サック貼りカートン
【課題】複雑な形状を有するサック貼りカートンを、専用の製函機によらず、簡単な折貼り作業のみで、すなわち、従来のエンドロードカートナーで作成可能なサック貼りカートンを提供することを課題とする。
【解決手段】蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とし、かつ前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、サック貼りカートンである。
【解決手段】蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とし、かつ前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、サック貼りカートンである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図7に示すような、サック貼りカートン50が知られている。この種のカートン50を組み立てる際には、1枚のブランクから、トレーの形状に製函する工程と、製品を供給・充填する工程さらには、折り曲げ・糊付け・封函を行う様々な工程ができる専用のトップロード型カートナーを必要とする。しかしながら、このようなトップロード型カートナーの普及率は決して高いものではなく、また、高価な機械であるため、複雑な形状のサック貼りカートン50を作製するのは、作業面、コスト面において未だ容易ではない。
【0003】
また、このサック貼りカートン50は、図8に示すような展開図を有しており、カートン50を形成するためには、まず、図9(a)に示すように、前後左右の各面を折り曲げてトレー形状Tを形成する。そして、図9(b)に示すように、蓋部を形成する2つの天面である上天面51と、下天面52とを折り曲げる際に、互いの面51、52が干渉しないように互い違いに折り曲げる。このとき、上天面51に形成された掛止フラップ60が内側に、一方、下天面52に連設された側面57が外側になるように、上天面51、と下天面52とを交差させる。そして、図10に示すように、下天面52に連設された両サイドの前記側面57で、掛止フラップ60を覆い、掛止フラップ60部分を除いた貼り合せ部Dにて糊貼りすることにより、カートン50を形成する。
しかし、掛止フラップ60を覆う外側面57は、展開図上、掛止フラップ60の左右両側を糊付けすることができず、図11に示すように、外側面57の一部Sが開放してしまうという問題があった。また、蓋部を形成する二重天面の上天面51に掛止フラップ60が形成され、この掛止フラップ60を下天面52より延設された外側面57により覆うため、専用の製函機(トップロード型カートナー)による方法以外では、このサック貼りカートン50の作成が困難である。
【0004】
通常、この種のカートンは、トップロード型カートナーを用いて、図9(a)に示すような、カートンの底部と前後左右の側壁からなる、トレー形状の容器Tを形成した後、内容物を上方向から充填する作業を行うため、カートンを形成する時間が通常のカートナーに比べ遅い、などの欠点がある。これに対して、従来から用いられているエンドロードカートナーは、カートンをスリーブ形状にした後、内容物を横方向から充填するため、カートンの形成効率や内容物の充填効率が極めて高く、形成時間も短いという長所がある。
本発明者は、この種のサック貼りカートンをエンドロードカートナーにより作製可能とし、かつ、掛止フラップを覆う外側面が容易に開放してしまうことのないカートンを提供するため鋭利研究を行った結果、本発明を考案した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題を解決し、複雑な形状を有するサック貼りカートンを、専用の製函機によらず、簡単な折貼り作業のみで、すなわち、従来のエンドロードカートナーで作成可能なサック貼りカートンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の請求項1記載の発明は、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とする、サック貼りカートンである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、サック貼りカートンである。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とするサック貼りカートンである。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とする、サック貼りカートンである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とするから、カートン形成時に、複雑な工程を必要とせず、簡単な折り工程と、貼り付け作業によりカートンを形成することができるとともに、従来のエンドロードカートナーを用いてこの種のサック貼りカートンを形成することが可能である。
【0011】
前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されるとともに、前記下天面と前記上天面とを重ねて貼りあわせることにより形成される蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面と、スリーブを形成することを特徴とするから、スリーブの状態で出荷して、納品先において、簡単な組立てによりサック貼りカートンを形成可能であり、また、出荷時にかさばることがない。
【0012】
また、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とするから、内側面と外側面との、掛止フラップの回動部分を除いた箇所を貼り合わせることが可能である。
【0013】
このように、本発明のサック貼りカートンは、簡単な折り工程と、貼り工程とにより、サック貼りカートンを形成可能であるから、エンドロードカートナーを用いてこの種のサック貼りカートンを形成することができる。また、掛止フラップを覆う外側面が開放してしまうようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のサック貼りカートンKの一例としてのカートンKを示す全体斜視図である。このカートンKは、開封時に、上天面10と下天面20とを貼り合わせてなる蓋部3を上方に引き出すことにより、蓋部3が上方へとスライドして開封を行なう構成であり、特に、蓋部3の両端に開封の回動量を規制するための掛止フラップ7を有しており、該掛止フラップ7に形成された図示しない凸片9が下天面20に当接することにより、蓋部3の回動を停止させることが可能である。
【0015】
このカートンKは、図2の展開図に示すように、カートンKの各面はシート状のブランク1上に折り線を介して連設されており、上から順に、上天面10と、前面11と、底面12と、後面13と、下天面20とが、縦一列に連設されている。
そして、下天面20の横辺からは、略4半円からなる扇形状の掛止フラップ7が連設されている。また、上天面10および底面12の横辺からは、外側面17および内側面15がそれぞれ連設されている。そして、前面11と後面13の横辺からは、それぞれ折込みフラップ14が連設されている。
【0016】
上天面10と下天面20との一部には、切取り線4が形成されており、初期開封時、切取り線4に沿って面を切り取ることにより蓋部3が形成される。
また、上天面10と下天面20との一部には、折線5を介してヒンジ面18、19が形成されており。ヒンジ面18より下方(前方)に掛止フラップ7が位置することにより、後述する(図5)、内側面15と外側面17との、掛止フラップ7の回動部分を除く左右両側を、貼り合わせることが可能である。
このように各面を配置することにより、カートンKを簡単な折貼り工程のみで形成可能であり、従来のエンドロードカートナーで作成可能なサック貼りカートンKを提供することが可能である。
【0017】
以下、本発明のサック貼りカートンKを組み立てる手順を説明する。
まず、図3(a)に示すように、シート状のブランク1の、下天面20と前面11を折り線に沿って折込み、貼り合せ部Pにおいて、上天面10と下天面20およびヒンジ部18とヒンジ部19とをそれぞれ貼り合せる。このようにして、図3(b)に示すように、筒形状のスリーブを形成することにより、平面形状のカートン2を形成する。これにより、出荷時に平面形状のカートン2を出荷することが可能であり、ロット単位でもかさばることがない。
【0018】
次に、図4(a)に示すように、平面形状のカートン2の各面を、折り線に沿って折りつつ引き起して、立体形状のスリーブを形成した後、図4(b)に示すように、前面11と後面13とから連設された折込みフラップ14をそれぞれ内側へと折り込む。
【0019】
そして、図5(a)に示すように、底面12より連設された内側面15を上方へと折り込み、さらに、下天面20に連設された掛止フラップ7を下方へと折込み、最後に、図5(b)に示すように、上天面10に連設された外側面17を下方へと折り込んで、掛止フラップ7の回動部分を除く貼り合せ部Pにおいて、外側面17を内側面15に貼り合わせることにより、図6(a)に示すように、本発明のカートンKを完成する。
そして、このカートンKの開封時には、図6(b)に示すように、上天面10に形成された把持部Jを持ち上げることにより、上天面10とともに下天面20が開封され、掛止フラップ7の掛止位置まで開封することができる構成である。このように蓋部3は、下天面20と上天面10とが互いに貼り合わされた二重天面を形成しているため、蓋部3およびヒンジ部分の強度が高くなる効果がある。
また、蓋部3の一部にヒンジ面19を形成して、僅かに掛止フラップ7を上天面の前方に位置させることにより、掛止フラップ7が回動する箇所を除いた掛止フラップ7の左右両側部分である貼り合せ部Pに糊付けを施すことができるため、外側面17と内側面15とを確実に貼り合わせることが可能であり、外側面17が容易に内側面15から剥がれてしまうようなことがない。
【0020】
このように、本発明のカートンKは、簡単な折貼り工程でサック貼りカートンKを形成することが可能である。また、製函過程において、筒形状のスリーブを形成するから、側方より内容物を充填可能なエンドロードカートナーを用いて製造可能である。
【0021】
ここで、従来のサック貼りカートン50と、簡単な折貼り工程のみで形成可能な本発明のカートンKと、の違いを以下に説明する。
従来のサック貼りカートン50は、図8に示す展開図において、上から順に、下天面52と、前面55と、底面54と、後面53と、上天面51と、が連設され、かつ、上天面51に掛止フラップ60が形成されるため、下天面52と上天面51とを折込み貼りあわせる際に、図9に示すように、上天面51の掛止フラップ60を、下天面52の外側面57により外側から覆う工程を必要とするため、互いの天面52、51が干渉しないように折り込む複雑な作業を必要とする。
また、カートン50形成後、図11に示すように、掛止フラップ60を覆う外側面57の糊付け位置Dが、各面の配置上、フラップ60の左右両側に形成することができず、蓋部の度重なる開封作業により、外側面57の片側部分Sが剥がれてしまうという問題がある。
【0022】
一方、本発明のサック貼りカートンKでは、展開図(図2)の上から、上天面10と、前面11と、底面12と、後面13と、下天面20と、を順に、折り線を介して連設しかつ、下天面20に掛止フラップ7を設け、上天面10に外側面17を設けたため(図3)、カートン形成時に下天面20と上天面10とが互いに干渉することなく(図4)、下天面20と上天面10とを重ねて貼りあわせた後、掛止フラップ7を折込み、外側面17により掛止フラップ7を覆うことにより(図5)、カートンKを簡単に形成することが可能である(図6)。特に、下天面20より掛止フラップ7を設け、かつ上天面10に外側面17を設けることにより、各天面10、20を折り込む際に互いの面が干渉することがない。
また、下天面20と、上天面10との一部にヒンジ面18、19を形成することにより、掛止フラップ7の位置を天面の前方向へと僅かにずらして、掛止フラップ7の左右両側の、内側面15と外側面17とを糊付けすることができるから、掛止フラップ7を覆う、外側面17の一部が剥がれてしまうようなことがなく、長期間の安定した蓋部3の開閉作業が可能な効果がある。
【0023】
以上のように、本発明のサック貼りカートンKは、下天面20と上天面10との二重天面の一部を切り取ってなる蓋部3を有するカートンKであって、掛止フラップ7を下天面20に形成したことを特徴とするから、カートンKの形成時、簡単な折貼り作業により、カートンKを形成可能である。
【0024】
また、前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設し、前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とするから、通常のエンドロードカートナーにより形成可能なサック貼りカートンKを提供することが可能である。また、スリーブの状態(平面形状のカートン)で出荷することにより輸送時のコストを削減することが可能であり、納入先においては、スリーブ状態のカートンから簡単な折貼り作業のみで、サック貼りカートンKを形成可能である。
【0025】
また、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成することにより、掛止フラップを天面の前方に位置させて、掛止フラップの左右両側の位置において、内側面と外側面とを貼り合せることにより、外側面が剥がれてしまうようなことがなく、長期間、安定した蓋部3の開閉作業が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のサック貼りカートンを示す全体斜視図である。
【図2】本発明のサック貼りカートンの展開図である。
【図3】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図4】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図5】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図6】本発明のサック貼りカートンの(a)開封前(b)開封後を示す説明図である。
【図7】従来のサック貼りカートンの(a)開封前(b)開封後を示す全体斜視図である。
【図8】従来のサック貼りカートンの展開図である。
【図9】従来のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図10】従来のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図11】従来のサック貼りカートンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
K カートン(サック貼りカートン)
1 シート状のブランク
2 平面形状のカートン
3 蓋部
4 切取り線
5 折線
7 掛止フラップ
9 凸片
10 上天面
11 前面
12 底面
13 後面
14 折込みフラップ
15 内側面
17 外側面
18 ヒンジ面
19 ヒンジ面
20 下天面
J 把持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図7に示すような、サック貼りカートン50が知られている。この種のカートン50を組み立てる際には、1枚のブランクから、トレーの形状に製函する工程と、製品を供給・充填する工程さらには、折り曲げ・糊付け・封函を行う様々な工程ができる専用のトップロード型カートナーを必要とする。しかしながら、このようなトップロード型カートナーの普及率は決して高いものではなく、また、高価な機械であるため、複雑な形状のサック貼りカートン50を作製するのは、作業面、コスト面において未だ容易ではない。
【0003】
また、このサック貼りカートン50は、図8に示すような展開図を有しており、カートン50を形成するためには、まず、図9(a)に示すように、前後左右の各面を折り曲げてトレー形状Tを形成する。そして、図9(b)に示すように、蓋部を形成する2つの天面である上天面51と、下天面52とを折り曲げる際に、互いの面51、52が干渉しないように互い違いに折り曲げる。このとき、上天面51に形成された掛止フラップ60が内側に、一方、下天面52に連設された側面57が外側になるように、上天面51、と下天面52とを交差させる。そして、図10に示すように、下天面52に連設された両サイドの前記側面57で、掛止フラップ60を覆い、掛止フラップ60部分を除いた貼り合せ部Dにて糊貼りすることにより、カートン50を形成する。
しかし、掛止フラップ60を覆う外側面57は、展開図上、掛止フラップ60の左右両側を糊付けすることができず、図11に示すように、外側面57の一部Sが開放してしまうという問題があった。また、蓋部を形成する二重天面の上天面51に掛止フラップ60が形成され、この掛止フラップ60を下天面52より延設された外側面57により覆うため、専用の製函機(トップロード型カートナー)による方法以外では、このサック貼りカートン50の作成が困難である。
【0004】
通常、この種のカートンは、トップロード型カートナーを用いて、図9(a)に示すような、カートンの底部と前後左右の側壁からなる、トレー形状の容器Tを形成した後、内容物を上方向から充填する作業を行うため、カートンを形成する時間が通常のカートナーに比べ遅い、などの欠点がある。これに対して、従来から用いられているエンドロードカートナーは、カートンをスリーブ形状にした後、内容物を横方向から充填するため、カートンの形成効率や内容物の充填効率が極めて高く、形成時間も短いという長所がある。
本発明者は、この種のサック貼りカートンをエンドロードカートナーにより作製可能とし、かつ、掛止フラップを覆う外側面が容易に開放してしまうことのないカートンを提供するため鋭利研究を行った結果、本発明を考案した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題を解決し、複雑な形状を有するサック貼りカートンを、専用の製函機によらず、簡単な折貼り作業のみで、すなわち、従来のエンドロードカートナーで作成可能なサック貼りカートンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の請求項1記載の発明は、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とする、サック貼りカートンである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、サック貼りカートンである。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とするサック貼りカートンである。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とする、サック貼りカートンである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とするから、カートン形成時に、複雑な工程を必要とせず、簡単な折り工程と、貼り付け作業によりカートンを形成することができるとともに、従来のエンドロードカートナーを用いてこの種のサック貼りカートンを形成することが可能である。
【0011】
前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されるとともに、前記下天面と前記上天面とを重ねて貼りあわせることにより形成される蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面と、スリーブを形成することを特徴とするから、スリーブの状態で出荷して、納品先において、簡単な組立てによりサック貼りカートンを形成可能であり、また、出荷時にかさばることがない。
【0012】
また、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とするから、内側面と外側面との、掛止フラップの回動部分を除いた箇所を貼り合わせることが可能である。
【0013】
このように、本発明のサック貼りカートンは、簡単な折り工程と、貼り工程とにより、サック貼りカートンを形成可能であるから、エンドロードカートナーを用いてこの種のサック貼りカートンを形成することができる。また、掛止フラップを覆う外側面が開放してしまうようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のサック貼りカートンKの一例としてのカートンKを示す全体斜視図である。このカートンKは、開封時に、上天面10と下天面20とを貼り合わせてなる蓋部3を上方に引き出すことにより、蓋部3が上方へとスライドして開封を行なう構成であり、特に、蓋部3の両端に開封の回動量を規制するための掛止フラップ7を有しており、該掛止フラップ7に形成された図示しない凸片9が下天面20に当接することにより、蓋部3の回動を停止させることが可能である。
【0015】
このカートンKは、図2の展開図に示すように、カートンKの各面はシート状のブランク1上に折り線を介して連設されており、上から順に、上天面10と、前面11と、底面12と、後面13と、下天面20とが、縦一列に連設されている。
そして、下天面20の横辺からは、略4半円からなる扇形状の掛止フラップ7が連設されている。また、上天面10および底面12の横辺からは、外側面17および内側面15がそれぞれ連設されている。そして、前面11と後面13の横辺からは、それぞれ折込みフラップ14が連設されている。
【0016】
上天面10と下天面20との一部には、切取り線4が形成されており、初期開封時、切取り線4に沿って面を切り取ることにより蓋部3が形成される。
また、上天面10と下天面20との一部には、折線5を介してヒンジ面18、19が形成されており。ヒンジ面18より下方(前方)に掛止フラップ7が位置することにより、後述する(図5)、内側面15と外側面17との、掛止フラップ7の回動部分を除く左右両側を、貼り合わせることが可能である。
このように各面を配置することにより、カートンKを簡単な折貼り工程のみで形成可能であり、従来のエンドロードカートナーで作成可能なサック貼りカートンKを提供することが可能である。
【0017】
以下、本発明のサック貼りカートンKを組み立てる手順を説明する。
まず、図3(a)に示すように、シート状のブランク1の、下天面20と前面11を折り線に沿って折込み、貼り合せ部Pにおいて、上天面10と下天面20およびヒンジ部18とヒンジ部19とをそれぞれ貼り合せる。このようにして、図3(b)に示すように、筒形状のスリーブを形成することにより、平面形状のカートン2を形成する。これにより、出荷時に平面形状のカートン2を出荷することが可能であり、ロット単位でもかさばることがない。
【0018】
次に、図4(a)に示すように、平面形状のカートン2の各面を、折り線に沿って折りつつ引き起して、立体形状のスリーブを形成した後、図4(b)に示すように、前面11と後面13とから連設された折込みフラップ14をそれぞれ内側へと折り込む。
【0019】
そして、図5(a)に示すように、底面12より連設された内側面15を上方へと折り込み、さらに、下天面20に連設された掛止フラップ7を下方へと折込み、最後に、図5(b)に示すように、上天面10に連設された外側面17を下方へと折り込んで、掛止フラップ7の回動部分を除く貼り合せ部Pにおいて、外側面17を内側面15に貼り合わせることにより、図6(a)に示すように、本発明のカートンKを完成する。
そして、このカートンKの開封時には、図6(b)に示すように、上天面10に形成された把持部Jを持ち上げることにより、上天面10とともに下天面20が開封され、掛止フラップ7の掛止位置まで開封することができる構成である。このように蓋部3は、下天面20と上天面10とが互いに貼り合わされた二重天面を形成しているため、蓋部3およびヒンジ部分の強度が高くなる効果がある。
また、蓋部3の一部にヒンジ面19を形成して、僅かに掛止フラップ7を上天面の前方に位置させることにより、掛止フラップ7が回動する箇所を除いた掛止フラップ7の左右両側部分である貼り合せ部Pに糊付けを施すことができるため、外側面17と内側面15とを確実に貼り合わせることが可能であり、外側面17が容易に内側面15から剥がれてしまうようなことがない。
【0020】
このように、本発明のカートンKは、簡単な折貼り工程でサック貼りカートンKを形成することが可能である。また、製函過程において、筒形状のスリーブを形成するから、側方より内容物を充填可能なエンドロードカートナーを用いて製造可能である。
【0021】
ここで、従来のサック貼りカートン50と、簡単な折貼り工程のみで形成可能な本発明のカートンKと、の違いを以下に説明する。
従来のサック貼りカートン50は、図8に示す展開図において、上から順に、下天面52と、前面55と、底面54と、後面53と、上天面51と、が連設され、かつ、上天面51に掛止フラップ60が形成されるため、下天面52と上天面51とを折込み貼りあわせる際に、図9に示すように、上天面51の掛止フラップ60を、下天面52の外側面57により外側から覆う工程を必要とするため、互いの天面52、51が干渉しないように折り込む複雑な作業を必要とする。
また、カートン50形成後、図11に示すように、掛止フラップ60を覆う外側面57の糊付け位置Dが、各面の配置上、フラップ60の左右両側に形成することができず、蓋部の度重なる開封作業により、外側面57の片側部分Sが剥がれてしまうという問題がある。
【0022】
一方、本発明のサック貼りカートンKでは、展開図(図2)の上から、上天面10と、前面11と、底面12と、後面13と、下天面20と、を順に、折り線を介して連設しかつ、下天面20に掛止フラップ7を設け、上天面10に外側面17を設けたため(図3)、カートン形成時に下天面20と上天面10とが互いに干渉することなく(図4)、下天面20と上天面10とを重ねて貼りあわせた後、掛止フラップ7を折込み、外側面17により掛止フラップ7を覆うことにより(図5)、カートンKを簡単に形成することが可能である(図6)。特に、下天面20より掛止フラップ7を設け、かつ上天面10に外側面17を設けることにより、各天面10、20を折り込む際に互いの面が干渉することがない。
また、下天面20と、上天面10との一部にヒンジ面18、19を形成することにより、掛止フラップ7の位置を天面の前方向へと僅かにずらして、掛止フラップ7の左右両側の、内側面15と外側面17とを糊付けすることができるから、掛止フラップ7を覆う、外側面17の一部が剥がれてしまうようなことがなく、長期間の安定した蓋部3の開閉作業が可能な効果がある。
【0023】
以上のように、本発明のサック貼りカートンKは、下天面20と上天面10との二重天面の一部を切り取ってなる蓋部3を有するカートンKであって、掛止フラップ7を下天面20に形成したことを特徴とするから、カートンKの形成時、簡単な折貼り作業により、カートンKを形成可能である。
【0024】
また、前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設し、前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とするから、通常のエンドロードカートナーにより形成可能なサック貼りカートンKを提供することが可能である。また、スリーブの状態(平面形状のカートン)で出荷することにより輸送時のコストを削減することが可能であり、納入先においては、スリーブ状態のカートンから簡単な折貼り作業のみで、サック貼りカートンKを形成可能である。
【0025】
また、前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成することにより、掛止フラップを天面の前方に位置させて、掛止フラップの左右両側の位置において、内側面と外側面とを貼り合せることにより、外側面が剥がれてしまうようなことがなく、長期間、安定した蓋部3の開閉作業が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のサック貼りカートンを示す全体斜視図である。
【図2】本発明のサック貼りカートンの展開図である。
【図3】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図4】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図5】本発明のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図6】本発明のサック貼りカートンの(a)開封前(b)開封後を示す説明図である。
【図7】従来のサック貼りカートンの(a)開封前(b)開封後を示す全体斜視図である。
【図8】従来のサック貼りカートンの展開図である。
【図9】従来のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図10】従来のサック貼りカートンを組み立てる工程を示す説明図である。
【図11】従来のサック貼りカートンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
K カートン(サック貼りカートン)
1 シート状のブランク
2 平面形状のカートン
3 蓋部
4 切取り線
5 折線
7 掛止フラップ
9 凸片
10 上天面
11 前面
12 底面
13 後面
14 折込みフラップ
15 内側面
17 外側面
18 ヒンジ面
19 ヒンジ面
20 下天面
J 把持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とする、サック貼りカートン。
【請求項2】
前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、請求項1記載のサック貼りカートン。
【請求項3】
前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とする、請求項1乃至2記載のサック貼りカートン。
【請求項4】
前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とする、請求項1乃至3記載のサック貼りカートン。
【請求項1】
蓋部に連設された掛止フラップが蓋部の回動を掛止するサック貼りカートンにおいて、下天面と上天面とを貼り合わせた二重天面を有し、該二重天面の一部を切り取ってなる蓋部を有するサック貼りカートンであって、前記掛止フラップを前記下天面に形成したことを特徴とする、サック貼りカートン。
【請求項2】
前記サック貼りカートンは、1枚のシート上に上天面、前面、底面、後面、下天面が、縦一列に折り線を介して連設されることを特徴とする、請求項1記載のサック貼りカートン。
【請求項3】
前記下天面と、前記上天面との一部にヒンジ面を形成したことを特徴とする、請求項1乃至2記載のサック貼りカートン。
【請求項4】
前記下天面と前記上天面とを貼りあわせてなる蓋部と、前記前面と、前記底面と、前記後面とからなる、筒形状のスリーブを形成することを特徴とする、請求項1乃至3記載のサック貼りカートン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−284119(P2007−284119A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114343(P2006−114343)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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