説明

ゴム組成物および空気入りタイヤ

【課題】空気透過性の低いゴム組成物に関し、該ゴム組成物をインナーライナーに用いることで空気透過性が大幅に低減された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上である板状シリカを10質量部以上で、100質量部以下の範囲で配合したインナーライナー用ゴム組成物。前記板状シリカはシラノール基を2000μモル/g以上有し、平坦面の平均直径が20μm以下であり、アスペクト比が10以上であることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気透過性が大幅に低減したゴム組成物、および該ゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤに関する。特に、板状シリカをゴム組成物に配合して空気透過性の低いゴム組成物を製造し、該ゴム組成物をインナーライナーに用いて空気透過性を大幅に低減した空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にチューブレスタイヤにおいては、タイヤ内部に空気を充填することで荷重を支え、乗り心地性能などの各種特性を発現する。そのためタイヤ内の空気圧を一定に保持することは非常に重要である。そのため従来から空気入りタイヤの内面には、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどのような空気透過性の低いゴムからなるインナーライナー層が設けられている。一方、自動車の低燃費化が重要な技術課題の一つであるが、ブチルゴムなどはエネルギーロスが大きくタイヤの走行時に発熱が大きくタイヤの転がり抵抗(燃費)が大きくなる。そのため空気透過性が低く発熱性の低いインナーライナー用のゴム組成物の開発が急がれている。一方、低い転がり抵抗性(低燃費)の観点からインナーライナーを薄くして空気入りタイヤの軽量化に対する要求も強くなっている。
【0003】
これらの要求を満たすために、さらなる空気透過性の低いインナーライナー用ゴム組成物の開発が急務である。このようなゴム組成物ができればインナーライナーを薄肉化することができタイヤの軽量化が図れる。
【0004】
空気入りタイヤのインナーライナーとしてブチルゴムなどの空気透過性の低いゴムに代えて種々の材料を用いる技術が提案されている。たとえば、特許文献1(特公昭47−31761号公報)にはタイヤの内面にさらに空気透過性の低いポリ塩化ビニリデン、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂の溶液または分散液を塗布することが開示されている。しかしながら、この公報に開示の技術は、空気入りタイヤ内部のゴム層と合成樹脂層の接着性に問題があり、またインナーライナー層が耐湿性に劣る。
【0005】
特許文献2(特開平5−330397号公報)には、タイヤ内面をハロゲン化処理し、その上にメトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレタンとポリ塩化ビニリデンのブレンド、ポリウレタンとポリフッ化ビニリデンのブレンドのポリマー皮膜を形成することが開示されている。
【0006】
また、特許文献3(特開平5−318618号公報)にはメトキシメチル化ナイロンの薄膜をインナーライナーとする空気入りタイヤが開示されており、この技術によれば、グリーンタイヤ内面または加硫後のタイヤ内面にメトキシメチル化ナイロンの溶液またはエマルジョンを散布または塗布することが開示されている。しかしながら、これらの公報に開示されている技術においても薄膜の耐水性に劣る欠点に加え、膜厚の均一性を保持することが困難である。
【0007】
さらに、特許文献4(特開平6−40207号公報)には、ポリ塩化ビニリデンフィルムまたはエチレンビニルアルコール共重合体フィルムからなる空気透過性の低い層と、ポリオレフィン系フィルム、脂肪族ポリアミドフィルムまたは、ポリウレタンフィルムからなる接着層を有した薄膜をタイヤの空気透過防止層として使用している例がある。しかしながら、この系では空気透過性の低い層が柔軟性に欠け、タイヤ走行時の材料伸縮に薄膜が追従できず亀裂を発生することがある。
【0008】
また特許文献5(特開2004−196255号公報)および特許文献6(特開2004−196256号公報)には、空気透過性を低減するため、ジエン系ゴムと、ブチル系ゴムを含むゴム成分に、該ゴム成分に分散した粒径が5μm以下、アスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物およびシランカップリング剤を含有するゴム組成物のインナーライナーのタイヤ内側に、粒径が5μm以下、アスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物および樹脂を含む組成物よりなるガスバリアー層を形成した空気入りタイヤが開示されている。
【特許文献1】特公昭47−31761号公報
【特許文献2】特開平5−330397号公報
【特許文献3】特開平5−318618号公報
【特許文献4】特開平6−40207号公報
【特許文献5】特開2004−196255号公報
【特許文献6】特開2004−196256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、空気透過性の低いゴム組成物に関し、該ゴム組成物をインナーライナーに用いることで空気透過性が大幅に低減された空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上である板状シリカを10質量部以上で、100質量部以下の範囲で配合したゴム組成物である。前記板状シリカはシラノール基を2000μモル/g以上有することが望ましい。
【0011】
また前記板状シリカの平坦面の平均直径が20μm以下であり、アスペクト比が10以上であることが望ましい。
【0012】
本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤が板状シリカの配合量の1〜20質量%配合されることが望ましい。
【0013】
本発明は、前記ゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、板状シリカをゴム組成物に配合したため、空気透過性が低減され、該ゴム組成物をインナーライナーに用いることで、空気透過性が大幅に低減された空気入りタイヤが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上である板状シリカを10質量部以上で、100質量部以下の範囲で配合したゴム組成物である。
【0016】
<ゴム成分>
本発明で使用するゴム成分はジエン系ゴムよりなり、適宜ブチル系ゴムなどを含むことができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)があげられる。これらは、ゴム成分中に1種類または2種類以上含まれてもよい。
【0017】
ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)および炭素数が4〜7のイソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体をハロゲン化したゴムがあげられる。これらは、ゴム成分中に1種類または2種類以上含まれてもよい。ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴムおよび臭素化ブチルゴムが挙げられる。これらの中で反応性の高い塩素化ブチル、臭素化ブチルまたは炭素数が4〜7のイソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体をハロゲン化したゴムが好ましく、炭素数が4〜7のイソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体をハロゲン化したゴムがより好ましい。ジエン系ゴムとブチル系ゴムとの配合比率は、ブチル系ゴムが60〜100質量%でジエン系ゴムが40〜0質量%である。
【0018】
また、本発明ではゴム成分にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをゴム成分に対して40質量%以下の範囲で混合することもできる。
【0019】
<板状シリカ>
本発明に用いられる板状シリカは、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上である。窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g未満の場合、ゴム組成物の補強効果が十分ではなく、タイヤ走行に伴う繰り返し変形に対する耐久性が低下する。好ましくは、窒素吸着比表面積(N2SA)は150m2/g以上、特には200m2/g以上である。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)は400m2/gを超えるとゴム組成物の加工性が低下するので好ましくない。
【0020】
本発明において、板状シリカは、シリカ層が互いに乗積み重なって形成された層状構造から得られる。ここで板状シリカとは、前記平坦面の平均直径(D)と一次粒子厚さ(T)の比(D/T)で定義されるアスペクト比が5以上のものをいう。
【0021】
本発明において板状シリカの平坦面の平均直径(D)が、20μm以下であり、アスペクト比(D/T)が10以上であることが好ましい。ここで平均直径(D)が20μmを超える場合、タイヤ製造時における加工性が低下するとともに、タイヤの走行の際の繰り返し変形に伴うインナーライナーの耐久性が低下する。好ましくは、板状シリカの平均直径(D)は5μm以下である。また、アスペクト比が10未満の場合、空気透過性を十分達成することが困難である。アスペクト比は好ましくは、20〜100の範囲である。
【0022】
前記板状シリカは、シラノール基を2000μモル/g以上有することが望ましい。板状シリカのシラノール基は、シランカップリング剤と反応し、ゴム成分と化学結合を形成してゴム組成物の引張強度、伸び率、モジュラスを向上することができる。前記板状シリカは、その表面にシラのール基を多数含むことで、上記特性を特性を向上するとともに、空気透過性を低減しインナーライナーとしての特性を改善する。
【0023】
前記板状シリカのシラノール基は、2000μモル/g以上、好ましくは4000モル/g以上である。なお、シラノール基の含量は、トリエチルアルミニウム法あるいはリチウムアルミニウムハライド法を用いて測定される。
【0024】
板状シリカは、ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部、好ましくは30〜60質量部である。10質量部未満では充分に低い空気透過性は達成されない。また、100質量部より多いと未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり加工性が阻害され、さらに加硫ゴム組成物の硬度が高くなり、インナライナーとしてタイヤに用いた場合、タイヤ走行時の変形に追従できなくなり、耐久性が劣ることになる。
【0025】
<無機充填剤>
本発明では、前記板状シリカに加えて、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物)、カルコゲン化物、粘土系鉱物、珪酸塩などを添加できる。
【0026】
例えば、一定のアスペクト比を有する無機層状化合物としては、溶媒に膨潤・へき開する無機層状化合物がある。
【0027】
また、次の式で示される無機化合物を充填剤として使用できる。
nM・xSiOy・zH2
(ここでnは1〜5の整数を表し、MはAl、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも1つの金属、それらの金属酸化物、金属水酸化物または炭酸塩を表し、xは0〜10の整数を表し、yは2〜5の整数を表し、zは0〜10の整数を表す)
ここで無機化合物の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク、酸化マグネシウムなどがあげられ単独または併用することもできる。かかる無機化合物の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下であることが好ましい。無機化合物の配合量が多いと加工性が低下する。
【0028】
<シランカップリング剤>
前記ゴム組成物は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤は、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)−プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N’−ビニルベンジル−N−トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン塩などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、カップリング剤添加効果とコストの両立の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが好ましい。
【0029】
シランカップリング剤の配合量は、好ましくは無機充填剤の配合量の1〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。シランカップリング剤の配合量が1質量%未満であると無機充填剤とゴムとの結合が弱くなり、タイヤに使用した時に発熱量が増加する傾向があり、また、20質量%をこえてもカップリング剤が過剰に配合されるだけで、コスト高になる傾向がある。
【0030】
<タイヤの構造>
本発明のゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤについて説明する。図1は、空気入りタイヤの断面図の左半分である。図において、空気入りタイヤ1はクラウン部からサイドウオール部3をとおりビード部4に達するカーカスプライ6を備えている。該カーカスプライ6は、ビードコア5の回りを内側から外側にかけて折り返してビードエークッス8を包むようにビードエーペックス8の上端近傍にその端部が配置される。
【0031】
前記カーカスプライ6のクラウン部外側には、スチールコードをタイヤの周方向に40度以下の角度で配置したプライのコードが相互に交差するように2層が積層されベルト層7を構成している。さらにベルト層7の外側には、トレッド部2が形成されている。そしてビード部外側にはクリンチゴム4Gが形成されている。そしてタイヤの内空腔には、一方のビード部4から他方のビード部4に亘りインナーライナー9が形成されている。
【0032】
ここで、インナーライナーの厚さは、通常5mm以下、好ましくは、0.5mm〜3mmの範囲である。インナーライナの厚さが、5mmより厚いと、タイヤの軽量化が達成できない。なお、インナーライナーは必ずしも、タイヤ内腔の全面に亘って形成する必要はなく、部分的に形成することもできる。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜4、比較例1、2
表1に示す配合処方にしたがい、硫黄、亜鉛華および加硫促進剤以外の配合剤を容量1.7Lのバンバリーミキサーで混練り(排出温度:150℃、時間:5分間)をしてマスターバッチを作製した。そして8インチロールにてマスターバッチと硫黄、加硫促進剤を混練り(70℃で5分間)し、170℃で15分間、プレス加硫して各種供試ゴム組成物を得た。
【0035】
【表1】

【0036】
(注1)SBR:JSR(株)製のSBR1502。
(注2)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号。
(注3)ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸。
(注4)シリカ:デグサ(株)製のウルトラジルVN3(平均粒子径:15nm、N2SA:210m2/g)。
(注5)板状シリカA:旭硝子エスアイテック(株)製のサンラブリーLFS、PN−010(平坦面の平均直径:1μm、窒素吸着比表面積(N2SA):370m2/g、シラノール基数:7500μモル/g、アスペクト比:20)。
(注6)板状シリカB:旭硝子エスアイテック(株)製のサンラブリーLFS、PN−020(平坦面の平均直径:1μm、窒素吸着比表面積(N2SA):200m2/g、シラノール基数:4900μモル/g、アスペクト比:20)。
(注7)板状シリカC:旭硝子エスアイテック(株)製のサンラブリーLFS、HN−050(平坦面の平均直径:3μm、窒素吸着比表面積(N2SA):150m2/g、シラノール基数:4600μモル/g、アスペクト比:60)。
(注8)板状シリカD:旭硝子エスアイテック(株)製のサンラブリーLFS、HN−15(平坦面の平均直径:5μm、窒素吸着比表面積(N2SA):70m2/g、シラノール基数:4100μモル/g、アスペクト比:100)。
(注9)マイカ:(株)レプコ製のマイカM100。
(注10)シランカップリング剤:デグサ(株)製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)。
(注11)硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄。
(注12)加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)。
(注13)加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)。
【0037】
<特性評価の方法>
モジュラス
厚さ0.5mmのゴムシートを作製し、JIS K6251に基づき、引張試験を行い、100%伸びのモジュラス(M100)、200%伸びのモジュラス(M200)を測定した。数値が大きいほどモジュラスが大きく、耐久性に優れていることも指標となる。その結果を表1に示す。
【0038】
空気透過性
厚さ1mmのゴムシートを作製し、JIS K7126に基づき、空気透過量を測定した。数値が小さいほど空気透過量が小さく、タイヤの空気保持性に優れていることを示す。その結果を表1に示す。
【0039】
<特性の評価結果>
モジュラス
表1において、板状シリカの平坦面の平均直径(D)は、実施例1が最も小さく実施例4が最も大きいものを使用している。また板状シリカの窒素吸着比表面積は、実施例1が最も大きく実施例4が最も小さいものを使用している。さらにまた板状シリカのシラノール基は、実施例1が最も多く実施例4が最も少ないものを使用している。さらにまた板状シリカのアスペクト比は、実施例1が20実施例4が100ものを使用している。一方、比較例1は、従来のシリカを使用した例、比較例2はマイカを使用した例を示す。
【0040】
そして、モジュラス(M100、M200)は、実施例1から実施例4に徐々に高い値となっている。比較例2は、マイカを用いた例であるが、これに比べ本発明の実施例1〜4はモジュラスが大幅に向上している。
【0041】
空気透過性
空気透過性は、実施例1〜4は、いずれも比較例1、2よりも空気透過量が小さくなっている。特に実施例3、4の空気透過量が小さく最も改善されている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は空気透過性が大幅に低減したゴム組成物、および該ゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤであり、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、軽トラック用タイヤなど各種のカテゴリーのタイヤに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の空気入りタイヤの断面図の左半分を示す。
【符号の説明】
【0044】
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウオール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカスプライ、7 ベルト層、8 ビードエーペックス、9 インナーライナー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g以上である板状シリカを10質量部以上100質量部以下の範囲で配合したゴム組成物。
【請求項2】
板状シリカはシラノール基を2000μモル/g以上有する請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
板状シリカの平坦面の平均直径が20μm以下であり、アスペクト比が10以上である請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
シランカップリング剤が板状シリカの配合量の1〜20質量%配合した請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−126939(P2009−126939A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303016(P2007−303016)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】