サーバ装置
【課題】CDSに対応した汎用的なクライアントに対しても、暗証番号入力を実現させたい。
【解決手段】コンテンツデータ格納部14は、複数のコンテンツデータを格納する。ディレクトリ格納部12は、複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する。ディレクトリ送信部22は、コンテンツ情報を送信する。アクセス要求受信部24は、コンテンツ情報に対する応答として、コンテンツ識別子を受信する。コンテンツ送信部26は、コンテンツ識別子をもとに、コンテンツデータを送信する。履歴記憶部16は、所定の期間にわたって、コンテンツ識別子の履歴を記憶する。処理部18は、履歴記憶部16において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する。処理部18は、変換したデータをもとに所定の処理を実行する。
【解決手段】コンテンツデータ格納部14は、複数のコンテンツデータを格納する。ディレクトリ格納部12は、複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する。ディレクトリ送信部22は、コンテンツ情報を送信する。アクセス要求受信部24は、コンテンツ情報に対する応答として、コンテンツ識別子を受信する。コンテンツ送信部26は、コンテンツ識別子をもとに、コンテンツデータを送信する。履歴記憶部16は、所定の期間にわたって、コンテンツ識別子の履歴を記憶する。処理部18は、履歴記憶部16において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する。処理部18は、変換したデータをもとに所定の処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコンテンツデータを送信するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AV機器や家電機器などのネットワーク化が進んでいる。AV機器のネットワーク化の際に使用されるプロトコルの例として、DLNA(Digital Living Network Alliance)で用いられるUPnP(Universal Plug and Play)−AVがある。UPnP−AVは、AV機器をコントロールするためのコマンドなどを定義した規格であり、その中で定義されているサービスのひとつがCDS(Content Directory Service)である。CDSを用いてコンテンツサーバであるチューナデバイスを制御する方法が提案されており、CDSでチューナを記述する仕様が定められている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。クライアント側には、チューナデバイスの選局可能なチャンネルリストがタイトルリストとして表示されることとなり、クライアント側でのタイトル選択操作が、チャンネル選択制御をサーバ側に要求することに相当する。これは、サーバ上のコンテンツをクライアントが再生する枠組みの中での実現方法であり、対象コンテンツがライブストリーミングになっている。また、サーバでコンテンツをツリー型のディレクトリ構造で管理し、ディレクトリやコンテンツにアクセス制限のための暗証番号を設定することがなされている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−312412号公報
【非特許文献1】、デジタル放送用受信装置 標準規格 (望ましい仕様) ARIB−STD−B21 4.6版、日本、社団法人 電波産業会
【特許文献2】特開2004−341657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、クライアント側では、暗証番号設定されたコンテンツやディレクトリにアクセスする際に、暗証番号入力が要求される。その際、仮に、暗証番号入力をサーバから要求されても、汎用的な再生用途のクライアントは、暗証番号を入力できず、コンテンツを再生できない。その結果、そのサーバ専用のクライアントをユーザは使用しなければならず、ユーザへのコスト負担が招かれる。
【0004】
また、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルを用いるHTTPサーバとブラウザ間において、クライアントに相当するブラウザから操作するユーザの入力データをHTTPサーバに送る場合は、POSTメソッドを用いてブラウザから送信するのが一般的である。しかしながら、UPnP AVで定めるようなMediaサーバとクライアント間において、クライアントはサーバの提供するCDSの情報をSOAP(Simple Object Access Protocol)によるBrowseアクションやSearchアクションを用いてXML(eXtensible Markup Language)形式のデータで入手し、コンテンツ属性情報に含まれるコンテンツのURIをHTTPプロトコル等でサーバから配信を受ける構成になっている。そのため、前述の暗証番号のようなユーザが入力するデータをサーバ側に送信する手段は講じられていない。その結果、クライアント側からユーザ入力のデータを送る場合は、別途サーバとクライアント間での取り決めが必要となり、結果として専用クライアントを準備することになってしまう。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、CDSに対応した汎用的なクライアントに対しても、暗証番号入力を実現させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサーバ装置は、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、データ格納部に格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、データ格納部におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報をコンテンツ情報として格納する情報格納部と、情報格納部において格納したコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツ情報を送信する第1送信部と、第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信する受信部と、受信部において受信した格納場所をもとに、データ格納部に格納したコンテンツデータをクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツデータを送信する第2送信部とを備える。データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、情報格納部に格納したコンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方である。
【0007】
本発明の別の態様もまた、サーバ装置である。この装置は、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する情報格納部と、情報格納部において格納したコンテンツ情報をネットワークを介して送信する第1送信部と、第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信する受信部と、受信部において受信したコンテンツ識別子をもとに、データ格納部に格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信する第2送信部と、受信部と第2送信部との処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、受信部において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する履歴記憶部と、履歴記憶部において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する変換部と、変換部において変換したデータをもとに所定の処理を実行する処理部と、を備える。
【0008】
情報格納部に格納したコンテンツ情報に含まれたコンテンツ識別子には、データ格納部に格納したコンテンツデータの格納場所が示されたURI(Uniform Resource Identifier)が含まれていてもよい。情報格納部に格納したコンテンツ情報は、CDS(Content Directory Service)に準拠して形成されていてもよい。
【0009】
本発明のさらに別の態様もまた、サーバ装置である。この装置は、ネットワークを介して接続されるクライアント装置からのデータ入力を受けつけるサーバ装置であって、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、クライアント装置に対して数字データまたは文字データの入力を要求する入力要求部と、クライアント装置からのデータ入力を受信する受信部と、受信部において受信したデータ入力の内容に対応するコンテンツデータをデータ格納部から選択する選択部と、選択部において選択したコンテンツデータをクライアント装置へ送信する送信部と、を備える。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、データ送信方法である。この方法は、メモリに格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、メモリにおけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報であるコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツ情報を送信するステップと、送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信するステップと、受信した格納場所をもとに、メモリに格納したコンテンツデータをクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツデータを送信するステップとを備える。送信するステップにおいて、メモリに格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、コンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方である。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、データ処理方法である。この方法は、メモリに格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報をネットワークを介してクライアント装置へ送信するステップと、送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信するステップと、受信したコンテンツ識別子をもとに、メモリに格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信するステップと、コンテンツ識別子を受信するステップとコンテンツデータを送信するステップとの処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶するステップと、所定の期間終了後に、記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列をデータに変換するステップと、変換したデータをもとに所定の処理を実行するステップと、を備える。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、CDSに対応した汎用的なクライアントに対しても、暗証番号入力を実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、UPnP AVをもとにして、ネットワークを介して接続されるサーバ装置とクライアント装置にて構成されるデータ処理システムに関する。ここで、クライアント装置は、サーバ装置からコンテンツ属性情報を入手して、コンテンツ属性情報をもとに、コンテンツデータの送信を要求し、サーバ装置は、コンテンツデータを管理格納しており、コンテンツデータをネットワーク上のクライアント装置へ送信する。特に、本実施例では、クライアント装置が、ユーザからの情報入力をサーバ装置へ伝達する技術を説明する。
【0015】
DLNAで使用されるUPnP AVでは、コンテンツデータを管理格納するサーバ装置が、UPnPのMedia Serverとして動作しており、コンテンツ属性情報は、CDSを使用してクライアント装置に公開される。クライアント装置は、UPnPのCDSを用いてサーバ装置上のコンテンツ属性情報を入手し、コンテンツ属性情報に含まれるコンテンツデータのURI(Uniform Resource Identifier)からコンテンツデータの格納場所を把握する。その後、クライアント装置は、サーバ装置に対しコンテンツ要求を行い、コンテンツデータの再生処理を実行する。ここで、サーバ装置は、所定のタイミングを起点として、クライアント装置のコンテンツ要求の順序を履歴情報として管理する。サーバ装置は、その履歴情報をクライアント装置からの情報入力データとして扱う。その結果、コンテンツデータの探索と再生機能しか有さないクライアント装置に対し特別な手段を講じることなくユーザの操作による情報入力データの伝達が可能になる。
【0016】
具体的に説明すると、サーバ装置は、クライアント装置を操作するユーザに入力操作を行ってもらうために、CDSにて公開するコンテンツデータのタイトル名を、0〜9までの数字文字とし、コンテンツデータもその数字を表現する静止画にする。その結果、クライアント装置のモニタでは、タイトルリストに0〜9までの数字文字がボタンのように並ぶ。ユーザがいずれかの数字が表示されたタイトルを選択すると、結果的にクライアント装置にその数字の静止画が表示され、あたかもキー入力エコー処理が行われたようになる。サーバ装置は、クライアント装置から要求されたURIからそれに基づくCDSのコンテンツ属性情報を判別し、ユーザの操作で何が選択されたかを認識する。クライアント装置でのそうした操作が繰り返されることによって、サーバ装置は、ユーザ操作によるコンテンツ選択の履歴を記憶する。さらに、サーバ装置は、入力終了を示すコンテンツデータの選択時点で、履歴情報をユーザからの入力操作によるデータとして、データ処理を実行する。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係るデータ処理システム500の構成を示す。データ処理システム500は、サーバ装置100、クライアント装置200、ネットワーク300を含む。サーバ装置100は、ディレクトリ格納部12、コンテンツデータ格納部14、履歴記憶部16、処理部18、通信部20、制御部30を含む。また、通信部20は、ディレクトリ送信部22、アクセス要求受信部24、コンテンツ送信部26を含む。クライアント装置200は、通信部70、制御部90、ディレクトリ保持部60、受付部80、表示部92を含む。また、通信部70は、ディレクトリ受信部72、アクセス要求送信部74、コンテンツ受信部76を含む。
【0018】
データ処理システム500では、ネットワーク300を介して、サーバ装置100とクライアント装置200とが接続されている。クライアント装置200は、汎用的なDLNAのDMP(Digital Media Player)として動作する。クライアント装置200は、ネットワーク300を介してサーバ装置100へ、コンテンツデータに対する属性情報(以下、「コンテンツ属性情報」という)の公開を要求し、サーバ装置100からコンテンツ属性情報を取得する。
【0019】
サーバ装置100は、UPnP AVのMedia Serverや、DLNAのDMS(Digital Media Server)として動作し、CDSを利用して、コンテンツ属性情報を公開する。また、サーバ装置100は、ネットワーク300を介してクライアント装置200からコンテンツ属性情報を要求され、クライアント装置200にコンテンツ属性情報を供与する。コンテンツ属性情報およびコンテンツデータについては、後述する。ネットワーク300は有線または無線LANなどで構築される。なお、例えば、サーバ装置100は、PCに相当し、クライアント装置200は、テレビジョン受像装置に相当してもよい。
【0020】
図1では、説明を簡略にするために、サーバ装置100とクライアント装置200とがそれぞれひとつ示されている。しかしながら、いずれか一方または両方が、複数含まれていてもよい。また、サーバ装置100およびクライアント装置200という名称はその機能に注目したものであり、特定の機器が一方ではサーバ装置100として機能し、他方ではクライアント装置200として機能することも可能である。サーバ装置100およびクライアント装置200のそれぞれの構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
以下では、データ処理システム500の動作の概略、サーバ装置100およびクライアント装置200の構成、暗証番号の入力動作の詳細の順に説明する。まず、データ処理システム500の動作の概略を説明する。図2は、データ処理システム500の動作概要を示すシーケンス図である。サーバ装置100がネットワーク300に加わったとき、サーバ装置100はSSDP(Simple Service Discovery Protocol)のNOTIFYメソッドを用いて、ssdp:aliveメッセージをクライアント装置200へ送信する(S10)。サーバ装置100が保持するコンテンツ属性情報を取得するために、クライアント装置200を操作しているユーザの指示により、クライアント装置200は、CDSのBrowseアクションを要求する(S12)。
【0022】
サーバ装置100は、Browseに対するレスポンスによりコンテンツのCDSで管理される情報、つまりコンテンツ属性情報を返信する(S14)。CDSの階層構造に応じて、Browseは複数回繰り返される。次に、クライアント装置200を操作するユーザの指示により、クライアント装置200は、サーバ装置100へコンテンツ取得要求を送信する(S16)。サーバ装置100は、コンテンツ取得要求に含まれるURIからユーザの所望のコンテンツデータを特定し、クライアント装置200へコンテンツデータを送信する(S18)。図1に戻る。
【0023】
次に、図1に戻って、サーバ装置100およびクライアント装置200の構成を説明する。コンテンツデータ格納部14は、ディレクトリ格納部12に保持されるディレクトリによって管理されるコンテンツデータを記憶する。ここで、コンテンツデータには、2種類存在する。ひとつは、映画、ドラマ等の動画像データ、つまりクライアント装置200を使用するユーザが最終的に視聴すべきコンテンツについてのデータである。なお、このようなデータは、動画像データに限られず、音声データ等の別の形式のデータやそれらの組合せであってもよい。
【0024】
もうひとつは、前述の動画像データ等にクライアント装置200からアクセスする際の暗証番号入力に使用されるべきデータである。以下では、暗証番号入力に関する処理を中心に説明するので、後者をコンテンツデータといい、前者を動画像データという。コンテンツデータ格納部14は、複数のコンテンツデータを格納する。ここで、コンテンツデータ格納部14に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データ、つまり「0」から「9」のそれぞれに対応した静止画像データおよび「終了」の文字が示された静止画像データである。なお、コンテンツデータや動画像データとして、静止画であればJPEG、動画であればMPEG2−PS、音楽であればLPCM、などDLNAで規定された必須のメディアフォーマットが採用される。
【0025】
ディレクトリ格納部12は、コンテンツデータ格納部14に格納した動画像データおよびコンテンツデータに対する属性情報をコンテンツ属性情報として格納する。ここで、コンテンツ属性情報は、CDSに準拠して形成されており、ディレクトリ形式にて規定されている。複数のコンテンツデータに対するコンテンツ属性情報では、各コンテンツデータのタイトル名と、コンテンツデータ格納部14におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられている。なお、このようなタイトル名および格納場所は、コンテンツ識別子と総称される。また、タイトル名は、コンテンツデータと同一の数字となるように規定されている。例えば、コンテンツデータ「1」に対するタイトル名は「1」であるとする。
また、格納場所は、URI(Uniform Resource Identifier)にて特定される。
【0026】
図3は、ディレクトリ格納部12に格納された一般的なCDSの構成を示す。これは、前述の動画像データに対応したコンテンツ属性情報に相当する。図中、コンテナは長方形のブロックで、アイテムは平行四辺形のブロックで示されている。各コンテナおよび各アイテム上の文字は、CDSのオブジェクトプロパティのtitleで表されるオブジェクトの名前を示したものである。アイテムは複数のリソースを持つことができ、リソースはprotocolInfoでMIME−typeなどを示し、uriを記述する。通常、コンテナは複数のコンテンツを格納するフォルダやディレクトリに相当し、アイテムはコンテンツに相当する。コンテンツのメディアフォーマットにより、複数のリソースにてコンテンツデータをそれぞれ持つことができる。なお、CDSの詳細については「UPnP ContentDirectory:1, ContentDirectory:1 Service Template Version 1.01, UPnP Forum, June 25, 2002.」に記載されている。
【0027】
図3にて、ルートはコンテナ「ビデオ」、「写真」・・・を含む。コンテナ「ビデオ」は、コンテナ「全て」、「ジャンル」、「チャンネル別」を含む。コンテナ「全て」は、アイテム「野球A対B」、「邦画劇場」、「サッカーC対D」・・・を含む。コンテナ「ジャンル」は、コンテナ「映画」、「スポーツ」、「ドラマ」・・・を含む。コンテナ「映画」は、アイテム「邦画劇場」・・・を含む。コンテナ「スポーツ」は、アイテム「野球A対B」、「サッカーC対D」・・・を含む。図4は、ディレクトリ格納部12に格納されたCDSの別の構成を示す。これは、前述のコンテンツデータに対応したコンテンツ属性情報に相当する。コンテナ「映画」は、図3と同様である。コンテナ「映画」の配下には、前述のアイテム「邦画劇場」とは別に、コンテナ「暗証番号入力」が配置される。さらに、コンテナ「暗証番号入力」は、アイテム「1」から「9」および「終了」を含む。図1に戻る。
【0028】
ディレクトリ送信部22は、ネットワーク300を介して、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報、つまりディレクトリの情報をクライアント装置200へ送信する。以下では、コンテンツ属性情報およびディレクトリの情報とを区別せずに使用する。送信されるディレクトリの情報は、ディレクトリ格納部12に格納したすべての情報であってもよいし、一部の情報、例えば、階層ごとの情報であってもよい。ここでは、後者であるとする。また、このディレクトリの情報を送信するタイミングは、ネットワーク300にサーバ装置100またはクライアント装置200が初めて接続されたときであってもよいし、それ以外のときでクライアント装置200から要求を受けたときであってもよい。ここでも、後者であるとする。特に、コンテンツデータに対するコンテンツ属性情報が送信される場合、つまり暗証番号が入力される場合、ディレクトリ送信部22は、コンテンツ属性情報のうちのタイトル名をクライアント装置200に表示させるために、コンテンツ属性情報を送信する。なお、コンテンツ属性情報は、後述の数字データまたは文字データの入力を要求する信号ともいえる。
【0029】
アクセス要求受信部24は、ネットワーク300を介してクライアント装置200から、上記ディレクトリに管理される特定の項目、つまりコンテンあるいはアイテムに対する公開要求を受信する。特に、アイテムに対する公開要求は、当該アイテムに関連づけられたコンテンツデータや動画像データへのアクセス要求といえる。より具体的に説明すると、アクセス要求受信部24は、コンテンツデータや動画像データを一意に特定するコンテンツ識別子によるアクセス要求を受信する。コンテンツ識別子には、前述のごとく、URIが採用される。つまり、アクセス要求受信部24は、ディレクトリ送信部22において送信したコンテンツ属性情報に対する応答として、ネットワーク300を介して格納場所が含まれたコンテンツ識別子を受信する。
【0030】
制御部30は、アクセス要求受信部24において受信したアクセス要求をもとに、コンテンツデータ格納部14に格納したコンテンツデータや動画像データを抽出する。前述のごとく、アクセス要求であるコンテンツ識別子には、URIが含まれているので、制御部30は、URIをもとにコンテンツデータや動画像データを特定する。制御部30は、抽出したコンテンツデータや動画像データをコンテンツ送信部26へ出力する。コンテンツ送信部26は、制御部30からコンテンツデータや動画像データを受けつけ、ネットワーク300を介してクライアント装置200へコンテンツデータや動画像データを送信する。ここで、コンテンツ送信部26は、コンテンツデータや動画像データをクライアント装置200に表示させるために、これらを送信する。
【0031】
履歴記憶部16は、コンテンツデータに対して、アクセス要求受信部24におけるコンテンツ識別子の受信処理と、コンテンツ送信部26におけるコンテンツデータの送信処理とが繰り返される場合に、所定の期間にわたって、アクセス要求受信部24において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する。ここで、所定の期間は、図4に示した「終了」に対するコンテンツ識別子が受信されたタイミングにて終了される。また、所定の期間が終了された後、次のコンテンツ識別子が受信されたタイミングにて、次の所定の期間が開始される。このように、履歴記憶部16は、所定の期間にわたって、アクセス要求受信部24において受信したコンテンツデータの格納場所に関する情報を記憶する。その結果、所定の期間にわたって、クライアント装置200から選択された数字データが記憶される。なお、所定の期間の終了時に、履歴記憶部16は、既に記憶した履歴を消去する。
【0032】
制御部30は、前述の所定の期間において、アクセス要求受信部24が新たなコンテンツ識別子、つまり格納場所を受信した場合に、コンテンツデータ格納部14から、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータを抽出する。また、制御部30は、履歴記憶部16にそれまでに記憶したコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータも抽出する。なお、履歴記憶部16に記憶されたコンテンツ識別子が複数存在する場合、制御部30は、記憶された順番に複数のコンテンツデータを抽出する。制御部30は、履歴記憶部16での履歴に対応したコンテンツデータの後部に、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータを合成する。制御部30は、合成したコンテンツデータをコンテンツ送信部26へ出力する。コンテンツ送信部26は、合成したコンテンツデータをクライアント装置200へ送信する。
【0033】
処理部18は、履歴記憶部16における所定の期間が終了した場合、つまりアクセス要求受信部24がコンテンツ識別子「終了」を受信した場合に、履歴記憶部16に記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を入力する。入力した系列は、複数の数字が並んだ状態に相当する。処理部18は、入力した系列をデータに変換する。例えば、入力した数字が「1」、「2」、「3」、「4」である場合、処理部18は、これらをデータ「1234」に変換する。さらに、処理部18は、変換したデータをもとに所定の処理を実行する。変換したデータが、クライアント装置200から入力された暗証番号である場合、処理部18は、予め記憶した暗証番号と入力したデータとの一致を確認する。一致すれば、コンテンツデータ格納部14に格納した動画像データをクライアント装置200に選択させるために、処理部18は、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報をディレクトリ送信部22から送信させる。
【0034】
ディレクトリ受信部72は、ネットワーク300を介して、ディレクトリ格納部12に格納されたコンテンツ属性情報、つまりディレクトリの情報を受信する。ディレクトリ受信部72は、受信したコンテンツ属性情報を制御部90へ出力する。制御部90は、コンテンツ属性情報をディレクトリ保持部60へ出力し、ディレクトリ保持部60は、コンテンツ属性情報を保持する。また、制御部90は、コンテンツ属性情報のうち、タイトル名を表示部92へ出力する。表示部92は、モニタ等によって構成されており、タイトル名を表示する。
【0035】
受付部80は、ボタン等によって構成されており、ユーザからの指示を受けつける。例えば、表示部92に表示されたタイトル名を見ながら、ユーザは、ひとつのタイトルを選択し、当該タイトルを選択するための指示を受付部80に入力する。受付部80は、受けつけた指示を制御部90へ出力する。制御部90は、受けつけた指示をもとに、アクセス要求としてのコンテンツ識別子を生成する。具体的に説明すると、制御部90は、受けつけた指示に対応したタイトル名を特定する。また、制御部90は、コンテンツ属性情報の中から、タイトル名に対応した格納場所、つまりURIを特定する。制御部90は、URIを含むようにコンテンツ識別子を生成する。制御部90は、アクセス要求をアクセス要求送信部74へ出力する。
【0036】
アクセス要求送信部74は、ネットワーク300を介して、制御部90において生成したアクセス要求をサーバ装置100に送信する。コンテンツ受信部76は、サーバ装置100からネットワーク300を介してコンテンツデータを受信する。コンテンツ受信部76は、制御部90を介して、受信したコンテンツデータを表示部92へ出力する。表示部92は、コンテンツデータを静止画像として表示する。なお、コンテンツデータが、合成されたコンテンツデータである場合、表示部92は、合成されたコンテンツデータを表示する。これまでのクライアント装置200に関する説明は、暗証番号入力に関する動作であるが、動画像データを再生する場合も、同様の動作がなされる。
【0037】
次に、暗証番号の入力動作の詳細を説明する。図4では、ディレクトリ格納部12において、コンテナ「映画」の配下にコンテナ「暗証番号入力」が配置されている。このような構成において、ディレクトリ格納部12におけるコンテナ「映画」のデータ構造を説明する。図5は、ディレクトリ格納部12に格納された映画ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図示のごとく、映画ディレクトリ下には、タイトル名「暗証番号入力」のコンテナが格納されている。図1に戻る。当該コンテナに対応したコンテンツ属性情報が、サーバ装置100からクライアント装置200へ送信されると、クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。
【0038】
図6は、表示部92において映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。これは、サーバ装置100の公開したCDSをクライアント装置200でのユーザ操作により、映画ディレクトリにたどり着いた状態に相当する。図6において、暗証番号入力ディレクトリには、サーバ装置100内で管理される暗証番号入力がマッピングされている。図1に戻る。ユーザは、受付部80を使用しながら、暗証番号入力ディレクトリを示す「暗証番号入力」を選択する。
【0039】
その後、クライアント装置200は、Browseアクションにて、暗証番号入力に対応したコンテンツ属性情報を入力する。図7は、ディレクトリ格納部12に格納された暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。「1」から「9」および「終了」のタイトル名と、それぞれに対応したURIが示されている。ここで、各リソースのbitmapは、コンテンツデータが静止画像であることを示すが、各タイトル名に表される表示データとなっている。前述のごとく、タイトル名が「1」であれば、コンテンツデータは、「1」を表現するbitmapデータである。図1に戻る。図7に示されたコンテンツ属性情報が、サーバ装置100からクライアント装置200へ送信されると、クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。
【0040】
図8は、表示部92において暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、暗証番号入力ディレクトリ下の「1」から「9」および「終了」にて構成されるタイトルリストが表示されている。図1に戻る。表示部92が図8の画面を表示している状態において、ユーザが受付部80を介して「2」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「2」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=2」をコンテンツ識別子に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。サーバ装置100の制御部30は、コンテンツデータ格納部14から、コンテンツ識別子に含まれたURIに該当するbitmapデータを抽出する。前述のごとく、bitmapデータは、数字「2」が示された静止画像データである。コンテンツ送信部26は、読み出したbitmapデータをクライアント装置200へ送信する。
【0041】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図9は、表示部92において「2」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、数字「2」の数字データが表示される。図1に戻る。以上の動作とともに、サーバ装置100の履歴記憶部16は、クライアント装置200のIP(Internet Protocol)アドレスをもとに暗証番号入力ディレクトリ内でのアイテムの示すURIの履歴管理を開始する。なお、IPアドレスの代わりに、MAC(Media Access Control)アドレスが使用されてもよい。図10は、履歴記憶部16において記憶された履歴の構成を示す。カウントは、履歴の管理が開始されてから、受信したコンテンツ識別子の数に相当する。メモリ参照先には、数字「2」が格納されている。図1に戻る。
【0042】
クライアント装置200は、表示部92において図9の内容を表示している状態において、ユーザからの他の番号入力を受けつけるために、図9の内容の表示後、一定期間経過したり、戻るための操作がなされたりすると、表示部92の表示内容を図8に戻す。なお、通信部20は、履歴記憶部16において履歴を記憶している状態において、コンテンツデータを送信した後、コンテンツ情報に変化があった旨を送信し、通信部70が当該通知を受信すると、表示部92は、表示内容を戻してもよい。その際、ディレクトリ保持部60に記憶されたコンテンツ属性情報が使用される。続いて、ユーザが受付部80を使用しながら、タイトル名「9」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「9」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=9」をコンテンツ識別に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。
【0043】
サーバ装置100の制御部30は、クライアント装置200にコンテンツデータを送信するために、図10のように管理されているURI履歴からこれまでの選択コンテンツである「2」のbitmapデータをコンテンツデータ格納部14から読み出す。さらに、制御部30は、今回の選択コンテンツの「9」のbitmapデータをコンテンツデータ格納部14から読み出す。制御部30は、それらを合成し、合成後のbitmapデータ、ここでは、「2」「9」を生成する。コンテンツ送信部26は、合成したコンテンツデータをクライアント装置200へ送信する。
【0044】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図11は、表示部92において「2」の次に「9」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、ユーザが数字を選択した順番に、「2」、「9」の数字が表示されている。図1に戻る。なお、サーバ装置100の制御部30は、bitmapデータを合成しなくてもよく、例えば、今回選択された「9」に該当するbitmapデータだけをコンテンツ送信部26に送信させてもよい。一方、履歴記憶部16は、クライアント装置200に該当するURI履歴メモリに「9」を追加する。図12は、履歴記憶部16において記憶された履歴の構成を示す。カウンタ「2」に対応したメモリ参照先に、コンテンツデータ「2」、「9」が記憶されている。図1に戻る。
【0045】
ここで、クライアント装置200を使用しているユーザが暗証番号入力操作を終える場合、図11の画面を表示している表示部92は、一定期間経過後あるいはユーザによる操作によって、図8のタイトルリスト表示状態に戻る。ユーザが受付部80を使用して、タイトル名「終了」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「終了」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=END」をコンテンツ識別に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。サーバ装置100の制御部30は、コンテンツデータ格納部14から、コンテンツ識別子に含まれたURIに該当するbitmapデータを抽出する。前述のごとく、bitmapデータは、数字「終了」が示された静止画像データである。コンテンツ送信部26は、読み出したbitmapデータをクライアント装置200へ送信する。
【0046】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図13は、表示部92において「終了」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、ユーザの選択と同様に、「終了」の文字が表示されている。図1に戻る。さらに、サーバ装置100の履歴記憶部16は、要求されたURIが暗証番号入力終了であると解釈し、図12に示したURI履歴メモリから、「2」、「9」を処理部18へ出力する。処理部18は、これらの数字をひとつのデータ「29」へ変換し、それを入力された暗証番号として、ディレクトリ格納部12における図6の暗証番号入力ディレクトリにマッピングされている暗証番号と比較する。暗証番号が正しければ、処理部18は暗証番号入力ディレクトリ下の図7のCDS情報を空にする。また、履歴記憶部16の履歴もリセットされる。また、処理部18は、図6の映画ディレクトリの下に、本来の映画タイトルのためのCDS情報を設定する。
【0047】
クライアント装置200を操作するユーザは、図13のような表示部92での表示から1回の戻る操作によって、次に示す表示に戻る。図14は、表示部92において空の暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、図8と同様に、暗証番号入力ディレクトリが表示されているが、「1」から「9」および「終了」のタイトル名は表示されていない。図1に戻る。クライアント装置200を操作するユーザは、図14のような表示部92での表示から、もう1回の戻る操作によって、次に示す表示に戻る。図15は、表示部92において認証終了後の映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。暗証番号を入力する処理は終了しているので、ユーザが視聴可能な動画像データのタイトル名が表示されている。ユーザは、受付部80を使用しながら、ひとつのタイトル名を選択することで、サーバ装置100からの動画像データの配信を受けることができる。
【0048】
以上の構成によるサーバ装置100の動作を説明する。図16は、サーバ装置100に係る認証処理の手順を示すフローチャートである。ディレクトリ送信部22は、暗証番号入力ディレクトリを提示する(S50)。アクセス要求受信部24は、コンテンツ要求を受信する(S52)。コンテンツ要求において「終了」が要求されていなければ(S54のN)、制御部30は、コンテンツデータ格納部14からコンテンツデータを読み出す(S56)。履歴記憶部16に履歴があれば(S58のY)、制御部30は、履歴に対応したコンテンツデータを読み出し(S60)、コンテンツデータを合成する(S62)。一方、履歴記憶部16に履歴がなければ(S58のN)、ステップ60および62はスキップされる。コンテンツ送信部26は、コンテンツデータを送信する(S64)。履歴記憶部16は、要求内容を履歴に蓄積する(S66)。処理は、ステップ50に戻る。コンテンツ要求において「終了」が要求されていれば(S54のY)、受付部80は、履歴内容を暗証番号に変換する(S68)。処理部18は、認証処理を実行する(S70)。
【0049】
以下、変形例を説明する。ここまで、コンテンツデータ格納部14に格納したコンテンツデータとして、bitmapデータ、つまり静止画像データを使用していた。しかしながら、クライアント装置200が、音声や音楽データを再生する機能を有している場合、コンテンツデータは、静止画像データでなくてもよい。変形例は、コンテンツデータとして音声データも使用する場合を説明する。変形例に係るデータ処理システム500の構成は、図1と同様のタイプである。ここでは、相違点を中心に説明する。
【0050】
図17は、本発明の変形例に係る暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図17は、図7と同様に示されるが、リソースとしてPCM(Pulse Code Modulation)データも使用される。なお、MP3(MPEG Audio Layer−3)データが使用されてもよい。アクセス要求受信部24において受信されたコンテンツ識別子が、タイトル名「2」に相当する場合、コンテンツデータ格納部14には、クライアント装置200において再生された際に、ユーザが「2」と認識できる音声データが記憶される。また、図17のようにマルチリソースの暗証番号入力用CDSをクライアント装置200で準備し、さまざまクライアント装置200に対応させることもできる。さらに、コンテンツデータとして、MPEG(Moving Picture Experts Group)2やMPEG4等の動画がリソースに使用されてもよい。
【0051】
以下、別の変形例を説明する。実施例においてデータ処理システム500は、サーバ装置100、クライアント装置200を含んでいた。別の変形例では、UPnP AV Architecture:1によるMedia Server、Media Renderer、Control Point(CP)の3つのデバイスが、データ処理システム500に含まれている場合を対象にする。
【0052】
図18は、本発明の別の変形例に係るデータ処理システム500の構成を示す。データ処理システム500は、サーバ装置100、携帯電話端末装置600、テレビジョン受像装置700を含む。携帯電話端末装置600は、前述のCPに相当し、サーバ装置100、つまりMedia Serverからコンテナやアイテムのコンテンツ属性情報を入手し表示する。しかしながら、携帯電話端末装置600は、コンテンツデータの再生機能を有さない。テレビジョン受像装置700は、前述のMedia Rendererに相当し、携帯電話端末装置600からAVT(AVTransport Service)を用いて制御される。
【0053】
その結果、テレビジョン受像装置700では、表示するコンテンツデータのリソースURI通知や再生制御要求が携帯電話端末装置600から発行される。テレビジョン受像装置700は、再生開始を携帯電話端末装置600から要求されると、前もって通知されたURIをもとに、サーバ装置100に対しコンテンツ要求を行い、サーバ装置100から送信されるコンテンツデータを再生する。サーバ装置100は、実施例と同様に動作する。つまり、別の変形例では、実施例のクライアント装置200が、携帯電話端末装置600、テレビジョン受像装置700によって構成されていることに相当する。
【0054】
携帯電話端末装置600は、CDSのBrowseアクションをサーバ装置100へ送信する(S100)。サーバ装置100は、Browse応答を携帯電話端末装置600へ送信する(S102)。携帯電話端末装置600は、タイトルリストを表示する(S104)。携帯電話端末装置600は、AVTのSetAVTransportURIアクションをテレビジョン受像装置700へ送信する(S106)。また、携帯電話端末装置600は、AVTのPlayアクションをテレビジョン受像装置700へ送信する(S108)。テレビジョン受像装置700は、コンテンツ要求をサーバ装置100へ送信する(S110)。サーバ装置100は、コンテンツデータをテレビジョン受像装置700へ送信する(S112)。
【0055】
ここで、サーバ装置100が空気調節装置(Air Conditiomer:以下、「エアコン」という)を制御するためのサーバである場合を説明する。ディレクトリ格納部12は、図7の暗証番号入力ディレクトリと同様に、温度設定入力ディレクトリを格納する。図19は、本発明の別の変形例に係る温度設定入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図19は、図7と同様に示されるが、図7におけるアイテム「1」から「0」は、最終的に暗証番号と解せられるのに対して、図19におけるアイテム「1」から「0」は、最終的に温度と解せられる。図18の携帯電話端末装置600は、温度設定入力ディレクトリに対してBrowseを実行することによって、CDS情報を取得する。携帯電話端末装置600では、次のような表示がなされる。図20は、表示部92において温度設定入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、図8と同様の表示がなされる。図18に戻る。
【0056】
ユーザが、29度に温度設定する場合、携帯電話端末装置600を使用しながら、図20でタイトル名「2」を選択すると、携帯電話端末装置600からテレビジョン受像装置700へSetAVTransportURIアクションにより、「http://DMS/INPUT=2」がURIとして通知される。続いて、携帯電話端末装置600は、Playアクションをテレビジョン受像装置700へ要求する。テレビジョン受像装置700は、サーバ装置100に対し、先のURIをもとにコンテンツ要求を送信する。一方、サーバ装置100は、「2」のbitmapデータをテレビジョン受像装置700へ送信する。テレビジョン受像装置700は、図9のように表示する。サーバ装置100は、図10のように、URIの履歴を管理しており、「2」を履歴メモリに格納する。ここでのIPアドレスは、テレビジョン受像装置700に付与されたIPアドレスになる。
【0057】
さらに、ユーザは携帯電話端末装置600において「9」のタイトルを選択するので、「2」の場合と同様の処理がなされた結果、テレビジョン受像装置700は、図11のような画面を表示し、サーバ装置100には、「29」が伝達され、URIの履歴が記憶される。さらに、ユーザが携帯電話端末装置600において「終了」のタイトルを選択すると、テレビジョン受像装置700は、図13のような画面を表示する。また、サーバ装置100は、温度設定の入力終了と判断し、URI履歴メモリにおける29度をエアコンの温度設定として決定する。サーバ装置100は、当該温度設定にてエアコンに対し温度制御を実行する。
【0058】
本発明の実施例によれば、ユーザからの入力を期待する場合に、サーバ装置内のコンテンツディレクトリ下に入力してもらいたい文字や数字を示すタイトル名と、クライアント装置において再生されるコンテンツデータを示すURIを含むCDSの情報を用意するので、ユーザに入力内容を確認させることができる。また、コンテンツデータにて示される数字とタイトル名とを同一にするので、メニューでの表示とコンテンツデータの表示とを統一できる。また、コンテンツディレクトリでのタイトル一覧がクライアント装置で表示されている状態において、ユーザがひとつのタイトルを選択すると、URIに基づくタイトルのデータがサーバ装置から配信されるので、ユーザはクライアント装置の画面表示にて選択内容を確認できる。また、サーバ装置は、そのタイトル選択時に要求されるURIの履歴を管理し、かつその順番を解釈するので、ユーザからの入力をもとに暗号番号を生成できる。また、汎用的なUPnPのクライアントやDLNAのDMP(Digital Media Player)を変更することなく、暗証番号入力を実現できる。また、クライアント装置におけるデータ入力の内容に対応したコンテンツデータが、クライアント装置へ送信されるので、ユーザは、入力した内容を確認できる。また、ユーザは、入力した内容を確認するので、利便性を向上できる。
【0059】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0060】
本発明の実施例において、コンテンツデータ格納部14に格納された複数のコンテンツデータには、数字データが含まれており、かつディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報では、コンテンツデータと同一の数字データとなるようにタイトル名が規定されている。しかしながらこれに限らず例えば、コンテンツデータ格納部14に格納された複数のコンテンツデータは、文字データであってもよく、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報は、コンテンツデータと同一の文字データとなるようにタイトル名が規定されていてもよい。文字データとして、ひらがな、カタカナ、アルファベット等が使用される。さらに、コンテンツデータおよびタイトルが、数字データと文字データの組合せであってもよい。本変形例によれば、クライアント装置200からサーバ装置100へさまざまな情報を入力できる。
【0061】
本発明の実施例において、アクセス要求受信部24が受信するコンテンツ識別子には、コンテンツの格納場所としてのURIが含まれている。しかしながらこれに限らず例えば、コンテンツ識別子にURI等の格納場所に関する情報が含まれていなくてもよい。その際、コンテンツ識別子には、コンテンツデータを指定するための指示が含まれていればよい。制御部30は、コンテンツデータの指定指示をもとに、コンテンツデータ格納部14からコンテンツデータを抽出する。本変形例によれば、コンテンツ識別子の規定の自由度を向上できる。
【0062】
本発明の実施例において、コンテンツデータ格納部14に格納されたコンテンツデータそのものと、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報でのタイトル名とが一致している。しかしながらこれに限らず例えば、両者が完全に一致していなくてもよい。コンテンツデータが「2」であり、タイトル名が「dmsinput2.bmp」であってもよい。本変形例によれば、コンテンツデータとタイトル名とを決定する際の自由度を向上できる。ようは、ユーザが、コンテンツデータとタイトル名のうちの一方を見たときに、他方を連想できればよい。
【0063】
本発明の実施例では、表示部92上に、図8のような「1」から「9」までの数字ボタンを含んだ暗証番号入力画面を表示させた状況下でユーザに暗証番号を選択させている。しかしながらこれに限らず例えば、図8のような暗証番号入力画面を表示しなくてもよい。例えば、図8のような画面に代えて表示部92は単に「暗証番号をテンキーから入力下さい」という文字だけが記された入力画面を表示してもよい。これを受けてユーザは受付部80から暗証番号をボタン等により入力してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例に係るデータ処理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のデータ処理システムの動作概要を示すシーケンス図である。
【図3】図1のディレクトリ格納部に格納された一般的なCDSの構成を示す図である。
【図4】図1のディレクトリ格納部に格納されたCDSの別の構成を示す図である。
【図5】図1のディレクトリ格納部に格納された映画ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図6】図1の表示部において映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図7】図1のディレクトリ格納部に格納された暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図8】図1の表示部において暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図9】図1の表示部において「2」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図10】図1の履歴記憶部において記憶された履歴の構成を示す図である。
【図11】図1の表示部において「2」の次に「9」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図12】図1の履歴記憶部において記憶された履歴の構成を示す図である。
【図13】図1の表示部において「終了」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図14】図1の表示部において空の暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図15】図1の表示部において認証終了後の映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図16】図1のサーバ装置に係る認証処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の変形例に係る暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図18】本発明の別の変形例に係るデータ処理システムの構成を示す図である。
【図19】本発明の別の変形例に係る温度設定入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図20】図1の表示部において温度設定入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
12 ディレクトリ格納部、 14 コンテンツデータ格納部、 16 履歴記憶部、 18 処理部、 20 通信部、 22 ディレクトリ送信部、 24 アクセス要求受信部、 26 コンテンツ送信部、 30 制御部、 60 ディレクトリ保持部、 70 通信部、 72 ディレクトリ受信部、 74 アクセス要求送信部、 76 コンテンツ受信部、 80 受付部、 90 制御部、 92 表示部、 100 サーバ装置、 200 クライアント装置、 300 ネットワーク、 500 データ処理システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコンテンツデータを送信するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AV機器や家電機器などのネットワーク化が進んでいる。AV機器のネットワーク化の際に使用されるプロトコルの例として、DLNA(Digital Living Network Alliance)で用いられるUPnP(Universal Plug and Play)−AVがある。UPnP−AVは、AV機器をコントロールするためのコマンドなどを定義した規格であり、その中で定義されているサービスのひとつがCDS(Content Directory Service)である。CDSを用いてコンテンツサーバであるチューナデバイスを制御する方法が提案されており、CDSでチューナを記述する仕様が定められている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。クライアント側には、チューナデバイスの選局可能なチャンネルリストがタイトルリストとして表示されることとなり、クライアント側でのタイトル選択操作が、チャンネル選択制御をサーバ側に要求することに相当する。これは、サーバ上のコンテンツをクライアントが再生する枠組みの中での実現方法であり、対象コンテンツがライブストリーミングになっている。また、サーバでコンテンツをツリー型のディレクトリ構造で管理し、ディレクトリやコンテンツにアクセス制限のための暗証番号を設定することがなされている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−312412号公報
【非特許文献1】、デジタル放送用受信装置 標準規格 (望ましい仕様) ARIB−STD−B21 4.6版、日本、社団法人 電波産業会
【特許文献2】特開2004−341657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、クライアント側では、暗証番号設定されたコンテンツやディレクトリにアクセスする際に、暗証番号入力が要求される。その際、仮に、暗証番号入力をサーバから要求されても、汎用的な再生用途のクライアントは、暗証番号を入力できず、コンテンツを再生できない。その結果、そのサーバ専用のクライアントをユーザは使用しなければならず、ユーザへのコスト負担が招かれる。
【0004】
また、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルを用いるHTTPサーバとブラウザ間において、クライアントに相当するブラウザから操作するユーザの入力データをHTTPサーバに送る場合は、POSTメソッドを用いてブラウザから送信するのが一般的である。しかしながら、UPnP AVで定めるようなMediaサーバとクライアント間において、クライアントはサーバの提供するCDSの情報をSOAP(Simple Object Access Protocol)によるBrowseアクションやSearchアクションを用いてXML(eXtensible Markup Language)形式のデータで入手し、コンテンツ属性情報に含まれるコンテンツのURIをHTTPプロトコル等でサーバから配信を受ける構成になっている。そのため、前述の暗証番号のようなユーザが入力するデータをサーバ側に送信する手段は講じられていない。その結果、クライアント側からユーザ入力のデータを送る場合は、別途サーバとクライアント間での取り決めが必要となり、結果として専用クライアントを準備することになってしまう。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、CDSに対応した汎用的なクライアントに対しても、暗証番号入力を実現させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサーバ装置は、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、データ格納部に格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、データ格納部におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報をコンテンツ情報として格納する情報格納部と、情報格納部において格納したコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツ情報を送信する第1送信部と、第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信する受信部と、受信部において受信した格納場所をもとに、データ格納部に格納したコンテンツデータをクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツデータを送信する第2送信部とを備える。データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、情報格納部に格納したコンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方である。
【0007】
本発明の別の態様もまた、サーバ装置である。この装置は、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する情報格納部と、情報格納部において格納したコンテンツ情報をネットワークを介して送信する第1送信部と、第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信する受信部と、受信部において受信したコンテンツ識別子をもとに、データ格納部に格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信する第2送信部と、受信部と第2送信部との処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、受信部において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する履歴記憶部と、履歴記憶部において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する変換部と、変換部において変換したデータをもとに所定の処理を実行する処理部と、を備える。
【0008】
情報格納部に格納したコンテンツ情報に含まれたコンテンツ識別子には、データ格納部に格納したコンテンツデータの格納場所が示されたURI(Uniform Resource Identifier)が含まれていてもよい。情報格納部に格納したコンテンツ情報は、CDS(Content Directory Service)に準拠して形成されていてもよい。
【0009】
本発明のさらに別の態様もまた、サーバ装置である。この装置は、ネットワークを介して接続されるクライアント装置からのデータ入力を受けつけるサーバ装置であって、複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、クライアント装置に対して数字データまたは文字データの入力を要求する入力要求部と、クライアント装置からのデータ入力を受信する受信部と、受信部において受信したデータ入力の内容に対応するコンテンツデータをデータ格納部から選択する選択部と、選択部において選択したコンテンツデータをクライアント装置へ送信する送信部と、を備える。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、データ送信方法である。この方法は、メモリに格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、メモリにおけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報であるコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツ情報を送信するステップと、送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信するステップと、受信した格納場所をもとに、メモリに格納したコンテンツデータをクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介してクライアント装置へコンテンツデータを送信するステップとを備える。送信するステップにおいて、メモリに格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、コンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方である。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、データ処理方法である。この方法は、メモリに格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報をネットワークを介してクライアント装置へ送信するステップと、送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信するステップと、受信したコンテンツ識別子をもとに、メモリに格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信するステップと、コンテンツ識別子を受信するステップとコンテンツデータを送信するステップとの処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶するステップと、所定の期間終了後に、記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列をデータに変換するステップと、変換したデータをもとに所定の処理を実行するステップと、を備える。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、CDSに対応した汎用的なクライアントに対しても、暗証番号入力を実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、UPnP AVをもとにして、ネットワークを介して接続されるサーバ装置とクライアント装置にて構成されるデータ処理システムに関する。ここで、クライアント装置は、サーバ装置からコンテンツ属性情報を入手して、コンテンツ属性情報をもとに、コンテンツデータの送信を要求し、サーバ装置は、コンテンツデータを管理格納しており、コンテンツデータをネットワーク上のクライアント装置へ送信する。特に、本実施例では、クライアント装置が、ユーザからの情報入力をサーバ装置へ伝達する技術を説明する。
【0015】
DLNAで使用されるUPnP AVでは、コンテンツデータを管理格納するサーバ装置が、UPnPのMedia Serverとして動作しており、コンテンツ属性情報は、CDSを使用してクライアント装置に公開される。クライアント装置は、UPnPのCDSを用いてサーバ装置上のコンテンツ属性情報を入手し、コンテンツ属性情報に含まれるコンテンツデータのURI(Uniform Resource Identifier)からコンテンツデータの格納場所を把握する。その後、クライアント装置は、サーバ装置に対しコンテンツ要求を行い、コンテンツデータの再生処理を実行する。ここで、サーバ装置は、所定のタイミングを起点として、クライアント装置のコンテンツ要求の順序を履歴情報として管理する。サーバ装置は、その履歴情報をクライアント装置からの情報入力データとして扱う。その結果、コンテンツデータの探索と再生機能しか有さないクライアント装置に対し特別な手段を講じることなくユーザの操作による情報入力データの伝達が可能になる。
【0016】
具体的に説明すると、サーバ装置は、クライアント装置を操作するユーザに入力操作を行ってもらうために、CDSにて公開するコンテンツデータのタイトル名を、0〜9までの数字文字とし、コンテンツデータもその数字を表現する静止画にする。その結果、クライアント装置のモニタでは、タイトルリストに0〜9までの数字文字がボタンのように並ぶ。ユーザがいずれかの数字が表示されたタイトルを選択すると、結果的にクライアント装置にその数字の静止画が表示され、あたかもキー入力エコー処理が行われたようになる。サーバ装置は、クライアント装置から要求されたURIからそれに基づくCDSのコンテンツ属性情報を判別し、ユーザの操作で何が選択されたかを認識する。クライアント装置でのそうした操作が繰り返されることによって、サーバ装置は、ユーザ操作によるコンテンツ選択の履歴を記憶する。さらに、サーバ装置は、入力終了を示すコンテンツデータの選択時点で、履歴情報をユーザからの入力操作によるデータとして、データ処理を実行する。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係るデータ処理システム500の構成を示す。データ処理システム500は、サーバ装置100、クライアント装置200、ネットワーク300を含む。サーバ装置100は、ディレクトリ格納部12、コンテンツデータ格納部14、履歴記憶部16、処理部18、通信部20、制御部30を含む。また、通信部20は、ディレクトリ送信部22、アクセス要求受信部24、コンテンツ送信部26を含む。クライアント装置200は、通信部70、制御部90、ディレクトリ保持部60、受付部80、表示部92を含む。また、通信部70は、ディレクトリ受信部72、アクセス要求送信部74、コンテンツ受信部76を含む。
【0018】
データ処理システム500では、ネットワーク300を介して、サーバ装置100とクライアント装置200とが接続されている。クライアント装置200は、汎用的なDLNAのDMP(Digital Media Player)として動作する。クライアント装置200は、ネットワーク300を介してサーバ装置100へ、コンテンツデータに対する属性情報(以下、「コンテンツ属性情報」という)の公開を要求し、サーバ装置100からコンテンツ属性情報を取得する。
【0019】
サーバ装置100は、UPnP AVのMedia Serverや、DLNAのDMS(Digital Media Server)として動作し、CDSを利用して、コンテンツ属性情報を公開する。また、サーバ装置100は、ネットワーク300を介してクライアント装置200からコンテンツ属性情報を要求され、クライアント装置200にコンテンツ属性情報を供与する。コンテンツ属性情報およびコンテンツデータについては、後述する。ネットワーク300は有線または無線LANなどで構築される。なお、例えば、サーバ装置100は、PCに相当し、クライアント装置200は、テレビジョン受像装置に相当してもよい。
【0020】
図1では、説明を簡略にするために、サーバ装置100とクライアント装置200とがそれぞれひとつ示されている。しかしながら、いずれか一方または両方が、複数含まれていてもよい。また、サーバ装置100およびクライアント装置200という名称はその機能に注目したものであり、特定の機器が一方ではサーバ装置100として機能し、他方ではクライアント装置200として機能することも可能である。サーバ装置100およびクライアント装置200のそれぞれの構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
以下では、データ処理システム500の動作の概略、サーバ装置100およびクライアント装置200の構成、暗証番号の入力動作の詳細の順に説明する。まず、データ処理システム500の動作の概略を説明する。図2は、データ処理システム500の動作概要を示すシーケンス図である。サーバ装置100がネットワーク300に加わったとき、サーバ装置100はSSDP(Simple Service Discovery Protocol)のNOTIFYメソッドを用いて、ssdp:aliveメッセージをクライアント装置200へ送信する(S10)。サーバ装置100が保持するコンテンツ属性情報を取得するために、クライアント装置200を操作しているユーザの指示により、クライアント装置200は、CDSのBrowseアクションを要求する(S12)。
【0022】
サーバ装置100は、Browseに対するレスポンスによりコンテンツのCDSで管理される情報、つまりコンテンツ属性情報を返信する(S14)。CDSの階層構造に応じて、Browseは複数回繰り返される。次に、クライアント装置200を操作するユーザの指示により、クライアント装置200は、サーバ装置100へコンテンツ取得要求を送信する(S16)。サーバ装置100は、コンテンツ取得要求に含まれるURIからユーザの所望のコンテンツデータを特定し、クライアント装置200へコンテンツデータを送信する(S18)。図1に戻る。
【0023】
次に、図1に戻って、サーバ装置100およびクライアント装置200の構成を説明する。コンテンツデータ格納部14は、ディレクトリ格納部12に保持されるディレクトリによって管理されるコンテンツデータを記憶する。ここで、コンテンツデータには、2種類存在する。ひとつは、映画、ドラマ等の動画像データ、つまりクライアント装置200を使用するユーザが最終的に視聴すべきコンテンツについてのデータである。なお、このようなデータは、動画像データに限られず、音声データ等の別の形式のデータやそれらの組合せであってもよい。
【0024】
もうひとつは、前述の動画像データ等にクライアント装置200からアクセスする際の暗証番号入力に使用されるべきデータである。以下では、暗証番号入力に関する処理を中心に説明するので、後者をコンテンツデータといい、前者を動画像データという。コンテンツデータ格納部14は、複数のコンテンツデータを格納する。ここで、コンテンツデータ格納部14に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データ、つまり「0」から「9」のそれぞれに対応した静止画像データおよび「終了」の文字が示された静止画像データである。なお、コンテンツデータや動画像データとして、静止画であればJPEG、動画であればMPEG2−PS、音楽であればLPCM、などDLNAで規定された必須のメディアフォーマットが採用される。
【0025】
ディレクトリ格納部12は、コンテンツデータ格納部14に格納した動画像データおよびコンテンツデータに対する属性情報をコンテンツ属性情報として格納する。ここで、コンテンツ属性情報は、CDSに準拠して形成されており、ディレクトリ形式にて規定されている。複数のコンテンツデータに対するコンテンツ属性情報では、各コンテンツデータのタイトル名と、コンテンツデータ格納部14におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられている。なお、このようなタイトル名および格納場所は、コンテンツ識別子と総称される。また、タイトル名は、コンテンツデータと同一の数字となるように規定されている。例えば、コンテンツデータ「1」に対するタイトル名は「1」であるとする。
また、格納場所は、URI(Uniform Resource Identifier)にて特定される。
【0026】
図3は、ディレクトリ格納部12に格納された一般的なCDSの構成を示す。これは、前述の動画像データに対応したコンテンツ属性情報に相当する。図中、コンテナは長方形のブロックで、アイテムは平行四辺形のブロックで示されている。各コンテナおよび各アイテム上の文字は、CDSのオブジェクトプロパティのtitleで表されるオブジェクトの名前を示したものである。アイテムは複数のリソースを持つことができ、リソースはprotocolInfoでMIME−typeなどを示し、uriを記述する。通常、コンテナは複数のコンテンツを格納するフォルダやディレクトリに相当し、アイテムはコンテンツに相当する。コンテンツのメディアフォーマットにより、複数のリソースにてコンテンツデータをそれぞれ持つことができる。なお、CDSの詳細については「UPnP ContentDirectory:1, ContentDirectory:1 Service Template Version 1.01, UPnP Forum, June 25, 2002.」に記載されている。
【0027】
図3にて、ルートはコンテナ「ビデオ」、「写真」・・・を含む。コンテナ「ビデオ」は、コンテナ「全て」、「ジャンル」、「チャンネル別」を含む。コンテナ「全て」は、アイテム「野球A対B」、「邦画劇場」、「サッカーC対D」・・・を含む。コンテナ「ジャンル」は、コンテナ「映画」、「スポーツ」、「ドラマ」・・・を含む。コンテナ「映画」は、アイテム「邦画劇場」・・・を含む。コンテナ「スポーツ」は、アイテム「野球A対B」、「サッカーC対D」・・・を含む。図4は、ディレクトリ格納部12に格納されたCDSの別の構成を示す。これは、前述のコンテンツデータに対応したコンテンツ属性情報に相当する。コンテナ「映画」は、図3と同様である。コンテナ「映画」の配下には、前述のアイテム「邦画劇場」とは別に、コンテナ「暗証番号入力」が配置される。さらに、コンテナ「暗証番号入力」は、アイテム「1」から「9」および「終了」を含む。図1に戻る。
【0028】
ディレクトリ送信部22は、ネットワーク300を介して、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報、つまりディレクトリの情報をクライアント装置200へ送信する。以下では、コンテンツ属性情報およびディレクトリの情報とを区別せずに使用する。送信されるディレクトリの情報は、ディレクトリ格納部12に格納したすべての情報であってもよいし、一部の情報、例えば、階層ごとの情報であってもよい。ここでは、後者であるとする。また、このディレクトリの情報を送信するタイミングは、ネットワーク300にサーバ装置100またはクライアント装置200が初めて接続されたときであってもよいし、それ以外のときでクライアント装置200から要求を受けたときであってもよい。ここでも、後者であるとする。特に、コンテンツデータに対するコンテンツ属性情報が送信される場合、つまり暗証番号が入力される場合、ディレクトリ送信部22は、コンテンツ属性情報のうちのタイトル名をクライアント装置200に表示させるために、コンテンツ属性情報を送信する。なお、コンテンツ属性情報は、後述の数字データまたは文字データの入力を要求する信号ともいえる。
【0029】
アクセス要求受信部24は、ネットワーク300を介してクライアント装置200から、上記ディレクトリに管理される特定の項目、つまりコンテンあるいはアイテムに対する公開要求を受信する。特に、アイテムに対する公開要求は、当該アイテムに関連づけられたコンテンツデータや動画像データへのアクセス要求といえる。より具体的に説明すると、アクセス要求受信部24は、コンテンツデータや動画像データを一意に特定するコンテンツ識別子によるアクセス要求を受信する。コンテンツ識別子には、前述のごとく、URIが採用される。つまり、アクセス要求受信部24は、ディレクトリ送信部22において送信したコンテンツ属性情報に対する応答として、ネットワーク300を介して格納場所が含まれたコンテンツ識別子を受信する。
【0030】
制御部30は、アクセス要求受信部24において受信したアクセス要求をもとに、コンテンツデータ格納部14に格納したコンテンツデータや動画像データを抽出する。前述のごとく、アクセス要求であるコンテンツ識別子には、URIが含まれているので、制御部30は、URIをもとにコンテンツデータや動画像データを特定する。制御部30は、抽出したコンテンツデータや動画像データをコンテンツ送信部26へ出力する。コンテンツ送信部26は、制御部30からコンテンツデータや動画像データを受けつけ、ネットワーク300を介してクライアント装置200へコンテンツデータや動画像データを送信する。ここで、コンテンツ送信部26は、コンテンツデータや動画像データをクライアント装置200に表示させるために、これらを送信する。
【0031】
履歴記憶部16は、コンテンツデータに対して、アクセス要求受信部24におけるコンテンツ識別子の受信処理と、コンテンツ送信部26におけるコンテンツデータの送信処理とが繰り返される場合に、所定の期間にわたって、アクセス要求受信部24において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する。ここで、所定の期間は、図4に示した「終了」に対するコンテンツ識別子が受信されたタイミングにて終了される。また、所定の期間が終了された後、次のコンテンツ識別子が受信されたタイミングにて、次の所定の期間が開始される。このように、履歴記憶部16は、所定の期間にわたって、アクセス要求受信部24において受信したコンテンツデータの格納場所に関する情報を記憶する。その結果、所定の期間にわたって、クライアント装置200から選択された数字データが記憶される。なお、所定の期間の終了時に、履歴記憶部16は、既に記憶した履歴を消去する。
【0032】
制御部30は、前述の所定の期間において、アクセス要求受信部24が新たなコンテンツ識別子、つまり格納場所を受信した場合に、コンテンツデータ格納部14から、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータを抽出する。また、制御部30は、履歴記憶部16にそれまでに記憶したコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータも抽出する。なお、履歴記憶部16に記憶されたコンテンツ識別子が複数存在する場合、制御部30は、記憶された順番に複数のコンテンツデータを抽出する。制御部30は、履歴記憶部16での履歴に対応したコンテンツデータの後部に、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータを合成する。制御部30は、合成したコンテンツデータをコンテンツ送信部26へ出力する。コンテンツ送信部26は、合成したコンテンツデータをクライアント装置200へ送信する。
【0033】
処理部18は、履歴記憶部16における所定の期間が終了した場合、つまりアクセス要求受信部24がコンテンツ識別子「終了」を受信した場合に、履歴記憶部16に記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を入力する。入力した系列は、複数の数字が並んだ状態に相当する。処理部18は、入力した系列をデータに変換する。例えば、入力した数字が「1」、「2」、「3」、「4」である場合、処理部18は、これらをデータ「1234」に変換する。さらに、処理部18は、変換したデータをもとに所定の処理を実行する。変換したデータが、クライアント装置200から入力された暗証番号である場合、処理部18は、予め記憶した暗証番号と入力したデータとの一致を確認する。一致すれば、コンテンツデータ格納部14に格納した動画像データをクライアント装置200に選択させるために、処理部18は、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報をディレクトリ送信部22から送信させる。
【0034】
ディレクトリ受信部72は、ネットワーク300を介して、ディレクトリ格納部12に格納されたコンテンツ属性情報、つまりディレクトリの情報を受信する。ディレクトリ受信部72は、受信したコンテンツ属性情報を制御部90へ出力する。制御部90は、コンテンツ属性情報をディレクトリ保持部60へ出力し、ディレクトリ保持部60は、コンテンツ属性情報を保持する。また、制御部90は、コンテンツ属性情報のうち、タイトル名を表示部92へ出力する。表示部92は、モニタ等によって構成されており、タイトル名を表示する。
【0035】
受付部80は、ボタン等によって構成されており、ユーザからの指示を受けつける。例えば、表示部92に表示されたタイトル名を見ながら、ユーザは、ひとつのタイトルを選択し、当該タイトルを選択するための指示を受付部80に入力する。受付部80は、受けつけた指示を制御部90へ出力する。制御部90は、受けつけた指示をもとに、アクセス要求としてのコンテンツ識別子を生成する。具体的に説明すると、制御部90は、受けつけた指示に対応したタイトル名を特定する。また、制御部90は、コンテンツ属性情報の中から、タイトル名に対応した格納場所、つまりURIを特定する。制御部90は、URIを含むようにコンテンツ識別子を生成する。制御部90は、アクセス要求をアクセス要求送信部74へ出力する。
【0036】
アクセス要求送信部74は、ネットワーク300を介して、制御部90において生成したアクセス要求をサーバ装置100に送信する。コンテンツ受信部76は、サーバ装置100からネットワーク300を介してコンテンツデータを受信する。コンテンツ受信部76は、制御部90を介して、受信したコンテンツデータを表示部92へ出力する。表示部92は、コンテンツデータを静止画像として表示する。なお、コンテンツデータが、合成されたコンテンツデータである場合、表示部92は、合成されたコンテンツデータを表示する。これまでのクライアント装置200に関する説明は、暗証番号入力に関する動作であるが、動画像データを再生する場合も、同様の動作がなされる。
【0037】
次に、暗証番号の入力動作の詳細を説明する。図4では、ディレクトリ格納部12において、コンテナ「映画」の配下にコンテナ「暗証番号入力」が配置されている。このような構成において、ディレクトリ格納部12におけるコンテナ「映画」のデータ構造を説明する。図5は、ディレクトリ格納部12に格納された映画ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図示のごとく、映画ディレクトリ下には、タイトル名「暗証番号入力」のコンテナが格納されている。図1に戻る。当該コンテナに対応したコンテンツ属性情報が、サーバ装置100からクライアント装置200へ送信されると、クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。
【0038】
図6は、表示部92において映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。これは、サーバ装置100の公開したCDSをクライアント装置200でのユーザ操作により、映画ディレクトリにたどり着いた状態に相当する。図6において、暗証番号入力ディレクトリには、サーバ装置100内で管理される暗証番号入力がマッピングされている。図1に戻る。ユーザは、受付部80を使用しながら、暗証番号入力ディレクトリを示す「暗証番号入力」を選択する。
【0039】
その後、クライアント装置200は、Browseアクションにて、暗証番号入力に対応したコンテンツ属性情報を入力する。図7は、ディレクトリ格納部12に格納された暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。「1」から「9」および「終了」のタイトル名と、それぞれに対応したURIが示されている。ここで、各リソースのbitmapは、コンテンツデータが静止画像であることを示すが、各タイトル名に表される表示データとなっている。前述のごとく、タイトル名が「1」であれば、コンテンツデータは、「1」を表現するbitmapデータである。図1に戻る。図7に示されたコンテンツ属性情報が、サーバ装置100からクライアント装置200へ送信されると、クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。
【0040】
図8は、表示部92において暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、暗証番号入力ディレクトリ下の「1」から「9」および「終了」にて構成されるタイトルリストが表示されている。図1に戻る。表示部92が図8の画面を表示している状態において、ユーザが受付部80を介して「2」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「2」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=2」をコンテンツ識別子に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。サーバ装置100の制御部30は、コンテンツデータ格納部14から、コンテンツ識別子に含まれたURIに該当するbitmapデータを抽出する。前述のごとく、bitmapデータは、数字「2」が示された静止画像データである。コンテンツ送信部26は、読み出したbitmapデータをクライアント装置200へ送信する。
【0041】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図9は、表示部92において「2」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、数字「2」の数字データが表示される。図1に戻る。以上の動作とともに、サーバ装置100の履歴記憶部16は、クライアント装置200のIP(Internet Protocol)アドレスをもとに暗証番号入力ディレクトリ内でのアイテムの示すURIの履歴管理を開始する。なお、IPアドレスの代わりに、MAC(Media Access Control)アドレスが使用されてもよい。図10は、履歴記憶部16において記憶された履歴の構成を示す。カウントは、履歴の管理が開始されてから、受信したコンテンツ識別子の数に相当する。メモリ参照先には、数字「2」が格納されている。図1に戻る。
【0042】
クライアント装置200は、表示部92において図9の内容を表示している状態において、ユーザからの他の番号入力を受けつけるために、図9の内容の表示後、一定期間経過したり、戻るための操作がなされたりすると、表示部92の表示内容を図8に戻す。なお、通信部20は、履歴記憶部16において履歴を記憶している状態において、コンテンツデータを送信した後、コンテンツ情報に変化があった旨を送信し、通信部70が当該通知を受信すると、表示部92は、表示内容を戻してもよい。その際、ディレクトリ保持部60に記憶されたコンテンツ属性情報が使用される。続いて、ユーザが受付部80を使用しながら、タイトル名「9」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「9」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=9」をコンテンツ識別に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。
【0043】
サーバ装置100の制御部30は、クライアント装置200にコンテンツデータを送信するために、図10のように管理されているURI履歴からこれまでの選択コンテンツである「2」のbitmapデータをコンテンツデータ格納部14から読み出す。さらに、制御部30は、今回の選択コンテンツの「9」のbitmapデータをコンテンツデータ格納部14から読み出す。制御部30は、それらを合成し、合成後のbitmapデータ、ここでは、「2」「9」を生成する。コンテンツ送信部26は、合成したコンテンツデータをクライアント装置200へ送信する。
【0044】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図11は、表示部92において「2」の次に「9」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、ユーザが数字を選択した順番に、「2」、「9」の数字が表示されている。図1に戻る。なお、サーバ装置100の制御部30は、bitmapデータを合成しなくてもよく、例えば、今回選択された「9」に該当するbitmapデータだけをコンテンツ送信部26に送信させてもよい。一方、履歴記憶部16は、クライアント装置200に該当するURI履歴メモリに「9」を追加する。図12は、履歴記憶部16において記憶された履歴の構成を示す。カウンタ「2」に対応したメモリ参照先に、コンテンツデータ「2」、「9」が記憶されている。図1に戻る。
【0045】
ここで、クライアント装置200を使用しているユーザが暗証番号入力操作を終える場合、図11の画面を表示している表示部92は、一定期間経過後あるいはユーザによる操作によって、図8のタイトルリスト表示状態に戻る。ユーザが受付部80を使用して、タイトル名「終了」を選択すると、クライアント装置200の制御部90は、図7でのタイトル名「終了」のアイテムが選択されたとする。制御部90は、当該アイテムに対応したURI「http://DMS/INPUT=END」をコンテンツ識別に含め、HTTPプロトコルにてサーバ装置100にコンテンツ識別子を送信する。サーバ装置100の制御部30は、コンテンツデータ格納部14から、コンテンツ識別子に含まれたURIに該当するbitmapデータを抽出する。前述のごとく、bitmapデータは、数字「終了」が示された静止画像データである。コンテンツ送信部26は、読み出したbitmapデータをクライアント装置200へ送信する。
【0046】
クライアント装置200の表示部92では、次のような表示がなされる。図13は、表示部92において「終了」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、ユーザの選択と同様に、「終了」の文字が表示されている。図1に戻る。さらに、サーバ装置100の履歴記憶部16は、要求されたURIが暗証番号入力終了であると解釈し、図12に示したURI履歴メモリから、「2」、「9」を処理部18へ出力する。処理部18は、これらの数字をひとつのデータ「29」へ変換し、それを入力された暗証番号として、ディレクトリ格納部12における図6の暗証番号入力ディレクトリにマッピングされている暗証番号と比較する。暗証番号が正しければ、処理部18は暗証番号入力ディレクトリ下の図7のCDS情報を空にする。また、履歴記憶部16の履歴もリセットされる。また、処理部18は、図6の映画ディレクトリの下に、本来の映画タイトルのためのCDS情報を設定する。
【0047】
クライアント装置200を操作するユーザは、図13のような表示部92での表示から1回の戻る操作によって、次に示す表示に戻る。図14は、表示部92において空の暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、図8と同様に、暗証番号入力ディレクトリが表示されているが、「1」から「9」および「終了」のタイトル名は表示されていない。図1に戻る。クライアント装置200を操作するユーザは、図14のような表示部92での表示から、もう1回の戻る操作によって、次に示す表示に戻る。図15は、表示部92において認証終了後の映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。暗証番号を入力する処理は終了しているので、ユーザが視聴可能な動画像データのタイトル名が表示されている。ユーザは、受付部80を使用しながら、ひとつのタイトル名を選択することで、サーバ装置100からの動画像データの配信を受けることができる。
【0048】
以上の構成によるサーバ装置100の動作を説明する。図16は、サーバ装置100に係る認証処理の手順を示すフローチャートである。ディレクトリ送信部22は、暗証番号入力ディレクトリを提示する(S50)。アクセス要求受信部24は、コンテンツ要求を受信する(S52)。コンテンツ要求において「終了」が要求されていなければ(S54のN)、制御部30は、コンテンツデータ格納部14からコンテンツデータを読み出す(S56)。履歴記憶部16に履歴があれば(S58のY)、制御部30は、履歴に対応したコンテンツデータを読み出し(S60)、コンテンツデータを合成する(S62)。一方、履歴記憶部16に履歴がなければ(S58のN)、ステップ60および62はスキップされる。コンテンツ送信部26は、コンテンツデータを送信する(S64)。履歴記憶部16は、要求内容を履歴に蓄積する(S66)。処理は、ステップ50に戻る。コンテンツ要求において「終了」が要求されていれば(S54のY)、受付部80は、履歴内容を暗証番号に変換する(S68)。処理部18は、認証処理を実行する(S70)。
【0049】
以下、変形例を説明する。ここまで、コンテンツデータ格納部14に格納したコンテンツデータとして、bitmapデータ、つまり静止画像データを使用していた。しかしながら、クライアント装置200が、音声や音楽データを再生する機能を有している場合、コンテンツデータは、静止画像データでなくてもよい。変形例は、コンテンツデータとして音声データも使用する場合を説明する。変形例に係るデータ処理システム500の構成は、図1と同様のタイプである。ここでは、相違点を中心に説明する。
【0050】
図17は、本発明の変形例に係る暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図17は、図7と同様に示されるが、リソースとしてPCM(Pulse Code Modulation)データも使用される。なお、MP3(MPEG Audio Layer−3)データが使用されてもよい。アクセス要求受信部24において受信されたコンテンツ識別子が、タイトル名「2」に相当する場合、コンテンツデータ格納部14には、クライアント装置200において再生された際に、ユーザが「2」と認識できる音声データが記憶される。また、図17のようにマルチリソースの暗証番号入力用CDSをクライアント装置200で準備し、さまざまクライアント装置200に対応させることもできる。さらに、コンテンツデータとして、MPEG(Moving Picture Experts Group)2やMPEG4等の動画がリソースに使用されてもよい。
【0051】
以下、別の変形例を説明する。実施例においてデータ処理システム500は、サーバ装置100、クライアント装置200を含んでいた。別の変形例では、UPnP AV Architecture:1によるMedia Server、Media Renderer、Control Point(CP)の3つのデバイスが、データ処理システム500に含まれている場合を対象にする。
【0052】
図18は、本発明の別の変形例に係るデータ処理システム500の構成を示す。データ処理システム500は、サーバ装置100、携帯電話端末装置600、テレビジョン受像装置700を含む。携帯電話端末装置600は、前述のCPに相当し、サーバ装置100、つまりMedia Serverからコンテナやアイテムのコンテンツ属性情報を入手し表示する。しかしながら、携帯電話端末装置600は、コンテンツデータの再生機能を有さない。テレビジョン受像装置700は、前述のMedia Rendererに相当し、携帯電話端末装置600からAVT(AVTransport Service)を用いて制御される。
【0053】
その結果、テレビジョン受像装置700では、表示するコンテンツデータのリソースURI通知や再生制御要求が携帯電話端末装置600から発行される。テレビジョン受像装置700は、再生開始を携帯電話端末装置600から要求されると、前もって通知されたURIをもとに、サーバ装置100に対しコンテンツ要求を行い、サーバ装置100から送信されるコンテンツデータを再生する。サーバ装置100は、実施例と同様に動作する。つまり、別の変形例では、実施例のクライアント装置200が、携帯電話端末装置600、テレビジョン受像装置700によって構成されていることに相当する。
【0054】
携帯電話端末装置600は、CDSのBrowseアクションをサーバ装置100へ送信する(S100)。サーバ装置100は、Browse応答を携帯電話端末装置600へ送信する(S102)。携帯電話端末装置600は、タイトルリストを表示する(S104)。携帯電話端末装置600は、AVTのSetAVTransportURIアクションをテレビジョン受像装置700へ送信する(S106)。また、携帯電話端末装置600は、AVTのPlayアクションをテレビジョン受像装置700へ送信する(S108)。テレビジョン受像装置700は、コンテンツ要求をサーバ装置100へ送信する(S110)。サーバ装置100は、コンテンツデータをテレビジョン受像装置700へ送信する(S112)。
【0055】
ここで、サーバ装置100が空気調節装置(Air Conditiomer:以下、「エアコン」という)を制御するためのサーバである場合を説明する。ディレクトリ格納部12は、図7の暗証番号入力ディレクトリと同様に、温度設定入力ディレクトリを格納する。図19は、本発明の別の変形例に係る温度設定入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す。図19は、図7と同様に示されるが、図7におけるアイテム「1」から「0」は、最終的に暗証番号と解せられるのに対して、図19におけるアイテム「1」から「0」は、最終的に温度と解せられる。図18の携帯電話端末装置600は、温度設定入力ディレクトリに対してBrowseを実行することによって、CDS情報を取得する。携帯電話端末装置600では、次のような表示がなされる。図20は、表示部92において温度設定入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す。図示のごとく、図8と同様の表示がなされる。図18に戻る。
【0056】
ユーザが、29度に温度設定する場合、携帯電話端末装置600を使用しながら、図20でタイトル名「2」を選択すると、携帯電話端末装置600からテレビジョン受像装置700へSetAVTransportURIアクションにより、「http://DMS/INPUT=2」がURIとして通知される。続いて、携帯電話端末装置600は、Playアクションをテレビジョン受像装置700へ要求する。テレビジョン受像装置700は、サーバ装置100に対し、先のURIをもとにコンテンツ要求を送信する。一方、サーバ装置100は、「2」のbitmapデータをテレビジョン受像装置700へ送信する。テレビジョン受像装置700は、図9のように表示する。サーバ装置100は、図10のように、URIの履歴を管理しており、「2」を履歴メモリに格納する。ここでのIPアドレスは、テレビジョン受像装置700に付与されたIPアドレスになる。
【0057】
さらに、ユーザは携帯電話端末装置600において「9」のタイトルを選択するので、「2」の場合と同様の処理がなされた結果、テレビジョン受像装置700は、図11のような画面を表示し、サーバ装置100には、「29」が伝達され、URIの履歴が記憶される。さらに、ユーザが携帯電話端末装置600において「終了」のタイトルを選択すると、テレビジョン受像装置700は、図13のような画面を表示する。また、サーバ装置100は、温度設定の入力終了と判断し、URI履歴メモリにおける29度をエアコンの温度設定として決定する。サーバ装置100は、当該温度設定にてエアコンに対し温度制御を実行する。
【0058】
本発明の実施例によれば、ユーザからの入力を期待する場合に、サーバ装置内のコンテンツディレクトリ下に入力してもらいたい文字や数字を示すタイトル名と、クライアント装置において再生されるコンテンツデータを示すURIを含むCDSの情報を用意するので、ユーザに入力内容を確認させることができる。また、コンテンツデータにて示される数字とタイトル名とを同一にするので、メニューでの表示とコンテンツデータの表示とを統一できる。また、コンテンツディレクトリでのタイトル一覧がクライアント装置で表示されている状態において、ユーザがひとつのタイトルを選択すると、URIに基づくタイトルのデータがサーバ装置から配信されるので、ユーザはクライアント装置の画面表示にて選択内容を確認できる。また、サーバ装置は、そのタイトル選択時に要求されるURIの履歴を管理し、かつその順番を解釈するので、ユーザからの入力をもとに暗号番号を生成できる。また、汎用的なUPnPのクライアントやDLNAのDMP(Digital Media Player)を変更することなく、暗証番号入力を実現できる。また、クライアント装置におけるデータ入力の内容に対応したコンテンツデータが、クライアント装置へ送信されるので、ユーザは、入力した内容を確認できる。また、ユーザは、入力した内容を確認するので、利便性を向上できる。
【0059】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0060】
本発明の実施例において、コンテンツデータ格納部14に格納された複数のコンテンツデータには、数字データが含まれており、かつディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報では、コンテンツデータと同一の数字データとなるようにタイトル名が規定されている。しかしながらこれに限らず例えば、コンテンツデータ格納部14に格納された複数のコンテンツデータは、文字データであってもよく、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報は、コンテンツデータと同一の文字データとなるようにタイトル名が規定されていてもよい。文字データとして、ひらがな、カタカナ、アルファベット等が使用される。さらに、コンテンツデータおよびタイトルが、数字データと文字データの組合せであってもよい。本変形例によれば、クライアント装置200からサーバ装置100へさまざまな情報を入力できる。
【0061】
本発明の実施例において、アクセス要求受信部24が受信するコンテンツ識別子には、コンテンツの格納場所としてのURIが含まれている。しかしながらこれに限らず例えば、コンテンツ識別子にURI等の格納場所に関する情報が含まれていなくてもよい。その際、コンテンツ識別子には、コンテンツデータを指定するための指示が含まれていればよい。制御部30は、コンテンツデータの指定指示をもとに、コンテンツデータ格納部14からコンテンツデータを抽出する。本変形例によれば、コンテンツ識別子の規定の自由度を向上できる。
【0062】
本発明の実施例において、コンテンツデータ格納部14に格納されたコンテンツデータそのものと、ディレクトリ格納部12に格納したコンテンツ属性情報でのタイトル名とが一致している。しかしながらこれに限らず例えば、両者が完全に一致していなくてもよい。コンテンツデータが「2」であり、タイトル名が「dmsinput2.bmp」であってもよい。本変形例によれば、コンテンツデータとタイトル名とを決定する際の自由度を向上できる。ようは、ユーザが、コンテンツデータとタイトル名のうちの一方を見たときに、他方を連想できればよい。
【0063】
本発明の実施例では、表示部92上に、図8のような「1」から「9」までの数字ボタンを含んだ暗証番号入力画面を表示させた状況下でユーザに暗証番号を選択させている。しかしながらこれに限らず例えば、図8のような暗証番号入力画面を表示しなくてもよい。例えば、図8のような画面に代えて表示部92は単に「暗証番号をテンキーから入力下さい」という文字だけが記された入力画面を表示してもよい。これを受けてユーザは受付部80から暗証番号をボタン等により入力してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例に係るデータ処理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のデータ処理システムの動作概要を示すシーケンス図である。
【図3】図1のディレクトリ格納部に格納された一般的なCDSの構成を示す図である。
【図4】図1のディレクトリ格納部に格納されたCDSの別の構成を示す図である。
【図5】図1のディレクトリ格納部に格納された映画ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図6】図1の表示部において映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図7】図1のディレクトリ格納部に格納された暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図8】図1の表示部において暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図9】図1の表示部において「2」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図10】図1の履歴記憶部において記憶された履歴の構成を示す図である。
【図11】図1の表示部において「2」の次に「9」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図12】図1の履歴記憶部において記憶された履歴の構成を示す図である。
【図13】図1の表示部において「終了」のコンテンツデータ表示されている場合の画面を示す図である。
【図14】図1の表示部において空の暗証番号入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図15】図1の表示部において認証終了後の映画ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【図16】図1のサーバ装置に係る認証処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の変形例に係る暗証番号入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図18】本発明の別の変形例に係るデータ処理システムの構成を示す図である。
【図19】本発明の別の変形例に係る温度設定入力ディレクトリ下のCDSのデータ構造を示す図である。
【図20】図1の表示部において温度設定入力ディレクトリが表示されている場合の画面を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
12 ディレクトリ格納部、 14 コンテンツデータ格納部、 16 履歴記憶部、 18 処理部、 20 通信部、 22 ディレクトリ送信部、 24 アクセス要求受信部、 26 コンテンツ送信部、 30 制御部、 60 ディレクトリ保持部、 70 通信部、 72 ディレクトリ受信部、 74 アクセス要求送信部、 76 コンテンツ受信部、 80 受付部、 90 制御部、 92 表示部、 100 サーバ装置、 200 クライアント装置、 300 ネットワーク、 500 データ処理システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、前記データ格納部におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報をコンテンツ情報として格納する情報格納部と、
前記情報格納部において格納したコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介して前記クライアント装置へコンテンツ情報を送信する第1送信部と、
前記第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信する受信部と、
前記受信部において受信した格納場所をもとに、前記データ格納部に格納したコンテンツデータを前記クライアント装置に表示させるために、ネットワークを介して前記クライアント装置へコンテンツデータを送信する第2送信部とを備え、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、
前記情報格納部に格納したコンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方であることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記受信部において受信した格納場所に対応した情報を記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記第2送信部は、前記受信部が新たな格納場所を受信した場合に、新たな格納場所に対応したコンテンツデータと、前記履歴記憶部にそれまでに記憶した情報に対応したコンテンツデータとを合成してから送信することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する情報格納部と、
前記情報格納部において格納したコンテンツ情報をネットワークを介して送信する第1送信部と、
前記第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信する受信部と、
前記受信部において受信したコンテンツ識別子をもとに、前記データ格納部に格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信する第2送信部と、
前記受信部と前記第2送信部との処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、前記受信部において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴記憶部において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する変換部と、
前記変換部において変換したデータをもとに所定の処理を実行する処理部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
前記第2送信部は、前記受信部が新たなコンテンツ識別子を受信した場合、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータと、前記履歴記憶部にそれまでに記憶したコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータとを合成してから送信することを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第2送信部は、前記履歴記憶部において履歴を記憶している状態において、コンテンツデータを送信した後、コンテンツ情報に変化があった旨を送信することを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるクライアント装置からのデータ入力を受けつけるサーバ装置であって、
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記クライアント装置に対して数字データまたは文字データの入力を要求する入力要求部と、
前記クライアント装置からのデータ入力を受信する受信部と、
前記受信部において受信したデータ入力の内容に対応するコンテンツデータを前記データ格納部から選択する選択部と、
前記選択部において選択したコンテンツデータを前記クライアント装置へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項1】
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータに対する属性情報であって、コンテンツデータのタイトル名と、前記データ格納部におけるコンテンツデータの格納場所とが対応づけられた属性情報をコンテンツ情報として格納する情報格納部と、
前記情報格納部において格納したコンテンツ情報のうちのタイトル名をクライアント装置に表示させるために、ネットワークを介して前記クライアント装置へコンテンツ情報を送信する第1送信部と、
前記第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介して格納場所を受信する受信部と、
前記受信部において受信した格納場所をもとに、前記データ格納部に格納したコンテンツデータを前記クライアント装置に表示させるために、ネットワークを介して前記クライアント装置へコンテンツデータを送信する第2送信部とを備え、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれは、数字データおよび文字データのうちの少なくとも一方であり、
前記情報格納部に格納したコンテンツ情報におけるタイトル名は、コンテンツデータと同一の数字および文字データのうちの少なくとも一方であることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記受信部において受信した格納場所に対応した情報を記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記第2送信部は、前記受信部が新たな格納場所を受信した場合に、新たな格納場所に対応したコンテンツデータと、前記履歴記憶部にそれまでに記憶した情報に対応したコンテンツデータとを合成してから送信することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納した複数のコンテンツデータのそれぞれに対するコンテンツ識別子が含まれたコンテンツ情報を格納する情報格納部と、
前記情報格納部において格納したコンテンツ情報をネットワークを介して送信する第1送信部と、
前記第1送信部において送信したコンテンツ情報に対する応答として、ネットワークを介してコンテンツ識別子を受信する受信部と、
前記受信部において受信したコンテンツ識別子をもとに、前記データ格納部に格納したコンテンツデータを抽出し、ネットワークを介してコンテンツデータを送信する第2送信部と、
前記受信部と前記第2送信部との処理が繰り返される場合に、所定の期間にわたって、前記受信部において受信したコンテンツ識別子の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴記憶部において記憶した履歴にしたがった順序にてコンテンツ識別子の系列を所定の期間終了後にデータに変換する変換部と、
前記変換部において変換したデータをもとに所定の処理を実行する処理部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
前記第2送信部は、前記受信部が新たなコンテンツ識別子を受信した場合、新たなコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータと、前記履歴記憶部にそれまでに記憶したコンテンツ識別子に対応したコンテンツデータとを合成してから送信することを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第2送信部は、前記履歴記憶部において履歴を記憶している状態において、コンテンツデータを送信した後、コンテンツ情報に変化があった旨を送信することを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるクライアント装置からのデータ入力を受けつけるサーバ装置であって、
複数のコンテンツデータを格納するデータ格納部と、
前記クライアント装置に対して数字データまたは文字データの入力を要求する入力要求部と、
前記クライアント装置からのデータ入力を受信する受信部と、
前記受信部において受信したデータ入力の内容に対応するコンテンツデータを前記データ格納部から選択する選択部と、
前記選択部において選択したコンテンツデータを前記クライアント装置へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−33277(P2010−33277A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193903(P2008−193903)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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