説明

シェービングムース用エアゾール噴射装置

本発明は、シェービングムースの容器(10)のための噴射装置(20)に関する。本発明の課題は、手動でのひげそりに必要なさまざまな部品を簡単に得ることができる噴射装置を提供することである。この課題は、噴射装置(20)にカミソリ刃(40)の固定手段(25)を備えることで達成される。このようにすると、使用状態において容器がカミソリの柄の役割を果たすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェービングムースの容器のための噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手動のカミソリは依然として広く普及している。剃ったあとの刺激感を緩和するため、剃る前にひげそり用のムースを塗布することが奨励されている。このムースは、ひげそり石鹸を泡立てて得ることもできるが、石鹸及び推進剤が入った容器と、この容器のバルブを作動させてムースを得ることができる噴射装置とで構成されるエアゾール装置に入っていることが最も多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
使用者が外出する際には、シェービングムースとカミソリの両方を持ち歩かなければならない。カミソリの刃は、人を傷つけることがないように保護しなければならない。また、柄から刃を取り外せば部品が1つから2つになってしまい、刃を柄に残したままでは刃が柄に対して直角に位置しているために多くの場所を取ってしまう。このカミソリの柄と刃の2つの部品、またはシェービングムースを加えて3つの部品は、洗面具入れのかなりの場所を取ってしまう。
【0004】
そこで本発明は、手動でのひげそりに必要なさまざまな部品を簡単に得ることができる噴射装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、噴射装置にカミソリ刃の固定手段を備えることで達成される。このようにすると、使用状態において、容器がカミソリの柄の役割を果たすことができる。
【0006】
噴射装置は、略円筒状または円錐台形の本体を有し、カミソリ刃の固定手段は、この本体の円筒または円錐台の延長線よりも内側に配置することが好ましい。このようにすると、キャップを噴射装置に被せて、刃の固定手段、押しボタン及び噴射ノズルを保護することができる。
【0007】
噴射装置には、取り外し可能なキャップを備えることが好ましい。キャップには、取り外し可能なカミソリ刃を収容できるくぼみを備えることができる。このようにすると、部品を取り付けた状態で、ひげそりに必要な部品であるシェービングムースのエアゾール装置、柄及びカミソリ刃のすべてをたった1つの装置で得られ、全体をコンパクトに収納することができる。
【0008】
噴射装置の固定手段を用いて刃を捕らえ、キャップのくぼみから刃を出すのを容易にするため、キャップには縦のスリットを入れるのが好ましい。
【0009】
刃がひとりでに出るのを防ぐため、キャップのくぼみには、カミソリ刃がくぼみからひとりでに出るのを防止する手段を備えることができる。
【0010】
キャップの寸法は、噴射装置に被せた状態で、くぼみ及びそれに伴いキャップの縦のスリットが、
本体を形成する円筒または円錐台の延長線よりも内側に位置するように決定することが好ましい。
【0011】
カミソリ刃を取り外し可能な方法でキャップに収容させてもよい。
【0012】
使用状態において、本発明の噴射装置は、加圧したシェービングムースの容器を備えている。
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の詳細を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】カミソリ刃を含むキャップを被せた状態のシェービングムースの容器に取り付けた噴射装置の斜視図
【図2】カミソリ刃を備えた図1の噴射装置のキャップのない状態の正面断面図
【図3】刃のないキャップの正面図
【図4】刃のないキャップの平面図
【図5】刃のないキャップの斜視図
【図6a】刃を含むキャップを被せた状態の噴射装置の正面断面図
【図6b】キャップなしで刃を備えた噴射装置の正面断面図
【図7a】刃のある噴射装置の背面図
【図7b】刃のない噴射装置の背面図
【図8a】刃のある噴射装置の正面図
【図8b】刃のない噴射装置の正面図
【図9a】刃のある噴射装置の上面図
【図9b】刃のない噴射装置の上面図
【図9c】刃はないが、刃を含むキャップを被せた状態の噴射装置の平面面図
【図10a】刃のある噴射装置の底面図
【図10b】刃のない噴射装置の底面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
使用状態において、本発明のカミソリ(1)は実質的に、加圧したシェービングムースの容器(10)、本発明の噴射装置(20)及び取り外し可能なキャップ(30)で構成されている。
【0016】
噴射装置とは、容器のバルブと協働して、この容器に入った溶液が噴射装置内に設けられた管を通ってムースの形状で出るようにする装置のことである。噴射装置を押すと、バルブが作動して溶液が放出され、噴射装置を通過したのちにムースの形状で噴出される。
【0017】
噴射装置(20)は、一般に全体的に円筒状の本体を備えている。この本体は特に内側に円筒状スカート(26)を有し、使用時には容器がその内部に通される。本体内側には押しボタン(21)があり、その下には加圧したシェービングムースの容器(10)のバルブ(11)と協働する手段(22)、及び末端が噴射ノズル(24)である出力管(23)が配置されている。押しボタン(21)は、噴射ノズル(24)とは反対側の背面に位置する蝶番(29)を介して本体と連結している。噴射ノズル(24)は、押しボタン(21)と共に下へ下がり、本体に設けられた細長い開口部(28)の正面にくる。噴射装置も同じくシェービングムースの容器(10)に固定するためのラチェット手段を備えている。
【0018】
本発明によれば、噴射装置(20)はまた、取り外し可能なカミソリ刃(40)を固定する固定手段(25)を備えている。この固定手段は、2つの滑り金具(25)で構成され、カミソリ刃(40)の背面に設置された固定溝(41)に一般的な方法で嵌合するのが好ましい。よって市販の刃を使用することができる。
【0019】
本発明によれば、刃を取り付ける際に使用者が傷つけられないように、キャップ(30)に設けられたくぼみ(31)内に刃を配置するようになっている。このくぼみ(31)は、刃全体を収容できるとともに、ひとりでに出ないような寸法になっている。これはたとえば、くぼみ(31)内に保持手段を設けて実現することができる。噴射装置の滑り金具(25)は、カミソリ刃(40)の溝(41)の横から挿入し、所望の位置に到達するまで溝内を移動させる。金具が最後まで到達すると、使用者は刃を垂直方向に引っ張ってくぼみ(31)から刃(40)を取り出す。刃はくぼみ(31)内で係止されると言える。
【0020】
くぼみ(31)は、縦軸がキャップ(30)の縦軸及びキャップを被せた状態での容器(10)の縦軸と平行になるように設置するのが好ましい。
【0021】
くぼみ(31)には縦のスリット(32)が入っており、ここに噴射装置に備わる固定手段(25)を挿入し、刃(40)を捕らえてくぼみ(31)から取り出すようにすることができる。あるいは逆に、使用後に再び刃をくぼみに設置して再度刃を捕らえて取り出すこともできる。
【0022】
全体的に円筒状の本体には、スカート(26)の上にキャップ(30)の壁厚分の肩(27)が備わっている。図9b及び9cに示すように、押しボタン(21)、開口部(28)または刃の固定手段(25)など噴射装置の付属物はすべて、スカート(26)を形成する円筒と同心円である円筒の内側にあるが、この円筒の断面は、肩(27)の厚み分だけ小さい。したがって、部品を取り付けた状態で噴射装置にキャップを被せ、刃の固定手段(25)、押しボタン及びノズル(24)を覆うことができる。このようにして、このキャップ(30)は刃の固定手段(25)を保護する。キャップによって押しボタン(22)への接触を防止し、誤作動を回避する。また、キャップは開口部(28)及びノズル(24)を覆って、残留したムースが出て洗面具入れが汚れるのを防ぐ。
【0023】
キャップがスカート(26)を部分的に覆うようにして肩(27)をなくすこともできることは言うまでもない。また、円筒状の代わりに、スカート及び/または本体は、円錐台形であってもよい。この場合、保護の対象となる部品は、円錐台の延長線よりも内側に配置される。
【0024】
キャップ(30)を被せた状態では、スリット(32)及び刃を入れるくぼみ(31)も円筒または円錐台の延長線よりも内側に配置されることに留意する(図9cを参照)。換言すれば、収納時の状態では、スカート(26)の円筒の投影から突出するものはなにもない。そのため、本発明のカミソリは特にコンパクトである。
【0025】
スカート(26)は、容器(10)を形成する円筒の延長線上にくるように寸法を設定するのが好ましい。このようにすると、図1及び2に示すように、容器(10)、噴射装置(20)及びキャップ(30)の外径は略同じになる。
【0026】
収納時の状態では、本発明によるカミソリは、刃(40)をキャップのくぼみ(31)内で係止するようになっている。カミソリは、シェービングムースの容器(10)に固定された噴射装置(20)上に配置される。
【0027】
使用者はキャップ(30)を外し、必要な量のムースを一般的な方法で取り出して塗る。次に、滑り金具(25)をキャップ(30)のスリット(32)に挿入し、所望の位置に到達するまで固定溝(41)を滑らせる。そして軽く引っ張って刃を取り出す。
【0028】
使用状態にあるカミソリ(1)は、刃(40)を備える噴射装置(20)を上に乗せて柄の役割を果たす容器(10)で構成されている。
【0029】
剃り終わったあと、使用者は刃(40)をすすぎ、キャップのくぼみに挿入して係止させ、溝(41)及びスリット(32)に沿って固定手段を滑らせ、刃を固定手段(25)から離す。そしてキャップ(30)を噴射装置(20)に再び被せる。
【0030】
このように、使用者は1つの部品だけでシェービングムースのエアゾール装置だけでなく、カミソリの柄と刃も得ることができる。全体がコンパクトに収まっているため、多くの場所を必要としない。
【符号の説明】
【0031】
1 カミソリ
10 加圧したシェービングムースの容器
11 バルブ
20 噴射装置
21 押しボタン
22 バルブ作動手段
23 ムースの出力管
24 ノズル
25 容器への固定手段
26 本体の筒状スカート
27 肩
28 開口部
29 蝶番
30 キャップ
31 刃を収容するくぼみ
32 縦のスリット
40 カミソリ刃
41 固定溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェービングムース用の噴射装置であって、
カミソリ刃(40)の固定手段(25)を含み、加圧したシェービングムースの容器(10)のための噴射装置である
ことを特徴とする噴射装置(20)。
【請求項2】
略円筒状または円錐台形の本体を有し、その本体の円筒または円錐台の延長線の内部に、カミソリ刃の固定手段(25)を配置した
請求項1に記載の噴射装置(20)。
【請求項3】
取り外し可能なキャップ(30)を備えた
請求項1または2に記載の噴射装置(20)。
【請求項4】
キャップ(30)が、取り外し可能なカミソリ刃(40)を収容可能なくぼみ(31)を備えている
請求項3に記載の噴射装置(20)。
【請求項5】
くぼみ(31)が、縦のスリットを備えている
請求項4に記載の噴射装置(20)。
【請求項6】
くぼみ(31)が、カミソリ刃(40)がくぼみ(31)からひとりでに離脱するのを防止する手段を備えた
請求項4または5のいずれかに記載の噴射装置(20)。
【請求項7】
キャップの寸法が、くぼみ(31)及びそれに伴いキャップの縦のスリット(32)が、本体を形成する円筒または円錐台の延長線の内部に位置するように設定される
請求項4ないし6のいずれかに記載の噴射装置(20)。
【請求項8】
カミソリ刃(40)が、取り外し可能な構成でキャップ(30)に収容された
請求項3ないし7のいずれかに記載の噴射装置(20)。
【請求項9】
加圧したシェービングムースの容器(10)を備えている
請求項1ないし8のいずれかに記載の噴射装置(20)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【公表番号】特表2011−523564(P2011−523564A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506676(P2011−506676)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055062
【国際公開番号】WO2009/133069
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(508332184)リンダル フランス サス (5)
【氏名又は名称原語表記】LINDAL FRANCE SAS
【Fターム(参考)】