説明

サーマルヘツドの製造方法

【目的】 各ヘッドにおける発熱抵抗体の抵抗値のばらつきと、ドット単位における発熱抵抗体の抵抗値のばらつきとを均一化して、印字品質を向上させるサーマルヘッドの製造方法を提供することである。
【構成】 絶縁性基板1上にグレーズ層2を設け、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体3をグレーズ層2に形成し、抵抗体3上に共通電極となるパターン導体4及び個別電極となるパターン導体5を形成し、更にパターン導体を覆う保護膜6を形成した後、印字動作時に必要なドット温度以上の温度になるように抵抗体3を加熱する。また、抵抗体膜を真空中でアニールして発熱抵抗体を作製した後、共通電極となるパターン導体及び個別電極となるパターン導体を形成し、更に、パターン導体4,5及び発熱抵抗体を覆う保護膜を形成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドの製造方法に関し、特に発熱抵抗体の抵抗値を均一化する工程を有するサーマルヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜型サーマルヘッドは、例えば図1に示すように、セラミック基板1上にグレーズ層2を設け、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体3をグレーズ層2上に形成する。次に、抵抗体3の一部分を帯状に露出するように、抵抗体3の上面に、共通電極となるパターン導体4と、個別電極となるパターン導体5を形成する。そして、これらパターン導体4、5及び抵抗体3の露出部分を保護膜6で被覆することによって薄膜型サーマルヘッドが製造される。通常は、所定のドット数を得るために、前記の如き構造のヘッドを印字走査方向に複数枚並べて配置する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、薄膜型サーマルヘッドのドット抵抗値は、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる抵抗体膜を作製する時の抵抗体膜のシート抵抗とドットサイズで決定される。印字品質を悪化させる要因となるサーマルヘッドにおける発熱抵抗体の抵抗値のばらつきは、抵抗体膜のシート抵抗のばらつきと、フォトリソグラフィ工程におけるエッチング等の条件変動により生ずるドットサイズのばらつきとによって発生する。
【0004】一方、各ヘッドによって発熱抵抗体の平均抵抗値がばらつく要因は、混合焼結ターゲットを用いたスパッタ等によって作製される抵抗体膜のシート抵抗のばらつきによるものである。
【0005】これら抵抗値のばらつきを減少させれば、印字品質を向上させることができると共に、複数のヘッドを印字装置に装着する時に各ヘッドの発熱抵抗体の抵抗値に応じて印加電極を調整しなくてもよい等の種々の利点が得られるが、抵抗値のばらつきを少なくするには技術的に困難な点が多い。
【0006】抵抗値のばらつきを抑えるために、薄膜抵抗体のトリミング処理に関して様々な方法が提案されてはいるが、いずれもレーザやブラスター等によって抵抗体の形状を変化させる方法であり、サーマルヘッドには適していない。そのため、トリミング処理を行わずに、発熱抵抗体の抵抗値のばらつきを抑える必要があるが、これにはサーマルヘッドの製造方法で各種処理を行う上で必要な条件(スパッタ条件、スパッタ材料、フォトリソグラフィ条件等)を厳しく管理する必要がある。この条件が少しでも変動すると、抵抗値のばらつきが生起することになる。
【0007】一方、発熱抵抗体3の高比抵抗を実現するために、前述のようにその材料として高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料が使用されている。この薄膜抵抗体材料は、一般に混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式により成膜される。しかし、薄膜抵抗体材料からなる多元系材料の抵抗体膜は膜の構造欠陥が発生し易く、スパッタ条件の変化に伴って抵抗体膜の比抵抗が変化し易い。即ち、スパッタの真空度を高めるほど比抵抗が大きくなる。このため、スパッタ条件を厳密に管理しないと、発熱抵抗体の抵抗値にばらつきが生ずる。これは、各抵抗体の発熱量が異なることになり、ドット印字に濃淡が生じ、印字品質を悪化させる要因になる。
【0008】このように、上記の如き薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体にみられる問題点を要約すると次の通りである。
【0009】■スパッタ条件の厳しい管理が必要である。
【0010】条件の変動は発熱抵抗体の比抵抗を変化させ、その結果として抵抗体作製後に抵抗体の抵抗値がばらつくことになる。これは印字品位のばらつきの要因となる。
【0011】■サーマルヘッドとして印字後に発熱抵抗体の抵抗値が低下する。
【0012】これも印字品位のばらつきの原因となる。例えば、サーマルヘッドとして使用した初期に何度も印字したドットと余り印字していないドットが同時にパルス印加された場合、ドットを構成する抵抗体の抵抗値に差があるため、印字濃度やドットサイズにばらつきが生ずることになる。この印字品位のばらつきは、ドット単位の抵抗値の均一性が厳しく求められるカラープリンタ用ヘッドでは特に顕著である。
【0013】従って、本発明の目的は、上記問題点に鑑み、各ヘッドにおける発熱抵抗体の抵抗値のばらつきと、ドット単位における発熱抵抗体の抵抗値のばらつきとを均一化して、印字品質を向上させると共に、各ヘッドによる発熱抵抗体の抵抗値のばらつきを均一化して、複数のヘッドの装着時における印加電圧の調整を不要にするサーマルヘッドの製造方法を提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、上記問題点■、■に鑑み、発熱抵抗体の作製時のみならず、作製後のサーマルヘッドとして印字動作を繰り返しても、抵抗体の抵抗値を安定させ、印字品質を向上させることができるサーマルヘッドの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体を持つサーマルヘッドの製造方法において、保護膜を成膜した後に、印字動作時に必要なドット温度以上の温度になるような電力を発熱抵抗体に印加する工程を有することを特徴とする。
【0016】本発明の製造方法によれば、発熱抵抗体に電力を印加する工程を有するから、抵抗体の抵抗値を所定値まで減少させることができる。この工程は、抵抗体の形状を変えないで抵抗値を調整することができ、その処理作用から一種のトリミング処理と見なすことができ、以下ではこの工程をトリミング工程と称することにする。
【0017】
【作用】また、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体を形成する工程を有する製造方法において、薄膜抵抗体材料を成膜した後に、抵抗体膜を真空中でアニールする工程を有することを特徴とする。
【0018】本発明の製造方法は、前述した如く保護膜を成膜した後に、発熱抵抗体に電力を印加する工程を有することが特徴であり、保護膜を形成するまでの工程は従来と同様に行えばよい。即ち、まず高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料を、例えば混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式によって基板上(実際には基板上に設けたグレーズ層上)に成膜する。次に、共通及び個別電極となる導体膜を成膜し、この導体膜に対してフォトエッチングを施して所望の電極パターンを形成した後、保護膜を成膜する。この後に、本発明の特徴である前記トリミング工程を行う。この工程では抵抗体膜に電力を印加することが重要であり、その電力は印字動作に必要なドット温度以上の温度になるような電力である。この印加電力についての詳細は以下の実施例に記載する。
【0019】本発明の製造方法によれば、発熱抵抗体の作製中やサーマルヘッドとしての印字後に抵抗体の抵抗値が変化し難く、抵抗体の抵抗値が安定し、印字品質が劣化し難くなる。しかも、抵抗体作製時のスパッタ条件を従来ほど厳格に管理する必要もなくなる。
【0020】本発明の製造方法において、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料を基板上(実際には基板上に設けたグレーズ層上)に成膜するのは、従来と同様に混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式でよい。このスパッタ後に、抵抗体膜を真空中でアニールし、発熱抵抗体を作製する。本発明でのアニールは特にその温度を要件とし、その要件とは、アニールの温度が印字動作時に必要なドット温度以上の温度である。このアニール温度についての詳細は以下の実施例に記載する。
【0021】なお、発熱抵抗体を作製する工程以前及び以後の工程は、従来と全く同様に行なえばよく、発熱抵抗体を構成する薄膜抵抗体材料も従来のものをそのまま使用する。
【0022】
【実施例】以下、本発明のサーマルヘッドの製造方法を実施例に基づいて説明する。
【0023】図1は、前述したように、従来のサーマルヘッドの断面図である。このサーマルヘッドの構造自体は本発明のものと特に異なるところはないが、保護膜を形成した後に、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗材料からなる抵抗体膜に、印字動作時に必要なドット温度以上の温度になるような電力を印加する点が相違する。
【0024】図1のサーマルヘッドは、セラミック等の絶縁性基板1上にグレーズ層2を設け、高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体3をグレース層2上に形成し、抵抗体3の一部分を帯状に露出するように抵抗体3の上面に、共通電極用のパターン導体4と個別電極用のパターン導体5を形成し、更にパターン導体4、5及び抵抗体3の露出部分を保護膜6で被覆することにより製造したものである。
【0025】次に、上記サーマルヘッドの発熱抵抗体3に対して行う本発明の製造方法におけるトリミング工程を説明する。その前に、抵抗体3に印加する電力に関して述べる。
【0026】発熱抵抗体3の構成材料である高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料は、抵抗体3の高比抵抗を実現するために使用するものである。この薄膜抵抗体材料は、一般に混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式により成膜される。しかし、薄膜抵抗体材料からなる多元系材料の抵抗体膜は膜の構造欠陥が発生し易く、図2に示すようにスパッタ条件の変化に伴って抵抗体膜の比抵抗が変化し易い。即ち図2によれば、スパッタの真空度を高めるほど比抵抗が大きくなることが分かる。
【0027】又、薄膜抵抗体材料を発熱材料としたサーマルヘッドにおいて、印字濃度D=1.2を得る印加エネルギーを基準にして空印字連続印加試験を行った結果を図3に示す。図3は、発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示す。これによると、パルス印加の初期において約7%の抵抗値降下が認められる。これは、パルス印加による発熱のため、抵抗体膜中の構造欠陥の再配列が起こり、抵抗体膜中の歪が緩和されて抵抗値が下がるアニーリング効果によるものと考えられる。
【0028】本発明の製造方法は、この比抵抗とスパッタ真空度との関係、及び抵抗値変化率と印加パルス数との関係から理解される現象を、トリミング工程による発熱抵抗体の抵抗値の調整に積極的に利用するものである。
【0029】一方、図4は、初期には発熱抵抗体に2.4W/dotの電力を印加し、抵抗体の抵抗値の安定傾向が認められた後に、印加電力を2.7W/dotに増大した場合における印加パルス数と抵抗値変化率との関係を示すグラフである。又、図5は、初期から2.7W/dotの電力を印加した場合の印加パルス数と抵抗値変化率との関係を示すグラフである。これら図4及び図5R>5に示す関係から、図6に示すトリミング工程A又は図7R>7に示すトリミング工程Bで抵抗値を調整することができる。
【0030】他方、サーマルヘッドとしての使用時における抵抗値の安定性は、抵抗値の調整のために印加した電力に依存する。次に、この点について述べる。
【0031】まず、図8の左のグラフは2.1W/dotの電力を投入した時の発熱抵抗体の抵抗値の変化率と印加パルス数との関係を示す。このグラフでは、15×103 パルス数で抵抗値は安定傾向となる。この安定傾向となった抵抗体を有するサーマルヘッドに対して、安定後の抵抗体の抵抗値を基準としてステップストレス試験を行い、その結果として抵抗値変化率と印加電力との関係を図8の右のグラフに示す。これによると、安定化に要した電力(2.1W/dot)までは抵抗体の抵抗値変化は少なく、それ以上の投入電力で抵抗値の減少が認められる。
【0032】又、図9の左のグラフは2.4W/dotの電力を投入した時の例である。投入電力を増大させると、抵抗値が安定化(15×103 パルス数の印加)するまでの抵抗値の変化率が大きくなるが、それ以後の現象は図9で述べたことと同様である。図9の右のグラフに示すステップストレス試験も、図8で述べた通りのことが相当する。
【0033】図8及び図9に示す関係から、サーマルヘッドとしての使用状態における抵抗体の抵抗値の安定性を求めるには、トリミング処理で印加する最終パルスが少なくとも使用時に印加する電力以上のパルスでなければならないことが分かる。
【0034】以上のことから、トリミング工程の実際の手順は次の通りになる。
【0035】■:設計されたサーマルヘッドの印字条件(発熱抵抗体の発熱温度、印加電力等)における抵抗体の発熱温度(ドット温度)以上の発熱温度になるような印加条件(印加パルス数、印加電力等)にてパルスエージングを行ない、これに基づき抵抗体の抵抗値が安定化した時の抵抗値変化率を測定する。
【0036】■:■で求めた抵抗値変化率の範囲内に収まるような抵抗体膜のシート抵抗値を決定し、このシート抵抗値を、混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式によって高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料をグレーズ層上に成膜する時の目標抵抗値とする。
【0037】■:■で定めた印加条件に基づき、単発又は複数パルスを抵抗体膜に印加し、抵抗体膜の抵抗値を予め設定した抵抗値に調整する。
【0038】この手順■〜■はトリミング工程A,Bに共通するものであるが、工程Bの場合は手順■での少なくとも最初の印加電力は前記設計されたサーマルヘッドの印字条件における印加電力以上の電力から開始する必要がある。
【0039】上記手順■〜■を行うことで、発熱抵抗体に対するトリミング工程が終了する。勿論、手順■はサーマルヘッドの製造工程とは別に実施し、手順■は基板上にグレーズ層を設けた後に実施し、手順■は保護膜を成膜した後に実施するものである。
【0040】次に、上記サーマルヘッドで、本発明の真空中でのアニールを行う他の実施例を説明する。
【0041】図10は、抵抗体膜の真空アニール温度と抵抗体膜のシート抵抗値変化率との関係を示している。更に、図11は400℃及び700℃の各々の温度でアニールした抵抗体膜を有するサーマルヘッドのステップストレス試験の結果を、即ち抵抗値変化率と印加電力との関係を示している。これらによると、図10では真空アニール温度を高めるほど抵抗値変化率が大きくなり(抵抗値が減少し)、図11では印加電力を増やすほど抵抗値変化率が大きくなる(抵抗値が増加する)ことが分かる。従って、真空アニール温度を高くすれば抵抗値の安定性が増すと推定される。
【0042】以上のことから、最適のアニール条件を得るための手順を説明する。
【0043】まず、設計されたサーマルヘッドの印字条件(印加パルス数や印加電力等)を加味して図8(又は図9)に示す如きパルスエージングを行い、これに基づき抵抗体の抵抗値が安定化した時の抵抗値変化率を測定する。
【0044】次に、予め実験により求められた図10に示すようなシート抵抗値変化率と真空アニール温度との関係を示すグラフから、前記抵抗値変化率と一致する時のアニール温度を求める。この温度が最適なアニール条件となる。例えば、図8の左のグラフに示す2.1W/dotにおけるパルスエージングで安定傾向となった時の抵抗値変化率が約−5(ΔR/R・%)であるから、図10のグラフで変化率が−5の時の真空アニール温度は約600℃となる。同様に図9の左のグラフでは安定傾向時における抵抗値変化率が約−8(ΔR/R・%)であり、図10に当て嵌めると真空アニール温度は約680℃になる。
【0045】なお、アニール時間は、印字条件やアニール温度によって異なるが、20〜60分程度が妥当である。
【0046】このように、通常の混合焼結ターゲットを用いたスパッタ方式により薄膜抵抗体材料を成膜した後、上記の如く求まるアニール温度且つ真空中で抵抗体膜をアニールすることにより、発熱抵抗体を作製する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、保護膜を成膜した後に、薄膜抵抗体材料からなる抵抗体膜に所定の電力を印加するから、下記の効果を奏する。
(1)各サーマルヘッドにおける発熱抵抗体の抵抗値にばらつきがなくなり、その抵抗値を均一化できる。
(2)ドット単位における発熱抵抗体の抵抗値にばらつきがなくなり、その抵抗値を均一化できる。
(3)(1),(2)より、印字品質を向上させることができ、サーマルヘッドとして長期に渡って高品質の印字が保証される。
(4)各サーマルヘッドによる発熱抵抗体の抵抗値にばらつきがなくなり、その抵抗値が均一になる。
(5)(4)より、複数のサーマルヘッドを印字装置に装着する時に各ヘッドにおける印加電圧の調整をする必要がなくなる。
【0048】また、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、薄膜抵抗体材料を成膜した後に抵抗体膜を真空中でアニールするから、下記の効果を奏する。
(1)薄膜抵抗体材料を成膜する際のスパッタ条件を厳密に管理する必要がなく、条件に多少変動があっても作製後の抵抗体の抵抗値にばらつきは余り発生しない。
(2)サーマルヘッドとして印字した後でも発熱抵抗体の抵抗値が殆ど低下せずに安定するため、印字の濃淡やドットサイズの大小といった不具合は起こらない。
(3)(1),(2)より、印字品質を向上させることができ、サーマルヘッドとして長期に渡って高品質の印字が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を用いて製造したサーマルヘッドの一実施例の断面図である。
【図2】高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体の特性を説明するために、比抵抗とスパッタ真空度との関係を示すグラフである。
【図3】高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体の特性を説明するために、空印字連続印加試験における抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の製造方法を説明するために、2.4W/dot及び2.7W/dotにおける発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の製造方法を説明するために、2.7W/dotにおける発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の製造方法におけるトリミング工程の一例を示す流れ図である。
【図7】本発明の製造方法におけるトリミング工程の別例を示す流れ図である。
【図8】本発明の製造方法を説明するために、2.1W/dotにおける発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示すグラフ(左)、及び抵抗値変化率と印加電力との関係を示すグラフ(右)である。
【図9】本発明の製造方法を説明するために、2.4W/dotにおける発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加パルス数との関係を示すグラフ(左)、及び抵抗値変化率と印加電力との関係を示すグラフ(右)である。
【図10】本発明の製造方法を説明するために、抵抗体膜のシート抵抗値変化率と真空アニール温度との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の製造方法を説明するために、400℃及び700℃の各々の温度でアニールを行った場合における発熱抵抗体の抵抗値変化率と印加電力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 グレーズ層
3 発熱抵抗体
4,5 パターン導体
6 保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】 高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体を持つサーマルヘッドの製造方法において、保護膜を成膜した後に、印字動作時に必要なドット温度以上になるよう発熱抵抗体を加熱する工程を有することを特徴とするサーマルッドの製造方法。
【請求項2】 請求項1において、発熱抵抗体の加熱は各ドット毎に行われることを特徴とするサーマルッドの製造方法。
【請求項3】 高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体を持つサーマルヘッドの製造方法において、保護膜を成膜した後に、印字動作時に必要なドット温度以上の温度になるような電力を発熱抵抗体に印加する工程を有することを特徴とするサーマルッドの製造方法。
【請求項4】 請求項3において、発熱抵抗体への電力印加は各ドット毎に行われることを特徴とするサーマルッドの製造方法。
【請求項5】 高融点金属と絶縁材料との混合組成の薄膜抵抗体材料からなる発熱抵抗体を形成する工程を有する製造方法において、薄膜抵抗体材料を成膜した後に、抵抗体膜を真空中でアニールする工程を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
【請求項6】 前記アニールの温度が印字動作時に必要なドット温度以上の温度であることを特徴とする請求項3記載のサーマルッドの製造方法。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図8】
image rotate


【図6】
image rotate


【図9】
image rotate


【図7】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate