説明

サーマルプリンタおよびそれを動作させるための方法

熱を発生させるサーマルプリントヘッドを使用してドナー材料をドナーウェブ上のドナーパッチからレシーバ媒体に付着させるプリンタおよびこうしたプリンタを動作させるための方法が提供される。本方法は、ある量の画像の印刷を要求する印刷命令を受けるステップと、プリントヘッドの温度を決定するステップと、上記ある量の画像のうち指定された数を1つのシーケンスに印刷するステップと、プログラム遅延の時間の長さを決定するステップと、決定された長さの時間のプログラム遅延について印刷を遅延させるステップと、上記ある量の画像から残っている画像を印刷するステップとを含む。各プログラム遅延の長さは、プリントヘッドの温度とプリントヘッドの冷却の時間速度とを使用して決定され、印刷中にプリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐのに十分な冷却時間を設けるような方法で決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシーバウェブ上に画像を形成するために材料をドナーウェブからレシーバウェブに付着させるタイプのサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマル印刷では、一般に、染料、着色剤または他の塗布剤などの1つ以上のドナー材料をレシーバ媒体に加熱し押圧することによって画像を表現することが良く知られている。ドナー材料は、サイズ処理されたドナーパッチの形でドナーリボンとして知られる可動ウェブの上に与えられる。ドナーパッチは、画像をレシーバ媒体の上に記録させるために各セットが使用されるべきドナーパッチの全てを含むドナーセットにリボンの上で系統立てられる。フルカラー画像のためには、イエロー、マゼンタおよびシアンのドナー染料パッチなどの多色染料パッチが使用されることができる。他の色パッチの構成が同じ方法でドナーセットの中で使用されることができる。さらに、各ドナーセットはオーバーコート層または封止層を含むことができる。
【0003】
サーマルプリンタは、真に連続的なトーン階調変化の提供ならびに形成された画像を機械的および環境的損傷から保護するために保護用オーバーコート層を印刷工程の一部として堆積させる能力を含む写真印刷の広範囲な利点をもたらす。したがって、現在、最も人気の高い写真キオスクおよび家庭用のフォトプリンタはサーマル印刷技術を使用している。
【0004】
しかし、こうしたプリンタに画像をより高速度で印刷させたいという要求がある。これは、こうしたサーマルプリンタが、ドナー材料をより高速度で転写させ、順に、画像要素(画素)当たりのドナー材料転写のための短縮された時間期間を可能にすることを必要とする。したがって、ドナー材料をレシーバ媒体に転写させるために加えられなければならない熱負荷は、この短縮された時間期間中に供給されなくてはならない。これは、ドナーリボンに加えられる温度の増加を必要とする。この高められた温度は印刷プロセスに負に影響を与えるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4496824号明細書
【特許文献2】米国特許第4797837号明細書
【特許文献3】欧州特許第0482850号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要とされるものは、特に長時間にわたる印刷ジョブ中のプリントヘッドの加熱を防ぎながら高速な印刷を可能にするサーマルプリンタの使用のための制御システムである。
【0007】
また、必要とされものは、消費者および一部の小売業者さえもがこうした遅延を印刷命令の印刷プロセスの終了と間違えることがあり、したがって、延長された印刷遅延の前に印刷されたこれらの画像だけを誤って梱包し配送することがあるような印刷命令内の個々の画像間の延長された印刷遅延を必要とすることなくこうした温度を制御できる制御システムである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様においてサーマルプリンタが提供される。このサーマルプリンタは、ドナーウェブをプリントヘッドに対して前進させるための電動システムを有するドナー搬送システムであって、前記ドナーウェブは少なくとも1つの着色ドナー材料を含むドナー材料のパッチを有するドナー搬送システムと、レシーバウェブを前記プリントヘッドに対して前進させるための電動システムを有するレシーバ搬送システムと、ドナー材料の加熱および前記ドナーウェブから前記レシーバウェブへのドナー材料の転写を作動させることができるプリントヘッドと、プリントヘッドの温度を表す熱エネルギーを感知し、プリントヘッドの温度を表す第1熱フィードバック信号を発生させるように構成された第1熱センサと、少なくとも2つの画像のシーケンスを形成するために前記レシーバウェブ上へのドナー材料の像様の転写が可能になるように前記ドナー搬送システムと、前記レシーバ搬送システムと、プリントヘッドとの動作を制御するためのコントローラであって、前記コントローラは、少なくとも1つのプログラム遅延(programmed delay)をシーケンス中の少なくとも2つの前記画像の印刷の間に割り込ませるよう動作可能であるコントローラとを備え、前記コントローラは、前記サーマルプリントヘッドの温度と前記プリントヘッドの冷却の時間速度とを使用して、画像の前記シーケンスの印刷中に前記プリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐのに十分な冷却時間を設けるように構成された方法で各プログラム遅延の長さを決定する。
【0009】
本発明の他の態様において、熱を発生させるサーマルプリントヘッドを使用してドナー材料をドナーウェブの上のドナーパッチからレシーバ媒体に付着させる印刷システムを動作させるための方法が提供される。本態様において、本方法は、ある量の画像の印刷を要求する印刷命令を受けるステップと、プリントヘッドの温度を決定するステップと、前記ある量の画像のうち指定された数を1つのシーケンスに印刷するステップと、プログラム遅延の時間の長さを決定するステップと、前記決定された長さの時間のプログラム遅延について印刷を遅延させるステップと、前記ある量の画像から残っている画像を印刷するステップとを含み、各プログラム遅延の長さは、サーマルプリントヘッドの温度とプリントヘッドの冷却の時間速度とを使用して決定され、かつ、画像のシーケンスの印刷中にプリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐのに十分な冷却時間を設けるような方法で決定される。
【0010】
本発明のさらに他の態様において、熱を発生させるサーマルプリントヘッドを使用してドナー材料をドナーウェブの上のドナーパッチからレシーバ媒体に付着させる印刷システムを動作させるための方法が提供される。本態様において、本方法は、ある量の画像の印刷を要求する印刷命令を受けるステップと、プリントヘッドの温度を決定するステップと、印刷命令の中で要求された前記ある量の画像を決定された数の画像のシーケンスに編成するステップと、各シーケンスの間にプログラム遅延を有する画像の前記シーケンスを印刷するステップとを含み、各プログラム遅延の長さは、サーマルプリントヘッドの温度とプリントヘッドの冷却の時間速度とに基づいて決定され、前記シーケンスのうち後続の1つのシーケンスの印刷の期間中にプリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐように十分な冷却時間を与えるような方法で調整される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明のプリンタ18の1つの実施形態を示す。図1に示されるように、プリンタ18は、熱および圧力を加えて材料をドナーウェブ30からレシーバ媒体26へ転写することによって画像をレシーバ媒体26上に記録することをプリントヘッド22に行わせるコントローラ20を有する。コントローラ20としては、プログラム可能なデジタルコンピュータ、プログラム可能なマイクロプロセッサ、プログラム可能なロジックコントローラ、一連の電子回路、集積回路の形状に縮小された一連の電子回路、または、一連のデスクリート部品を挙げることができるが、これに限定されない。図1の実施形態で、また、コントローラ20は、レシーバ媒体巻取りローラ42、レシーバ媒体供給ローラ44、ドナーウェブ巻取りローラ48およびドナーウェブ供給ローラ50も制御し、これらは、コントローラ20の命令による回転のためにそれぞれ動力化されて、レシーバ媒体26およびドナーウェブ30の移動を生じさせる。
【0012】
図2は、セラミック基板45の中に製造された熱抵抗器43の配列を有するコンベンショナルなサーマルプリントヘッド22の1つの実施形態の説明の底面図である。通常、アルミニウム裏板の形態であるヒートシンク47がセラミック基板45の左側49に固定される。ヒートシンク47は印刷中に熱抵抗器43によって発生された熱を急速に放散する。図2に示された実施形態では、熱抵抗器43は、(想像線で示された)プラテン46の端から端まで延在する直線状配列の形で配置される。こうした熱抵抗器43の直線状配列は、普通には、ヒートラインまたはプリントラインとして知られている。しかし、熱抵抗器43の他の非直線的な配置も使用されることができる。さらに、本発明と共に使用されることができる熱抵抗器43およびサーマルプリントヘッド22の広く多様な他の配置が存在することを理解されよう。
【0013】
熱抵抗器43は、熱抵抗器43を通る電気エネルギーの量に比例した熱を発生するように構成される。印刷中、コントローラ20は、信号を熱抵抗器43が接続されている回路基板51に送信し、ドナーパッチ34、36、38、および40からのドナー材料をレシーバウェブ26に所望の方法で付着されるようにすることを意図された方法で選択的にドナーウェブ30を加熱するように、異なる量の電気エネルギーを熱抵抗器43に加えられるようにする。
【0014】
図3に示されるように、ドナーウェブ30は、イエロードナーパッチ34.1と、マゼンタドナーパッチ36.1と、シアンドナーパッチ38.1と、透明ドナーパッチ40.1とを有する第1ドナーパッチセット32.1、ならびにイエロードナーパッチ34.2と、マゼンタドナーパッチ36.2と、シアンドナーパッチ38.2と、透明ドナーパッチ40.2とを有する第2ドナーパッチセット32.2を備える。各ドナーパッチセット32は前方端(L)および後方端(T)を有する。透明な保護コーティングを有するフルカラー画像を提供するために、各セット32.1および32.2等の4つのパッチは、図4に示されたレシーバ媒体26の共通受像領域52の上に互いに位置合わせされて印刷される。回路基板51は、可変の電気信号をコントローラ20からの信号に従って熱抵抗器43に供給する。
【0015】
第1の色が、図1および図3で観察者によって見られるように右から左に、コンベンショナルな方向に印刷される。印刷中、コントローラ20は、プリントヘッド22を上昇させかつドナーウェブ供給ローラ50およびドナーウェブ巻取りローラ48を作動させて第1ドナーパッチセット32.1の前方端Lをプリントヘッド22に前進させる。図1〜図3に示された本実施形態では、第1ドナーパッチセット32.1の前方端Lはイエロードナーパッチ34.1の前方端によって画定される。以下でより詳細に議論されるように、この前方端Lの位置は、イエロードナーパッチ34.1の前方端に対して既知の位置を有するドナーウェブ30上の印であるマーキングを検出するための位置センサを使用することによって、または以下でより詳細に議論されるようにイエロードナーパッチ34.1の前方端を直接検出することによって決定されることができる。
【0016】
また、コントローラ20は、レシーバ媒体26の受像領域52がプリントヘッド22に対して位置決めされるようにレシーバ媒体巻取りローラ42およびレシーバ媒体供給ローラ44を作動させもする。示された本実施形態では、受像領域52はレシーバ媒体26上の前方端LERおよび後方端TERによって画定される。ドナーウェブ30およびレシーバ媒体26は、イエロードナーパッチ34.1の前方端LEDがプリントヘッド22の場所で受像領域52の前方端LERと見当を合わせられるように位置を定められる。次いで、コントローラ20は、ドナーウェブ30の下部の面がプラテンローラ46によって支持されているレシーバ媒体26に合うようにモータまたは他のコンベンショナルな構造体(図示せず)にプリントヘッド22を下降させる。これは、ドナーウェブ30をレシーバ媒体26に対して押し当てておく圧力を発生する。
【0017】
次いで、コントローラ20は、レシーバ媒体26とドナーウェブ30とを共にプリントヘッド22を通り過ぎて移動させるために、レシーバ媒体巻取りローラ42と、レシーバ媒体供給ローラ44と、ドナーウェブ巻取りローラ48と、ドナーウェブ供給ローラ50とを作動させる。同時に併行して、コントローラ20は、ドナー材料イエロードナーパッチ34.1をレシーバ媒体26に転写させるためにプリントヘッド22内のヒーター要素を選択的に動作させる。
【0018】
ドナーウェブ30とレシーバ媒体26とがプリントヘッド22を離れると、ストリッププレート54がドナーウェブ30をレシーバ媒体26から分離する。ドナーウェブ30は、引き続きドナーウェブ巻取りローラ48に向かったアイドラーローラ56の上にある。図4に示されるように、レシーバ媒体26の受像領域52の後方端TERはプラテンローラ46の上にとどまる。次いで、コントローラ20は、第1ドナーパッチセット32.1内の残りのドナーパッチ36.1、38.1および40.1のそれぞれの前方端を受像領域52の前方端LERとの位置合わせに至らせるように、ドナーウェブ移動のあらかじめ定義されたパターンを使用してドナーウェブ30とレシーバ媒体26との位置を調節し、画像フォーマットを完成させるためにさらなる材料を希望する通りに転写するために印刷プロセスが繰り返される。
【0019】
コントローラ20は、ユーザ入力システム62、出力システム64、メモリ68、通信システム74およびセンサシステム80からの入力信号に基づいてプリンタ18を動作させる。ユーザ入力システム62は、ユーザからの入力を受け、この入力をコントローラ20によって使用されることができる形式に変換することが可能な任意の形態の変換器または他のデバイスを備えることができる。例えば、ユーザ入力システム62は、タッチスクリーン入力、タッチパッド入力、四方スイッチ、六方スイッチ、八方スイッチ、スタイラスシステム、トラックボールシステム、ジョイスティックシステム、音声認識システム、ジェスチャ認識システムまたは他のこうしたシステムを含むことができる。ディスプレイなどの出力システム64はオプションとして設けられ、フィードバック、情報提供または他の目的のための人が知覚可能な信号を提供するためにコントローラ20によって使用されることができる。
【0020】
また、データも、メモリ68に格納されることができる。当該データとしては、制御プログラム、デジタル画像、およびメタデータが挙げられるが、これに限定されない。メモリ68は、多くの形式をとることができ、固体データストレージデバイス、磁気データストレージデバイス、光学的または他のデータストレージデバイスを含むコンベンショナルなメモリデバイスを制限することなく含むことができる。図1の実施形態で、メモリ68は、磁気的、光学的または磁気的ディスクなどのリムーバブルメモリ(図示せず)と通信するためのリムーバブルメモリインターフェース71を有して示される。図1の実施形態で、また、メモリ68は、プリンタ18に固定されるハードドライブ72と、パーソナルコンピュータ、コンピュータネットワークまたは他の画像システムなどのコントローラ20の外部にあるリモートメモリ76とを有して示される。
【0021】
図1の実施形態で、コントローラ20は、リモートメモリ76などの外部デバイスと通信するための通信システム74を有する。通信システム74は、画像および他のデータを表す電子信号を光学的信号、無線周波数信号または他の形式の信号を用いて個別のデバイスに搬送されることができる形式に変換する、例えば、光学的変換器、無線周波数回路変換器または他の変換器であることができる。また、通信システム74は、デジタル画像および他の情報をホストコンピュータまたはネットワーク(図示せず)から受信するために使用されることもできる。また、コントローラ20は、通信システム74によって受信された信号から情報およびインストラクションを受けることもできる。
【0022】
センサシステム80は、プリンタ18内の状態およびオプションとしてプリンタ18を取り囲む環境の状態を検出しかつこの情報を印刷動作を統率するコントローラ20によって使用されることができる形式に変換するように構成された回路およびシステムを含む。センサシステム80は、その内部の媒体のタイプおよびその中でプリンタ18が使用される動作環境に応じて広く多様な形式をとることができる。
【0023】
図1の実施形態で、センサシステム80は、ドナーウェブ30の位置を検出するように構成されたオプションのドナー位置センサ82と、レシーバ媒体位置センサ84とを含む。コントローラ20は、該コントローラ20がドナーパッチセットの前方端を指示するドナーウェブ30上の1つ以上の状態を検出できるように、その移動中のドナーウェブ30の位置をモニタするためにドナー位置センサ82と協働する。これに関連して、各ドナーパッチセット32の間および/またはドナーパッチ34、36、38および40の間にマーキングまたは他の光学的、磁気的または電子的に感知可能なしるしを有するドナーウェブ30が提供されることができる。こうしたマーキングまたはしるしが与えられる場合には、位置センサ82がこれらのマーキングまたはしるしを感知しかつコントローラ20に信号を提供するために設けられる。コントローラ20は、これらのマーキングおよびしるしを使用して、いつドナーパッチセットの前方端でプリントヘッド22にドナーウェブ30が位置付けられるかを判定することができる。同様な方法で、コントローラ20は、印刷中のレシーバ媒体26を位置合わせするためにレシーバ媒体26の位置をモニタするためのレシーバ媒体位置センサ84からの信号を使用することができる。レシーバ媒体位置センサ84は、レシーバ媒体26の各受像領域の間のマーキングまたは他の光学的、磁気的もしくは電子的に感知可能なしるしを感知するよう構成されることができる。
【0024】
フル画像印刷の動作中、コントローラ20は、各印刷プロセスの開始時に第1ドナーパッチ34.1、36.1、38.1および40.1のそれぞれの前方端が受像領域52に対して適切に位置されるように、ドナーウェブ30をあらかじめ定義されたパターンの距離だけ前進されるようにする。コントローラ20は、オプションとして、ドナーウェブ巻取りローラ48またはドナーウェブ供給ローラ50を電動化するためのステッピング型モータを使用してまたはドナーウェブ30の移動を検出できる移動センサ86を使用して、ドナーウェブ30の移動の精密な制御によってこうした位置決めを達成するように構成されることができる。移動センサ84を使用した1つの例示の構成において、ドナーウェブ30に合い該ドナーウェブ30と共に動く従動輪88が設けられる。従動輪88は、移動センサ86によって光学的、磁気的または電子的に感知される表面特徴を有することができる。この1つの例は、ドナーウェブ30の移動の量を表すマーキングをその上に有する従動輪88およびこのマーキングによって反射された光を感知できる光センサを有する移動センサ86である。他のオプションの実施形態では、移動センサ84がドナーウェブ30の移動の程度の指示を提供可能にする方法で、打抜き穴、切欠き、または他の機械的手順および検出可能なしるしがドナーウェブ30の上に盛り込まれることができる。
【0025】
別法として、また、ドナー位置センサ82は、オプションとしてドナーウェブ30上のドナーパッチの色を感知するように構成されることもでき、色信号をコントローラ20に与えることができる。この代替手段において、コントローラ20は、第1ドナーパッチセット32.1などのドナーパッチセット中の第1ドナーパッチ、例えばイエロードナーパッチ34.1中に見出されることが知られている色を検出するようにプログラムされまたはさもなければ構成される。第1の色が検出されると、コントローラ20は、ドナーウェブ30がドナーパッチセットの出発点近傍に位置していることを決定することができる。
【0026】
図1および図2に示された実施形態において、センサシステム80は、例えば、サーミスタ、熱電対、バイメタルスイッチまたは他の電気的センサ、電気機械的センサ、電気光学的センサ、またはプリントヘッド22のところで熱エネルギーの量を感知するように構成された他のセンサを含むことができる第1熱センサ90を有する。第1熱センサ90は、プリントヘッド22の温度を表す第1熱フィードバック信号を発生する。示されている実施形態では、第1熱センサはセラミック基板45中に組み込まれている。しかし、これは必ず必要ではなく、第1熱センサ90は例えばヒートシンク47中または回路基板51上にも配置されることができる。通常、第1熱センサ90は、プリントヘッド22の一部分に接触して、またはプリントヘッド22に物理的に結合された構造体の中に配置される。第1熱センサ90が赤外センサなどの光電センサを備える場合は、第1熱センサは対向する面の上などプリントヘッドから離れて配置されることができる。
【0027】
また、図1および図2の実施形態に示されもするように、センサシステム80は、例えば、サーミスタ、熱電対、バイメタルスイッチまたは他の電気的センサ、電気機械的センサ、電気光学的センサ、または熱エネルギーの量を感知するように構成された他のセンサを含むことが可能なオプションの第2熱センサ92を含むことができる。第2熱センサ92は、前記プリントヘッドに近接する雰囲気の温度を表す熱エネルギーを感知するように構成される。第2熱センサは、プリントヘッドに近接する雰囲気の温度のレベルを表す第2熱フィードバック信号を発生するように構成される。示された実施形態では、第2熱センサ92は、プリントヘッドからの熱エネルギーがその中に放射されるプリントヘッド22に近接した冷却領域96内の雰囲気温度を検出する。この雰囲気温度の測定値は、プリントヘッド22からの熱の熱伝達の時間速度に反比例することを理解されよう。また、図1中の熱センサ92および冷却領域96の位置はただ例示的なだけであり、熱センサ92は、プリントヘッド22の冷却中にプリントヘッド22によってその中に放射される任意の冷却領域の温度を感知するために配置されることができることも理解されよう。
【0028】
図6は、本発明によるプリンタ18を動作させるための方法の1つの実施形態を示す流れ図である。図6の実施形態に示されるように、最初の印刷命令がプリンタによって受けられる(ステップ100)。コントローラ20は、ユーザ入力システム62によって作られた入力、通信システム74で受信された信号を受信することを含むがしかしこれに限定されないいろいろな方法で、またはリムーバブルメモリ(図示せず)によって提供されたデータを含むがしかしこれに限定されないメモリ68によって提供されたデータに応答して、印刷命令を受けることができる。
【0029】
印刷命令は、コントローラ20にとって印刷動作を開始させるのに十分なインストラクションを含む。したがって、一般に、各印刷命令は、コントローラ20がそこから印刷されるべき画像が何でありかつ印刷されるべき画像の量を決定することができる十分な情報を提供する。通常、印刷命令は印刷されるべき画像についての画像データを与えるが、しかし、印刷命令はプリンタが画像データを得ることができる場所を単に指定するだけでもよい。
【0030】
次いで、コントローラ20は、第1熱センサ90からの第1フィードバック信号に基づいてプリントヘッド22の温度を決定する(ステップ102)。図1の実施形態では、コントローラは、サーマルプリントヘッド22が最大プリントヘッド温度にあるかどうかを判断するためにプリントヘッド22の温度を使用する。
【0031】
コントローラ20は、それ以上の温度ではプリントヘッド22が印刷のために使用されるべきではない最大プリントヘッド温度を知らせるプログラミングを有する(ステップ104)。プリントヘッド22の温度が上記最大値またはそれより上にあるときは、印刷(ステップ104)は、プリントヘッド22の温度が最大プリントヘッド温度より下の温度に減少するまで(ステップ104)、遅延される(ステップ106)。
【0032】
プリントヘッド22がレディ(ready)温度の範囲内であるときは、コントローラ20は印刷命令で要請された画像の印刷を生じさせることができる(ステップ108)。この状況のもとで、コントローラ20は、印刷命令からの一連の画像を逐次的方法で印刷させる(ステップ110)。指定された数の画像が逐次に印刷された後で、コントローラ20は、さらなる画像の印刷の前にプログラム遅延を割り込ませる(ステップ112)。プログラム遅延は、プリントヘッド22が該プリントヘッド22の最大温度に到達することなくより多くの画像を印刷するために使用されることができるようにプリントヘッド22の周期的な冷却を可能にする。以下で議論されるように、プログラム遅延の継続時間は著しく変化することができる。しかし、プリントヘッド温度がレディ温度の範囲内であるときは、速い印刷速度をもたらすためにプログラム遅延の長さは最小化される。プログラム遅延の間で印刷される画像の指定された数はあらかじめ定義されることができ、使用者に選択されることもでき、またはコントローラ20によって自動的に決定されることもできる。こうした印刷の間、プリントヘッド22の温度は、該プリントヘッド22の温度が高温度の範囲にあるように上昇してしまっているかどうかを判断するために(ステップ108)コントローラ20によってモニタされる。
【0033】
同様に、プリントヘッド22が高温度の範囲にあると判断された場合には(ステップ108)、コントローラ20は、プリントヘッド22に印刷命令の少なくとも2つの逐次的印刷の間で少なくとも1つのプログラム遅延を実行させる。しかし、プリントヘッド22の温度が高温度の範囲内にあるときは、コントローラ20は拡大されたプログラム遅延の長さを決定し(ステップ122)、拡大されたプログラム遅延を実行する(ステップ124)。コントローラ20は、プリントヘッド22の温度とプリントヘッド22の冷却の時間速度とに基づいてプログラム遅延の長さを決定する。
【0034】
プリントヘッド22の冷却の時間速度は、熱抵抗器43と、適用可能な場合にはセラミック基板45およびヒートシンク47などの熱抵抗器43に位置を合わせ接触している構造体とを含むがしかしこれに限定されないプリントヘッド22の熱伝達特性の関数である。また、プリントヘッド22の冷却の時間速度は、プリントヘッド22からの熱がその中に放射される雰囲気温度に逆比例することも理解されよう。この雰囲気温度はプリンタ18の動作環境に基づいて著しく変化することがあり、したがって、印刷命令の画像の印刷中に不必要な冷却時間が割り込まれないように、コントローラ20にプリントヘッド22の冷却の時間速度を決定する能力を与えることが必要である。
【0035】
図1に示された実施形態では、第2熱センサ92は、雰囲気温度を決定するために使用され、コントローラ20がそこから冷却の時間速度を決定する(ステップ122)ことができる第2熱フィードバック信号を提供する。雰囲気温度が高くなるほどプリントヘッド22の熱を消散させるためにより長い時間が必要とされることを理解されよう。高温度印刷の期間中にプリントヘッド22が最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐために、より長いプログラム化された印刷遅延を指定された数の画像を印刷することの連続したシーケンスの間に割り込ませることは有益である。
【0036】
表1は、雰囲気温度とプログラム遅延の長さとが関係付けられる方法を示すルックアップテーブルの一例を示す。表1に見られるように、プリントヘッド22の温度は110℃〜125℃の高温度範囲にある場合である。表1に示されるように、コントローラ20は、雰囲気温度が78゜F〜85゜Fの間である間は最小プログラム遅延を使用する。しかし、雰囲気温度が増加するにつれて冷却の時間速度は減少し各プログラム遅延の長さは拡大される。
【0037】
【表1】

【0038】
例えば、コントローラ20が50画像の印刷に関する印刷命令を受け86゜F(35℃)およびそれより下の雰囲気温度であるときは、プリンタコントローラ20は、ルックアップテーブル表1を使用して、5画像などの指定された数の画像の印刷の後に生じる少なくとも最小プログラム遅延(例えば2.0秒)を有する画像当たり標準の8.5秒の印刷時間を含む印刷パターンを決定することができる。こうした量の画像を逐次的方法で印刷している間にプリントヘッド22の温度が上昇することが予期されることもあろう。しかし、行われるプログラム遅延のパターンは、21.5秒の最大遅延時間を越えるようないかなる単一の冷却期間も必要としない。こうしたパターンは少なくとも50画像の概ね連続的な印刷性能をもたらし、全体で50の印刷繰り返し時間が457秒(7分37秒)、すなわち、50回の逐次的印刷に対する平均印刷時間9.14秒が得られる。
【0039】
同様に、印刷命令が50画像の量の印刷に関する命令を雰囲気温度96゜F(35℃)の環境で備える場合には、プリンタコントローラ20は表1を参照し、全体で50の印刷繰り返し時間が618秒(10分18秒)、すなわち50回の逐次的印刷に対する平均印刷時間12.36秒を得る、周期的冷却を許容しつつ少なくとも50画像の連続印刷性能を維持することが可能であることを決定することができる。この50の逐次的印刷繰り返し時間は、標準の8.5秒の印刷時間と、この高温度において5回目毎の印刷の後の21.5秒の第2のプログラム遅延とを可能にする。ここでも、また、いずれの単一の冷却休止期間も21.5秒を超えない。
【0040】
ルックアップテーブルがコントローラ20によって使用されることができる方法には多くの異なるやり方があることを理解されよう。例えば、特定のプリンタでは、プリントヘッド22が第1範囲の温度内にあるとき一方のルックアップテーブルが適用でき、プリントヘッド22が第2範囲の温度内にあるとき他方のルックアップテーブルが適用できる2つ以上のルックアップテーブルを用意することが有用であろう。もう1つの実施形態で、また、プリントヘッド温度と雰囲気温度とを所望の長さのプログラム遅延に関係付けるために3次元のルックアップテーブルが用意されることもできる。
【0041】
コントローラ20は、印刷/プログラム遅延パターンをあらかじめ決定することができ、またはそれらの一部分が印刷動作中に決定されることができる。例えば、本発明の他の実施形態で、プリントヘッド22の冷却の時間速度は第2熱センサ92を必要とすることなくコントローラ20によって決定されることができる。この実施形態では、プリントヘッド22が高温度である期間中は最少量の時間のプログラム遅延をもたらすように構成され、この最小量の時間のプログラム遅延中に、コントローラ20は、第1フィードバック信号をモニタすることによって第1熱センサ90のところの温度の変化の時間速度を決定して、最小プログラム遅延中に生じる温度変化の量を決定する。次いで、コントローラ20は、最小プログラム遅延中のプリントヘッド22のところの温度変化の範囲に基づいてプリントヘッド22の冷却の時間速度を決定し、これから任意の所望の拡大された遅延の量を決定する。
【0042】
他の実施例で、コントローラ20は、プリントヘッド22の温度をモニタするように構成されることができ、および/またはプログラム化された休止の最小区間中のプリントヘッド22の冷却の時間速度を決定し、次のシーケンスの指定された数の印刷されるべき画像がプリントヘッド22を最大温度まで加熱することなく印刷されるのを可能にする方法で該プログラム化された休止の長さを決定するように構成されることができる。
【0043】
オプションとして、ルックアップテーブルの使用の代わりに、プログラム遅延の長さは、プリントヘッドの温度と冷却の時間速度とに基づいてコントローラ20によって行われる数学的計算に準拠して決定されてもよく、または、他の関数関係の自動実行が使用されてもよい。
【0044】
コントローラ20は、上記の実施例ですでに説明されたように5回目毎の印刷の後などの静的に指定された数の画像が印刷された後の1つのプログラム遅延とは異なるパターンで、プログラム遅延を実行するように構成されることができることを理解されよう。特に、コントローラ20は、各画像の間に、2つの画像の後に、などにプログラム遅延を指定することができる。さらに、こうした決定は、印刷されるべき画像の数、プリントヘッド22の初期温度およびオプションとしてプリントヘッド22の冷却の時間速度に基づいて行われることができる。例えば、コントローラ20は、大きなバッチの画像に関して指定された数の印刷された画像の後でプログラム遅延を実行し、より小さなバッチの画像に関して異なる指定された数の画像の後にプログラム遅延を実行するように構成されることができる。
【0045】
反対に、オプションとして、印刷命令が印刷命令中の6または7の画像だけが印刷されることを要請している上記の実施例などのように、コントローラ20が印刷命令の残りは指定された数の画像よりも少ない量の画像を要求していると決定した場合には(ステップ116)、コントローラ20は、拡大されたプログラム遅延の実行を省略するように、またはプログラム遅延の実行を完全に省略するように構成されることができる。このような方法で、指定された数の画像を若干超えただけである短いバッチの画像は、不必要なプログラム遅延を行うことなく印刷されることができる(ステップ118)。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の制御システムの1つの実施形態を有するプリンタを示す図である。
【図2】図1のプリンタ中に使用されるサーマルプリントヘッドの1つの実施形態の下面図である。
【図3】ドナーウェブを示す図である。
【図4】印刷中のプリントヘッド、プラテン、ドナーウェブおよびレシーバウェブを示す図である。
【図5】印刷中のプリントヘッド、プラテン、ドナーウェブおよびレシーバウェブを示す図である。
【図6】本発明によるプリンタを動作させるための方法の1つの実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
18 プリンタ、20 プリンタコントローラ、22 プリントヘッド、26 レシーバ媒体、30 ドナーリボン、32.1 第1ドナーパッチセット、32.2 第2ドナーパッチセット、34.1 イエロードナーパッチ、34.2 イエロードナーパッチ、36.1 マゼンタドナーパッチ、36.2 マゼンタドナーパッチ、38.1 シアンドナーパッチ、38.2 シアンドナーパッチ、40.1 透明ドナーパッチ、40.2 透明ドナーパッチ、42 レシーバ媒体巻取りローラ、43 熱抵抗器、44 レシーバ媒体供給ローラ、45 セラミック基板、46 プラテンローラ、47 ヒートシンク、48 ドナーウェブ巻取りローラ、49 セラミック基板の左側、50 ドナーウェブ供給ローラ、51 回路基板、52 受像領域、54 ストリッププレート、56 アイドラーローラ、62 ユーザ入力システム、64 出力システム、68 メモリ、71 リムーバブルメモリインターフェース、72 ハードドライブ、74 通信システム、76 リモートメモリ、80 センサシステム、82 ドナー位置センサ、84 レシーバ媒体位置センサ、86 移動センサ、88 従動輪、90 第1熱センサ、92 第2熱センサ、L ドナーパッチセットの前方端、T ドナーパッチセットの後方端、LED ドナーパッチの前方端、TED ドナーパッチの後方端、LER 受像領域の前方端、TER 受像領域の後方端。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドナーウェブをプリントヘッドに対して前進させるための電動システムを有するドナー搬送システムであって、前記ドナーウェブは少なくとも1つの着色ドナー材料を含むドナー材料のパッチを有するドナー搬送システムと、
レシーバウェブを前記プリントヘッドに対して前進させるための電動システムを有するレシーバ搬送システムであって、前記プリントヘッドはドナー材料の加熱および前記ドナーウェブから前記レシーバウェブへのドナー材料の転写を作動させることができるレシーバ搬送システムと、
前記プリントヘッドの温度を表す熱エネルギーを感知し、前記プリントヘッドの前記温度を表す第1熱フィードバック信号を発生させるように構成された第1熱センサと、
少なくとも2つの画像のシーケンスを形成するために前記レシーバウェブ上へのドナー材料の像様の転写が可能になるように、前記ドナー搬送システムと、前記レシーバ搬送システムと、前記プリントヘッドとの動作を制御するためのコントローラであって、前記コントローラは、少なくとも1つのプログラム遅延を前記シーケンス中の少なくとも2つの前記画像の印刷の間に割り込ませるように動作可能であるコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記サーマルプリントヘッドの前記温度と前記プリントヘッドの冷却の時間速度とを使用して、画像の前記シーケンスの印刷中に前記プリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐのに十分な冷却時間を設けるように構成される方法で、各プログラム遅延の長さを決定する、
サーマルプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタであって、前記サーマルプリントヘッドは面に取り付けられたアレイ状の熱抵抗器を備え、前記第1熱センサは前記面に取り付けられる、プリンタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプリンタであって、前記コントローラは、さらに、印刷命令の中で要求された全ての量の画像を印刷するために必要とされる総時間を最小化するような方法で各プログラム遅延の長さを決定する、プリンタ。
【請求項4】
請求項2に記載のプリンタであって、前記コントローラは、前記第1フィードバック信号と前記決定された前記プリントヘッドの冷却の時間速度に基づいて前記プログラム遅延をいつ実行するかを決定するように構成される、プリンタ。
【請求項5】
請求項1に記載のプリンタであって、前記プリントヘッドに近接した雰囲気温度を表す熱エネルギーを感知するように構成された第2熱センサをさらに備え、前記第2熱センサは前記プリントヘッドの前記雰囲気温度のレベルを表す第2熱フィードバック信号を発生させるようにさらに構成され、前記コントローラは前記第2熱フィードバック信号中に示された前記雰囲気温度に基づいて前記冷却の時間速度を決定する、プリンタ。
【請求項6】
請求項5に記載のプリンタであって、前記第2熱センサは、前記プリントヘッドに近接し前記プリントヘッドからの熱エネルギーがその中に放射される領域の雰囲気温度を検出する、プリンタ。
【請求項7】
請求項1に記載のプリンタであって、前記コントローラは、最小期間中の前記プリントヘッドの前記温度の変化に基づいて冷却の時間速度を決定し、かつ前記決定された冷却の時間速度と前記プリントヘッドの前記温度とに基づいて前記プログラム遅延を前記最小期間より拡大させるかどうかを決定するための、前記コントローラが前記プリントヘッドの前記温度をモニタする最小期間にわたって前記プログラム遅延を実行するように構成されている、プリンタ。
【請求項8】
請求項1に記載のプリンタであって、各プログラム遅延は最小の時間の長さを有し、前記プログラム遅延は前記最小の時間の長さの20倍の期間まで拡大可能である、プリンタ。
【請求項9】
請求項1に記載のプリンタであって、前記コントローラは、前記印刷命令から印刷されるべき画像の数を決定しかつ印刷ジョブ中の冷却時間の全体の量を最小化するように意図されたプログラム遅延のパターンを決定するように構成され、前記パターンは前記プリントヘッドの前記温度と前記印刷ジョブの開始時の前記雰囲気温度とに基づく、プリンタ。
【請求項10】
請求項1に記載のプリンタであって、プログラム遅延の前記長さは、前記プリントヘッド温度に比例し前記決定された前記プリントヘッドの冷却の時間速度に反比例する、プリンタ。
【請求項11】
熱を発生させるサーマルプリントヘッドを使用してドナー材料をドナーウェブ上のドナーパッチからレシーバ媒体に付着させるプリンタを動作させるための方法であって、
ある量の画像の印刷を要求する印刷命令を受けるステップと、
前記プリントヘッドの温度を決定するステップと、
前記ある量の画像のうち指定された数を1つのシーケンスに印刷するステップと、
プログラム遅延の時間の長さを決定するステップと、
前記決定された前記プログラム遅延の時間の長さについて印刷を遅延させるステップと、
前記ある量の画像から残っている画像を印刷するステップと、
を含み、
各プログラム遅延の前記長さは、前記プリントヘッドの前記温度と前記プリントヘッドの冷却の時間速度とを使用して決定され、かつ、画像の前記シーケンスの印刷中に前記プリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐのに十分な冷却時間を設けるような方法で決定される、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ある量の画像から残っている画像を印刷するステップは、残っている画像の量は前記指定された画像の数よりも大きいことを決定するステップと、前記印刷命令から前記指定された数の画像の追加のシーケンスを印刷するステップと、追加のプログラム遅延の時間の長さを決定するステップと、前記決定された追加のプログラム遅延の時間の長さについて遅延させるステップと、前記ある量の画像から残っている画像を印刷するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記プリントヘッドの冷却中に前記プリントヘッドによって放射された熱がその中に流れ込む領域内の温度を感知しかつ前記雰囲気温度に基づく前記冷却の時間速度を決定することによって、前記プリントヘッドの冷却の時間速度を決定するステップをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記プリントヘッドをある時間期間にわたって冷却させ、該期間中の前記温度の変化を感知し、該期間中の前記プリントヘッドでの温度の前記変化に基づいて冷却の時間速度を決定することによって、前記プリントヘッドの冷却の時間速度を決定するステップをさらに含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、各プログラム遅延は最小期間に伸び、前記プログラム遅延は、前記プリントヘッドの温度に比例しかつ決定された前記プリントヘッドの冷却の時間速度に反比例する拡大されたプログラム遅延の長さを有する、前記最小期間より大きい時間の長さに拡大可能である、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記プログラム遅延の長さを決定するステップは、最小プログラム遅延時間にわたって印刷を遅延させることと、前記最小プログラム遅延時間中に前記遅延の前記長さが前記最小プログラム遅延時間よりも長くあるべきかを決定することと、を含む、方法。
【請求項17】
熱を発生させるサーマルプリントヘッドを使用してドナー材料をドナーウェブの上のドナーパッチからレシーバ媒体に付着させるプリンタを動作させるための方法であって、
ある量の画像の印刷を要求する印刷命令を受けるステップと、
前記プリントヘッドの温度を決定するステップと、
前記印刷命令の中で要求された前記ある量の画像を決定された数の画像のシーケンスに編成するステップと、
各シーケンスの間にプログラム遅延を有する画像の前記シーケンスを印刷するステップと、
を含み、
各プログラム遅延の長さは、前記サーマルプリントヘッドの前記温度と前記プリントヘッドの冷却の時間速度とに基づいて決定され、前記シーケンスのうち後続の1つのシーケンスの前記印刷の間に前記プリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐように十分な冷却時間を与えるような方法で調節される、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記決定されたプログラム遅延は、印刷に必要とされる総時間を最小化しつつ前記印刷命令の前記画像の前記印刷中に前記プリントヘッドが最大プリントヘッド温度に到達するのを防ぐためにさらに調節される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、各プログラム遅延は最小量の時間以上であり、任意のプログラム遅延は前記最小量の時間の約20倍の期間まで拡大可能である、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、プログラム遅延の前記長さは、プリントヘッドの温度に比例し、前記決定された前記プリントヘッドの冷却の時間速度に反比例する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−509812(P2009−509812A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533449(P2008−533449)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/036741
【国際公開番号】WO2007/038167
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】