説明

サンダ

【課題】揺動プレートに歪みを生じさせることなく研磨シートを好ましい状態で確実に取付けることができ、研磨シートの固定及び解放状態を一見して判別することのできる新たなクランプ装置を有するサンダを提供する。
【解決手段】サンダ10は、駆動源であるモータ12と、モータ12から及ぼされる駆動力によって揺動駆動される揺動プレート13と、揺動プレート13に対して研磨シート14を取付けるクランプ装置20とを備えている。クランプ装置20は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構21と、トグル機構21による研磨シート14のクランプ固定状態又はクランプ解放状態を維持するように状態維持力を付与する状態維持力付与手段とを備えている。この状態維持力付与手段には、弾性力を及ぼす弾性体31などを採用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源であるモータから及ぼされる駆動力によって揺動駆動される揺動プレートを有し、この揺動プレートに取付けられた研磨シートによってワークを研磨加工するサンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワークを研磨加工する電動工具としてのサンダが知られている。従来のサンダは、例えば下記特許文献1に記載されている通り、モータを収容するハウジングと、ハウジングの下部側に配置されるとともにモータによって揺動駆動される揺動プレート(下記特許文献1では、「研磨板」と記されている。)と、ハウジングの上部側に形成された作業者が把持するための把持部とを主体として構成されている。
【0003】
下記特許文献1に代表される従来のサンダにおいては、研磨シートを揺動プレートに固定するための部材が弾性的な板で製作されており、その弾性力によって研磨シートを揺動プレートに押さえ付けることで、研磨シートの固定が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平6−502590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、弾性板を用いて研磨シートを揺動プレートに固定する構成では、研磨シートの保持力が小さいので、研磨作業中に研磨シートが揺動プレートから外れてしまう虞があった。研磨作業中に研磨シートが外れてしまうと、ワークの加工面が損傷してしまうとともに、研磨シートや揺動プレートも損傷してしまうことになり、安全上も好ましくない。
【0006】
上記問題点の改良手法としては、研磨シートの保持力を大きくするためにシート固定部材の弾性力を大きくすることが考えられるが、シート固定部材における固定及び解放の操作が重くなってしまうため、操作性が悪化してしまう。
【0007】
また、従来のサンダでは、シート固定部材は揺動プレートの上面に設置されており、研磨シートを保持するための固定力が揺動プレートの上面に対して直角の方向に働く構成が採られている。このような状態でシート固定部材の固定力を高めると、揺動プレート自体に加わる圧力が大きくなってしまい、揺動プレートに歪みを発生させてしまうことになる。揺動プレートに歪みが発生すると、ワークに対する均一な研磨加工ができなくなるので、加工精度が著しく低下してしまうことになる。また、歪みが発生した揺動プレートに研磨シートを取付けて研磨加工を行うと、研磨シートの側でも偏摩耗が発生するので、研磨シートの寿命を著しく低下させてしまうことにもなる。
【0008】
さらに、上記特許文献1に開示されるような従来の弾性板は、研磨シートの固定時と解放時とで外観が大きく変わらないので、研磨シートが確実に固定されているか否かが一見して判断できないという問題も存在していた。
【0009】
本発明は、上述した従来技術に存在する種々の課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、揺動プレートに歪みを生じさせることなく研磨シートを好ましい状態で軽い操作により確実に取付けることができ、しかも研磨シートの固定及び解放状態を一見して判別することのできる新たなシート固定機構(以下では、「クランプ装置」と記す。)を有するサンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明に係るサンダ(10)は、駆動源であるモータ(12)と、前記モータ(12)から及ぼされる駆動力によって揺動駆動される揺動プレート(13)と、前記揺動プレート(13)に対して研磨シート(14)を取付けるクランプ装置(20,40,50,60,80)と、を備えるサンダ(10)であって、前記クランプ装置(20,40,50,60,80)が、前記揺動プレート(13)のプレート平面に対して平行な方向で前記研磨シート(14)のクランプ固定を行うトグル機構(21,51,61,81)と、前記トグル機構(21,51,61,81)による前記研磨シート(14)のクランプ固定状態又はクランプ解放状態を維持するように状態維持力を付与する状態維持力付与手段(31,41,52,62,13c)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るサンダ(10)において、前記状態維持力付与手段は、弾性力を及ぼす弾性体(31,41,52,62)であることとすることができる。
【0013】
また、本発明に係るサンダ(10)において、前記トグル機構(21,51,61,81)は、前記研磨シート(14)のクランプ固定を行うクランプ部(22)と、前記揺動プレート(13)のプレート平面に対して平行な方向での前記クランプ部(22)の移動を案内するガイド部(23,64)と、前記クランプ部(22)の平行移動を操作する操作レバー(25)と、前記操作レバー(25)と前記クランプ部(22)とに関係し、前記操作レバー(25)によって入力される操作量を前記クランプ部(22)に伝達するリンク部(24,52,65〜71,84)と、を少なくとも備えることができる。
【0014】
さらに、本発明に係るサンダ(10)では、前記クランプ固定状態を解除するように前記操作レバー(25)を操作したときに、当該操作に対して抗力が働くように構成されていることとすることができる。
【0015】
またさらに、本発明に係るサンダ(10)において、前記クランプ部(22)は、少なくとも前記研磨シート(14)と接する部位(22b)を弾性材料によって構成することができる。
【0016】
さらにまた、本発明に係るサンダ(10)において、前記弾性材料には、前記研磨シート(14)に向けて突設される凸部(22b)を形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、揺動プレートに歪みを生じさせることなく研磨シートを好ましい状態で軽い操作により確実に取付けることができ、しかも研磨シートの固定及び解放状態を一見して判別することのできる新たなクランプ装置を有するサンダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るサンダの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】第一の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図3】第一の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図4】第一の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図5】第一の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図6】第二の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図7】第二の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図8】第二の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図9】第二の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図10】第三の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図11】第三の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図12】第三の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図13】第三の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図14】第四の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図15】第四の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図16】第四の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図17】第四の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図18】第四の実施形態に係るクランプ装置が有する操作レバーの動作を説明するための要部外観側面図である。
【図19】第五の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図20】第五の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図21】第五の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を示している。
【図22】第五の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を示している。
【図23】第五の実施形態に係るクランプ部によるクランプ動作の様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の各実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係るサンダの全体構成を示す縦断面図である。図1に示されるように、本実施形態に係るサンダ10は、ハウジング11内に電動モータ12を内蔵しており、この電動モータ12によって駆動される揺動プレート13をハウジング11の下方に有して構成されている。また、ハウジング11の上部後方側には、作業者が把持するための把持部11aが形成されており、本実施形態に係るサンダ10が手持ち式の研磨工具として使用できるようになっている。
【0021】
揺動プレート13は、電動モータ12の回転軸12aに対して複数の歯車群を介して連結される偏心軸12bに接続して設置されており、ハウジング11に対して揺動駆動自在となるように構成されている。また、揺動プレート13は、ベースプレート13aと、ベースプレート13a下に接着剤等で固定されたゴム等の弾性材料からなるパット板13bとを有して構成されている。そして、揺動プレート13は、その下面にサンドペーパー等の研磨シート14を保持できるようになっている。揺動プレート13に対する研磨シート14の固定及び解放は、以下で詳説するクランプ装置20,40,50,60,80により実現されており、このクランプ装置20,40,50,60,80は、揺動プレート13の前後2個所に配置されている。なお、それぞれのクランプ装置20,40,50,60,80は同様の構成を有しているので、以下の説明では、一方のみを図示して説明を行うこととする。
【0022】
[第一の実施形態]
図2〜図5は、第一の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、図2は研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を、図3は研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、図4は研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を、図5は研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、それぞれ示している。
【0023】
第一の実施形態に係るクランプ装置20は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構21と、このトグル機構21による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体としての捻じりコイルバネ31とを備えて構成されている。また、このうちのトグル機構21は、クランプ部22、ガイド部23、リンク部24、及び操作レバー25を主要な部材として構成されている。
【0024】
クランプ部22は、揺動プレート13の上面に対して平行方向に移動自在である摺動部22aと、揺動プレート13の側面に対して押圧接触することで研磨シート14をクランプ固定する押圧部22bとを有して構成されており、摺動部22aと押圧部22bとは、弾性を有する金属製の2本のアーム部22cによって接続されている。なお、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所は、ゴム等の弾性材料によって構成されており、研磨シート14を適度な弾性力によって押圧することができるので、好適なクランプ固定が実現可能となっている。
【0025】
ガイド部23は、揺動プレート13の上面に形成された部材であり、クランプ部22を構成する摺動部22aの左右両側面に沿って配置されている。クランプ部22が揺動プレート13の上面で平行移動する際に、このガイド部23がクランプ部22の平行移動を案内する。より詳細には、ガイド部23は、揺動プレート13の上面でクランプ部22をクランプ方向にまっすぐ動かすので、押圧部22bは揺動プレート13の側面に対して接触個所の全面で均一な押圧力を及ぼすことができるようになり、好適な研磨シート14のクランプ固定が実現する。
【0026】
クランプ部22の上方には、クランプ部22の平行移動を操作するための操作レバー25が配置されるとともに、この操作レバー25とクランプ部22とは、リンク部24によってリンク接続されている。
【0027】
操作レバー25は、揺動プレート13に埋め込まれたピン25aによって回転自在な状態で設置されており、このピン25aの作用によって、ピン25aを回転中心として回転操作できるようになっている。
【0028】
一方、揺動プレート13と操作レバー25との間に位置するクランプ部22の摺動部22aには、ピン25aを避けるための開口孔22aが形成されており、揺動プレート13上面でのクランプ部22の平行移動をピン25aが阻害しないような構成が採用されている。
【0029】
また、リンク部24によるクランプ部22と操作レバー25との接続関係については、クランプ部22とリンク部24とは支点ピン24aにより接続されており、両者は支点ピン24aを回動中心として相対的に回動自在な状態で接続されている。一方、操作レバー25とリンク部24についても係合ピン24bにより相対的に回動自在な状態で接続されている。したがって、操作レバー25を操作すると、係合ピン24bにより接続されたリンク部24に操作力が伝達され、リンク部24から支点ピン24aを介してクランプ部22に対して操作力が伝達されるようになっている。
【0030】
さらに、操作レバー25とリンク部24とを接続する係合ピン24bは、その下方端が揺動プレート13上面に形成された案内穴13aに挿入されている。この案内穴13aによって係合ピン24bの移動範囲が規定されることになり、その結果として、案内穴13aの形成範囲内にて操作レバー25の回動動作が実現することとなっている。
【0031】
以上のように構成されるトグル機構21によって、研磨シート14のクランプ固定が実行されることとなるが、このトグル機構21のクランプ固定動作に対して保持力を付与するのが、弾性体である捻じりコイルバネ31である。この捻じりコイルバネ31は、一端側31aが操作レバー25に対して埋め込まれ、他端側31bが揺動プレート13上面に対して埋め込まれている。図2及び図3に示すように、操作レバー25が研磨シート14を解放する位置にあるときに、捻じりコイルバネ31は係合ピン24bを案内穴13aの(図2の紙面右側の)端部に押し付けることになるので、操作レバー25は研磨シート14の解放位置、すなわち、クランプ部22が解放した状態で確実に固定されることとなる。この状態のとき、クランプ部22は捻じりコイルバネ31の作用によって勝手に閉じたりしないので、研磨シート14の着脱に際してクランプ部22が邪魔になることがなく、研磨シート14の着脱が実施し易い構成が実現されている。
【0032】
一方、図4及び図5に示すように、操作レバー25が研磨シート14を固定する位置にあるときに、捻じりコイルバネ31は係合ピン24bを案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部に押し付けることになる。このとき、案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部は、操作レバー25の回転中心であるピン25aの中心をクランプ方向と平行な方向に通過する仮想線αを(図4の紙面上側に)越えた位置まで形成されているので、案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部まで移動した係合ピン24bは捻じりコイルバネ31の作用によって、案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部に押し付けられ、移動を規制されることとなる。したがって、操作レバー25は、研磨シート14の固定位置においても確実な固定が実現されることとなる。
【0033】
なお、図4で示したクランプ固定状態を解除するように操作レバー25を反時計回りに操作するときには、当該操作に対して抗力が働くように捻じりコイルバネ31が作用し、図2で示した解放状態からクランプ固定を行うために操作レバー25を時計回りに操作するときには、当該操作は捻じりコイルバネ31の弾性力に抗しながら行われることとなる。このとき、係合ピン24bが仮想線αを越える際には、操作レバー25に加わる力の方向が変化することになるので、操作者に対しては適度なクリック感が付与されることとなる。したがって、操作者は、このクリック感によってクランプの固定及び解放動作が行われたことを感知することができ、好適な操作性を実感することが可能となる。
【0034】
また、操作レバー25の状態によって研磨シート14のクランプ固定又はクランプ解放状態を一見して判別することができるので、第一の実施形態に係るクランプ装置20は、操作性及び安全性等の面で非常に優れている。
【0035】
以上、第一の実施形態に係るクランプ装置20の構成について詳説した。次に、第一の実施形態に係るクランプ装置20の動作について説明する。
【0036】
図2及び図3にて示す研磨シート14の解放時において、係合ピン24bは捻じりコイルバネ31の作用によって案内穴13aの(図2の紙面右側の)端部に押し付けられており、操作レバー25は解放位置で安定した状態を維持している。
【0037】
操作者が、捻じりコイルバネ31の弾性力に抗して操作レバー25を時計回りに回転させると、係合ピン24bは案内穴13aに沿って移動し、最終的に図4に示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、係合ピン24bを介してリンク部24に伝達され、さらに、リンク部24の回動動作は支点ピン24aを介してクランプ部22に伝達されるので、案内穴13aの形状の効果によってクランプ部22がクランプ固定方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面と協働して研磨シート14を確実にクランプ固定することとなる(図4及び図5の状態参照)。
【0038】
なお、研磨シート14に及ぼされるクランプ力については、案内穴13a内にある係合ピン24bが図4中の仮想線αと重なる位置にあるときが最も大きくなり、図4で示す最終的なクランプ固定状態、すなわち、係合ピン24bが案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部に位置する状態のときには、クランプ力がわずかに減少することとなる。しかしながら、第一の実施形態では、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所がゴム等の弾性材料によって構成されており、さらに、摺動部22aと押圧部22bとを接続する2本のアーム部22cが弾性金属によって形成されているので、クランプ力のわずかな減少をこれらの弾性体が吸収して、研磨シート14の好適なクランプ固定が実現されている。
【0039】
このようにして図4及び図5に示す研磨シート14の固定状態が実現される。研磨シート14の固定時において、係合ピン24bは、捻じりコイルバネ31のバネ力と押圧部22b及び2本のアーム部22cとの弾性力によって案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部に押し付けられており、操作レバー25は固定位置で安定した状態を維持することとなる。
【0040】
この状態から、操作者が捻じりコイルバネ31のバネ力と押圧部22b及び2本のアーム部22cとの弾性力に抗して操作レバー25を反時計回りに回転させると、係合ピン24bは案内穴13aに沿って移動し、最終的に図4に示す位置から図2に示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、係合ピン24bを介してリンク部24に伝達され、さらに、リンク部24の回動動作は支点ピン24aを介してクランプ部22に伝達されるので、クランプ部22が反クランプ方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面から離れて研磨シート14の解放が行われる。なお、図2に示すクランプ解放状態が好適に維持されることは、上述した通りである。
【0041】
[第二の実施形態]
以上説明した第一の実施形態に係るクランプ装置20は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構21と、このトグル機構21による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体として、捻じりコイルバネ31を用いた場合の実施形態について説明するものであった。次に例示する第二の実施形態は、上述した捻じりコイルバネ31に代えて、圧縮コイルバネ41を用いる場合について例示するものである。
【0042】
ここで、図6〜図9は、第二の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、図6は研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を、図7は研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、図8は研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を、図9は研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、それぞれ示している。なお、上述した第一の実施形態と同一又は類似する部材について、以降説明する各実施形態では、同一符号を付して説明を省略する場合がある。
【0043】
第二の実施形態に係るクランプ装置40において、トグル機構21の機構については第一の実施形態の場合と概略同一である。第二の実施形態で特徴的なのは、このトグル機構21による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体に、圧縮コイルバネ41を用いている点にある。
【0044】
この第二の実施形態に係る圧縮コイルバネ41は、揺動プレート13が備えるベースプレート13aと、クランプ部22が備える摺動部22aとの間に設置されており、その弾性力をクランプ部22の移動方向と平行な方向、より詳細には、クランプ方向と同一の方向に及ぼすことができるように構成されている。
【0045】
図6及び図7に示すように、操作レバー25が研磨シート14を解放する位置にあるとき、圧縮コイルバネ41は係合ピン24bを案内穴13aの(図6の紙面右側の)端部に押し付けることになるので、操作レバー25は研磨シート14の解放位置で確実に固定されることとなる。
【0046】
一方、図8及び図9に示すように、操作レバー25が研磨シート14を固定する位置にあるときに、圧縮コイルバネ41は係合ピン24bを案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部の位置で反クランプ方向(図8の紙面右側方向)に押し付けることになる。このとき、案内穴13aの(図8の紙面上側の)端部は、操作レバー25の回転中心であるピン25aの中心をクランプ方向と平行な方向に通過する仮想線αを(図8の紙面上側に)越えた位置まで曲率を持って形成されているので、案内穴13aの(図8の紙面上側の)端部まで移動した係合ピン24bは圧縮コイルバネ41の作用によって、案内穴13aの(図4の紙面上側の)端部の位置で反クランプ方向(図8の紙面右側方向)に押し付けられ、移動を規制されることとなる。したがって、操作レバー25は、研磨シート14の固定位置においても確実な固定が実現されることとなる。
【0047】
なお、図8で示したクランプ固定状態を解除するように操作レバー25を反時計回りに操作するときには、係合ピン24bが仮想線αを越えるまで圧縮コイルバネ41の弾性力に抗して操作レバー25の操作が行われることになる。逆に、操作レバー25を時計回りに操作して図6及び図7で示すクランプ解放状態から図8及び図9で示すクランプ固定状態に移行させる際にも、係合ピン24bが仮想線αを越えるまで圧縮コイルバネ41の弾性力に抗した操作となる。したがって、操作者に対して適度なクリック感が付与されることとなり、操作者は、このクリック感によってクランプの固定及び解放動作が行われたことを感知することができ、好適な操作性を実感することが可能となる。
【0048】
また、操作レバー25の状態によって研磨シート14のクランプ固定又はクランプ解放状態を一見して判別することができるので、第二の実施形態に係るクランプ装置40は、操作性及び安全性等の面で非常に優れている。
【0049】
以上、第二の実施形態に係るクランプ装置40の構成について詳説した。次に、第二の実施形態に係るクランプ装置40の動作について説明する。
【0050】
図6及び図7にて示す研磨シート14の解放時において、係合ピン24bは圧縮コイルバネ41の作用によって案内穴13aの(図6の紙面右側の)端部で反クランプ方向(図6の紙面右方向)に押し付けられており、操作レバー25は解放位置で安定した状態を維持している。
【0051】
操作者が、圧縮コイルバネ41の弾性力に抗して操作レバー25を時計回りに回転させると、係合ピン24bは案内穴13aに沿って移動し、最終的に図8に示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、係合ピン24bを介してリンク部24に伝達され、さらに、リンク部24の回動動作は支点ピン24aを介してクランプ部22に伝達されるので、クランプ部22がクランプ固定方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面と協働して研磨シート14を確実にクランプ固定することとなる(図8及び図9の状態参照)。
【0052】
なお、研磨シート14に及ぼされるクランプ力については、案内穴13a内にある係合ピン24bが図8中の仮想線αと重なる位置にあるときが最も大きくなり、図8で示す最終的なクランプ固定状態、すなわち、係合ピン24bが案内穴13aの(図8の紙面上側の)端部に位置する状態のときには、クランプ力がわずかに減少することとなる。しかしながら、第二の実施形態では、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所がゴム等の弾性材料によって構成されており、さらに、摺動部22aと押圧部22bとを接続する2本のアーム部22cが弾性金属によって形成されているので、クランプ力のわずかな減少をこれらの弾性体が吸収して、研磨シート14の好適なクランプ固定が実現されている。
【0053】
このようにして図8及び図9に示す研磨シート14の固定状態が実現される。研磨シート14の固定時において、係合ピン24bは、圧縮コイルバネ41のバネ力と押圧部22b及び2本のアーム部22cとの弾性力によって案内穴13aの(図8の紙面上側の)端部にて反クランプ方向に押し付けられているが、この時点でクランプ部22はクランプ方向に十分移動しているので、研磨シート14の好適なクランプ固定が実現するとともに、操作レバー25も図8に示すクランプ固定位置にて安定した状態を維持することが可能となっている。
【0054】
この状態から、操作者が圧縮コイルバネ41のバネ力と押圧部22b及び2本のアーム部22cとの弾性力に抗して操作レバー25を反時計回りに回転させると、係合ピン24bは案内穴13aに沿って移動し、最終的に図8に示す位置から図6に示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、係合ピン24bを介してリンク部24に伝達され、さらに、リンク部24の回動動作は支点ピン24aを介してクランプ部22に伝達されるので、クランプ部22が反クランプ方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面から離れて研磨シート14の解放が行われる。なお、図6に示すクランプ解放状態が好適に維持されることは、上述した通りである。
【0055】
[第三の実施形態]
次に説明する第三の実施形態に係るクランプ装置50は、第一の実施形態でのリンク部24を省略し、クランプ部22と操作レバー25とを捻じりコイルバネ52によって接続した構成を例示するものである。したがって、第三の実施形態に係る捻じりコイルバネ52は、トグル機構51の構成部材と、トグル機構51による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体としての機能とを兼備するものである。
【0056】
ここで、図10〜図13は、第三の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、図10は研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を、図11は研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、図12は研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を、図13は研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、それぞれ示している。
【0057】
第三の実施形態に係るクランプ装置50は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構51と、このトグル機構51による研磨シート14のクランプ固定に際してクランプ力を及ぼし、クランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体としての捻じりコイルバネ52とを備えて構成されている。また、トグル機構51は、クランプ部22、ガイド部23、捻じりコイルバネ52、及び操作レバー25を主要な部材として構成されており、上述したように、捻じりコイルバネ52は、トグル機構51の構成部材としての機能をも備えている。
【0058】
クランプ部22は、揺動プレート13の上面に対して平行方向に移動自在である摺動部22aと、揺動プレート13の側面に対して押圧接触することで研磨シート14をクランプ固定する押圧部22bとを有して構成されており、摺動部22aと押圧部22bとは、弾性を有する金属製の2本のアーム部22cによって接続されている。なお、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所は、ゴム等の弾性材料によって構成されており、研磨シート14を適度な弾性力によって押圧することができるので、好適なクランプ固定が実現可能となっている。
【0059】
ガイド部23は、揺動プレート13の上面に形成された部材であり、クランプ部22を構成する摺動部22aの両側面に沿って配置されている。クランプ部22が揺動プレート13の上面で平行移動する際に、このガイド部23がクランプ部22の平行移動を案内する。より詳細には、ガイド部23は、揺動プレート13の上面でクランプ部22をクランプ方向にまっすぐ動かすので、押圧部22bは揺動プレート13の側面に対して接触個所の全面で均一な押圧力を及ぼすことができるようになり、好適な研磨シート14のクランプ固定が実現する。
【0060】
クランプ部22の上方には、クランプ部22の平行移動を操作するための操作レバー25が配置されるとともに、この操作レバー25とクランプ部22とは、捻じりコイルバネ52によって接続されている。
【0061】
操作レバー25は、揺動プレート13に埋め込まれたピン25aによって回転自在な状態で設置されており、このピン25aの作用によって、ピン25aを回転中心として回転操作できるようになっている。
【0062】
また、捻じりコイルバネ52によるクランプ部22と操作レバー25との接続関係については、クランプ部22と捻じりコイルバネ52とは支点ピン24aにより接続されており、両者は支点ピン24aを回動中心として相対的に回動自在な状態で接続されている。一方、操作レバー25と捻じりコイルバネ52についても第一係合ピン24bにより相対的に回動自在な状態で接続されている。したがって、操作レバー25を操作すると、第一係合ピン24bにより接続された捻じりコイルバネ52に操作力が伝達され、捻じりコイルバネ52から支点ピン24aを介してクランプ部22に対して操作力が伝達されるように構成されている。
【0063】
さらに、操作レバー25と捻じりコイルバネ52とを接続する第一係合ピン24bは、その下方端が揺動プレート13上面に形成された案内穴13aに挿入されている。この案内穴13aに沿って第一係合ピン24bが移動することにより、クランプ解放時及び固定時での捻じりコイルバネ52による弾性力がクランプ部22や操作レバー25に対して好適に作用することとなる。
【0064】
また、操作レバー25には、クランプ部22を解放状態にさせるための第二係合ピン54bが埋め込まれている。この第二係合ピン54bは、操作レバー25の下面から揺動プレート13の上面に向けて下方に突設された部材であり、この第二係合ピン54bについても、その下方端が揺動プレート13上面に形成された案内穴53aに挿入されている。
【0065】
一方、揺動プレート13と操作レバー25との間に位置するクランプ部22の摺動部22aには、ピン25a及び第一係合ピン24bを避けるための開口孔22aが形成されており、揺動プレート13上面でのクランプ部22の平行移動をピン25a及び第一係合ピン24bが阻害しないような構成が採用されている。また、この開口孔22aは、第二係合ピン54bの押圧により、クランプ部22を解放状態に移動させる被押圧部としても形成されている。
【0066】
以上のように構成されるトグル機構51によって、研磨シート14のクランプ固定が実行されることとなるが、このトグル機構51のクランプ固定動作に対してクランプ力を付与するのが、上述している捻じりコイルバネ52である。この捻じりコイルバネ52は、図10及び図11に示すように、操作レバー25が研磨シート14を解放する位置にあるとき、すなわち、第一係合ピン24bが案内穴13aの(図10の紙面右側の)端部に押し付けられているときには、クランプ部22をクランプ固定方向(図10の紙面左側方向)に押圧する弾性力を及ぼしているが、第二係合ピン54bが開口孔22aの(図10の紙面右側の)端部を押圧することにより、クランプ部22は解放状態になる。このとき、第二係合ピン54bは、操作レバー25の回転中心であるピン25aの中心をクランプ方向と平行な方向に通過する仮想線αを(図10の紙面上側に)越えて位置しているので、開口孔22aを介して第二係合ピン54bに負荷される反力は、第二係合ピン54b、すなわち、操作レバー25を反時計回りに回動させる方向に働くことになるので、第一係合ピン24bが案内穴13aの(図10の紙面右側の)端部に押し付けられることとなる。したがって、操作レバー25は、研磨シート14の解放位置において、安定した解放状態を維持することとなる。
【0067】
一方、図12及び図13に示すように、操作レバー25が研磨シート14を固定する位置にあるときに、捻じりコイルバネ52は第一係合ピン24bを案内穴13aの(図12の紙面上側の)端部にクランプ方向で押し付けることになる。案内穴13aの(図12の紙面上側の)端部において移動を規制された第一係合ピン24bの作用によって、操作レバー25は研磨シート14の固定位置においても確実な固定が実現されることとなる。なお、図12に示す研磨シート14の固定位置での操作レバー25の状態保持力は、捻じりコイルバネ52のみの弾性力によって維持され、第一及び第二の実施形態で例示したような押圧部22b及び2本のアーム部22cの弾性力の効果に基づく固定状態保持作用は得られないので、第三の実施形態については、クランプ固定状態においてその保持力が第一及び第二の実施形態に比べて若干低下するという違いがある。
【0068】
なお、図12で示したクランプ固定状態を解除するように操作レバー25を反時計回りに操作するときには、当該操作は捻じりコイルバネ52の弾性力に抗しながら行われることとなり、図10で示した解放状態からクランプ固定を行うために操作レバー25を時計回りに操作するときには、第二係合ピン54bが仮想線αを越えるまでの操作に対して抗力が働くように捻じりコイルバネ52が作用することとなる。したがって、操作者に対しては適度なクリック感が付与されることとなるので、操作者は、このクリック感によってクランプの固定及び解放動作が行われたことを感知することができ、好適な操作性を実感することが可能となる。
【0069】
また、操作レバー25の状態によって研磨シート14のクランプ固定又はクランプ解放状態を一見して判別することができるので、第三の実施形態に係るクランプ装置50は、操作性及び安全性等の面で非常に優れている。
【0070】
以上、第三の実施形態に係るクランプ装置50の構成について詳説した。次に、第三の実施形態に係るクランプ装置50の動作について説明する。
【0071】
図10及び図11にて示す研磨シート14の解放時において、第一係合ピン24bは捻じりコイルバネ52の作用によって案内穴13aの(図10の紙面右側の)端部にクランプ解放方向(図10の紙面右方向)で押し付けられており、操作レバー25は解放位置で安定した状態を維持している。
【0072】
操作者が、捻じりコイルバネ52の弾性力に抗して操作レバー25を時計回りに回転させると、係合ピン24bは案内穴13aに沿って移動し、最終的に図12に示す位置まで移動する。なお、第二係合ピン54bが仮想線αを越えるまでの操作に対しては、捻じりコイルバネ52の弾性力に基づく抗力が働くが、第二係合ピン54bが仮想線αを越えると抗力は消失し、操作レバー25を時計回りに回転させる方向で捻じりコイルバネ52の弾性力が働くこととなる。また、この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、第一係合ピン24bを介して捻じりコイルバネ52に伝達され、さらに、捻じりコイルバネ52の回動動作は支点ピン24aを介してクランプ部22に伝達されるので、クランプ部22がクランプ方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面と協働して研磨シート14を確実にクランプ固定することとなる(図12及び図13の状態参照)。
【0073】
このようにして図12及び図13に示す研磨シート14のクランプ固定状態が実現される。この状態から、操作者が捻じりコイルバネ52の弾性力に抗して操作レバー25を反時計回りに回転させると、第二係合ピン54bは案内穴53aに沿って移動し、最終的に図12に示す位置から図10に示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって、第二係合ピン54bは捻じりコイルバネ52のバネ力に抗して開口孔22aの(図10の紙面右側の)端部を押圧しながら移動することになるので、クランプ部22は反クランプ方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面から離れて研磨シート14の解放が行われる。なお、図10に示すクランプ解放状態が好適に維持されることは、上述した通りである。
【0074】
[第四の実施形態]
次に説明する第四の実施形態に係るクランプ装置60は、上述した第一乃至第三の実施形態とはトグル機構の構成が大きく異なるものである。ただし、第四の実施形態に係るクランプ装置60が、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構と、このトグル機構による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体とを備える点においては、上述した各実施形態と同様の構成を有している。
【0075】
ここで、図14〜図17は、第四の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、図14は研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を、図15は研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、図16は研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を、図17は研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、それぞれ示している。また、図18は、第四の実施形態に係るクランプ装置が有する操作レバーの動作を説明するための要部外観側面図である。
【0076】
第四の実施形態に係るクランプ装置60は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構61と、このトグル機構61による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体としての圧縮コイルバネ62とを備えて構成されている。また、このうちのトグル機構61は、クランプ部22、リンク機構群65〜71、及び操作レバー25を主要な部材として構成されている。
【0077】
クランプ部22は、揺動プレート13の上面に対して平行方向に移動自在である摺動部22aと、揺動プレート13の側面に対して押圧接触することで研磨シート14をクランプ固定する押圧部22bとを有して構成されており、摺動部22aと押圧部22bとは、弾性を有する金属製の2本のアーム部22cによって接続されている。なお、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所は、ゴム等の弾性材料によって構成されており、研磨シート14を適度な弾性力によって押圧することができるので、好適なクランプ固定が実現可能となっている。
【0078】
クランプ部22を構成する摺動部22aには、クランプ部22が揺動プレート13の上面で平行移動する際にこの平行移動を案内する長孔形状のガイド孔64が形成されている。ガイド孔64内には、ガイド孔64を貫通するとともに揺動プレート13の上面に対して埋め込まれたガイドピン63が設置されており、クランプ部22に対して移動力が加わると、ガイドピン63とガイド孔64との形状の作用によってクランプ部22が平行に案内され、押圧部22bによる揺動プレート13の側面に対する均一な押圧力の付与が実現する。
【0079】
また、摺動部22aの左右両側面には、揺動プレート13の上面に設置された一対の第一軸受65,65が配置されている。これら一対の第一軸受65,65についても、クランプ部22が揺動プレート13の上面で平行移動する際にこの平行移動を案内する役割を担う部材である。すなわち、クランプ部22に対して移動力が加わると、一対の第一軸受65,65と摺動部22aの左右両側面との形状の作用によってクランプ部22が平行に案内され、押圧部22bによる揺動プレート13の側面に対する均一な押圧力の付与が実現する。なお、一対の第一軸受65,65については、クランプ部22を平行に案内すること以外にリンク機構群の構成部材としての機能も有しており、そのことについては後述する。
【0080】
クランプ部22の上方と揺動プレート13の上方とは、リンク機構群65〜71によりリンク接続されている。また、リンク機構群65〜71には、操作レバー25が配置されており、この操作レバー25を操作することによってリンク機構群65〜71がこの操作量を伝達し、揺動プレート13に対するクランプ部22の固定及び解放動作が実現するように構成されている。リンク機構群65〜71の具体的な構成は、揺動プレート13上面に設置される一対の第一軸受65と、この一対の第一軸受65に軸支される第一軸66と、一端側が第一軸66に接続するとともに他端側に第二軸68を備える第一アーム67と、一端側が第二軸68に接続するとともに他端側に第三軸70を備える第二アーム69と、上端側が第三軸70に接続するとともに下端側がクランプ部22の摺動部22aに設置される一対の第二軸受71とによって構成されている。また、第二アーム69の第二軸68側の下部には、クランプ固定状態において摺動部22aと当接する凸部69aが設けられている。さらに、第一軸66の片端側には、操作レバー25が設置されている。
【0081】
そして、リンク機構群65〜71は、操作レバー25の操作に応じて、第一軸受65と第二軸受71との間の距離を変更できるようになっており、例えば、図15に示す状態のときには第一軸受65と第二軸受71との間の距離は最短距離となっており、図17に示す状態のときには第一軸受65と第二軸受71との間の距離は最も離れた距離からわずかに接近した距離となっている。ここで、第一軸受65は揺動プレート13上面に設置されており、第二軸受71はクランプ部22の摺動部22aに設置されているので、操作レバー25の操作によって、揺動プレート13に対するクランプ部22の平行移動を行うことができ、その結果、クランプ部22の押圧部22bによる研磨シート14のクランプ固定及び解放が実現できるようになっているのである。
【0082】
以上のように構成されるトグル機構61によって、研磨シート14のクランプ固定が実行されることとなるが、このトグル機構61のクランプ動作による研磨シート14のクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を付与するのが、圧縮コイルバネ62である。この圧縮コイルバネ62は、揺動プレート13が備えるベースプレート13aと、クランプ部22が備える摺動部22aとの間に設置されており、その弾性力をクランプ部22の移動方向と平行な方向、すなわち、クランプ解放方向と同一の方向に及ぼすことができるように構成されている。
【0083】
図14及び図15に示すように、操作レバー25が研磨シート14を解放する位置にあるとき、圧縮コイルバネ62はクランプ部22の摺動部22aをクランプ解放方向に押圧するので、クランプ部22は研磨シート14の解放位置で確実に固定されることとなる。
【0084】
一方、図16及び図17に示すように、操作レバー25が研磨シート14を固定する位置にあるときについても、圧縮コイルバネ62はクランプ部22の摺動部22aをクランプ解放方向に押圧してしまう。しかしながら、操作レバー25を固定位置に移動させると、リンク機構群65〜71における第二軸68が第一軸66及び第三軸70よりも下方に位置することとなり、第一アーム67と第二アーム69とが略V字状に配置されるので、圧縮コイルバネ62の押圧力は、第二軸68を下方に移動させる方向に働く。しかし、第二アーム69の凸部69aが摺動部22aに当接していることから、この当接力を増大させることになるので、図16及び図17にて示されるようなクランプ部22の押圧部22bによる研磨シート14のクランプ固定が確実に維持されることとなる。
【0085】
なお、図18の実線で示した状態となるように操作レバー25を反時計回りに操作するときには、クランプ固定が行われる方向にクランプ部22が平行移動し、図18の破線で示した状態となるように操作レバー25を時計回りに操作するときには、クランプ解除が行われる方向にクランプ部22が平行移動することとなる。このとき、いずれの方向の操作においても、当該操作に対して抗力が働くように圧縮コイルバネ62が作用することになるが、第一アーム67と第二アーム69とが略直線状に配置される境界位置において、操作レバー25に加わる力が変化することになる。したがって、操作者に対しては、上記境界位置において適度なクリック感が付与されることとなり、操作者は、このクリック感によってクランプの固定動作が行われたことを感知することができるので、好適な操作性を実感することが可能となる。
【0086】
また、操作レバー25の状態によって研磨シート14のクランプ固定又はクランプ解放状態を一見して判別することができるので、第四の実施形態に係るクランプ装置60は、操作性及び安全性等の面で非常に優れている。
【0087】
以上、第四の実施形態に係るクランプ装置60の構成について詳説した。次に、第四の実施形態に係るクランプ装置60の動作について説明する。
【0088】
図14及び図15にて示す研磨シート14の解放時において、クランプ部22は圧縮コイルバネ62の作用によってクランプ解放方向(図14及び図15の紙面右方向)に押し付けられており、クランプ部22は解放位置で安定した状態を維持している。
【0089】
操作者が、圧縮コイルバネ62の弾性力に抗して操作レバー25を反時計回りに回転させると、リンク機構群65〜71の作用によってクランプ部22はクランプ固定方向(図14及び図15の紙面左方向)に移動し、最終的に図16及び図17で示す位置まで移動する。この移動の間、操作レバー25の回転によって及ぼされる力は、圧縮コイルバネ62の弾性力に抗して操作されることとなるが、第一アーム67と第二アーム69とが略直線状に配置される境界位置において操作レバー25に加わる力が変化し、第一アーム67と第二アーム69とが略V字状に配置されたときに、圧縮コイルバネ62の押圧力がリンク機構群65〜71の固定維持力になるので、図16及び図17にて示されるようなクランプ部22の押圧部22bによる研磨シート14のクランプ固定が確実に維持されることとなる(図16及び図17の状態参照)。
【0090】
この状態から、操作者が操作レバー25を時計回りに回転させると、第一アーム67と第二アーム69とが略逆V字状に配置される瞬間から、圧縮コイルバネ62によるクランプ解放を行う方向での押圧力が作用するので、クランプ部22は圧縮コイルバネ62の作用によってクランプ解放方向(図14及び図15の紙面右方向)に押し付けられることとなる。かかる操作によって、クランプ部22が反クランプ方向に移動し、押圧部22bが揺動プレート13のベースプレート13a側面から離れて研磨シート14の解放が行われる。なお、図14及び図15に示すクランプ解放状態が好適に維持されることは、上述した通りである。
【0091】
[第五の実施形態]
上述した第一乃至第四の実施形態については、全ての形態がトグル機構による研磨シートのクランプ固定状態及びクランプ解放状態に際して、それぞれの状態を維持するように弾性力を及ぼす弾性体を備えるものであった。次に第五の実施形態として説明する形態例は、この弾性体を省略したものである。
【0092】
ここで、図19〜図22は、第五の実施形態に係るクランプ装置を説明するための図であり、特に、図19は研磨シート解放時におけるクランプ装置の上面視を、図20は研磨シート解放時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、図21は研磨シート固定時におけるクランプ装置の上面視を、図22は研磨シート固定時におけるクランプ装置の縦断面側面視を、それぞれ示している。また、図23は、第五の実施形態に係るクランプ部によるクランプ動作の様子を説明するための図である。
【0093】
第五の実施形態に係るクランプ装置80は、揺動プレート13のプレート平面に対して平行な方向で研磨シート14のクランプ固定を行うトグル機構81を備えて構成されている。また、トグル機構81は、クランプ部22、ガイド部23、リンク部84、及び操作レバー25を主要な部材として構成されている。
【0094】
クランプ部22は、揺動プレート13の上面に対して平行方向に移動自在である摺動部22aと、揺動プレート13の側面に対して押圧接触することで研磨シート14をクランプ固定する押圧部22bとを有して構成されており、摺動部22aと押圧部22bとは、弾性を有する金属製の2本のアーム部22cによって接続されている。なお、押圧部22bにおける研磨シート14との接触個所は、ゴム等の弾性材料によって構成されており、研磨シート14を適度な弾性力によって押圧することができるので、好適なクランプ固定が実現可能となっている。
【0095】
ガイド部23は、揺動プレート13の上面に形成された部材であり、クランプ部22を構成する摺動部22aの両側面に沿って配置されている。クランプ部22が揺動プレート13の上面で平行移動する際に、このガイド部23がクランプ部22の平行移動を案内する。より詳細には、ガイド部23は、揺動プレート13の上面でクランプ部22をクランプ方向にまっすぐ動かすので、押圧部22bは揺動プレート13の側面に対して接触個所の全面で均一な押圧力を及ぼすことができるようになり、好適な研磨シート14のクランプ固定が実現する。
【0096】
揺動プレート13の上面には、クランプ部22の平行移動を操作するための操作レバー25が配置されている。この操作レバー25は、揺動プレート13に埋め込まれたピン25aによって回転自在な状態で設置されており、このピン25aの作用によって、ピン25aを回転中心として回転操作できるようになっている。
【0097】
リンク部84は、クランプ部22と操作レバー25とをリンク接続する部材であり、クランプ部22との接続は第一リンクピン84aにより、操作レバー25との接続は第二リンクピン84bにより行われている。また、リンク部84と操作レバー25とを接続する第二リンクピン84bは下方に延びて形成されており、その下端部が揺動プレート13の上面に形成された案内穴83に対して挿入されている。この案内穴83は、操作レバー25の回動範囲を規定する役割とともに、操作レバー25とクランプ部22との相対的な位置関係を規定する役割を担っている。
【0098】
したがって、操作レバー25を回動させると、その回動動作は第二リンクピン84b、リンク部84、第一リンクピン84aを経由してクランプ部22に伝達される。操作レバー25を時計回りに回動させると図21及び図22に示すようにクランプ部22がクランプ固定方向(図21及び図22の紙面左方向)に移動し、操作レバー25を反時計回りに回動させると図19及び図20に示すようにクランプ部22がクランプ解放方向(図19及び図20の紙面右方向)に移動するようになっている。
【0099】
また、第五の実施形態では、図20に示されるように、揺動プレート13の上面には段差13cが形成されており、操作レバー25の操作によって平行移動するクランプ部22の摺動部22aが、この段差13cに乗り上がるように構成されている(図22参照)。
【0100】
さらに、第五の実施形態では、クランプ部22の押圧部22bを構成する弾性材料に対して、押圧部22bの上部に研磨シート14に向けて突設される凸部22bが形成されている。したがって、図23中の分図(a)に示すようなクランプ部22の解放状態から、操作レバー25を時計回りに回動させてクランプ部22がクランプ固定方向に移動していくと、その途中過程においてクランプ部22の摺動部22aは段差13cに乗り上がりながらクランプ固定方向に移動するので、クランプ部22の押圧部22bは斜め上方向に移動しながら研磨シート14の押圧を行えることになる(図23参照)。かかる動作により、揺動プレート13との間に生じる研磨シート14の弛みは取り除かれる。また、操作レバー25を時計回りに回動させていく途中過程においては、押圧部22bに突設される凸部22bがまず研磨シート14を押圧する。その後さらに、操作レバー25を時計回りに回動させると、押圧部22bの下端の研磨シート14側が研磨シート14を押しながらクランプ固定方向に移動するので、揺動プレート13との間に生じる研磨シート14の弛みは取り除かれ、好適な状態にて研磨シート14のクランプ固定が完了することとなる(図23中の分図(c)参照)。なお、クランプ固定時における固定保持力は、段差13cに乗り上がった摺動部22aと揺動プレート13の段差13c部分との間に生じる摩擦力と、クランプ固定時に見掛け上消失している凸部22bを含む押圧部22bの備える弾性力及びクランプ固定時に蓄えられた2本のアーム部22cの弾性力によるものである。
【0101】
なお、図23中の分図(c)で示したクランプ固定状態を解除する際には、操作レバー25を反時計回りに回動させればよい。この操作は、段差13cに乗り上がった摺動部22aと揺動プレート13の段差13c部分との間に生じる摩擦力や、クランプ固定時に見掛け上消失している凸部22bを含む押圧部22bの備える弾性力及びクランプ固定時に蓄えられた2本のアーム部22cの弾性力に抗してなされる。したがって、操作者は、クランプの固定及び解放動作が行われたことを感知することができる。
【0102】
また、操作レバー25の状態によって研磨シート14のクランプ固定又はクランプ解放状態を一見して判別することができるので、第五の実施形態に係るクランプ装置80は、操作性及び安全性等の面で非常に優れている。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0104】
例えば、第五の実施形態として図23等に示したクランプ部22の押圧部22bに対して突設される凸部22bについては、本発明に係る他の実施形態である第一乃至第四の実施形態に対しても適用可能である。押圧部22bが凸部22bのような形状を備えることで、弾性材料の弾性力を高めることができ、さらに好適な研磨シート14のクランプ固定が実現できることとなる。
【0105】
また、本発明に係るトグル機構については、その具体例を第一乃至第五の実施形態にて示したが、上述した実施形態と同様の作用効果を発揮できる範囲において、種々の変形形態を採用することが可能である。本発明に係るトグル機構は、その構成の基本として、(1)入力はリンク系によって伝達され、(2)入力によって部材が任意の方向に移動し、(3)入力が除去されても、部材は元の位置に戻らずその位置が保持され、(4)位置が保持された後、反入力方向の外力に対して抗力を持つ、というような定義に合致する機構であれば、本発明のトグル機構として採用できる。
【0106】
また、上述した実施形態では、トグル機構による研磨シート14のクランプ固定状態又はクランプ解放状態を維持するように状態維持力を付与する状態維持力付与手段として、弾性力を及ぼす捻じりコイルバネ31,52や圧縮コイルバネ41,62を例示するとともに、形状の作用によって生じる摩擦力によって状態維持力を付与する段差13cを例示して説明を行った。ただし、本発明の状態維持力付与手段が取り得る形態は上記のものには限られず、多様な形態のものを採用することができる。例えば、磁力を及ぼす磁石によって状態維持力付与手段を構成してもよいし、あるいは継ぎ手のように機械的な機構で状態維持力を付与するものによって状態維持力付与手段を構成してもよい。
【0107】
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0108】
10 サンダ、11 ハウジング、11a 把持部、12 電動モータ、12a 回転軸、12b 偏心軸、13 揺動プレート、13a ベースプレート、13a,53a 案内穴、13b パット板、13c 段差、14 研磨シート、20,40,50,60,80 クランプ装置、21,51,61,81 トグル機構、22 クランプ部、22a 摺動部、22a 開口孔、22b 押圧部、22c アーム部、23 ガイド部、24 リンク部、24a 支点ピン、24b 係合ピン(第一係合ピン)、25 操作レバー、25a ピン、31,52 捻じりコイルバネ、31a 一端側、31b 他端側、41,62 圧縮コイルバネ、54b 第二係合ピン、63 ガイドピン、64 ガイド孔、65〜71 リンク機構群、65 第一軸受、66 第一軸、67 第一アーム、68 第二軸、69 第二アーム、69a 凸部、70 第三軸、71 第二軸受、83 案内穴、84 リンク部、84a 第一リンクピン、84b 第二リンクピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源であるモータと、
前記モータから及ぼされる駆動力によって揺動駆動される揺動プレートと、
前記揺動プレートに対して研磨シートを取付けるクランプ装置と、
を備えるサンダにおいて、
前記クランプ装置は、
前記揺動プレートのプレート平面に対して平行な方向で前記研磨シートのクランプ固定を行うトグル機構と、
前記トグル機構による前記研磨シートのクランプ固定状態又はクランプ解放状態を維持するように状態維持力を付与する状態維持力付与手段と、
を備えることを特徴とするサンダ。
【請求項2】
請求項1に記載のサンダにおいて、
前記状態維持力付与手段は、弾性力を及ぼす弾性体であることを特徴とするサンダ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサンダにおいて、
前記トグル機構は、
前記研磨シートのクランプ固定を行うクランプ部と、
前記揺動プレートのプレート平面に対して平行な方向での前記クランプ部の移動を案内するガイド部と、
前記クランプ部の平行移動を操作する操作レバーと、
前記操作レバーと前記クランプ部とに関係し、前記操作レバーによって入力される操作量を前記クランプ部に伝達するリンク部と、
を少なくとも備えることを特徴とするサンダ。
【請求項4】
請求項3に記載のサンダにおいて、
前記クランプ固定状態を解除するように前記操作レバーを操作したときに、当該操作に対して抗力が働くように構成されていることを特徴とするサンダ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のサンダにおいて、
前記クランプ部は、少なくとも前記研磨シートと接する部位が弾性材料によって構成されていることを特徴とするサンダ。
【請求項6】
請求項5に記載のサンダにおいて、
前記弾性材料には、前記研磨シートに向けて突設される凸部が形成されていることを特徴とするサンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−131336(P2011−131336A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293246(P2009−293246)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006943)リョービ株式会社 (471)
【Fターム(参考)】