説明

サーバから受信する受信情報を表示する端末、方法及びプログラム

【課題】複数の情報が短時間に多数配信された場合であっても、一定の情報については、その情報の内容を確実に伝えることの可能な端末、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末1は、情報配信サーバから配信される受信情報を時系列に受信する情報受信部11と、この受信情報を、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示する受信情報表示部12と、この受信情報とは別に、受信情報の移動方向と同じ方向に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信し、その受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する移動表示情報表示部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバから受信する受信情報を表示する端末、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、TWITTER(登録商標)等のサービスが急速に普及している(例えば、非特許文献1参照)。TWITTER(登録商標)は、単にユーザがつぶやいた独り言の文字列等を通信ネットワークを介して受信して公衆に閲覧可能に記憶するだけのものであるが、所定のユーザのつぶやきを更新のつど閲覧したり(フォロー)、あるユーザのつぶやきに対して他のユーザがそれを引用して自らのつぶやきとしたり(リツイート)、所定のユーザのつぶやきに自らのコメントを追加して投稿したり(クオートツイート)することもできる。このように、さまざまな形態での応答が発展することにより、あたかも大勢で会話しているかのような感覚を与えることができる。
【0003】
また、TWITTER(登録商標)の魅力として、速報性の高さも挙げられる。例えば、どこかで地震が起こると、「地震だ!」というつぶやきが投稿され、このつぶやきに対し、フォロー、リツイート、クオートツイートが次々に行われる。その結果、地震が発生したことの情報をテレビのニュースやインターネットのニュースサイトよりも早く提供できる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ツイッター完全活用術、日本、アスキー・メディアワークス、2010年2月26日、8〜9頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、既存の技術では、サーバから配信される情報を、配信された順に順次表示するだけである。そのため、複数の情報が短時間に多数配信されると、現在表示している情報を十分に確認できないまま、次の情報に切り替わってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、複数の情報が短時間に多数配信された場合であっても、一定の情報については、その情報の内容を確実に伝えることの可能な端末、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1) サーバから受信する受信情報を一定の画面枠に表示する端末であって、前記受信情報を時系列に受信する情報受信手段と、前記情報受信手段が時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示する受信情報表示手段と、前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の前記一方の端部から前記他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信し、その受信した移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する移動表示情報表示手段とを備える端末。
【0009】
(1)に記載の発明によれば、情報受信手段は、サーバから受信する受信情報を時系列に受信し、受信情報表示手段は、その受信情報を、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示する。そして、移動表示情報表示手段は、受信情報とは別に、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信し、その受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する。これにより、受信情報が一定の画面枠内を移動する速度よりも遅い移動速度が指定された移動表示情報については、受信情報よりも時間をかけて移動するため、一定の時間が経過しても、その画面枠から外れることなく、画面枠内で表示し続ける。したがって、指定された移動速度に応じて、ユーザに対し、移動表示情報の内容を確実に伝えることができる端末を提供できる。
【0010】
(2) 前記移動表示情報表示手段は、前記受信情報及び前記移動表示情報の表示位置が重なる場合は、前記受信情報を移動方向の前後に移動させることにより前記受信情報及び前記移動表示情報が重ならないように表示する(1)に記載の端末。
【0011】
(2)に記載の発明によれば、受信情報の移動速度と移動表示情報の移動速度とが異なる場合であっても、これらの情報の視認性が劣ることのない端末を提供できる。
【0012】
(3) 前記情報受信手段は、前記サーバから、前記移動表示情報を、前記速度を指定する移動速度情報とともに受信する(1)又は(2)に記載の端末。
【0013】
(3)に記載の発明によれば、例えば、商品又は役務の広告等、ユーザに確実に視認してほしい移動速度情報については、速度を遅く指定することで、ユーザに対し、その移動速度情報の内容を確実に伝えることができる端末を提供できる。
【0014】
(4) ユーザによる移動速度の指定操作に応じて、前記移動速度情報の内容を変更する移動速度情報変更手段をさらに備える、(3)に記載の端末。
【0015】
(4)に記載の発明によれば、ユーザにとって重要な情報であるにも関わらず、他に比べて遅い移動速度に定められていない場合は、ユーザ自身の指定操作によって、その情報を、他に比べて遅い移動速度に指定できる。また、ユーザにとって重要な情報でないにも関わらず、他に比べて遅い移動速度に定められている場合は、ユーザ自身の指定操作によって、その情報を、他に比べて速い移動速度に指定できる。これにより、ユーザにとって重要な情報をいっそう確実に伝えることの可能な端末を提供できる。
【0016】
(5) 端末が、サーバから受信する受信情報を一定の画面枠に表示する方法であって、前記受信情報を時系列に受信する情報受信工程と、前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信する移動表示情報受信工程と、前記情報受信工程で時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示するとともに、前記移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する受信情報・移動表示情報表示工程とを含む方法。
【0017】
(6) サーバから受信する受信情報を、端末が有する一定の画面枠に表示させるためのプログラムであって、前記受信情報を時系列に受信する情報受信工程と、前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信する移動表示情報受信工程と、前記情報受信工程で時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示するとともに、前記移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する受信情報・移動表示情報表示工程とを前記端末に実行させるためのプログラム。
【0018】
(5)に記載の方法によれば、当該方法に係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。また、(6)記載のプログラムによれば、当該プログラムに係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の受信情報が短時間に多数配信された場合であっても、これら複数の受信情報とは別に設けられた移動表示情報については、指定された移動速度に応じて、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら表示できる端末、方法及びプログラムを提供できる。すなわち、当該移動の際に、受信情報が一定の画面枠内を移動する速度よりも遅い移動速度が指定された移動表示情報については、受信情報よりも時間をかけて移動するため、一定の時間が経過しても、その画面枠から外れることなく、画面枠内で表示し続ける。したがって、指定された移動速度に応じて、ユーザに対し、移動表示情報の内容を確実に伝えることができる端末、方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態に係る端末1を説明するための全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施形態に係る受信情報・移動表示情報データベース21を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動速度情報データベース22を示す図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施形態に係る端末1のフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る端末1の画面枠30での表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る移動速度情報データベース22を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る端末1の画面枠30での表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0022】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る端末1を説明するための全体構成を示す図である。端末1は、情報配信サーバ2とネットワークを介して接続され、情報配信サーバ2から受信する受信情報を、一定の画面枠に表示する。
【0023】
端末1は、制御部10と、記憶部20とを備える。制御部10は、端末1に係る各機能を統括的に制御する部分であり、情報配信サーバ2から受信した受信情報を時系列に受信する情報受信部11を備える。また、記憶部20は、受信情報・移動表示情報データベース21を備え、情報受信部11が受信した受信情報の内容は、この受信情報・移動表示情報データベース21に記憶される。これら情報受信部11及び受信情報・移動表示情報データベース21は、情報受信手段として機能する。
【0024】
また、制御部10は、情報受信部11が時系列に受信した受信情報を、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示する受信情報表示部12を備える。この受信情報表示部12は、受信情報表示手段として機能する。
【0025】
また、制御部10は、情報受信部11が受信した受信情報とは別に、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を、この速度を指定する移動速度情報とともに受信する移動表示情報受信部13を備える。記憶部20は、受信情報・移動表示情報データベース21のほか、移動速度情報データベース22を備え、移動表示情報受信部13が受信した情報のうち、移動表示情報の内容は受信情報・移動表示情報データベース21に記憶され、移動速度情報の内容は移動速度情報データベース22に記憶される。これら移動表示情報受信部13、受信情報・移動表示情報データベース21及び移動速度情報データベース22は、移動表示情報受信手段として機能する。
【0026】
ところで、受信情報・移動表示情報データベース21は、図2に例示される。受信情報・移動表示情報データベース21は、情報受信部11が受信した受信情報及び移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を記憶するデータベースであり、情報を受信した時刻を示す「受信時刻」フィールドと、情報の種類を識別する「情報ID」フィールドと、情報の内容を示す「内容」フィールドとを有する。
【0027】
また、移動速度情報データベース22は、図3に例示される。移動速度情報データベース22は、移動表示情報受信部13が受信した移動速度情報を記憶するデータベースであり、先に説明した「情報ID」フィールドと、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動する際の指定された速度を示す「移動速度」フィールドとを有する。
【0028】
本実施形態では、情報ID「A」に属する情報は、情報受信部11が受信した受信情報であることを示し、情報ID「B」以降に属する情報は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報であることを示す。情報ID「A」に属する情報であれば、移送速度は「20ピクセル/秒」なので、1秒間に20ピクセルの速度で一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動するように表示する。これに対し、情報ID「B」に属する情報であれば、移送速度は「10ピクセル/秒」なので、1秒間に10ピクセルの速度で一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動するように表示する。また、情報ID「C」に属する情報であれば、移送速度は「5ピクセル/秒」なので、1秒間に5ピクセルの速度で一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動するように表示する。
【0029】
本実施形態では、受信情報の移動速度を「ピクセル/秒」で表し、各情報は指定された移動速度でスクロールすることとしているが、これに限るものではなく、第2実施形態で説明するように、各情報を受信したタイミングで表示中の情報が移動することとして、移動速度は「ポジション/受信」で表してもよい。
【0030】
なお、本実施形態に係る受信情報及び移動表示情報は、例えばJavaScript(登録商標)とCSSを組み合わせたDHTMLを用いて実現することができる。具体的には、<div>タグで指定した情報表示範囲にCSSを適用し、受信情報及び移動表示情報をスクロールさせるスクリプトプログラムを記載して動作させる。或いはFlash(登録商標)等のベクターイメージを取り扱うソフトウェアを介して表示させてもよい。
【0031】
図1に戻り、制御部10は、移動表示情報受信部13が時系列に受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する移動表示情報表示部14を備える。移動表示情報表示部14は、移動表示情報表示手段として機能する。移動表示情報は、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて、移動速度情報データベース23に記憶された速度で移動する。
【0032】
さらに、制御部10は、ユーザによる移動速度の指定操作に応じて、移動表示情報受信部13が受信した移動速度情報の内容を変更する移動速度情報変更部15を備える。この変更は、ユーザの指定操作に応じて、移動速度情報データベース22に記憶された移動速度「ピクセル/秒」の書換えをすることによって行われる。これら移動速度情報変更部15及び移動速度情報データベース22は、移動速度情報変更手段として機能する。
【0033】
[本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成]
本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成について説明する。端末1のハードウェアには、制御装置(制御部)としてのCPUの他、記憶装置(記憶部)、通信装置(通信部)、表示装置(表示部)及び入力装置(入力部)が含まれる。記憶装置(記憶部)としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)又は光ディスク(CD、DVD等)ドライブ等が挙げられる。通信装置(通信部)としては、例えば、各種有線又は無線インターフェース装置等が挙げられる。表示装置(表示部)としては、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置(入力部)としては、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス(マウス等)又はリモコン装置等が挙げられる。
【0034】
端末1のソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するプログラムやデータが含まれる。プログラムやデータは、記憶装置(記憶部)により記憶され、制御装置(制御部)により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、電磁的方法により配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0035】
[フローチャート]
図4は、本実施形態に係る端末1のフローチャートである。
【0036】
情報受信部11は、情報配信サーバ2から受信情報を受信したことに応じて、情報受信処理を行う(S1)。情報受信処理では、情報受信部11は、情報配信サーバ2から受信した受信情報を時系列に受信し、その受信情報を受信情報・移動表示情報データベース21に書き込む処理を実行する。
【0037】
さらに、情報受信部11は、情報配信サーバ2から移動表示情報を受信したことに応じて、移動表示情報受信処理を行う(S2)。移動表示情報受信処理では、移動表示情報受信部13は、情報配信サーバ2から移動表示情報を受信情報・移動表示情報データベース21及び移動速度情報データベース22に書き込む処理を実行する。なお、ステップS1及びステップS2は情報配信サーバ2からそれぞれ情報を受信することに応じて順不同で実行される。
【0038】
そして、受信情報表示部12及び移動表示情報表示部14は、受信情報・移動表示情報表示処理を行う(S3)。受信情報・移動表示情報表示処理では、受信情報表示部12は、情報受信部11が情報受信処理で時系列に受信した受信情報を、一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて、図3で示した移動速度情報データベース22に記憶された移動速度で移動させながら順次表示する。また、移動表示情報表示部14は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する。
【0039】
そして、移動速度情報変更部15は、制御部10がユーザによる移動速度の指定操作を受け付けたことに応じて、移動表示情報受信部13が受信した移動速度情報の内容を変更する処理を行う(S4)。具体的には、移動速度情報変更部15は、ユーザの指定操作に応じて、移動速度情報データベース22に記憶された移動速度情報の情報の書き換えを実行する。
【0040】
そして、制御部10は、一連の処理を終了するか否かを判別する(S5)。終了すると判別する場合、制御部10は、一連の処理を終了する。一方、終了しないと判別する場合、制御部10は、処理をステップS1に移す。
【0041】
[本実施形態に係る端末1の実施例]
図5は、本実施形態に係る端末1、方法及びプログラムを実施したときの端末1の画面枠30での表示例を示す図である。
【0042】
端末1には、一定の画面枠30が設けられている。情報受信部11は、情報配信サーバ2からの受信情報を時系列に受信する。また、移動表示情報受信部13は、受信情報とは別に、情報配信サーバ2からの移動表示情報を受信する。図2を例にすると、情報受信部11は、3月29日(以下同じ)の12時46分に、情報ID「A」に属する「攻めろ!チャンスだ!」という受信情報を受信し、12時48分に、情報ID「A」に属する「お、点が入るか?」という受信情報を受信する。一方、移動表示情報受信部13は、12時50分に、情報ID「B」に属する「日経平均株価が○○円に回復する勢いです。」という移動表示情報を受信する。その際、受信情報及び移動表示情報は、受信情報・移動表示情報データベース21に記憶され、移動速度情報は、移動速度情報データベース22に記憶される。なお、図2を例にすると、情報受信部11が受信した受信情報の情報IDは「A」であり、図3を例にすると、この情報ID「A」に属する情報の移動速度は20ピクセル/秒である。また、図2を例にすると、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報の情報IDは「B」であり、図3を例にすると、この情報ID「B」に属する情報の移動速度は10ピクセル/秒である。
【0043】
そして、受信情報表示部12は、情報受信部11が時系列に受信した受信情報を、一定の画面枠30の一方の端部から他方の端部に向けて順次表示する。また、移動表示情報表示部14は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する。図6の(1)は、時刻が13時00分であるときの表示例を示し、画面枠30の下方から順に、情報受信部11が12時48分に受信した「お、点が入るか???」という受信情報、移動表示情報受信部13が12時50分に受信した「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という移動表示情報、情報受信部11が12時53分に受信した「日本チャンス!」という受信情報、情報受信部11が12時54分に受信した「がんばれ!ニッポン!」という受信情報、及び移動表示情報受信部13が12時56分に受信した「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という移動表示情報が表示されている。
【0044】
続いて、受信情報表示部12は、すでに受信し、表示している受信情報を、一定の画面枠30の一方の端部から他方の端部であるに向けて、図3で示した移動速度情報データベース22に記憶された移動速度で順次移動させる。本実施形態では、受信情報表示部12が受信した受信情報の情報IDは「A」であり、移動速度は、20ピクセル/秒である。一方、移動表示情報表示部14は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を、受信情報の移動速度とは異なる速度であって、予め指定された速度、具体的には、移動速度情報データベース22に記憶された移動速度で移動する。本実施形態では、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報の受信情報IDは「B」であり、移動速度は、10ピクセル/秒である。
【0045】
図6の(2)は、時刻が13時05分であるときの表示例を示す。図2の例によると、13時00分から05分までの間に、情報受信部11は、新たに、情報ID「A」に属する「○○行けえ。シュートだあ。」という受信情報を受信し、また、情報ID「A」に属する「打つか。打つか。」という受信情報を受信している。図3の例によると、情報ID「A」に属する情報と情報ID「B」に属する情報とでは、移動速度が異なり、2つの情報を受信したことに応じて「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報は、10ピクセル/秒であるのに対し、「○○行けえ。シュートだあ。」という情報は、20ピクセル/秒である。そのため、情報受信部11が「打つか。打つか。」という受信情報を受信したことに応じて、画面枠30には、「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報と、「○○行けえ。シュートだあ。」という情報との順序が入れ替わって表示される。画面枠30には、「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という情報と、「日本チャンス!」という情報との順序が入れ替わって表示される。
【0046】
図6の(3)は、時刻が13時10分であるときの表示例を示す。図2の例によると、13時05分から10分までの間に、情報受信部11は、新たに、情報ID「A」に属する「ゴーーーーーーーール!!!」という受信情報を受信し、また、情報ID「A」に属する「OHHHHHHHH!」という情報を受信している。情報ID「A」に属する情報と情報ID「B」に属する情報とでは、移動速度が異なるため、画面枠30には、さらに、「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報と、「打つか。打つか。」という情報との順序が入れ替わって表示される。また、「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という情報と、「がんばれ!ニッポン!」という情報との順序が入れ替わって表示される。
【0047】
本実施形態に記載の発明によると、受信情報が一定の画面枠30の中を移動する速度よりも遅い移動速度が指定された移動表示情報については、受信情報よりも時間をかけて移動するため、一定の時間が経過しても、その画面枠30から外れることなく、画面枠30の中で表示し続ける。したがって、指定された移動速度に応じて、ユーザに対し、移動表示情報の内容を確実に伝えることができる端末1、方法及びプログラムを提供できる。
【0048】
また、本実施形態に記載の発明では、ユーザによる移動速度の指定操作に応じて、移動表示情報受信部13が受信した移動速度情報の内容を変更する移動速度情報変更部15をさらに備えた。これによると、ユーザにとって重要な情報であるにも関わらず、他に比べて遅い移動速度に定められていない場合は、ユーザ自身の指定操作によって、その情報を、他に比べて遅い移動速度に指定できる。また、ユーザにとって重要な情報でないにも関わらず、他に比べて遅い移動速度に定められている場合は、ユーザ自身の指定操作によって、その情報を、他に比べて速い移動速度に指定できる。これにより、ユーザにとって重要な情報をいっそう確実に伝えることの可能な端末1、方法及びプログラムを提供できる。
【0049】
なお、この場合においても、受信した受信情報によっては、ユーザ自身の指定操作による移動速度情報を変更を制限することもできる。例えば、特定の広告情報については、ユーザが任意に移動速度を速い移動速度に変更することができないようにすることもできる。
【0050】
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は、受信情報及び移動表示情報を画面枠30の内部で自由自在に移動させるものであったが、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、画面枠30の中に予め複数の表示領域31a〜31gを設け、一方の端部である先頭の表示領域31aから他方の端部である第7表示領域31gに向けて受信情報及び移動表示情報を移動させるものである。以下、第2の実施形態の詳細について説明する。
【0051】
[構成]
第2の実施形態に係る全体構成は、第1の実施形態に係る全体構成と同じであるが、移動速度情報データベース22の詳細な構成が異なる。
【0052】
[移動速度情報データベース]
第2の実施形態に係る移動速度情報データベース22は、図6に例示される。第1の実施形態に係る移動速度情報データベース22は、画面枠の内部の一定方向を単位時間あたりに移動するピクセル数を示す「ピクセル/秒」フィールドを有するものであったが、第2の実施形態に係る移動速度情報データベース22は、一定の画面枠に予め配列した表示領域の先頭から移動する表示領域の数を分子(ポジション)とし、情報受信部11が受信した受信情報の数を分母(受信数)とした値を示す「ポジション/受信数」フィールドを有するものである。
【0053】
[第2の実施形態に係る端末1の実施例]
図8は、第2の実施形態に係る端末1、方法及びプログラムを実施したときの端末1の画面枠30での表示例を示す図である。
【0054】
画面枠30には、予め配列した複数の表示領域31a〜31gが設けられている。情報受信部11は、情報配信サーバ2からの受信情報を時系列に受信する。また、移動表示情報受信部13は、受信情報とは別に、情報配信サーバ2からの移動表示情報を移動速度情報とともに受信する。図2を例にすると、情報受信部11は、3月29日(以下同じ)の12時46分に、情報ID「A」に属する「攻めろ!チャンスだ!」という受信情報を受信し、12時48分に、情報ID「A」に属する「お、点が入るか?」という受信情報を受信する。一方、移動表示情報受信部13は、12時50分に、情報ID「B」に属する「日経平均株価が○○円に回復する勢いです。」という移動表示情報を、移動速度情報「3」とともに受信する。その際、受信情報及び移動表示情報は、受信情報・移動表示情報データベース21に記憶され、移動速度情報は、移動速度情報データベース22に記憶される。なお、図2を例にすると、情報受信部11が受信した受信情報の情報IDは「A」であり、図6を例にすると、この情報ID「A」に属する情報のポジション/受信数は1/1である。また、図2を例にすると、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報の情報IDは「B」であり、図6を例にすると、この情報ID「B」に属する情報のポジション/受信数は1/2である。
【0055】
そして、受信情報表示部12は、情報受信部11が時系列に受信した受信情報を、一定の画面枠30の一方の端部である先頭の表示領域31aから他方の端部である第7表示領域31gに向けて、より詳しくは、先頭の表示領域31aから第2表示領域31b、第3表示領域31c、第4表示領域31d、第5表示領域31e、第6表示領域31f、第7表示領域31gに向けて順次表示する。また、移動表示情報表示部14は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を受信情報と同時に表示する。図7の(1)は、時刻が13時00分であるときの表示例を示し、第6表示領域31fには、情報受信部11が12時46分に受信した「攻めろ!チャンスだ!」という受信情報が表示され、第5表示領域31eには、情報受信部11が12時48分に受信した「お、点が入るか???」という受信情報が表示されている。同様に、第4表示領域31dには、移動表示情報受信部13が12時50分に受信した「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という移動表示情報が表示され、第3表示領域31cには、情報受信部11が12時53分に受信した「日本チャンス!」という受信情報が表示されている。そして、第2表示領域31bには、情報受信部11が12時54分に受信した「がんばれ!ニッポン!」という受信情報が表示され、先頭の表示領域31aには、移動表示情報受信部13が12時56分に受信した「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という移動表示情報が表示されている。
【0056】
続いて、受信情報表示部12は、情報受信部11が受信情報を受信する毎に、すでに受信し、表示している受信情報を、一定の画面枠30の一方の端部である先頭の表示領域31aから他方の端部である第6表示領域31fに向けて順次移動させる。一方、移動表示情報表示部14は、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報を、受信情報の移動速度とは異なる速度であって、予め指定された速度、具体的には、移動速度情報データベース22に記憶された移動速度で移動する。本実施形態では、移動表示情報受信部13が受信した移動表示情報の受信情報IDは「B」であり、ポジション/受信数は1/2であるため、新たに情報を2つ受信する毎に、表示領域を1つ移動させる。
【0057】
図7の(2)は、時刻が13時05分であるときの表示例を示す。図2の例によると、13時00分から05分までの間に、情報受信部11は、新たに、情報ID「A」に属する「○○行けえ。シュートだあ。」という受信情報を受信し、また、情報ID「A」に属する「打つか。打つか。」という受信情報を受信している。図6の例によると、情報ID「A」に属する情報と情報ID「B」に属する情報とでは、移動速度すなわちポジション/受信数の値が異なり、2つの情報を受信したことに応じて「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報は、1の移動数となり、「○○行けえ。シュートだあ。」という情報は、2の移動数となる。そのため、情報受信部11が「打つか。打つか。」という受信情報を受信したことに応じて、画面枠30には、「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報と、「○○行けえ。シュートだあ。」という情報との順序が入れ替わって表示される。画面枠30には、「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という情報と、「日本チャンス!」という情報との順序が入れ替わって表示される。
【0058】
図7の(3)は、時刻が13時10分であるときの表示例を示す。図2の例によると、13時05分から10分までの間に、情報受信部11は、新たに、情報ID「A」に属する「ゴーーーーーーーール!!!」という受信情報を受信し、また、情報ID「A」に属する「OHHHHHHHH!」という情報を受信している。情報ID「A」に属する情報と情報ID「B」に属する情報とでは、移動速度が異なるため、画面枠30には、さらに、「新型ハイブリッド車××、発売は明日から。」という情報と、「打つか。打つか。」という情報との順序が入れ替わって表示される。また、「次の日本代表戦、チケット発売は10日10時から。」という情報と、「がんばれ!ニッポン!」という情報との順序が入れ替わって表示される。
【0059】
なお、第1及び第2の実施形態に記載された効果は、いずれも、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、これら第1及び第2の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0060】
1 端末
2 情報配信サーバ
10 制御部
11 情報受信部
12 受信情報表示部
13 移動表示情報受信部
14 移動表示情報表示部
20 記憶部
21 受信情報・移動表示情報データベース
22 移動速度情報データベース
30 画面枠
31a〜31g 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから受信する受信情報を一定の画面枠に表示する端末であって、
前記受信情報を時系列に受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示する受信情報表示手段と、
前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の前記一方の端部から前記他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信し、その受信した移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する移動表示情報表示手段とを備える端末。
【請求項2】
前記移動表示情報表示手段は、前記受信情報及び前記移動表示情報の表示位置が重なる場合は、前記受信情報を移動方向の前後に移動させることにより前記受信情報及び前記移動表示情報が重ならないように表示する請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記情報受信手段は、前記サーバから、前記移動表示情報を、前記速度を指定する移動速度情報とともに受信する請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
ユーザによる移動速度の指定操作に応じて、前記移動速度情報の内容を変更する移動速度情報変更手段をさらに備える、請求項3に記載の端末。
【請求項5】
端末が、サーバから受信する受信情報を一定の画面枠に表示する方法であって、
前記受信情報を時系列に受信する情報受信工程と、
前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信する移動表示情報受信工程と、
前記情報受信工程で時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示するとともに、前記移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する受信情報・移動表示情報表示工程とを含む方法。
【請求項6】
サーバから受信する受信情報を、端末が有する一定の画面枠に表示させるためのプログラムであって、
前記受信情報を時系列に受信する情報受信工程と、
前記受信情報とは別に、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて指定された速度で移動する移動表示情報を受信する移動表示情報受信工程と、
前記情報受信工程で時系列に受信した受信情報を、前記一定の画面枠の一方の端部から他方の端部に向けて移動させながら順次表示するとともに、前記移動表示情報を前記受信情報と同時に表示する受信情報・移動表示情報表示工程とを前記端末に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−68967(P2012−68967A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214058(P2010−214058)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】