説明

サービス提供システム

【課題】 ウェブサイト上で成立させた各種サービスの利用情報の確認、証明を容易に行うことができるサービス提供システムを提供する。
【解決手段】 本発明のサービス提供システムは、出版物1に掲載された情報の提供元のウェブサイトへアクセスするためのネットワーク特定情報(URL)が格納された非接触ICカード10と、この非接触ICカード10との間で情報の読出し/書込みを行うリーダーライタ20を具備しインターネットに接続可能な情報処理装置30とからなり、この情報処理装置30は、非接触ICカード10から読み出したURLを表示するとともに、表示されたURLからアクセスしたウェブサイト上で登録したサービスの利用情報を当該非接触通ICカード10へ書き込む。これにより、必要なときに、利用情報の確認、証明が容易に行えるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用したサービス提供システムに関し、更に詳しくは、出版物に掲載された情報の提供者のネットワーク特定情報を非接触通信媒体に格納し、当該非接触通信媒体から読み出したネットワーク特定情報を介してアクセスしたウェブサイトにおいて所定のサービスの提供を受けるようにしたサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年におけるブロードバンド環境の発展により、パーソナルコンピュータ等からWWW(World Wide Web)サーバへ高速にアクセスすることが可能になってきている。これに伴い、各種広告物や雑誌、書籍等の出版物等には、掲載情報に付随して、これら情報の提供元のウェブサイト(ホームページ)を特定するURL(Uniform Resource Locators)が掲載されるケースが数多く見られるようになっている。
【0003】
例えば、旅行雑誌あるいは旅行ガイドブックには、情報提供元である旅行会社や宿泊施設、レジャー施設、レンタカー会社等のURLが掲載されており、購読者に対して、インターネットを通じて自己のウェブサイトへアクセスさせるようにしている。そして、当該ウェブサイトにおいて、ホテルの宿泊予約や商品の発注、チケットの予約申し込み等を受け付けるサービスが一般的となっている。
【0004】
ところで、これら出版物の購読者から見れば、掲載されたURLをパーソナルコンピュータに入力する作業は、文字列が認識しづらかったり入力ミスを起こす等して、手間暇がかかる例も少なくない。
【0005】
そこで最近では、これら出版物に情報の提供元のウェブサイトに係るURL情報を掲載するとともに、これらURL情報を電子データとして格納したCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体を当該出版物に付属させる例が見受けられる。この場合、購読者にとっては、当該CD−ROM等をパーソナルコンピュータのドライブに装填することで自動的に所望のURLを読み出すことができるので、キーボードを用いた入力の手間を省くことができるようになる。
【0006】
なお、下記特許文献1には、出版物に情報の提供元のウェブサイトに係るURL情報を掲載するとともに、これらURL情報を格納したRFID(Radio Frequency Identification)タグを当該出版物の該当ページに貼り付け、リーダーライタで当該RFIDタグに格納されたURL情報をパーソナルコンピュータ等で読み出す技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−307042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
さて、上述したようなウェブサイトを利用して種々のサービス(例えば、宿泊予約受付サービス、商品の発注申し込みサービス等)の提供を受ける場合において、取引成立時における予約情報あるいは商品発注情報等の利用情報(取引内容)の確認は、当該ウェブサイトの該当ページの印刷物や、サービス提供元から発信される電子メールによって行うのが一般的である。
【0009】
しかしながら、利用情報の確認および保存をウェブサイトの該当ページの印刷物で行う例では、ウェブサイトを閉じた後では行うことができないので、印刷操作をし忘れたり当該印刷物を紛失した場合には取引内容の確認および証明が困難となる。それから、外出先など印刷装置(プリンタ)を備えていない環境下では、このようなサービスの提供を受けるのに躊躇が生じることになる。
【0010】
また、旅行で訪問する先々の施設で予約サービスを受けた場合等においては、取引内容を表示した印刷物の整理が煩雑となり、携行の際には不便を生じさせる。電子メールの受信にて取引内容の確認を行う方法もまた、紙に印刷して保存、携行することになるので、同様な問題を生じさせる。
【0011】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ウェブサイト上で成立させた各種サービスの利用情報を印刷物にて保存、携行する必要性をなくし、利用情報の確認および証明も容易に行うことができるサービス提供システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のサービス提供システムは、出版物に掲載された情報の提供元のウェブサイトへアクセスするためのネットワーク特定情報が格納された非接触通信媒体と、この非接触通信媒体との間で情報の読出し/書込みを行うリーダーライタ手段を具備しインターネットに接続可能な情報処理装置とからなり、この情報処理装置は、非接触通信媒体から読み出したネットワーク特定情報を表示するとともに、表示されたネットワーク特定情報からアクセスしたウェブサイト上で登録したサービスの利用情報を当該非接触通信媒体へ書き込むことを特徴とする。
【0013】
本発明のサービス提供システムにおいては、ネットワーク特定情報が格納されている非接触通信媒体に、ウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報を書き込むようにしているので、成立したサービスの利用明細を別途印刷物にて保存する必要をなくし、当該非接触通信媒体から情報を読み出すことにより取引内容の確認、証明を行えるようにしている。これにより、外出先やプリンタのない環境下においも手軽にサービスの利用が可能となるとともに、印刷物の整理や持ち歩く手間を省くことができる。
【0014】
上記ネットワーク特定情報は、URLや電子メールアドレス等、インターネットにおいて個々の電子計算機を識別するために割り当てられた番号、記号又は文字の組合せを意味する。このネットワーク特定情報を出版物の紙ページには掲載せず、専ら非接触通信媒体にのみ電子データとして格納させるようにすれば、小型カメラを用いたURL掲載ページの盗撮(いわゆるデジタル万引き)防止対策とすることができる。
【0015】
非接触通信媒体としては、非接触データ通信用のアンテナコイルとこれに電気的に接続されたICチップとを有する、情報の書込が可能な非接触ICカード等が好適であるが、カード形状に限られない。この非接触通信媒体は、出版物の付属物として同梱されてもよいし、購買後に出版社等から利用者へ提供されるようにしてもよい。
【0016】
非接触通信媒体が出版物に付属される場合、非接触通信媒体は当該出版物の所定ページに固定されてもよいが、分離または着脱自在とする方が利便性が高まる。更に、当該出版物をリーダーライタ手段に近接させたときに所定の通信が行えるページ領域(例えば、表紙または裏表紙の見開きページ)に取り付けられていれば、非接触通信媒体を出版物に付属させた状態で情報の読出し又は書込みを行うことができる。
【0017】
情報処理装置には、非接触ICカードと交信が可能なリーダーライタ装置を備えたパーソナルコンピュータ等が該当するが、PDA(Personal Digital Assistants)等のリーダーライタ機能を備えた携帯情報端末もこれに含まれる。
【0018】
非接触通信媒体に格納されているネットワーク特定情報は、出版物に掲載された情報を提供する全ての提供元のウェブサイトに係るものとすることができる。読み出したネットワーク特定情報の一覧は、情報処理装置にインストールされているWWWブラウザで参照できるようにしてもよい。そして、マウス、トラックボール等の簡易入力装置を介して選択することにより、該当するウェブサイト(電子コンテンツ)にアクセスする。なお、ネットワーク特定情報の選択に際しては、出版物に掲載された情報の個々に付された識別記号や掲載番号を参照することができる。
【0019】
ウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報としては、例えば、ホテル等の宿泊施設の予約受付サービスの場合、宿泊日、予約者あるいは宿泊者氏名、人数、住所、電話番号、チェックイン予定時刻等、当該ウェブサイトのフォーマットに従って登録された宿泊予約情報が該当する。また、商品の注文受付サービスの場合は、代金支払い方法、クレジットカード番号、商品の発送先の住所・氏名・電話番号、カタログID等が該当する。
【0020】
このようにウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報は、取引が成立した証として、当該出版物に付属された非接触通信媒体に書き込まれる。このとき、サービス利用情報のほかに、入力した利用者の個人情報(氏名、住所等)を別途書き込めるようにしておけば、次回の利用時あるいは他のウェブサイトにおけるサービスの利用時に、重複した入力の手間が省けるようになる。更に、取引成立時に利用者に与えられる特典やポイント等も同時に非接触通信媒体へ書き込むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のサービス提供システムによれば、URL等のネットワーク特定情報が格納されている非接触通信媒体に、ウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報を書き込むようにしているので、成立したサービスの利用明細を別途印刷物にて保存する必要がなくなり、当該非接触通信媒体から情報を読み出すだけで容易に取引内容を確認することができるようになる。これにより、外出先やプリンタのない環境下においも手軽にサービスの利用が可能となるとともに、印刷物の整理や持ち歩く手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態を示す概略図である。本実施の形態のサービス提供システムは、非接触ICカード10と、リーダーライタ20を具備する情報処理装置30とで構成されている。
【0024】
出版物1は、例えば、旅行情報、商品販売情報等の各種サービス提供情報が掲載された雑誌や書籍であり、有償、無償は問われない。この出版物1には、各種情報の提供元や広告主と、これらのURL情報が掲載されている。
【0025】
非接触ICカードCは、出版物1のページ間や裏表紙の見開きページに糊付けされた専用カバーに収容され、出版物1から分離自在に付属されている。非接触ICカード10の形状は、規格化されたカードサイズに限らず種々の形状が適用可能である。
【0026】
情報処理装置30は、WWWサーバ40を介してインターネットに接続可能なパーソナルコンピュータやPDA、セットトップボックス等のWWWクライアント端末として構成されているとともに、例えば13.56MHzの通信周波数で、非接触ICカード10に格納された情報を読み出したり、非接触ICカード10に情報を書き込む機能を有するリーダーライタ20を備えている。
【0027】
非接触ICカード10には、出版物1に掲載された情報の提供元のウェブサイトへアクセスするためのURLが、例えばHTML(Hypertext Markup Language)ファイル形式で格納されている。非接触ICカード10は、図2に示すようなICカード発行機50を用いて、出版物1の出版元によって発行される。
【0028】
出版元は、出版物1に掲載する情報の提供元のURL、当該情報が掲載される出版物1のページ番号、説明文等から構成される2次元的な表をHTMLファイル形式で作成し、当該URL情報を例えばパーソナルコンピュータ等で構成されるICカード発行機50のハードディスク51にコピーする。そして、ICカード発行機50にインストールされている非接触ICカード書込ソフトウェア52を起動し、ハードディスク51にコピーされたURL情報を読み込む。
【0029】
ICカード発行機50は、リーダーライタ機能を有する非接触ICカードライター53を備えている。この非接触ICカードライター53に未書込の非接触ICカード10がセットされると、ICカード発行機50は、非接触ICカード書込ソフトウェアに基づいて、ハードディスク51にコピーされたURL情報を、非接触ICカードライター53を介して非接触ICカード10へ書き込む。非接触ICカード10への書込み完了後、非接触ICカード10は、出版物1の所定ページに収納される。以上のようにして発行された非接触ICカード10は、個々の出版物1に一枚ずつ付属される。
【0030】
次に、当該出版物1の利用者(購読者)側の情報処理装置30について説明する。図3に示すように、情報処理装置30には、内蔵ハードディスク、半導体メモリその他のメモリ領域31に非接触ICカード読出/書込ソフトウェア32と、WWWブラウザソフトウェア33がインストールされている。
【0031】
非接触ICカード読出/書込ソフトウェア32は、リーダーライタ20で読み出した非接触ICカード10の記録情報をハードディスク31上にコピーするとともに、WWWブラウザソフトウェア33を起動してWWWサーバ40へ接続する処理を当該情報処理装置の内蔵CPU等の中央処理演算装置(図示略)に実行させる。また、非接触ICカード読出/書込ソフトウェア32は、後に詳述するように、読み出したURL情報に基づいてアクセスしたウェブサイトにおいて、所定のサービス申し込み手続がなされた場合にその利用情報をリーダーライタ20を介して非接触ICカード10へ書き込む処理を実行させるように構成されている。
【0032】
以下、本実施の形態のサービス提供システムの作用について説明する。図4は、情報処理装置30の動作の流れを説明するフロー図である。
【0033】
利用者は、出版物に掲載された情報の電子コンテンツを参照する際、付属の非接触ICカード10を出版物1から取り出してリーダーライタ20にかざす。これにより、非接触ICカード10に記録されているURL情報がリーダーライタ20を介して読み出される(ステップS1)。そして、WWWブラウザソフト33を起動し(ステップS2)、読み出したURL情報の一覧を情報処理装置30の表示部34に表示する(ステップS3)。
【0034】
表示部34に表示されるURL情報の一例を図5に示す。これは、書籍名(出版物1の名称であり、この例では旅行雑誌名)、出版物1に掲載されたホテル、旅行代理店、レンタカー等の情報提供元の所定のウェブサイトのURLが、出版物1の掲載ページ、住所等の連絡先その他の必要情報とともにHTML形式で作成された表となって表示される。
【0035】
利用者は、希望のURLをマウス、トラックボール等の簡易入力装置(ポインティングデバイス)を用いて選択することにより、当該URLによって特定される情報提供元のウェブサイトにアクセスし、このウェブサイトに置かれた電子コンテンツを参照する(ステップS4)。
【0036】
本実施の形態によれば、出版物1に付属されている非接触ICカード10をリーダーライタ20にかざす(セットする)だけで、情報処理装置30の表示部34にURL群を表示させ、その中から希望するURLを選択入力(クリック)することにより所定のウェブサイトへアクセスすることができるので、URLの文字列をキーボード等を使って入力しアクセスしていた従来の方法に比べて、作業を簡単かつ確実に行うことができるようになる。また、CD−ROM等のディスク状記録媒体よりも情報の読出しを高速に行うことができる。
【0037】
また、非接触ICカード10を出版物1から分離して利用する場合に限らず、当該出版物1をリーダーライタ20に近接させるだけで所定の通信が行えるページ領域に当該非接触ICカード10を収納させておけば、非接触ICカード10を出版物1から分離することなく、出版物1をリーダーライタ20にかざすだけでURL情報を読み出すことができるので、インターネットの利用がより手軽になる。
【0038】
更に、URL情報は出版物1の紙ページに掲載せず、付属の非接触ICカード10にのみHTML形式等の電子データとして格納させておくこともできる。これにより、出版物1を購入せず必要なページをカメラ付携帯電話等で撮影する、いわゆるデジタル万引きを防止することができ、購入者に限定した情報の提供が可能となり、販売の促進にも貢献することができるようになる。
【0039】
さて、非接触ICカード10からURL情報を読み出し、希望とするURLを選択操作してアクセスしたウェブサイトにおいて、必要な情報(電子コンテンツ)を取得し、当該ウェブサイト上で宿泊予約等の予約受付サービスを利用する場合には、利用者は当該ウェブサイト上で宿泊日、宿泊者(予約者)氏名、宿泊人数、住所、電話番号、チェックイン予定時刻等の必要事項を、ウェブサイトに表示された入力フォームに転送、登録する(ステップS5)。これにより、利用者の宿泊予約が成立する。
【0040】
ウェブサイト上における予約手続が成立すると、情報処理装置30は、登録したサービスの利用情報をリーダーライタ20を介して非接触ICカード10へ書き込む(ステップS6)。これにより、予約内容の控えを電子データとして取得することができるので、必要に応じて適宜、非接触ICカード10に書き込まれた利用情報を確認することが可能となり、従来のように紙等の印刷物として保存する必要がなくなる。更に、万一サーバ40側でデータの改ざんや消失があった場合にも、発注の証拠として利用することもできる。
【0041】
なお、非接触ICカード10には、上述のサービス利用情報の他に、他の情報を書き込むことができる。例えば、当該出版物1の購読者(利用者)に限って付与される特典やポイントなど、利用者の便宜が図られた内容に関する情報が好適である。あるいは、旅行先に非接触ICカード10を携行し、これをサービス利用施設において提示することによって、種々の特典が受けられるようにしてもよい。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、URL情報が格納されている非接触ICカード10に、ウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報を書き込むようにしているので、成立したサービスの利用明細を別途印刷物にて保存する必要がなくなり、当該非接触ICカードから情報を読み出すだけで容易に取引内容を確認することができるようになる。これにより、外出先やプリンタのない環境下においも手軽にサービスの利用が可能となるとともに、印刷物の整理や持ち歩く手間を省くことができる。
【0043】
次に、本発明の他の実施の形態として、出版物1として通信販売用の商品カタログを適用例に挙げて説明する。
【0044】
(1)利用者が付属の非接触ICカード10をリーダーライタ20にセットすることにより、商品カタログ1に掲載されている商品名とURLのリストがWWWブラウザに表示される。利用者が希望の商品のURLをクリックすると、その商品の注文ができるウェブサイトにアクセスできる。
【0045】
(2)商品カタログ1の利用者は、希望のウェブサイトにアクセスすると、その商品の在庫や納期の確認を行うことができ、希望に叶えば商品を発注する。
【0046】
(3)利用者、発注するときに、提示が必要な発注者情報(クレジットカードの番号、クレジットカードの有効期限、商品の発送先の住所、氏名、電話番号、カタログID等)を当該ウェブサイト上の入力フォームに入力し、登録する。
【0047】
(4)その後、入力した情報のうち利用者の発注者情報(利用者氏名、利用者住所、利用者電話番号、商品送付先住所、商品送付先電話番号、商品送付先氏名等)をサービス利用情報として非接触ICカード10に書き込む。なお、利用者氏名や住所等の個人情報に関しては、次回以降の発注登録等に利用できるようにすれば、次回から当該情報の入力の手間を省くことができる。
【0048】
(5)これにより、利用者は、発注内容の控えを電子データとして取得することができるので、必要に応じて適宜、非接触ICカード10に書き込まれた利用情報を確認することが可能となり、従来のように紙等の印刷物として保存する必要がなくなる。更に、万一サーバ40側でデータの改ざんや消失があった場合にも、発注の証拠として利用することもできる。
【0049】
そして次に、本発明の更に他の実施の形態として、出版物1として映画や演劇、コンサート等の興行案内が掲載されたチケットの予約、申し込み情報を含むチケット雑誌を適用例に挙げて説明する。
【0050】
(1)利用者が付属の非接触ICカード10をリーダーライタ20にセットすることにより、チケット雑誌1に掲載されているチケット名と関連するURLのリストがWWWブラウザに表示される。利用者が希望のチケットのURLをクリックすると、そのチケットの予約や発注ができるウェブサイトにアクセスできる。
【0051】
(2)利用者は、希望のウェブサイトにアクセスすると、チケットの予約や発注をすることができる。
【0052】
(3)利用者は、チケットの予約申し込み又は発注するときに、提示が必要な発注者情報(クレジットカードの番号、クレジットカードの有効期限、チケットの発送先の住所、氏名、電話番号等)を当該ウェブサイト上の入力フォームに入力し、登録する。
【0053】
(4)その後、入力した情報のうち利用者の発注者情報(利用者氏名、利用者住所、利用者電話番号、チケット送付先住所、チケット送付先電話番号、チケット送付先氏名等)をサービス利用情報として非接触ICカード10に書き込む。なお、利用者氏名や住所等の個人情報に関しては、次回以降の発注登録等に利用できるようにすれば、次回から当該情報の入力の手間を省くことができる。
【0054】
(5)これにより、利用者は、発注内容の控えを電子データとして取得することができるので、必要に応じて適宜、非接触ICカード10に書き込まれた利用情報を確認することが可能となり、従来のように紙等の印刷物として保存する必要がなくなる。更に、万一サーバ40側でデータの改ざんや消失があった場合にも、発注の証拠として利用することもできる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0056】
例えば以上の実施の形態では、出版物1として、旅行情報掲載誌、商品カタログ、チケット情報誌を例に挙げて説明したが、勿論これに限られず、インターネットを利用した他のサービス提供情報掲載誌全般について、本発明は適用可能である。
【0057】
また、以上の実施の形態では、ウェブサイト上において登録されたサービス利用情報を非接触ICカード10に書き込むようにしたが、上記利用情報だけでなく、ウェブサイトへのアクセス履歴等も同時に非接触ICカード10に書き込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態によるサービス提供システムの概要を説明する図である。
【図2】出版物1に付属される非接触ICカードの発行工程を説明する図である。
【図3】情報処理装置30を用いたサービス提供工程を説明する図である。
【図4】情報処理装置30の動作を説明するフロー図である。
【図5】非接触ICカード10から読み出されたURL情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1…出版物(旅行情報誌、商品カタログ、チケット情報誌)、10…非接触ICカード、20…リーダーライタ、30…情報処理装置、32…非接触ICカード読出/書込ソフトウェア、34…表示部、40…WWWサーバ、50…ICカード発行機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出版物に掲載された情報の提供元のウェブサイトへアクセスするためのネットワーク特定情報が格納された非接触通信媒体と、この非接触通信媒体との間で情報の読出し/書込みを行うリーダーライタ手段を具備しインターネットに接続可能な情報処理装置とからなり、
前記情報処理装置は、前記非接触通信媒体から読み出したネットワーク特定情報を表示するとともに、表示されたネットワーク特定情報からアクセスしたウェブサイトにおいて登録したサービスの利用情報を前記非接触通信媒体へ書き込む
ことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
前記出版物は旅行情報の掲載誌であり、前記利用情報は前記ウェブサイトにおいて登録したサービスの予約情報である
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記出版物は商品情報の掲載誌であり、前記利用情報は前記ウェブサイトにおいて登録した商品の発注情報である
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記出版物は映画、演劇、コンサートその他の興行情報の掲載誌であり、前記利用情報は前記ウェブサイトにおいて登録したチケットの予約発注情報である
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記ネットワーク特定情報は、前記出版物には掲載されておらず前記非接触通信媒体にのみ電子データとして格納されている
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記非接触通信媒体は、前記出版物に対して分離自在に付属されている
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記非接触通信媒体は、前記出版物を前記リーダーライタ手段に近接させたときに所定の通信が行えるページ領域に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−4327(P2006−4327A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182308(P2004−182308)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】