説明

サムネイル生成装置およびサムネイル生成方法

【課題】複数の記録媒体へ記録された各データファイルの内容を、ユーザの使用状況に応じて適切に知らせるためのサムネイルを生成することを可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】1つ以上のコンテンツは、ファイルシステムを用いてデータファイル単位で記録され、かつ、記録されたデータファイルは複数の記録媒体間においてファイル単位で同期がとられており、サムネイルをコンテンツ単位又はデータファイル単位で生成するサムネイル生成部70と、サムネイル生成部70に、サムネイルを、コンテンツ単位で生成させるか、前記データファイル単位で生成させるかを、ユーザ設定に応じて決定する制御部21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サムネイル生成装置およびサムネイル生成方法に関し、特に、複数の記録媒体に同時に記録されたデータの内容をユーザに表示するためのサムネイルを生成するサムネイル生成装置およびサムネイル生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像データや音声データを含んで構成されるコンテンツを、複数の記録媒体に記録する記録装置が存在する。これらの記録装置では、コンテンツを複数の記録媒体に直列的に順番に記録することで長時間記録を可能とさせたり、コンテンツを複数の記録媒体に同時に記録することでバックアップをとったりすることが可能である。
【0003】
また、記録装置の中には、コンテンツを、汎用的なPC(Personal Computer)で取り扱い可能となるように、ファイルシステムを用いてデータファイルとして記録媒体に記録するものもある。
【0004】
上述した複数の記録媒体とファイルシステムとを用いることによって、複数の記録媒体へのコンテンツ、すなわちデータファイルの記録開始/停止を個々に独立して制御することを可能とするとともに、各記録媒体へデータファイルを記録する際のデータファイル間の同期を簡単にとれ、その後の編集作業も簡単に行うことを可能とする技術を出願人は既に提供している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2011−149011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、複数の記録媒体へ記録した各データファイルの内容をユーザへ知らせる技術については提供してなかった。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の記録媒体へ記録された各データファイルの内容を、ユーザの使用状況に応じて適切に知らせるためのサムネイルを生成することを可能とし、ユーザの利便性を向上させることができるサムネイル生成装置及びサムネイル生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の装置、方法を提供するものである。
(1)複数の記録媒体に記録されたコンテンツの内容を、ユーザに知らせるためのサムネイルを生成するサムネイル生成装置であって、
前記1つ以上のコンテンツは、ファイルシステムを用いてデータファイル単位で記録され、かつ、記録されたデータファイルは前記複数の記録媒体間においてファイル単位で同期がとられており、
前記サムネイルを前記コンテンツ単位又は前記データファイル単位で生成するサムネイル生成部と、
前記サムネイル生成部に、前記サムネイルを、前記コンテンツ単位で生成させるか、前記データファイル単位で生成させるかを、ユーザ設定に応じて決定する制御部と、
を有することを特徴とするサムネイル生成装置。
(2)前記サムネイル生成部は、
前記サムネイルを前記複数の記録媒体毎に分けて表示部に表示される配置となるように生成することを特徴とする上記(1)記載のサムネイル生成装置。
(3)複数の記録媒体に記録されたコンテンツの内容を、ユーザに知らせるためのサムネイルを生成するサムネイル生成方法であって、
前記1つ以上のコンテンツは、ファイルシステムを用いてデータファイル単位で記録され、かつ、記録されたデータファイルは前記複数の記録媒体間においてファイル単位で同期がとられており、
前記サムネイルを前記コンテンツ単位又は前記データファイル単位で生成するサムネイル生成ステップと、
前記サムネイルステップに、前記サムネイルを、前記コンテンツ単位で生成させるか、前記データファイル単位で生成させるかを、ユーザ設定に応じて決定する制御ステップと、
を含むことを特徴とするサムネイル生成方法。
(4)前記サムネイル生成ステップは、
前記サムネイルを前記複数の記録媒体毎に分けて表示部に表示される配置となるように生成することを特徴とする上記(3)記載のサムネイル生成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の記録媒体へ記録された各データファイルの内容を、ユーザの使用状況に応じて適切に知らせるためのサムネイルを生成することを可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例のサムネイル生成装置を含んだ記録装置の全体構成を示す図である。
【図2】データファイルの構造を示す図である。
【図3】データ記録の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】独立記録モードの動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】独立記録モードでの記録の様子を説明する図である。
【図6】各記録部に独立記録モードで記録されたデータファイルの様子を説明する図である。
【図7】ファイル単位モードでのサムネイル表示の様子を説明する図である。
【図8】コンテンツ単位モードでのサムネイル表示の様子を説明する図である。
【図9】サムネイル生成動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
[実施例]
<全体構成>
図1は、本実施例のサムネイル生成装置を含んだ記録装置100の全体構成を模式的に示す図である。本実施例のサムネイル生成装置は、この記録装置100におけるサムネイル生成に関する機能として搭載される。
【0012】
記録装置100は、ユーザインタフェース部10、制御部20、記録部30、一時記憶部40、信号処理部50、信号入力部60、サムネイル生成部70、及びサムネイル出力部80を含む。
【0013】
信号入力部60は、映像や音声等の時間的に連続するデータの入力を受け付ける。
【0014】
信号処理部50は、信号入力部60が取得したデータを処理して後述する記録部30に記録するためのデータを生成する。例えば、信号入力部60が取得したデータが映像データの場合、信号処理部50は、取得した映像データをMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)で符号化することで、記録部30に記録するためのデータを生成する。別の例として、信号入力部60が取得したデータが音声データの場合、信号処理部50は、音声データをMP3(MPEG Audio Layer 3)で符号化することで、記録部30に記録するためのデータを生成する。また、映像データと音声データとの両方を取得した場合は、それぞれのデータの符号化後、時分割多重して記録部30に記録しても良い。
更に、信号処理部50は、上記処理で符号化して記録部30に記録したデータを復号化する処理も行なう。
【0015】
一時記憶部40は、信号処理部50が生成したデータを記録部30に記録する前に一時記憶する。また、後述する記録部30から再生したデータを一時記憶する。一時記憶部40は、例えば既知のRAM(Random Access Memory)を用いて実現できる。
【0016】
記録部30は、例えばNAND型フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の記録媒体で構成され、一時記憶部40に格納されたデータを、後述する記録/再生制御部21よる制御を受けて所定のファイル形式でデータファイルとして記録する。記録部30は、2つの記録媒体すなわち第1記録部31と第2記録部32とで構成される。以下本実施例において、第1記録部31と第2記録部32とを特に区別しない場合は、両者を含めて単に「記録部30」という。なお、第1記録部31、第2記録部32は、それぞれ記録装置100に内蔵される構成でも良いし、スロット等を介して着脱可能な構成となっていても良い。また、本説明では第1記録部31と第2記録部32との2つの記録部(記録媒体)を有する構成で説明したが、3個以上の記録部を有する構造であっても良い。
【0017】
記録装置100は、一時記憶部40に格納されたデータを、第1記録部31と第2記録部32とに直列的に順番に記録するモード(以下「通常記録モード」と呼ぶ)と、第1記録部31と第2記録部32とへの記録開始/停止を個々に制御して記録するモード(以下「独立記録モード」と呼ぶ)との2種類の記録モードを持つ。
【0018】
ユーザインタフェース部10は、ユーザからの操作指示を受け付けたり、記録装置100からの通知をユーザに表示したりする。これは例えば押しボタン、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネル等の既知のデバイスを用いて実現できる。
【0019】
本実施例では、このユーザインタフェース部10は、モード設定入力部11と、第1記録操作入力部12と、第2記録操作入力部13と、表示モード設定入力部14とサムネイル表示操作入力部15とを含む。
【0020】
モード設定入力部11は、ユーザから、上記した通常記録モードと独立記録モードとのどちらかの記録モードとするかの操作指示を受け付け、受け付けた操作指示が示す記録モードを後述する記録/再生制御部21へ設定する。
【0021】
第1記録操作入力部12は、ユーザがメインで使用する記録開始/停止ボタンであり、通常記録モードの場合、及び独立記録モード時で第1記録部31へ記録する場合に使用される。第2記録操作入力部12は、ユーザがサブで使用する記録開始/停止ボタンであり、独立記録モード時で第2記録部31へ記録する場合に使用される。
【0022】
第1記録操作入力部12、及び第2記録操作入力部13は、ユーザから、記録開始又は停止の操作指示を受け付け、受け付けた操作指示、すなわち記録開始であるのか停止であるのかを記録/再生制御部21へ通知する。
【0023】
表示モード設定入力部14は、ユーザから、サムネイルの表示方法(表示モード)に関する操作指示を受け付け、受け付けた操作指示が示す表示モードを後述する記録/再生制御部21へ設定する。このサムネイルの表示モード、すなわちサムネイルの表示方法が本実施例の要部である。この表示方法の詳細については後述する。
【0024】
サムネイル表示操作入力部15は、ユーザから、サムネイルの表示開始又は停止の操作指示を受け付け、受け付けた操作指示、すなわち表示開始であるのか停止であるのかを記録/再生制御部21へ通知する。
【0025】
制御部20は、記録装置100の各機能ブロックに指示を出して全体の統率制御を行なう。例えば、信号入力部60に対してデータ入力開始/停止の指示を出したり、信号処理部50に対して符号化の開始/停止の指示を出したりという制御を行なう。なお、本実施例では、これらの制御の詳細に関しては関連性が低いので以降の説明は省略する。また、図1における制御ラインも省略する。
【0026】
制御部20は、記録/再生制御部21を含む。制御部20が記録部30に対して行なう制御は本実施例の要部であるので、特に記録/再生制御部21とした。
【0027】
記録/再生制御部21には、モード設定入力部11を介してユーザからの記録モードが設定される。設定された記録モードは、記録/再生制御部21の図示しないメモリに格納される。
【0028】
記録/再生制御部21へ設定された記録モードが通常記録モードの場合で、かつ、第1記録操作入力部12から記録開始/停止の操作指示が通知された場合、記録/再生制御部21は、第1記録部31、第2記録部32に関係なく、通常記録モードにおいて前回記録開始/停止を制御された第1記録部31又は第2記録部32と一時記憶部40とに対してデータの記録開始/停止を制御する。この場合の記録開始時の処理をより具体的に説明すると、記録/再生制御部21は、一時記憶部40に一時記憶されたデータを読み出して、前回記録開始/停止を制御された第1記録部31又は第2記録部32にデータファイルとして供給する。
【0029】
記録/再生制御部21へ設定された記録モードが独立記録モードの場合で、かつ、第1記録操作入力部12から記録開始/停止の操作指示が通知された場合、記録/再生制御部21は、第1記録部31に対して、データの記録開始/停止を制御する。この場合の記録開始時の処理をより具体的に説明すると、記録/再生制御部21は、一時記憶部40に一時記憶されたデータを読み出して、第1記録部31にデータファイルとして供給する。
【0030】
記録/再生制御部21へ設定された記録モードが独立記録モードの場合で、かつ、第2記録操作入力部12から記録開始/停止の操作指示が通知された場合、記録/再生制御部21は、第2記録32に対して、データの記録開始/停止を制御する。この場合の記録開始時の処理をより具体的に説明すると、記録/再生制御部21は、一時記憶部40に一時記憶されたデータを読み出して、第2記録部32に供給する。このとき、既に第1記録操作入力部12から記録開始の操作指示が通知されており第1記録部31への記録を行なっていた場合は、データを第1記録部31と第2記録部32との両方へデータファイルとして供給するように一時記憶部40からの読み出しタイミングを適宜制御する。
【0031】
なお、記録/再生制御部21へ設定された記録モードが通常記録モードの場合で、かつ、第2記録操作入力部12から記録開始/停止の操作指示が通知された場合はその操作指示は無視する。
【0032】
また、記録/再生制御部21は、前述したとおり、データを所定のファイルシステムを用いてデータファイルとして記録する。従って、記録開始時においてはデータファイルをオープンする処理を行ない、記録停止時はデータファイルをクローズする処理を行なう。この処理によって得られるデータファイルの構造を図2に示す。Dataは映像データや音声データなどで構成されるコンテンツ本体であり、Dataの先頭にはHeader(ヘッダー)が付加され、後尾にはFooter(フッター)が付加される。ここで、ヘッダー、フッターとはインデックスやメタデータが記載されたファイル全体を管理する情報である。これらを付加することにより、各記録部の所定領域に、データファイルとは別に記録される管理用XMLファイルに各データファイルを登録することが可能となる。すなわちファイルシステムとして運用することが可能となる。
【0033】
記録/再生制御部21には、表示モード設定入力部14を介してユーザから表示モードが設定される。設定された記録モードは、記録/再生制御部21の図示しないメモリに格納される。
【0034】
記録/再生制御部21は、サムネイル表示操作入力部15からサムネイル表示開始/停止の操作指示が通知された場合、記録部30に記録された各データファイル、すなわちコンテンツにおける所定領域(サムネイルを表示するための領域)を各々再生開始/停止する。
【0035】
以下、サムネイル表示開始時の処理を例とし、より具体的に説明する。記録/再生制御部21は、記録部30に記録された各データファイル中のサムネイル表示用として設定された所定領域のデータを再生して読み出し、一時記憶部40に一時記憶する。
【0036】
記録/再生制御部21は、更に、上記で一時記憶部40に一時記憶されたデータを信号処理部50に随時供給する。
【0037】
信号処理部50は、記録/再生制御部21からの制御を受けて、供給されたデータから映像データを抜き出し、サムネイル生成部70に供給する。
【0038】
サムネイル生成部70は、供給された映像データから、記録/再生制御部21に設定された表示モードに対応したサムネイルを生成し、サムネイル出力部80に供給する。
【0039】
サムネイル出力部80は、制御部20からの出力指示を受けたら、供給されたサムネイルを出力し、図示しない表示部に表示させる。
【0040】
なお、サムネイル表示停止時は、上記全ての動作を停止させる。
<記録時の動作フロー>
図3は、記録装置100の記録時の動作の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、第1記録操作部12又は第2記録操作部13がユーザからの記録開始/停止の操作指示を受けたときに開始される。
【0041】
記録/再生制御部21は、現在の記録モードを確認する(S10)。前述したように、記録モードはモード設定入力部11を介してユーザから取得し、記録/再生制御部21内のメモリに格納されている。ユーザからの記録モードの指示を受けていない場合、記録/再生制御部21は標準モードとして通常記録モードを採用する。標準モードは記録装置100の製造時に製造者によって設定される。なお、標準モードを通常記録モードと同時記録モードとのいずれかにするかは、ユーザは自由に設定を変更することができる。
【0042】
記録モードが通常記録モードの場合(S12の通常記録モード)、記録/再生制御部21は、記録部30に対して通常記録開始/停止を実行する(S16)。例えば、記録開始時の処理を具体的に説明すると、第1記録部31と第2記録部32とが両方とも記録可能な場合、まず第1記録部31へのファイルをオープンし、一時記憶部40に格納されたデータをデータファイルとして供給し記録を開始する。そして、記録/再生制御部21は、第1記録部32の記憶容量が許容量に達したことを検知した場合、第1記録部32に記録中のデータファイルをクローズするとともに、第2記録部32へのファイルをオープンし、一時記憶部40に格納されたデータをデータファイルとして供給し記録を開始する。
【0043】
これにより、第1記録部31に記録されるデータファイルと第2記録部32に記録されるデータファイルとは、連続的で途切れることなくつながる。また、ふたつの記録部に直列に一時記憶部40に格納されたデータを記録することにより、撮影時間の長い映像データ等の大きなサイズのデータを記録することができる。
【0044】
記録モードが独立記録モードの場合(S12の独立記録モード)、記録/再生制御部21は、記録部30に対して独立記録開始/停止の制御を行なう(S14)。
【0045】
図4は、本実施例における、独立記録モード時の動作の流れを示すフローチャートであり、図3におけるステップS14を詳細に説明する図である。
【0046】
記録/再生制御部21は、ユーザからの操作指示の種類を確認する(ステップ20)。このステップS20で確認したユーザからの操作指示の種類に応じて、「第1記録部記録開始」、「第1記録部記録停止」、「第2記録部記録開始」、「第2記録部記録停止」の4つの処理に分岐する。
【0047】
以降は、実際の動作として、ユーザが以下の順番で記録開始/停止操作を行なった場合について説明する。
操作1:第1記録部記録開始
ユーザが、第1記録操作入力部12を操作して第1記録部31への記録開始指示。
【0048】
操作2:第2記録部記録開始
ユーザが、第2記録操作入力部13を操作して第2記録部32への記録開始指示。
【0049】
操作3:第2記録部記録停止
ユーザが、第2記録操作入力部13を操作して第2記録部32への記録停止指示。
【0050】
操作4第1記録部記録停止
ユーザが、第1記録操作入力部12を操作して第1記録部31への記録停止指示。
【0051】
以下、上記各操作を受けたときの記録装置100の動作を詳細に説明する。
操作1:
操作指示の種類が第1記録部31への記録開始である場合(ステップS20の第1記録部記録開始)、記録/再生制御部21は、第2記録部32へ記録中であるか否かを確認する(ステップS30)。この段階では第2記録部32へ記録中ではないので(ステップS30のN)、記録/再生制御部21は、第1記録部31へのファイルをオープンし、一時記憶部40に格納されたデータをデータファイル1として供給し記録を開始する(ステップS32)。
操作2:
操作指示の種類が第2記録部31への記録開始である場合(ステップS20の第2記録部記録開始)、記録/再生制御部21は、第1記録部31へ記録中であるか否かを確認する(ステップS50)。この段階では操作1によって第1記録部31へ記録中となっている(ステップS50のY)。このとき、記録/再生制御部21は、記録中の第1記録部31へのファイルをクローズし、一旦記録を停止する。その直後に、再度第1記録部31へのファイルをオープンし、一時記憶部40に格納されたデータをデータファイル2として供給し記録を再開する。これと同時に記録/再生制御部21は、第2記録部32へのファイルを新たにオープンし、第1記憶部へ供給するデータと同じデータを、第2記録部32へもデータファイル2として供給し記録を開始する。
操作3:
操作指示の種類が第2記録部32への記録停止である場合(ステップS20の第2記録部記録停止)、記録/再生制御部21は、第1記録部31へ記録中であるか否かを確認する(ステップS60)。この段階では操作2によって第1記録部31へ記録中となっている(ステップS60のY)。このとき、記録/再生制御部21は、記録中の第2記録部32へのファイルをクローズし、記録を停止する。これと同時に第1記録部31へのファイルもクローズし、記録を一旦停止する。その直後に、再度第1記録部31へのファイルをオープンし、一時記憶部40に格納されたデータをデータファイル3として供給し記録を再開する。
操作4:
操作指示の種類が第1記録部31への記録停止である場合(ステップS20の第1記録部記録停止)、記録/再生制御部21は、第2記録部32へ記録中であるか否かを確認する(ステップS40)。この段階では第2記録部32への記録は停止しているので(ステップS40のN)、記録/再生制御部21は、第1記録部31へのファイルをクローズし、記録を停止する(ステップS42)。
【0052】
なお、上記各ステップ以外のステップの処理内容は上記で説明した各ステップの内容を参酌することで容易に理解できる範囲の処理内容のものであるので説明を省略する。
【0053】
図5は、上記処理を行なって、第1記録部31と第2記録部32とに記録されるデータファイルの関係を示す図である。同図は、ユーザが、第1記録操作入力部12によってデータを第1記録部31へA〜Dの区間記録する途中で、第2記録操作入力部13によってデータを第2記録部32へB〜Cの区間記録する操作が行なわれると、第1記録部31へ記録されるデータがA〜B(データファイル1)、B〜C(データファイル2)、C〜D(データファイル3)の三つに区切られて記録され、第2記録部32へB〜Cの区間記録されるデータファイルは、第1記録部31へ記録されたデータファイル2と同じファイル名で、かつ、同じ区間(B〜C)記録されることを示している。すなわち、第1記録部31と第2記録部32に記録されるデータは、ファイルデータ単位で同期がとれていることを示している。
【0054】
図6は、上記処理によって、データが、第1記録部31と第2記録部32とにそれぞれファイルシステムを用いたファイルデータとして記録されている様子を説明する図である。例えば、第1記録部31には、ファイルシステムによってData1、2、3にヘッダーとフッターがそれぞれ付加されたデータファイル1,2,3が記録されており、これら各データファイルのヘッダーとフッターとを用いて各データファイル1、2、3が登録された管理XMLファイルが第1記録部31の所定領域に記録されていることを示す。
【0055】
以上の説明から明らかなように、本実施例によれば、複数の記録媒体(第1記録部31、第2記録部32)へのデータファイルの記録開始/停止を個々に独立して制御することが可能となる。また、各記録媒体へデータファイルを記録する際のデータファイル間の同期がデータファイル単位で簡単にとることが可能となる。従って、その後の編集作業も簡単に行うことが可能となる。
【0056】
なお、記録部30にされたデータファイル1、2、3は、データファイルとしては分割されているが、映像や音声データとしての記録部30への記録は連続しており、記録領域に抜けが無いため,1つのデータファイルとして扱えることは言うまでもない。
<サムネイル生成方法>
以下、本実施例のサムネイル生成方法について図面を参照しながら説明する。
【0057】
サムネイルとは、既に記録されている多数のデータファイル(コンテンツ)から、ユーザが所望のデータファイルを容易に発見できるように、データファイルの所定領域(通常のデータファイルの先頭部分)の映像を縮小して小画面とした映像である。このサムネイルを一覧表示することで、ユーザに各データファイルとして記録されたコンテンツの映像を確認させることができ、所望のデータファイルを容易に発見させることができる。
<表示モード>
次に、本実施例の要部であるサムネイルの表示モードについて説明する。
【0058】
上記記録装置100で記録されたデータファイルをサムネイル表示する場合、データファイル単位で表示するのが一般的である。
【0059】
図5、図6に示すような記録状態において、データファイル単位でサムネイル表示する例を図7に示す。
【0060】
図7の例では、左側に第1記録部31に記録されたデータファイルのサムネイルを表示し、右側に第2記録部32に記録されたデータファイルのサムネイルを表示している。このような形式でサムネイルを表示するモードを以下「ファイル単位表示モード」と呼ぶ。
【0061】
このファイル単位表示モードの場合、記録部毎にデータファイル単位でサムネイルを表示するので、記録部間でのデータファイルの同期状態をユーザに容易に把握させることができる。図7の例では、データファイル2が、第1記録部31と第2記録部32とに同期して記録されていることをユーザに容易に把握させることができる。従って、このファイル単位表示モードを用いると、ユーザにコンテンツの編集作業を容易に行なわせることができる。
【0062】
しかしながら、本実施例では、記録装置100は、図5で説明したように、ユーザが、第1記録部31に対してデータファイルを記録中に、第2記録部32に対するデータファイルの記録開始/停止操作を行なうと、その各時点で第1記録部へ記録中のデータファイルも、データファイル1、2、3のように分割して記録する。しかし、第1記録部31に対するユーザによる記録開始/停止はそれぞれ最初と最後の各1回しか行なっていないので、ユーザとしては第1記録部への記録開始操作から停止操作までに記録したデータファイル(コンテンツ)を一つの連続したコンテンツとして認識している可能性が高い。このようなユーザ認識の状態で、上記したファイル単位表示モードでサムネイルを表示してしまうと、ユーザが意図して区切ったわけではなく、記録装置100が自動で区切ったデータファイル2や3のサムネイルも表示されてしまい、ユーザに違和感を与えてしまう可能性がある。
【0063】
よって、編集作業を考慮せず、コンテンツ再生などを目的とする場合は、ユーザの記録開始操作から停止操作までの区切り、すなわちコンテンツ単位でサムネイルを表示したほうが自然である。このコンテンツ単位でサムネイルを表示した例を図8にしめす。図8では、第1記録部31側のサムネイル表示を、データファイル2、3を表示せずにデータファイル1のみをコンテンツ単位のサムネイルとして表示している。このような形式でサムネイルを表示するモードを以下「コンテンツ単位表示モード」と呼ぶ。
<サムネイル生成時の動作フロー>
図9は、記録装置100内のサムネイル生成装置におけるサムネイル生成動作の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、サムネイル表示操作入力部15が、ユーザからの表示開始の操作指示を受けたときに開始される。
【0064】
記録/再生制御部21は、現在のサムネイルの表示モードを確認する(S70)。前述したように、表示モードは表示モード設定入力部15を介してユーザから取得し、記録/再生制御部21内のメモリに格納されている。ユーザからの表示モードの指示を受けていない場合、記録/再生御部21は標準モードとしてコンテンツ単位表示モードを採用する。標準モードは記録装置100の製造時に製造者によって設定される。なお、標準モードをコンテンツ単位表示モードとファイル単位表示モードとのいずれかにするかは、ユーザは自由に設定を変更することができる。
【0065】
表示モードがファイル単位表示モードの場合(S72のファイル単位表示モード)、記録/再生制御部21は、記録部30から各データファイルの先頭部分の領域のデータを再生し(ステップS74)、再生したデータを一時記憶部40を介して信号処理部50へ供給する。信号処理部50は、供給されたデータを復号し、復号した映像データをサムネイル生成部70へ供給する。サムネイル生成部70は、供給された映像データを縮小して各データファイル毎のサムネイルを生成し、生成したサムネイルをサムネイル出力部80を介して図示しない表示部に出力し表示させる(ステップS76)。
【0066】
表示モードがコンテンツ単位表示モードの場合(S72のコンテンツ単位表示モード)、記録/再生制御部21は、記録部30から各コンテンツの先頭部分の領域のデータを再生し(ステップS78)、再生したデータを一時記憶部40を介して信号処理部50へ供給する。信号処理部50は、供給されたデータを復号し、復号した映像データをサムネイル生成部70へ供給する。サムネイル生成部70は、供給された映像データを縮小して各コンテンツ毎のサムネイルを生成し、生成したサムネイルをサムネイル出力部80を介して図示しない表示部に出力し表示させる(ステップS80)。なお、各コンテンツの先頭部分の認識は、一般的には、管理XMLファイルに各コンテンツの先頭部分を示す情報が記載されているので、その情報を参照することで可能である。
【0067】
なお、ここでは「管理XMLファイル」すなわち管理ファイルがXMLで記述されている例を説明したが、管理ファイルはXMLで記述されていなくても良く、バイナリデータで記述されていてももちろん良い。
【0068】
以上のように、本実施例によれば、複数の記録媒体へ記録された各データファイルの内容を、ユーザの使用状況に応じて適切に知らせるためのサムネイルを生成することを可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0070】
また、本発明は上記した装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 ユーザインタフェース部
11 モード設定入力部
12 第1記録操作入力部
13 第2記録操作入力部
14 表示モード設定入力部
15 サムネイル表示操作入力部
20 制御部
21 記録/再生制御部
30 記録部
31 第1記録部
32 第2記録部
40 一時記憶部
50 信号処理部
60 信号入力部
70 サムネイル生成部
80 サムネイル出力部
100 記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体に記録されたコンテンツの内容を、ユーザに知らせるためのサムネイルを生成するサムネイル生成装置であって、
前記1つ以上のコンテンツは、ファイルシステムを用いてデータファイル単位で記録され、かつ、記録されたデータファイルは前記複数の記録媒体間においてファイル単位で同期がとられており、
前記サムネイルを前記コンテンツ単位又は前記データファイル単位で生成するサムネイル生成部と、
前記サムネイル生成部に、前記サムネイルを、前記コンテンツ単位で生成させるか、前記データファイル単位で生成させるかを、ユーザ設定に応じて決定する制御部と、
を有することを特徴とするサムネイル生成装置。
【請求項2】
前記サムネイル生成部は、
前記サムネイルを前記複数の記録媒体毎に分けて表示部に表示される配置となるように生成することを特徴とする請求項1記載のサムネイル生成装置。
【請求項3】
複数の記録媒体に記録されたコンテンツの内容を、ユーザに知らせるためのサムネイルを生成するサムネイル生成方法であって、
前記1つ以上のコンテンツは、ファイルシステムを用いてデータファイル単位で記録され、かつ、記録されたデータファイルは前記複数の記録媒体間においてファイル単位で同期がとられており、
前記サムネイルを前記コンテンツ単位又は前記データファイル単位で生成するサムネイル生成ステップと、
前記サムネイルステップに、前記サムネイルを、前記コンテンツ単位で生成させるか、前記データファイル単位で生成させるかを、ユーザ設定に応じて決定する制御ステップと、
を含むことを特徴とするサムネイル生成方法。
【請求項4】
前記サムネイル生成ステップは、
前記サムネイルを前記複数の記録媒体毎に分けて表示部に表示される配置となるように生成することを特徴とする請求項3記載のサムネイル生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate