サンプル採取および準備のための保持器
プランジャ筺体に着脱自在に接続されるバッファ容器筺体を有する、PCRサンプル採取および準備のための保持器、ならびにそれを使用するための方法。プランジャの一端に取り付けられたスワブは、生物戦剤の有無について分析するための試料のサンプルを採取する。スワブおよびプランジャはプランジャ筺体内に挿置され、バッファ容器はバッファ容器筺体の内側に配置され、バッファ容器筺体およびプランジャ筺体は取り付けられる。バッファはスワブ中を通過してサンプルを溶出させ、サンプルは試薬と混合される。準備されたサンプルは、分析のために、ホイッピング動作によって反応管内に送り込まれる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年12月4日に出願した米国特許出願第10/727,037号の一部継続出願であり、したがって2002年12月4日に出願した米国特許仮出願第60/430,994号の利益を受ける権利がある。本願はまた、2003年5月28日に出願した米国特許仮出願第60/473,539号の優先権および利益を主張する。上記三件の出願の全てを参照によって、全体的にここに組み込む。
【技術分野】
【0002】
本願は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を検出するように設計されたシステムに関する。該システムは、DNA増幅を通して生物剤の有無を検出するように設計された装置を含む。検出は、使い捨て反応管に配置されたPCR反応混合物の加熱および冷却を通して達成される。検出対象の生物剤の存在は、蛍光発光の増加によって示される。
【0003】
本発明は、プランジャ筺体および反応管に作動的に接続可能なバッファ容器筺体を備えた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)採取および準備のための保持器に関する。
【0004】
本発明は、生物戦剤(例えば炭疽菌、野兎病、疫病、または天然痘)が存在しないか野外または現地で分析するサンプルの採取および準備に関する。
【0005】
従来のPCRの採取および準備は、ほとんどの野外要員の技量を超える技量を要求する。一般的なPCR採取および準備は複雑な手順である。
【0006】
従来のPCR採取および準備は、分析の前にサンプルを処理する必要がある。サンプル採取および準備の欠点は、それが少なくとも三つの複雑なステップを含むことである。第一に、環境中のフミン酸および金属のような阻害物質を除去する。第二に、サンプルを濾過し、濃縮する。第三に、PCRアッセイに必要な試薬の組合せをサンプルに添加する。
【0007】
従来のPCR採取および準備の別の欠点は、作業が一般的に野外ではなく、研究室で実行されることである。一般的に、そのような採取および準備は、生物戦剤の現地検査のために野外用として携帯することができない。
【発明の開示】
【0008】
本発明の一実施形態では、PCR分析用のサンプルを採取しかつ準備するための装置を提供する。該装置はバッファ容器筺体およびプランジャ筺体を含む。バッファ容器筺体は、バッファ容器筺体の内側に配置されたバッファ容器を含む。プランジャ筺体は、プランジャ筺体の内側に配置されるように構成されたプランジャを含む。プランジャの一端にスワブが取り付けられ、プランジャ筺体の一端に反応管が取り付けられる。バッファ容器筺体は、プランジャ筺体に作動的に接続されるように構成される。
【0009】
本発明の別の態様では、PCR分析準備方法を提供する。該方法は、スワブおよびプランジャを含む装置を提供するステップと、試験表面をスワブで拭いてサンプルを採取するステップとを含む。PCR分析準備方法はさらに、プランジャ筺体とバッファ容器筺体との間のねじり動作を使用してプランジャ筺体をバッファ容器筺体に取り付けることによって、スワブをバッファ容器内に挿置し、よってバッファが放出されてスワブ中を通過することを可能にし、かつバッファおよびサンプルが試薬混合物と混合するためにチャンバ内に進むことを可能にすることを含む。該方法はさらに、装置をホイップし、よって準備されたサンプルを反応管に送り込むことを含む。
【0010】
上述した一般的説明および以下の詳細な説明は単なる例示であって、請求する発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0011】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、付属の請求の範囲、および図面の簡単な説明の部で簡単に述べる図面に示す添付の模範的実施形態から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下で、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0013】
生物剤(例えば炭疽菌、野兎病、疫病、または天然痘)の有無を決定するPCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置1を図1に開示する。装置1は、プランジャ筺体60に作動的に接続されるバッファ容器筺体10と、バッファ容器20と、プランジャ50と、スワブ30と、スワブ支持体40と、反応管70とを含む。
【0014】
図2(a)および2(b)から分かるように、バッファ容器筺体10は円筒形筺体部分16の一端にタブ14を含む。円筒形筺体部分16は、外方に突出するねじ山12を含む。ねじ山12は、図4(a)、4(b)から分かるように、プランジャ筺体60のねじ溝62に対応するように構成される。タブ14は、使用者がバッファ容器筺体10をプランジャ筺体60とねじり合わせ、あるいは螺合するのを助けるように構成される。
【0015】
バッファ容器20は、バッファを収容するためのいずれかの適切な容器、例えばワットマン社のMini UniPrepブランドのバッファチャンバ20とすることができる。
【0016】
図1に示すスワブまたはスワビングマトリクス(swabbing matrix)30は、プランジャ50の一端に取り付けられる。スワブ支持体40はスワブ30をプランジャ50上に支持する。図3(a)および3(b)から分かるように、スワブ支持体40は凸状枠組42および枠44を含む。枠44は略円形とすることができる。凸状枠組42は枠44の内側に配置され、スワブ30がプランジャ50から離れて突出し、かつ分析のためにサンプルがその上で採取される表面と係合することを確実にするように構成される。
【0017】
スワブ30は、生物剤の有無を決定するPCR分析用の試料のサンプルを採取するように構成される。スワブ30はドーム形に形成することができる。
【0018】
スワブ30はフィルタ様材料、または分析対象の物質を採取するのに適したいずれかの他の材料、例えばイソコードペーパ(IsoCode paper)とすることができる。
【0019】
図4(a)、4(b)、4(c)から分かるように、プランジャ筺体60は、プランジャ筺体60の内部表面にねじ溝62を含む。プランジャ筺体60は円筒形の形状とすることができる。半径方向延出タブ64は、プランジャ筺体60の外面から突出することができる。半径方向延出タブ64は、反応管70がサンプル(図示せず)のさらなる分析用の検出器のスロットと適切に係合すること、および(2)装置が重度危険物質用手袋で適切に取り扱うことができることを確実にする。
【0020】
図1に示すプランジャ50は、取り付けられたスワブ30およびスワブ支持体40と共に、プランジャ筺体60の内部に配置することができる。例えばセラミック混合ビーズのような試薬ビーズ(図示せず)は、プランジャ50の内部チャンバ(図示せず)の内側に配置することができる。
【0021】
プランジャ50は、ワットマン社のMini UniPrepブランドのプランジャ50またはいずれかの他の適切なプランジャ50を含むことができる。
【0022】
図5(a)、5(b)、および5(c)から分かるように、反応管70は管部74および管部74の一端の杯部72を含む。位置合わせタブ73が杯部72の縁から延びる。位置合わせタブ73は、反応管70がプランジャ筺体60に適切に取り付けられ、位置合わせされ、かつ保持されることを確実にするように構成される。
【0023】
反応管70は、準備されたサンプルをさらなる分析のために保持するためのいずれかの適切な管、例えばBio−Seeqブランドの反応管70を含むことができる。反応管70は使い捨てにすることができる。
【0024】
装置1は、生物戦剤で汚染されているかもしれない表面を拭くために使用することができる。プランジャ50の一端に取り付けられた装置1のスワブ30は、可能性のある汚染物質のサンプルを採取し、次いでバッファ容器20内に挿置する。スワブ30は、プランジャ筺体60とバッファ容器筺体10との間のねじり動作によって、バッファ容器20内に挿置される。スワブ30がバッファ容器20の内部に配置される速度は、ねじり動作によって制御され、したがってそれはバッファ容器20内に含まれるバッファがスワブ30を通過し、サンプルを溶出または洗い落とす速度を制御する。サンプルおよびバッファは内部チャンバ内に進み、こうして凍結乾燥された試薬ビーズを再水和し、それは次いでサンプルと混合される。次いでサンプルは分析用に準備され、反応管70内に送り込まれる。サンプルはホイッピング動作によって反応管70内に進む。装置1の使用者は装置1を数回ホイッピングして、準備されたサンプルを反応管70内部へ送り込ませる。装置1に取り付けられた反応管70は次いで、サンプルを分析するための手持ち式検出器の内部に配置することができる。
【0025】
装置1は、それを野外で使用するために容易に運ぶことができるように、適切な大きさおよび重量に構成することができる。例えば装置1は、簡単に携帯できるようにオペレータの手で持ち運ぶことができる。
【0026】
代替実施形態では、バッファ容器20は、バッファ容器20の一端を被覆する膜22(図示せず)を含む。プランジャ50およびスワブ30は、スワブ30をバッファ容器20内に押し込むねじり動作によって、膜22を破断する。膜22が破断すると、バッファ(図示せず)はバッファ容器20から放出され、スワブ30を通過してサンプルを溶出させる。
【0027】
図6に示す代替実施形態では、スワブ130とバッファ容器120との間にスパイク125が配置される。スパイク125は、バッファ容器120を被覆する膜122を破断して、バッファをバッファ容器120から放出させてスワブ130中を貫流させるように構成される。スパイク125は、バッファ容器筺体110とプランジャ筺体160との間のねじり動作により、スパイク125をバッファ容器120内に押し込むことによって、バッファ容器120を被覆する膜122を破断する。
【0028】
別の代替実施形態では、スワブ30はメッシュ32(図示せず)によって被覆することができる。代替的に、スワブ30がメッシュ32を被覆することができる。
【0029】
装置は、計器内に導入する前に、結合されたサンプル−試薬混合物の視認性を改善する添加剤、例えば指示化学染料を含むことができる。この染料は、試薬ビーズとサンプルの再水和の前に一つの色を出現し、サンプルが試薬と完全に混合された後で別の色を出現するように、試薬物質にも感応させることができる。該染料の別の特徴は、PCR処理の前に、色の変化を使用して、未知のサンプルのpHが試薬系と融和性がないことを示すことができることである。好適な実施形態では、クレゾールレッド、化学式C25H18O5Sをバッファ内に配置する。中性溶液中のこの物質の通常の色は黄色である。PCR試薬と適切に混合されると、溶液は紫色ないし赤色になる。何らかの理由で試薬が存在しない場合、またはサンプルが間違ったpHを持つ場合、バッファは黄色になり、反応に問題があることを示す。
【0030】
本発明の開示を前提として、当業者は、本発明の範囲および精神内で他の実施形態および変形があることを理解されるであろう。したがって、当業者が本発明の範囲および精神内で本開示から到達できる全ての変形は、本発明のさらなる実施形態として含まれるものとする。本発明の範囲は、請求の範囲に記載する通りに定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】PCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置の実施形態の分解組立図である。
【図2a】図1のバッファ容器筺体の斜視図である。
【図2b】図1のバッファ容器筺体の側面図である。
【図3a】図1のスワブ支持体の斜視図である。
【図3b】図1のスワブ支持体の側面図である。
【図4a】図1のプランジャ筺体の斜視図である。
【図4b】図1のプランジャ筺体の断面図である。
【図4c】図1のプランジャ筺体の側面図である。
【図5a】図1の反応管の斜視図である。
【図5b】図1の反応管の側面図である。
【図5c】図1の反応管の断面図である。
【図6】PCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置の別の実施形態の分解組立図である。
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年12月4日に出願した米国特許出願第10/727,037号の一部継続出願であり、したがって2002年12月4日に出願した米国特許仮出願第60/430,994号の利益を受ける権利がある。本願はまた、2003年5月28日に出願した米国特許仮出願第60/473,539号の優先権および利益を主張する。上記三件の出願の全てを参照によって、全体的にここに組み込む。
【技術分野】
【0002】
本願は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を検出するように設計されたシステムに関する。該システムは、DNA増幅を通して生物剤の有無を検出するように設計された装置を含む。検出は、使い捨て反応管に配置されたPCR反応混合物の加熱および冷却を通して達成される。検出対象の生物剤の存在は、蛍光発光の増加によって示される。
【0003】
本発明は、プランジャ筺体および反応管に作動的に接続可能なバッファ容器筺体を備えた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)採取および準備のための保持器に関する。
【0004】
本発明は、生物戦剤(例えば炭疽菌、野兎病、疫病、または天然痘)が存在しないか野外または現地で分析するサンプルの採取および準備に関する。
【0005】
従来のPCRの採取および準備は、ほとんどの野外要員の技量を超える技量を要求する。一般的なPCR採取および準備は複雑な手順である。
【0006】
従来のPCR採取および準備は、分析の前にサンプルを処理する必要がある。サンプル採取および準備の欠点は、それが少なくとも三つの複雑なステップを含むことである。第一に、環境中のフミン酸および金属のような阻害物質を除去する。第二に、サンプルを濾過し、濃縮する。第三に、PCRアッセイに必要な試薬の組合せをサンプルに添加する。
【0007】
従来のPCR採取および準備の別の欠点は、作業が一般的に野外ではなく、研究室で実行されることである。一般的に、そのような採取および準備は、生物戦剤の現地検査のために野外用として携帯することができない。
【発明の開示】
【0008】
本発明の一実施形態では、PCR分析用のサンプルを採取しかつ準備するための装置を提供する。該装置はバッファ容器筺体およびプランジャ筺体を含む。バッファ容器筺体は、バッファ容器筺体の内側に配置されたバッファ容器を含む。プランジャ筺体は、プランジャ筺体の内側に配置されるように構成されたプランジャを含む。プランジャの一端にスワブが取り付けられ、プランジャ筺体の一端に反応管が取り付けられる。バッファ容器筺体は、プランジャ筺体に作動的に接続されるように構成される。
【0009】
本発明の別の態様では、PCR分析準備方法を提供する。該方法は、スワブおよびプランジャを含む装置を提供するステップと、試験表面をスワブで拭いてサンプルを採取するステップとを含む。PCR分析準備方法はさらに、プランジャ筺体とバッファ容器筺体との間のねじり動作を使用してプランジャ筺体をバッファ容器筺体に取り付けることによって、スワブをバッファ容器内に挿置し、よってバッファが放出されてスワブ中を通過することを可能にし、かつバッファおよびサンプルが試薬混合物と混合するためにチャンバ内に進むことを可能にすることを含む。該方法はさらに、装置をホイップし、よって準備されたサンプルを反応管に送り込むことを含む。
【0010】
上述した一般的説明および以下の詳細な説明は単なる例示であって、請求する発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0011】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、付属の請求の範囲、および図面の簡単な説明の部で簡単に述べる図面に示す添付の模範的実施形態から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下で、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0013】
生物剤(例えば炭疽菌、野兎病、疫病、または天然痘)の有無を決定するPCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置1を図1に開示する。装置1は、プランジャ筺体60に作動的に接続されるバッファ容器筺体10と、バッファ容器20と、プランジャ50と、スワブ30と、スワブ支持体40と、反応管70とを含む。
【0014】
図2(a)および2(b)から分かるように、バッファ容器筺体10は円筒形筺体部分16の一端にタブ14を含む。円筒形筺体部分16は、外方に突出するねじ山12を含む。ねじ山12は、図4(a)、4(b)から分かるように、プランジャ筺体60のねじ溝62に対応するように構成される。タブ14は、使用者がバッファ容器筺体10をプランジャ筺体60とねじり合わせ、あるいは螺合するのを助けるように構成される。
【0015】
バッファ容器20は、バッファを収容するためのいずれかの適切な容器、例えばワットマン社のMini UniPrepブランドのバッファチャンバ20とすることができる。
【0016】
図1に示すスワブまたはスワビングマトリクス(swabbing matrix)30は、プランジャ50の一端に取り付けられる。スワブ支持体40はスワブ30をプランジャ50上に支持する。図3(a)および3(b)から分かるように、スワブ支持体40は凸状枠組42および枠44を含む。枠44は略円形とすることができる。凸状枠組42は枠44の内側に配置され、スワブ30がプランジャ50から離れて突出し、かつ分析のためにサンプルがその上で採取される表面と係合することを確実にするように構成される。
【0017】
スワブ30は、生物剤の有無を決定するPCR分析用の試料のサンプルを採取するように構成される。スワブ30はドーム形に形成することができる。
【0018】
スワブ30はフィルタ様材料、または分析対象の物質を採取するのに適したいずれかの他の材料、例えばイソコードペーパ(IsoCode paper)とすることができる。
【0019】
図4(a)、4(b)、4(c)から分かるように、プランジャ筺体60は、プランジャ筺体60の内部表面にねじ溝62を含む。プランジャ筺体60は円筒形の形状とすることができる。半径方向延出タブ64は、プランジャ筺体60の外面から突出することができる。半径方向延出タブ64は、反応管70がサンプル(図示せず)のさらなる分析用の検出器のスロットと適切に係合すること、および(2)装置が重度危険物質用手袋で適切に取り扱うことができることを確実にする。
【0020】
図1に示すプランジャ50は、取り付けられたスワブ30およびスワブ支持体40と共に、プランジャ筺体60の内部に配置することができる。例えばセラミック混合ビーズのような試薬ビーズ(図示せず)は、プランジャ50の内部チャンバ(図示せず)の内側に配置することができる。
【0021】
プランジャ50は、ワットマン社のMini UniPrepブランドのプランジャ50またはいずれかの他の適切なプランジャ50を含むことができる。
【0022】
図5(a)、5(b)、および5(c)から分かるように、反応管70は管部74および管部74の一端の杯部72を含む。位置合わせタブ73が杯部72の縁から延びる。位置合わせタブ73は、反応管70がプランジャ筺体60に適切に取り付けられ、位置合わせされ、かつ保持されることを確実にするように構成される。
【0023】
反応管70は、準備されたサンプルをさらなる分析のために保持するためのいずれかの適切な管、例えばBio−Seeqブランドの反応管70を含むことができる。反応管70は使い捨てにすることができる。
【0024】
装置1は、生物戦剤で汚染されているかもしれない表面を拭くために使用することができる。プランジャ50の一端に取り付けられた装置1のスワブ30は、可能性のある汚染物質のサンプルを採取し、次いでバッファ容器20内に挿置する。スワブ30は、プランジャ筺体60とバッファ容器筺体10との間のねじり動作によって、バッファ容器20内に挿置される。スワブ30がバッファ容器20の内部に配置される速度は、ねじり動作によって制御され、したがってそれはバッファ容器20内に含まれるバッファがスワブ30を通過し、サンプルを溶出または洗い落とす速度を制御する。サンプルおよびバッファは内部チャンバ内に進み、こうして凍結乾燥された試薬ビーズを再水和し、それは次いでサンプルと混合される。次いでサンプルは分析用に準備され、反応管70内に送り込まれる。サンプルはホイッピング動作によって反応管70内に進む。装置1の使用者は装置1を数回ホイッピングして、準備されたサンプルを反応管70内部へ送り込ませる。装置1に取り付けられた反応管70は次いで、サンプルを分析するための手持ち式検出器の内部に配置することができる。
【0025】
装置1は、それを野外で使用するために容易に運ぶことができるように、適切な大きさおよび重量に構成することができる。例えば装置1は、簡単に携帯できるようにオペレータの手で持ち運ぶことができる。
【0026】
代替実施形態では、バッファ容器20は、バッファ容器20の一端を被覆する膜22(図示せず)を含む。プランジャ50およびスワブ30は、スワブ30をバッファ容器20内に押し込むねじり動作によって、膜22を破断する。膜22が破断すると、バッファ(図示せず)はバッファ容器20から放出され、スワブ30を通過してサンプルを溶出させる。
【0027】
図6に示す代替実施形態では、スワブ130とバッファ容器120との間にスパイク125が配置される。スパイク125は、バッファ容器120を被覆する膜122を破断して、バッファをバッファ容器120から放出させてスワブ130中を貫流させるように構成される。スパイク125は、バッファ容器筺体110とプランジャ筺体160との間のねじり動作により、スパイク125をバッファ容器120内に押し込むことによって、バッファ容器120を被覆する膜122を破断する。
【0028】
別の代替実施形態では、スワブ30はメッシュ32(図示せず)によって被覆することができる。代替的に、スワブ30がメッシュ32を被覆することができる。
【0029】
装置は、計器内に導入する前に、結合されたサンプル−試薬混合物の視認性を改善する添加剤、例えば指示化学染料を含むことができる。この染料は、試薬ビーズとサンプルの再水和の前に一つの色を出現し、サンプルが試薬と完全に混合された後で別の色を出現するように、試薬物質にも感応させることができる。該染料の別の特徴は、PCR処理の前に、色の変化を使用して、未知のサンプルのpHが試薬系と融和性がないことを示すことができることである。好適な実施形態では、クレゾールレッド、化学式C25H18O5Sをバッファ内に配置する。中性溶液中のこの物質の通常の色は黄色である。PCR試薬と適切に混合されると、溶液は紫色ないし赤色になる。何らかの理由で試薬が存在しない場合、またはサンプルが間違ったpHを持つ場合、バッファは黄色になり、反応に問題があることを示す。
【0030】
本発明の開示を前提として、当業者は、本発明の範囲および精神内で他の実施形態および変形があることを理解されるであろう。したがって、当業者が本発明の範囲および精神内で本開示から到達できる全ての変形は、本発明のさらなる実施形態として含まれるものとする。本発明の範囲は、請求の範囲に記載する通りに定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】PCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置の実施形態の分解組立図である。
【図2a】図1のバッファ容器筺体の斜視図である。
【図2b】図1のバッファ容器筺体の側面図である。
【図3a】図1のスワブ支持体の斜視図である。
【図3b】図1のスワブ支持体の側面図である。
【図4a】図1のプランジャ筺体の斜視図である。
【図4b】図1のプランジャ筺体の断面図である。
【図4c】図1のプランジャ筺体の側面図である。
【図5a】図1の反応管の斜視図である。
【図5b】図1の反応管の側面図である。
【図5c】図1の反応管の断面図である。
【図6】PCR分析のためのサンプルを採取しかつ準備するための装置の別の実施形態の分解組立図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリメラーゼ連鎖反応分析用のサンプルを採取しかつ準備するための装置であって、
バッファ容器筺体と、
バッファ容器と、
プランジャの一端に取り付けられたスワブと、
プランジャ筺体に取り付けられた反応管と
を備え、
前記プランジャが前記プランジャ筺体の内部に配置されるように構成され、かつ、
前記バッファ容器が前記バッファ容器筺体の内側に配置され、かつ前記バッファ容器筺体が前記プランジャ筺体に作動的に接続された、
装置。
【請求項2】
前記バッファ容器筺体が円筒形筺体部分の一端にタブ部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記円筒形筺体部分に外方に突出するねじ山をさらに備えた、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スワブがフィルタ様材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記スワブを支持するスワブ支持体をさらに備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記スワブ支持体は、前記スワブが前記プランジャから離れて突出するように前記スワブを配置するように構成された、枠の内側に配置された凸状枠組を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プランジャ筺体の内部表面にねじ溝をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ねじ溝が、前記バッファ容器筺体の筺体部分から突出するねじ山に対応するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プランジャ筺体から突出する少なくとも一つの半径方向延出タブをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記反応管が杯部および管部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記杯部の縁に配置され、前記プランジャ筺体内に前記反応管を保持するように構成された少なくとも一つの位置合わせタブをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プランジャ筺体と前記バッファ容器筺体との間のねじり動作によって、前記スワブが前記バッファ容器内に挿置される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記バッファ容器筺体および前記プランジャ筺体は、前記スワブが前記バッファ容器内に挿置されたときに、前記バッファ容器内に含まれるバッファが前記スワブを通過するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
サンプルと混合するためにプランジャの内部チャンバ内に配置された、少なくとも一つの試薬ビードをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記反応管が、前記装置をホイッピングすることによって、PCR分析を受けるように準備された物質のサンプルを受容するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記バッファ容器筺体、プランジャ筺体、および反応管が携帯可能に構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記バッファ容器が前記バッファ容器の一端を被覆する膜を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記スワブを前記バッファ容器内に押し込むねじり動作によって前記膜が破断され、かつ、バッファが前記膜の破断によって放出される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記バッファ容器と前記スワブとの間に配置されたスパイクをさらに含み、前記スパイクが前記バッファ容器の一端を被覆する膜を破断するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記スワブを被覆するメッシュをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
処理前にサンプルおよび試薬の混合物の視認性を改善するための添加剤をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
指示染料をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
試薬が存在し、かつ正しく混合されている場合、前記染料の色が変化する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記サンプルのpHが適正である場合、前記染料の色が変化する、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記染料がクレゾールレッドを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
ポリメラーゼ連鎖反応分析用のサンプルを保持するための装置であって、
スワブ保持器と、バッファ保持器と、サンプルを採取するための容器とを備え、前記スワブ保持器およびバッファ保持器は一つに接合するように構成され、それよってサンプルを前記容器内に配置するように構成された、
装置。
【請求項27】
前記容器が管状である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記容器が漏斗状のサンプル受容部を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記容器が試薬混合物を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記プランジャが少なくとも一つのセラミック混合ビードを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記バッファ保持器を被覆しかつ把持部を含む筺体をさらに備えた、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記スワブ保持器の一端にスワブをさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記スワブを被覆するメッシュをさらに含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
スワブおよびプランジャを含む装置を提供し、前記スワブで試験表面上を拭いてサンプルを採取するステップと、
プランジャ筺体とバッファ容器筺体との間のねじり動作を使用して前記プランジャ筺体を前記バッファ容器筺体に取り付けることによって、前記スワブをバッファ容器内に挿置し、よってバッファが放出され前記スワブ中を通過することを可能にし、かつバッファおよびサンプルが試薬混合物と混合するためにチャンバ内に進むことを可能にするステップと、
装置をホイッピングし、よって準備されたサンプルを反応管内に送り込むステップと、
を含む、ポリメラーゼ連鎖反応分析準備方法。
【請求項1】
ポリメラーゼ連鎖反応分析用のサンプルを採取しかつ準備するための装置であって、
バッファ容器筺体と、
バッファ容器と、
プランジャの一端に取り付けられたスワブと、
プランジャ筺体に取り付けられた反応管と
を備え、
前記プランジャが前記プランジャ筺体の内部に配置されるように構成され、かつ、
前記バッファ容器が前記バッファ容器筺体の内側に配置され、かつ前記バッファ容器筺体が前記プランジャ筺体に作動的に接続された、
装置。
【請求項2】
前記バッファ容器筺体が円筒形筺体部分の一端にタブ部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記円筒形筺体部分に外方に突出するねじ山をさらに備えた、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スワブがフィルタ様材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記スワブを支持するスワブ支持体をさらに備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記スワブ支持体は、前記スワブが前記プランジャから離れて突出するように前記スワブを配置するように構成された、枠の内側に配置された凸状枠組を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プランジャ筺体の内部表面にねじ溝をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ねじ溝が、前記バッファ容器筺体の筺体部分から突出するねじ山に対応するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プランジャ筺体から突出する少なくとも一つの半径方向延出タブをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記反応管が杯部および管部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記杯部の縁に配置され、前記プランジャ筺体内に前記反応管を保持するように構成された少なくとも一つの位置合わせタブをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プランジャ筺体と前記バッファ容器筺体との間のねじり動作によって、前記スワブが前記バッファ容器内に挿置される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記バッファ容器筺体および前記プランジャ筺体は、前記スワブが前記バッファ容器内に挿置されたときに、前記バッファ容器内に含まれるバッファが前記スワブを通過するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
サンプルと混合するためにプランジャの内部チャンバ内に配置された、少なくとも一つの試薬ビードをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記反応管が、前記装置をホイッピングすることによって、PCR分析を受けるように準備された物質のサンプルを受容するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記バッファ容器筺体、プランジャ筺体、および反応管が携帯可能に構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記バッファ容器が前記バッファ容器の一端を被覆する膜を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記スワブを前記バッファ容器内に押し込むねじり動作によって前記膜が破断され、かつ、バッファが前記膜の破断によって放出される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記バッファ容器と前記スワブとの間に配置されたスパイクをさらに含み、前記スパイクが前記バッファ容器の一端を被覆する膜を破断するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記スワブを被覆するメッシュをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
処理前にサンプルおよび試薬の混合物の視認性を改善するための添加剤をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
指示染料をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
試薬が存在し、かつ正しく混合されている場合、前記染料の色が変化する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記サンプルのpHが適正である場合、前記染料の色が変化する、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記染料がクレゾールレッドを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
ポリメラーゼ連鎖反応分析用のサンプルを保持するための装置であって、
スワブ保持器と、バッファ保持器と、サンプルを採取するための容器とを備え、前記スワブ保持器およびバッファ保持器は一つに接合するように構成され、それよってサンプルを前記容器内に配置するように構成された、
装置。
【請求項27】
前記容器が管状である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記容器が漏斗状のサンプル受容部を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記容器が試薬混合物を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記プランジャが少なくとも一つのセラミック混合ビードを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記バッファ保持器を被覆しかつ把持部を含む筺体をさらに備えた、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記スワブ保持器の一端にスワブをさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記スワブを被覆するメッシュをさらに含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
スワブおよびプランジャを含む装置を提供し、前記スワブで試験表面上を拭いてサンプルを採取するステップと、
プランジャ筺体とバッファ容器筺体との間のねじり動作を使用して前記プランジャ筺体を前記バッファ容器筺体に取り付けることによって、前記スワブをバッファ容器内に挿置し、よってバッファが放出され前記スワブ中を通過することを可能にし、かつバッファおよびサンプルが試薬混合物と混合するためにチャンバ内に進むことを可能にするステップと、
装置をホイッピングし、よって準備されたサンプルを反応管内に送り込むステップと、
を含む、ポリメラーゼ連鎖反応分析準備方法。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6】
【公表番号】特表2007−515943(P2007−515943A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533456(P2006−533456)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016727
【国際公開番号】WO2004/105949
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505439233)スミス ディテクション インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016727
【国際公開番号】WO2004/105949
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505439233)スミス ディテクション インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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