説明

サクションジェットポンプの混合管

本発明の対象は、サクションジェットポンプの混合管(5)であって、流入領域(4)と、混合領域(7)と、流出端部(8)とが設けられており、該流出端部(8)を介して、圧送したい媒体が、当該混合管(5)から流出するようになっている形式のものである。流出端部(8)に管路区分(10)が続いており、該管路区分(10)が、当該混合管(5)の流出端部(8)に一体に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、サクションジェットポンプの混合管であって、流入領域と、混合領域と、流出端部とが設けられており、該流出端部を介して、圧送したい媒体が、当該混合管から流出するようになっている形式のものである。サクションジェットポンプは、燃料圧送のために燃料容器内に使用される。
【0002】
このような形式の混合管はサクションジェットポンプの構成要素である。サクションジェットポンプでは、混合管が、駆動ノズルに対して軸方向に方向付けられて使用されている。この駆動ノズルの駆動媒体管路を介して供給された駆動媒体が、高い圧力下で駆動ノズルから流出し、混合管の流入領域に流入する。駆動媒体噴流の速度に基づき、駆動ノズルと混合管との間に負圧が発生させられる。この負圧は、圧送したい媒体を混合管内に吸い込むために使用される。流出端部を介して、駆動媒体と、圧送したい媒体とがサクションジェットポンプから流出する。圧送したい媒体を所望の場所に搬送するためには、流出端部が管路または管路区分に接続されている。この管路区分を混合管の流出端部に接続するためには、管路区分が流出端部に被せ嵌められる。この場合、流出端部は接続ジオメトリの外周面に、有利にはモミの木形状部を有している。これによって、流出端部からの管路区分の不本意な解離が阻止される。管路区分を流出端部に接続するための組付けステップは不利である。時間的な手間のほかに、付加的な位置固定手段、たとえばチューブクランプなしでの流出端部への管路端部の確実な嵌合を保証するために、比較的高い組付け力も必要となる。
【0003】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の、サクションジェットポンプの混合管を改良して、より簡単な組付けが僅かなコストで可能となるようにすることである。
【0004】
この課題を解決するために本発明の構成では、流出端部に管路区分が続いており、該管路区分が、当該混合管の流出端部に一体に結合されているようにした。
【0005】
本発明の有利な構成によれば、管路区分が波形管である。
【0006】
本発明の有利な構成によれば、管路区分が平滑管である。
【0007】
本発明の有利な構成によれば、流出端部と管路区分とが、互いに同一の材料、有利にはPOMまたはPAから成っている。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、流出端部と管路区分とが、互いに異なる材料から成っている。
【0009】
本発明の有利な構成によれば、流出端部が、ディフューザとして形成された内側輪郭を有している。
【0010】
本発明の有利な構成によれば、ディフューザが、管路区分の内径になだらかに移行している。
【0011】
混合管の流出端部と、管路区分との一体の構成によって、管路とサクションジェットポンプの混合管との追補的な組付けが省略される。混合管の流出端部と、管路区分とにおける接続ジオメトリが、一体の構成に基づき不要となる。これによって、製作コストが著しく減少させられる。なぜならば、1つには、材料使用が減少させられ、もう1つには、混合管ジオメトリが金型内に管路区分に対して設けられている場合の射出成形金型が省略されるからである。
【0012】
有利な構成では、管路区分が波形管として形成されている。このことは、特にサクションジェットポンプに続く管路が小さな曲げ半径で敷設されなければならない場合に有利である。
【0013】
混合管の流出端部と、これに続く管路との間の良好な移行部は、別の構成では、平滑管として形成された管路区分によって達成される。
【0014】
混合管と管路区分との製造は、流出端部と管路区分とが互いに同一の材料、たとえばポリオキシメチレン(POM)またはポリアミド(PA)から成っていると特に廉価である。
【0015】
サクションジェットポンプに続く管路に課せられる要求に関連して、混合管の流出端部と、管路区分とが互いに異なる材料から成っていると有利であり得る。このように形成される、管路区分を備えた混合管は、二成分射出成形法で僅かな手間で製作することができる。
【0016】
別の有利な構成では、流出端部が、ディフューザとして形成された内側輪郭を有している。
【0017】
混合管端部での渦流発生は、別の有利な構成によれば、ディフューザが管路区分の内径になだらかに移行していることによって回避することができる。
【0018】
複数の実施例で本発明を詳しく説明する。
【0019】
図1に示した公知先行技術によるサクションジェットポンプはハウジング1を有している。このハウジング1内には、駆動ノズル2が配置されている。この駆動ノズル2には、接続部3を介して駆動媒体としての燃料が供給され、これによって、駆動噴流が駆動ノズル2から流入領域を介して混合管5内に噴出する。流れ方向で見て流入領域4の後方には、コンフューザ6が続いている。しかし、このコンフューザ6は必ずしも必要ではない。コンフューザ6には、コンスタントな横断面の混合領域7が続いている。この混合領域7には、流出端部の領域でディフューザ8が続いている。混合管5の流出端部8では、その周面にモミの木形状部9が一体成形されている。このモミの木形状部9には、管路区分10が差し被せられている。この管路10を介して、サクションジェットポンプから放出された総和噴流が導出される。この総和噴流は、駆動噴流と、圧送される燃料とから成っている。この場合、この圧送される燃料は、駆動噴流によって流入領域4の領域に発生させられる負圧に基づき吸込み領域11を介して吸い込まれる。
【0020】
図2には、図1に示した基本構造を備えた本発明によるサクションジェットポンプが示してある。しかし、このサクションジェットポンプは混合管5の流出端部8で異なっている。この流出端部8はモミの木形状部を有していない。流出端部8は、総和噴流を引き続き案内するための管路区分10になだらかに移行している。この管路区分10は平滑管として形成されている。混合管5だけでなく、管路区分10もPAから成っていて、射出成形によって製作されている。図3に示した混合管5は、図2に示した混合管5と、管路区分10が波形管として形成されていることによってしか異なっていない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】公知先行技術によるサクションジェットポンプの概略的な横断面図である。
【図2】本発明によるサクションジェットポンプの概略的な横断面図である。
【図3】図2に示した混合管の別の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ハウジング、 2 駆動ノズル、 3 接続部、 4 流入領域、 5 混合管、 6 コンフューザ、 7 混合領域、 8 流出端部、 9 モミの木形状部、 10 管路区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サクションジェットポンプの混合管であって、流入領域と、混合領域と、流出端部とが設けられており、該流出端部を介して、圧送したい媒体が、当該混合管から流出するようになっている形式のものにおいて、流出端部(8)に管路区分(10)が続いており、該管路区分(10)が、当該混合管(5)の流出端部(8)に一体に結合されていることを特徴とする、サクションジェットポンプの混合管。
【請求項2】
管路区分(10)が波形管である、請求項1記載の混合管。
【請求項3】
管路区分(10)が平滑管である、請求項1記載の混合管。
【請求項4】
流出端部(8)と管路区分(10)とが、互いに同一の材料、有利にはPOMまたはPAから成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の混合管。
【請求項5】
流出端部(8)と管路区分(10)とが、互いに異なる材料から成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の混合管。
【請求項6】
流出端部(8)が、ディフューザとして形成された内側輪郭を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の混合管。
【請求項7】
ディフューザ(8)が、管路区分(10)の内径になだらかに移行している、請求項6記載の混合管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−509086(P2009−509086A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531688(P2008−531688)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066499
【国際公開番号】WO2007/036459
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508029952)ヴィディーオー オートモーティヴ アクチエンゲゼルシャフト (27)
【氏名又は名称原語表記】VDO Automotive AG
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12, D−93055 Regensburg, Germany