説明

ゴキブリ捕獲用ユニット

【課題】ゴキブリが出没しやすい広範囲な領域に設置可能であり、高効率にゴキブリを駆除することが可能なゴキブリ捕獲用ユニットを提供する。
【解決手段】箱体104の内部に、ゴキブリ捕獲用の捕獲材を収納可能な捕獲材収納部121と、ゴキブリ駆除用の駆除剤を収納可能な駆除剤収納部122とを備えている。箱体104の底面の箱体外部に、箱体104を壁面に取り付け可能な取付部153が配置されている。箱体104はプラスチック製であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴキブリ捕獲用ユニットに関するものであり、外食産業などにおいて業務用に使用するゴキブリ捕獲用ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭用ないし業務用にてゴキブリを駆除する手段として、たとえば粘着性シートなどのトラップを用いて捕獲する方法や、ゴキブリに毒餌を摂取させることにより衰弱ないし死滅させる方法などが用いられている。粘着性シートなどのトラップは、粘着性シートの存在する領域であるトラップに誘引されたゴキブリを、粘着性シートに密着させ、粘着性シートからの移動を不可能にする。このようにして、粘着性シートに密着したゴキブリを衰弱させ餓死(衰弱死)させる。また毒餌は、ゴキブリが摂取することにより、当該ゴキブリの消化機能を冒して衰弱(衰弱死)させる。さらに上記毒餌を摂取したゴキブリが排泄する糞に含まれる上記毒餌を他のゴキブリが摂取することにより、当該他のゴキブリにも上記毒餌の成分を摂取させる。このようにして、当該他のゴキブリも、毒餌を摂取したゴキブリと同様に衰弱(衰弱死)させる。以上の作用を一のゴキブリから他のゴキブリへ連鎖的に継続させることにより、上記毒餌はゴキブリを一時に大量駆除することができる。
【0003】
たとえば以下の特許文献1において、粘着性シートなどのトラップと、ゴキブリに摂取させる毒餌とを併用したゴキブリ駆除装置が開示されている。これは、上述したゴキブリを駆除する各種手段を併用することにより、駆除効果を向上することを図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−259786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらゴキブリは行動可能な範囲が極めて広く、人間が立ち入ることができる領域のほかにもたとえば物置裏の隙間など様々な領域に侵入することができる。ところが特許文献1に開示されたゴキブリ駆除装置は比較的大型であり、上記物置裏の隙間や、部屋の壁と食器棚とのわずかな隙間などの狭い空間に設置することが困難である。また、特許文献1に開示されたゴキブリ駆除装置は、その構成上、床に載置することは可能であるが、壁や天井などのゴキブリが出没しやすい領域に設置することは困難である。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、ゴキブリが出没しやすい広範囲な領域に設置可能であり、高効率にゴキブリを駆除することが可能なゴキブリ捕獲用ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、箱体の内部に、ゴキブリ捕獲用の捕獲材を収納可能な捕獲材収納部と、ゴキブリ駆除用の駆除剤を収納可能な駆除剤収納部とを備えている。上記箱体の底面の箱体外部に、上記箱体を壁面に取り付け可能な取付部が配置されている。
【0008】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記箱体はプラスチック製である。
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記取付部は磁石から構成される。
【0009】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記取付部は上記底面の主表面に沿った方向にシート状に配置される。
【0010】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記捕獲材は粘着性を有するシートである。
【0011】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、駆除剤収納部には、上記駆除剤を収納するための凹部が形成されている。
【0012】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記箱体の天板は、上記捕獲材収納部を目視するために開閉可能な第1の扉と、上記駆除剤収納部を目視するために開閉可能な第2の扉とを含む。
【0013】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、上記箱体は、ゴキブリを上記箱体の内部に侵入させる侵入口を含んでいる。上記侵入口は、上記箱体の底面に対して一定の角度の傾斜を有する傾斜面で構成される。
【0014】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、捕獲材収納部に収納可能な捕獲用部材を含み、上記捕獲用部材に上記捕獲材を有する。
【0015】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、捕獲用部材はダンボール製である。
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、捕獲用部材は箱型の形状である。
【0016】
上記ゴキブリ捕獲用ユニットにおいて好ましくは、駆除剤はゴキブリが摂取することによりゴキブリを衰弱させる毒餌である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゴキブリが出没しやすい広範囲な領域に設置可能であり、高効率にゴキブリを駆除することが可能なゴキブリ捕獲用ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットの外観を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットの扉を開いた外観の状態を示す概略図である。
【図3】取付部がシート状のマグネットである、本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットを、箱体の底面が上側になるよう設置した状態を示す概略図である。
【図4】取付部が厚みを有するマグネットである、本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットを、箱体の底面が上側になるよう設置した状態を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットの取付部としての、面ファスナーおよびフックを示す概略図である。
【図6】箱体の底面の内側表面に配置された、粘着性シートを捕獲材とする捕獲材収納部と駆除剤収納部とを示す概略図である。
【図7】箱体の底面の内側表面に配置された、粘着性ペーストを捕獲材とする捕獲材収納部と駆除剤収納部とを示す概略図である。
【図8】正面側面を備える、本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットの箱体の外観を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るゴキブリ捕獲用ユニットの外観を示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るゴキブリ捕獲用ユニットの扉を開いた外観の状態を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るゴキブリ捕獲用ユニットを箱体右側面側から見た概略図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るゴキブリ捕獲用ユニットを箱体左側面側から見た概略図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るゴキブリ捕獲用ユニットに用いる捕獲用部材を示す概略図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係るゴキブリ捕獲用ユニットの扉を開いた外観の状態を示す概略図である。
【図15】本発明の実施の形態4に係るゴキブリ捕獲用ユニットに用いる、傾斜面を有する捕獲用部材を示す概略図である。
【図16】図15の線分XVI−XVIにおける概略断面図である。
【図17】本発明の実施の形態5に係るゴキブリ捕獲用ユニットに用いる箱型捕獲用部材を示す概略図である。
【図18】本発明の実施の形態5に係るゴキブリ捕獲用ユニットに用いる、傾斜面を有する箱型捕獲用部材を示す概略図である。
【図19】凹部にペースト状駆除剤を配置(塗布)した状態を示す概略図である。
【図20】凹部に固形駆除剤を配置した状態を示す概略図である。
【図21】本発明の実施例に係るゴキブリ捕獲用ユニットの外観を示す概略図である。
【図22】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの天板としての扉形成面を閉じた状態を示す概略図である。
【図23】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの扉形成面の平面視における概略図である。
【図24】図23の線分XXIV−XXIVにおける概略断面図である。
【図25】図23の線分XXV−XXVにおける概略断面図である。
【図26】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの展開斜視図である。
【図27】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの右側の側面の平面視における概略図である。
【図28】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの左側の側面の平面視における概略図である。
【図29】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの捕獲材収納部側の侵入口の平面視における概略図である。
【図30】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの駆除剤収納部側の侵入口の平面視における概略図である。
【図31】図21のゴキブリ捕獲用ユニットの箱体外側底面の平面視における概略図である。
【図32】図21のゴキブリ捕獲用ユニットのダンボール捕獲用部材を組み立てたものの外観を示す概略図である。
【図33】図32のダンボール捕獲用部材の天板の平面視における概略図である。
【図34】図32のダンボール捕獲用部材を製造するための打ち抜き成形された平板の平面図である。
【図35】図34に示す平板を図32に示すダンボール捕獲用部材に折り曲げ組み立てる途中の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施の形態について説明する。なお、各実施の形態において、同一の機能を果たす要素には同一の参照符号を付し、その説明は、特に必要がなければ繰り返さない。
【0020】
(実施の形態1)
以下、図1から図8を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図1に示すように、箱体104から構成される。箱体104の内部には捕獲材収納部121と、駆除剤収納部122とを備えている。たとえば図3に示すように、箱体底面101の、箱体104の外側を向いた表面(箱体外側底面101b)上には取付部153が配置されている。
【0021】
箱体104は略直方体状の立体形状である。具体的には箱体104は、箱体左側面109と扉形成面102と箱体右側面103と箱体底面101とから形成される。したがって、図1に示す侵入口126および、図1において図示しない侵入口126に対向する侵入口は面を形成せず、開口部となっている。このようにしてゴキブリが侵入口126から箱体104の内部に侵入することを可能としている。
【0022】
図1、図2に示す箱体104は、たとえば1枚の矩形状の平板を図2に示すように折れ線部111、116、117で屈曲された形状となるように形成された、四面を有する矩形状の筒型となっている。しかし上述した箱体左側面109、扉形成面102、箱体右側面103、および箱体底面101の4つの矩形状の平板をそれぞれ縁部で接合することにより箱体を形成してもよい。また、箱体左側面109および箱体右側面103には、それぞれゴキブリを侵入口105および侵入口106が形成されている。侵入口105、106も侵入口126と同様に、ゴキブリを箱体104の内部に侵入させるための開口部である。
【0023】
箱体104は、たとえばダンボールや厚紙などの、厚手で丈夫な紙製で構成されていてもよい。しかしたとえばプラスチックなどで構成することにより、ゴキブリを1回捕獲するごとに廃棄するのではなく、半永久使用することが可能な構成とすることが好ましい。
また、当該箱体104をプラスチックなどの防水、防湿性の材料で構成すれば、箱体104の設置箇所に散水しても箱体104がダメージを受けることはない。
【0024】
図2に示すように箱体104は、開閉用窪み131を用いて天板部分の扉形成面102を開くことにより箱体104の内部の状況を確認することができる。しかしたとえば扉形成面102が図2のように箱体104を開くことが可能な構造になっておらず、たとえば扉形成面102に相当する領域に配置される面が箱体右側面103と固定された構成であってもよい。この場合、たとえば侵入口105、106、126を用いて箱体104の内部の状況を確認したり、箱体104の内部に駆除剤を投入することが好ましい。
【0025】
箱体104の内部に存在する捕獲材収納部121とは、ゴキブリを箱体104の内部に捕獲するための捕獲材を収納可能な領域である。すなわち後述するように、上記捕獲材は捕獲材収納部121に侵入したゴキブリの身体を捕獲材収納部121に拘束し、捕獲材収納部121から逃げることができなくする部材である。捕獲材収納部121とはこのような捕獲材を収納可能とした領域である。
【0026】
また駆除剤収納部122とは、ゴキブリ駆除用の駆除剤を収納可能な領域である。すなわち後述するように、たとえばゴキブリが摂取することによりゴキブリを衰弱させたり衰弱死させることが可能な毒餌を設置するための領域である。
【0027】
取付部153は箱体104を室内の壁面や天井面など、水平な床面以外の面上に固定するために、自由に脱着することを可能とする素材から構成される。たとえば図3に示すように、取付部153として磁石を使用することが好ましい。このようにすれば、磁性を有する壁面や天井面などの面上に箱体104を容易に固定し、かつ容易に脱着することができる。
【0028】
取付部153に用いる磁石は図3に示すように箱体底面101の主表面に沿った方向にシート状の形状のマグネットを配置したものでもよい。なお、ここで主表面とは、表面のうちもっとも面積の大きい主要な面のことをいう。ここで特に取付部153としてのシート状のマグネットの表面が、箱体底面101の主表面とほぼ同一平面上に配置されるようにする(取付部153の表面が箱体底面101の主表面に対して上側に浮かぶ厚みを小さくする)。このようにすれば、たとえば箱体104を壁面に固定する際に、壁面と箱体底面101との距離を小さくすることができる。このため、箱体104をより安定に、壁面などの面上に固定することができる。
【0029】
ただし取付部153に用いる磁石としてたとえば図4に示す、主表面方向に交差する方向に厚みを有する固形型のマグネットを用いてもよい。あるいはたとえば図示しない脱着可能な粘着性のマグネットを用いてもよい。
【0030】
あるいは図5に示すように、取付部153として面ファスナーを用いてもよい。この場合、たとえば箱体104を取り付ける壁面上にも同様の面ファスナーを設置しておけば、面ファスナー同士の接着により箱体104を当該壁面上に固定することができる。また、接着した面ファスナー同士は自由に脱着することが可能なため、箱体104を壁面から容易に脱着することもできる。
【0031】
さらに、たとえば取付部153として壁掛けフックを用いることもできる。壁掛けフックを用いた場合についても、たとえば所望の壁面上に壁掛けフックを用いて箱体104を吊り下げるための釘やループ状の取付部などを設置すれば、箱体104を脱着可能に容易に壁面上に取り付けることができる。さらに取付部153として、たとえば着脱可能な接着剤を用いてもよい。
【0032】
なお、以上に示す取付部153は、図3〜図5に示すように箱体底面101に配置されていてもよいが、たとえば箱体右側面103、箱体左側面109など、箱体底面101以外の面上に配置されていてもよい。
【0033】
次に先述した捕獲材収納部121および駆除剤収納部122について説明する。捕獲材収納部121および駆除剤収納部122は箱体104の内部に配置された、ゴキブリを駆除する役割を有する領域である。捕獲材収納部121はゴキブリを箱体104の内部に拘束させることにより捕獲する領域である。これに対し、駆除剤収納部122はたとえばゴキブリを駆除するための駆除剤を摂取させることにより、箱体104の外部に存在するゴキブリを駆除する領域である。すなわち捕獲材収納部121と駆除剤収納部122とは、いずれも存在するゴキブリを駆除する役割を有するが、当該ゴキブリを駆除する手段が異なる。
【0034】
図6に示すように箱体底面101の、箱体104の内部側の主表面(箱体内側底面101a)上には、捕獲材収納部121に相当する領域に粘着性シート30が配置されている。粘着性シート30は、箱体104の内部に侵入したゴキブリを箱体104の内部から移動することを不可能とする捕獲材として配置されるものである。また、箱体104の内部側の主表面上のうち、駆除剤収納部122に相当する領域には、駆除剤を収納するための凹部151が形成されている。後述するように、凹部151にゴキブリを駆除するための駆除剤を配置する。なお、粘着性シート30はゴキブリを捕獲する面(箱体内側底面101a上に配置した際に箱体内側底面101aと対向する面と反対側の面)については粘着性を高くし、ゴキブリをより確実に捕獲可能な構成とすることが好ましい。しかし粘着性シート30のゴキブリを捕獲する面と反対側の面(箱体内側底面101a上に配置した際に箱体内側底面101aと対向する面)については箱体内側底面101aとの接着性を低くし、容易に取り外し交換が可能な構成とすることが好ましい。
【0035】
捕獲材としての粘着性シート30としては、たとえば粘着性を有するセロファンなどで形成されるものを用いることが好ましい。あるいは図7に示すように、箱体内側底面101a上の、捕獲材収納部121に相当する領域に、捕獲材として粘着性シート30の代わりに粘着性を有するペースト31を塗布したものを用いてもよい。また図6、図7に示すように、箱体内側底面101a上の捕獲材収納部121と駆除剤収納部122との境界部分には段差123を設置することが好ましい。しかし状況に応じて、段差123は設置を省略してもよい。
【0036】
また、捕獲材収納部121により高い確率でゴキブリを誘引するために、捕獲材収納部121のたとえば粘着性シート30やペースト31の上に、ゴキブリの好物を誘引剤として配置してもよい。
【0037】
以上に述べた、本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットの箱体104は、捕獲材収納部121と駆除剤収納部122とを備えている。このため、たとえば捕獲材収納部121と駆除剤収納部122とのいずれか一方のみを備えるゴキブリ捕獲用ユニットに比べて、高い確率でゴキブリを捕獲することができる。
【0038】
より具体的には、たとえば駆除剤収納部122のみを備えるゴキブリ捕獲用ユニットを用いた場合、当該ゴキブリ捕獲用ユニットの内部にゴキブリが侵入しても、ゴキブリが駆除剤を摂取しない可能性がある。この場合、ゴキブリ捕獲用ユニットの内部にゴキブリが侵入しても、当該ゴキブリを駆除することはできない。
【0039】
それに対して、上記箱体104を用いた場合、箱体104の内部にゴキブリが侵入し、駆除剤収納部122に収納されている駆除剤(たとえば毒餌)を摂取しなかったとしても、捕獲材収納部121に侵入して捕獲材に捕捉されれば、そこから移動することが不可能になり当該ゴキブリを捕獲することができる。あるいは逆に、難を逃れて捕獲材に捕捉されなかったとしても、上記駆除剤の摂取により当該ゴキブリを衰弱(衰弱死)させ、当該ゴキブリを駆除することができる。したがって、捕獲材収納部121と駆除剤収納部122との相乗効果により、ゴキブリの捕獲確率を高め、高効率にゴキブリを捕獲することができる。
【0040】
また、たとえばゴキブリが駆除剤を摂取した形跡があるにもかかわらず捕獲材収納部121にゴキブリの捕獲された死骸が確認できない場合、当該箱体104を設置した室内にゴキブリが棲息していると判断するための指標として用いることもできる。逆に多数のゴキブリが捕獲材収納部121に捕獲されているが駆除剤を摂取した形跡がない場合、よりゴキブリが摂取する可能性の高い駆除剤への内容変更を検討することも可能となる。また、異なる場所に複数台箱体104を設置しておけば、捕獲材収納部121のゴキブリの捕獲数を比較することにより、次回箱体104を設置すべき場所を判断することもできる。
【0041】
また、上記設置すべき場所について、当該箱体104は、たとえば室内の床面上のみならず、取付部153の存在により、壁面上や天井面などに設置することも可能である。したがって、たとえば厨房に設置された食器棚の裏の狭い隙間に巣を作っているゴキブリを捕獲するために当該食器棚の狭い領域に箱体104を設置することができる。たとえば食器棚の裏面と壁面との隙間が狭い場合、箱体104の箱体底面101や扉形成面102の幅が広いため、箱体104の当該隙間の領域に水平に設置することができない。しかし箱体104の取付部153を用いれば、脱着可能に壁面に固定するように箱体104を設置することができる。したがって、箱体104を設置することが可能な領域の幅を広げることができる。
【0042】
箱体104を取付部153を用いて設置すれば、箱体104を壁面や天井面、あるいは床面に対して固定することができる。このため、箱体104の設置場所の管理を容易にすることができる。すなわち、たとえば箱体104を設置した場所が不明になったり、本来ゴキブリを駆除したい場所に設置していた箱体104が、長時間設置中にたとえば人が移動させてしまうなどにより本来の場所と異なる場所に配置されるなどの不具合を解消することができる。
【0043】
上記のようにたとえば箱体104を壁面に固定するように配置しても、凹部151が形成されているため、当該凹部151の内部に収納される、たとえばペースト状を有する駆除剤が凹部151から漏出する可能性が低減される。駆除剤の凹部151に対する粘性が高い場合、この効果はより顕著になる。
【0044】
また、箱体104の内部に駆除剤を配置することができるため、たとえばゴキブリを駆除したい食器棚の裏の隙間の壁面上に直接駆除剤を塗布する必要がなく、当該箱体104の凹部151に塗布された駆除剤が、壁面上に直接配置した駆除剤と同様の効果を奏する。このため外観上の見栄えを向上することができる。
【0045】
以上に述べた箱体104は、箱体左側面109と扉形成面102と箱体右側面103と箱体底面101との四面から構成されるものである。しかし図8に示すように、箱体104の矩形筒状を形成する各面、たとえば扉形成面102の長手方向の両端部を覆うように正面側面124および図8において図示しない、正面側面124に対向する背面側面を備えていてもよい。すなわち図8に示す箱体104は六面から構成される六面体構造である。以上の点においてのみ、図8に示す箱体104は図1に示す箱体104と異なる。
【0046】
本発明の実施の形態1に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図1や図8の箱体104のような矩形状の面を有する略直方体状であってもよい。しかし当該ゴキブリ捕獲用ユニットの形状はこれに限定されず、たとえば三角柱状や六角柱状、円筒状などからなる構成であってもよい。
【0047】
図8に示す箱体104のように、正面側面124および背面側面を備える場合は、正面側面124および背面側面に、たとえば箱体右側面103の侵入口106と同様の侵入口126を形成することが好ましい。このようにすれば、図1に示す箱体104の開口部分である侵入口126と同様に、ゴキブリを箱体104の内部に誘引する侵入口126としての役割を有することができる。また、侵入口126を通じて箱体104の内部の状況を容易に確認することができる。たとえ侵入口126を通じて箱体104の内部の状況を確認することが困難であっても、扉形成面102を開けることができるため、問題なく箱体104の内部の状況を確認することができる。
【0048】
(実施の形態2)
以下、図9から図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本発明の実施の形態2に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図9に示すように、箱体104から構成される。図9に示す箱体104は、実施の形態1の図1に示す箱体104と基本的に同様の態様を備えている。しかし図9に示す箱体104は、扉形成面が捕獲材収納部121を目視するために開閉可能な第1の扉である捕獲材収納部扉形成面102aと、駆除剤収納部122を目視するために開閉可能な第2の扉である駆除剤収納部扉形成面102bとに分かれている。図10においては捕獲材収納部扉形成面102aと駆除剤収納部扉形成面102bとの両方を開いた状態を示している。しかし両者は独立して開閉することが可能である。なお、捕獲材収納部扉形成面102aは開閉用窪み131a、駆除剤収納部扉形成面102bは開閉用窪み131bを用いて開閉を行なう。
【0049】
このようにすれば、たとえば捕獲材収納部121の状況を確認する際には捕獲材収納部扉形成面102aのみを開け、駆除剤収納部122の状況を確認する際には駆除剤収納部扉形成面102bのみを開けることができる。たとえば捕獲材収納部121の捕獲材に用いる粘着性シート30(図6参照)を交換する場合に、捕獲材収納部扉形成面102aのみを開け、駆除剤収納部扉形成面102bを閉じたまま作業を行なうことができる。したがって、たとえば駆除剤として人体に有害な物質を使用する場合において、駆除剤収納部扉形成面102bを閉じたまま作業を行なうことができるため、駆除剤が放出する有害物質の吸引を最小限に留めることができる。
【0050】
また、たとえば駆除剤を交換する際には、駆除剤収納部扉形成面102bのみを開け、捕獲材収納部扉形成面102aを閉じたまま作業を行なうことができる。したがって、たとえば当該扉を含む箱体104がプラスチックなどの不透明な材質から形成される場合、駆除剤を交換する作業を行なう際に、不必要に捕獲材収納部121を確認する必要がない。たとえば不必要に捕獲されたゴキブリの死骸を視界に入れずに作業を行なうことができるため、快適に作業を行なうことができる。
【0051】
本発明の実施の形態2は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態2について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
【0052】
(実施の形態3)
以下、図11から図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本発明の実施の形態3に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図11に示すように、箱体104から構成される。図11に示す箱体104は、実施の形態1の図1に示す箱体104と基本的に同様の態様を備えている。しかし当該箱体104は、たとえば図11に示すように、たとえば侵入口106の箱体底面101側の、すなわちゴキブリが侵入する面は、箱体底面101に対して一定の角度を有する傾斜面113で構成される。同様に、侵入口105は傾斜面113で、侵入口126は傾斜面127、128で構成される。以上の点においてのみ、図11、12に示す箱体104は図1に示す箱体104と異なる。
【0053】
ゴキブリは箱体104の内部に入る入口において、箱体底面101に対して所定の角度の傾斜を有する方が、好んで箱体104の内部に入る習性を備えている。したがって、実施の形態3の箱体104のようにゴキブリの箱体104の内部への入口に上記傾斜面を設けることにより、より高い確率でゴキブリを箱体104の内部へ誘引することができる。なお、傾斜面113、127、128の、箱体底面101に対する角度は、たとえば30°以上60°以下であることが好ましく、40°以上50°以下であることがより好ましい。
【0054】
なお、上述した本発明の実施の形態2に係る箱体104において、本発明の実施の形態3に係る箱体104と同様の傾斜面113、127、128を設けてもよい。
【0055】
本発明の実施の形態3は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態3について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
【0056】
(実施の形態4)
以下、図13から図16を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本発明の実施の形態4に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図13に示す捕獲用部材40を含んでいる。捕獲用部材40は、箱体104の捕獲材収納部121に収納可能な大きさや形状を有している。たとえば図13の捕獲用部材40は、図14に示すように捕獲材収納部121の箱体内側底面101a上に容易に載置することが可能な平板形状を有している。
【0057】
図13に示すように捕獲用部材40には、一方の主表面上に捕獲材としての粘着性シート30が貼り付けてある。したがって、これを図14に示すように箱体104の捕獲材収納部121に収納すれば、捕獲材収納部121の捕獲用部材40が、箱体104の内部に侵入したゴキブリの身体を粘着性シート30により捕獲材収納部121に拘束する。このようにしてゴキブリを捕獲材収納部121から逃げられないようにする。なお、捕獲用部材40には粘着性シート30の代わりに、粘着性を有するペースト31(図7参照)を塗布したものを捕獲材として用いてもよい。以上の点においてのみ、図14に示す箱体104は先に示した箱体104と異なる。
【0058】
上述した実施の形態1から3のゴキブリ捕獲用ユニットは、捕獲材として用いられる粘着性シート30やペースト31が、箱体104の箱体内側底面101a上に配置(塗布)される構成である。これに対して実施の形態4のゴキブリ捕獲用ユニットは、粘着性シート30やペースト31が、箱体104と別体である捕獲用部材40に配置(塗布)されている。そして箱体104と捕獲用部材40とを合わせて1組のゴキブリ捕獲用ユニットを構成する。
【0059】
このようにすれば、捕獲用部材40にゴキブリが捕獲されれば、捕獲用部材40のみを新品に交換することにより、箱体104を一箇所に設置したまま半永久使用することができる。特に箱体104をたとえばプラスチックなどの防水性、防湿性の材料で形成すれば、当該箱体104が散水を受けても吸水によるダメージを受けることがないため、半永久使用することが可能となる。箱体104を取付部153(図3〜図5参照)により壁面や天井面、床面などに固定すれば、一定の位置に半永久的に取り付けた状態で長期間使用が可能となる。したがって、捕獲材収納部121にゴキブリが捕獲された際の処理が容易になる。
【0060】
なお、捕獲用部材40はゴキブリを捕獲するごとに廃棄、交換する使い捨て仕様である。このため捕獲用部材40はたとえばダンボールや厚紙などの厚手で丈夫な紙製で構成されていることが好ましい。なかでもゴキブリはダンボールを好むため、ダンボールで形成された捕獲用部材40を用いることが特に好ましい。このようにすれば捕獲用部材40にゴキブリに対する誘引性を持たせることができる。
【0061】
また、たとえば図15に示す捕獲用部材41のように、捕獲用部材は1組の傾斜面42、43を有する構成であることが好ましい。捕獲用部材41は粘着性シート30を配置する主表面、傾斜面42、43ともに、上述した捕獲用部材40と同様にダンボールで形成することが特に好ましい。また傾斜面42、43はその高さが、箱体104の内部に捕獲用部材41を収納することが可能な高さであることが好ましい。すなわち傾斜面42、43の高さは箱体104の内部の厚みよりも低いことが好ましい。傾斜面42、43は捕獲用部材41の本体(粘着性シート30を配置する部材)と一体とし、所望箇所で折り曲げた構成としてもよい。あるいは傾斜面42、43を捕獲用部材41の本体と別体として形成し、これらを捕獲用部材41の本体と、図15に示す態様をなすように接着した構成としてもよい。
【0062】
上述したようにゴキブリは傾斜面を好むため、上述した箱体104と同様に、捕獲用部材にも傾斜面を備える方が、ゴキブリを容易に当該傾斜面の方向へ誘引することができる。したがって、図15に示す捕獲用部材41のようにゴキブリの粘着性シート30の方向へ侵入させる入口に上記傾斜面を設けることにより、より高い確率でゴキブリを粘着性シート30の方向へ誘引することができる。
【0063】
なお、傾斜面42または傾斜面43を登り始めたゴキブリを捕獲用部材41の粘着性シート30(ペースト31)上に容易に導くため、傾斜面42、43にはそれぞれ切り欠き部44、45を有する構成とすることが好ましい。このようにすれば、傾斜面42、43の途中まで上り詰めたゴキブリを容易に粘着性シート30(ペースト31)上に墜落させることができる。
【0064】
なお、断面図である図16に示す、傾斜面42、43の粘着性シート30が配置された面に対する角度αは、たとえば30°以上60°以下であることが好ましく、40°以上50°以下であることがより好ましい。
【0065】
また、図14においては、実施の形態2(図9、図10)と同様に天板が捕獲材収納部扉形成面102aと駆除剤収納部扉形成面102bとを備えた構成を示している。しかしたとえば実施の形態1(図1、図2)と同様に天板が単一の扉形成面102からなる構成であってもよい。
【0066】
本発明の実施の形態4は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態1と異なる。すなわち、本発明の実施の形態4について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態1に順ずる。
【0067】
(実施の形態5)
以下、図17から図20を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。本発明の実施の形態5に係るゴキブリ捕獲用ユニットは、図17に示す箱型捕獲用部材54を含んでいる。箱型捕獲用部材54は、上述した捕獲用部材40、41と同様に箱体104の内部の捕獲材収納部121に収納可能な、捕獲材としての粘着性シート30を有する捕獲用部材である。捕獲用部材は、たとえば上述した捕獲用部材40、41のように平板形状であってもよいが、箱型捕獲用部材54のように箱型であってもよい。このようにすれば、たとえば捕獲材である粘着性シート30に捕獲されたゴキブリの死骸を見ずに箱型捕獲用部材54を交換することが可能である。したがって、より快適に捕獲用部材の交換を行なうことができる。
【0068】
箱型捕獲用部材54はたとえば図1に示す箱体104と同様に箱型捕獲用部材底面51、箱型捕獲用部材天板面52、箱型捕獲用部材右側面53、箱型捕獲用部材左側面59の四面を有する矩形状の筒型(箱型)の形状となっている。したがって、図17に示す捕獲用部材侵入口76および、図17において図示しない捕獲用部材侵入口76に対向する侵入口は面を形成せず、開口部となっている。このようにしてゴキブリが捕獲用部材侵入口76から箱型捕獲用部材54の内部に侵入することを可能としている。しかし当該捕獲用部材侵入口76が存在する領域においても面を形成した六面体構造であってもよい。この場合当該面には、ゴキブリが箱型捕獲用部材54の内部に侵入することを可能とするための侵入口を設けることが好ましい。
【0069】
図17に示すように箱型捕獲用部材底面51の、箱型捕獲用部材54の内部側の主表面(捕獲用部材内側底面51a)上に捕獲材としての粘着性シート30が配置されている。上述した各実施の形態と同様に、捕獲材として粘着性シート30の代わりにペースト31を用いてもよい。また、侵入口105、106から箱体104の内部に侵入するゴキブリを箱型捕獲用部材54の内部に誘引するために、図17に示す側面侵入口55、56を有することが好ましい。側面侵入口55、56はそれぞれ、箱型捕獲用部材54を箱体104の捕獲材収納部121に収納した際に箱体104の侵入口105、106に対向する位置に設けることが好ましい。具体的には、側面侵入口55は箱型捕獲用部材54の箱型捕獲用部材左側面59の、上記収納時に侵入口105と対向する位置に設けることが好ましい。同様に側面侵入口56は箱型捕獲用部材54の箱型捕獲用部材右側面53の、上記収納時に侵入口106と対向する位置に設けることが好ましい。
【0070】
また、図18に示すように、箱型捕獲用部材54の側面侵入口55、56には、上述した捕獲用部材41と同様の傾斜面42、43を設けてもよい。傾斜面42、43は箱型捕獲用部材54の本体(粘着性シート30を配置する部材)と一体とし、たとえば側面侵入口55、56を形成するために刳り貫いた領域を所望角度に折り曲げることにより形成してもよい。あるいは傾斜面42、43を箱型捕獲用部材54の本体と別体として形成し、これらを箱型捕獲用部材54の本体と、図15に示す態様をなすように接着した構成としてもよい。
【0071】
図18において図示しないが、さらに捕獲用部材侵入口76、すなわち箱型捕獲用部材底面51の、捕獲用部材侵入口76が存在する端部にも、同様の傾斜面を設けてもよい。
【0072】
本発明の実施の形態5は、以上に述べた各点についてのみ、本発明の実施の形態4と異なる。すなわち、本発明の実施の形態5について、上述しなかった構成や条件、手順や効果などは、全て本発明の実施の形態4に順ずる。
【0073】
以上に述べた本発明の各実施の形態において、駆除剤収納部122の箱体底面101、特に凹部151に配置する駆除剤としては、たとえばゴキブリが摂取することにより当該ゴキブリを衰弱(衰弱死)させる毒餌を用いることが好ましい。すなわちゴキブリを誘引させるゴキブリの好物でありながらゴキブリを死滅させることが可能な毒餌を当該駆除剤として用いることが好ましい。駆除剤としては、たとえば図19に示すように、チューブに充填されたペースト状駆除剤46を用いてもよい。あるいはたとえば図20に示すように固形状を有するたとえば硼酸団子などの固形駆除剤47を用いてもよい。なお、ペースト状駆除剤46、固形駆除剤47のいずれにおいても、特に箱体104を壁面や天井面に固定する場合には、粘性の高い材質からなることが好ましい。
【0074】
箱体104の内部に侵入したゴキブリが駆除剤収納部122に侵入すれば、これらの駆除剤に誘引され、当該駆除剤を摂取する。駆除剤を摂取した時点では当該ゴキブリは衰弱せず、箱体104の外部に容易に移動する。しかしここで駆除剤を摂取したゴキブリが巣に帰って糞を排泄すれば、糞に含まれるフェロモンの作用により、巣に存在する他のゴキブリがその糞を摂取する。やがて最初に駆除剤を摂取したゴキブリは駆除剤の毒成分の作用により衰弱し、消化機能を損ない死滅する。また上記糞を摂取したゴキブリも、駆除剤を摂取したゴキブリと同様に衰弱して死に至る。
【0075】
なお、駆除剤収納部122の凹部151に配置する駆除剤として、上述したゴキブリを摂取死滅させる毒餌の代わりに、ゴキブリを箱体104から離れたところ、より好ましくは室外に移動させる作用を有する忌避材を用いてもよい。
【実施例】
【0076】
以下、図21から図35を参照して、本発明の実施例について説明する。以上に述べた本発明の実施の形態に係る、図21に示すゴキブリ駆除用ユニット200を作成した。ゴキブリ駆除用ユニット200は、図21に示すように箱体104を有する。箱体104の内部にはゴキブリ捕獲用の捕獲材を収納可能な捕獲材収納部121と、ゴキブリ駆除用の駆除剤を収納可能な駆除剤収納部122とを備えている。また図31に示すように、マグネット製の取付部153を備えている。捕獲材収納部121には、ダンボール捕獲用部材4が収納される。ダンボール捕獲用部材4は、箱体104の内部の捕獲材収納部121に収納可能なダンボール製の扁平箱体である。
【0077】
箱体104は本実施例においては106mm×76mm×18mmの略直方体状である。箱体104は図21に示すように侵入口126および、図21において図示しない侵入口126に対向する侵入口は面を形成せず、開口部となっている。すなわち侵入口126となっている面を除く四面から構成されている。具体的には、図21から図26に示すように、天板が捕獲材収納部扉形成面102aと駆除剤収納部扉形成面102bとから構成されている。また、箱体104の左側の側面は箱体左側面109aと箱体左側面109bとから構成されている。箱体104の右側の側面は箱体右側面103aと箱体右側面103bとから構成されている。このように各側面が2つの領域に分かれているのは、箱体104の左側の側面には侵入口105を、右側の側面には侵入口106を含むためである。そして箱体104の底面は箱体底面101から形成されている。
【0078】
箱体104の捕獲材収納部121側の侵入口126には傾斜面127が、駆除剤収納部122側の侵入口126には傾斜面128がそれぞれ備えられている。これによりゴキブリが容易に箱体104の内部に侵入する構造としている。また同様に、侵入口105、侵入口106には傾斜面113が備えられている。
【0079】
またたとえば図24の断面図や図26の展開斜視図に示すように、箱体104の内部の箱体内側底面101a上の捕獲材収納部121と駆除剤収納部122との境界部には、段差123を設けている。同様に箱体内側底面101a上の駆除剤収納部122には、駆除剤を収納するための凹部151が形成されている。さらにたとえば図24や図25の断面図に示すように、箱体底面101の箱体外側底面101bにはマグネット製の取付部153(図31参照)を収納するための取付部用窪み153aが形成されている。
【0080】
上述したように箱体104は略直方体状でありながら、侵入口126を有する方向には面を形成しない。したがって図26の展開斜視図に示すように、たとえばプラスチック製の平板に、略直方体状の形状を形成するための折れ線部111および折れ線部116を形成する。このようにして、たとえば図26において箱体底面101と略同一平面上に伸びる箱体左側面109aおよび箱体左側面109bを、折れ線部111において屈曲させれば、箱体左側面109a、109bを箱体底面101に略垂直とすることができる。同様に折れ線部116において屈曲させれば、捕獲材収納部扉形成面102aおよび駆除剤収納部扉形成面102bを、箱体左側面109a、109bに略垂直に(すなわち箱体底面101と対向するように)することができる。
【0081】
この状態で図26の凸フック110cと凹フック111c、凸フック110dと凹フック111d、凸フック110eと凹フック111e、凸フック110fと凹フック111fを、図27に示すようにそれぞれ互いに嵌合させる。このようにすれば図21から図22に示すように箱型形状(略直方体状)の箱体104とすることができる。
【0082】
図27は箱体104の右側の側面を見た概略図であり、図28は箱体の左側の側面を見た概略図である。図29は箱体104の捕獲材収納部121側の侵入口126を見た概略図であり、図30は箱体104の駆除剤収納部122側の侵入口126を見た概略図である。
【0083】
そして図31の箱体104の箱体外側底面101bが示すように、取付部153としてのシート状のマグネットが配置される。また、上述したように駆除剤収納部122は段差123により捕獲材収納部121と区画されるが、駆除剤収納部122の凹部151が配列される領域を囲むように凹部用区画152が形成されている。
【0084】
以上に述べた箱体104は駆除剤収納部122に駆除剤を配置(塗布)する領域を備える、ゴキブリを駆除するための部材である。そして箱体104の捕獲材収納部121に収納可能なダンボール捕獲用部材4が捕獲材を収納する、ゴキブリを捕獲するための部材である。ダンボール捕獲用部材4は図32および図33に示すように、矩形状の底板1と、当該底板1に略平行な天板2と、底板1の左右両端縁より立ち上がり天板2に連なる左右の側板3とを有する扁平箱体に形成されている。当該ダンボール捕獲用部材4の側板3に第一侵入口5と第二侵入口6とが形成されている。また、ダンボール捕獲用部材4を箱体104の内部に収納した際に捕獲材収納部121の端部側に配置される領域(図32における右側)には第三侵入口26が形成されている。
【0085】
ダンボール捕獲用部材4は本実施例においては75mm×70mm×13mmの箱体である。これは図34に示すダンボール製の平板7を折り曲げて、天板2の縁部の一領域であるヌスミ部23およびヌスミ部25を用いて噛み合わせることにより組み立てたものである。図34に示すダンボール製の平板7を、ダンボール折れ線部11およびダンボール折れ線部12において屈曲させて側板3を形成させる。そして天板2のヌスミ部23、25を互いに噛み合わせれば、たとえば図32に示す略直方体状のダンボール捕獲用部材4とすることができる。すなわち側板3は、ダンボール折れ線部11を介して底板1と接しており、ダンボール折れ線部12を介して天板2と接している。
【0086】
本実施例において図34に示すLの長さが70mm、Hの長さが13mmとなるように、打ち抜き成形されたダンボール製の平板7を加工する。ここでダンボール折れ線部11の延長線上に存在するミシン目状スリット14についても、折り曲げ可能となるよう形成する。このようにすれば、左右侵入部13を底板1に対する傾斜面とすることができる。左右侵入部13の上縁部(上面部側)に、ゴキブリを容易に侵入させるための切欠き凹部17が形成されている。
【0087】
左右侵入部13を形成するため、左右侵入部13と側板3との境界は直線状スリット15を介して分離されている。また、左右侵入部13と天板2との境界は直線状スリット16を介して分離されている。
【0088】
図34に示すように側板3は、底板1の左右長辺の前側に形成された左右前側面部3aと、中央部に形成された左右中央側面部3bと、後側に形成された左右後側面部3cとを含む。底板1の、ダンボール捕獲用部材4を組み立てた際に内側となる面上に、ゴキブリ捕獲用の捕獲材としての粘着性シート30が貼り付けられている。
【0089】
同様に、図34に示すように前後侵入部18を底板1に対する傾斜面とするため、折り目線19において折り曲げ可能となるよう形成する。さらに折り曲げをスムーズにするため、スリット20が形成されている。また前後侵入部18の上縁部(反底面部側)に、ゴキブリを容易に侵入させるための切欠き凹部21が形成されている。
【0090】
図34に示すように天板2は、左上面部2aと右上面部2bとを含む。左上面部2aの外縁の前後方向中央部は、凸部22に形成され、当該凸部22の前後方向両側にヌスミ部23が形成されている。このヌスミ部23と側板3との距離をL1とする。
【0091】
右上面部2bの外縁の前後方向中央部は凹部24に形成され、当該凹部24の前後方向両側にヌスミ部25が形成されている。このヌスミ部25と側板3のダンボール折れ線部12までの距離をL2とする。
【0092】
このとき、上述した距離L、L1およびL2の間に、L=L1+L2の関係が成立する。このようにすれば、図35に示すように天板2の左上面部2aのヌスミ部23と、右上面部2bのヌスミ部25とを噛み合わせることにより、ダンボール捕獲用部材4の略直方体状に組み立てることができる。
【0093】
なお、図32に示すダンボール捕獲用部材4は、図34の平板7をミシン目35およびミシン目35の延長線上に存在する切裂き線36において二分させたものを折り曲げ組立てたものである。しかしミシン目35や切裂き線36において二分せず、たとえば図34の平板7をそのまま組み立てたものを販売形態としてもよい。
【0094】
今回開示された各実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、ゴキブリが出没しやすい広範囲な領域に設置可能であり、高効率にゴキブリを駆除することが可能なゴキブリ捕獲用ユニットを提供する技術として、特に優れている。
【符号の説明】
【0096】
1 底板、2 天板、2a 左上面部、2b 右上面部、3 側板、3a 左右前側面部、3b 左右中央側面部、3c 左右後側面部、4 ダンボール捕獲用部材、5 第一侵入口、6 第二侵入口、7 平板、11,12 ダンボール折れ線部、13 左右侵入部、14 ミシン目状スリット、15,16 直線状スリット、17,21 切欠き凹部、18 前後侵入部、19 折り目線、20 スリット、22 凸部、23,25 ヌスミ部、24 凹部、26 第三侵入口、30 粘着性シート、31 ペースト、35 ミシン目、36 切裂き線、40,41 捕獲用部材、42,43,113,127,128 傾斜面、44,45 切り欠き部、46 ペースト状駆除剤、47 固形駆除剤、51 箱型捕獲用部材底面、51a 捕獲用部材内側底面、52 箱型捕獲用部材天板面、53 箱型捕獲用部材右側面、54 箱型捕獲用部材、55,56 側面侵入口、59 箱型捕獲用部材左側面、76 捕獲用部材侵入口、101 箱体底面、101a 箱体内側底面、101b 箱体外側底面、102 扉形成面、102a 捕獲材収納部扉形成面、102b 駆除剤収納部扉形成面、103,103a,103b 箱体右側面、104 箱体、105,106,126 侵入口、109,109a,109b 箱体左側面、110c,110d,110e,110f 凸フック、111,116,117 折れ線部、111c,111d,111e,111f 凹フック、121 捕獲材収納部、122 駆除剤収納部、123 段差、124 正面側面、131 開閉用窪み、151 凹部、152 凹部用区画、153 取付部、153a 取付部用窪み、200 ゴキブリ駆除用ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の内部に、ゴキブリ捕獲用の捕獲材を収納可能な捕獲材収納部と、ゴキブリ駆除用の駆除剤を収納可能な駆除剤収納部とを備えており、
前記箱体の底面の箱体外部に、前記箱体を壁面に取り付け可能な取付部が配置されている、ゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項2】
前記箱体はプラスチック製である、請求項1に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項3】
前記取付部は磁石から構成される、請求項1または2に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項4】
前記取付部は前記底面の主表面に沿った方向にシート状に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項5】
前記捕獲材は粘着性を有するシートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項6】
前記駆除剤収納部には、前記駆除剤を収納するための凹部が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項7】
前記箱体の天板は、前記捕獲材収納部を目視するために開閉可能な第1の扉と、前記駆除剤収納部を目視するために開閉可能な第2の扉とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項8】
前記箱体は、ゴキブリを前記箱体の内部に侵入させる侵入口を含み、
前記侵入口は、前記箱体の底面に対して一定の角度の傾斜を有する傾斜面で構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項9】
前記捕獲材収納部に収納可能な捕獲用部材を含み、前記捕獲用部材に前記捕獲材を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項10】
前記捕獲用部材はダンボール製である、請求項9に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項11】
前記捕獲用部材は箱型の形状である、請求項9または10に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。
【請求項12】
前記駆除剤はゴキブリが摂取することによりゴキブリを衰弱させる毒餌である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のゴキブリ捕獲用ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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