説明

ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ

【課題】低燃費性とウェットグリップ性能に優れたゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】天然ゴムを少なくとも30質量%含むゴム成分中に、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体を5〜30質量%含むゴム組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体を含み、低燃費性およびウェットグリップ性能のバランスに優れたゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年省資源、省エネルギー、加えて、環境保護の立場から排出炭酸ガスの低減の社会的要求が強まっている。自動車に対しても排出炭酸ガスの低減を目的として、自動車の軽量化・電気エネルギーの利用等の様々な対応策が検討されている。自動車の共通の課題として、タイヤの転がり抵抗改善による燃費性能の向上が必要とされており、更に自動車に対しては、走行時の安全性向上の要求も強まっている。これら自動車の燃費性能及び安全性は使用されるタイヤの性能に負うところが大きく、自動車用のタイヤに対しては、低燃費性、操縦安定性、耐久性の改善要求が強まっている。これらのタイヤ特性は、タイヤの構造・使用材料等種々の要素に左右されるが、特に路面に接するトレッド部分に用いるゴム組成物の性能が低燃費性・安全性・耐久性等のタイヤ特性への寄与が大きい。このため、タイヤ用ゴム組成物の技術的改良が多く検討・提案され、実用化されている。
【0003】
例えば、タイヤトレッドゴムの性能として、低燃費性向上にはヒステリシスロスが小さいこと、ウェットグリップ性能向上にはウェットスキッド抵抗性が高いことが要求されている。しかしながら、低ヒステリシスロスとウェットスキッド抵抗性との関係は相反するものであり、一つだけの性能向上では問題点の解決は難しいのが現状である。タイヤ用ゴム組成物の改良の代表的な手法は、使用する原材料の改良であり、SBRやBRに代表される原料ゴムの構造の改良、カーボンブラック・シリカ等の補強充填剤、加硫剤、可塑剤等の構造や組成の改良が行われている。
【0004】
ヒステリシスロスの小さいゴムを得るために、これまでに各種変性重合体の検討が行なわれており、例えばスチレン−ブタジエン重合体の末尾をアルキルシリル基(特許文献1)、ハロゲン化シリル基(特許文献2)、アミノ基(特許文献3)などで変性されたジエン系ゴムが提案されている。しかし近年では、環境問題からタイヤの低燃費性に対する要求はますます厳しくなっており、上記の方法では低燃費性に対する要求を満たすことができない。
【特許文献1】特開平1−188501号公報
【特許文献2】特開平5−230286号公報
【特許文献3】特開平9−71687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低燃費性とウェットグリップ性能に優れたゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、天然ゴムを少なくとも30質量%含むゴム成分中に、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体を5〜30質量%含むゴム組成物である。
【0007】
本発明に係るゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックおよび/またはシリカを5〜150質量部含むことが好ましい。
【0008】
本発明に係るゴム組成物は、前記ゴム成分が、天然ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体の混合物であることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明は、前記ゴム組成物を用いたタイヤである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、低燃費性とウェットグリップ性能のバランスに優れたゴム組成物、およびそれを用いたタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<ゴム組成物>
(ゴム成分)
本発明において、ゴム組成物のゴム成分としては天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴムからなり、ジエン系合成ゴムとしては、たとえば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。中でも、グリップ性能および耐摩耗性をバランスよく示すことから、NR、BR、SBRが好ましい。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。
【0012】
(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体)
本発明のゴム組成物においては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体(以下NSBRともいう)の配合量は、ゴム成分中、5〜30質量%、さらに10〜20質量%であることが好ましい。該配合量が5質量%未満であると低燃費性およびウェットグリップ性能の改善効果が得られにくい傾向がある。
【0013】
また、NSBRのガラス転移点(Tg)は−23℃が好ましい。
本発明において、NSBR中のアクリロニトリル共重合量は2〜50質量%が好ましい。該アクリロニトリル共重合量が2質量%未満だと性能改善効果が小さくなり、50質量%を超えると耐摩耗性が悪化するため好ましくない。
【0014】
なお、前記アクリロニトリル共重合量は、例えばIRスペクトル法、ゲルダール法またはガスクロマトグラフ法などの従来から公知の方法によって測定することができる。また、本発明においてアクリロニトリル共重合量とは、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体ゴム全体の質量に対するアクリロニトリルの質量の比率である。
【0015】
本発明において、NSBR中のスチレン共重合量は2〜50質量%が好ましい。該スチレン共重合量が2質量%未満だとウェットグリップ性能が低く、50質量%を超えると燃費性能が悪化するため好ましくない。
【0016】
なお、前記スチレン共重合量は、例えばIRスペクトル法、ゲルダール法またはガスクロマトグラフ法などの従来から公知の方法によって測定することができる。また、本発明においてスチレン共重合量とは、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体ゴム全体の質量に対するスチレンの質量の比率である。
【0017】
本発明において、NSBR中のブタジエン共重合量は5〜90質量%が好ましい。該ブタジエン共重合量が5質量%未満だと燃費性能が悪化する傾向があり、90質量%を超えるとウェットグリップ性能が悪くなるため好ましくない。
【0018】
なお、前記ブタジエン共重合量は、例えばIRスペクトル法、ゲルダール法またはガスクロマトグラフ法などの従来から公知の方法によって測定することができる。また、本発明においてブタジエン共重合量とは、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体ゴム全体の質量に対するブタジエンの質量の比率である。
【0019】
(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物は補強剤としてカーボンブラックを配合することが可能である。
【0020】
カーボンブラックは、チッ素吸着比表面積(N2SA)が好ましくは80〜280m2/gであり、より好ましくは100〜250m2/gである。チッ素吸着量が80m2/g未満では十分なウェットグリップ性能が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向があり、280m2/gを超えると分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0021】
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜150質量部、より好ましくは10〜100質量部である。カーボンブラックの配合量が5質量部未満では耐摩耗性が低下する傾向があり、150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
(シリカ)
本発明のゴム組成物においては補強剤としてシリカを配合することが好ましい。
【0023】
前記シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は50〜300m2/gであることが好ましく、特には80〜250m2/gであることが好ましい。チッ素吸着比表面積が50m2/g未満のシリカでは補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、300m2/gをこえるシリカでは分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し燃費性能が低下する傾向がある。
【0024】
また前記シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。シリカの配合量が5質量部未満であると耐摩耗性が十分でない傾向があり、一方、シリカの配合量が150質量部をこえると、加工性が悪化する傾向がある。シリカは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0025】
(シランカップリング剤)
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用しても良い。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が20質量部をこえると、その配合量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
【0027】
(老化防止剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、老化防止剤を含むことができる。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
【0028】
(軟化剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、軟化剤を含むことができる。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、大豆油、パーム油、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、などが挙げられる。軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対してたとえば100質量部以下とされることが好ましく、この場合、該ゴム組成物がタイヤに使用された際のウエットグリップ性能を低下させる危険性が少ない。
【0029】
(加硫剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫剤を含むことができる。加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
【0030】
(加硫促進剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことができる。加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
【0031】
(加硫助剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫助剤を含むことができる。加硫助剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛(亜鉛華)などを使用することができる。
【0032】
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他の補強剤、各種オイル、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。このようにして得られた本発明のゴム組成物は、加工性、低燃費性とウェットグリップ性能において優れたバランスを示すものである。
【0033】
(その他の成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
【0034】
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物は、従来公知の製造方法により製造することができ、その製造方法が限定されるものではない。たとえば、上記各成分をバンバリーミキサーや混練ロール等の混練機を用いて、通常の方法および条件で混練することによって製造することができる。
【0035】
<タイヤの製造方法>
本発明のゴム組成物 を用いてタイヤを製造する方法は特に限定されず、たとえば、本発明のゴム組成物 を未加硫の段階で適用されるタイヤの部材の形状に合わせて押出加工し、タイヤ成型機によって加圧してタイヤを得る方法等、通常用いられる方法を採用することができる。
【0036】
このようにして得られた本発明のタイヤは、低燃費性およびウェットグリップ性能において優れたバランスを示すものである。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1−4、比較例1−2)
表1および2に示す配合処方にしたがって、混練り配合し、各種供試未加硫ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、これらについて以下に示す試験方法により加工性、低燃費性およびウェットグリップ性能を評価した。
【0039】
(低燃費性)
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃でtanδを測定した。tanδの逆数の値について実施例1−2については比較例1を100として、実施例3−4については比較例2を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性であることを示している。
【0040】
(ウェットグリップ性能(1))
(株)上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いてグリップ性能を評価した。幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片を用い、速度20km/時間、荷重4kgf、路面温度20℃の条件で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値を読みとった。実施例1−2については比較例1を100として、実施例3−4については比較例2を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能が高いことを示す。
【0041】
また、前記未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合せて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、タイヤ(サイズ195/65R15)を製造した。製造したタイヤを用いて以下の試験を行なった。
【0042】
(ウェットグリップ性能(2))
水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定し、その距離の逆数の値を実施例1−2については比較例1を100として、実施例3−4については比較例2を100として指数表示した。数値が大きいほどウェットグリップ性能が高いことを示す。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
SBR:日本ゼオン(株)製のSBR1502
NSBR(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体):ランクセス(株)製のKrynacS2250(アクリロニトリル含量:20質量%、スチレン含量:22.5質量%)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220
シリカ:テグッサ社製のウルトラシルVN3(チッ素吸着比表面積:210m2/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
軟化剤A:日本油脂(株)製のステアリン酸
軟化剤B:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
加硫助剤:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
加硫剤:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
(評価結果)
表1および2に示すように、NSBRを含有した実施例1−4のゴム組成物は、比較例1−2のゴム組成物に比べて、低燃費性とウェットグリップ性能のバランスに優れたゴム組成物を提供することができる。
【0046】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴムを少なくとも30質量%含むゴム成分中に、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体を5〜30質量%含むゴム組成物。
【請求項2】
前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックおよび/またはシリカを5〜150質量部含む請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記ゴム成分が、天然ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体の混合物である請求項1または2記載のゴム組成物。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載のゴム組成物を用いたタイヤ。

【公開番号】特開2010−31086(P2010−31086A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192351(P2008−192351)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】