説明

ゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法

本発明は、特定のゴルファーのゴルフクラブセットに属し、任意のクラブ長Lk,nを有する少なくとも1本のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法に関する。その方法は、第1評価基準用ゴルフクラブと第2評価基準用ゴルフクラブのクラブ長を選択することと、前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブのクラブ重量、クラブヘッド重量、CG位置及び重量分散からなる群に属する、少なくとも1つのクラブパラメータを変えることと、各々の選択されたクラブパラメータに対して、クラブパラメータ値を選択することとを含む。少なくとも1つのねじりモーメントPCF、ICF、HCF、GCFを算出し、クラブ長に応じた関係を定める。ゴルフクラブセットに属する第1ゴルフクラブのクラブ長を選択し、定められた各々の関係に基づいて、その第1ゴルフクラブのクラブパラメータを定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さの異なる少なくとも3本のゴルフクラブを含む、特定のゴルファー用のゴルフクラブを設計する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、極めて複雑な競技であり、同じゴルフコース上における2つのゴルフのプレーは、たとえ何回もプレーを行っても、同一ではないが、当てはまるいくつかの基本的な条件がある。
【0003】
ボールが飛ぶ可能な距離は、ゴルフクラブによりボールが打たれるときの(すなわち、衝撃点での)ボール速度、打ち上げ角度、及びボールに発生するスピンにより調節され変わる。ボールは、次に、クラブの速度及び、ゴルフクラブとボールとの間に起こる力学的エネルギー伝達により影響を受ける。それは、ボールを同じ番手のクラブ型で打つ場合、ボールをより長い距離ボールを運ぶためにはクラブの速度を増し、ボールをより短い距離ボールを運ぶためにはクラブの速度を落とす減らす必要があることを意味する。ゴルファーが、ボールをできる限り遠くに打つことができなければならない場合、ボールを打つ精度を維持しつつ、最大の速度を発生させるゴルフクラブを用いる必要がある。
【0004】
ゴルフは、単にボールを遠くに打つばかりでなく、ゴルファーがボールを打つときに、ゴルフクラブがボールをどれ位の距離に運ぶのかを知り、所望の距離にボールを運ぶのに適したゴルフクラブを選択することが必要である。別の要因は、ボールの方向を制御できることにある。さらに、(離陸後のボールの横揺れを制御できるための)飛球及び異なる種類のスピンは、考慮されるべき他のパラメータである。
【0005】
ゴルファーは、コースで14本のゴルフクラブを持ち運ぶ(そのうちの少なくとも1本は、パターである)。これらのゴルフクラブは、異なる特性を有し、ゴルファーは、それらの特性を利用して、上記のパラメータを試し、調節する。先行技術のゴルフクラブは、通常、アイアンクラブ間に1/2インチ(12.7mm)の差を有するように設計されている。ドライバーの長さは、通常、約45インチ(1143mm)である。
【0006】
ゴルファーに対してゴルフクラブの感触が同じであるようにするため、様々な技術が長年の間に開発されてきた。
【0007】
1つの技術は、スイングウェイト計測器内でゴルフクラブの均衡を保ち、各々のゴルフクラブに対して、同じスイングウェイトを得ることである。別の技術は、MOI(慣性モーメント)を利用してゴルフクラブを設計することであり、その場合、ゴルフクラブを、保持装置から吊り下げて調節し、振り子の動作状態に置かれる。MOIは、そのようなゴルフクラブのねじりモーメントの優れた指標であり、この技術の目的は、米国特許第5,769,733号に開示されるように、セット内のすべてのゴルフクラブに対して、同じMOIを得ることである。
【0008】
クラブフィッティングを行い、ゴルファーに最適である、長さ、ライ(クラブヘッドとシャフトとの間の角度)、スイングウェイト又はMOIを調べ、定めることができる。クラブフィッティングは、ボールを打った(すなわち、衝撃がある)ときのボールとゴルフクラブの動作をセンサが記録する、最新システムで行われる。すべての種類のクラブフィッティングの目的は、ゴルファーに適した用具をゴルファーに試させ、提供することであり、それにより、ゴルファーに、より良い競技条件が与えられることになる。
【0009】
クラブフィッティングのための基本的な条件は、特定のゴルフクラブを用いたゴルフストロークが優れているように、ゴルファーが、筋肉の記憶(訓練された動き)を設定していることである。物理的な見通しで、ゴルファーが、どうにかして何度も同じようにゴルフクラブ動作を繰り返すように、ゴルフクラブを製造することも重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先行技術での問題は、いくつかの設計パラメータは考慮されているが、ボールを繰り返して打つ能力に影響を与える他のパラメータが考慮されていないことである。1つのパラメータは、ゴルフクラブの長さが変わるときに、振りがどのように変化するかである。クラブの長さが異なることにより、長さの異なるクラブを用いてボールに対処するときに、異なる姿勢になる。ゴルファーの身体の上部、手首及びクラブ間の角度は、クラブの長さに従って変わり、それは、長さの異なるゴルフクラブに対して、同じ振り動作を得ることができないことを明確に示すものである。
【0011】
本発明の目的は、長さの異なるゴルフクラブに対する、ゴルファーの振り動作の変化を補償することにより、長さの異なる少なくとも2本のゴルフクラブのセットに対して、クラブのパラメータを定める方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に定義されるような方法により達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の利点は、ゴルファーが、ゴルフボールを打つときのゴルファーの自然な振り動作を利用して、ゴルフセット内の各々のゴルフクラブを取り扱うことができることである。
【0014】
本発明の別の利点は、ゴルファーは、先行技術の用具を用いる場合のように、セットに含まれる各ゴルフクラブの長さに振り動作を合わせる必要がないことである。
【0015】
さらなる目的と利点は、詳細な記述から、当業者により見いだされ得る。
本発明は、非限定的な例として与えられる以下の図と合わせて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】スウィング動作の例を示す図である。
【図2】先行技術の整合(MOI)と本発明の整合との間の差を示すグラフである。
【図3a】ゴルフクラブの側面図である。
【図3b】第1の種類のクラブヘッドの上面図である。
【図3c】図3bの第1の種類のクラブヘッドの斜視図である。
【図3d】第2の種類のクラブヘッドの上面図である。
【図4】本発明に従う、均衡点長に応じた第1及び第2ねじりモーメントの動作を示すグラフである。
【図5】本発明に従う、クラブヘッド重量及びクラブ長に応じた第3ねじりモーメントの動作を示すグラフである。
【図6】本発明に従う、クラブヘッド重量及びCG長さに応じた第4ねじりモーメントの動作を示すグラフである。
【図7】本発明に従う、クラブの長さに応じた4つの異なるねじりモーメントの例を示す図である。
【図8】ゴルフクラブのICFとPCFを算出する均衡点計測器を示す図である。
【図9】図8の均衡点計測器を操作するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の基本的な原理は、人体がゴルフをする能力にどのように影響を与えるのかに関連する。ゴルフクラブを振るときに人体に加えられる力の厳密な分析では、筋肉は、大きな筋肉群と小さな筋肉群に分割され得る。大きな筋肉群は、力仕事を行い、小さな筋肉群は、微細な事柄に対処する。それらの筋肉は、ゴルフのストロークの間、均質な動きを作り出すために共に働く。ゴルフクラブが良好であるためには、大きな筋肉群と小さな筋肉群の両方が調和している必要がある。
【0018】
ゴルフクラブを設計又は適合させるための上記のような筋肉群の調和は、従来技術の方法では、セット内のすべてのゴルフクラブに対しては成り立たない。特定のゴルファーに極めて良く適合するゴルフクラブ、例えば、7番アイアンが、時々見いだされるが、そのセット内のより長いクラブと、より短いクラブに対する適合性は、徐々に劣ってゆく。
【0019】
本発明の概念に対する理論的な背景は、ゴルファーがゴルフクラブでボールを打つときに、何が起こり、何が起こるべきかを見ることである。ゴルフにおいて、振り動作が始まる時点まで起こるすべての事柄は、ゴルファーが、意図されたようにゴルフストロークを実行することができるための準備である。これらの準備は、ボール位置の分析、適用可能なストロークの種類の選択、ゴルフクラブの選択、及びプレーの線を含む。ゴルファーは、次に、ボールを打つ位置に移動する、すなわち、姿勢を取る。図1は、ボールを打つときのゴルファーの振り動作10を示す。振り動作は、頂部位置11で開始し、底部位置13に配置されるボール12に向かって移動する。クラブ長Lを有するゴルフクラブ14とボール12との間のエネルギー伝達は、底部位置13での衝突の間に起こる。
【0020】
ゴルフクラブ14の上部16と振り動作の回転中心15との間の距離Lは、ゴルファーの腕の長さに関連し、振り動作の間、一定であると見なされる。ゴルファーの腕の長さ(18)、及び、肩関節窩(19)から回転中心(15)までの長さは、三角形の辺である。Lは、三角形の斜辺である。振り動作は、ゴルフクラブ14の上部16に対する均衡点BPの位置等の複数の変数にも依存し、それらは、以下により詳細に記載されようとしている。
【0021】
ゴルフクラブは、グリップ部分(図示されず)、シャフト(図示されず)、及び、重心CGを有するゴルフヘッド17を含む。シャフトの中心に沿った方向に垂直であるCG平面は、ゴルフヘッド17のCGを通る破線で示されている(図3aに関連する記載も参照すること)。クラブ長Lは、上部16からCG平面までの距離として定義される。別の方法で、クラブ長Lと距離Lを定義することもでき、例えば、グリップ部分の下方の所定の距離であり、例えば、ゴルフクラブ14の上部16から下方に6インチ(152.4mm)である。しかしながら、この記載では、図1及び図3aに関連して記載される定義が利用される。
【0022】
留意すべきは、振り動作が、衝突で、すなわち、底部位置(13)で終わらず、ゴルファーが振り切るように、反時計方向に連続して前に進むことである。これは、しかしながら、分かりやすくするために図1には示されていない。
【0023】
ゴルフストロークを行うために、ゴルファーの筋肉には、頂部位置11でエネルギーが加えられ、底部位置13で、筋肉は負荷から解放され、ゴルフストロークへのエネルギーを生成する。筋肉は、上記のように、大きな筋肉群と小さな筋肉群に分割され得る。大きな筋肉群は、ゴルファーの身体に関連していると見なされ、小さな筋肉群は、ゴルファーの手首に(及び、ある程度は腕に)関連していると見なされる。ゴルフの振りは、頂部位置11からゴルフクラブがボール12を打つ底部位置13までの、加速が均一な動作である。
【0024】
底部位置でボールにエネルギーを伝達するために筋肉が生成する必要のあるねじりモーメントは、分析され、本明細書ではPCF(平面制御因子)と呼ばれる第1ねじりモーメントと、本明細書ではICF(衝撃制御因子)と呼ばれる第2ねじりモーメントとに分割され得る。これらの量は、数学的な式で表記され得る:
【数1】

【数2】

【0025】
式中、Lは、(ゴルファーの腕の長さに関連する)定数であり、LBPは、ゴルフクラブ14の上部16からゴルフクラブ14の均衡点BPまでの均衡点長であり、aBPは、均衡点BPでの加速度であり、aは、(ゴルフクラブ14の上部16に位置すると見なされる)ゴルファーの手首での加速度であり、mは、クラブの重量である。
【0026】
ICFは、本明細書で参照する係属中のスウェーデン特許出願SE0707905−1号に記載されるように、数式(2)内に手首の加速度で減ぜられる均衡点の加速度を挿入することにより、均衡点長LBPとクラブの重量mの関数としても表記され得る。その結果、次式になる。
【数3】

【0027】
MOIで整合されたゴルフクラブセットでは、ICFが、ゴルフクラブの間で一定に保たれるが、これは、ゴルフクラブの長さが変更される場合、ゴルファーにより振り動作が変わるために、最適な選択ではない。
【0028】
従って、MOIは、ゴルフセット内の第1ゴルフクラブと第2ゴルフクラブとの間の以下の関係に基づく。
【数4】

【0029】
これは、図2に示される。連続線は、MOIで整合された、長さLが異なるゴルフクラブのセットを示す。ねじりモーメントICFは、あらゆる長さに対して一定である。
【0030】
MOIとは対照的に、ゴルファーに適したゴルフセット内の第1ゴルフクラブと第2ゴルフクラブとの間の関係は、
【数5】

式中、αは、線形定数を表し、mk,1は、第1ゴルフクラブの重量であり、LBP,1は、そのクラブの均衡点長である。mk,2は、第2ゴルフクラブの重量であり、LBP,2は、そのクラブの均衡点長である。ゴルファーのために設計されたクラブセット内のゴルフクラブ間のねじりモーメントICFは、本発明の方法により示されるように、MOIの連続線とは異なる。破線で示されるICF(1)は、クラブ長に応じて、α<1を有し、点線で示されるICF(2)は、クラブ長に応じて、α>1を有する。
【0031】
ICF(1)曲線は、第1クラブ長LでMOI曲線と交差し、ICF(2)曲線は、第2クラブ長LでMOI曲線と交差し、それらのことは、クラブ長がL又はLに等しい、MOIで整合されたクラブが、本発明の方法に基づいて設計されたゴルフクラブと同じICFを有することを示す。また、留意すべきは、MOI曲線が各ICF曲線と、1つのクラブ長でのみ、すなわち、ICF(1)はLで、ICF(2)はLでのみ交差することである。
【0032】
PCFは、同時係属中のスウェーデン特許出願第SE0702905−1号に記載されるように、均衡点の加速度を数式(1)に挿入することにより表記され得る。その結果、次式になる。
【数6】

【0033】
ねじりモーメントPCFは、均衡点長LBPの線形関数であり、均衡点の位置がクラブ長に依存しているので、クラブ長Lの関数でもあり、それにより、ゴルファーに適したセットに含まれる2本のゴルフクラブの間の関係は、次式で表記され得る。
【数7】

式中、δは、線形定数を表し、mk,1は、第1ゴルフクラブの重量であり、LBP,1は、そのクラブの第1均衡点長である。mk,2は、第2ゴルフクラブの重量であり、LBP,2は、そのクラブの均衡点長である。Lは、ゴルファーの腕の長さに関連する定数である。
【0034】
図4は、本発明に従って、第1ねじりモーメントPCFと第2ねじりモーメントICFの動作が、均衡点長とクラブ重量の関数として表されている、第1グラフを示す。第1曲線51(破線)は、Lが一定であり、mとLBPが変化する場合の数式(6)を示し、第2曲線52(連続線)は、同じ場合の数式(3)を示す。それらの曲線は、点53で交差し、それは、両式が満たされる場合の、ゴルフクラブ「n」の、1つのみの均衡点長LBP,nと、対応するクラブ重量mk,nとを与える。本発明の方法の一態様は、関連パラメータ、すなわち、クラブ長の異なる2本以上のゴルフクラブのmとLBPを識別し、数式(5)及び(7)の線形定数α及びδを設定することである。
【0035】
さらに、ボール12を打つときに、振り平面に関連するゴルフクラブのヘッド17の角度を制御し、真っすぐなショットを打つことができることが望まれる。これを達成するために、角度は、衝撃点で、振り平面に垂直である必要がある。すなわち、ゴルフヘッドは、直角である必要がある。円筒状のシャフト及びグリップ部分は、衝撃点で手首に加えられるねじりモーメントに影響を与えないが、クラブヘッドは、ゴルフクラブを制御する能力に影響を与える。
【0036】
底部位置での角度を制御できるように筋肉が生成する必要があるねじりモーメントは、分析され、本明細書でHCF(ヘッド制御因子)と呼ばれる第3ねじりモーメントと、本明細書でGCF(ギア制御因子)と呼ばれる第4ねじりモーメントとに分割され得る。これらの量は、数学的な式で表記され得る。
【数8】

【数9】

式中、Lは、ゴルフクラブの長さであり、LCGは、ゴルフクラブ14の上部16を通るシャフトの中心の延長にあるCG平面内の点から、ボール打撃表面上の有効打中心点及びゴルフヘッド17の重心CGを通るように引かれた線上の点までの、好ましくはCGまでのベクトルの長さである。aCGは、CG内の加速度である。aは、(ゴルフクラブ14の上部16に位置すると見なされる)ゴルファーの手首での加速度である。mkhは、クラブヘッドの重量である。
【0037】
図3a〜3dは、上記のような、HCFとGCFを算出するための様々な重要な定義、並びに、PCFとICFを算出するのに必要とされる均衡点長のより詳細な定義を示す。
【0038】
図3aは、シャフト長Lを有するシャフト21、グリップ長Lを有するグリップ部分22、及び重心CGを有するクラブヘッド23を含む、ゴルフクラブ20の側面図を示す。ゴルフクラブは、均衡点BPを有し、均衡点長LBPは、グリップ部分22の遠位端25から、シャフト21の中心線24に沿って定義される第1方向の均衡点までの距離として定義される。重心CGは、第1方向に垂直な平面(CG平面)内に配置されるように定義され、クラブ長Lは、グリップ部分22の遠位端25から第1方向に沿ったCG平面までの距離として定義される。ゴルフクラブを振るときにゴルファーが体験するクラブ長であるプレー長Lは、グリップ部分22の遠位端から、クラブヘッドの底の中心が地面28に接触するときの地面(線28で示される)までの距離として定義される。通常、Lは、CGがクラブヘッド23内で(図3aのように)極めて低く又は極めて高く位置しなければ、Lにほぼ等しい。
【0039】
クラブヘッド重量mkhを有するクラブヘッド23は、ホーゼル26と、シャフト21が取り付けられるホーゼル穴とを備えている。CGの位置は、この記載では、ホーゼル26の頂点での中心点27に対して定義され、3つの成分L,L及びLで表記され得る。第3成分Lは、第1方向に沿って、中心点27からCG平面までで定義される(図3aを参照すること)。第1成分Lと第2成分Lは、CG平面内に配置され、図3b及び3cに示されるように定義される。
【0040】
図3bは、ホーゼル穴とクラブブレード32を備えたホーゼル31を有する従来のクラブヘッド30の上面図であり、図3cは、その斜視図である。零点33は、ホーゼル31内に示され、シャフト21の中心線24の延長部がCG面に交わる、CG面内の点として定義される。L成分は、ホーゼル31の頂点での中心点38から零点33までの距離として定義され、ベクトルCGは、零点33とCGとの間に定義される。このベクトルは、上記のように、第1成分Lと第2成分Lに分割され得る。Lは、零点33と、CGを通る線34との間の距離として定義され、クラブヘッド30のボール打撃表面35の面に垂直である。Lは、CGと、零点33を通る線36との間の距離として定義され、クラブヘッド30のボール打撃表面35の面に平行である。線34がボール打撃表面35に交わる場所の点37は、通常、(図1の底部位置での)衝撃の間、クラブヘッドが直角であると仮定して、重心CGがその点のすぐ後に配置される場合の、「有効打中心点」と呼ばれる。従来のクラブヘッドに対して、CGから有効打中心点37までの距離は、この実施形態では、図3bに示されるように、Lよりも大きい。
【0041】
図3dは、ホーゼル41とクラブブレード42を含むオフセットホーゼル設計のクラブヘッド40の斜視図を示す。零点43は、図3bでの定義と同じ方法で定義されるホーゼル41内に示される。ベクトルCGは、零点43とCGとの間に定義され、このベクトルは、上記のように第1成分Lと第2成分Lに分割され得る。Lは、零点43と、CGを通る線44との間の距離として定義され、クラブヘッド40のボール打撃表面45の面に垂直である。Lは、CGと、零点43を通る線46との間の距離として定義され、クラブヘッド40のボール打撃表面45の面に平行である。有効打中心点47までの距離は、この実施形態では、Lよりも小さい。
【0042】
留意すべきこととして、第4ねじりモーメントGCFを算出するために好ましいのは、CGの位置が振り動作中のゴルフクラブの感触に影響を与えるという事実のために、CG長LCGが、ベクトルCGの長さであることである。代わりに、CGが、衝撃点で、有効打中心点37,47のすぐ後に位置するという事実故に、第1成分LをCG長LCGとして利用できるが、CGと有効打中心点37,47とを通る線34,44上の任意点を、GCFを算出するためのLCGとして利用できる。
【0043】
数式(8)に従うHCFは、クラブ長L、クラブヘッド重量mkh、及び、CGと手首の加速度の差(acg−a)の関数である。加速度の差(aCG−a)は、同時係属中のスウェーデン特許出願SE0702905−1号に記載されるように、クラブ長の関数として表記され得る。その結果、次式になる。
【数10】

【0044】
図5は、ゴルフクラブ「n」に対する、クラブ長Lとクラブヘッド重量mkhに応じた第3ねじりモーメントHCFの動作を示すグラフを示す。ゴルフクラブ「n」のHCFの所与の値により、そのゴルフクラブに対するクラブ長Lk,nを選択することが自由になり、所望のクラブヘッド重量mkh,nをもたらすか、又は、クラブヘッド重量mkh,nを選択することができ、所望のクラブ長Lk,nをもたらし、最適なヘッド制御因子を得る。
【0045】
本発明の概念は、ゴルファーが、ゴルフクラブ長Lに応じて振りを変え、それにより、第3ねじりモーメントHCFは、数式(10)に表されるようにクラブ長の2乗に比例するので、同様に変化し得ると理解することに基づく。従って、ゴルフクラブセット内の長さの異なる第1ゴルフクラブと第2ゴルフクラブとの間の関係を形成することができる。
【数11】

式中、mkh,1は、第1ゴルフクラブのヘッド重量であり、Lk,1は、そのクラブ長であり、mkh,2は、第2ゴルフクラブのヘッド重量であり、Lk,2は、そのクラブ長である。ゴルファーに対して、βは、通常、1とは異なる(β≠1)が、ゴルファーが、長さが異なる(Lk,1≠Lk,2)が同じHCFを有するゴルフクラブのセットを必要とすることも考えられる。
【0046】
同様に、第4ねじりモーメントGCFは、同時係属中のスウェーデン特許出願SE0702905−1号に記載されるような、手首とCGとの間の加速度の差を導入することにより、次式で表記され得る:
【数12】

【0047】
図6は、ゴルフクラブ「n」に対する、CG長LCG及びクラブ重量mkhに応じた、所定のクラブ長Lk,nを有するゴルフクラブの第4ねじりモーメントGCFの動作を示すグラフである。所定のクラブ長Lk,nを有するゴルフクラブ「n」のGCFの所与の値により、そのゴルフクラブのCG長LCG,nを選択することが自由になり、所望のクラブヘッド重量mkh,nをもたらすか、又は、クラブヘッド重量mkh,nを選択することができ、所望のCG長LCG,nをもたらし、最適なギア制御因子を得る。
【0048】
本発明の概念は、上記のように、ゴルファーが、ゴルフクラブ長Lに応じて振りを変え、それにより、第4ねじりモーメントGCFは、数式(12)に表記されるようにクラブ長に比例するので、同様に変化し得ると理解することに基づく。従って、ゴルフクラブセット内の長さの異なる第1ゴルフクラブと第2ゴルフクラブとの間の関係を形成することができる:
【数13】

式中、mkh,1は、第1ゴルフクラブの重量であり、Lk,1は、そのクラブ長であり、LCG,1は、そのCG長である。mkh,2は、第2ゴルフクラブの重量であり、Lk,2は、そのクラブ長であり、LCG,2は、そのCG長である。ゴルファーに対して、γは、通常は1と異なり(γ≠1)、ゴルファーが、長さが異なる、すなわち、Lk,1≠Lk,2であるが同じGCFを有するゴルフクラブのセットを必要とすることも考えられる。
【0049】
数式(11)及び数式(13)から明らかなのは、HCF及びGCFが、同じゴルフクラブセット内の異なるゴルフクラブに対するクラブ重量m又は均衡点長LBPに基づいていないことである。同様に、数式(7)及び数式(5)から明らかなのは、PCF及びICFが、同じゴルフクラブセット内の異なるゴルフクラブに対するクラブヘッド重量mkh又はCG長LCGに基づいていないことである。また、留意すべきは、PCF及びICFが、クラブ長Lに直接的に基づいておらず、本発明の方法の基本的な特徴の1つが、クラブ長が変わるときは振り動作が異なることになるので、任意の長さを有し、特定のゴルファーに適したゴルフクラブを設計するために、異なるパラメータを定めることである。
【0050】
図7は、上で議論された4つのねじりモーメントを示すグラフを示す。x軸は、ゴルフセット内の異なるクラブのプレー長Lを表すべきであるが、図7では、Lが実施例でのクラブ長Lにほぼ等しいと見なされるので、クラブ長Lを利用する。y軸は、PCF、HCF、ICF及びGCFに対するねじりモーメントを表す。一般に、PCF(線71)は、図4で点43により示される均衡点長及びクラブ重量が、数式(6)と数式(3)を満たすように選択されるとき、ICF(線72)のほぼ2倍の高さである。HCF(線73)は、通常、ICFよりも高く、GCF(線74)は、PCFの約1〜2%である。
【0051】
以下の実施例に記載されるような、ゴルフクラブパラメータの目標値は、上記のねじりモーメントとその関係から導かれ得る。クラブ長を関数とするねじりモーメントの傾斜を設けるのに必要とされるゴルフクラブパラメータを定めるために、2本以上のゴルフクラブが、好ましくは、クラブ製造者の管理下で試される。振り動作に関連するパラメータは、特定のゴルファーに対して、ゴルフ分析設備内でそれらのパラメータを計測することにより、又は、振り動作に関連する標準的な値を利用することにより、定められる必要がある。次に、ゴルフセット内のすべてのゴルフクラブに対して、たとえクラブ長が異なっていても、振り動作のパラメータを利用する。ゴルフクラブパラメータは、数式(4)、数式(7)、数式(11)及び数式(13)により設けられた関係に結び付く。
【実施例】
【0052】
次の実施例は、すべての4つのねじりモーメントを考慮して、最適な特性を有するゴルフクラブセットを作り出すための概念を示す。これは、限定されない例であり、以下に表される値は、各ゴルファーに対して変化する。
【0053】
図7では、点61,62,63及び64は、それぞれ、クラブ長Lを有する第1参照ゴルフクラブに対する、PCF,HCF,ICF及びGCFの設定されたねじりモーメントを示し、点65,66,67及び68は、それぞれ、クラブ長Lを有する第2参照ゴルフクラブに対する、PCF,HCF,ICF及びGCFの設定されたねじりモーメントを示す。直線71,72,73及び74は、それぞれ、PCF,HCF,ICF及びGCFを表す点の間に引かれる。3本以上のゴルフクラブが参照ゴルフクラブとして利用される場合、線71〜74は、好ましくは、最小二乗法に従って、それらの点の間に引かれる。これは、その対応する直線上の1点からの各点の偏差の2乗が算出され、すべての偏差の和が、できる限り小さくあるべきであることを意味する。実施例では、2本のゴルフクラブのみが、参照として利用され、直線71〜74は、次に、図7に示されるように、各点を通るように引かれ得る。この実施例では、クラブ長Lを有する第1参照ゴルフクラブは、5番メタルウッドであり、クラブ長Lを有する第2参照ゴルフクラブは、9番アイアンである。
【0054】
直線71〜74の傾斜、すなわちα,β,δ,γは、本発明に従う方法により得られ、クラブ製造者の管理下で少なくとも2本のゴルフクラブが試され、ゴルフクラブに関連するパラメータを定め、例えば、各ゴルフクラブに対して、
−クラブ重量(m
−クラブ長(L
−均衡点長(LBP)
−クラブヘッド重量(mkh)及び
−CG長(LCG
である。ゴルフクラブを試す方法は、ゴルフクラブを取り扱い、終始一貫してボールを打ち、1点の近くに、すなわち、ほぼ同じ距離、同じ方向にそのボールを繰り返し運ぶ能力を分析することを含む。これらのゴルフクラブを参照クラブとして利用して、図7に示されるように、ねじりモーメントを表す各々の線上に、少なくとも2つの点を定める。
【0055】
クラブ長に応じたねじりモーメントを設定できるのに必要とされるのは、少なくとも2本の参照クラブの上記のパラメータを識別する能力である。本発明は、以下の振りパラメータを有するスウェーデン特許出願SE0702905−1号に記載されるように、仮想の振りロボットを利用して、ゴルファーのこれらのパラメータを定める方法を提供する:手首と回転中心との間の距離(L)が、例えば、650mmに選択される。クラブヘッド速度は、所定のクラブ長、例えば、1000mm(39.37インチ)を有する仮想のゴルフクラブを振るときに、例えば、毎秒35.76メートル(m/s)に対応する時速80マイル(MPH)に選択される。さらに、仮想のゴルフクラブは、所定の均衡点長が、例えば、772mmであり、所定のクラブ重量が、例えば、376.4グラムであり、所定のクラブヘッド重量が、例えば、255グラムであり、所定のCG長が、例えば、38.078mmである。振り角度は、例えば、ψ=ψ=135°に選択され、仮想の振りロボットパラメータ、すなわち、aCG,aBP,a,vBP及びvが算出される。仮想の振りロボットは、任意のクラブ長を有するゴルフクラブに対して、手首で同一の加速度及び速度を有するので、値a及びvは、すべてのグラブに対して同じである。クラブヘッドの加速度aCG、並びにBPでの加速度aBP及び速度vBPは、以下にさらに詳しく記載されるように、異なるねじりモーメントに対して算出される値の結果、CG長及び均衡点長の変位に従って変化することになる。
【0056】
数式(1)及び(2)で表現されるようなゴルフクラブのPCF及びICFを算出するときに、手動の工程の量を減らし、算出の精度を増すための均衡点計測器80が、図8に示される。均衡点計測器80は、第1スケール81、第2スケール82及び処理ユニット83を含む。第1スケール81は、固定された支持体84と、鉛直位置と実質的に水平位置との間で移動するのに適した移動可能な支持体85とを含む。第2スケール82は、第1スケール81の固定された支持体84上の旋回点87から所定の距離Lに、例えば、550mmに配置される突起86を含む。
【0057】
均衡点BPを有するゴルフクラブ21(均衡点計測器の一部分ではない)は、突起86に対して配置されるグリップ部分22の遠位端25を用いて、前記固定された支持体84上に旋回自在に配置される。均衡点BPは、次に、旋回転87から未知の距離Lに配置される。均衡点計測器80は、移動可能な支持体85がその鉛直位置にあり、すなわち、均衡点計測器80が固定位置にあり、第2スケール82に全く圧力が加えられていない、すなわち、m=0であるときに、第1スケール81によりゴルフクラブ21の全重量mを計測するように設計される。移動可能な支持体85が鉛直位置から実質的に水平な位置に移動する、すなわち、均衡点計測器80が旋回位置にあるとき、圧力が、梃子動作のために第2スケール82に加えられ、第2スケール82は、均衡点mを計測する。
【0058】
さらに、処理ユニット83は、命令と結果が表示される表示装置88、プロセッサμP、メモリ89、及び、処理ユニット83に命令を与えるための、表示装置上の分離ボタン、圧力感知部分等のような入力手段(図示されず)を含む。
【0059】
図9は、均衡点計測器の操作プロセスを記述する流れ図を示す。プロセスは、工程90において、aBP,a及びL等の必要なパラメータを処理ユニットに送ることにより開始される。いずれのパラメータも与えられない場合、プロセスユニットは、前記仮想振りロボットにより利用されるのと同じパラメータを利用することになる(上を参照すること)。ゴルフクラブが配置され、移動可能な支持体85が、鉛直方向に移動する。それにより、好ましくは、処理ユニット83内の算出プロセスが自動的に再開始され、均衡点計測器は、従って、工程91において、固定位置に置かれる。ゴルフクラブの全重量mは、第1スケール81により計測され、結果は、工程92において、処理ユニット83内のメモリ89に格納される。移動可能な支持体85を鉛直位置から移動させ、均衡重量を計測可能にする命令が、表示装置88上に表示され得るか、又は、ゴルフクラブの全重量mが計測され、格納されたときに、視聴信号(光/音)が現れ得る。均衡点計測器は、その後、工程93において、移動可能な支持体85を移動させることにより旋回位置に置かれ、均衡重量mは、次に、工程94において、第2スケール82により計測され、メモリ89に格納される。
【0060】
均衡点長LBPは、工程95において、以下の関係を利用して算出される。
【数14】

【数15】

【0061】
数式(1)及び数式(2)に表記されるPCF及びICFは、ここで算出され、表示装置88に表示され得る。
【0062】
限定されない実施例では、ゴルフクラブは、均衡点計測器上に置かれる。そのスケールは、固定位置に置かれ、ゴルフクラブの全重量が、計測される。例えば、
=401.7グラム
である。
【0063】
均衡点計測器は、旋回位置に配置され、均衡重量は、計測される。例えば、
=144.7グラム。
である。
【0064】
ゴルフクラブの均衡点長は、L=550mmのときに、
【数16】

である。
【0065】
比較例
本発明の方法の基本は、上記のような、ねじりモーメントの異なる関係を設定するのに必要とされる参照クラブのゴルフパラメータを定めることができることにある。
【0066】
評価基準用クラブのクラブパラメータは、記載されたねじりモーメントのうちの1つ以上に影響を与えるので、あるパラメータを分析して、好ましくは、打ち上げ観測装置を利用して識別される必要がある。これらのねじりモーメントは、特別仕様のゴルフクラブが作製され得る前に、設定される必要がある。
【0067】
3つのクラブパラメータは、主に、ゴルファーの均整に、つまり、ゴルフクラブの長さL、ゴルフクラブの重量m、及び均衡点長LBPに影響を与える。1つのゴルフパラメータは、主に、ゴルフクラブ、つまり、CG長LCGを制御する能力に影響を与える。これらのゴルフパラメータ、並びに、クラブヘッド重量mkh、シャフト重量m及びグリップ重量mは、次のように、記載されたねじりモーメントPCF,ICF,HCF及びGCFに影響を与える。
【0068】
分析は、以下のクラブパラメータ、クラブ長L、及びグリップ重量mが変わらないことに基づく。さらに、ゴルファーの腕の長さLは、当然、一人のゴルファーに対して一定である。
【0069】
PCF
PCFは、クラブ長Lが一定の場合、主に、シャフト重量mにより影響を受け、第2に、均衡点長LBPにより影響を受ける。シャフト重量mは、クラブの重量の一部であり(式32を参照すること)、好ましくは、ゴルフクラブの全重量及び均衡点BPの位置は、以下のパラメータを識別する分析の間に変化する:
−衝撃点でのクラブ速度、
−速度角(又は、ゴルフクラブの振り軌跡)、
−振りテンポ。
【0070】
これらのパラメータは、ゴルフクラブを再現可能に振る能力を定め、同じゴルフクラブにより行われるストロークの間で、ほぼ同じ(一定)であるべきである。
【0071】
ICF
ICFは、主に、クラブヘッド重量mkhにより影響を受け、第2に、シャフト重量mにより影響を受ける。全重量及び均衡点長は、ヘッド重量を調節するとき、以下のパラメータを識別する分析の間、PCFを変えないように保持される必要がある:
−衝撃点でのボールの打ち上げ角度、
−ボールのスピン(逆回転と横回転)、
−ボールの搬送距離、
−衝撃点でのボール速度、
−衝撃点でのクラブ速度。
【0072】
すべてのこれらのパラメータは、同じゴルフクラブにより行われるストロークの間で、ほぼ同じ(一定)であるべきである。
【0073】
GCF
GCFは、主に、CG長LCGにより影響を受け、第2に、クラブヘッド重量mkhにより影響を受ける。これらは、以下のパラメータを識別する分析の間に変化する:
−同じ速度で同じゴルフクラブにより行われるストロークの間、ほぼ同じ(一定)であるべきである、衝撃点でのボールの打ち上げ角。
−ゴルファーが、軟らかいストロークと硬いストロークの両方で、すなわち、衝撃点で異なるクラブ速度でボールを打つときに、ほぼ同じで、同じ方向にあるべきである、ボールの横回転。
【0074】
これらのパラメータは、ゴルフボールの方向安定性を、すなわち、クラブヘッドに接近する能力を定める。
【0075】
HCF
HCFは、主に、クラブヘッド重量により影響を受け、普通GCFの分析により与えられ、以下のパラメータに影響を与える:
−ボール衝撃位置、すなわち、ストローク中に、ボールがクラブヘッドのボール衝突表面上に衝突する点。その衝突点は、同じゴルフクラブにより、異なる速度で行われるストロークの間で、ほぼ同じであるべきである。
【0076】
理想では、すべてのパラメータは、ゴルファーがボールを打つときに一定であるべきであるが、各パラメータのバラツキが10%を越えていなければ、クラブのパラメータを識別するのに十分であることになる。
【0077】
好ましくは、すべてのねじりモーメントを利用して、クラブパラメータを定める。異なるパラメータの分析は、通常、反復プロセスで行われる必要があり、なぜなら、GCFのパラメータを分析するときのクラブヘッド重量の変化が、すなわちICFに対するねじりモーメントに影響を与え、次に、均衡点位置に、それにより、PCFに影響を与えるからである。
【0078】
PCF,ICF,HCF及びGCFは、ここで、それぞれ、評価基準用クラブに対して、数式(1)、(2)、(8)及び(9)を利用して、(定められた振り動作に基づいて)算出され得る。結果は、その後、クラブ長Lの関数とするグラフに表される(図7を参照すること)。この実施例では、上記のような仮想の振りロボットを利用して、振り動作を作り出す。表1は、クラブパラメータと算出されたねじりモーメントとを備える2本の評価基準用クラブを示す。
【表1】

【0079】
各線の傾斜は、
【数17】

【0080】
任意のクラブ長を有する特別仕様の適合ゴルフクラブの構成
PCF,HCF,ICF及びGCFに対する目標値は、ゴルフクラブの長さ(L)が、例えば、5番アイアンに対してL=965mmに選択されるときに、算出される。ねじりモーメントに対する以下の目標値が、次に、上記の傾斜を利用して算出される:
PCF(L)=45.732
HCF(L)=19.777
ICF(L)=17.291
GCF(L)=0.684
【0081】
目標値75,76,77及び78は、それぞれ、各直線上に黒塗りの円で示され、各目標値からの最大偏差も、示される。
【0082】
その結果得られるゴルフクラブの実測PCF値は、点線81の間で変化し得る。その偏差は、好ましくは、目標値75の±0.5%未満であり、より好ましくは、±0.2%未満である。その結果得られるゴルフクラブの実測HCF値は、点線82の間で変化し得る。その偏差は、好ましくは、目標値76の±1%未満であり、より好ましくは、±0.5%未満である。その結果得られるゴルフクラブの実測ICF値は、点線83の間で変化し得る。その偏差は、好ましくは、目標値77の±1%未満であり、より好ましくは±0.5%未満である。その結果得られるゴルフクラブの実測GCF値は、点線84の間で変化し得る。その偏差は、好ましくは、目標値78の±5%未満であり、より好ましくは、±2%未満である。
【0083】
さらに、クラブ長が選択されるとき、いくつかのゴルフクラブパラメータに対する目標値も、例えば、クラブ重量の目標値、均衡点長、ゴルフヘッド重量及びCG長も、ねじりモーメントとゴルフクラブパラメータとの間に設定された関係を利用して算出され、表2に示される。表2はクラブ長965mmを有する5番アイアンの目標値を示す。
【表2】

【0084】
5番アイアンのゴルフクラブは、次に、目標値にできる限り近い実測値を有するシャフト、クラブヘッド、及びグリップ等の関連部品を用いて組み立てられる。次に、実測値を利用し、数式(1),(2),(8)及び(9)を利用してねじりモーメントを算出する。実測値と算出されたねじり値は、表3に表される。表3は、クラブ長=965mmと算出されたねじりモーメントとを有する5番アイアンに対する実測値を示す。
【表3】

【0085】
留意すべきは、実測クラブパラメータが、クラブパラメータの目標値と同一であっても、ねじりモーメントについて、算出された値が目標値とは異なることであり、なぜなら、算出されるねじりモーメントは、実測クラブパラメータから算出され、目標のねじりモーメントは、評価基準用クラブにより生成される直線から得られるからである。
【0086】
クラブ重量mは、クラブヘッド重量mkh、シャフト重量m及びグリップ重量mの合計である。
【数18】

【0087】
さらに、均衡点長LBPは、グリップ均衡点長LBP,g、グリップ重量m、シャフト均衡点長LBP,S、シャフト重量m、クラブ長L、クラブヘッド重量mkh及びクラブ重量mに依存する。Δは、グリップ床尾の厚さであり、普通、約5mmである。
【数19】

【0088】
グリップ部分は、好ましくは、所定の重量と均衡点長とを有する標準的なグリップであり、クラブ重量、クラブ長、均衡点長及びクラブヘッド重量が知られている。シャフト重量とシャフト均衡点長は、式23及び24から定められ得る。表4は5番アイアンゴルフクラブの部品の実測パラメータ(Δ=5mm)を示す。
【表4】

【0089】
組み立てられた5番アイアンのスイングウェイトは、ここで、スイングウェイト公式を利用して算出され得る。
【数20】

【0090】
組み立てられた5番アイアンのスイングウェイトは、217.5[oz]であり、スイングウェイト表のD2.3に対応する。
【0091】
ゴルフクラブセットは、当然、3本を越えるゴルフクラブを含んでもよく、7本未満のゴルフクラブ(3番アイアン〜9番アイアン)の実施例が、ねじりモーメントを記述する直線71〜74に基づいて構築される。以下の目標値が得られる。表5は表1の評価基準用クラブに基づいた3番アイアン〜9番アイアンの目標値を示す。目標ねじりモーメントは、許容偏差を用いずに表されている。
【表5】

【0092】
各ゴルフクラブ間の長さの差は、約1/2インチ(12.7mm)であり、ヘッドのロフト角は、セットを通して、クラブ長が減少すると増加する。従来、クラブヘッド重量は、長さが1/2インチ減少する毎に、7グラム増加する。しかしながら、本発明のゴルフクラブセットのヘッド重量は、表5により明らかなように、1/2インチ毎の重量差に固定されていない。3番アイアンと4番アイアンとの間のヘッドの重量差は、7.5グラムであるが、8番アイアンと9番アイアンとの間のヘッドの重量差は、9.8グラムである。さらに、CG長は、セット内のゴルフクラブに対して一定ではなく、ゴルフクラブの長さが減少すると増加する。クラブヘッドの重量差とCG長の差は、ゴルファー毎に個別に得られ、変化し得る。
【0093】
グリップ重量とグリップ均衡点が、セット内のゴルフクラブに対して同一である場合、以下のゴルフクラブパラメータを得ることができる。表6は、3番アイアン〜9番アイアンクラブの部品の実測パラメータ(Δ=5mm)を示す。
【表6】

【0094】
留意すべきは、ゴルフクラブの全重量が、クラブ長が短くなると増加し、シャフトの重量は、より長いクラブ(3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン)に対して、ある程度一定であり、短いクラブ(7番アイアン、8番アイアン及び9番アイアン)に対して、さらに減少する。シャフト均衡点長は、クラブが短くなるとさらに減少し、スイングウェイトは、クラブが短くなるにつれて徐々に増加する。
【0095】
アイアンクラブを利用して、本発明の概念を示すが、当然、同じ方法論を利用して、メタルウッド、ハイブリッド、ドライバー、ウェッジ、パター等の他の種類のゴルフクラブを設計することができる。
【0096】
留意すべきは、第1ねじりモーメント(すなわち、PCF)が、図1の回転中心15でゴルファーに影響を与える負荷であり、第2、第3及び第4ねじりモーメント(すなわち、ICF、HCF及びGCF)が、図1の手首16でゴルファーに影響を与える負荷であることである。
各々のねじりモーメントを個別に利用して、ゴルフクラブのセットをその利用者に適合させてもよい。しかしながら、留意すべきは、各々のねじりモーメントが、スウェーデン特許出願SE0702905−1号から明らかであるように、他のねじりモーメントと無関係ではないことである。ゴルフクラブのいずれかのねじりモーメントの変化は、1つ以上の追加のねじりモーメントに影響を与えることになる。4つの実施例が、各々のねじりモーメントを強調するために、以下に示される。
【0097】
PCF
平面制御因子(PCF)は、数式(6)から明らかなように、クラブ重量m、均衡点長LBP及び(ゴルファーの腕の長さに関連する)定数Lの関数である。各ゴルフクラブが所定の長さを有するゴルフクラブセットは、短いゴルフクラブの均衡点長とクラブ重量を変更することにより調節され、その短いクラブに適したPCFを定めることができる。そのPCFは、ゴルファーが振り平面と衝撃点での速度とを安定させるときに得られる。より長いゴルフクラブについて、同じ手順を繰り返し、より長いゴルフクラブに適したPCFを定める。傾斜を有する直線が、クラブ長の関数として、2つのPCF値の間に引かれる。ここで、セット内の残りのゴルフクラブについて、クラブ重量と均衡点長を調節することができる。
【0098】
PCFは、好ましくは、数式(3)から明らかなように、クラブ重量及び均衡点長の関数である衝撃制御因子(ICF)と組み合わされる。ICFと組み合わされたPCFは、図5に関連する記載から明らかなように、所与のPCFと所与のICFに最適な均衡点長及びクラブ重量を生成することになる。
【0099】
ICF
衝撃制御因子は、数式(17)から明らかなように、クラブ重量と均衡点長の関数である。各ゴルフクラブが所定の長さを有するゴルフクラブセットは、短いゴルフクラブの均衡点長とクラブ重量を変更することにより調節され、その短いクラブに適したICFを定めることができる。そのICFは、振りを通じてのゴルフヘッドと手首の動作の感触が終始一貫しているときに得られる。より長いゴルフクラブに対して、同じ手順を繰り返して、より長いゴルフクラブに適したICFを定める。傾斜を有する直線が、クラブ長の関数として、2つのICF値の間に引かれる。ここで、セット内の残りのゴルフクラブについて、クラブ重量と均衡点長を調節することができる。
【0100】
ICFは、好ましくは、クラブ重量m、均衡点長LBP及び(ゴルファーの腕の長さに関連する)定数Lの関数である平面制御因子(PCF)と組み合わされる。PCFと組み合わされたICFは、図5に関連する記載から明らかなように、所与のPCFと所与のICFに対する最適な均衡点長とクラブ重量を生成することになる。
【0101】
HCF
ヘッド制御因子は、数式(10)から明らかなように、クラブ長Lとクラブヘッド重量mkhの関数である。各ゴルフクラブが所定の長さを有するゴルフクラブセットは、短いゴルフクラブのクラブヘッド重量を変更することにより調節され、その短いクラブに適したHCFを定めることができる。そのHCFは、ボール上への衝撃がそのクラブヘッドで終始一貫しているときに得られる。より長いゴルフクラブに対して、同じ手順を繰り返して、そのより長いゴルフクラブに適したHCFを定める。傾斜を有する直線が、クラブ長の関数として、2つのHCF値の間に引かれる。ここで、セット内の残りのゴルフクラブについて、クラブヘッド重量を調節することができる。
【0102】
HCFは、好ましくは、数式(12)から明らかなように、クラブ長L、CG長LCG及びクラブヘッド重量mkhの関数であるギア制御因子(GCF)と組み合わされる。GCFと組み合わされたHCFは、スウェーデン特許出願SE0702905−1号に記載されるように、所与のHCFと所与のGCFに最適なCG長を生成することになる。
【0103】
GCF
ギア制御因子(GCF)は、特に、従来通りに設計されたゴルフクラブセットを改善するのに適している。GCFは、数式(12)から明らかなように、クラブ長L、CG長LCG及びクラブヘッド重量mkhの関数である。各ゴルフクラブが所定の長さを有するゴルフクラブセットは、短いゴルフクラブのCG長を変更することにより調節され、その短いクラブに適したGCFを定めることができる。そのGCFは、ゴルフヘッドの感触が終始一貫しているときに得られる。ゴルファーは、終始一貫してボールに働きかける(左曲がり/右曲がりを制御する)ことができ、終始一貫して振り平面に関連するヘッドの角度を制御することができる。より長いゴルフクラブについて、同じ手順を繰り返して、そのより長いゴルフクラブに適したGCFを定める。傾斜を有する直線が、クラブ長の関数として、2つのGCF値の間に引かれる。ここで、セット内の残りのゴルフクラブについて、CG長を調節することができる。
【0104】
GCFは、好ましくは、数式(10)から明らかなように、クラブ長Lとクラブヘッド重量mkhの関数であるヘッド制御因子(HCF)と組み合わされる。HCFと組み合わされたGCFは、スウェーデン特許出願SE0702905−1号に記載されるように、所与のGCFと所与のHCFに最適なCG長を生成することになる。
【0105】
より好ましくは、表1〜6の記載に関連して上に示されたように、ゴルフクラブセットを設計するときに、すべての4つのねじりモーメントを組み合わせる。しかしながら、記載されたねじりモーメントの各々は、従来のゴルフクラブセットを改善することになる。
【0106】
本発明の重要な特徴は、従来技術よりも低い/高いねじりモーメントを得ることではなく、何度も同じ振り動作を繰り返す(適切なフィードバックを得る)ことを可能にする適切な負荷をゴルファーに与え、それにより、ゴルファーのゴルフの潜在力を最大限にすることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のゴルファーのゴルフクラブセットに属し、任意のクラブ長Lk,nを有する少なくとも1本のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法であって、
各ゴルフクラブ(14;20)は、上端と下端とを有するシャフト(21)、前記シャフトの上端上のグリップ部分(22)、及び、前記シャフトの下端上に備え付けられた、ボール衝突表面を有するヘッド(23;30;40)を有し、
各ゴルフクラブは、均衡点長LBP,nが前記グリップ部分(22)の遠位端(25)から均衡点BPまでで定義される、前記均衡点BPと、クラブ重量mk、nと、シャフトの中心に沿って第1方向に垂直なCG平面内に位置する重心CGを有するクラブヘッド重量mkh,nとを有し、
前記クラブ長Lk,nが、前記第1方向に沿った、前記グリップ部分(22)の遠位端から前記平面までの第1距離として定義される方法であって、
A)第1評価基準用ゴルフクラブのクラブ長Lref,Iを選択する工程と、
B)前記ゴルファーの前記第1評価基準用ゴルフクラブの、各々の変化するクラブパラメータに対する間隔を識別するために、前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブ重量、クラブヘッド重量、CG位置及び重量分散からなる群に属する、少なくとも1つのクラブパラメータを変化させる工程と、
C)前記ゴルファーが、打ち上げ角度、スピン、搬送距離、振りテンポ、広がり角度、ボール打撃表面上のボール衝撃位置、衝撃点でのボール速度、及び衝撃点でのクラブ速度からなる群に属する少なくとも1つのパラメータの制限された幅で、ボールを再現可能に打つことができるように、各々の識別された間隔内でクラブパラメータを選択する工程と、
D)前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブ長Lref,Iとは異なる第2評価基準用ゴルフクラブのクラブ長Lref,IIを選択する工程と、
E)前記第2評価基準用ゴルフクラブに対して、B及びCを繰り返すことと、
F)前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブに対して、前記選択された少なくとも1つのクラブパラメータに基づいて、少なくとも1つのねじりモーメント(PCF,ICF,HCF,GCF)を算出する工程と、
G)クラブ長に応じた各々のねじりモーメント(PCF,ICF,HCF,GCF)の関係を、F内で算出された各々の対応するねじりモーメントに基づいて定める工程と、
H)前記ゴルフクラブセットに属する第1ゴルフクラブに対して、クラブ長Lk,Iを選択し、G内で定められた各々の関係に基づいて、前記第1ゴルフクラブに対するクラブパラメータを定める工程と、
を含むことを特徴とするゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項2】
前記工程A内の前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブ長Lref,Iが、前記工程D内の前記第2評価基準用クラブのクラブ長Lref,IIよりも短いように選択される請求項1に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項3】
前記工程Aに記載の第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブとの間のクラブ長の差Lref,II−Iが、少なくとも76.2mm(3インチ)であるように選択される、請求項2に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項4】
前記工程Gに記載の各々のねじりモーメントの関係を定める工程が、前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブに対する、対応する算出されたねじりモーメントを通過する線形関数を与えることを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項5】
前記工程Bに記載の変化するクラブパラメータが、クラブ重量の間隔と均衡点長の間隔とを識別するために、前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブ重量mと重量分散とを含み、前記工程F内で少なくとも1つのねじりモーメントを算出する工程が、
F1)前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブに対する、クラブ重量m、均衡点長LBP、及びゴルファーの腕の長さLの関数である第1ねじりモーメント(PCF)を算出する工程と、
F2)前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブに対する、クラブ重量mと均衡点長LBPの関数である第2ねじりモーメント(ICF)を算出する工程とを含み、
前記工程Gで各々のねじりモーメントの関係を定める工程が、
G1)前記工程F1で算出された第1ねじりモーメントに基づいて、クラブ長に応じた前記第1ねじりモーメント(PCF)の第1関係を定める工程と、
G2)前記F2内で算出された第2ねじりモーメントに基づいて、クラブ長に応じた前記第2ねじりモーメント(ICF)の第2関係を定める工程とを含み、
前記第1ゴルフクラブに対する前記H内で定められたクラブパラメータが、前記G1及びG2内で定められた第1及び第2関係に基づいたクラブ重量mk、1と均衡点長LBP,1とを含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項6】
前記工程F1及びF2で算出された前記第1ねじりモーメント(PCF)及び前記第2ねじりモーメント(ICF)が、
【数1】

【数2】

(式中でLは、前記ゴルファーの腕の長さであり、LBPは、均衡点長であり、aBPは、前記ゴルフクラブがゴルフボールを打つときの前記均衡点での加速度であり、aは、そのときの前記ゴルファーの手首での加速度であり、mは、前記クラブ重量)、
であるように選択される請求項5に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項7】
前記腕の長さLが、変化しない定数に選択される、請求項5または6のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項8】
前記工程Bの前記変化するクラブパラメータが、クラブヘッド重量の間隔を識別するために、前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブヘッド重量mkhを含み、前記工程F内の少なくとも1つのねじりモーメントを算出する工程が、
F3)前記第1評価基準用ゴルフクラブと前記第2評価基準用ゴルフクラブのクラブヘッド重量mkhとクラブ長Lの関数である第3ねじりモーメント(HCF)を算出する工程を含み、
前記工程G内で各々のねじりモーメントの関係を定める工程が、
G3)前記F3で算出された第3ねじりモーメントに基づいて、クラブ長に応じる前記第3ねじりモーメント(HCF)の第3関係を定める工程を含み、
前記第1ゴルフクラブに対して前記工程Hで定められたクラブパラメータが、前記工程G3で定められた第3関係に基づいたクラブヘッド重量mkh,1を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項9】
前記工程F3内で算出された第3ねじりモーメント(HCF)が、
【数3】

(Lは、クラブ長であり、aCGは、前記ゴルフクラブがゴルフボールを打つときのCGでの加速度であり、aは、そのときの前記ゴルファーの手首での加速度であり、mkhは、前記クラブヘッドの重量である)ように選択される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記B内の変化するクラブパラメータが、クラブヘッド重量の間隔とCG長の間隔とを識別するために、前記第1評価基準用ゴルフクラブのクラブヘッド重量mkhとCG長LCGとを含み、前記CG長は、前記CG平面内に配置され、前記第1方向に沿った前記シャフトの中心の延長にある前記CG平面内の零点から、
−前記重心CG、又は
−前記ボール打撃表面上の有効打中心点と前記重心CGとを通る線上の点
のうちの1つまでの距離を表し、
前記F内で少なくとも1つのねじりモーメントを算出する工程が、
F4)前記第1評価基準用ゴルフクラブ及び前記第2評価基準用ゴルフクラブのクラブヘッド重量mkhとCG長LCGの関数である第4ねじりモーメント(GCF)を算出することを含み、
前記G内で各々のねじりモーメントの関係を定める工程が、
G4)前記F4内で算出された第4ねじりモーメントに基づいて、クラブ長に応じた前記第4ねじりモーメント(GCF)の第4関係を定めることを含み、
前記第1ゴルフクラブに対して前記H内で定められたクラブパラメータが、前記G4内で定められた第4関係に基づいたクラブヘッド重量mkh,1とCG長LCG,1とを含む、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項11】
前記工程F4で算出された第4ねじりモーメント(GCF)が、
【数4】

(LCGは、CG長であり、aCGは、前記ゴルフクラブがゴルフボールを打つときのCGでの加速度であり、aは、そのときの前記ゴルファーの手首での加速度であり、mkhは、前記クラブヘッドの重量)、
であるように選択される請求項10に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項12】
選択されたクラブ長Lk,nをそれぞれ有する少なくとも1本の追加のゴルフクラブに対して、前記工程Hを繰り返し、前記工程Gで定められた各々の関係に基づいて、前記追加のゴルフクラブに対するクラブパラメータを定める、請求項1から11のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項13】
各々の追加のゴルフクラブが、互いに異なるクラブ長Lk,nを有し、これらが前記第1ゴルフクラブのクラブ長Lk,1と異なる(Lk、n≠Lk,1)、請求項12に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項14】
前記第1ゴルフクラブまたは前記追加のゴルフクラブのうちの少なくとも1本としてパターを選択する、請求項1から13のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。
【請求項15】
前記第1ゴルフクラブと前記追加のゴルフクラブが、少なくともドライバー、フェアウエーウッド、ハイブリッドクラブ、アイアンクラブ、ウェッジ及びパターを含む、請求項1から14のいずれか1項に記載のゴルフクラブのクラブパラメータを定める方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−522666(P2011−522666A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513452(P2011−513452)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000299
【国際公開番号】WO2009/151371
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(510168298)イサレン アクティエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】