説明

サイクロン式電気掃除機

【課題】 フィルタに濾過する空気に含まれる塵埃を低減させることが可能なサイクロン式電気掃除機を提供することを目的とする。
【解決手段】 吸引筒18によってタンク内16内へ導かれた塵埃を含む空気が旋回流により遠心分離によって塵埃と空気とを分離するが、タンク16内の上方で分離された塵埃(特に防塵傘20付近)がタンク16内の底へ堆積せず吸引モータ11の吸引力により、吸引されても防塵傘20により、吸引された塵埃が防塵傘20に衝突して、タンク16内の底へ落下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気を旋回流にすることにより遠心分離により塵埃を含む空気中から塵埃を分離するサイクロン方式の集塵部を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクロン方式の集塵部を備えた電気掃除機は、塵埃の集塵量の増加に伴う吸気能力の低下が少ないことや、紙パックのような集塵のための消耗品が不要であることなどの特徴を有している。
【0003】
上記のサイクロン方式の集塵部を備えた電気掃除機は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されており、吸気された集塵を含む空気を旋回流に形成することによって遠心分離より空気中から集塵を分離し、分離された塵埃を集塵部の下部に体積させるように構成されている。
【0004】
そこで、図3に従来のサイクロン方式の電気掃除機の掃除機本体の構成を示す。掃除機本体100に内蔵された電動送風機101を回転させることにより、先端に吸込具が連結された吸気ホース(図示略)が接続される吸気口102から吸引された塵埃を含む空気は、吸気を旋回流に形成する誘導流路103から塵埃分離室104内に流入する。塵埃分離室104は、図4に示すように、略円筒形に形成され、誘導流路103により吸気された空気の流れ方向が円筒の接線方向になり、流路断面積が挟められることにより、塵埃分離室104内に流入した空気は高速旋回流となり、旋回流による遠心分離により空気中から塵埃が分離され、分離された塵埃は流入口105から一部の空気と共に塵埃収容室106に流入し、塵埃収容室106の底に体積する。塵埃収容室106の空気は略中央部から第1フィルタ107を通り、塵埃分離室104の空気と共に第2フィルタ108を通って電動送風器101に吸引される。
【特許文献1】特開2000−342492号公報
【特許文献2】特開平9−253011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のサイクロン式電気掃除機は、フィルタに空気を濾過して排気しているが、フィルタに濾過する空気に含まれる塵埃の低減を目的とした技術が開示されていない。
【0006】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、フィルタに濾過する空気に含まれる塵埃を低減させることが可能なサイクロン式電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載のサイクロン式電気掃除機は、塵埃を含む空気が集塵ケースに導かれ、遠心分離により空気中から塵埃を分離して集塵するサイクロン式電気掃除機において、集塵ケースの上方に設けられたフィルタが防塵部材を備え、集塵ケース内の空気を排気する際に排気する空気が、フィルタが捕捉する排気する空気に含まれる塵埃を防塵部材によって低減することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のサイクロン式電気掃除機であって、防塵部材は略円錐形であり、底面の直径がフィルタよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のサイクロン式電気掃除機であって、防塵部材はフィルタの下部に設けられ、着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルタに防塵部材を設けることで、フィルタで濾過する空気に含まれる塵埃の低減させることで、フィルタの使用寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、図を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるサイクロン式電気掃除機の構成を示した図である。
図1(a)は、サイクロン式電気掃除機を上から見た図である。図1(b)は、サイクロン式電気掃除機を横から見た図である。
サイクロン式電気掃除機10は、ケース12がクランプ14によって略円筒形のタンク16を密封状態にしている。ケース12内には、吸引モータ19が設けられ、下部には、排気口15が設けられている。タンク16には、覗き窓17が設けられ、ゴミの堆積量を見ることができる。
【0012】
吸引口11には、図示ないが、先端に吸込具を着脱可能に装着した延長管が手元ハンドルに連結され、手元ハンドルから延出するホースがホース継ぎ手によって掃除機本体10に連結されている。
【0013】
タンク16内に堆積した塵埃を廃棄する際には、クランプ14を外すことで、ケース12とタンク16から分離することができ、タンク16とケース12との接続部分が開口状態となり、そこから堆積した塵埃を廃棄することができる。
【0014】
図2に示すように、吸引口11から吸引された塵埃を含む空気は、タンク16の内周面に沿って、斜めに突き出した形状の吸気筒18を通りタンク16内へ導かれる。塵埃を含む空気は、タンク16内で矢印30のようにタンク16内の内周面に沿って高速の旋回流となって下向き傾斜の流路を流れ、遠心分離によって空気中から塵埃が分離される。遠心分離よって分離された塵埃は自重によりタンク16内の底へ堆積していく。
【0015】
旋回流していた空気は塵埃が分離され、タンク16内の底へ衝突する。タンク16内に対流している空気は、ケース12内の吸引モータ11によって吸引され、空気は矢印40のように、タンク16内の上方へ吸引されていく。上方へ吸引される空気は、防塵傘20の左右からフィルタ17へ導かれ、フィルタ17を通った空気は排気口15から排気される。
【0016】
防塵傘20は、略円錐形の形状で底面がフィルタ17の直径よりも大きくなっている。防塵傘20は、吸引される空気に含まれる塵埃(特に質量が大きい塵埃)が防塵傘20へ衝突することでフィルタ17が詰まるような塵埃が取り除かれる。
【0017】
また、吸引筒18によってタンク内16内へ導かれた塵埃を含む空気が旋回流により遠心分離によって塵埃と空気とを分離するが、タンク16内の上方で分離された塵埃(特に防塵傘20付近)がタンク16内の底へ堆積せず吸引モータ11の吸引力により、吸引されても防塵傘20により、吸引された塵埃が防塵傘20に衝突して、タンク16内の底へ落下する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は、サイクロン式電気掃除機を上から見た図である。(b)は、サイクロン式電気掃除機を横から見た図である。
【図2】(a)は、サイクロン式電気掃除機の内部を上から見た図である。(b)は、サイクロン式電気掃除機の断面を示した図である。
【図3】従来のサイクロン式電気掃除機の部分断面図である。
【図4】従来のサイクロン式電気掃除機の塵埃分離室の構成を示し断面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 サイクロン式電動掃除機
11 吸引モータ
12 ケース
13 電源コード
14 クランプ
15 排気口
16 タンク
17 フィルタ
18 吸引筒
20 防塵傘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を含む空気が集塵ケースに導かれ、遠心分離により空気中から塵埃を分離して集塵するサイクロン式電気掃除機において、
前記集塵ケースの上方に設けられたフィルタが防塵部材を備え、
前記集塵ケース内の空気を排気する際に前記排気する空気が、前記フィルタが捕捉する排気する空気に含まれる塵埃を前記防塵部材によって低減することを特徴とするサイクロン式電気掃除機。
【請求項2】
前記防塵部材は略円錐形であり、底面の直径が前記フィルタよりも大きいことを特徴とする請求項1記載のサイクロン式電気掃除機。
【請求項3】
前記防塵部材は前記フィルタの下部に設けられ、着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1または2記載のサイクロン式電動掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−311895(P2006−311895A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135251(P2005−135251)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(505164999)株式会社メカハウス (2)
【Fターム(参考)】