説明

サブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造

【課題】宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供する。
【解決手段】サブエントランス17用の階段となる傾斜地の両側で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭32の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は親杭32の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭32の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成し、該擁壁間の天端に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けると共に、該駐車場床面に車34の両輪が余裕をもって跨ぐ幅を有するサブエントランス17用階段出入口を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に本発明は、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用するほか、該出入口用階段を駐車場と併設することで、宅地内に平置きの駐車場を設けることが可能となり、狭隘な宅地内でも利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供するものである。
【0002】
道路を挟んで谷側に造成される狭隘な宅地環境においては、通常、道路に面した位置に駐車場を設けることは難しい。即ち、一般的に谷側に造成される狭隘な宅地の駐車場スペースは、道路側より急斜面を形成して谷側に落ち込んでいる場合が多くみられ、このような場所に駐車場を設けると、駐車場の車は坂道駐車となる。
【背景技術】
【0003】
然しながら、従来の宅地造成の方法では、平坦地を造成することのみを主眼としており、道路を挟んで谷側に造成されるような狭隘な宅地の造成においても、道路を含む山側の斜面をも大きく削って大量の土砂の移動を行うと同時に、谷側に新しい擁壁を構築するという大規模で費用の掛かる工事が必要となり、更に、安全性を配慮して大きな擁壁を構築する土木工事は、谷間の地形を大きく改変することにもなり、それらの工事は、自然環境に及ぼす影響も大きい。
【0004】
一方、昔からの安定した地盤を利用して最小限の土地を削り、谷側に造成された宅地において、道路側より傾斜面を有している場所に駐車場を設置する場合には、デッキテラス形状の構造物を構築して道路面との段差をなくした平置きの駐車場を設けることは、よく知られている。
【0005】
前記、デッキテラス形状の駐車場は、鉄骨構造の構造物であったり、建物の構造と一体化された鉄筋コンクリートの構造物で、傾斜面や段差面をかさ上げして、夫々、駐車場床面と道路面との段差を解消した平置きの駐車場を確保するものである。
【0006】
然しながら、車の重量を支える鉄骨構造のデッキテラスや鉄筋コンクリート造の駐車場を傾斜地に構築することは、費用の掛かるものでものであり、他に駐車場構造物の基礎工事や、土留め等の擁壁工事をも含めると多大な経費が必要となる。
【0007】
また、道路を挟んで谷側に造成される狭隘な宅地では、道路側に面した幅が狭く、当該道路面の敷地は建物を計画する場合に、エントランスや開口窓、それにキッチン等に続くサブエントランスを設けると駐車場のスペースがなくなってしまう場合があり、やむを得ず、駐車場を他の場所に借り求めるケースが意外に多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
斯くして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に本発明は、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用するほか、該出入口用階段部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、昔からの安定した地盤を有効に利用することにより、多大な造成費用の掛かる大規模な擁壁工事や、土地のかさ上げによる人工地盤の構築等をすることもなく、利用しやすい駐車場を保有した宅地構造を安価に造成可能となし、当該宅地構造の造成は、谷間の地形を大きく改変することもなく、自然観環境に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能である。
【0010】
そして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地において、サブエントランス用や、開口窓等へのアプローチ用の階段と、平置きの駐車場を併設した宅地構造を提供することで、道路側に面した幅の狭い敷地を最大限に有効利用するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地、或いは段差のある宅地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該サブエントランス用の階段となる傾斜地の両側および周囲に擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成するものである。
【0012】
本発明に使用される前記擁壁PC板は、例えば、幅2000mm、高さ1000mm程度の寸法を有する擁壁PC板であり、この寸法は狭隘な現場でも小型重機を用いて施工が出来る最良の構成を有しており、また、擁壁PC板の寸法は、現場の状況によりPC板製作時に任意に設定可能である。
【0013】
そして、本発明は、前記PC板擁壁を複数枚積層して傾斜地の両側、または周囲に擁壁を構築した後に、該擁壁間の天端に鉄筋コンクリートを打設し、或いはPC板を設置して平置きの駐車場床面を設けると共に、該駐車場床面に車の両輪が余裕をもって跨ぐ幅を有するサブエントランス用階段出入口を構成するもので、該階段出入口は、車が駐車していないときに利用できるように構成した(駐車場スペースの奥行きがない場合)。
【0014】
また、本発明においては、当該駐車場スペースの奥行きに多少でも余裕がある場合、或いは、車が小型車である場合には、車の駐車位置前面にサブエントランス用階段出入口の開口を設けた構成が可能であり、車が駐車している場合でも、車の前面に開口された階段出入口を利用できるものであり、所謂、サブエントランス用の階段出入口と駐車場を併設した宅地構造を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は、前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側及び周囲に擁壁で囲われた階段スペースを構成している。
【0016】
そして、前記傾斜地の両側、及び周囲に構成された擁壁の天端に少なくとも二本の車用レールPC板を有した駐車場床板を載置固着して道路面から車が前記二本の車用レールPC版上に移動可能で、該車は駐車の際に駐車場床板上で平置きされることを特徴とするサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を提供するものである。
【0017】
更に、本発明における他の構成は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側及び周囲で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成するものである。
【0018】
従って、前記擁壁PC板は、擁壁の設置場所により擁壁PC板の中央裏面に固着可能に設けられたタイバーと、該タイバーを介して擁壁の山側における安定地盤に設けられたアンカーウェイトに連結された構成を用いて、前記擁壁PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けるか、PC板を前記PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に載置固定して平置き駐車場床面を設けることで、サブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を実現するものである。
【0019】
尚、前記傾斜地両側及び周囲に構成された擁壁の天端に設けられるコンクリート製の駐車場床板、或いは駐車場床板を構成するPC板はその断面形状が2本の凹型レール形状を有するPC板であること、或いは両端部がL型で全体が凹型形状を有する駐車場床板で、該駐車場床板の略中央には出入口用の階段スペース開口が設けられていることをいることを特徴としている。
【0020】
斯くして、本発明におけるサブエントランス用の階段は、駐車場に車が駐車していない場合、或いは車が駐車している場合でも利用可能で、該サブエントランス用の階段が傾斜地の下方や段差ある宅盤面方向に向かって配置されており建物のキッチン用サブエントランスや開口窓のある庭先に通じていることを特徴としており、前記エントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造は、狭隘で傾斜地や段差のある宅地を有効利用可能である。
【発明の効果】
【0021】
斯くして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に本発明では、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用することが可能となり、該出入口用階段上部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供することができた。
【0022】
また、本発明は、昔からの安定した地盤を有効に利用することにより、多大な造成費用の掛かる大規模な擁壁工事や、土地のかさ上げによる人工地盤の再構築等をすることもなく、小型の重機を用いて小型サイズの擁壁PC板を設置でき、利用しやすい駐車場を保有した宅地構造を安価に造成可能とするもので、当該宅地構造の造成は、谷間の地形を大きく改変することもなく、自然観環境に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能である。
【0023】
そして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地において、サブエントランス用や開口窓へのアプローチ用の階段と、平置きの駐車場を併設した宅地構造を提供することで、道路側に面した幅の狭い敷地を最大限に有効利用するものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施する現場状況説明用の平面図である。
【図2】本発明を実施する現場状況説明用の断面図である。
【図3】本発明の実施例1を説明する平面図である。
【図4】本発明の実施例1を説明する要部断面図である。
【図5】本発明に使用される擁壁PC板の形状を示す平面図である。
【図6】本発明に使用される擁壁PC板の形状を示す正面図である。
【図7】a、b、c、d、e、f、は本発明の擁壁PC板の積層作業状態を説明する動作説明図である。
【図8】本発明の実施例2を説明する要部断面説明図である。
【図9】a、b、は車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係を示す説明図である。
【図10】a、b、は車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係を示す他の説明図でである。
【図11】本発明の実施例3を説明する要部断面説明図である。
【図12】図11の実施例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1、及び図2は、本発明を実施すると多大な効果を得ることのできる現場例を説明するもので、1は傾斜地の山側、2はU字溝、3は道路、4、5、6、7は道路を挟んで谷側8に造成された宅地で、該宅地4、5、6、7は傾斜地9を保有している。
【0026】
図2は、図1の断面図を示しており、道路3を挟んで谷側8に造成される狭隘な宅地造成現場においては、傾斜地9を有する宅地が一般的で、道路に面した位置に駐車場を設けることは難しい。即ち、一般的に谷側8に造成される狭隘な宅地の駐車場スペースは、道路3側より急斜面を形成して谷側に落ち込んでいる場合が多くみられ、このような場所に駐車場を設けると駐車場の車は、坂道駐車となる。
【0027】
而して、本発明は、図1、及び図2において説明した傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に本発明は、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用するほか、該出入口用階段部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供するものである。
【0028】
本発明は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地、或いは段差のある宅地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該サブエントランス用の階段となる傾斜地の両側および周囲に擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成するものである。
【0029】
また、本発明に使用される前記擁壁PC板は、例えば、幅2000mm、高さ1000mm程度の寸法を有する擁壁PC板であり、この寸法は狭隘な現場でも小型重機を用いて施工が出来る最良の構成を有しており、また、擁壁PC版の寸法は、現場の状況によりPC板製作時に任意に設定可能である。
【0030】
そして、本発明は、前記PC板擁壁を複数枚積層して傾斜地の両側に擁壁を構築した後に、該擁壁間の天端に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けると共に、該駐車場床面に車の両輪が余裕をもって跨ぐ幅を有するサブエントランス用階段出入口を構成して、該階段出入口は車が駐車していないとき、或いは車が駐車している場合においても車の駐車位置前面から利用できることを特徴としたサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を提供する。
【0031】
次に、本発明は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側及び周囲に擁壁で囲われた階段スペースを構成し、該傾斜地の両側及び周囲に構成された擁壁の天端に少なくとも二本の車用レールPC板を有した駐車場床板を載置固着して道路面から車が前記二本の車用レールPC版上に移動可能で、該車は駐車の際に駐車場床板上で平置きされるように構成したサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を提供できる。
【0032】
更に、本発明における他の構成は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側及び周囲で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成する。
【0033】
従って、前記擁壁PC板は、擁壁の設置場所により擁壁PC板の中央裏面に固着可能に設けられたタイバーと、該タイバーを介して擁壁の山側における安定地盤に設けられたアンカーウェイトに連結された構成を用いて、前記擁壁PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けるか、PC板を前記PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に載置固定して平置き駐車場床面を設けることで、サブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を実現できる。
【0034】
そして、本発明は、前記傾斜地両側及び周囲に構成された擁壁の天端に設けられるコンクリート製の駐車場床板、或いは駐車場床板を構成するPC板はその断面形状が2本の凹型レール形状を有するPC板であること、或いは両端部がL型で全体が凹型形状を有した駐車場床板で、該駐車場床板の略中央には出入口用の階段スペース開口が設けられているもので、この構成により狭隘な宅地においても、安全な平置き駐車場を提供することができる。
【0035】
斯くして、本発明における前記サブエントランス用の階段は、駐車場に車が駐車していない場合、或いは車が駐車している場合でも利用可能で、該サブエントランス用の階段が傾斜地の下方や段差ある宅盤面方向に向かって配置されており、建物のキッチン用サブエントランスや開口窓等のある庭先に通じていることを特徴とするもので、エントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造は、狭隘で傾斜地や段差のある宅地を便利で楽しく有効利用できる。
【実施例1】
【0036】
図3乃至図7は、本発明の実施例1を説明するものであり、図3は平面図、図4は要部断面図、図5は実施例1で使用される擁壁PC板の平面説明図、図6は擁壁PC板の正面図、図7a、b、c、d、e、fは擁壁PC板の積層作業状態を説明する動作説明図である。
【0037】
図3乃至図7において、3は道路、4は道路を挟んで傾斜地9に造成された宅地である。宅地4内には、エントランス(玄関)10、キッチン11、ダイニング12、トイレ13、洋室14、が配置され、階段室15を下がると宅盤GLに設けられた他の洋室16や、サブエントランス17(図4に示す)に繋がっている。
尚、図4に示す18は、明りとりを目的に設けられた開口窓で、該開口窓18は階段スペース開口21を介して明りとりが可能である。
【0038】
而して、宅地4内の駐車場19は、鉄筋コンクリートを打設して設けた駐車場床面20、該床面20の中間付近部分に穿たれた階段スペース開口21を有するサブエントランス出入口用階段22、そして、前記駐車場床面20を支承するために、傾斜地9の両側に積層された擁壁PC版23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・から構成された擁壁23及び擁壁24からなる。
【0039】
そして、傾斜地9の両側に積層された擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・は、図5及び図6に示すような形状、及び機能を有している。図5、図6において、25は単体の擁壁PC板を示し、26は該擁壁PC板25の中央裏面に構成される角柱の挿入穴、27はタイバー固着面、28はPC板製作時に使用される製作用デーハ、29は施工時に使用される施工用デーハ、30はPC板施工時に他の擁壁PC版との嵌合に使用されるガイドピン、31は水抜き穴を形成する切り欠き部である。
【0040】
実施例1において、擁壁23及び擁壁24を構成する夫々の長方形型擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・は中央裏面に親杭32(図4に示す)の上部が構成する角柱部33(図3に示す)の挿入穴26を有し、該擁壁PC板23、24の表面は前記角柱部33の挿入穴26を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板23、24は打設された親杭32の上部に形成された角柱部33に挿入して積層され、図4に示す如く擁壁23、24を構成している。
【0041】
そして、本発明に使用される擁壁PC板23,24は、該擁壁PC板23、24の裏面中央で角柱部33を介して支持することにより、角柱部33を中心に左右均等に土圧がかかるように構成して、パネルピッチ(パネル幅)を2000mm程度とした。そして、このパネルピッチは使用場所によりパネル幅、パネル高さに可変して製造可能であり、上記基準となるパネル幅2000mm、パネル高さ1000mmのサイズは、狭隘な場所でも小型重機を用いて施工できる最良のパネルサイズを提供している。
【0042】
斯くして、実施例1においては、宅地4内における駐車場予定地の傾斜地9、或いは段差のある宅地4にサブエントランス用の階段22を設けるにあたり、該サブエントランス用の階段22となる傾斜地9の両側で擁壁23,24を構成する複数枚の長方形擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・は夫々中央裏面に親杭32の上部が構成する角柱部33を挿入できる挿入穴26を有し、該挿入穴26は前記親杭32の上部角柱部33を挿入することで夫々の擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・を支承して擁壁23,24を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部33の挿入穴26を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・は打設された親杭32の上部に形成された角柱部33に挿入して積層され、前記駐車場予定地の傾斜地9両側に擁壁23、24にて囲まれた階段スペース開口21を構成するものである。
【0043】
次に、実施例1において、擁壁PC板の積層作業手順を説明すると、図7aは、親杭に夫々支持された角柱部33が並列して打設されており、擁壁積層用基礎35が捨てコンクリートにて水平に構成されている。
【0044】
図7bは、擁壁PC板23a、23b、23c、24b、24c、24d等を親杭の角柱部33、33、33、・・・等に挿入して、該擁壁PC板を正確に設置する。
【0045】
図7cは、順次2段目、3段目の擁壁PC板23a、23b、23c、24b、24c、24d等を積層、設置する。
【0046】
図7dは、擁壁PC板23a、23b、23c、24b、24c、24d等が積層され、出入口用階段22の両側壁が構成されて、該擁壁PC板23、24上に駐車場床面20を載置、固定した状態を示している。
【0047】
図7eは、擁壁PC板23、24上に設置された駐車場床面20が構成する駐車場19に車34を車庫入れしている状態を示し、図7fは車庫入れ完了時を示している。
【0048】
尚、本発明に使用される前記擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・は、例えば、幅2000mm、高さ1000mm程度の寸法を有する擁壁PC板であり、この寸法は狭隘な現場でも小型重機を用いて施工が出来る最良の構成を有しており、また、擁壁PC版の寸法は、現場の状況によりPC板製作時に任意に設定可能である。
【0049】
また、実施例1は、前記擁壁PC板23a、23b、23c・・・、24a、24b、24c、24d・・・を複数枚積層して傾斜地9の両側に擁壁23,24を構築した後に、該擁壁間の天端に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面20を設けると共に、駐車場床面20に車34の両輪が余裕をもって跨ぐ幅を有するサブエントランス用階段22の出入口を構成して、該階段出入口は車34が駐車していないときに利用できるように構成したサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造を提供するものである。
【0050】
斯くして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に実施例1では、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用することが可能となり、該出入口用階段上部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供することができた。
【0051】
本発明は、昔からの安定した地盤を有効に利用することにより、多大な造成費用の掛かる大規模な擁壁工事や、土地のかさ上げによる人工地盤の再構築等をすることもなく、小型の重機を用いて小型サイズの擁壁PC板を設置でき、利用しやすい駐車場を保有した宅地構造を安価に造成可能とするもので、当該宅地構造の造成は、谷間の地形を大きく改変することもなく、自然観環境に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能である。
【0052】
そして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地において、サブエントランス用や開口窓へのアプローチ用の階段と、平置きの駐車場を併設した宅地構造を提供することで、道路側に面した幅の狭い敷地を最大限に有効利用するものである。
【実施例2】
【0053】
図8乃至図10は、本発明の実施例2を説明するもので、図8は実施例2の要部断面図、図9a、図9bは車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係を示す説明図、図10a、図10bは他の例を示すもので、図9と同様に車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係を示す説明図である。
【0054】
図8において、22はサブエントランス出入口用階段、23a、23b、23c・・・は擁壁PC板、23は前記複数枚の擁壁PC板が構成する擁壁、35は擁壁積層用基礎、32は親杭、33は親杭の上部に形成された角柱部分、26は擁壁PC板に設けられた挿入穴、36は前記角柱部分の最上部で擁壁PC板の天端に載置固着されている車用レールPC板である。
尚、40は前記擁壁PC板23a、23b、23c・・・を積層した後に埋め戻した土部分を示している。
【0055】
実施例2は、宅地4内における駐車場予定地の傾斜地9にサブエントランス用の階段22を設けるにあたり、該階段22となる傾斜地9の両側で擁壁23を構成する複数枚の長方形擁壁PC板23a、23b、23c・・・を設けるもので、該、擁壁PC板は、夫々中央裏面に親杭32の上部が構成する角柱部33を挿入できる挿入穴26を有し、該挿入穴26は前記親杭32の上部角柱部33を挿入することで夫々の擁壁PC板23a、23b、23c・・・を支承して擁壁23を構成可能である。
【0056】
そして、前記夫々の擁壁PC板23a、23b、23c・・・の表面は前記角柱部33の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板23a、23b、23c・・・は打設された親杭32の上部に形成された角柱部33に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地9の両側に擁壁(図8は片側のみを図示する)を構成し、該傾斜地両側に構成された擁壁23、24の天端にすくなくとも二本の車用レールPC板36を載置固着して道路面から車が二本の車用レールPC板36上に移動可能で、該車は駐車の際に二本の車用レールPC板上で平置き可能に構成されている。
【0057】
また、前記傾斜地両側に構成された擁壁の天端に載置固着される二本の車用レールPC板の形状はその断面形状が凹型レール形状のPC板であること、或いは2本の車両用レールPC板の形状は互いにL型を有しており全体が凹型形状なすことを特徴としている。
【0058】
従って、実施例2においては、前記傾斜地両側に構成された擁壁の天端に載置固着される駐車場床面20の形状は、その断面形状が凹型レール形状のPC板、或いは全体が凹型形状をなすPC板により駐車場床面20を構成し、安全な平置き駐車場を設けることができるものである。
【0059】
次に実施例2は、上記平置きの駐車場において、車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係が重要で、この車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係を説明する。即ち、車と駐車場、並びに階段出入口との位置関係は、図9aと図9bに示すものと、図10a、図10bに示す場合が実施できる。
【0060】
図9及び図10において、19は駐車場、20は駐車場床面、34は車、21は階段スペース開口、22は出入口用階段、23は前記駐車場床面を支承している擁壁を夫々示している。
【0061】
図9a、図9bは、駐車場のスペースが極端に小さく、その奥行きもない場合に構成する駐車場であり、この場合には、車34が駐車場19に駐車すると、駐車場床面20の設けられた階段開口スペース21と出入口用階段22が車34にて塞がれてしまうので、出入口用階段22は、車が駐車していないときに初めて使用可能になる。
【0062】
また、図10a、図10bのケースは、駐車場のスペースでその奥行きに余裕のある場合、或いは軽自動車等の小型車を利用する場合に、車34が駐車場19に駐車すると、車34の前面に階段開口スペース21と出入口用階段22が出現して、図10aのように車が駐車している場合においても人が車の駐車位置前面から階段を利用できる。
【0063】
斯くして、実施例2は、傾斜地を含む狭隘な宅地の造成構造に関するものであり、特に実施例1では、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用することが可能となり、該出入口用階段上部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供することができる。
【0064】
また、実施例2は、昔からの安定した地盤を有効に利用することにより、多大な造成費用の掛かる大規模な擁壁工事や、土地のかさ上げによる人工地盤の再構築等をすることもなく、小型の重機を用いて小型サイズの擁壁PC板を設置でき、利用しやすい駐車場を保有した宅地構造を安価に造成可能とするもので、当該宅地構造の造成は、谷間の地形を大きく改変することもなく、自然観環境に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能である。
【0065】
そして、実施例2は、傾斜地を含む狭隘な宅地において、サブエントランス用や開口窓へのアプローチ用の階段と、平置きの駐車場を併設した宅地構造を提供することで、道路側に面した幅の狭い敷地を最大限に有効利用することが可能である。
【実施例3】
【0066】
図11及び図12は、実施例3を説明するものであり、図11は要部断面図、図12は図11の平面図を示している。
【0067】
図11及び図12において、22はサブエントランス出入口用階段、23a、23b、23c・・・は擁壁PC板、23は複数の擁壁PC板が構成する擁壁、27は擁壁PC板の裏面に設けられたタイバータイバー固着面、35は擁壁積層用基礎、32は親杭、33は親杭の上部に形成された角柱部分、26は擁壁PC板に設けられた挿入穴、37はタイバー、38はアンカーウェイト、20は前記角柱部分の最上部で擁壁PC板の天端に載置固定されている駐車場床面である。
尚、40は前記擁壁PC板23a、23b、23c・・・を積層し、上部においてタイバー37を介してアンカーウェイト38を安定地盤39に設置した後に埋め戻した土部分を示している。
【0068】
而して、実施例3は、宅地内における駐車場予定地の傾斜地8にサブエントランス用の階段22を設けるにあたり、該階段となる傾斜地9の両側で擁壁23を構成する複数枚の長方形擁壁PC板23a、23b、23c・・・は夫々中央裏面に親杭32の上部が構成する角柱部33を挿入できる挿入穴26を有し、該挿入穴26は前記親杭32の上部角柱部33を挿入することで夫々の擁壁PC板23a、23b、23c・・・を支承して擁壁23を構成可能である。
【0069】
また、前記夫々の擁壁PC板23a、23b、23c・・・の表面は前記角柱部33の挿入穴26を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板23a、23b、23c・・・は打設された親杭32の上部に形成された角柱部33に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁23で囲われた階段22を構成するものである。
【0070】
従って、前記擁壁PC板23a、23b、23c・・・は、擁壁23の設置場所により擁壁PC板23aの中央裏面に固着可能に設けられたタイバー37と、該タイバー37を介して擁壁23の山側における安定地盤39に設けられたアンカーウェイト38に連結した構成を用いて、前記擁壁PC板23aの天端や、梁形状のタイバー37、並びにアンカーウェイト38上に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けるか、PC板を前記PC板23aの天端、梁形状のタイバー37、並びにアンカーウェイト38上に載置固定して平置き駐車場床面20を設けることで、サブエントランス用の階段22と駐車場を併設した宅地構造を実現できる。
【0071】
尚、実施例3におけるタイバー37とアンカーウェイト38の役割は、擁壁PC板23a、23b、23c・・・の中央裏面に設けられたタイバー固着面27にタイバー37を固着して、該タイバー37は擁壁の山側における安定地盤39に設けられたアンカーウェイト38に連結されていることにより堅固に保持された擁壁23の施工が行える他、タイバー37とアンカーウェイト38を用いた擁壁PC板の施工と、前記擁壁PC板を親杭のみで積層していく施工方法を任意に組み合わせて駐車場予定地の擁壁を構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
斯くして、本発明は、サブエントランス出入口用階段と駐車場を併設して、狭隘な宅地内を有効利用することが可能となり、該出入口用階段上部に平置きの駐車場を併設することで、宅地内に利用しやすい駐車場スペースを確保可能な宅地構造を提供することができるものであり、宅地開発をあきらめていた狭隘な土地開発をも可能にした。
【0073】
また、本発明は、昔からの安定した地盤を有効に利用することにより、多大な造成費用の掛かる大規模な擁壁工事や、土地のかさ上げによる人工地盤の再構築等をすることもなく、小型の重機を用いて小型サイズの擁壁PC板を設置でき、利用しやすい駐車場を保有した宅地構造を安価に造成可能とするもので、当該宅地構造の造成は、谷間の地形を大きく改変することもなく、自然観環境に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能で、産業所の利用価値は多大なものがる。
【0074】
そして、本発明は、傾斜地を含む狭隘な宅地において、サブエントランス用や開口窓へのアプローチ用の階段と、平置きの駐車場を併設した宅地構造を提供することで、道路側に面した幅の狭い敷地を最大限に有効利用するものである。
【符号の説明】
【0075】
1 傾斜地の山側
2 U字溝
3 道路
4 宅地
5 宅地
6 宅地
7 宅地
8 谷側
9 傾斜地
10 エントランス(玄関)
11 キッチン
12 ダイニング
13 トイレ
14 洋室
15 階段室
16 他の洋室
17 サブエントランス
18 開口窓
19 駐車場
20 駐車場床面
21 階段スペース開口
22 出入口用階段
23 擁壁
23a、23b、23c・・・ 擁壁PC板
24 擁壁
24a、24b、24c・・・ 擁壁PC板
25 単体の擁壁PC板
26 挿入穴
27 タイバー固着面
28 製作用デーハ
29 施工用デーハ
30 ガイドピン
31 水抜き穴を形成する切り欠き部
32 親杭
33 角柱部
34 車
35 擁壁積層用基礎
36 車用レールPC板
37 タイバー
38 アンカーウェイト
39 安定基盤
40 埋め戻し土地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅地内における駐車場予定地の傾斜地、或いは段差のある宅地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該サブエントランス用の階段となる傾斜地の両側および周囲に擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成し、該擁壁間の天端に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けると共に、該駐車場床面に車の両輪が余裕をもって跨ぐ幅を有するサブエントランス用階段出入口を構成して、該階段出入口は車が駐車していないとき、或いは車が駐車している場合においても車の駐車位置前面から利用できることを特徴とするサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造。
【請求項2】
宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側及び周囲に擁壁で囲われた階段スペースを構成し、該傾斜地の両側及び周囲に構成された擁壁の天端に少なくとも二本の車用レールPC板を有した駐車場床板を載置固着して道路面から車が前記二本の車用レールPC版上に移動可能で、該車は駐車の際に駐車場床板上で平置きされることを特徴とするサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造。
【請求項3】
宅地内における駐車場予定地の傾斜地にサブエントランス用の階段を設けるにあたり、該階段となる傾斜地の両側及び周囲で擁壁を構成する複数枚の長方形擁壁PC板は夫々中央裏面に親杭の上部が構成する角柱部を挿入できる挿入穴を有し、該挿入穴は前記親杭の上部角柱部を挿入することで夫々の擁壁PC板を支承して擁壁を構成可能であり、該夫々の擁壁PC板の表面は前記角柱部の挿入穴を中心に左右両方向に等しく展開する平板形状を有しており、該擁壁PC板は打設された親杭の上部に形成された角柱部に挿入して積層され前記駐車場予定地の傾斜地両側に擁壁で囲われた階段スペースを構成するもので、前記擁壁PC板は擁壁の設置場所により擁壁PC板の中央裏面に固着可能に設けられたタイバーと、該タイバーを介して擁壁の山側における安定地盤に設けられたアンカーウェイトに連結された構成を用いて、前記擁壁PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に鉄筋コンクリートを打設して平置きの駐車場床面を設けるか、PC板を前記PC板の天端、梁形状のタイバー、並びにアンカーウェイト上に載置固定して平置き駐車場床面を設けることを特徴とするサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造。
【請求項4】
前記傾斜地両側及び周囲に構成された擁壁の天端に設けられるコンクリート製の駐車場床板、或いは駐車場床板を構成するPC板はその断面形状が2本の凹型レール形状を有するPC板であること、或いは両端部がL型で全体が凹型形状を有した駐車場床板で、該駐車場床板の略中央には出入口用の階段スペース開口が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載されたサブエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造。
【請求項5】
前記サブエントランス用の階段は駐車場に車が駐車していない場合、或いは車が駐車している場合でも利用可能で、該サブエントランス用の階段が傾斜地の下方や段差ある宅盤面方向に向かって配置されており建物のキッチン用サブエントランスや開口窓のある庭先に通じていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたエントランス用の階段と駐車場を併設した宅地構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate