説明

サンドイッチパネル

本発明は、その最も一般的な形状において建築単位体として、即ち、ジグザグ波形をした波形状薄板材製の軽量な芯部を有するサンドイッチパネルと定義でき、航空機建造だけでなく、造船及び建築においても利用できる。本請求の範囲に記載した発明を利用することにより、パネルの重量効率、強度及び製造性を向上させるだろう。有益な効果を、平面を傾斜させた稜線を、凹凸ジグザグ線に沿わせて曲線を成す部分により接合させることにより達成できるが、該部分の半径を芯部材の厚さ以上にし、それにより上記部分に随ってミシン目を設け、該ミシン目により接着性材料がミシン目の孔に芯部‐表皮組立ての過程で入込めるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その最も一般的な形状において建築単位体として、即ち、ジグザグ波形をした波形状薄板材製の軽量な芯部を有するサンドイッチパネルと定義できる。
【背景技術】
【0002】
サンドイッチパネルには、芯層と接合する外側表皮を含み、一方上記芯部を、薄板ブランクを展開図の凹凸に関するジグザグ線上の印付けに沿って屈曲させることにより獲得することが知られている(旧ソビエト連邦発明者証SU第1,785,154号「メソッド・フォー・プロダクション・オブ・カービリニア・サンドイッチパネル・ウィズ・ジグザグ・コルゲーテッド・コア」Int.Cl.:B23K20/00‐1993年7月30日付け広報第28号(Inventor's certificate SU no. 1,785,154 Method for production of curvilinear sandwich panel with zigzag corrugated core. Int. Cl.: B 23 K 20/00 - Bulletin no.28 of 30.07.93)
【0003】
ここで提示したパネルの主な欠点は、表皮‐芯部結合が、接触領域が小さいため強度及び信頼性が低い点である。
【0004】
波形状薄板材製の軽量な芯部を有するサンドイッチパネルが知られている(ロシア連邦特許第2,038,265Cl号「サンドイッチパネル」‐Int.Cl.:B64C3/26。1995年6月27日公開(RF Patent no.2038265 Cl. Sandwich panel. - Int. Cl.: B 64 C 3/26. Published on 27.06.95))。下側表皮と芯部との接触領域を拡大する目的で、波形稜線をレンズ状要素形状にして側面稜線の凹部に置き、それに対して芯部の側面稜線間の頂点には曲線を成す複合材料により芯部と上側表皮との接触領域を拡大している。
【0005】
ここで提示したパネルの主な欠点は、波形の凹線に沿う芯部造形に関する単純性が失われ、凸線に沿って接触領域を設置するのに多くの労力が掛かり;その結果パネル全体が手の込んだものになってしまう点である。
【0006】
代表例として挙げられるのは、表皮を備え、上記表皮の間にジグザク波形状芯部を、凹凸を交互にして、上記凹凸に沿って三角形の溝を含有し、該溝には接着性の複合材料を充填して、配置するサンドイッチパネルである(ロシア連邦発明者証RF第1,646,196Al号「サンドイッチパネル」Int.Cl.:B64C3/26。1996年12月27日付け広報第36号(Inventors' certificate RF no. 1,646,196 A1. Sandwich panel. Int. Cl.: B64C3/26. Bulletin no. 36 of 27. 12 96)
【0007】
ここで提示したパネルの主な欠点は、その横方向部分での波形の形が複雑で、そのため芯部を製作するのに若干高度で高価な造形用機械設備を必要とする点である。その上、技術的に困難なため、溝を波形の凹凸に比較的低く製造するのは不可能である。波形の形に余計に曲折させるため、芯部ブロックの高さ精度が低下し;そのためパネル品質に悪影響を及ぼしてしまう。溝部分の技術的に実現可能な容積により領域が増大するが、その結果、芯部の質量も増大し、それにより接着性複合材料の塗布量を増やす必要があり、パネルの重量効率にも悪影響を与えてしまう。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、曲折芯部‐表皮結合強度を高めることをその目的とする。
【0009】
本請求の範囲に記載した発明を実施することにより達成される技術的成果として、パネルの単位体‐重量特性を、芯部及び接着性材料の質量を減少させることで、向上させられる。
【0010】
前述した技術的結果を達成するが、既知のサンドイッチパネルにおいて、表皮を備え、上記表皮間に交互に凹凸を有するジグザグ波形状芯部を配置して、接着性複合材料を使用して接合し、平面を傾斜させた稜線を、該稜線間を凹凸ジグザグ線に沿わせ、曲線を成す部分により接合するが、該部分の半径を芯部材の厚さ以上にし、一方で上記部分に随ってミシン目にして、接着性材料を該ミシン目孔に、芯部‐表皮組立て過程で入込むようにさせて、これを行う。
【0011】
出願人により行われた現状技術に関する調査の結果、本発明の特徴と全く同じ特徴の組合せにより特徴付けられる類似の発明は存在しないことが分かった。従って、本請求の範囲に記載された技術的解決方法は、特許要件である“新規性”を満たすものである。
【0012】
本特定分野での既知の解決方法に関して、本請求の範囲で記載した技術的解決方法の特異性と一致する特徴を明示することを目的とした検索の結果、その特徴は現状技術の結果生じたものでないことが分かった。定義された現状技術から、出願人は、特定の本質的特徴の影響を、前述した技術的結果による達成物に関して、受けていないことを明らかにした。本請求の範囲で記載した技術は、従って、特許要件である“進歩性”を満たすものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
サンドイッチパネルには、表皮1(上側表皮は図示せず)及びジグザグ波形を有する曲折芯部2を含むが、該波形は凹凸を交互にした形状で、線3、4及び5に沿って薄板ブランクを屈曲させることによりこれを得る。線3及び4を介して、平面が平らな稜線を形成し、該稜線の交点軌跡が鋸歯状線及びジグザグ線の波形となる。芯材の曲線を成す屈曲部分で波形線3及び4に沿って、ミシン目を芯部ブランク材に、その展開した(造形前)状態で入れる。線3及び4に沿って波形状芯部2を、複合接着性材料6を使用して表皮1に接合させる。それと同時に、各ミシン目孔領域を、接着性材料6及びその塊体と整合させ、そうして接着性混合物を供給して上記孔に通し波形に入込ませ、そこでは上記混合物で滴を形成し;芯部‐表皮結合後の接着剤が重合する過程で、上記滴はリベットの頭部及び本体と成る。
【0014】
芯部稜線上のミシン目による材料の部分的クリップリングはパネル強度特性に悪影響を与えない、というのは、その真の強度は主に若干傾斜した芯部要素、即ち、稜線の質により決定するためである。稜線は芯部‐表皮結合面として機能し、極僅かにサンドイッチパネル強度を決定する。全体的に見て、本請求の範囲で記載した方法により、パネルの質を、“リベット結合”によって接着剤で接着した結合部強度を高めることで向上させ、芯材質量及び接着性材料を減少させることでパネル重量効率を高められる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本請求の範囲に記載されている発明は航空機建造だけでなく、造船及び建築においても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1乃至図4では本発明の本質を表す。
【図1】ジグザグに曲折した芯部を有するパネルの全体図を表す。
【図2】ジグザグに屈曲した線に沿ってミシン目を有する芯部平面ブランクを示す。
【図3】ジグザグ線に沿った芯部‐表皮結合をミシン目に沿い表す図1のA‐A線に沿った断面図である。
【図4】図2のB‐B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 上側表皮及び下側表皮
2 波形状芯部
3 波形凸ジグザグ線
4 凹ジグザグ線
5 波形鋸歯状線
6 接着性複合材料



【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮を備え、前記表皮間に交互に凹凸を有するジグザグ波形状芯部を配置して、接着性複合材料を使用して接合するサンドイッチパネルであって、平面を傾斜させた稜線を、該稜線間を凹凸ジグザグ線に沿わせ、曲線を成す部分により接合するが、該部分の半径を芯部材の厚さ以上にし、一方前記部分に随ってミシン目にして、接着性材料を該ミシン目孔に、芯部‐表皮組立て過程で入込ませること、を特徴とするサンドイッチパネル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−528806(P2007−528806A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512213(P2005−512213)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/RU2003/000553
【国際公開番号】WO2005/058593
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(506147696)
【出願人】(506147490)
【Fターム(参考)】