説明

ゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブ

【課題】打撃時におけるシャフトの振動減衰機能を有するとともに、打球を安定させる機能を有するゴルフクラブ用シャフトを提供する。
【解決手段】繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層12と、繊維方向がシャフト軸方向に対して内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層14とが積層され、かつ、グリップ18の装着箇所の先端位置近傍を縦方向後端20として、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層22が、内側バイアス層と外側バイアス層との間に配置されたシャフトとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂により形成されたゴルフクラブ用シャフトおよびそれを用いたゴルフクラブに関し、さらに詳述すると、打撃時の振動特性および打球の安定性を向上させたゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、打撃時における振動特性を向上させたゴルフクラブ用シャフトとして、中空筒状体からなるシャフトにおいて、シャフトの中空筒状体内に発泡体を充填したものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
プレーヤーがクラブヘッドのオフセンターで打撃すると、シャフトが変則的に振動し、不快なしびれ感が生じるが、特許文献1のゴルフクラブ用シャフトは、シャフトの中空筒状体内に発泡体を充填したので、発泡体の振動吸収特性によりオフセンター打撃時でもシャフトの変則的な振動が減少し、不快なしびれ感が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−182007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のゴルフクラブ用シャフトは、発泡体の振動吸収特性によりオフセンター打撃時におけるシャフトの変則的な振動を減少させることはできるが、打球を安定させる機能を有するものではなかった。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、打撃時におけるシャフトの振動減衰機能を有するとともに、打球を安定させる機能を有するゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、下記第1発明のゴルフクラブ用シャフトおよび第2発明、第3発明のゴルフクラブを提供する。
【0008】
(第1発明)
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたゴルフクラブ用シャフトにおいて、シャフト先端からシャフト長さの55〜80%の範囲、より好ましくは56〜76%の範囲において、縦方向長さが110〜150mm、より好ましくは120〜140mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ用シャフト。
【0009】
(第2発明)
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたシャフトを用いたゴルフクラブにおいて、前記シャフトは、シャフト後端から235〜270mmの位置、より好ましくは245〜260mmの位置を縦方向後端として、縦方向長さが110〜140mm、より好ましくは120〜130mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ。
【0010】
(第3発明)
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたシャフトを用いたゴルフクラブにおいて、前記シャフトは、グリップ装着箇所の先端位置近傍を縦方向後端として、縦方向長さが110〜150mm、より好ましくは120〜140mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ。
【0011】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、概ねグリップ装着箇所の先端位置近傍を縦方向後端として、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層が、内側バイアス層と外側バイアス層との間に配置されている。そのため、上記制振材シート層の振動減衰作用により、打撃時におけるシャフトの振動が小さくなるとともに、振動が早く減衰するようになるため、打感が向上する。また、本発明のゴルフクラブ用シャフトは、上記制振材シート層配置部分のシャフト剛性が低くなり、シャフトの制振材シート層配置部分がしなりやすくなる結果、シャフトが全体的にしなるようになるため、シャフトが振りやすくなって打球が安定する。
【0012】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明のゴルフクラブ用シャフトは、強化繊維が一方向に沿って配列された繊維強化樹脂層を複数層有する。上記強化繊維としては、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維等の1種以上を挙げることができる。また、繊維強化樹脂層の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の1種以上を挙げることができる。さらに、副資材として硬化剤、硬化促進剤、充填材、離型剤、顔料などを用いることができる。
【0013】
本発明のシャフトにおける繊維強化樹脂層は、例えば、芯金(マンドレル)にプリプレグシートを巻き、これを加熱硬化させるシートワインディング法により形成することができる。プリプレグシートとしては、平行に引き揃えたロービングやクロス、マットといった強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させて作製したものを用いることができる。本発明における繊維強化樹脂層としては、前述した内側バイアス層および外側バイアス層が必須である。内側バイアス層および外側バイアス層の繊維方向とシャフト軸方向との角度は、35〜55°とすることが適当である。
【0014】
また、本発明のシャフトは、第1発明では前述した範囲において、第2、3発明では前述した位置を縦方向後端として、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層が、内側バイアス層と外側バイアス層との間に配置されている。この場合、上記制振材シート層としては、ポリエステル系樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散したポリエステル系樹脂組成物からなるものを好適に用いることができる。上記ポリエステル系樹脂組成物は、振動エネルギーを効率よく吸収し、優れた制振効果を有する。また、上記ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル系樹脂が挙げられる。上記導電性材料としては、例えば、無機系では銀、鉄、鉛、銅、銅合金、ニッケル、低融点合金などの金属粉末や金属繊維;貴金属を被覆した銅や銀の微粒子;酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属酸化物の微粒子やウイスカー;各種カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの導電性カーボン粉末;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長黒鉛などのカーボン繊維、有機系では低分子界面活性剤型帯電防止剤;高分子系帯電防止剤;ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー;金属を被覆したポリマー微粒子などが挙げられる。上記フィラーとしては、例えば、マイカ鱗片、ガラス片、セリサイト、グラファイト、タルク、アルミニウムフレーク、窒化硼素、二硫化モリブデン、黒鉛などの鱗片状充填材が挙げられる。
【0015】
制振材シート層を形成する制振材料としては、特開2006−52377号公報および特開2008−189854号公報に開示されたものを好適に用いることができ、より具体的には、三菱ガス化学株式会社製「ネオフェード」(商品名)を好ましく使用することができる。
【0016】
本発明のゴルフクラブ用シャフトにおける内側バイアス層、外側バイアス層および制振材シート層からなる層は、内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの間に制振材シートを配置した状態で内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとを積層し、この内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻くことにより形成することができる。すなわち、制振材シートとしては、通常、ポリエステル樹脂組成物からなるシート状で粘着性を有さないものを使用するが、上記のように制振材シートを挟み込んだ内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻き、内側バイアス層と外側バイアス層との間に制振材シートを挟み込むことで、制振材シートとして粘着性を有さないものを用いた場合でも、制振材シートの剥離を防止することができる。
【0017】
また、上記のように制振材シートを挟み込んだ内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻く場合、制振材シートは、内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体の芯金への巻き始めの位置に配置することが好ましい。このようにすると、最内層である内側バイアス層とその外側の外側バイアス層との間に制振材シートが挟み込まれるので、繊維強化樹脂層と制振材シート層とが十分に固着しなくても、シャフトの性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0018】
さらに、上記のように制振材シートを挟み込んだ内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻く場合、制振材シートは芯金に1周巻かれ、内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体は芯金に4〜6周巻かれるようにすることが適当であり、これにより制振材シートが芯金の近くに巻かれることにより、シャフト表面の凹凸が少なくなり、また、制振材シートが内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとに囲まれて挟み込まれるので、成形時に制振材シートの位置がずれにくく、また、使用時に制振材シートが剥離しにくいという効果を得ることができる。
【0019】
本発明において、内側バイアス層、外側バイアス層および制振材シート層からなる層をシャフトの内側層とした場合、必要に応じ、外側バイアス層の外側に、繊維方向がシャフト軸方向と一致するストレート層、繊維方向がシャフト軸方向と直交するフープ層などを適宜形成することができる。また、シャフト最外層には塗装を施すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るゴルフクラブ用シャフトおよびゴルフクラブは、下記の効果を奏する。
(ア)制振材シート層の振動減衰作用により、打撃時におけるシャフトの振動が小さくなるとともに、この振動が早く減衰するようになるため、打感が向上する。(イ)制振材シート層配置部分のシャフト剛性が低くなり、シャフトの制振材シート層配置部分がしなりやすくなる結果、シャフトが全体的にしなるようになるため、シャフトが振りやすくなって打球が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトの一実施形態を示す模式的正面図である。
【図2】図1A−A線に沿った模式的拡大断面図である。
【図3】制振材シートの一例を示す寸法図である。
【図4】図1のゴルフクラブ用シャフトの製造工程の一例を示す説明図である。
【図5】図1のゴルフクラブ用シャフトの振動減衰効果を示すグラフである。
【図6】図1のゴルフクラブ用シャフトの剛性分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係るゴルフクラブ用シャフトの一実施形態を示す模式的正面図、図2は図1A−A線に沿った模式的拡大断面図であり、本例は男性用のドライバー用シャフトである。
【0023】
本例のゴルフクラブ用シャフト10は、繊維強化樹脂層として、内側から順に、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層12、繊維方向がシャフト軸方向に対して内側バイアス層12とは逆方向に傾斜した外側バイアス層14、および、繊維方向がシャフト軸方向と一致するストレート層16を有する。各繊維強化樹脂層12、14、16は、それぞれ、平行に引き揃えたカーボン繊維(ロービング)にエポキシ樹脂あるいは不飽和ポリエステル樹脂を含浸させて作製したシート状の1枚のプリプレグシートを芯金に4〜6周巻くことによって形成されている。ただし、内側バイアス層12と外側バイアス層14は、これらを形成するプリプレグシートを予め重ね合わせた状態で巻くことにより形成されている。
【0024】
また、本例のゴルフクラブ用シャフト10は、グリップ18の装着箇所の先端位置近傍を縦方向後端20として、ポリエステル系樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散したポリエステル系樹脂組成物(三菱ガス化学株式会社製「ネオフェード」(商品名))からなる縦方向長さaが130mmの制振材シート層22が、内側バイアス層12と外側バイアス層14との間に配置されている。上記制振材シート層22の配置位置は、シャフト先端(ヘッド側のシャフトチップ端)からシャフト長さbの64.1〜75.2%の位置範囲であり、上記制振材シート層22の縦方向後端20の位置は、シャフト後端(グリップ側のシャフトバット端)から257mm(距離d)の位置である。なお、上記64.1%は制振材シート層22の先端位置の数値(計算式:(c−a)/b×100)、75.2%は制振材シート層22の後端位置の数値(計算式:c/b×100)である。制振材シート層22は、制振材シートを芯金に1周巻くことによって形成されている。制振材シートは、図3に示すように等脚台形状のもので、その寸法は、長辺が130mm、短辺が30mm、幅が40mm、厚さが0.145mmである。
【0025】
なお、上記例では男性用のドライバー用シャフトを示したが、このシャフトおよびその他のシャフトにおける制振材シート層の配置箇所を下記表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
本例のゴルフクラブ用シャフトは、例えば、下記のようにプリプレグシートを用いたシートワインディング法によって製造することができる。
(1)図4(a)に示すように、繊維方向30がシャフト軸方向32に対して45°傾斜した内側バイアス層用プリプレグシート34、繊維方向30がシャフト軸方向32に対して内側バイアス層用プリプレグシート34とは逆方向に45°傾斜した外側バイアス層用プリプレグシート36、繊維方向30がシャフト軸方向32と一致するストレート層用プリプレグシート38、および、ポリエステル系樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散したポリエステル系樹脂組成物からなる制振材シート40を準備する。
(2)図4(b)に示すように、内側バイアス層用プリプレグシート34と外側バイアス層用プリプレグシート36とをそれらの間に制振材シート40を挟んだ状態で重ね合わせる。この場合、芯金42への巻き始め部分に制振材シート40を配置する。
(3)内側バイアス層用プリプレグシート34と外側バイアス層用プリプレグシート36とを重ね合わせたものを芯金42に巻いた後、その外側にストレート層用プリプレグシート38を巻き、さらに外側にテープを巻く。
(4)プリプレグシートを高温の炉で加熱硬化させる。
(5)シャフト成型後、芯金とテープを取り除き、ストレート層の外周面をヤスリで削って平滑にした後、ストレート層の外周面に塗装を施す。
【0028】
図1のゴルフクラブ用シャフトの振動特性を図5に示す。図5は、図1のシャフトを用いてゴルフクラブを作製した後、クラブを吊るして、ヘッドのオフセンター箇所をハンマーで叩いて、シャフトの振動を加速度計で測定したものである。上記オフセンター箇所は、フェース面のセンターからトウ側に20mm離れた箇所とした。図5より、制振材シート層を設けた本例のシャフトは、打撃時におけるシャフトの振動が小さいとともに、振動が早く減衰することがわかる。
【0029】
図1のゴルフクラブ用シャフトの剛性分布を図6に示す。図6より、制振材シート層を設けた本例のシャフトは、シャフト先端から750〜880mmの制振材シート層配置箇所で、制振材シート層を配置しないものより剛性が低くなっており、これによりシャフトが全体的にしなるようになって、打球が安定することがわかる。
【符号の説明】
【0030】
10ゴルフクラブ用シャフト
12 内側バイアス層
14 外側バイアス層
16 ストレート層
18 グリップ
20 制振材シート層の縦方向後端
22 制振材シート層
30 繊維方向
32 シャフト軸方向
34 内側バイアス層用プリプレグシート
36 外側バイアス層用プリプレグシート
38 ストレート層用プリプレグシート
40 制振材シート
42 芯金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたゴルフクラブ用シャフトにおいて、シャフト先端からシャフト長さの55〜80%の範囲において、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ用シャフト。
【請求項2】
前記制振材シート層は、ポリエステル系樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散したポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項3】
前記内側バイアス層、外側バイアス層および制振材シート層からなる層は、内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの間に制振材シートを配置した状態で内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとを積層し、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻くことにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項4】
前記制振材シートは、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体の芯金への巻き始めの位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項5】
前記制振材シートは芯金に1周巻かれ、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体は芯金に4〜6周巻かれることを特徴とする請求項3または4に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項6】
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたシャフトを用いたゴルフクラブにおいて、前記シャフトは、シャフト後端から235〜270mmの位置を縦方向後端として、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ。
【請求項7】
強化繊維が一方向に沿って配列された複数の繊維強化樹脂層を有し、かつ、前記繊維強化樹脂層として、繊維方向がシャフト軸方向に対して傾斜した内側バイアス層と、繊維方向がシャフト軸方向に対して前記内側バイアス層とは逆方向に傾斜した外側バイアス層とが積層されたシャフトを用いたゴルフクラブにおいて、前記シャフトは、グリップ装着箇所の先端位置近傍を縦方向後端として、縦方向長さが110〜150mmの制振材シート層が、前記内側バイアス層と前記外側バイアス層との間に配置されていることを特長とするゴルフクラブ。
【請求項8】
前記制振材シート層は、ポリエステル系樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散したポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項6または7に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記内側バイアス層、外側バイアス層および制振材シート層からなる層は、内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの間に制振材シートを配置した状態で内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとを積層し、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体を芯金に巻くことにより形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項10】
前記制振材シートは、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体の芯金への巻き始めの位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
前記制振材シートは芯金に1周巻かれ、前記内側バイアス層用プリプレグシートと外側バイアス層用プリプレグシートとの積層体は芯金に4〜6周巻かれることを特徴とする請求項9または10に記載のゴルフクラブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−56118(P2011−56118A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210469(P2009−210469)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(592014104)ブリヂストンスポーツ株式会社 (652)
【Fターム(参考)】