説明

サービスマニュアル管理システム、サービスマニュアル管理方法、及び、サービスマニュアル管理プログラム

【課題】製品の保守・修理作業の効率を向上させる。
【解決手段】サービスマニュアル管理システムは、製品の製造番号と製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段21と、製品のサービスマニュアルの版数とサービスマニュアル作成時に参照した作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段23と、サービスマニュアルの版数間の変更内容を差分データとして記憶するサービスマニュアル記憶手段22と、製造番号より製造来歴記憶手段21を用いて作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶手段23を用いてサービスマニュアルの版数を求め、この版数のサービスマニュアルを、このサービスマニュアルの初版データと差分データとを合成することで作成する差分データ合成手段13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の保守・修理に用いられるサービスマニュアルを管理するサービスマニュアル管理システム、サービスマニュアル管理方法及びサービスマニュアル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の保守・修理作業において、通常、出荷された製品の状態に応じたサービスマニュアルを利用することが必要となる。この出荷された製品のようなユーザに譲渡された物と、それに対応したサービスマニュアルとを提示する方法として、マニュアルの改版・改定時に日付情報を付加することでユーザの契約状況に応じたマニュアルを提供する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−24972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した特許文献1のサービスマニュアル提供方法では、出荷された製品と、出荷とは無関係に任意のタイミングで作成されるサービスマニュアルに対しては、サービスマニュアルの改版・改訂の日時情報から製品に対するサービスマニュアルが特定できないという問題があった。このようにサービスマニュアルを特定できないと、製品の保守・修理作業の効率を悪化させることになる。
【0005】
本発明の目的は、製品の保守・修理作業の効率を向上させることができるサービスマニュアル管理システム、サービスマニュアル管理方法及びサービスマニュアル管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサービスマニュアル管理システムは、製品の製造番号と上記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段と、上記製品のサービスマニュアルの版数と上記サービスマニュアル作成時に参照した上記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段と、上記サービスマニュアルの版数間の変更内容を差分データとして記憶するサービスマニュアル記憶手段と、上記製造番号より上記製造来歴記憶手段を用いて上記作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数より上記サービスマニュアル版数記憶手段を用いて上記サービスマニュアルの版数を求め、この版数のサービスマニュアルを、このサービスマニュアルの初版データと上記差分データとを合成することで作成する差分データ合成手段と、を備える。
【0007】
本発明のサービスマニュアル管理方法は、製品のサービスマニュアルの管理を、コンピュータを用いて行うサービスマニュアル管理方法であって、上記製品の製造番号と上記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段を用いて、上記製造番号より上記作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数より、上記製品の上記サービスマニュアルの版数とこの版数のサービスマニュアル作成時に参照した上記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段を用いて上記サービスマニュアルの版数を求め、この版数のサービスマニュアルを、上記サービスマニュアルの初版データと上記サービスマニュアルの版数間の変更内容である差分データとを合成することで作成する。
【0008】
本発明のサービスマニュアル管理プログラムは、製品のサービスマニュアルの管理を、コンピュータに行わせるためのサービスマニュアル管理プログラムにおいて、上記製品の製造番号と上記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段を用いて、上記製造番号より上記作業手順書の版数を求める機能と、この作業手順書の版数より、上記製品の上記サービスマニュアルの版数とこの版数のサービスマニュアル作成時に参照した上記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段を用いて上記サービスマニュアルの版数を求める機能と、この版数のサービスマニュアルを、上記サービスマニュアルの初版データと上記サービスマニュアルの版数間の変更内容である差分データとを合成することで作成する機能と、をコンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製品の保守・修理作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係るサービスマニュアル作成管理システムを示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態における製品の製造から製品の保守・修理作業までの大まかな流れについて説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態におけるコンピュータの例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態における製品の製造の流れを表すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態における製造番号と作業手順書の版数との対応を示す図表である。
【図6】本発明の一実施の形態における作業手順書表示画面の一例である。
【図7】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアルを作成する処理を表すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアルの版数と作業手順書の版数との対応を示す図表である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアルの初版内容を表すデータを示す図表である。
【図10】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアル初版表示画面の一例である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアルの改版内容を表すデータを示す図表である。
【図12】本発明の一実施の形態における保守・修理業務を行う処理を表すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態における変更データが反映されたサービスマニュアルの内容を表すデータを示す図表である。
【図14】本発明の一実施の形態におけるサービスマニュアル第2版表示画面(変更データが反映されたサービスマニュアル)の一例である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係るサービスマニュアル作成管理システムを示す概略構成図である。
【図16】本発明の他の実施の形態における製品の版数登録から改造作業までの大まかな流れについて説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の他の実施の形態における製品版数と作業手順書の版数との対応を示す図表である。
【図18】本発明の他の実施の形態における改造作業を行う処理を表すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施の形態における改版内容を表すデータを示す図表である。
【図20】本発明の他の実施の形態におけるサービスマニュアル第4版表示画面(変更データが反映されたサービスマニュアル)の一例である。
【図21】本発明の他の実施の形態におけるサービスマニュアル改版合成データを示す図表である。
【図22】本発明の他の実施の形態におけるサービスマニュアル改版合成表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係るサービスマニュアル作成管理システム、サービスマニュアル作成管理方法及びサービスマニュアル作成管理プログラムについて、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<一実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係るサービスマニュアル作成管理システム1を示す概略構成図である。
【0013】
図1に示すように、サービスマニュアル管理システム1は、作業手順書表示制御部11と、サービスマニュアル作成部12と、差分データ合成部(差分データ合成手段)13と、製造来歴記億部(製造来歴記憶手段)21と、サービスマニュアル記憶部(サービスマニュアル記憶手段)22と、サービスマニュアル版数情報記憶部(サービスマニュアル版数情報記憶手段)23とを備え、製品の保守・修理に用いられるサービスマニュアルの管理を行う。なお、サービスマニュアル管理システム1には、入力装置3及び表示装置4が接続される。
【0014】
作業手順書表示制御部11は、ユーザにより入力装置3から入力された製品情報に対応する作業手順書データ2の内容を表示装置4に表示する制御を行う。また、詳しくは後述するが、作業手順書表示制御部11は、製品の製造番号と製品の製造時に利用された作業手順書(製造時に表示した作業手順書データ2)の版数とを図5に示すように関連付けて製造来歴記憶部21に記憶させる。
【0015】
なお、作業手順書は、製品を製造する際の作業の手順を表すものであれば採用可能であるが、例えば、図6に示すように、使用する治工具の情報が表示される治工具欄41と、手順、使用する部品などの関係がツリー構造で表示される工程欄42と、「確実に締め付けられていること」などの品質に関する情報が表示される品質項目欄43と、「目視」などの保証及び検査に関する情報が表示される保証・検査方式欄44と、「ネジ止めをし、ネジロック剤を塗布する」などの文及び図に関する情報が表示される説明・注意欄45と、を含む作業手順書表示画面40のようなものを採用するとよい。
【0016】
サービスマニュアル作成部12は、作業手順書表示制御部11により表示装置4に表示された作業手順書データ2を参照して製品の後述するサービスマニュアルを作成する。なお、サービスマニュアル作成部12は、例えば、図6に示す作業手順書表示画面40の一部(例えば、説明・注意欄45のデータ)又は全部のデータを抽出し、ユーザの編集を適宜受け付けることでサービスマニュアルを作成するようにしてもよい。
【0017】
サービスマニュアル作成部12は、作成したサービスマニュアルをサービスマニュアル記憶部22に記憶させる。なお、サービスマニュアル記憶部22は、サービスマニュアルの版数間の変更内容を差分データとして記憶する。
【0018】
サービスマニュアル作成部12は、製品のサービスマニュアルの版数と、サービスマニュアル作成時に参照した作業手順書の版数とを関連付けてサービスマニュアル版数記憶部23に記憶させる。
【0019】
差分データ合成部13は、サービスマニュアル記憶部22に記憶されているサービスマニュアルデータを表示装置4に表示させる。また、差分データ合成部13は、製品の製造番号より製造来歴記憶部21を用いて作業手順書の版数を求め、作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部23を用いてサービスマニュアルの版数を求める。更には、詳しくは後述するが、差分データ合成部13は、求めた版数のサービスマニュアルを、サービスマニュアルの初版データと上記の差分データとを合成することで作成し、表示装置4に表示させる。
【0020】
製造来歴記憶部21は、製品の製造番号と製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する。
サービスマニュアル記憶部22は、サービスマニュアル作成部12により作成されたサービスマニュアルを記憶する。なお、サービスマニュアル記憶部22は、サービスマニュアルの版数間の変更内容を差分データとして記憶する。
【0021】
サービスマニュアル版数記憶部23は、サービスマニュアルの版数と、サービスマニュアル作成時に参照した作業手順書の版数とを関連付けて記憶する。
次に、本実施の形態のサービスマニュアル管理の流れについて説明する。
【0022】
図2は、本発明の一実施の形態における製品の製造から製品の保守・修理作業までの大まかな流れについて説明するためのフローチャートである。
図2に示すように、本実施の形態では、製品を製造する処理(ステップS11)と、作業手順書に基づいてサービスマニュアルを作成する処理(ステップS12)と、作成されたサービスマニュアルを基に製品の保守・修理作業を行う処理(ステップS13)と、を含む処理が行われる。
【0023】
最初に、作業手順書を用いて製造を行う処理(図2のステップS11)を図4のフロー及び図5の表を用いて説明する。
なお、本実施形態の後述する処理のうちコンピュータが行うものについては、ごく標準的な構成を有するコンピュータ、すなわち、図3に示すように、制御プログラムを実行することで各構成要素を制御するCPU31と、ROMやRAM及び磁気記録媒体などからなり、CPU31に各構成要素を制御させる制御プログラムの記憶や、CPU31が制御プログラムを実行する際のワークエリアあるいは各種データの記憶領域として使用させる記憶部32と、ユーザによる操作に対応する各種のデータが取得される入力部33(入力装置3に対応)と、ディスプレイ(表示装置4に対応)などに各種のデータを提示してユーザに通知する出力部34と、他の機器とのデータ授受のためのインターフェース機能を提供するI/F部35と、を備える情報処理端末30を用いることができる。
【0024】
また、サービスマニュアルの管理の処理を情報処理端末30に行わせるには、例えば、後述する処理を情報処理端末30に行わせる制御プログラムを作成して、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させておき、その制御プログラムを例えば記録媒体から情報処理端末30に読み出させて実行させればよく、この結果、情報処理端末30は図1に示すサービスマニュアル管理システム1として機能する。
【0025】
なお、製造来歴記憶部21、サービスマニュアル記憶部22及びサービスマニュアル版数記憶部23としては、情報処理端末30の記憶部32ではなく、I/F部35を介して接続される他の機器の記憶部を用いることも当然に可能である。
【0026】
図4に示すように、始めに、ユーザにより図1に示す入力装置3から製造対象の製品種類が入力され、作業手順書表示制御部11により作業手順書データ2の中から対応する作業手順書データを表示装置4に表示し、それを基にユーザが作業(製造)を行う(ステップS21)。
【0027】
作業が終了したら、作業手順書表示制御部11は、ユーザにより又は自動で選択される製品の製造番号と、利用した作業手順書の版数とを図5のような表形式(例えば、製造番号1001,1002,1003と、それに対応する作業手順書版数1,3,5)で関連付けて製造来歴記憶部21に記録する(ステップS22)。
【0028】
次に、サービスマニュアルを作成する処理(図2のステップS12)を図7のフロー及び図8の表を用いて説明する。
始めに、ユーザにより入力装置3より作成対象の製品種類が入力され、作業手順書表示制御部11により作業手順書データ2の中から対応する作業手順書データを表示装置4に表示する(ステップS31)。
【0029】
そして、表示装置4に表示した作業手順書データを基にサービスマニュアル作成部12がサービスマニュアルを作成する(ステップS32)。なお、サービスマニュアルの作成に際しては、上述のように、サービスマニュアル作成部12は、例えば、図6に示す作業手順書表示画面40の一部(例えば、説明・注意欄45のデータ)又は全部のデータを抽出し、ユーザの編集を適宜受け付けることでサービスマニュアルを作成するようにすることができる。
【0030】
その際、サービスマニュアル作成部12は、使用(参照)した作業手順書の版数と作成したサービスマニュアルの版数とを図8のような表形式(例えば、サービスマニュアル版数1,2,3と、それに対応する作業手順書版数1,3,5)で関連付けてサービスマニュアル版数記憶部23に記録する(ステップS33)。
【0031】
作成されたサービスマニュアルが初版であれば、図9に示すように項目毎に文(例えば、「ネジを外す」)や図(文に対応する図)の構成要素単位で、サービスマニュアル作成部12によりサービスマニュアル記憶部22に記憶される。この初版のサービスマニュアルは、例えば、図10に示すように、文欄111と、図欄112とを含むサービスマニュアル初版表示画面110として表示装置4に表示される。
【0032】
改版時には、今回作成したサービスマニュアルと前回作成されたサービスマニュアルとの変更内容を差分データとして、例えば、図11のような表形式(例えば、版数(「2」)、位置(「1−文」,「1−図」)、変更種類(「削除」,「追加」,「変更」)、内容(「ネジを外す」,「接着剤を塗布する」,図))で、サービスマニュアル作成部12によりサービスマニュアル記憶部22に記憶する(ステップS34)。
【0033】
次に、製品の保守・修理業務を行う処理(図2のステップS13)を図12のフローを用いて説明する。
始めに、ユーザが入力装置3より保守・修理対象の製品の製造番号を入力すると、差分データ合成部13により、製造来歴記憶部21から製造番号に対応する作業手順書版数が求められる(ステップS41)。
【0034】
次に、差分データ合成部13により、サービスマニュアル版数記憶部23から、求められた作業手順書の版数に対応するサービスマニュアルの版数が求められる(ステップS42)。
【0035】
サービスマニュアルの初版データに対して、求められた版数までの例えば図11に示す差分データを合成し全て反映させることにより、図13のように変更データが反映されたサービスマニュアルの内容(例えば、項目「1」,文「接着剤を塗布する」,図)を表示装置4に表示する(ステップS43)。このサービスマニュアルは、例えば、図14に示すように、文欄121と、図欄122とを含むサービスマニュアル第2版表示画面120として表示装置4に表示される。
【0036】
これにより、ユーザは、出荷された製品に対して保守・修理作業を行う際に最適な作業内容を得ることができる。
【0037】
以上説明した本実施の形態では、差分データ合成部13は、製品の製造番号より製造来歴記憶部(製造来歴記憶手段)11を用いて作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部(サービスマニュアル版数記憶手段)13を用いてサービスマニュアルの版数を求め、この版数のサービスマニュアルを、サービスマニュアルの初版データと差分データとを合成することで作成する。
【0038】
そのため、出荷した商品の保守・修理時に適切なサービスマニュアルを提供することができる。よって、本実施の形態によれば、製品の保守・修理作業の効率を向上させることができる。
【0039】
<他の実施の形態>
図15は、本発明の他の実施の形態に係るサービスマニュアル作成管理システム1´を示す概略構成図である。
【0040】
本実施の形態のサービスマニュアル管理システム1´は、図1に示す上述の一実施の形態のサービスマニュアル管理システム1と同様に、作業手順書表示制御部11と、サービスマニュアル作成部12と、差分データ合成部13と、製造来歴記億部21と、サービスマニュアル記憶部22と、サービスマニュアル版数情報記憶部23とを備えるのに加え、更に製品版数記憶部(製品版数記憶手段)24を備える。
【0041】
作業手順書表示制御部11は、上述の一実施の形態で述べたように、製品の製造番号と製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて製造来歴記憶部21に記憶させる。
【0042】
更に、作業手順書表示制御部11は、製品の版数と製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを製品版数記憶部24に記憶させる。これにより、製品版数記憶部24は、製品の版数と作業手順書の版数とを関連付けて記憶する。
【0043】
差分データ合成部13は、上述の一実施の形態で述べたように製品番号よりサービスマニュアルの版数を求めるのに加え、詳しくは後述するが、製品の版数より製品版数記憶部24を用いて作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部23を用いてサービスマニュアルの版数を求める。そして、差分データ合成部13は、製品の版数より求めたサービスマニュアルの版数と、製造番号より求めたサービスマニュアルの版数との間の差分データを取得し、表示装置4に表示する。
【0044】
図16は、本発明の他の実施の形態における製品の版数登録から改造作業までの大まかな流れについて説明するためのフローチャートである。
図16に示すように、本実施の形態では、製品の版数を登録する処理(ステップS51)と、作業手順書に基づいてサービスマニュアルを作成する処理(ステップS52)と、製品の版数より求めたサービスマニュアルの版数と、製造番号より求めたサービスマニュアルの版数との間の差分データを用いて製品の改造作業を行う処理(ステップS53)とを含む処理が行われる。なお、改造作業は、製品の保守・修理作業に含まれるものとする。
【0045】
最初に、製品の版数を登録する処理(図16のステップS51)を図17の表を用いて説明する。
製品の機能や性能が向上する際に製品の版数が例えばユーザにより設定され、作業手順書表示制御部11は、相応する訂正内容を反映した作業手順書の版数と製品の版数とを図17の表形式(例えば、製品版数1,2,3、と、それに対応する作業手順書版数1,3,5)で、製品版数記憶部24に記憶させる。
【0046】
次に、サービスマニュアルを作成する処理(図16のステップS52)を、上述の一実施の形態と同様に行い、使用(参照)した作業手順書の版数と作成したサービスマニュアルの版数とを関連付けてサービスマニュアル版数記憶部23に記録する。
【0047】
次に、出荷された製品について特定の製品の版数に改造する指示が出された場合に改造内容を指示する処理について、図18のフローを用いて説明する。
始めに、差分データ合成部13は、改造対象の製品について、上述の一実施の形態と同様に、製造番号より作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアルの版数を求める(ステップS61)。
【0048】
次に、差分データ合成部13は、ユーザにより指示された製品の版数より、この製品の製造時に利用された作業手順書の版数を製品版数記憶部24から求め、求められた作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部23を用いてサービスマニュアルの版数を求める(ステップS62)。
【0049】
そして、製品の版数より求められたサービスマニュアルが、例えば図20に示すサービスマニュアル第4版表示画面140のように、「切断する」という文欄141と、図欄142とを含む第4版のサービスマニュアルの場合、差分データ合成部13は、図19に示す表形式(例えば、版数、位置、変更種類、内容)の改版データ(2版,3版,4版での差分データ)から、製品版数より求めたサービスマニュアルの版数(例えば、第4版)と製造番号より求めたサービスマニュアルの版数(例えば、第2版)との間の変更内容(差分データ)を取得する。
【0050】
そして、差分データ合成部13は、図21のように合成した変更内容(第3版及び第4版の変更内容)を識別して反映されたサービスマニュアルを、表示装置4に表示する(ステップS63)。
【0051】
このように表示されるのが、例えば、図22に示すように、「切断する」という文欄201と、図欄202とを含む、第3版及び第4版の変更内容(差分データ)を反映させたサービスマニュアル改版合成表示画面200である。これにより、改造対象製品に対して、改造業務だけに必要な作業の内容が表示される。
【0052】
以上説明した本実施の形態においても、上述の一実施の形態と同様に、差分データ合成部13は、製品の製造番号より製造来歴記憶部(製造来歴記憶手段)11を用いて作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部(サービスマニュアル版数記憶手段)13を用いてサービスマニュアルの版数を求め、この版数のサービスマニュアルを、サービスマニュアルの初版データと差分データとを合成することで作成する。そのため、出荷した商品の保守・修理時に適切なサービスマニュアルを提供することができる。よって、本実施の形態によっても、製品の保守・修理作業の効率を向上させることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、差分データ合成部13は、製品の版数より製品版数記憶部24を用いて作業手順書の版数を求め、この作業手順書の版数よりサービスマニュアル版数記憶部23を用いてサービスマニュアルの版数を求め、このサービスマニュアルの版数と、製造番号より求めたサービスマニュアルの版数との間の差分データを取得する。そのため、出荷した商品の改造時にも適切なサービスマニュアルを提供することができる。したがって、改造作業の効率を向上させることもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 サービスマニュアル管理システム
2 作業手順書データ
3 入力装置
4 表示装置
11 作業手順書表示制御部
12 サービスマニュアル作成部
13 差分データ合成部
21 製造来歴記憶部
22 サービスマニュアル記憶部
23 サービスマニュアル版数記憶部
24 製品版数記憶部
30 情報処理端末
31 CPU
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 I/F部
40 作業手順書表示画面
41 治工具欄
42 工程欄
43 品質項目欄
44 保証・検査方式欄
45 説明・注意欄
110 サービスマニュアル初版表示画面
111 文欄
112 図欄
120 サービスマニュアル第2版表示画面
121 文欄
122 図欄
140 サービスマニュアル第4版表示画面
141 文欄
142 図欄
200 サービスマニュアル改版合成表示画面
201 文欄
202 図欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の製造番号と前記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段と、
前記製品のサービスマニュアルの版数と前記サービスマニュアル作成時に参照した前記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段と、
前記サービスマニュアルの版数間の変更内容を差分データとして記憶するサービスマニュアル記憶手段と、
前記製造番号より前記製造来歴記憶手段を用いて前記作業手順書の版数を求め、該作業手順書の版数より前記サービスマニュアル版数記憶手段を用いて前記サービスマニュアルの版数を求め、該版数のサービスマニュアルを、該サービスマニュアルの初版データと前記差分データとを合成することで作成する差分データ合成手段と、
を備えることを特徴とするサービスマニュアル管理システム。
【請求項2】
前記製品の版数と該製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製品版数記憶手段を更に備え、
前記差分データ合成手段は、前記製品の版数より前記製品版数記憶手段を用いて前記作業手順書の版数を求め、該作業手順書の版数より前記サービスマニュアル版数記憶手段を用いて前記サービスマニュアルの版数を求め、該サービスマニュアルの版数と、前記製造番号より求めたサービスマニュアルの版数との間の前記差分データを取得する、
ことを特徴とする請求項1記載のサービスマニュアル管理システム。
【請求項3】
製品のサービスマニュアルの管理を、コンピュータを用いて行うサービスマニュアル管理方法であって、
前記製品の製造番号と前記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段を用いて、前記製造番号より前記作業手順書の版数を求め、
該作業手順書の版数より、前記製品の前記サービスマニュアルの版数と該版数のサービスマニュアル作成時に参照した前記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段を用いて前記サービスマニュアルの版数を求め、
該版数のサービスマニュアルを、前記サービスマニュアルの初版データと前記サービスマニュアルの版数間の変更内容である差分データとを合成することで作成する、
ことを特徴とするサービスマニュアル管理方法。
【請求項4】
製品のサービスマニュアルの管理を、コンピュータに行わせるためのサービスマニュアル管理プログラムにおいて、
前記製品の製造番号と前記製品の製造時に利用された作業手順書の版数とを関連付けて記憶する製造来歴記憶手段を用いて、前記製造番号より前記作業手順書の版数を求める機能と、
該作業手順書の版数より、前記製品の前記サービスマニュアルの版数と該版数のサービスマニュアル作成時に参照した前記作業手順書の版数とを関連付けて記憶するサービスマニュアル版数記憶手段を用いて前記サービスマニュアルの版数を求める機能と、
該版数のサービスマニュアルを、前記サービスマニュアルの初版データと前記サービスマニュアルの版数間の変更内容である差分データとを合成することで作成する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするサービスマニュアル作成管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−108662(P2012−108662A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256070(P2010−256070)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】