説明

ゴルフクラブのシャフト及びグリップ

【課題】ゴルフクラブのシャフトに、グリップの着脱交換が誰にでも容易に行えるようにする。
【解決手段】ゴルフクラブのシャフトにグリップを挿入するシャフト端部外径部分の外周面に、グリップの長さと同等程度の長さ分の凹型の溝を備え、その窪んだ凹型の溝の両側の側壁部をテーパ状にした凹型溝を備えたゴルフクラブのシャフトである。
ゴルフクラブにグリップを着けるシャフト端部外径部分の外周面を、グリップの長さと同等程度の長さ分の五角形、乃至、六角形の多角形の形状にし、その多角形の外周面をテーパ状にしたゴルフクラブのシャフトである。
凹型溝シャフト用グリップの内径円周面に、グリップの長さと同等程度の長さ分の、テーパ状凸型突起部を備えたゴルフクラブのグリップである。
多角形状シャフトに装着するグリップの内径円周面を、前記シャフトと同程度の長さ分の五角形、乃至、六角形の多角形の形状にし、その多角形の各面をテーパ状にしたグリップである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのシャフトに、グリップの装着及び取り外し交換が簡単に出来る機能を、シャフトとグリップの双方に備えた、ゴルフクラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のゴルフクラブのシャフトとグリップは、両面テープや接着剤等でシャフトに強固に固定されているため、グリップ交換をするためにはカッター等でグリップを切開し、強固に接着固定されているシャフトよりグリップを剥ぎ取る作業も大変であり不便であった。
【0003】
個人でグリップ交換をする際に、両面テープや接着剤を付けたシャフトにグリップを挿入させる作業には、相当な熟練した交換技術を必要とし不便であった。
【0004】
また、グリップの交換後は風通しの良い場所に24時間以上放置して、シャフトにグリップを完全に定着させてからでないとゴルフクラブの使用が出来ない等、不便であった。
【0005】
従来のゴルフクラブをゴルフバッグ(キャディーバッグ)より出し入れする場合、ゴルフクラブ同士が絡み合い、また、グリップ同士が引っかかり合い、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)からのクラブの出し入れがスムーズに出来ず大変に不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
従来のゴルフクラブ用グリップには、グリップ内径部に凸部を施したものがある。(特許文献1.2参照)
【特許文献1】特許公開2003−180892号公報
【特許文献2】特許公開2007−185252号公報
【0007】
また、シャフトとヘッド部の交換が容易に出来る方法として、特許文献3に記載のものがある。
【特許文献3】特許公開2000−5349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のゴルフクラブのシャフトとグリップは、両面テープや接着剤等でシャフトに強固に固定されているため、グリップ交換をするためにはカッター等でグリップを切開し、強固に接着固定されているシャフトよりグリップを剥ぎ取る作業も大変であり、シャフトよりグリップの交換がスムーズに行えないなど欠点があった。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みて成されたものであり、その目的は従来のゴルフクラブでは成し得なかったゴルフクラブのシャフトからグリップの着脱交換が簡単に出来、且つ、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)からのゴルフクラブの出し入れが容易に行えるように解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ゴルフクラブにグリップを装着するシャフトの外径部分に、そのグリップを挿入するシャフトの端部よりヘッド部側に向け、そのシャフトの外径部分をグリップの長さと同等程度分の長さ分をテーパ状にしたシャフトである。
【0011】
前記シャフト外径部分のテーパ形状は、シャフトのグリップ挿入口側端部を細く、ヘッド部側に向け太くなる形状である。
【0012】
前記シャフトのテーパ部分にグリップを装着するシャフト外径部分のテーパ状外周面に、シャフト端部側からヘッド部側に向けて、グリップの長さと同等程度分の長さの凹型の溝を備え、その窪んだ凹型溝の両側の側壁部をテーパ状にした凹型溝を備えたゴルフクラブのシャフトである。
【0013】
前記シャフトの凹型溝の側壁部のテーパ形状は、シャフト端部のグリップ挿入口部分の幅を広く、シャフトのヘッド部側に向けて幅が狭くなるテーパ形状である。
【0014】
凹型溝のテーパ部の長さは、概ねグリップの長さと同等程度の26cm〜27cm程度の長さである。
【0015】
前記シャフト用グリップの内径円周面にグリップの長さと同等程度の長さ分の、テーパ状凸型突起部を備えたゴルフクラブ用のグリップである。
【0016】
グリップ内径円周面の凸型突起部のテーパ形状は、シャフトへの挿入口側の凸型突起部側壁部分の幅を狭く、グリップエンド部側に向け、凸型突起部の側壁部の幅が広くなるテーパ形状である。
【0017】
テーパ状凹型溝のついたシャフトに、テーパ状凸型突起部のついたグリップをシャフトの端部側より挿入させシャフトとグリップを合致、固定させ、且つ、シャフトよりグリップが抜け出すのを防止するための固定止めネジ用の雌ネジ部を、グリップを挿入するシャフト端部の内径部に備えたシャフトである。
【0018】
シャフト端部の内径部に備えられているグリップの固定止めネジ用雌ネジ部分の長さは、概ね1cm〜1.5cm程度で十分である。
【0019】
ゴルフクラブ用シャフトの凹型溝へグリップの凸型突起部を挿入させることにより、シャフトの凹型溝についているテーパと、グリップの内径円周面についている凸型突起部のテーパがシャフトへのグリップを挿入終了点で双方の凹凸部のテーパが合致し、グリップエンド部の端部分を固定止めネジで圧着させシャフトとグリップが固定されるため、使用中にシャフト軸とグリップが回転することがなく、安全に使用出来るようにしたゴルフクラブである。
【0020】
グリップを装着したシャフト端部の内径部に備えた雌ネジ部に固定止めネジを取り着けた後、固定止めネジが緩みシャフトの雌ネジ部より固定止めネジの離脱や事故などを防止するため、固定止めネジ用の雄ネジ部の長さを概ね1.5cm〜2.0cmと長めにすることで、固定止めネジが離脱する不測の事故が起きないようにした固定止めネジである。
【0021】
シャフト端部の雌ネジ部に着けた固定止めネジの緩みの程度にもよるが、グリップと固定止めネジの接する部分が5ミリ程度の緩んだ隙間が開くとグリップとシャフトが固定されていないため、グリップとシャフト間の遊びに使用者が気づくことにより、再度固定止めネジを締め直しすることに依り事故防止が出来る。
【0022】
グリップエンド部側のグリップ輪切り断面の肉厚部分を固定止めネジが緩むのを防止するための、グリップ輪切り断面一周3波程度のゆるやかな波状の起伏をつけたグリップである。
【0023】
グリップエンド部側のグリップ輪切り断面の肉厚部分と接する固定止めネジ側の接触面の部分に、固定止めネジが緩むのを防止するための接触面一周3波程度のゆるやかな波状の起伏にした固定止めネジである。
【0024】
ゴルフクラブにグリップを装着するシャフト端部外径部分の外周面を、グリップの長さと同等程度の長さ分の五角形、乃至、六角形の多角形の形状面にしたゴルフクラブのシャフトである。
【0025】
前記シャフトの多角形の外周面をテーパ状にしたゴルフクラブのシャフトである。
【0026】
前記シャフトの多角形外周面のテーパ形状は、グリップを挿入するシャフトの端側を細く、シャフトのヘッド部側に向け太くしたテーパである。
【0027】
前記シャフトに装着するグリップの多角形内径円周面を、前記シャフトと同様の五角形、乃至、六角形の多角形の形状面にしたゴルフクラブのグリップである。
【0028】
シャフトのヘッド部側、乃至、シャフトのグリップ側の双方に凹型溝又は多角形の形状の機能をシャフトの外径部分に備えることに依り、ヘッド部、シャフト部、グリップ部の着脱交換が容易になり、各部を使用者自身のフィリングに合わせた自由な組み合わせが出来るゴルフクラブである。
【0029】
グリップ内径面に備えた、凸型突起部の突き出た凸部の高さはグリップ内径面より2mm程度の高さを有し、そのグリップ内径面より突き出た凸部分の幅は2mm〜3.5mm程度の範囲内のテーパ状凸型突起部である。
【0030】
グリップを装着するシャフト外径部の外周面部分に備えた凹型溝の深さは、シャフト外周面より2.5mm程度の深さを有し、そのシャフト外周面に備えた凹型溝の溝幅は3.5mm〜2mm程度の範囲内のテーパ状凹型溝である。
【0031】
シャフト外径面に備えた凹型溝の形状、乃至、グリップ内径面に備えた凸型突起部凸部分の形状は四角形の形状である。
【0032】
テーパ状凸型突起部を備えたグリップをシャフトのテーパ状凹型溝に挿入、シャフト、グリップ双方の凹凸部が合致した時点で、凹型溝の溝底部とグリップ内径面の凸型突起部の突き出た凸部分が直接、接することのないよう双方の間に少なくとも0.5mm程度の隙間があり、凹型溝の底部と凸型突起部の突き出た凸部分が直接、接しない構成である。
【0033】
テーパ状凸型突起部を備えたグリップをシャフトのテーパ状凹型溝に挿入、シャフト、グリップ双方の凹凸部を合致させた状況でグリップの外径表面上に捻れや起伏等の変化が生じない構造である。
【0034】
シャフトのテーパ状凹型溝にテーパ状凸型突起部のついたグリップをシャフトに挿入装着し、ゴルフクラブを使用する際に、凹凸双方の合致している機能部が合致点から外れたり、シャフトとグリップが固定されずに回転等の状況が起きることのない充分な深さの凹型溝と凸型突起部の凸部の高さが充分な高さと強度を有した機能である。
【0035】
ゴルフクラブ用グリップ本体の内径孔は、シャフトへのグリップの挿入口側からグリップエンド部まで、グリップ本体の中芯軸を素通しに貫通した筒状である。
【0036】
テーパ状凹型溝のシャフトに、テーパ状凸型突起部のついたグリップを挿入させ、双方の合致した凹凸の側壁部が使用時に於いて、合致した凹凸部が外れたり、グリップに変形が生じない強度を有した構成である。
【発明の効果】
【0037】
ゴルフクラブのシャフト、及び、グリップの双方に着脱を容易に行える機能としてシャフトにテーパ状凹型溝を備え、グリップにテーパ状凸型突起部を備えたことに依り、いつでも、どこででも、誰にでも、簡単にシャフトよりグリップの着脱交換が自由に行えるゴルフクラブである。
【0038】
シャフトからグリップの着脱交換が自由に出来るため、イニシャルや好みの柄などを付けたマイグリップや握力の弱い方にあっては、グリップの太さを自分の握力に合わせたマイグリップを作ることに依り、使用者にとってはいろいろな楽しみ方が期待出来る。
【0039】
従来のゴルフクラブをゴルフバッグ(キャディーバッグ)から出し入れする場合、ゴルフクラブ同士が絡み合い、また、グリップ同士が引っかかり合い、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)からクラブの出し入れが大変であったが、本発明のゴルフクラブはシャフトよりグリップを外した状態でゴルフバッグ(キャディーバッグ)に収納出来るためゴルフクラブ同士の引っかかり合いも無くなり、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)よりゴルフクラブの出し入れが容易である。
【0040】
ゴルフクラブ用ヘッド部のホーゼルにゴルフクラブのシャフトを装着するための機能として、凹型溝、乃至、凸型突起部の機能をヘッド部ホーゼルに備えることに依り、ヘッド部、シャフト部、グリップ部の各部分が分離出来るためコンパクトな収納が可能になり、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)のスリム化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1はゴルフクラブの全体図、乃至、グリップ部構成の断面説明図である。(実施例1)
【図2】図2はシャフト端部の内径部に、グリップの固定止めネジ用の雌ネジ部を備えたシャフトの断面説明図である。
【図3】図3はシャフト外周面にテーパ状凹型溝を備えたシャフトの説明図である。
【図4】図4は図3に記載の、シャフトの断面説明図である。
【図5】図5は図4に記載の、シャフト端部の内径部に固定止めネジ用の雌ネジ部を備えたシャフトの断面説明図である。
【図6】図6は図5に記載のシャフトに、テーパ状凸型突起部を備えたグリップを装着したシャフトとグリップの断面説明図である。
【図7】図7は図6に記載の、シャフトの雌ネジ部の説明図である。
【図8】図8は図6に記載のシャフトに、グリップの固定止めネジを装着した状態の断面説明図である。
【図9】図9はグリップの内径部に凸型突起部を備えたグリップの説明図である。
【図10】図10はグリップの内径部にテーパ状多角形面を備えたグリップの説明図である。
【図11】図11はテーパ状シャフトの外径面にテーパ状多角形面、乃至、シャフト端部に固定止めネジ用雌ネジ部を備えたシャフトの説明図である。
【図12】図12は図11に記載のシャフトに、図10のグリップを装着した状態の断面説明図である。
【図13】図13はシャフトにグリップを固定させる、固定止めネジの断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
ゴルフクラブのシャフトにグリップを取り着けるシャフト端部外径部分の外周面に、グリップの長さと同等程度の長さ分の凹型の溝を備え、その窪んだ凹型の溝の両側の側壁部をテーパ状にして、また、グリップの内径円周面にグリップの長さと同等程度の長さ分のテーパ状の凸型突起部を備え、シャフトの凹型溝へグリップの凸型突起部部分を挿入させることにより、挿入終了点でシャフトとグリップ双方の凹凸部のテーパ部を合致させ、シャフトに備えた固定止めネジ用の雌ネジ部に固定止めネジを装着固定させることに依り安全に、且つ、機能的に使用が出来るゴルフクラブである。
【実施例1】
【0043】
図1は、本発明の機能である、シャフトのテーパ状凹型溝にグリップのテーパ状凸型突起部を挿入合致させ、シャフトにグリップを固定止めネジで固定した、完成図である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の機能を活用することに依り、シャフトへのグリップの交換が容易にできるようになり、使用者にとっての利用範囲の広がりが期待できる。
【0045】
また、本発明の機能を活用することに依り、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)への収納や取り出しが容易になり、ゴルフバッグ(キャディーバッグ)のスリム化が期待できる。
【符号の説明】
【0046】
1 シャフト
2 グリップ部
3 シャフトのテーパ状凹型溝
4
シャフトのテーパ状凹型溝の側壁部
5
シャフトのテーパ状外周面
6
グリップの凸型突起部
7
シャフト外径部の多角形状部
8
グリップ内径部の多角形状面
9
シャフトの内径部
10
雌ネジ部
11
雌ネジ
12
固定止めネジ
13
固定止めネジの雄ネジ部
14
シャフトのテーパ状凹型溝の底部
15
グリップ内径部
16
ヘッド部
17
テーパ部
18
固定止めネジ部のマーカ用の孔
19
グリップ挿入のシャフト側の端部
20
固定止めネジのグリップを圧着する面
21
シャフトのテーパ状多角形外周面
22
クリップのシャフトへの挿入口
23
グリップエンド部の端部面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのシャフトに、グリップを装着するシャフト外径部の外周部分にグリップ挿入するシャフトの端部側を細く、そのシャフト外周部分をヘッド部側に向けてシャフト外径部の外周面が太くなるテーパ形状であって、グリップの長さと同等程度の長さ分のテーパ形状を、グリップを装着するシャフト外径部の外周面部分に備えたことを特徴とする、ゴルフクラブのシャフト。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフクラブに、グリップを装着するシャフトの外径部分のテーパ状外周面に、グリップの長さと同等程度の長さ分の凹型溝を備え、その窪んだ凹型溝のグリップを挿入するシャフト端部側の両側側壁部の幅を広く、ヘッド部側に向けて凹型溝の両側側壁部の幅が狭くなるテーパ状凹型溝の形状であり、グリップの長さと同等程度の長さであるテーパ状凹型溝の機能を、グリップを挿入するシャフトの外周面に備えたことを特徴とする、ゴルフクラブのシャフト。
【請求項3】
請求項2に記載のテーパ状凹型溝を備えたゴルフクラブのシャフトに、凸型突起部のついたグリップを挿入するシャフト端部分の内径部に、シャフトのテーパ状凹型溝に装着した凸型突起部のついたグリップを固定させる為の、固定止めネジ用の雌ネジ部を備えたことを特徴とする、ゴルフクラブのシャフト。
【請求項4】
請求項1に記載のゴルフクラブのシャフトに、グリップを装着するシャフト端部外径部分の外周面を、グリップの長さと同等程度の長さ分をテーパ状五角形、乃至、六角形等の多角形の形状の機能を、グリップを挿入、装着するシャフトの外径部分の外周面に備えたことを特徴とする、ゴルフクラブのシャフト。
【請求項5】
請求項2に記載のテーパ状凹型溝を備えたゴルフクラブのシャフトにグリップを装着、合致させるための機能として、グリップの内径円周面にグリップの長さと同等程度の長さ分のテーパ状凸型突起部をグリップの内径円周面に備えたことを特徴とする、ゴルフクラブ用グリップ。
【請求項6】
請求項4に記載のゴルフクラブのシャフトに多角形状面にしたグリップを装着、合致させるための機能として、グリップの内径円周面をグリップと同等程度の長さ分のテーパ状多角形状面にした機能を備えたことを特徴とする。ゴルフクラブ用グリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−279528(P2010−279528A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134799(P2009−134799)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(504468654)
【Fターム(参考)】