータ端末150−1の入出力部152へ情報家電端末の情報取得要求を入力して情報家電端末200−1に関する所望の情報の取得や、遠隔操作要求を入力して情報家電端末200−1の遠隔操作による動作確認などを行うことができる。以上、情報家電端末200−1との間で通話を開始する処理について述べたが、情報家電端末200−2〜200−mの各々との間で通話を開始する場合の処理についても上記したのと同様の処理にて通話開始できる。
【0046】
上記したように本実施例によるコールセンタ装置100は、情報家電端末200−1の固有名(識別子)、IPアドレス(所在情報)、認証情報を予め取得して、これらを対応付けて保持する。コールマネジメントサーバ130は、アドレス対応テーブルを参照し、通話端末300からの固有名と同一の固有名に対応付けられているIPアドレスを発呼先として呼発信する。そのため、情報家電端末200−1のユーザは通話時に情報家電端末200−1の固有名のみをオペレータに通知すれば良く、情報家電端末200−1のアドレスを通知しなくても、オペレータ端末150−1と情報家電端末200−1とが通信することができる。
【0047】
また、オペレータ端末150−1と情報家電端末200−1との通信に際して、コールセンタ装置100は、認証情報対応テーブルを参照し、情報家電端末200−1の固有名に対応付けられている情報家電端末認証情報により、情報家電端末200−1との間で認証処理を行う。そのため、情報家電端末200−1のユーザ及びオペレータ端末150−1のオペレータは、通話時には情報家電端末200−1の認証処理にかかる手続きを行う必要が無い。
【0048】
更に、コールセンタ装置100は、オペレータ端末150−1と情報家電端末200−1との通信に際して、端末対応テーブルを参照し、通話端末300の着信呼から得られた電話番号などの通話端末識別子と情報家電端末200−1の固有名との対応付けに基づいてユーザ認証処理を行う。そのため、情報家電端末200−1のユーザ及びオペレータ端末150−1のオペレータは、通話時にはユーザ認証にかかる手続きを行う必要が無い。
【0049】
本実施例はオペレータがオペレータ端末150−1〜150−nを操作する場合の例であるが、自動応答機能を用いてオペレータを無人化した場合にも同様の効果を奏することができる。オペレータ端末150−1〜150−nの各々は、例えばスマートフォンなどの移動通信端末であっても良い。また、本実施例は、端末認証処理及びユーザ認証処理の両方を行う場合の例であるが、必要に応じてユーザ認証処理を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施例によるコールセンタ装置を表すブロック図である。
【図2】取扱い有無テーブルを表す図である。
【図3】アドレス対応テーブルを表す図である。
【図4】認証情報対応テーブルを表す図である。
【図5】端末対応テーブルを表す図である。
【図6】情報家電端末情報保持処理ルーチンを表すフローチャートである。
【図7】情報家電端末情報保持処理における動作を表すシーケンス図である。
【図8】端末対応保持処理ルーチンを表すフローチャートである。
【図9】端末対応保持処理における動作を表すシーケンス図である。
【図10】通信開始処理ルーチンを表すフローチャートである。
【図11】通信開始処理における動作を表すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0051】
100 コールセンタ装置
110 IP網ゲートウェイサーバ
120 公衆網ゲートウェイサーバ
130 コールマネジメントサーバ
131 通信部
132 呼制御部
133 認証部
140 家電情報データベース
150−1〜150−n オペレータ端末
151 通信部
152 入出力部
160 ネットワーク
200−1〜200−m 情報家電端末
210 通信部
300 通話端末
310 通信部
410 IP網
420 公衆網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのオペレータ端末と、前記オペレータ端末と通話端末及び情報家電端末とを選択的に呼接続する呼制御部と、を含むコールセンタ装置であって、
情報家電端末識別子と情報家電端末アドレスとを対応付けて保持する家電情報データベースを含み、
前記呼制御部は、前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして前記情報家電端末の1と前記オペレータ端末とを呼接続することを特徴とするコールセンタ装置。
【請求項2】
前記情報家電端末の各々からの着信呼に応答して前記情報家電端末に付随する情報家電端末識別子及び情報家電端末アドレスを取得する通信部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコールセンタ装置。
【請求項3】
前記家電情報データベースは、前記情報家電端末識別子と前記情報家電端末認証データとを対応付けて保持する認証データ対応保持手段を更に含み、
前記呼制御部は、前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末認証データにより前記情報家電端末の1との間で端末認証処理を行う端末認証手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコールセンタ装置。
【請求項4】
前記情報家電端末の各々からの着信呼に応答して前記情報家電端末に付随する前記情報家電端末識別子及び情報家電端末認証データを取得する通信部を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のコールセンタ装置。
【請求項5】
前記家電情報データベースは、前記通話端末識別子と前記情報家電端末識別子とを対応付けて保持する端末識別子対応保持手段を更に含み、
前記呼制御部は、前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子と前記家電情報データベースに保持されている通話端末識別子とが対応しているか否かに基づいてユーザ認証処理を行うユーザ認証手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコールセンタ装置。
【請求項6】
前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1に付随する通話端末識別子及び前記情報家電端末の1に付随する情報家電端末識別子を取得する通信部を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のコールセンタ装置。
【請求項7】
少なくとも1つのオペレータ端末と、前記オペレータ端末と通話端末及び情報家電端末とを選択的に呼接続する呼制御部と、を含むコールセンタ装置における呼接続方法であって、
情報家電端末識別子と情報家電端末アドレスとを対応付けて保持する情報家電端末データ保持ステップと、
前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末アドレスを着呼先アドレスとして前記情報家電端末の1と前記オペレータ端末とを呼接続する呼接続ステップと、を含むことを特徴とするコールセンタ装置における呼接続方法。
【請求項8】
前記情報家電端末の各々からの着信呼に応答して前記情報家電端末に付随する情報家電端末識別子及び情報家電端末アドレスを取得する情報家電端末データ取得ステップを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のコールセンタ装置における呼接続方法。
【請求項9】
前記情報家電端末識別子と前記情報家電端末認証データとを対応付けて保持する認証データ対応保持ステップと、
前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子に対応する情報家電端末認証データにより前記情報家電端末の1との間で端末認証処理を行う端末認証ステップと、を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のコールセンタ装置における呼接続方法。
【請求項10】
前記情報家電端末の各々からの着信呼に応答して前記情報家電端末に付随する前記情報家電端末識別子及び情報家電端末認証データを取得する認証データ取得ステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載のコールセンタ装置における呼接続方法。
【請求項11】
前記通話端末識別子と前記情報家電端末識別子とを対応付けて保持する端末識別子対応保持ステップと、
前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1から送信される情報家電端末識別子と前記端末識別子対応保持ステップにより保持されている通話端末識別子とが対応しているか否かに基づいてユーザ認証処理を行うユーザ認証ステップと、を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のコールセンタ装置における呼接続方法。
【請求項12】
前記通話端末の1からの着信呼に応答して前記通話端末の1に付随する通話端末識別子及び前記情報家電端末の1に付随する情報家電端末識別子を取得する端末識別子取得ステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のコールセンタ装置における呼接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−218810(P2009−218810A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59794(P2008−59794)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】