説明

サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う超音波システムおよび方法

【課題】サンプリングデータ基盤ビームフォーミング処理を行う超音波システムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本発明における超音波システムは、対象体に超音波信号を送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号に基づいて受信信号を形成し、前記受信信号にアナログデジタル変換処理を行って複数のサンプリングデータを形成し、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが超音波映像を構成する複数のピクセルのピクセル値として用いられるピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当し、前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する超音波データ取得部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波システムに関し、特に、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う超音波システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波システムは、無侵襲および非破壊特性を有しており、対象体内部の情報を得るために医療分野で広く用いられている。超音波システムは、対象体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、対象体の内部組織を高解像度の映像で医師に提供することができるため、医療分野で非常に重要なものとして用いられている。
【0003】
超音波システムは、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して受信信号を形成する。また、超音波システムは、受信信号にアナログデジタル変換処理を行ってサンプリングデータを形成し、そのサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する。また、超音波システムは、受信集束データを用いて超音波映像を形成する。
【0004】
一方、CPU(central processing unit)の処理速度が高くなるに伴って、ビームフォーミング処理がCPUでソフトウェア的に行われている。現在、ソフトウェアビームフォーミング処理技法の中で多く用いられている技法は、超音波映像のピクセル(pixel)について、超音波プローブの変換素子ごとの経路長(path length)によって該当するサンプリングデータを抽出し、そのサンプリングデータをビームフォーミング(即ち、加算(summing))処理するピクセル基盤(pixel-oriented)のビームフォーミング技法である。このようなピクセル基盤ビームフォーミング技法は、計算量が少なく具現しやすい長所がある。しかし、一部の場合においては、ピクセル基盤ビームフォーミング技法によるノイズパターン(noise pattern)のため、超音波映像の解像度に大きな影響を及ぼす問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−000361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング(beam forming)処理を行う超音波システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における超音波システムは、対象体に超音波信号を送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号に基づいて受信信号を形成し、前記受信信号にアナログデジタル変換処理を行って複数のサンプリングデータを形成し、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが超音波映像を構成する複数のピクセルのピクセル値として用いられるピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当し、前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する超音波データ取得部を備える。
【0008】
また、本発明におけるビームフォーミング方法は、a)変換素子を備える超音波プローブを用いて超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号に基づいて受信信号を形成する段階と、b)前記受信信号にアナログデジタル変換処理を行って複数のサンプリングデータを形成する段階と、c)超音波映像の複数のピクセルにおいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれがピクセル値として用いられるピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当する段階と、d)前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する段階とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、サンプリングデータを基盤としてビームフォーミング処理を行うことができ、新たな形態の超音波映像を提供することができる。
【0010】
また、本発明は、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を用いた超音波映像と従来のピクセル基盤のビームフォーミング処理を用いた超音波映像とを合成して解像度を向上させた超音波映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例におけるサンプリングデータおよび超音波映像のピクセルを示す例示図である。
【図4】本発明の第1実施例によって、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う例を示す例示図である。
【図5】本発明の第1実施例によって、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う例を示す例示図である。
【図6】本発明の第1実施例によって、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う例を示す例示図である。
【図7】本発明の第1実施例によって、サンプリングデータ基盤のビームフォーミング処理を行う例を示す例示図である。
【図8】本発明の第2実施例によって加重値を設定する例を示す例示図である。
【図9】本発明の第3実施例によってサンプリングデータセットを設定する例を示す例示図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、超音波システム100は、超音波データ取得部110、プロセッサ120、格納部130およびディスプレイ部140を備える。
【0014】
超音波データ取得部110は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。
【0015】
図2は、本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、超音波データ取得部110は、超音波プローブ210、送信信号形成部220、ビームフォーミング部230および超音波データ形成部240を備える。
【0016】
超音波プローブ210は、電気的信号と超音波信号を相互変換する複数の電気音響変換素子(transducer element:以下単に変換素子と呼ぶ)(図示せず)を備える。超音波プローブ210は、複数のスキャンライン(scanline)のそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。超音波プローブ210は、コンベックスプローブ(convex probe)、リニアプローブ(linear probe)などを含む。
【0017】
送信信号形成部220は、超音波信号の送信を制御する。また、送信信号形成部220は、変換素子および集束点を考慮して、超音波映像を得るための送信信号を形成する。従って、超音波プローブ210は、送信信号形成部220から送信信号が提供されると、送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。
【0018】
ビームフォーミング部230は、超音波プローブ210から提供される受信信号をアナログデジタル変換してサンプリングデータを形成する。また、ビームフォーミング部230は変換素子および集束点を考慮し、本発明によるソフトウェアビームフォーミング(software beam forming)をサンプリングデータに行って受信集束データを形成する。
【0019】
第1実施例において、ビームフォーミング部230は、図3に示すように、超音波プローブ210から複数のチャンネルCH(1≦k≦P)を通じて提供される受信信号をアナログデジタル変換してサンプリングデータSi,j(iおよびjは、1以上の整数)を形成する。サンプリングデータSi,jは、格納部130に格納される。ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から形成する超音波映像を構成する各ピクセルの方位(orientation)に基づいて、各サンプリングデータがピクセル値として用いられるピクセルを検出する。即ち、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成する各ピクセルの方位に基づいて、ビームフォーミング時に各サンプリングデータが用いられるピクセルを検出する。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルに該当サンプリングデータを割り当てる。
【0020】
一例として、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成するピクセルの方位に基づいて、図4に示すように、サンプリングデータS6,3がピクセル値として用いられるピクセル、即ちビームフォーミング時にサンプリングデータS6,3がピクセル値として用いられるピクセルを検出するための曲線(以下、ビームフォーミング曲線という)CV6,3を超音波映像UIに設定する。ビームフォーミング部230は、超音波映像UIのピクセルPa,b(1≦a≦M、1≦b≦N)からビームフォーミング曲線CV6,3が通るピクセルP3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P4,5、P4,6、P4,7、P4,8、P4,9…P3,Nを検出する。ビームフォーミング部230は、図5に示しように、検出されたピクセルP3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P4,5、P4,6、P4,7、P4,8、P4,9…P3,NにサンプリングデータS6,3を割り当てる。
【0021】
続いて、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成するピクセルの方位に基づいて、図6に示すように、サンプリングデータS6,4がピクセル値として用いられるピクセル、即ちビームフォーミング時にサンプリングデータS6,4がピクセル値として用いられるピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線CV6,4を設定する。ビームフォーミング部230は、超音波映像UIのピクセルPa,b(1≦a≦M、1≦b≦N)からビームフォーミング曲線CV6,4が通るピクセルP2,1、P3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P5,4、P5,5、P5,6、P5,7、P5,8、P4,9、P5,9…P4,N、P3,Nを検出する。ビームフォーミング部230は、図7に示すように、ピクセルP2,1、P3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P5,4、P5,5、P5,6、P5,7、P5,8、P4,9、P5,9…P4,N、P3,NにサンプリングデータS6,4を割り当てる。
【0022】
このような方法で、各サンプリングデータがピクセル値として用いられるピクセルについて、該当サンプリングデータを累積して割り当てる。
【0023】
ビームフォーミング部230は、超音波映像UIのピクセルPa,bのそれぞれに累積割当されたサンプリングデータにビームフォーミング処理(即ち、加算)を行って受信集束データを形成する。
【0024】
第2実施例において、ビームフォーミング部230は、図3に示すように、超音波プローブ210から複数のチャンネルCH(1≦k≦P)を通じて提供される受信信号をアナログデジタル変換してサンプリングデータSi,jを形成する。サンプリングデータSi,jは、格納部130に格納される。ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成する各ピクセルの方位に基づいて、各サンプリングデータがピクセル値として用いられるピクセルを検出する。即ち、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成するピクセルの方位に基づいて、ビームフォーミング時に各サンプリングデータがピクセル値として用いられるピクセルを検出する。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルに該当サンプリングデータを割り当てる。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルの中から同一の列(column)に存在するピクセルを検出し、同一の列に存在するピクセルに対応する加重値を設定し、その加重値を該当ピクセルに割り当てられたサンプリングデータに加える。
【0025】
一例として、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像のピクセルの方位に基づいて、図4に示すように、サンプリングデータS6,3がピクセル値として用いられるピクセル、即ちビームフォーミング時にサンプリングデータS6,3がピクセル値として用いられるピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線CV6,3を超音波映像UIに設定する。ビームフォーミング部230は、超音波映像UIのピクセルPa,b(1≦a≦M、1≦b≦N)からビームフォーミング曲線CV6,3が通るピクセルP3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P4,5、P4,6、P4,7、P4,8、P4,9…P3,Nを検出する。ビームフォーミング部230は、図5に示すように、検出されたピクセルP3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P4,5、P4,6、P4,7、P4,8、P4,9…P3,NにサンプリングデータS6,3を割り当てる。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルP3,1、P3,2、P4,2、P4,3、P4,4、P4,5、P4,6、P4,7、P4,8、P4,9…P3,Nの中から同一の列に存在するピクセルP3,2、P4,2を検出する。
【0026】
ビームフォーミング部230は、図8に示すように、同一の列に存在するピクセルP3,2、P4,2の中点を基準に、中点とビームフォーミング曲線CV6,3との間の距離wおよびwを算出し、その距離に基づいてピクセルP3,2に対する第1加重値αおよびピクセルP4,2に対する第2加重値αを設定する。すなわち、ビームフォーミング部230は、図8に示すように、ピクセルP3,2の中点の水平線とビームフォーミング曲線CV6,3との間の距離wと、ピクセルP4,2の中点の水平線とビームフォーミング曲線CV6,3との間の距離wを算出する。
【0027】
第1加重値αおよび第2加重値αは、算出された距離に比例または反比例するように設定される。ビームフォーミング部230は、第1加重値αをピクセルP3,2に割り当てられたサンプリングデータS6,3に加え、第2加重値αをピクセルP4,2に割り当てられたサンプリングデータS6,3に加える。ビームフォーミング部230は、残りのサンプリングデータについても前述と同様に行う。
【0028】
ビームフォーミング部230は超音波映像UIのピクセルPa,bのそれぞれに累積割当されたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する。
【0029】
第3実施例において、ビームフォーミング部230は、図3に示すように、超音波プローブ210から複数のチャンネルCH(1≦k≦P)を通じて提供される受信信号をアナログデジタル変換してサンプリングデータSi,jを形成する。サンプリングデータSi,jは、格納部130に格納される。ビームフォーミング部230は、サンプリングデータSi,jの中からビームフォーミング処理に用いられるピクセルを検出するためのサンプリングデータセットを設定する。
【0030】
一例として、ビームフォーミング部230は、図9に示すように、サンプリングデータSi,jの中からビームフォーミングに関与するピクセルを検出するためのサンプリングデータセットS1,1、S1,4…S1,t、S2,1、S2,4…S2,t…Sp,t(ボックス表示)を設定する。ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および超音波映像の各ピクセルの方位に基づいて、サンプリングデータセットの各サンプリングデータに対応するピクセルを検出する。即ち、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成するピクセルの方位に基づいて、サンプリングデータセットの各サンプリングデータがビームフォーミング処理に用いられるピクセルを検出する。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルに該当サンプリングデータを第1実施例または第2実施例のように割り当てる。ビームフォーミング部230は、超音波映像のピクセルのそれぞれに累積割当されたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する。
【0031】
第4実施例において、ビームフォーミング部230は、超音波プローブ210から複数のチャンネルを通じて提供される受信信号をダウンサンプリングし、ダウンサンプリングされたサンプリングデータを形成する。ビームフォーミング部230は、前述したように、変換素子の位置および超音波映像の各ピクセルの方位に基づいて、各サンプリングデータに対応するピクセルを前述したように検出する。即ち、ビームフォーミング部230は、変換素子の位置および変換素子から超音波映像を構成するピクセルの方位に基づいて、各サンプリングデータがビームフォーミング処理にピクセル値として用いられるピクセルを検出する。ビームフォーミング部230は、検出されたピクセルに該当サンプリングデータを第1実施例または第2実施例のように累積割当する。ビームフォーミング部230は、超音波映像のピクセルのそれぞれに累積割当されたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する。
【0032】
超音波データ形成部240は、ビームフォーミング部230から提供される受信集束データを用いて超音波映像に対応する超音波データを形成する。超音波データは、RF(radio frequency)データを含む。しかし、超音波データは、必ずしもこれに限定されない。また、超音波データ形成部240は、超音波データを形成するのに必要な様々な信号処理(例えば、利得(gain)調節等)を受信集束信号に行うこともできる。
【0033】
再び図1を参照すると、プロセッサ120は、超音波データ取得部110に連結される。プロセッサ120は、超音波データ取得部110から提供される超音波データを用いて超音波映像を形成する。プロセッサ120は、CPU、マイクロプロセッサ(microprocessor)、GPU(graphic processing unit)などを含む。
【0034】
格納部130は、超音波データ取得部110で形成されたサンプリングデータを格納する。また、格納部130は超音波データ取得部110で取得された超音波データを格納する。
【0035】
ディスプレイ部140は、プロセッサ120で形成された超音波映像を表示する。ディスプレイ部140は、LCD(liquid crystal display)、OLED(organic light emitting diodes)などを含む。
【0036】
本発明は、望ましい実施例によって説明および例示をしたが、当業者であれば添付した特許請求の範囲の事項および範疇を逸脱することなく、様々な変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 超音波システム
110 超音波データ取得部
120 プロセッサ
130 格納部
140 ディスプレイ部
210 超音波プローブ
220 送信信号形成部
230 ビームフォーミング部
240 超音波データ形成部
i,j サンプリングデータ
UI 超音波映像
i,j ピクセル
CV6、3、CV6、4 ビームフォーミング曲線
CH チャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象体に超音波信号を送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号に基づいて受信信号を形成し、前記受信信号にアナログデジタル変換処理を行って複数のサンプリングデータを形成し、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが超音波映像を構成する複数のピクセルのピクセル値として用いられるピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当し、前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する超音波データ取得部
を備えることを特徴とする超音波システム。
【請求項2】
前記超音波データ取得部は、
前記超音波映像を得るための送信信号を形成する送信信号形成部と、
複数の変換素子を備え、前記送信信号を前記超音波信号に変換して前記対象体に送信し、前記対象体から反射される前記超音波エコー信号を受信して前記受信信号を形成する超音波プローブと、
前記受信信号に前記アナログデジタル変換処理を行って前記複数のサンプリングデータを形成し、前記複数の変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像を構成する各前記複数のピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを割り当て、前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータに前記ビームフォーミング処理を行って前記受信集束データを形成するビームフォーミング部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記ビームフォーミング部は、前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の前記ピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線を前記超音波映像に設定し、前記ビームフォーミング曲線が通る前記ピクセルを検出することを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記ビームフォーミング部は、前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の前記ピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線を前記超音波映像に設定し、前記ビームフォーミング曲線が通る前記ピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを割り当て、前記検出されたピクセルの中から前記超音波映像の前記複数のピクセルの同一の列に存在する前記ピクセルを検出し、前記同一の列に存在する前記ピクセルに対応する加重値を設定し、前記設定された加重値を該当ピクセルに割り当てられた前記サンプリングデータにさらに加えることを特徴とする請求項2または3に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記ビームフォーミング部は、前記同一の列に存在する前記ピクセルの中点を基準に前記中点と前記ビームフォーミング曲線との間の距離を算出し、前記算出された距離に基づいて前記加重値を設定することを特徴とする請求項4に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記ビームフォーミング部は、前記算出された距離に反比例または比例して前記加重値を設定することを特徴とする請求項5に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記ビームフォーミング部は、前記複数のサンプリングデータの中から前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのサンプリングデータセットを設定し、前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像を構成する前記ピクセルの方位に基づいて、前記サンプリングデータセットの各サンプリングデータが前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルをさらに検出することを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項8】
前記ビームフォーミング部は、前記受信信号にダウンサンプリング(down sampling)処理を行い、前記ダウンサンプリングされた前記複数のサンプリングデータをさらに形成することを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項9】
a)変換素子を備える超音波プローブを用いて超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号に基づいて受信信号を形成する段階と、
b)前記受信信号にアナログデジタル変換処理を行って複数のサンプリングデータを形成する段階と、
c)超音波映像の複数のピクセルにおいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれがピクセル値として用いられるピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当する段階と、
d)前記ピクセルのそれぞれについて前記割り当てられたサンプリングデータにビームフォーミング処理を行って受信集束データを形成する段階と
を備えることを特徴とするビームフォーミング方法。
【請求項10】
前記段階c)は、
前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の各前記複数のピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出し、前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを割り当てる段階
を備えることを特徴とする請求項9に記載のビームフォーミング方法。
【請求項11】
前記段階c)は、
前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の前記ピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線を前記超音波映像に設定する段階と、
前記ビームフォーミング曲線に該当する前記ピクセルを検出する段階と
を備える請求項10に記載のビームフォーミング方法。
【請求項12】
前記段階c)は、
c1)前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の前記ピクセルの方位に基づいて、前記複数のサンプリングデータのそれぞれが前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのビームフォーミング曲線を前記超音波映像に設定する段階と、
c2)前記ビームフォーミング曲線に該当する前記ピクセルを検出する段階と、
c3)前記検出されたピクセルに該当サンプリングデータを累積割当する段階と、
c4)前記検出されたピクセルの中から前記超音波映像の前記複数のピクセルの同一の列に存在する前記ピクセルを検出する段階と、
c5)前記同一の列に存在する前記ピクセルに対応する加重値を設定する段階と、
c6)前記設定された加重値を該当ピクセルに割り当てられた前記サンプリングデータに加える段階と
を備えることを特徴とする請求項10または11に記載のビームフォーミング方法。
【請求項13】
前記段階c5)は、
前記同一の列に存在する前記ピクセルの中点を基準に前記中点と前記ビームフォーミング曲線との間の距離を算出する段階と、
前記算出された距離に基づいて前記加重値を設定する段階と
を備えることを特徴とする請求項12に記載のビームフォーミング方法。
【請求項14】
前記加重値は、前記算出された距離に反比例または比例して設定されることを特徴とする請求項13に記載のビームフォーミング方法。
【請求項15】
前記段階c)は、
前記複数のサンプリングデータの中から前記ビームフォーミング処理時に前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出するためのサンプリングデータセットを設定する段階と、
前記変換素子の位置および前記変換素子から前記超音波映像の前記ピクセルの方位に基づいて、前記サンプリングデータセットの各サンプリングデータが前記ピクセル値として用いられる前記ピクセルを検出する段階と
をさらに備えることを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載のビームフォーミング方法。
【請求項16】
前記段階b)は、
前記受信信号にダウンサンプリング処理を行う段階と、
前記ダウンサンプリングされた前記複数のサンプリングデータを形成する段階と
をさらに備えることを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載のビームフォーミング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−130683(P2012−130683A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−274944(P2011−274944)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(597096909)三星メディソン株式会社 (269)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】