説明

サブミクロンのシェル/コア粒子のミニサスポエマルジョン又は懸濁液の製造方法

サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンを製造する方法であって、
開始材料が、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンであり、
サスポエマルジョンが、第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子、並びに
分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS及び適宜、反応材料Rを含み、
サブミクロンのコア/シェル粒子CSを、シェルの前駆体物質PSの化学的又は物理的転化によってサスポエマルジョンの第1の分散液相I中で調製することを特徴とする製造方法を提案している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョン又は懸濁液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サブミクロンのコア/シェル粒子は公知であり、1μm未満の平均外径を有するコア/シェル粒子を表す。
【0003】
サブミクロンのコア/シェル粒子は、例えば遠心力場においてフレーム合成、沈殿によって、或いはミルによって特に調製される。種々の用途に対して、サブミクロンのコア/シェル粒子を懸濁液にする必要がある。この場合、サブミクロンのコア/シェル粒子を、従来、上述のいずれかの方法によって最初に調製し、微粒子状の生成物の場合、次に、液体媒体の添加によって懸濁液にした。これにより調製されるサブミクロンのコア/シェル粒子は、凝集する傾向にあり、低い再分散性であり、そして長期の安定性に欠けるという点で課題を有している。
【0004】
“懸濁液”なる用語は、公知の方法において、分散固体相を連続液相中に含む混合物を示す。
【0005】
“エマルジョン”なる用語は、2種の相互に非混和性の液相からなる液相系を示し、その1相は、分散相又は内相として説明されるように、連続相又は均一相として説明される第2の相において微細な液滴の形態で存在する。相の極性に応じて、エマルジョンは、水中油型(oil-in-water)(O/W)又は油中水型(water-in-oil)エマルジョンとして記載され、且つ、最初の場合に、非極性媒体からなる油相は、非極性相と非混和性の水溶液又は他の化合物からなる極性相において微細に分散された液滴の形態で存在する。W/Oエマルジョンの場合、極性相は、反対に、油相中において微細に分散された液滴の形態で存在する。エマルジョン全体に対する分散相の割合は、>0%〜<100%の範囲であっても良い。
【0006】
“ミニエマルジョン”なる用語は、立体及び/又は静電気効果及び/又は1種以上の界面活性剤及び/又は追加の助剤によって動力学的に安定された、熱力学的に不安定な液体の分散系(エマルジョン)に対して使用され、その分散相は、≦5000nm(≦5μm)の平均液滴直径を示す。
【0007】
“サスポエマルジョン”(suspoemulsion)なる用語は、エマルジョンにおいて分散された固体粒子を示し、そして“ミニサスポエマルジョン”として、ミニエマルジョンに分散された固体粒子を有するミニエマルジョンに相当する混合物に対して使用される。
【0008】
ミニエマルジョンは、例えば、機械的エネルギーを、例えば撹拌エネルギー、乱れた運動エネルギー、超音波、均質化弁によるその後の緩和による圧力の形で、静的混合器、マイクロミキサー又は膜を用いるか、或いは一般的には、層流又は乱流抗力及び/又は伸長流及びキャビテーションを援用することによって供給することによって調製され得る。これにより製造されるエマルジョン(W/Oエマルジョン又はO/Wエマルジョン)の種類は、使用される分散相及び連続相における材料系、界面活性剤及び/又は助剤の選択によって決定される。
【0009】
ミニエマルジョン又はサスポエマルジョンにおける液滴がコア/シェル粒子の製造中に十分に安定であることは乳化の前提条件である。これは、材料系に応じて、液滴それ自体の表面荷電、これによる静電反発力によって達成され得る。界面活性剤による液滴相の表面的な安定化が必要な場合、これは、連続液相中に存在する適当な安定助剤、又はPickering安定剤(界面活性粒子)によって引き起こされる静電気効果及び/又は立体効果によって行われ得る。また、粒子及び/又はエマルジョンを安定させる助剤は、連続分散相において存在していても良い。また、ミニエマルジョン又はサブミクロンの懸濁液を安定させる助剤としては、分散相における液滴又は粒子の上皮形成(creaming)又は沈降を防ぎ、又は減速するように連続相のレオロジー特性を変化させる物質を含む。
【0010】
“液体”なる用語は、本願の場合、本願の場合に記載される方法の条件下で、液体の物理状態である段階を意味すると理解される。
【発明の概要】
【0011】
従って、本発明の目的は、サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョン(minisuspoemulsion)又は懸濁液の製造方法を利用可能にし、これにより、シェルを、特に状況に応じた形態で、特に全てのコア粒子に対して同一の方法で施すことが可能であり、そしてサブミクロンのコア/シェル粒子のコアを形成する1種以上の固体のサブミクロン開始懸濁液における所定の多分散性を本質的に保持することが可能であり、サブミクロンのコア/シェル粒子を、実験室規模に匹敵する品質で工業的規模で利用可能にすることにあった。サブミクロンのコア/シェル粒子のシェルは、開放又は閉鎖されていても良く、被覆閉鎖インデックス(covering closure index)(これにより占められている表面/コア粒子表面)で表される。
【0012】
上記の目的は、サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョン又は懸濁液の製造方法であって、
開始材料が、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンであり、
サスポエマルジョンが、第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子、並びに
分子分散形態で溶解されるシェルの前駆体物質PS及び適宜、反応材料Rを含み、
サブミクロンのコア/シェル粒子CSを、シェルの前駆体物質PSの化学的又は物理的転化によってサスポエマルジョンの第1の分散液相I中で調製することを特徴とする製造方法によって達成される。
【0013】
本願の場合、“コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子”なる用語は、コアを形成する1種以上の固体Cのサブミクロン粒子を意味すると理解される。同様に、“分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS”なる用語は、分子分散形態で溶解されるシェルの数種類の前駆体物質PSを意味すると理解され、そして“分子分散形態で溶解される、コアの前駆体物質PC”なる用語は、分子分散形態で溶解されるコアの数種類の前駆体物質PCを意味すると理解される。
【0014】
コアを形成する1種以上の固体及びシェルを形成する固体の、分子分散形態で溶解される1種以上の前駆体物質の両方を含む第1の液相Iの液滴において、分子分散形態で溶解される前駆体物質から開始して固体のコアにシェルを形成することが可能であることが見出された。これに関して、第1の液相Iの液滴は、小さな寸法(ミニサスポエマルジョン、及びこれにより、冒頭で定義されたように、≦5μmの分散相の平均液滴直径が関連する)という理由から、コアを形成する固体のサブミクロン開始懸濁液における所定の多分散性が本質的に保持されることを保証するミニ反応器(minireactor)として作動する。
【0015】
このための開始材料は、第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSを含む第2の連続液相IIにおける第1の分散液相Iのサスポエマルジョンである。
【0016】
一の実施形態において、上記のサスポエマルジョンは、更に反応材料Rを含む。
【0017】
上述したサスポエマルジョンは、第1の実施形態において、
第1の分散液相I中においてコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子の懸濁液から開始して、
懸濁液に対してシェルの前駆体物質PSを添加し、そして分子分散形態で溶解し、次に、
第2の連続液相IIを添加し、そして第1の液相Iで乳化すると共に、エネルギーを供給する、ことによって調製される。
【0018】
更なる実施形態において、上記のサスポエマルジョンは、
連続相としての第2の液相II中において、分散相としての第1の分散液相I中でコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子のサスポエマルジョンから開始して、
シェルの前駆体物質PSを、第1の液相Iと相溶性であるものの、第2の液相IIと非混和性である第3の液相IIIに導入し、
第2の液相IIと相溶性であるものの、第1及び第3の液相IIIと非混和性である第4の液相IVを用い、前駆体物質PSを含む第3の液相IIIからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そして
第1の液相Iの液滴及び第3の液相IIIの液滴を、エネルギーの供給によって一体化させる、ことによって調製される。
【0019】
かかる実施形態において、分散相の液滴にてコアを形成する固体のサブミクロン粒子を含む、第1のサスポエマルジョンにおける分散相は、これにより、分散相の液滴にてシェルの前駆体物質PSを含む第2のエマルジョンの分散相と強制的に一体化される。
【0020】
更なる実施形態において、上記のサスポエマルジョンは、分散相の液滴において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSに加えて、反応材料Rを含んで利用可能となる。この場合、
開始材料が、連続相としての第2の液相II中において、分散相としての第1の分散液相I中にて、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び更には分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSのサスポエマルジョンであり、
その後、反応材料Rを、第2の連続液相IIに添加し、第1の分散液相Iの液滴に拡散するか、或いは
第1の分散液相Iと相溶性であるものの、第2の連続液相IIと非混和性である更なる液相Vに添加し、
追加の液相VIを用い、反応材料Rを含む追加の液相Vからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そしてエマルジョンの液滴を、
コアを形成する固体C及び更にはシェルの前駆体物質PSを含む第1の分散液相Iの液滴と強制的に一体化させる。
【0021】
更なる実施形態において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSに加えて、反応材料Rを含む上記のサスポエマルジョンは、固体Cのサブミクロン粒子及び反応材料Rを含むサスポエマルジョンの液滴と、連続相の液滴において、シェルの前駆体物質PSを含む追加のエマルジョンの液滴との強制的な一体化によって調製される。
【0022】
連続相としての第2の液相IIを用いる、第1の分散液相Iにてコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子を含むサスポエマルジョンの調製は、分散相の液滴において、コアを形成するサブミクロンの固体粒子C、分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS及び適宜、反応材料Rを含むサスポエマルジョンの上述した製造方法と同様にして行われ得る。第1の実施形態において、
この場合の開始材料が、第1の分散液相Iにおいてコアを形成する固体の前駆体物質PCを含むミニエマルジョンであり、且つ第2の液相IIが連続相であり、そしてミニエマルジョンから、連続相としての第2の液相IIを用い、コアを形成する前駆体物質PCの物理的又は化学的転化によって、第1の分散液相Iにおいてコアを形成する固体Cのミニサスポエマルジョンを形成する。
【0023】
更なる実施形態において、
この場合の開始材料が、第1の分散液相Iにおいてコアを形成する固体の前駆体物質PCを含むミニエマルジョンであり、且つ第2の液相IIが連続相であり、
その後、反応材料Rを、第2の連続液相IIに添加し、第1の分散液相Iの液滴に拡散するか、或いは
第1の液相Iと相溶性であるものの、第2の連続液相IIと非混和性である第3の液相IIIに添加し、そして
第2の液相IIと相溶性であるものの、第1及び第3の液相と非混和性である第4の液相IVを用い、反応材料Rを含む第3の液相IIIからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そしてエマルジョンを、コアを形成する固体の前駆体物質PCを含む第1の分散液相Iの液滴と強制的に一体化させ、その後、
コアを形成する固体Cの前駆体物質PCを反応材料Rと化学的に反応させる。
【0024】
分散相の液滴において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び更には分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSを含むサスポエマルジョンから、シェルの前駆体物質PSの物理的転化によってサブミクロンのコア/シェル粒子を調製する実施形態において、物理的転化は、特に、1種以上の処理パラメータ、好ましくは温度及び/又は圧力を変更することによって、或いは溶剤又は塩を、反応材料Rの上述した添加と同様に添加することによって引き起こされ得る。物理的転化は、シェル又はコアの溶解固体又は固体の溶剤を冷却又は蒸発させることにより、或いは反応材料Rに関する上述した添加と同様に更なる溶剤を添加し、これにより、シェル又はコアの溶解固体又は固体の溶解性を低下させるか、或いは反応材料Rに関する上述した添加と同様に1種以上の更なる塩を添加し、これによりシェル又はコアの溶解固体又は固体の溶解性を低下させることによって特に行うことが可能である。
【0025】
“サブミクロン粒子”なる用語は、公知の形態において、1μm未満の平均外径を有する固体粒子を表す。特に、サブミクロン粒子は、これに関して、ナノメートル範囲、特に100nm未満の平均外径を有するナノ粒子であっても良い。ナノ粒子の平均外径は、≧1nmで且つ≦1000nmであるのが好ましく、更に好ましくは≧1nmで且つ≦100nmであり、特に≧1nmで且つ≦20nmであっても良い。サブミクロンのコア/シェル粒子におけるシェルの厚さは、≧0.5nmで且つ≦100nmの範囲であるのが好ましく、更に好ましくは≧0.5nmで且つ≦30nmの範囲であり、特に≧0.5nmで且つ≦10nmの範囲であっても良い。
【0026】
粒径分布は、それ自体公知の方法、例えば、静的光散乱若しくは動的光散乱の方法又は分析用超遠心器(例えば、W. Maechtle, Makromolekulare Chemie, 185 (1984), 1025-1039頁を参照されたい)、並びに電子顕微鏡写真を用いて測定され得る。
【0027】
サブミクロン懸濁液は、コアを形成する固体又は固体Cを、サブミクロン懸濁液の合計質量に対して、好ましくは0.01〜40質量%の割合、特に1〜10質量%の割合で含む。
【0028】
コアを形成する固体C又はシェルを形成する固体Sは、特に、以下のリスト:金属、酸化物、半導体、カーボンブラック、金属塩、硫黄、硫黄化合物、ケイ素化合物、ポリマー、化粧品、農薬、動物栄養剤又は栄養補助食品用の無機又は有機顔料又は固体の無機又は有機活性物質から選択される物質又は物質の混合物であっても良い。
【0029】
これに関して、特に好ましくは、以下のリスト:Au、Ag、Ni、Pd、Fe、Sn、Zn、Co、Cu、Bi、Ce、Zr及びTiから選択される1種以上の金属、或いは以下のリスト:層状化シリケート、TiO2、ZnO、SiO2、Bi23、Fe23、CeOx、MFexy(但し、Mが4価の金属又は主族金属である。)、ZrO2、SnO、SnO2、Alxy、CuO、Cu2O及びCaCO3から選択される1種以上の酸化物、或いは硫化物及びセレン化物から選択される1種以上の半導体、或いはケイ素化合物、或いは硝酸塩、炭化物、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、有機酸の塩、例えばラクテート又はカルボキシレートから選択される金属塩、炭酸、ヒドロキシ酸或いはPET、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリケトン、ポリカーボネート、PMMA、PU又はポリブタジエンテレフタレートから選択されるポリマーである。
【0030】
シェルを形成する固体Sの分子分散前駆体物質PSとして、又はコアを形成する固体Cの前駆体物質PCとして1種以上の有機又は無機塩、特にスズ塩、亜鉛塩、セリウム塩、鉄塩、ジルコニウム塩、ビスマス塩又は銅塩、或いは無機金属化合物、特にチタン、モノマー及び/又は1種以上のケイ素化合物を使用するのが好ましい。
【0031】
反応材料は、有機化合物に溶解性の塩基、特にアミンであるか、又は水溶性の塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液であるか、或いは更に気体、例えば二酸化炭素又はアンモニア、還元剤(H2、NaBH4)、酸化剤、開始剤、緩衝剤溶液又はイオン交換樹脂であっても良い。
【0032】
2種類の相互に非混和性液体の一方が親水性であり、他方が疎水性である。
【0033】
第1の分散液相Iが水性であり、そして第2の連続液相IIが有機相(特に、アルカン又はアルカンの混合物、植物性油又は植物性油の混合物、シリコーン油又はシリコーン油の混合物、或いは列挙された物質の混合物)であるのが好ましい。
【0034】
代わりの実施形態において、サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンから開始して、第1の分散液相I又は第2の連続液相IIを取り除くことによって、その都度、他の液相中におけるサブミクロンのコア/シェル粒子の懸濁液を得ることが可能である。
【0035】
有利な代わりの実施形態において、コアを形成する粒子の2個以上、特に2〜1000個を、1個のシェルによって包囲することが可能である。これにより、“マルチコア粒子”(multicore particle)を得る。これに関して、シェルは、完全に閉鎖される必要はない。
【0036】
従って、バルク合成と比較して、ナノメートル範囲の寸法にて第1の分散液相の液滴で良好に制御され得る沈殿条件に応じて、第1の分散液相Iの液滴ごとに、数種類のマルチコア粒子を含むことが可能である。
【0037】
更なる代わりの実施形態において、第1の分散液相Iの液滴に存在する、コアを形成する全ての粒子を、1個のシェルによって一緒に包囲することが可能である。全ての液滴は、本質的に同じ寸法を有し、そして本質的に同濃度のコア粒子を含むことから、かかる実施形態において、コア粒子の濃度及び液滴の寸法を介して、得られるマルチコア粒子の寸法を明確に調節することが可能であり、そして極めて均一な分布幅を有するマルチコア粒子を得る。
【0038】
有利には、2〜10個、好ましくは2〜3個のシェルを、コアを形成する粒子に対して上下に施すことが可能である。
【0039】
有効な実施形態において、コア及び1個以上のシェルは、それぞれ同一の化学組成を示すものの、異なる変性、特に異なる結晶構造を示しても良く、或いはコアの材料が非晶質であり、1個以上のシェルの材料が結晶性であっても良く、又はその反対であっても良い。
【0040】
更なる実施形態において、サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンを調製し、かかる調製において、シェルがコアを完全に包囲せず、その後、サブミクロンのコア/シェル粒子を下流側の処理段階に付し、そこでコアを、特に蒸発、溶解又は腐食によって完全に又は部分的に除去すると共に、中空の構造を保ち、次に、追加のシェル又は数種類の追加のシェルをコアに施すことが可能であるのが好ましい。
【0041】
本発明の方法により得られるコア/シェルナノ粒子懸濁液又はサスポエマルジョンを確立する特定の分野は、サブミクロンのコア/シェル粒子の化学組成、使用される安定助剤並びに液相I、液相II又は液相I及びIIを形成する物質に応じて異なる。好ましい利用分野は、触媒として、特に化粧品、農薬、動物栄養剤又は栄養補助食品での活性物質調剤として、顔料として、電子工学において、光学的用途において、或いはポリマーにおいて使用することである。
【0042】
具体的な実施の形態を用いて、本発明を以下に更に十分に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、具体的な実施形態1により得られたコア/シェルナノ粒子のHAADF−STEM像を詳細に示す。
【図2】図2は、具体的な実施形態2により得られたコア/シェルナノ粒子のHAADF−STEM像を詳細に示す。
【図3】図3は、具体的な実施形態3により得られたマルチコア/シェル構造を有するコア/シェル粒子のTEM明視野像を詳細に示す。
【実施例】
【0044】
[実施例1]
開始材料は、水における、アミノプロピルトリメトキシシランで表面変性され、20nmの平均粒径を有する二酸化ケイ素粒子、BASF社製のQuadrol L(登録商標)、すなわち界面活性剤としてのテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、CAS No. 102-60-3及び塩化スズ(II)を含む第1の分散液相Iの懸濁液であった。サスポエマルジョンは、n−デカン及びBASF社製のGlissopal EM23(登録商標)の第2の連続液相における第1の分散液相I並びにポリイソブテンを基礎とし、約1000g/モルの平均モル質量を有する両性イオン分子による界面活性剤を含んでいた。
【0045】
第1の分散液相は、0.75gの界面活性剤Quadrol L(登録商標)及び2.25gの塩化スズ(II)を96gの水に撹拌しながら溶解することによって調製された。次に、0.75gの表面変性された二酸化ケイ素粒子を添加した。
【0046】
第2の連続液相は、4.5gのGlissopal EM23(登録商標)を199gのn−デカンに撹拌しながら溶解することによって調製された。
【0047】
第1の分散液相及び第2の連続液相を、IKA(登録商標)-Werke GmbH & Co. KG(Staufen、ドイツ)製のUltra-Turrax(登録商標)混合器において予備乳化した。次に、これにより調製された粗なサスポエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0048】
かかる粗なサスポエマルジョンを、高圧ホモジナイザーにおいて乳化することにより、530nmのザウター平均径x3.2を有する液滴寸法分布が明らかとなった。次に、かかる微細なエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0049】
かかる微細なエマルジョンに対して5.63gのピリジンを添加することにより、ピリジンがサスポエマルジョンの連続相に溶解した。次に、120℃に加熱し、かかる温度を4時間維持した。
【0050】
このようにして、コア−シェル構造を有する粒子を調製することが可能であった。二酸化スズを、5nmの粒子として、二酸化ケイ素コア粒子の表面に対して載置した。
【0051】
これにより得られたサブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンから全ての液体を分離して、高角度散乱暗視野−透過電子顕微鏡写真(High Angle Annular Dark Field Scanning-Transmission Electron Microscopy photograph:HAADF−STEM写真)を得ることが可能であった。
【0052】
HAADF−STEM写真により、コア−シェル構造において、コア粒子の粒径及び更にはコア粒子の多分散性が本質的に変化しないことを示していた。
【0053】
[実施例2]
コア粒子として、アミノプロピルトリメトキシシランで表面変性された二酸化ケイ素粒子を同様に使用可能であったものの、150nmの平均粒径に関して実施例1と異なっていた。
【0054】
今後のサスポエマルジョンに対する第1の分散液相Iの懸濁液を調製するために、1.5gの塩化スズ(II)を64gの水に溶解し、次に、150nmの平均粒径を有する0.5gの表面変性された二酸化ケイ素粒子を添加した。
【0055】
第2の連続液相は、3gの、BASF社製のGlissopal(登録商標) EM23を133gのn−デカンに溶解することによって調製された。
【0056】
第1の分散液相及び第2の連続液相を、IKA(登録商標)-Werke GmbH & Co. KG(Staufen、ドイツ)製のUltra-Turrax(登録商標)混合器において予備乳化した。次に、これにより調製された粗なサスポエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0057】
かかる粗なサスポエマルジョンを、高圧ホモジナイザーにおいて乳化することにより、350nmのザウター平均径x3.2を有する液滴寸法分布が明らかとなった。次に、かかる微細なエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0058】
微細なエマルジョンに対して4.8gのトリエチルアミンを添加することにより、塩基がサスポエマルジョンの連続相に溶解した。次に、130℃に加熱し、かかる温度を4時間維持した。
【0059】
コア/シェル構造を有する粒子を得て、且つ二酸化スズを、5nmの粒子として、二酸化ケイ素コア粒子の表面に対して載置した。
【0060】
実施例1のように、全ての液体を分離して、HAADF−STEM写真を得ることが可能であった。
【0061】
HAADF−STEM写真により、コア粒子の粒径及び更にはコア粒子の多分散性が、シェルの利用によって本質的に変化しないことを示していた。
【0062】
[実施例3]
開始材料は、水における、アミノプロピルトリメトキシシランで表面変性され、40nmの平均粒径を有する二酸化ケイ素粒子及び塩化スズ(II)を含む第1の分散液相Iの懸濁液であった。サスポエマルジョンは、n−デカン及びBASF社製のGlissopal EM23(登録商標)の第2の連続液相における第1の分散液相I並びにポリイソブテンを基礎とし、約1000g/モルの平均モル質量を有する両性イオン分子による界面活性剤を含んでいた。
【0063】
第1の分散液相は、0.64gの塩化スズ(II)を63gの水に撹拌しながら溶解することによって調製された。次に、0.2gの表面変性された二酸化ケイ素粒子を添加した。
【0064】
第2の連続液相は、3gのGlissopal EM23(登録商標)を133gのn−デカンに撹拌しながら溶解することによって調製された。
【0065】
第1の分散液相及び第2の連続液相を、IKA(登録商標)-Werke GmbH & Co. KG(Staufen、ドイツ)製のUltra-Turrax(登録商標)混合器において予備乳化した。次に、これにより調製された粗なサスポエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0066】
かかる粗なサスポエマルジョンを、高圧ホモジナイザーにおいて乳化することにより、580nmのザウター平均径x3.2を有する液滴寸法分布が明らかとなった。次に、かかる微細なエマルジョンを、真空の確立によって脱気した。
【0067】
かかる微細なエマルジョンに対して2.05gのトリエチルアミンを添加することにより、トリエチルアミンがサスポエマルジョンの連続相に溶解した。次に、130℃に加熱し、かかる温度を4時間維持した。
【0068】
このようにして、マルチコア/シェル構造を有するコア/シェル粒子を調製することが可能であった。一酸化スズを、シェルとして、幾つかの二酸化ケイ素粒子の表面に対して載置した。EDX分析(エネルギー分散型X線分析)により、マルチコア/シェル構造当たりの二酸化ケイ素粒子の平均数を約6個の二酸化ケイ素粒子と評価することが可能であった。
【0069】
これにより得られたサブミクロンのマルチコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンから全ての液体を分離して、高角度散乱暗視野−透過電子顕微鏡写真(TEM写真)、更に詳細にはTEM明視野像を得ることが可能であった。
【0070】
図3におけるTEM明視野像は、これにより調製されたマルチコア/シェル粒子が全て同じ種類の等級であることを示していた。
【0071】
図において、
図1は、具体的な実施形態1により得られたコア/シェルナノ粒子のHAADF−STEM像を詳細に示し、
図2は、具体的な実施形態2により得られたコア/シェルナノ粒子のHAADF−STEM像を詳細に示し、
図3は、具体的な実施形態3により得られたマルチコア/シェル構造を有するコア/シェル粒子のTEM明視野像を詳細に示している。
【0072】
試験片における高い等級で且つ比較的厚い部位の構成は、TEM明視野像(図3)において暗く、そしてHAADF−STEM写真(図1及び2)において明るく塗りつぶされた。
【0073】
図1及び2におけるHAADF−STEM写真により、コア/シェルナノ粒子が、調製における開始材料として使用されたコア粒子と同じ種類の等級である平均粒径を持って得られたことを示している。
【0074】
図1及び2で矢印で強調されている明るい領域は、コア/シェルナノ粒子のシェルを形成する二酸化スズ粒子を示している。
【0075】
図3のTEM明視野像は、マルチコア/シェル構造を有するコア/シェル粒子の等級を示し、且つTEM明視野像における暗い構造が、シェルを形成する二酸化スズ粒子に相当する。
【0076】
具体的な実施形態により、予め製造されたコア粒子におけるシェルの形成は、極めて均一に行われ、そして個々のコア粒子が、それぞれほぼ同じ厚さのシェルを有することを明らかに示していた。本発明の方法は、簡単な方法で拡大可能である。なぜなら、分散相の平均液滴径が、同じ寸法のサスポエマルジョンの量、コアを形成する固体のサブミクロン開始懸濁液における所定の多分散性を生成物において本質的に保持することを保証するミニ反応器の寸法を規定する分散相の平均液滴径、コア/シェル粒子と無関係に調節可能だからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンを製造する方法であって、
開始材料が、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンであり、
サスポエマルジョンが、第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子、並びに
分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS及び適宜、反応材料Rを含み、
サブミクロンのコア/シェル粒子CSを、シェルの前駆体物質PSの化学的又は物理的転化によってサスポエマルジョンの第1の分散液相I中で調製することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び更には分子分散形態で溶解される、シェル前駆体物質PSを含む、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンが、
第1の分散液相I中においてコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子の懸濁液から開始して、
懸濁液に対してシェルの前駆体物質PSを添加し、そして分子分散形態で溶解し、次に、
第2の連続液相IIを添加し、そして第1の液相Iで乳化すると共に、エネルギーを供給する、ことによって調製される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び更には分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSを含む、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンが、
連続相としての第2の液相II中において、分散相としての第1の分散液相I中にてコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子のサスポエマルジョンから開始して、
シェルの前駆体物質PSを、第1の液相Iと相溶性であるものの、第2の液相IIと非混和性である第3の液相IIIに導入し、
第2の液相IIと相溶性であるものの、第1及び第3の液相IIIと非混和性である第4の液相IVを用い、前駆体物質PSを含む第3の液相IIIからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そして
第1の液相Iの液滴及び第3の液相IIIの液滴を、エネルギーの供給によって一体化させる、ことによって調製される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子、分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS及び更には反応材料Rを含む、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンが、
連続相としての第2の液相II中において、分散相としての第1の分散液相I中にて、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子及び更には分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PSのサスポエマルジョンから開始して、
その後、反応材料Rを、第2の連続液相IIに添加し、第1の分散液相Iの液滴に拡散するか、或いは
第1の分散液相Iと相溶性であるものの、第2の連続液相IIと非混和性である更なる液相Vに添加し、
追加の液相VIを用い、反応材料Rを含む追加の液相Vからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そしてエマルジョンの液滴を、
コアを形成する固体C及び更にはシェルの前駆体物質PSを含む第1の分散液相Iの液滴と強制的に一体化させる、ことによって調製される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の分散液相I中において、コアを形成する固体Cのサブミクロン粒子、分子分散形態で溶解される、シェルの前駆体物質PS及び更には反応材料Rを含む、第2の連続液相II中における第1の分散液相Iのサスポエマルジョンが、
第1の分散液相I中において、固体Cのサブミクロン粒子を含む第2の連続液相IIでの第1の分散液相Iのサスポエマルジョンから開始して、
反応材料Rを、第1の液相Iと相溶性であるものの、第2の液相IIと非混和性である第3の液相IIIに導入し、
第4の液相IVを用い、反応材料Rを含む第3の液相IIIからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、
第1の液相Iの液滴及び第3の液相IIIの液滴を一体化させると共に、エネルギーを供給し、その後、
シェルの前駆体物質PSを、第2の連続液相IIに添加し、第1の分散液相Iの液滴に拡散するか、或いは
追加のエマルジョンにおける連続層の液滴にて、シェルの前駆体物質PSを含む追加のエマルジョンの形態で添加し、且つ追加のエマルジョンの分散相は、第1の分散液相Iと相溶性であるものの、連続液相IIと非混和性であり、そして追加のエマルジョンの連続相は、第1の分散液相Iと相溶性であり、その後、
第1の分散液相Iの液滴及び追加のエマルジョンの連続相の液滴を強制的に一体化させる、ことによって調製される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
連続相としての第2の液相IIを用い、第1の分散液相Iにおけるコアを形成する固体Cのサブミクロン粒子を含むサスポエマルジョンが、
第1の分散液相Iのコアを形成する固体の前駆体物質PCを含むミニエマルジョンから出発し、且つ第2の液相IIが連続相であり、そしてミニエマルジョンから、連続相としての第2の液相IIを用い、コアを形成する前駆体物質PCの物理的又は化学的転化によって、第1の分散液相Iにおいてコアを形成する固体Cのミニサスポエマルジョンを形成する、ことによって調製される請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
連続相としての第2の液相IIを用い、分散相としての第1の液相Iにてコアを形成する固体Cのサスポエマルジョンが、
第1の分散液相Iにおいてコアを形成する固体の前駆体物質PCを含むミニエマルジョンから出発し、且つ第2の液相IIが連続相であり、
その後、反応材料Rを、第2の連続液相IIに添加し、第1の分散液相Iの液滴に拡散するか、或いは
第1の液相Iと相溶性であるものの、第2の連続液相IIと非混和性である第3の液相IIIに添加し、そして
第2の液相IIと相溶性であるものの、第1及び第3の液相と非混和性である第4の液相IVを用い、反応材料Rを含む第3の液相IIIからエマルジョンを形成すると共に、エネルギーを供給し、そしてエマルジョンの液滴を、コアを形成する固体の前駆体物質PCを含む第1の分散液相Iの液滴と強制的に一体化させ、その後、
コアを形成する固体Cの前駆体物質PCを反応材料Rと化学的に反応させる、ことによって形成される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
サブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンから開始して、第1の分散液相I又は第2の連続液相IIを取り除くことによって、その度、他の液相中におけるサブミクロンのコア/シェル粒子の懸濁液を得る請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
コアを形成する粒子の2個以上、特に2〜1000個が、1個のシェルによって包囲される請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1の分散液相Iの液滴中に存在する、コアを形成する全ての粒子が、1個のシェルによって一緒に包囲される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
2〜10個、好ましくは2〜3個のシェルを、コアを形成する粒子に対して上下に施す請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
コア及び1個以上のシェルが、それぞれ同一の化学組成を示すものの、異なる変性、特に異なる結晶構造を示すか、或いはコアの材料が非晶質であり、1個以上のシェルの材料が結晶性であり、又はその反対である請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
シェルがコアを完全に包囲しないようにサブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョンを調製し、そしてサブミクロンのコア/シェル粒子を下流側の処理段階に付し、そこでコアを、特に蒸発、溶解又は腐食によって完全に又は部分的に除去すると共に、中空の構造を保ち、そして1個以上の追加のシェルをコアに施す請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
物理的転化が、1種以上の処理パラメータ、特に温度及び/又は圧力を変更することによって、或いは溶剤又は塩を、反応材料Rの添加と同様に添加することによって行われる請求項1〜3又は6〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
サブミクロンのコア/シェル粒子が、≧1nmで且つ≦1000nmの範囲、好ましくは≧1nmで且つ≦100nmの範囲、特に好ましくは≧1nmで且つ≦20nmの範囲の平均外径、及び≧0.5nmで且つ≦100nmの範囲、好ましくは≧0.5nmで且つ≦30nmの範囲、特に好ましくは≧0.5nmで且つ≦10nm以下の範囲のシェルの厚さを示す請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ミニサスポエマルジョンにおける固体含有量が、0.01〜40質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲である請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
コアを形成する固体C又はシェルを形成する固体Sが、以下のリスト:金属、酸化物、半導体、カーボンブラック、金属塩、硫黄、硫黄化合物、ケイ素化合物、ポリマー、化粧品、農薬、動物栄養剤又は栄養補助食品用の無機又は有機顔料又は固体の無機又は有機活性物質から選択される物質又は物質の混合物である請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
コアを形成する固体C又はシェルを形成する固体Sとして、以下のリスト:Au、Ag、Ni、Pd、Fe、Sn、Zn、Co、Cu、Bi、Ce、Zr及びTiから選択される1種以上の金属、或いは以下のリスト:層状化シリケート、TiO2、ZnO、SiO2、Bi23、Fe23、CeOx、MFexy(但し、Mが4価の金属又は主族金属である。)、ZrO2、SnO、SnO2、Alxy、CuO、Cu2O及びCaCO3から選択される1種以上の酸化物、或いは硫化物及びセレン化物から選択される1種以上の半導体、或いはケイ素化合物、或いは硝酸塩、炭化物、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、有機酸の塩、例えばラクテート又はカルボキシレートから選択される金属塩、炭酸、ヒドロキシ酸或いはPET、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリケトン、ポリカーボネート、PMMA、PU又はポリブタジエンテレフタレートから選択されるポリマーを使用する請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
シェルを形成する固体Sの分子分散前駆体物質PS又はコアを形成する固体Cの前駆体物質PCとして、1種以上の有機又は無機塩、特にスズ塩、亜鉛塩、セリウム塩、鉄塩、ジルコニウム塩、ビスマス塩又は銅塩、或いは無機金属化合物、特にチタン、モノマー及び/又は1種以上のケイ素化合物を使用する請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
第1の分散液相Iが水性であり、第2の連続液相IIが有機相、特にアルカン又はアルカンの混合物、植物性油又は植物性油の混合物、シリコーン油又はシリコーン油の混合物、或いは列挙された物質の混合物である請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法で調製されるサブミクロンのコア/シェル粒子のミニサスポエマルジョン又は懸濁液を、触媒として、特に化粧品、農薬、動物栄養剤又は栄養補助食品での活性物質調剤として、顔料として、電子工学において、光学的用途において、或いはポリマーにおいて使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−509060(P2010−509060A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536719(P2009−536719)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062266
【国際公開番号】WO2008/058958
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】