説明

シガレットパックの破壊的開放方法及び装置

【課題】シガレットも切り刻まれることとなくシガレットパックをカッティング回収する。
【解決手段】シガレットパック1を破壊的に開放するための本発明に係る方法は,パックにおける少なくとも1つの壁を外向きに撓ませるべく,パックを連続して機械的に変形させ,パックにおける撓み面を外部から切開し,パック開放要素をパックの撓んだ壁とパック内に含まれるシガレットと間に滑り込ませ,パック開放要素5を用いてパックを内部から開放する。また,該方法を使用してシガレットパックを破壊的に開放する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,シガレットに含まれる煙草を回収するために,シガレットパックを破壊的に開放するための方法及び装置に関する。この種の機械は,低品質の,又は生産中に損傷したシガレットを処理するために煙草産業において使用されている。
【背景技術】
【0002】
既知のシガレットパック開放装置は,米国特許第4036380号明細書(特許文献1)に記載されている。この装置において,パックは両側で切開され,シガレットはシガレットに対して平行に向けられたエアジェットによって吹き飛ばされる。
【0003】
独国特許第2840999号明細書(特許文献2)は,先ずパックを両側で切開して二重ベルトコンベア上で裏返した後,シガレットを重力によってパックから落下させる装置を記載している。
【0004】
欧州特許第0481191号明細書(特許文献3)は,先ずパックを両側で切開して特にシガレットフィルタを取り除き,次にパックを側壁からの圧迫により変形させ,短くなったシガレット(シガレットの煙草部分)を緩めて押し出す装置を記載している。
【0005】
最後に,米国特許第5086790号明細書(特許文献4)は,ソフトパックを管状ニードルで穿刺し,そのニードルを通して加圧空気をパック内部に噴射し,これによりパックを「ポンプアップ」してパック底面を切り離し,パック内に含まれるシガレットをプッシュロッドにより押し出す構成とした装置を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4036380号明細書
【特許文献2】独国特許第2840999号明細書
【特許文献3】欧州特許第0481191号明細書
【特許文献4】米国特許第5086790号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記で説明した既知の装置において,パックは,米国特許第5086790号明細書(特許文献4)の場合のような穿刺を任意に含む切断によって開放される。しかしながらディスク状ナイフ,直線状の切断エッジを有するナイフ,ノコギリ,ウォータージェットカッティング又はレーザーカッティングにより実行される切開の結果,シガレットも切り刻まれることとなる。従って,既知の装置は何れもシガレットを未損傷状態で回収することができない。すなわち,開放されたパック,シガレット,そしてパック開放中に偶発的に損傷したシガレットの混合物が得られるのである。シガレットが切り刻まれるため,内部に含まれる煙草の不要な劣化を引き起こすのみならず,健康にとって無害な紙くずと,非常に有害なセロファンフィルムのダストで構成されたダストが開放中に生成されて煙草に混入する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はシガレットパックを破壊的に開放する方法を提案するものであり,該方法においては,パックにおける少なくとも1つの壁を外向きに撓ませるべく,パックを連続して機械的に変形させ,パックの撓み面を外部から切開し,パック開放要素をパックの撓んだ壁とパック内におけるシガレットとの間に滑り込ませ,パック開放要素を用いてパックを内部から開放するものである。
【0009】
好適には,パックを膨張により変形させ,その膨張は,スライド可能な保持手段をパックに向かって動かすことにより,又は負圧を作用させることにより生じさせることが可能である。
【0010】
パックは,好適にはパックの底面との接続部に至るまでの,壁の全長に沿うパック壁の切開又は引き裂きにより開放可能である。
【0011】
パック開放要素を固定状態にあるパックに対して動かすことができ,逆に,固定状態にあるパック開放要素に対してパックを移動させることもできる。
【0012】
本発明は,シガレットパックを破壊的に開放するための装置も提案するものであり,該装置は,装置上のパックを動かすための手段と,パックの外部に向けてパックの少なくとも1つの壁を撓ませるべくパックを連続して変形させる手段と,外部からパックの壁の少なくとも1つの壁を切開するための手段とを具え,さらに,パックを内部から連続して開放する少なくとも1つのパック開放要素を具え,該パック開放要素がパックの撓み面とパック内におけるシガレットと間の外部切口を通してスライドするよう構成されている。
【0013】
外部切口を通してスライドするパック開放要素は,好適には,切開すべきパック壁に対して実質的に平行な接触面の一部を構成する部分を有し,切開すべきパック壁の底との接続部を壊すように構成された斜めのエッジをもつブレードを構成している要素である。
【0014】
好適には,パックを内部から開放する要素は,接触面と反対側に位置する少なくとも1つのカッティングブレードを具えている。
【0015】
パック開放要素は,パックのコーナー部を切開する構成とされたカッティングエッジを具えることができる。
【0016】
好適には,外部から切開する手段が,少なくとも1つのディスク状ナイフで構成されている。
【0017】
好適には,装置はパックの外部からパック開放要素と協働する少なくとも1つの付加的ディスク状ナイフをさらに具えている。
【0018】
変更例として,装置はパックの両前壁を外部から切開する手段を具えることができ,それぞれの壁は1つのエッジに沿って切開されており,さらに2つのパック開放要素を具えることができ,それぞれ少なくとも1つのパックの反対の前壁の1つに隣接して位置する。
【0019】
パックを変形させるための手段は,好適には,負圧手段又は回転保持要素を含むアクチュエータにより駆動する保持手段を具える。
【0020】
本発明に従う装置において,少なくとも1のパック開放要素は,外部から作られた切口列に対して横向きに平行移動できるように配置されている。
【0021】
好適には,少なくとも1つのパック開放要素は,外部の切口の方向に対して平行な軸線を中心として回転できるように配置されている。
【0022】
パックを動かすための手段は,パック開放要素に向かう方向に動かすプッシャを具えることができる。
【0023】
本発明に係る装置は,外部から作られた切口列と平行な方向にパックを動かす手段を任意的に具える。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る装置は,例えば煙草を劣化させることなく,又はシガレットの包み紙を切開することなく,故に切開から生じる不純物を煙草へ取り込む危険を伴うことなく,シガレットを未損傷状態で容易に除去できるシガレットパックの破壊的開放を行うように構成されている。
【0025】
パック開放中に,パックの壁の1つが切開され又は引き裂かれ,パックの底との壁の接続部も,この破壊的開放がシガレットに影響しない間に引力が生まれたように,破壊される。それ故,パックの開放においてシガレットはパックの内部における配列状態を維持する。ハードパックの場合,パックが破壊的に開放された後にシガレットは,生産中にパック上に配置されるより先に詰められたアルミニウム箔上にのみ,包まれ続ける。軸との垂直方向のアルミ箔に包まれたシガレットの軽い圧迫は,シガレットをアルミ箔から未損傷状態で取り除くのに十分である。
【0026】
本発明は,シガレットのソフトパックと同様に,任意形状のフリップアップトップと,任意形式のヒンジ部とを有するハードボックス形態のシガレットパックを開放させるための方法及び装置を提案するものである。便宜上,本明細書においてはパックの壁を以下のとおり定義する。
・底壁:開放不可の最小の壁であり,その表面はシガレットの軸に対して垂直方向である。
・側壁:シガレット軸に対して平行な2種の壁のうち,より小面積の壁である。
・前壁:シガレット軸に対して平行な2種の壁のうち,より大面積の壁である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に従う装置の作動段階を示す斜視図である。
【図2】同装置の後続する作動段階を示す斜視図である。
【図3】同装置の更に後続する作動段階を示す斜視図である。
【図4】シガレットパックを,パックを変形させる回転器具とともに底面側から示す説明図である。
【図5】シガレットパックと,開口要素の外部から行われた切開後であってパック内部の開口要素のスライド前の側面図である。
【図6】回転式開口要素を示す,図5と同様な側面図である。
【図7】付加的ディスクナイフと協働する開口要素の変形例の側面図である。
【図8】付加的ディスクナイフと協働する開口要素の他の変形例の側面図である。
【図9】ディスクナイフと協働する更に他の変形例の斜視図である。
【図10】任意的に形成された開口要素を有する装置の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に従う装置の作動段階を示す斜視図である。
【図12】本発明の第3実施形態に従う装置の作動段階を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は,シガレットパック1を破壊的開放するための本発明に従う装置の第1実施形態を示すものであり,該装置は,開放させるべきパック1を載せるように配置されたシート2を具えている。パック1の両面において,保持要素3, 3’はパック1を捕捉し,切開と開口の間に膨張状態を保持するよう設計されて位置している。保持要素3, 3’はアクチュエータ4, 4’により移動され,シート2上に載せたパック1の側壁に対して垂直に移動するように構成されている。保持要素3, 3’は,図4で示したようにパック1から離れた位置にある保持要素3, 3’を,パック1の側壁と並行の軸を中心として回転させる(回転アクチュエータにより駆動する)ことも可能である。何れの場合においても,例えば電磁石等の電気的駆動手段を使用することが可能である。図1の保持要素3, 3’はパック1から離れた位置に示されている。パック1の切開は,例えばパック1に隣接して駆動され,シガレットに損傷が生じない深さまでパックに沈み込ませる回転ナイフ5, 5’,例えばパック1の下に位置するナイフ5’と,パック1の上に位置するナイフ5とを用いて実行することが可能である。図1のナイフ5, 5’は,パック1から離れた位置に示されている。ナイフ5, 5’は切開面に対して実質的に垂直方向への移動が可能であり,この表面(図2)まで沈み込んだ後に切開面に対してしかも垂直方向に平行移動とナイフ5, 5’の軸への垂直方向に移動させることによる切開9を実行する。ナイフ5, 5’の直線運動と回転ドライブに必要なガイド手段は,簡潔性のために図示を省略している。ナイフ5, 5’は,切開9が前壁のパック1の底と接続したエッジから5−10mmの距離で行われるように配置されている。
【0029】
パック1の破壊的開放装置は,切開が行われるパックの側面に位置した少なくとも1つの開放要素6を備え付けている。開放要素6は固定型要素として実現すること,又はアキュレータ22上に据えつけが可能である。パックの逆側において,プッシャ7が配置されており,パック1の開放を引き起こす平行移動を実施するよう設計されている。プッシャ7は,アキュレータ8によって駆動され,開放要素6がすでに行われた切開9を通してパック1内に滑り込むことで,開放要素6に向けてパック1を移動させるものである。開放要素6は,例えば,非平坦なナイフで構成することができ,パック1を開放する装置は図1で示したように2つの開放要素6を具えることができる。図1〜3に示した開放要素6はブレード10を具え,同ブレード10の機能は切開9を通してパック1の撓み面11下に滑り込むことである。開放装置6は,切られたパックの壁と実質的に平行の接触面13(図5参照)からなる一部を有し,その部分の機能はパック1を切開する間に煙草を支持することである。開放要素6もパック1の撓み面11を切るよう設計されたカッティングブレード12を有する。図5はパック1の撓み面11と派生ギャップ15に対する開放要素6の位置を示している。図5で明らかなように,パックの底を前壁と接続するパック1のエッジと接触して開放要素6の運動を促進するために,ブレード10はパック1の側面に斜めのエッジ14を有する。開放要素6’(図6参照)の代替的実施形態において,ブレード10’は開けられたパック1の反対側にある斜めのエッジ14’をもつことができ,ギャップ15’が開放要素6’の簡易な導入に十分である大きさの切り口9によって形成されるように,パックを変形させ表面11を外すのが困難である場合に便利である。図6で示された実施形態における開放要素6’は回転軸16をもつ回転要素から成る。開放要素6’が開放位置まで回転した後,接触面13’からギャップ15’前の前壁の一部に隣接し,それがギャップ15’を通して面11下のブレード10’の導入を促進する。パック1の材料の種類によって,開放を助成する要素が使用可能である。図7は,パック1の壁切断を助成するためにカッティングブレード12と隣接して配置可能なディスクナイフ17と協働する開放要素6を示している。同様に,図8はパック1の壁切断を助成するためにカッティングブレード12’と隣接して配置可能なディスクナイフ17と協働する開放要素6を示している。2つのカッティングブレード12’を装備した開放要素6も使用可能であり,その2つのブレード12’は相互に並行して置かれ,2つのブレード12’(図9)の間に導入されたナイフ17のカッティングエッジを含んでいる。
【0030】
シガレットを取り除くべきパック1は,シート2(図1参照)の上から導入される。それから,作動したアクチュエータ4と4’はパック1に向けてパック1を捕捉して変形できるような位置まで保持要素3, 3’を移動する。パック1が膨張した後,回転ナイフ5, 5’はパック1(図2参照)の前壁に向けて駆動される。前壁上部に隣接したナイフ5と前壁下部に隣接したナイフ5’を駆動し,それらの壁にナイフを沈めることにより,切開手順の開始を引き起こす。それからナイフはパック1の前壁と平行方向に動き,切開9が行われた後,パック1から離れる方向に駆動される。図3は,切開9がすでに上部前壁と,図面では明らかでない下部前壁両方において行われ,ナイフ5, 5’はパック1から離れて駆動された状況を示している。開放要素6は,ブレード10が切開9によって形成されたギャップ15を通して前壁の撓み面11の下に滑りこむように,アキュレータ8を用いて平行移動する。図5はパック1へ向けて駆動される前の開放要素6の配置を示している。図6は回転ナイフから成る要素6’の代替的実施形態を示している。ブレード10’をギャップ15’へ導入する前,開放要素6’は,ギャップ15’前のパックの前壁に隣接するように,回転される。要素6,6’の両実施形態は,パックの内部に対して,その内部までのブレード10, 10’の動作を促進する斜めのエッジ14と14’を装備している。パック1へ向かうアクチュエータ8を用いた要素6,6’の動作は,要素6,6’のパック1のさらに内部への動作がその開放を引き起こすと同時に,ブレード10, 10’の壁の撓み面11下への滑り込みを引き起こす。パック1を開けるために,パック1と開放要素6, 6’の相対的な動作が必要である。いずれの場合にもカッティングブレード12が壁の撓み面11に隣接して駆動して切り始め,次の段階でカッティングブレード10, 10’がパック1の底を前壁に接続したエッジに届く。そして開放の更なる段階において,底と前壁との接続は引き裂かれる。開放要素6,6’のブレード1による前壁の切断および底と前壁との接続の引き裂きは,パック1の開放をもたらす。パックの二面における2つの開放要素6を使用することで,パックの全体破壊を引き起こすことが出来る。要素6, 6’の接触面13, 13’は,パック1のシガレットの束がパックの開放中に変形しないようにパック1内のシガレットを支持している。パック1が開けられた後,アルミニウム箔に包まれたシガレットの束はその場所から取り除かれ,シガレットの軸と垂直方向における束の変形によって,アルミ箔にシガレットの取り残しを引き起こす。
【0031】
開放要素の他の実施形態も可能である。例えば,開放要素は2つのナイフで構成することができ,それぞれ少なくとも1つのカッティングエッジを装備し,ナイフは並んでギャップ15内までスライドする。この実施形態は,ハードパックを開放する場合に有利である。ナイフは実質的にパックのコーナー部の方向において,平行又はそれぞれ斜めへ移動可能である。開放要素は,図6で示した貫通要素形態の引裂要素6’’を具えることができる。シガレットと引裂要素の面を支持する下部の接触面は,シガレットの上に移動し,シガレットをスライドさせた下側の壁を破壊する。
【0032】
図11は本発明に従う装置の第2実施形態を示している。第2実施形態に従う装置は,パックの継続的な開放を可能にする。この装置は,パック1が開かれるために配置されたシート2から成る。パック1の両面において,保持要素3”, 3”’はパック1を捕捉し,切開と開放の間じゅう膨張状態でそれを保持するよう設計されて位置している。保持要素3”, 3”’はアクチュエータ4”, 4”’により移動され,シート2に配置されたパック1の側壁に対して垂直方向に移動するよう構成されている。保持要素3”, 3”’は回転もされることが可能であり,パック1の側壁に平行の軸を中心とした回転アクチュエータを用いて駆動されている。どちらの場合においても,たとえば電磁石駆動手段など電気ドライブの使用が可能である。図11の保持要素3”, 3”’はパック1と隣接した位置に示されている。パック1の切開は,たとえばパック1に隣接して駆動され切断する深さまでパックを沈められる回転ナイフ5を用いての実施が可能である。図11のナイフ5は,パック1に沈む位置に示されている。ナイフ5は切開面に対して実質的に垂直方向へ移動が可能であり,この表面へ沈んだあとに,切開面に対して垂直方向にしかも平行移動,そしてナイフ5の回転軸との垂直方向に移動させることで切開9を実施する。ナイフ5の直線運動と回転ドライブに必要なガイド手段は,簡潔性のために図面において省略している。ナイフ5は,切開9が全壁をパック1の底と接続したエッジから5−10mmの距離で行われるよう配置されている。
【0033】
パック1の開放装置は,切開が行われるパックの側面に位置した開放要素6を備え付けている。パックの逆側において,プッシャ7が配置されており,パックの開放が行われるシート18まで連続するパックを動かすための平行移動を行うよう設計されている。プッシャ7は,アクチュエータ8によって駆動し,開放要素6に向けてパック1の移動を目的とする。切開9をギャップ15に変えるために必要なパック1を変形するために,アクチュエータ4”,4”’によって駆動する開放要素6,要素3”, 3”’を捕捉することが必要である。開放要素6は,例えば非平坦ナイフから成ることができる。図11で示されるパック1の開放装置は1つの固定型開放要素6を装備しており,その構造は第一実施形態について前述したとおりである。
【0034】
シガレットを取り除くべきパック1は,シート2(図11参照)の上から挿入される。そして作動したアクチュエータ4”, 4”’は,パック1へ向けて,それらを捕捉して変形させられる位置に保持要素3”, 3”’を動かす。パック1が膨張した後,回転ナイフ5はパック1の前壁に向けて駆動される。前壁に隣接したナイフ5を駆動し,そこへ沈めることで,切開手順が始まる。そしてナイフがパック1の前壁に対して平行方向へ動き,切開9が行われたあとにパック1から離れて駆動する。前壁に隣接するナイフ5を駆動し,ナイフを払いのけるように切開9を実施することは,切開9が作られるパック1の前壁の表面とナイフが実質的に垂直に置かれている間に行われる。図11は,パック1の前壁において切開9が行われる間のナイフ5を示している。切開9が行われたあと,保持要素3”, 3”’はパック1から離れた場所へ動かされる。プッシャ7は,アクチュエータ8によって駆動され,シート18に向かう切開とパック1の長さに対応するプッシャ7のストロークとともにパック1を駆動する。 隣のパック1はシート2に位置決めされ,保持要素3”,3”’はパック1を捕捉し,切開9は前壁において行われる。静止した隣のパックの引き渡し中で,パックの長さと対応したストロークによってプッシャ7が作動したあと,第一に受け渡されたパックはシート18に位置決めされる。アクチュエータ4”,4”’が作動したあと,保持要素3”,3”’は,パックの膨張を引き起こすシート18に位置するパック1に隣接して駆動される。パック1の底の前に位置する開放要素6は,切開9によって形成されたギャップ15を通して前壁の撓み面11の下に滑り込むに適した高さに置かれるブレード10をもつ。切開9がシート2のパック1の前壁に行われたあと,保持要素3”,3”’は離され,プッシャ7は,アクチュエータ8によって駆動し,その装置に位置する3つ全てのパック1を開放要素6に向けて移動する。プッシャ7の動きによって引き起こされるシート18に位置するパック1の動きは,前壁の撓み面11の下のギャップ15を通した開放要素6のブレード10のスライドをもたらす。そして,パックを開ける手順は,前述の装置の第一実施形態における説明にとどまる。
【0035】
図12は,道具19が負圧によるパック1の変形を予測する装置の第3実施形態を示している。道具16は,パックの前壁が道具19の下部側に接するよう,パック1が道具19の下に移動させられることが可能な方法で置かれている。道具19の下部側は,パックの前壁と相互作用し,パックの外部に向けてそれらを反らす。前壁を切り込む回転ナイフ5は,それの平面がパック1の動きの方向と平行であるように置かれる。その装置は,プッシャ7を用いて開放要素6の方向へパック1を移動させるためにアクチュエータ8を装備している。開放要素6は,パック1のコーナー部を切開するように設計された2つのカッティングエッジ20をもつ。前述の実施形態で説明した開放要素もパックのコーナー部を切開するためのエッジをもつ。
【0036】
パック1は,たとえばプッシャ24など通常法によって,外部から切開の方向と平行方向にあるパックを変形する道具19の負圧下で,直線的に動かされる。 パックは側壁にそれぞれ接触する。パック1がシート21に向かって動かされているあいだ,それらの上部前壁は道具19にもたらされた負圧によって変形される。それぞれのパックの撓んだ上部前壁は回転ナイフ5の下に動かされ,それは切開9をおこなう壁を切る。負圧の継続的供給のため,切開9は広がり,ギャップ15は開放要素6がパックの内部にスライドすることで形成される。パックは,前もって作られたギャップを形成したままにしながら,シート21に位置決めされる。アクチュエータ8が作動したあと,開放要素6のブレードがギャップ15を通してパックの内部までスライドするように,プッシャ7はパック1を移動する。パック1の破壊的開放は,開放要素6のエッジ20が開放の最後の段階でパック1のコーナー部を切開するという,前述で説明した実施形態として実施される。
【0037】
前述で説明したパックを変形する方法は,パックの壁の1つを破壊する結果を達成するあらゆる技術的可能性を制限するものではなく,最も簡単な方法を,パックを含むシガレットから壁を分離する方法として例示したに過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレットパックの少なくとも1つの壁を連続して機械的に変形させることにより外向きに撓ませ,パックの撓み面を外部から切開し,パック開放要素をパックの撓んだ壁とパック内に含まれるシガレットと間に滑り込ませ,パック開放要素を用いてパックを内部から開放する,シガレットパックの破壊的開放方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において,パックを膨張により変形させる開放方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において,スライド可能な保持的手段をパックに向かって移動させることによりパックを膨張させる開放方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法において,パックを負圧によって変形させる開放方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の方法において,パックの壁を切開することによってパックを開放させる開放方法。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の方法において,パックの壁を引裂くことでパックを開放させる開放方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において,パックを,その壁の全長に沿って底との接続部に至るまで開放させる開放方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において,固定状態のパックに対してパック開放要素を移動させることによりパックを内部から切開・開放させる開放方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において,固定状態のパック開放要素に対してパックを移動させることによりパックを内部から切開・開放させる開放方法。
【請求項10】
シガレットパック(1)を破壊的開放させる装置であって,装置上のパックを移動させる手段(8, 24)と,パックの少なくとも1つの壁を連続して機械的に変形させることにより外向きに撓ませる手段(3, 3’, 3”, 3”’, 19)と,パックの壁のうち,少なくとも1つの壁を外部から切開するための手段(5, 5’)を具える装置において,該装置が,パックを内部から連続して開放する少なくとも1つのパック開放要素(6, 6’, 6”)を具え,該パック開放要素が,パックの撓み面とパック内に含まれるシガレットと間の外部切開(9)を通してスライドするよう構成されている破壊的開放装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において,外部切開を通してスライドするパック開放要素(6, 6’)が,切開されるパック壁に対して実質的に平行である接触面(13)の一部を構成する部分をもち,切開されるパックの壁の底との接続部を壊すよう構成された斜めのエッジ(14)をもつブレード(10)も構成している要素(6, 6’)である開放装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置において,パックを内部から開放するパック開放要素(6, 6’)が,接触面(13)を反対側に位置する少なくとも1つのカッティングブレード(12)を具える開放装置。
【請求項13】
請求項10記載の装置において,パック開放要素(6, 6’)が,パックのコーナー部を切開するカッティングエッジ(20)を有する開放装置。
【請求項14】
請求項10記載の装置において,外部から切開する手段(5, 5’)が,少なくとも1つのディスクナイフを具える開放装置。
【請求項15】
請求項10記載の装置において,パックの外部からパック開放要素(6, 6’, 6”’)と協働する少なくとも1つの付加的ディスクナイフ(17)をさらに具える開放装置。
【請求項16】
請求項10〜14の何れか一項に記載の装置において,パックのエッジに沿って切開される両前壁を外部から切開する手段(5, 5’)と,それぞれ少なくとも1つのパックの反対の前壁の1つと隣接して位置する2つのパック開放要素(6, 6’, 6”)とを具える開放装置。
【請求項17】
請求項10記載の装置において,パック変形手段が,負圧手段(19)を具える開放装置。
【請求項18】
請求項10記載の装置において,パック変形手段が,好ましくは回転保持要素を含むアクチュエータ(4, 4’)によって駆動する保持要素 (3, 3’, 3”, 3’”)を具える開放装置。
【請求項19】
請求項10記載の装置において,少なくとも1つのパック開放要素(6, 6’, 6”)が,外部から作られた切開の列に対して横向きに平行移動できるように配置されている開放装置。
【請求項20】
請求項10記載の装置において,少なくとも1つのパック開放要素(6, 6’, 6”)が,内部からの切開の方向に対して平行な軸線を中心として回転できるように配置されている開放装置。
【請求項21】
請求項10記載の装置において,パック移動手段が,パック開放要素(6, 6’, 6”)に向かう方向に移動させるプッシャ8を具える開放装置。
【請求項22】
請求項10記載の装置において,該装置が,外部から作られた切開(9)の列に平行方向にパックを移動させる手段(24)を更に具える開放装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−12114(P2012−12114A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−148455(P2011−148455)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(510011101)インターナショナル トバコ マシーネリー ポーランド エスピー.ゼット オー.オー. (6)
【Fターム(参考)】