説明

ゴミ箱

【課題】脱臭装置を有するゴミ箱のゴミの投入口を開口した際、投入口からの臭いが気になること。
【解決手段】ゴミを投入する容器2内に設けられ、容器2内の空気を吸引、排出するための、吸引口4と排出口6とを備え、容器2内の吸引口4から吸引した空気を脱臭装置5で脱臭し、脱臭後の空気を容器2の排出口6から容器2内に排出すると共に、投入口20を開いたときに、容器2内で排出口6から吸引口4に向かう空気の流れが、投入口20から容器2外へ出ようとする空気を遮る構成としたことにより、容器2内の臭いを含んだ空気が投入口20を介して容器2の外へ排出されなくなり、容器2内からの臭いが、気にならなくなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱に関するもので、特にゴミ箱から放出される臭いを削減する脱臭装置を有したゴミ箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱臭装置を備えたゴミ箱は、容器と蓋とから構成されていた(例えば、特許文献1参照)。また、蓋については、足ふみ式で踏むと蓋が開くタイプもある。さらに、内容物の臭いを出さないように、内蓋があって内圧を負圧にすることで、臭いを放出しないようにしたゴミ箱も提案されている。
【0003】
近年、環境面での配慮によって分別処理が進んできており、家庭でも複数のゴミ箱を設置しているところもある。臭いを出さないようにするために、蓋のタイト性をあげるなどの対応が考えられるが、それらの色々と対応をすることにより、ゴミの出し入れについての手間が多く係ることになる。
【特許文献1】特開平1−252401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成においては、使用者がゴミ箱にゴミを入れようとすると、蓋のタイトを解除するために、作業を多くする必要が発生する。またゴミを出すときについても中の臭いが放出される可能性もある。
【0005】
さらに、ゴミを入れたり出したりする際の中のゴミの臭いが気になることも考えられ、容器にも臭いがしみこんでしまうことも考えられる。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ゴミを出し入れする際に、容器内の臭いが気にならないゴミ箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のゴミ箱は、ゴミを投入する容器と、前記容器の上部に設けられた、ゴミの出し入れのための投入口と、前記投入口を開閉する蓋と、前記容器内の臭いを脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置を通過する空気の流れを発生させるファンと、前記容器内に設けられ、前記容器内の空気を吸引、排出するための、吸引口と排出口と、制御手段とを備え、前記容器内の吸引口から吸引した空気を脱臭装置で脱臭し、脱臭後の空気を前記容器の排出口から容器内に排出すると共に、前記投入口を開いたときに、前記容器内で前記排出口から前記吸引口に向かう空気の流れが、前記投入口から容器外へ出ようとする空気を遮る構成としたものである。
【0008】
これによって、ゴミを出し入れする際に、投入口を開放しても、投入口を介して容器外へ出ようとする臭いを含んだ容器内の空気を、容器内で排出口から吸引口に向かう空気の流れが遮るため、臭いを含んだ空気が容器外に排出されず、容器内の臭いが気にならなくなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゴミ箱は、ゴミの投入口を開口しても、臭いが気にならなくなるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、ゴミを投入する容器と、前記容器の上部に設けられた、ゴミの出し入れのための投入口と、前記投入口を開閉する蓋と、前記容器内の臭いを脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置を通過する空気の流れを発生させるファンと、前記容器内に設けられ、前記容器内の空気を吸引、排出するための、吸引口と排出口と、制御手段とを備え、前記容器内の吸引口から吸引した空気を脱臭装置で脱臭し、脱臭後の空気を前記容器の排出口から容器内に排出すると共に、前記投入口を開いたときに、前記容器内で前記排出口から前記吸引口に向かう空気の流れが、前記投入口から容器外へ出ようとする空気を遮る構成としたことにより、ゴミを出し入れする際に、投入口を開放しても、投入口を介して容器外へ出ようとする臭いを含んだ容器内の空気を、容器内で排出口から吸引口に向かう空気の流れが遮るため、臭いを含んだ空気が容器外に排出されず、容器内の臭いが気にならなくなるものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の投入口の閉時直後から所定時間、ファンの回転数を、通常の回転数より大きくしたことにより、第1の発明の効果に加えて、容器内に新たに投入されたゴミの臭いを、いち早く脱臭できるようにできる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明の投入口の開時直後から所定時間、ファンの回転数を、通常の回転数より大きくしたことにより、より一層、容器内のごみの臭いを放出しないように出来るものである。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本発明の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における、ゴミ箱のイメージ図を、図2は、同ゴミ箱の脱臭装置のイメージ図を、図3は、同ゴミ箱のスイッチまわりを表す要部断面図を、図4は、同ゴミ箱の回路ブロック図を、図5は、同ゴミ箱の容器内の気流を表すイメージ図を、図6は、同ゴミ箱の容器上部の投入口を開口したときの、容器内の気流を表すイメージ図を、それぞれ示すものである。
【0015】
図1〜図6において、使用者がゴミ箱にゴミを入れる際には、蓋3を外して投入口20を開口し、中にゴミを投入する。図1に示したように、ゴミ箱1は、容器2と蓋3とで構成される。ここで、吸気口4から容器2の外へ内部の空気を出し、脱臭装置5に注入している。注入された空気は、脱臭装置5で脱臭され、容器2の排気口6に戻される。前記吸気口4と前記脱臭装置5の間を連結させる吸引パイプ7があり、脱臭装置5と排気口6を連結する排気パイプ8がある。また、脱臭装置5の内部については、放電用の電極が針9、平板10、ファン11があり、ファン11によって気流を発生させ、放電している部分に吸引された空気を通過させることで脱臭を行う構成である。
【0016】
以上のように構成されたゴミ箱について、以下その動作、作用を説明する。
【0017】
次に、動作について説明する。
【0018】
まず、使用者がゴミをゴミ箱に入れる場合について説明する。
【0019】
使用者が前記蓋3の取っ手を持って蓋3を外し、投入口20を開けると、通常は内部の空気が容器2から放出されるため臭いがでる。そこで、蓋3を介して、投入口20が閉まっているときと開いたときを検出するスイッチ12を設け、この蓋3の状態を制御手段13が検出する。蓋3が外され、投入口20が開口しているとき、スイッチ12によって、この情報が送られると制御手段13はファン11を動作させ、放電も行うために、電極間に電圧を印加する(ここで、放電についてはストリーマ放電などを発生させ、活性種を発生できることで、通過する臭い成分を酸化分解する構成で説明する)。この動作によって、前記容器2内の臭いをもった空気が、前記吸気口4を通り、吸引パイプ7、脱臭装置5を通過し、脱臭されたあと排気パイプ8を通じて排気口6から容器2内へ送り込まれる。この送り込まれた空気は、再度前記吸気口4側へ流れようとする。この間でも、前記吸気口4からの吸引が行われているので、前記排気口6から吸気口4に向けての風の流れが形成されることになる。
【0020】
ここで、排気口6と吸気口4を投入口20方向への空気の流れに対して垂直の方向に気流が起こるような位置関係(図5)にするために、排気口6を吸気口4の高さ以上とし、内部からの上部への放出を防ぐ位置関係に気流を発生させる。
【0021】
また、容器2の内部に専用の袋を入れて使用される場合も多々ある。この場合に、専用袋15を容器2の壁面にくっつけて装着されると、吸気口4および排気口6の口を遮ることになり、思い通りの気流を発生することは出来なくなってしまう。そこで、図6のように、吸気口4および排気口6のカバー16を設け、吸気および排気に影響がないようにする。さらに、カバー16の方向についても、図6のように排気口6のカバー16については上部側に、吸気口4のカバー16については底部側に開放する方が、より気流を意図的に効率よく形成できる。内部の臭いを外部に放出しない方向であり、また臭いの放出を防止する効果が得られる方向である。
【0022】
次に蓋を閉めた場合の動作について説明する。
【0023】
使用者によって、前記蓋3により、投入口20が閉められると前記スイッチ12が閉められたことを検出すると、前記制御手段13が信号を受ける。ここで新しいゴミが入れられたと判断し、はじめの例えば5分間については、ファン11の回転数をUPし、単位時間当たりに、脱臭装置5へ送り込む量をUPさせる。これによってゴミを入れられた直後での臭い発生を抑えることが出来る。また早くに容器2内の気流を形成できることで、より効果的な脱臭と外部への放出を防止することが出来る。
【0024】
また、この構成において蓋3により、投入口20を開けた場合についても説明する。
【0025】
図6のように、蓋3を外して、投入口20を開けると、上記と同様にスイッチ12によって蓋3を介して、投入口20が開けられたことが検出できる。この検知信号を前記制御手段13が受けて、前記ファン11の回転数をUPさせる(ここで、投入口20を開ける前でも、内部の気流を発生させ脱臭を継続することを行っているので、前記ファン11は動作を行っている)。すると、図6の矢印のような気流がより強く発生するので、内部の専用袋15の口の上部を気流が流れている状態となる。
【0026】
よって、専用袋15から放出される臭いについては、前記気流によって容器2の底部の吸気口4に導かれるために、使用者が臭いを感じることはない。この状態で、使用者が専用袋15の袋口を閉じれば、臭いを感じることなくゴミの処理をすることが出来る。また、ゴミを投入するだけであれば、そのまま投入し蓋3により、投入口20を閉めることで、臭いを感じることなくゴミ箱1の蓋3を介して、投入口20を開閉できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1におけるゴミ箱のイメージ図
【図2】同、ゴミ箱の脱臭装置のイメージ図
【図3】同、ゴミ箱のスイッチまわりを表す要部断面図
【図4】同、ゴミ箱の回路ブロック図
【図5】同、ゴミ箱の容器内の気流を表すイメージ図
【図6】同、ゴミ箱の容器上部の投入口を開口した状態における、容器内の気流を表すイメージ図
【符号の説明】
【0028】
1 ゴミ箱
2 容器
3 蓋
4 吸気口
5 脱臭装置
6 排気口
11 ファン
12 スイッチ
13 制御手段
15 専用袋
20 投入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミを投入する容器と、前記容器の上部に設けられた、ゴミの出し入れのための投入口と、前記投入口を開閉する蓋と、前記容器内の臭いを脱臭する脱臭装置と、前記脱臭装置を通過する空気の流れを発生させるファンと、前記容器内に設けられ、前記容器内の空気を吸引、排出するための、吸引口と排出口と、制御手段とを備え、前記容器内の吸引口から吸引した空気を脱臭装置で脱臭し、脱臭後の空気を前記容器の排出口から容器内に排出すると共に、前記投入口を開いたときに、前記容器内で前記排出口から前記吸引口に向かう空気の流れが、前記投入口から容器外へ出ようとする空気を遮る構成としたゴミ箱。
【請求項2】
投入口の閉時直後から所定時間、ファンの回転数を、通常の回転数より大きくした請求項1記載のゴミ箱。
【請求項3】
投入口の開時直後から所定時間、ファンの回転数を、通常の回転数より大きくした請求項1記載のゴミ箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−76906(P2010−76906A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247855(P2008−247855)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】