シクロアルキルカルボキサミドピリジン安息香酸を生成するためのプロセス
本発明は、化合物1を提供するプロセスに関する。本発明は、嚢胞性線維症の治療に有用であるCFTR修正物質を調製するプロセスを提供する。かかる化合物としては、以下の構造を有する3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(「化合物1」)が挙げられる。化合物1及び薬学的に許容されるその組成物は、種々のCFTR媒介性疾患の治療又は重症度の低減に有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119の下、2007年12月7日に出願された米国仮特許出願第61/012,181号、および2008年10月30日に出願された同第61/109,573号の利益を主張し、この両出願の全内容は、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
(発明の技術的背景)
本発明は、嚢胞性線維症などのCFTR媒介性疾患の治療に有用である化合物の調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
CFTRは、吸収及び分泌上皮細胞を含めて、種々の細胞タイプにおいて発現されるcAMP/ATP媒介性陰イオンチャネルであり、膜を横切る陰イオンの流れ、並びに他のイオンチャネル及びタンパク質の活性を調節する。上皮細胞では、CFTRの正常な機能は、呼吸器及び消化器組織を含めて、体全体にわたる電解質輸送の維持に重要である。CFTRは、膜貫通領域の縦列反復で構成されるタンパク質をコードする、約1480個のアミノ酸で構成され、膜貫通領域の各々が6回膜貫通ヘリックスとヌクレオチド結合領域を含む。2つの膜貫通領域は、チャネル活性及び細胞内輸送を調節する複数のリン酸化部位を有する大きな極性調節(R)領域によって連結される。
【0004】
CFTRをコードする遺伝子は、特定され、配列決定されている(Gregory,R.J.et al.(1990)Nature 347:382−386;Rich,D.P.et al.(1990)Nature 347:358−362参照)、(Riordan,J.R.et al.(1989)Science 245:1066−1073)。この遺伝子の欠陥は、CFTRの変異を引き起こし、ヒトにおける最も一般的な致死的遺伝病である嚢胞性線維症(「CF」)をもたらす。嚢胞性線維症は、米国においては乳児2,500名当たり約1名が罹患する。米国人口では、最高1000万人が明白な発症なしに欠陥遺伝子の単一コピーを有する。これに対して、CF関連遺伝子の2個のコピーを有する個体は、慢性肺疾患を含めて、CFの消耗性の致死的作用に苦しむ。
【0005】
嚢胞性線維症患者では、呼吸上皮において内因的に発現されるCFTRの変異は、頂端側陰イオン分泌を減少させ、イオン及び体液輸送の不均衡を引き起こす。結果として生じる陰イオン輸送の減少は、肺における粘液蓄積の増加、及びCF患者の死を最終的にもたらす付随的微生物感染症の一因になる。呼吸器疾患に加えて、CF患者は、典型的には、胃腸障害、及び無処置のまま放置すると死をもたらすすい不全に罹患する。さらに、嚢胞性線維症の男性の大多数は生殖能力がなく、嚢胞性線維症の女性は受精率が低下する。CF関連遺伝子の2個のコピーの激しい作用とは対照的に、CF関連遺伝子の単一コピーを有する個体は、コレラ、及び下痢に起因する脱水に対する抵抗が増加する。これは、恐らく、集団内のCF遺伝子の発生頻度が比較的高いことを説明している。
【0006】
CF染色体のCFTR遺伝子の配列解析によって、種々の病原性変異が明らかになってきた(Cutting,G.R.et al.(1990)Nature 346:366−369;Dean,M.et al.(1990)Cell 61:863:870;及びKerem,B−S.et al.(1989)Science 245:1073−1080;Kerem,B−S et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8447−8451)。現在まで、CF遺伝子の1000を超える病原性変異が特定された(http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/)。最も一般的な変異は、CFTRアミノ酸配列の508位のフェニルアラニンの欠失であり、ΔF508−CFTRと一般に称される。この変異は、嚢胞性線維症の症例の約70%で起こり、重篤な疾患に関連する。
【0007】
ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質の正確な折りたたみを阻止する。その結果、変異タンパク質はERを出ることができず、原形質膜に移動することができない。その結果、膜中に存在するチャネル数は、野生型CFTRを発現する細胞で認められるよりもはるかに少ない。輸送障害に加えて、変異は、不完全なチャネル開閉をもたらす。膜中のチャネル数の減少と不完全な開閉は一緒に、上皮を横切る陰イオン輸送を減少させ、不完全なイオン及び体液輸送をもたらす。(Quinton,P.M.(1990),FASEB J.4:2709−2727)。しかし、複数の研究によれば、膜中の少数のΔF508−CFTRは、野生型CFTRより少なくても機能する。(Dalemans et al.(1991),Nature Lond.354:526−528;Denning et al.、上掲;Pasyk and Foskett(1995),J.Cell.Biochem.270:12347−50)。ΔF508−CFTRに加えて、不完全な輸送、合成及び/又はチャネル開閉をもたらすCFTRの別の病原性変異を上方又は下方制御して、陰イオン分泌を変え、疾患の進行及び/又は重症度を変化させることもあり得る。
【0008】
CFTRは、陰イオンに加えて種々の分子を輸送するが、この役割(陰イオン輸送)が、上皮を横切ってイオン及び水を輸送する重要な機序における一要素であることは明らかである。別の要素としては、上皮Na+チャネルENaC、Na+/2Cl−/K+共輸送体、Na+−K+−ATPaseポンプ及び側底膜K+チャネルが挙げられ、これらは細胞中への塩化物イオンの取り込みを担う。
【0009】
これらの要素は一緒に作用して、細胞内の選択的発現及び局在化を介して、上皮を横切る定方向輸送を果たす。塩化物イオンの吸収は、頂端膜上に存在するENaC及びCFTRと細胞の側底面で発現されるNa+−K+−ATPaseポンプ及びCl−チャネルとの協調活性によって起こる。管腔側からの塩化物イオンの二次性能動輸送は、細胞内塩化物イオンの蓄積をもたらし、次いで塩化物イオンは、Cl−チャネルを介して受動的に細胞から出て行くことができ、ベクトル輸送を生じる。側底面のNa+/2Cl−/K+共輸送体、Na+−K+−ATPaseポンプ及び側底膜K+チャネルの配列と、管腔側のCFTRは、管腔側のCFTRを介した塩化物イオンの分泌を連係して調整する。水は恐らくそれ自体では決して能動輸送されないので、上皮を横切るその流れは、ナトリウム及び塩化物イオンの容積流によって生じるごくわずかの経上皮浸透勾配に依存する。
【0010】
上述したように、ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質の正確な折りたたみを阻止し、その結果、この変異タンパク質がERを出ることができず、原形質膜に移動することができないと考えられる。その結果、不十分な量の成熟タンパク質しか原形質膜に存在せず、上皮組織内の塩化物イオン輸送がかなり低下する。実際に、ER機構によるABC輸送体の不完全なERプロセシングのこの細胞現象は、CF疾患だけでなく、広範囲の他の単独の遺伝性疾患の根底にあることが示された。ER機構が機能不全を起こし得る2つの過程は、分解をもたらすタンパク質のER排出との結合不足、又はこれらの欠陥のある/誤って折りたたまれたタンパク質のER蓄積による[Aridor M,et al.,Nature Med.,5(7),pp745−751(1999);Shastry,B.S.,et al.,Neurochem.International,43,pp1−7(2003);Rutishauser,J.,et al.,Swiss Med Wkly,132,pp211−222(2002);Morello,JP et al.,TIPS,21,pp.466−469(2000);Bross P.,et al.,Human Mut.,14,pp.186−198(1999)]。
【0011】
塩型の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸は、特許文献1(該刊行物を参照によりその全体を本明細書に援用する。)にCFTR活性の調節物質として開示されており、したがって嚢胞性線維症などのCFTR媒介性疾患の治療に有用である。しかし、本明細書に記載のシクロアルキルカルボキサミドピリジン安息香酸の経済的調製プロセスが依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/056341号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本明細書に記載のように、本発明は、嚢胞性線維症の治療に有用であるCFTR修正物質を調製するプロセスを提供する。かかる化合物としては、以下の構造を有する3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(以下「化合物1」)が挙げられる。
【0014】
【化1】
化合物1及び薬学的に許容されるその組成物は、種々のCFTR媒介性疾患の治療又は重症度の低減に有用である。化合物1は、本明細書に記載され特徴づけられる形態Iと称する、実質的に結晶性であり、塩を含まない形態である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンを示す。
【図2】形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンを示す。
【図3】形態Iの化合物1の単結晶から計算されるX線回折パターンと、形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンとの重ね合わせを示す。
【図4】形態Iの化合物1の示差走査熱量測定(DSC)線を示す。
【図5】単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図6】カルボン酸基を介して形成された二量体としての、単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図7】分子が相互に積層されたことを示す、単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図8】単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図であり、異なる位置から見た図である(下方a)。
【図9】T(0)における50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1の1H NMR分析結果を示す。
【図10】室温で24時間貯蔵された50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1の1H NMR分析結果を示す。
【図11】化合物1・HCl標準の1H NMR分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、化合物1を調製するプロセスであって、
【0017】
【化2】
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【0018】
【化3】
ii)水、有機溶媒、塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【0019】
【化4】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0020】
【化5】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【0021】
【化6】
v)有機溶媒中で塩基の存在下で化合物6を化合物7
【0022】
【化7】
と反応させて、化合物8
【0023】
【化8】
を生成するステップと、
vi)水、有機溶媒及び酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0024】
【化9】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップとを含む、プロセスに関する。化合物1は、化合物9の遊離型であり、本明細書において特徴づけられる、形態Iと称することがある。
【0025】
別の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)有機溶媒中で塩基の存在下で化合物6
【0026】
【化10】
を化合物7
【0027】
【化11】
と反応させて、化合物8
【0028】
【化12】
を生成するステップと、
ii)水、有機溶媒及び酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0029】
【化13】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0030】
本発明は、式1の化合物を調製するプロセスであって、
【0031】
【化14】
ia)有機溶媒中で塩基の存在下で式6aの化合物
【0032】
【化15】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【0033】
【化16】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセスも提供する。
【0034】
本発明は、式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【0035】
【化17】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【0036】
【化18】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、有機溶媒、塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【0037】
【化19】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5a
【0038】
【化20】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6a
【0039】
【化21】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと
を含む、プロセスを提供する。
【0040】
本発明は、式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【0041】
【化22】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ib)化合物10b
【0042】
【化23】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
を還元剤を用いて還元して、化合物11b
【0043】
【化24】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
iib)化合物11bをハロゲン化剤と反応させて、化合物12bを生成するステップと、
【0044】
【化25】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiib)化合物12bをシアン化物と反応させて、化合物13bを生成するステップと、
【0045】
【化26】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
ivb)化合物13bを塩基の存在下で式13bbの化合物
【0046】
【化27】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14bの化合物
【0047】
【化28】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vb)化合物14bを水酸化物塩基及び酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15bを形成するステップと、
【0048】
【化29】
(式中、r、環A、R1及びmは化合物14bにおいて上で定義されたとおりである。)
vib)化合物15bをハロゲン化剤と反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16bを形成するステップ
を含む、プロセスも提供する。
【0049】
【化30】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14bにおいて上で定義されたとおりである。)
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0050】
【化31】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセスも提供する。
【0051】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0052】
【化32】
該プロセスが、化合物9をスラリー化するステップと、NaOH水溶液を添加するステップと、再結晶させて化合物1を生成するステップとを含む、プロセスも提供する。
【0053】
本発明は、式6bの化合物も提供する。
【0054】
【化33】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
定義
本明細書では、別段の記載がない限り、以下の定義を適用するものとする。
【0055】
本明細書では「CFTR」という用語は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子、又はΔF508 CFTR及びG551D CFTRを含めて、ただしそれだけに限定されない、制御因子活性能力のあるその変異体を意味する(CFTR変異体については、例えばhttp://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/を参照されたい。)。
【0056】
本明細書では「結晶性」とは、構造単位が、固定された幾何パターン又は格子状に配置され、その結果、結晶性固体は剛直な長距離秩序を有する化合物又は組成物を指す。結晶構造を構成する構造単位は、原子、分子又はイオンとすることができる。結晶性固体は、明確な融点を示す。
【0057】
当分野で認識されているように、Pd(dppf)Cl2におけるような二座配位リガンド(dppf)は、ジフェニルホスフィノフェロセンを表し、式Ph2PC5H4FeC5H4PPh2として立つ。
【0058】
本明細書では「調節」という用語は、例えば活性を、測定可能な量だけ増減させることを意味する。
【0059】
本明細書では、(以下に示すように)置換基から複数環構造内の1個の環の中央に引かれた結合は、複数環構造内の環のいずれかにおける任意の置換可能な位置における置換基の置換を表す。例えば、図aは、図bに示す位置のいずれかにおける可能な置換を表す。
【0060】
【化34】
別段の記載がない限り、本明細書に記載の構造は、該構造の全異性(例えば、鏡像異性、ジアステレオマー及び幾何(又は配座))体、例えば、各不斉中心に対するRとS配置、(Z)と(E)二重結合異性体、及び(Z)と(E)配座異性体も含むものとする。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、並びに鏡像異性混合物、ジアステレオマー混合物及び幾何(又は配座)混合物は、本発明の範囲内である。別段の記載がない限り、本発明の化合物の全互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、別段の記載がない限り、本明細書に記載の構造は、同位体的に濃縮された1個以上の原子の存在の点でのみ異なる化合物も含むものとする。例えば、水素が重水素若しくはトリチウムで置換された場合や炭素が高13C若しくは14C炭素で置換された場合を除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、バイオアッセイにおけるプローブ、又は改善された治療プロファイルを有するCFTR修正物質として有用である。
【0061】
一実施形態においては、本発明は、化合物1を調製するプロセスを提供する。
【0062】
【化35】
一部の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【0063】
【化36】
ii)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【0064】
【化37】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0065】
【化38】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【0066】
【化39】
v)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7
【0067】
【化40】
と反応させて、化合物8
【0068】
【化41】
を生成するステップと、
vi)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0069】
【化42】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0070】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0071】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される。
【0072】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒はトルエンである。
【0073】
別の実施形態においては、第1の有機溶媒はプロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される。
【0074】
一部の実施形態においては、第1の塩基は無機塩基である。
【0075】
一部の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0076】
一部の別の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸カリウムから選択される。更に別の実施形態においては、第1の塩基は炭酸カリウムから選択される。
【0077】
一部の実施形態においては、遷移金属触媒はパラジウム系触媒である。
【0078】
一部の実施形態においては、パラジウム系触媒は、酢酸パラジウム(II)、Pd(dppf)Cl2、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)から選択される。更に別の実施形態においては、パラジウム系触媒はPd(dppf)Cl2である。
【0079】
一部の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約60℃から約100℃で行われる。
【0080】
別の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約70℃から約90℃で行われる。更に別の実施形態においては、クロスカップリング反応は約80℃で行われる。
【0081】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。
【0082】
一部の実施形態においては、酸化反応は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は過酢酸を使用して行われる。
【0083】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。
【0084】
一部の実施形態においては、酸化反応は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は無水フタル酸の存在下で行われる。
【0085】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。
【0086】
一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。更に別の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0087】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。
【0088】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択されるスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミノ化反応はメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる。
【0089】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0090】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。
【0091】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬は、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択されるアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はエタノールアミンである。
【0092】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0093】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0094】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0095】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0096】
一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0097】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0098】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0099】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0100】
一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0101】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0102】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0103】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0104】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0105】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0106】
別の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップ、又は化合物1の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む。
【0107】
別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0108】
別の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6
【0109】
【化43】
を化合物7
【0110】
【化44】
と反応させて、化合物8
【0111】
【化45】
を生成するステップと、
ii)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0112】
【化46】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0113】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0114】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0115】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0116】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0117】
一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0118】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0119】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0120】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0121】
一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0122】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0123】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0124】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0125】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0126】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0127】
別の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップ、又は化合物1の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む。
【0128】
一部の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0129】
別の一実施形態においては、本発明は、式1の化合物を調製するプロセスであって、
【0130】
【化47】
ia)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で式6aの化合物
【0131】
【化48】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【0132】
【化49】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセスを提供する。
【0133】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0134】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0135】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0136】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0137】
一部の実施形態においては、化合物6aと化合物7aの反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0138】
一部の実施形態においては、式1中のフェニル環上のR1がエステルであるときに、プロセスは、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物を脱エステル化して酸性塩を生成することを更に含む。
【0139】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0140】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0141】
一部の実施形態においては、第3の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0142】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0143】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0144】
一部の実施形態においては、酸性塩は、酸性塩を適切な溶媒中に有効時間スラリー化又は溶解させることによって遊離型、形態Iに転化することができる。
【0145】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0146】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0147】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0148】
別の実施形態においては、プロセスは、形態Iの式1の化合物のスラリーをろ過するステップ、又は形態Iの式1の化合物の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した形態Iの式1の化合物をろ過するステップを更に含む。
【0149】
別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール又は1−ブタノールが挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0150】
別の一実施形態においては、本発明は、式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【0151】
【化50】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【0152】
【化51】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【0153】
【化52】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5aを生成するステップと、
【0154】
【化53】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6aを生成するステップと
を含むプロセスを提供する。
【0155】
【化54】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0156】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される。
【0157】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒はトルエンである。
【0158】
別の実施形態においては、第1の有機溶媒はプロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される。
【0159】
一部の実施形態においては、第1の塩基は無機塩基である。
【0160】
一部の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0161】
一部の別の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸カリウムから選択される。更に別の実施形態においては、第1の塩基は炭酸カリウムである。
【0162】
一部の実施形態においては、遷移金属触媒はパラジウム系触媒である。
【0163】
一部の実施形態においては、パラジウム系触媒は、酢酸パラジウム(II)、Pd(dppf)Cl2、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)から選択される。更に別の実施形態においては、パラジウム系触媒はPd(dppf)Cl2である。
【0164】
一部の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約60℃から約100℃で行われる。
【0165】
別の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約70℃から約90℃で行われる。更に別の実施形態においては、クロスカップリング反応は約80℃で行われる。
【0166】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。
【0167】
一部の実施形態においては、酸化反応は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は過酢酸を使用して行われる。
【0168】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。
【0169】
一部の実施形態においては、酸化反応は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は無水フタル酸の存在下で行われる。
【0170】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。
【0171】
一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。更に別の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0172】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。
【0173】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択されるスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミノ化反応はメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる。
【0174】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0175】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。
【0176】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬は、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択されるアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はエタノールアミンである。
【0177】
本発明は、式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【0178】
【化55】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ic)化合物10aを第4の有機溶媒中で還元剤を用いて還元して、化合物11aを生成するステップと、
【0179】
【化56】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
【0180】
【化57】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
iic)化合物11aを第1のハロゲン化剤と第5の有機溶媒中で反応させて、化合物12aを生成するステップと、
【0181】
【化58】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiic)化合物12aをシアン化物と反応させて、化合物13aを生成するステップと、
【0182】
【化59】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
ivc)化合物13aを第3の塩基の存在下で式13aaの化合物
【0183】
【化60】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14aの化合物
【0184】
【化61】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vc)化合物14aを水酸化物塩基及び第2の酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15aを形成するステップと、
【0185】
【化62】
(式中、r、環A、R1及びmは化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
vic)化合物15aを第2のハロゲン化剤と第6の有機溶媒中で反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16a
【0186】
【化63】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
を形成するステップと
を含むプロセスも提供する。
【0187】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0188】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0189】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第4の有機溶媒はトルエンである。
【0190】
一部の実施形態においては、還元剤は水素化物である。
【0191】
一部の実施形態においては、還元剤は、水素化ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム又はナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである。一部の実施形態においては、還元剤はナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである。
【0192】
一部の実施形態においては、還元反応は約5℃から約50℃で行われる。別の実施形態においては、還元反応は約15℃から約40℃で行われる。
【0193】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0194】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0195】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、メチルt−ブチルエーテル、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第5の有機溶媒はメチルt−ブチルエーテルである。
【0196】
一部の実施形態においては、第1のハロゲン化剤はハロゲン化チオニルである。別の実施形態においては、第1のハロゲン化剤は塩化チオニルである。
【0197】
一部の実施形態においては、化合物11aと第1のハロゲン化剤の反応は、約10℃から約35℃で行われる。別の実施形態においては、ハロゲン化反応は約15℃から約30℃で行われる。
【0198】
一部の実施形態においては、シアン化物はシアン化アルカリ金属である。別の実施形態においては、シアン化物はシアン化ナトリウムである。
【0199】
一部の実施形態においては、化合物19を有機溶媒に溶解させ、シアン化アルカリ金属のスラリーに添加する。別の実施形態においては、有機溶媒はDMSOである。
【0200】
一部の実施形態においては、化合物12aとシアン化物の反応は約10℃から約60℃で行われる。別の実施形態においては、反応は約20℃から約50℃で行われる。別の実施形態においては、反応は約30℃から約40℃で行われる。
【0201】
一部の実施形態においては、ステップivc)中の第3の塩基は無機塩基である。
【0202】
一部の実施形態においては、第3の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0203】
一部の実施形態においては、第3の塩基は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。一部の実施形態においては、第3の塩基は水酸化カリウムである。
【0204】
一部の実施形態においては、化合物13aaは、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロブタン、ジクロロペンタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、ジブロモブタン、ジブロモペンタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン又は1−ブロモ−5−クロロペンタンから選択される。
【0205】
一部の実施形態においては、化合物13aaは1−ブロモ−2−クロロエタンである。
【0206】
一部の実施形態においては、化合物13aと式13aaの化合物の反応は約0℃から約90℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約60℃から約80℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約70℃で行われる。
【0207】
一部の実施形態においては、水酸化物塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウムである。別の実施形態においては、水酸化物塩基は水酸化ナトリウムである。
【0208】
一部の実施形態においては、第2の酸は無機酸である。一部の実施形態においては、第2の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される。一部の実施形態においては、第2の酸は塩酸である。
【0209】
一部の実施形態においては、化合物14aと水酸化物塩基及び第2の酸との逐次反応は約70℃から約90℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約80℃で行われる。
【0210】
一部の実施形態においては、化合物14aを水酸化物塩基で処理することは、共溶媒の存在下で行われる。別の実施形態においては、共溶媒はアルコールである。別の実施形態においては、アルコールはエタノールである。
【0211】
一部の実施形態においては、化合物14aを水酸化物塩基で処理した後、それは第2の酸で処理する前に単離される。別の実施形態においては、それは、化合物14aを加水分解するのに使用した塩基とは異なる塩基として単離される。別の実施形態においては、シクロヘキシルアンモニウム塩の形成に使用される異なる塩基はシクロヘキシルアミンである。
【0212】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0213】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0214】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第6の有機溶媒はトルエンである。
【0215】
一部の実施形態においては、第2のハロゲン化剤はハロゲン化チオニルである。一部の実施形態においては、第2のハロゲン化剤は塩化チオニルである。
【0216】
一部の実施形態においては、化合物15aと第2のハロゲン化剤の反応は約40℃から約80℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約50℃から約70℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約70℃で行われる。
【0217】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0218】
【化64】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセスも提供する。
【0219】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0220】
【化65】
該プロセスが、化合物9をスラリー化するステップと、NaOH水溶液を添加するステップと、再結晶させて化合物1を生成するステップとを含む、プロセスも提供する。
【0221】
一部の実施形態においては、再結晶は、濃HClを添加することによってなされる。
【0222】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物である。一部の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0223】
一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約24時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約18時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約12時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約6時間である。
【0224】
一部の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップを更に含む。
【0225】
別の実施形態においては、化合物9は、下記化合物8から生成され、
【0226】
【化66】
該プロセスは、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップを含む。
【0227】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0228】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0229】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0230】
一部の実施形態においては、化合物8は、下記化合物6及び化合物7から調製され、
【0231】
【化67】
該プロセスは、第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7と反応させて、化合物8を生成するステップを含む。
【0232】
【化68】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0233】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0234】
一部の実施形態においては、プロセスは、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミン触媒はジメチルアミノピリジンである。
【0235】
一部の実施形態においては、化合物6は、下記化合物4から調製され、
【0236】
【化69】
該プロセスは、
化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0237】
【化70】
化合物5をアミノ化して、化合物5上のピリジル部分の6位にアミン基を付加して、化合物6を生成するステップ
を含む。
【0238】
【化71】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、過酸化物は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される。一部の実施形態においては、過酸化物は過酢酸である。
【0239】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸無水物は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される。一部の実施形態においては、酸無水物は無水フタル酸である。
【0240】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0241】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、スルホニル化合物は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択される。一部の実施形態においては、スルホニル化合物はメタンスルホン酸無水物である。
【0242】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0243】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アルコールアミンは、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択される。一部の実施形態においては、アルコールアミンはエタノールアミンである。
【0244】
本発明は、式6bの化合物も提供する。
【0245】
【化72】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
一部の実施形態においては、本発明は、RがHである式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0246】
一部の実施形態においては、本発明は、R1がC1〜6脂肪族であり、oが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0247】
一部の実施形態においては、本発明は、R1がメチルであり、oが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0248】
一部の実施形態においては、本発明は、R2が−CO2RJであり、pが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0249】
一部の実施形態においては、本発明は、R2が−CO2RJであり、RJがC1〜6脂肪族であり、pが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0250】
一部の実施形態においては、本発明は、化合物
【0251】
【化73】
に関する。
【0252】
一部の実施形態においては、化合物1は放射性同位体を含むことができる。一部の実施形態においては、化合物1は14C原子を含むことができる。一部の実施形態においては、化合物1のアミドカルボニル炭素は14C原子である。
【0253】
化合物1を調製する方法
化合物1は、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の遊離型であり、一実施形態においては、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸のHClなどの塩形態を適切な溶媒に有効時間分散又は溶解させることから調製される。別の一実施形態においては、形態Iは、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート及びギ酸などの適切な酸から直接形成される。一実施形態においては、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸のHCl塩形態が出発点であり、一実施形態においては、スキーム1〜3に従って酸塩化物部分をアミン部分とカップリングさせることによって調製することができる。
【0254】
スキーム1.酸塩化物部分の合成
【0255】
【化74】
スキーム1において、カルボン酸17を適切な溶媒(例えば、トルエン)中で還元剤を用いて還元して、アルコール18を生成する。適切な溶媒(例えば、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE))中で化合物18を塩素化剤で処理すると、化合物19が生成する。シアノ基で塩化物を置換すると化合物20が生成する。化合物20と塩基及びジハロゲン化アルキル(例えば、1−ブロモ−2−クロロエタン)との反応によってスピロシクロアルカン化合物21が生成する。シアノ基を加水分解すると、カルボン酸22が生成する。カルボン酸22を塩素化して、酸ハロゲン化物7を生成する。
【0256】
一実施形態においては、化合物17は市販されている。一実施形態においては、還元剤は、ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド[すなわち、NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]の65wt%トルエン溶液であり、Aldrich ChemicalsによってVitride(登録商標)の名称で販売されている。
【0257】
一実施形態においては、化合物18を化合物19に転化する塩素化剤は、塩化チオニルである。別の一実施形態においては、反応混合物の温度を15℃から25℃に維持しながら、塩化チオニルを化合物18に添加し、次いで更に1時間の撹拌を30℃で続ける。
【0258】
一実施形態においては、化合物20のシアノ基は、化合物19を適切な溶媒(例えば、DMSO)中でシアン化ナトリウムと反応させることから得られる。別の一実施形態においては、シアン化ナトリウムを添加しながら、反応混合物の温度を30℃から40℃で維持する。
【0259】
一実施形態においては、化合物20を水酸化カリウム及びジハロゲン化アルキルと反応させて、スピロ環状化合物21を適切な溶媒(例えば、水)中で生成する。スピロ環式プロパン環をスキーム1に示すが、適切なジハロゲン化アルキルを選択することによって、プロセスを別のスピロ環に容易に適合させることができる。例えば、スピロ環式ブタン環は、化合物20を、例えば1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させることによって、生成することができる。混合ブロモ及びクロロジハロゲン化物が経済的に最良であることが見いだされた。これは、反応の熱力学がより有利であるためと考えられる。
【0260】
一実施形態においては、水及び塩基(例えば、水酸化ナトリウム)の存在下で適切な溶媒(例えば、エタノール)中で化合物21をカルボン酸化合物22に加水分解する。塩酸などの酸で後処理すると、化合物22が生成する。別の一実施形態においては、化合物22をジシクロヘキシルアミン(DCHA)と反応させてDCHA塩を生成し、DCHA塩を適切な溶媒(例えば、MTBE)にとり、固体が溶解するまでクエン酸と一緒に撹拌することによって、化合物22を処理する。次いで、MTBE層を水及び塩水で洗浄し、ヘプタンと溶媒交換し、続いてろ過して、化合物22を得る。
【0261】
一実施形態においては、適切な溶媒(例えば、トルエン)中で塩化チオニルを使用して化合物22を塩素化して、化合物7を生成する。一実施形態においては、このステップは、化合物7と化合物6のカップリングを直接進行させ、同じ反応器中で行われる。
【0262】
スキーム1並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物7を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物7を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。水素化アルミニウムリチウムなどの他の還元剤に優先してVitride(登録商標)を使用して化合物17を化合物18に還元すると、制御された(管理しやすい発熱反応及びガス発生)安全な還元剤添加が可能になる。化合物18から化合物19へのハロゲン化反応において、DMFなどのある種の別の塩基に対して、DMAPを触媒として使用すると、公知の発癌物質であるジメチルカルバモイルクロリドの形成が回避される。DMSOなどの有機溶媒中の化合物19の溶液をDMSOなどの有機溶媒中のシアン化物スラリーに添加すると、発熱反応の温度が制御され、シアン化物の取扱いが最小限に抑えられる。化合物21を化合物22に加水分解する際にエタノールを共溶媒として使用すると、均一な反応混合物が生成し、試料採取及び反応の監視がより容易になる。初期の加水分解後に化合物21をジシクロヘキシルアンモニウム塩として精製すると、中間体のいずれでもクロマトグラフィーが不要になる。
【0263】
スキーム2.アミン部分の合成
【0264】
【化75】
2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)を適切な溶媒(例えば、トルエン)中で3−(t−ブトキシカルボニル)−フェニルボロン酸(化合物3)と反応させると、エステル化合物4が生成する。カップリング反応は、パラジウム触媒などの遷移金属触媒によって触媒される。適切な溶媒(例えば、酢酸エチル−水混合物)中で過酸化物を用いて化合物4を酸化すると化合物5が生成する。アミノ化剤(例えば、アルコールアミン)を用いて化合物5をアミノ化すると、化合物6が生成する。
【0265】
一実施形態においては、パラジウム触媒は、二座配位フェロセンリガンドを含むPd(dppf)Cl2である。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.025から0.005当量しか使用されない。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.020から0.010当量しか使用されない。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.015当量しか使用されない。
【0266】
一実施形態においては、化合物4の酸化は、尿素−過酸化水素又は過酢酸を用いて行われる。過酢酸の方が、経済的に入手しやすく、その後の単離及び処分が容易であるので、好ましい。一実施形態においては、酸無水物を反応混合物に分割添加して、反応器内の温度を45℃未満に維持する。一実施形態においては、酸無水物は無水フタル酸であり、それを固体形態で添加する。酸無水物の添加終了後、混合物を45℃に加熱し、4時間撹拌後、化合物5を単離する。
【0267】
一実施形態においては、アミン基を化合物5に付加して、適切な溶媒(例えば、ピリジン−アセトニトリル混合物)中で化合物6を生成する。一実施形態においては、化合物5がスルホン酸無水物とまず反応した後にアミノ化が起こる。一実施形態においては、スルホン酸無水物は、アセトニトリルに溶解されたメタンスルホン酸無水物であり、ピリジンに溶解した化合物5に50分間添加される。別の一実施形態においては、添加中、温度を75℃未満に維持する。別の一実施形態においては、アミノ化剤はエタノールアミンである。別の一実施形態においては、エタノールアミン量は、化合物5に対して10当量である。
【0268】
スキーム2並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物6を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物6を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。化合物4を形成する化合物2と3のカップリング反応における炭酸カリウム濃度が増加すると、ボロン酸ホモカップリングのレベルが低下する。ボロン酸ホモカップリングは、N2下で加熱後に遷移金属触媒を反応混合物に最後に添加することによっても減少する。化合物4をMsOH水溶液で抽出すると、クロマトグラフィー精製が不要になる。化合物4を化合物5に転化するときに過酢酸を酸化剤として使用すると、別の酸化剤よりも経済的であり、副生物を管理しやすくなる。化合物5を化合物6に転化する際に塩化p−トルエンスルホニルなどの他の類似試薬の代わりにMs2Oを使用すると、クロロ不純物が形成されなくなる。反応終了時に水を添加すると、化合物6が反応混合物から直接結晶化して、収率が向上し、単離が容易になる。
【0269】
スキーム3.3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の酸性塩の形成
【0270】
【化76】
適切な溶媒(例えば、トルエン)中の化合物7と化合物6の酸塩基反応によって、エステル化合物8が生成する。酸(塩酸が示されている。)を用いた化合物8の脱エステル化によって、化合物1の前駆体である化合物9が生成する。
【0271】
一実施形態においては、酸塩化物化合物7は、同じ反応器中でスキーム1に示すように化合物22から調製され、単離される。別の一実施形態においては、酸に基づく反応は、トリエチルアミン(TEA)などの塩基、及びジメチルアミノピリジン(DMAP)などの触媒量の第2の塩基の存在下で行われる。一実施形態においては、TEA量は化合物6に対して3当量である。別の一実施形態においては、DMAP量は化合物6に対して0.02当量である。一実施形態においては、2時間の反応時間後、水を混合物に添加し、更に30分間撹拌する。有機相を分離し、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル)を添加し、反応溶媒(例えば、t)を蒸留除去することによって化合物9を単離する。化合物9をろ過によって収集する。
【0272】
例えば化合物9を出発点として使用して、化合物9を適切な溶媒に有効時間分散又は溶解させることによって化合物1を高収率で形成することができる。例えば他の無機又は有機酸形態など、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の他の塩形態を使用することができる。他の塩形態は、対応する酸を用いたt−ブチルエステルの加水分解から生じる。他の酸/塩形態としては、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、安息香酸、マロン酸などが挙げられる。化合物9は、使用溶媒に応じて可溶性でも非可溶性でもよいが、溶解性不足は、化合物1の形成を妨げない。化合物9は水にわずかしか溶解しないが、例えば、一実施形態においては、適切な溶媒は、水、又は約50%メタノール/水混合物などのアルコール/水混合物とすることができる。一実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0273】
化合物9から化合物1を形成するための有効時間は、2から24時間以上の任意の時間とすることができる。一般に、高収率(約98%)を得るのに24時間を超える時間は不要であるが、ある種の溶媒は24時間を超える時間を必要とし得る。必要な時間は、温度に逆比例することも認識されている。すなわち、温度が高いほど、HClの解離に作用して化合物1を形成するのに必要な時間が短くなる。溶媒が水であるときには、分散液を室温で約24時間撹拌すると、化合物1が収率約98%で得られる。化合物9の溶液がプロセス目的で必要な場合には、高温及び有機溶媒を使用することができる。溶液を高温で有効時間撹拌後、冷却再結晶させると、実質的に純粋な形の化合物1が生成する。一実施形態においては、実質的に純粋とは、90%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、95%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、98%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、99%を超える純度を指す。選択される温度は、使用溶媒にある程度依存し、当業者の決定能力の十分な範囲内である。一実施形態においては、温度は室温から80℃である。別の一実施形態においては、温度は室温から40℃である。別の一実施形態においては、温度は40℃から60℃である。別の一実施形態においては、温度は60℃から80℃である。
【0274】
一部の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製することができる。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。温度は、上述したように使用することができる。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度0.2℃/minで10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0275】
スキーム3並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物9を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物9を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。化合物7を化合物6と反応させた後に化合物8を結晶化させると、クロマトグラフィー精製が不要になる。トリフルオロ酢酸などの別の酸を用いた脱保護、濃縮、及びHClなどの所望の酸との交換に対して、化合物8を酸で処理した後の化合物9の直接結晶化は、ステップを省き、収率を改善する。
【0276】
一部の実施形態においては、化合物1は放射性同位体を含むことができる。一部の実施形態においては、放射性同位体は14Cである。一部の実施形態においては、化合物1のアミドカルボニル炭素は14Cである。スキーム4に示すように、化合物19を放射性標識シアン化物と反応させることによって、14Cをこの位置に導入する。
【0277】
スキーム4.化合物1への放射性同位体の導入
【0278】
【化77】
一実施形態においては、化合物23の放射性標識シアノ基は、化合物19を適切な溶媒(例えば、DMSO)中で放射性標識シアン化ナトリウムと反応させることから得られる。別の一実施形態においては、シアン化ナトリウムを添加しながら、反応混合物の温度を30℃から40℃で維持する。次いで、化合物23をスキーム1〜3に従って更に反応させて、放射性標識化合物1を生成することができる。
【0279】
化合物1の特性分析
化合物1は、本明細書においてX線粉末回折、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び1H NMR分光法によって特徴づけられる、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の実質的な遊離型、形態Iとして存在する。
【0280】
一実施形態においては、化合物1は、CuKアルファ照射によって得られたX線粉末回折における15.2から15.6度、16.1から16.5度、及び14.3から14.7度の1個以上のピークによって特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は、15.4、16.3及び14.5度の1個以上のピークによって特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は、14.6から15.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は14.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は17.6から18.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は17.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.4から16.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.4から16.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.6度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は7.6から8.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は7.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は25.8から26.2度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は26.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は21.4から21.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は21.6度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は23.1から23.5度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は23.3度のピークによって更に特徴づけられる。
【0281】
一部の実施形態においては、化合物1は、図1の回折パターンとかなり類似した回折パターンによって特徴づけられる。
【0282】
一部の実施形態においては、化合物1は、図2の回折パターンとかなり類似した回折パターンによって特徴づけられる。
【0283】
別の一実施形態においては、化合物1は、単斜晶系、P21/n空間群、及び以下の単位格子寸法を有する:a=4.9626(7)Å、b=12.2994(18)Å、c=33.075(4)Å、α=90°、β=93.938(9)°及びγ=90°。
【0284】
別の一実施形態においては、化合物1は、図4に示すDSC線によって特徴づけられる。
【0285】
別の一実施形態においては、化合物1は、図8〜10に示す化合物1の1H NMRスペクトルによって特徴づけられる。
【0286】
本明細書に記載した発明をより十分に理解できるようにするために、以下の実施例を示す。これらの実施例は単に説明のためのものにすぎず、本発明を限定するものと決して解釈すべきではないことを理解すべきである。
【実施例】
【0287】
方法及び材料
示差走査熱量測定(DSC)
化合物1の示差走査熱量測定(DSC)データをDSC Q100 V9.6 Build 290(TA Instruments、New Castle、DE)を用いて収集した。温度をインジウムを用いて較正し、熱容量をサファイアを用いて較正した。試料3〜6mgをアルミニウムパンに計量し、1個のピンホールを有する蓋を圧着した。試料を25℃から350℃まで加熱速度1.0℃/min、窒素ガスパージ50ml/minで走査した。データをThermal Advantage Q SeriesTM version 2.2.0.248ソフトウェアによって収集し、Universal Analysis software version 4.1D(TA Instruments、New Castle、DE)によって分析した。報告した数は、単一の分析結果である。
【0288】
XRPD(X線粉末回折)
HI−STAR2次元検出器及びフラットグラファイトモノクロメーターを備えたBruker D8 DISCOVER粉末回折計によって、形態1のX線回折(XRD)データを収集した。Kα照射のCu封管を40kV、35mAで使用した。試料を25℃のゼロバックグラウンドシリコンウェーハ上に置いた。各試料について、2個のデータフレームを各々2つの異なるθ2角度8°及び26°で120秒目に収集した。データをGADDSソフトウェアによって積分し、DIFFRACTplusEVAソフトウェアによってマージした。報告したピーク位置の不確実性は±0.2度である。
【0289】
Vitride(登録商標)(ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム水素化物[又はNaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]、65wt%トルエン溶液)をAldrich Chemicalsから購入した。
【0290】
2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸をSaltigo(the Lanxess Corporationの系列会社)から購入した。
【0291】
本願のどこでも化合物の名称が化合物の構造を正確に記述することができない場合、構造が名称に取って代わり、基準となる。
【0292】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HClの合成
酸塩化物部分
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−メタノール(化合物18)の合成
【0293】
【化78】
市販2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(1.0当量)をトルエン(10体積)中でスラリーにする。Vitride(登録商標)(2当量)を、温度を15〜25℃に維持する速度で添加漏斗を介して添加する。添加の最後に、温度を40℃に2時間上昇させ、次いで10%(w/w)NaOH水溶液(4.0当量)を添加漏斗を介して慎重に添加し、温度を40〜50℃に維持する。更に30分間撹拌後、40℃で層分離させる。有機相を20℃に冷却し、次いで水(2×1.5体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物18を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0294】
5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(化合物19)の合成
【0295】
【化79】
化合物18(1.0当量)をMTBE(5体積)に溶解させる。触媒量のDMAP(1mol%)を添加し、SOCl2(1.2当量)を添加漏斗を介して添加する。反応器内の温度を15〜25℃に維持する速度でSOCl2を添加する。温度を30℃に1時間上昇させ、次いで20℃に冷却し、次いで水(4体積)を添加漏斗を介して添加し、温度を30℃未満に維持する。更に30分間撹拌後、層分離させる。有機層を撹拌し、10%(w/v)NaOH水溶液(4.4体積)を添加する。15から20分間撹拌後、層分離させる。次いで、有機相を脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物19を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0296】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−アセトニトリル(化合物20)の合成
【0297】
【化80】
化合物19(1当量)のDMSO(1.25体積)溶液を、DMSO(3体積)中のNaCN(1.4当量)のスラリーに添加し、温度を30〜40℃に維持する。混合物を1時間撹拌し、次いで水(6体積)、続いてMTBE(4体積)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。水層をMTBE(1.8体積)で抽出する。混合有機層を水(1.8体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物20(95%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0298】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(化合物21)の合成
【0299】
【化81】
化合物20(1.0当量)、50wt%KOH水溶液(5.0当量)1−ブロモ−2−クロロエタン(1.5当量)及びOct4NBr(0.02当量)の混合物を70℃で1時間加熱する。反応混合物を冷却し、次いでMTBE及び水で処理する。有機相を水及び塩水で洗浄し、次いで溶媒を除去して、化合物21を得る。
【0300】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸(化合物22)の合成
【0301】
【化82】
化合物21を6M NaOH(8当量)を用いてエタノール(5体積)中で80℃で終夜加水分解する。混合物を室温に冷却し、エタノールを減圧蒸発させる。残留物を水及びMTBEにとり、1M HClを添加し、層分離させる。次いで、MTBE層をジシクロヘキシルアミン(0.97当量)で処理した。スラリーを0℃に冷却し、ろ過し、ヘプタンで洗浄して、対応するDCHA塩を得る。塩をMTBE及び10%クエン酸にとり、すべての固体が溶解するまで撹拌する。層分離させ、MTBE層を水及び塩水で洗浄する。溶媒をヘプタンに交換し、続いてろ過し、真空乾燥機中で50℃で終夜乾燥後、化合物22を得る。
【0302】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリド(化合物7)の合成
【0303】
【化83】
化合物22(1.2当量)をトルエン(2.5体積)中でスラリーにし、混合物を60℃に加熱する。SOCl2(1.4当量)を添加漏斗を介して添加する。トルエン及びSOCl2を30分後に反応混合物から蒸留する。追加のトルエン(2.5体積)を添加し、再度蒸留する。
【0304】
14C−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−アセトニトリル(化合物23)の合成
【0305】
【化84】
化合物19(1当量)のDMSO(1.25体積)溶液を、DMSO(3体積)中のNa14CN(1.4当量)のスラリーに添加し、温度を30〜40℃に維持する。混合物を1時間撹拌し、次いで水(6体積)、続いてMTBE(4体積)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。水層をMTBE(1.8体積)で抽出する。混合有機層を水(1.8体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物23を得る。それをクロマトグラフィーによって精製する。
【0306】
14C−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(化合物24)の合成
【0307】
【化85】
化合物23(1.0当量)と1,2−ジブロモエタン(1.8当量)の混合物のTHF(3体積)溶液を外部冷却装置を介して−10℃に冷却する。1M LHMDSのTHF(2.5当量)溶液を、反応器内の温度を10℃未満に維持する速度で添加漏斗を介して添加する。添加終了から1時間後、20%w/vクエン酸水溶液(13体積)を添加漏斗を介して添加し、反応器内の温度を20℃未満に維持する。外部冷却装置を停止し、30分間撹拌後、層分離させる。有機層をろ過し、濃縮して、粗製化合物24を得る。それをクロマトグラフィーによって精製する。
【0308】
14C−1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸(化合物25)の合成
【0309】
【化86】
化合物24を6M NaOH(8当量)を用いてエタノール(5体積)中で80℃で終夜加水分解する。混合物を室温に冷却し、エタノールを減圧蒸発させる。残留物を水及びMTBEにとる。1M HClを混合物に添加し、有機層をろ過し、濃縮して、化合物25を得る。
【0310】
14C−1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリド(化合物26)の合成
【0311】
【化87】
化合物25、4−ジメチルアミノピリジン及び塩化チオニル(SOCl2)の混合物のCH2Cl2溶液を撹拌して、化合物26を生成する。化合物26は、単離せずに化合物6と更に反応させることができる。
【0312】
アミン部分
tert−ブチル−3−(3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾアート(化合物4)の合成
【0313】
【化88】
2−ブロモ−3−メチルピリジン(1.0当量)をトルエン(12体積)に溶解させる。K2CO3(4.8当量)、続いて水(3.5体積)を添加し、混合物をN2気流下で65℃に1時間加熱する。次いで、3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(1.05当量)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.015当量)を添加し、混合物を80℃に加熱する。2時間後、熱を切り、水を添加し(3.5体積)、層分離させる。次いで、有機相を水(3.5体積)で洗浄し、10%メタンスルホン酸水溶液(MsOH2当量、7.7体積)で抽出する。水相を、50%NaOH水溶液(2当量)を用いて塩基性にし、EtOAc(8体積)で抽出する。有機層を濃縮して、粗製化合物4(82%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0314】
2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−3−メチルピリジン−1−オキシド(化合物5)の合成
【0315】
【化89】
化合物4(1.0当量)をEtOAc(6体積)に溶解させる。水(0.3体積)、続いて尿素−過酸化水素(3当量)を添加する。無水フタル酸(3当量)を固体として分割添加して、反応器内の温度を45℃未満に維持する。無水フタル酸の添加終了後、混合物を45℃に加熱する。更に4時間撹拌後、熱を切る。10%w/wNa2SO3水溶液(1.5当量)を添加漏斗を介して添加する。Na2SO3の添加終了後、混合物を更に30分間撹拌し、層分離させる。有機層を撹拌し、10%w/wNa2CO3水溶液(2当量)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。有機相を13%w/vNaCl水溶液で洗浄する。次いで、有機相をろ過し、濃縮して、粗製化合物5(95%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0316】
tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾアート(化合物6)の合成
【0317】
【化90】
化合物5(1当量)とピリジン(4当量)のMeCN(8体積)溶液を70℃に加熱する。メタンスルホン酸無水物(1.5当量)のMeCN(2体積)溶液を添加漏斗を介して50分間添加し、温度を75℃未満に維持する。全量添加後、混合物を更に0.5時間撹拌する。次いで、混合物を周囲温度に冷却する。エタノールアミン(10当量)を添加漏斗を介して添加する。2時間撹拌後、水(6体積)を添加し、混合物を10℃に冷却する。3時間以上撹拌後、固体をろ過によって収集し、水(3体積)、2:1 MeCN/水(3体積)及びMeCN(2×1.5体積)で洗浄する。固体を真空乾燥機中で50℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物6を赤黄色固体として得る(収率53%)。
【0318】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート(化合物8)の合成
【0319】
【化91】
化合物7をトルエン(酸塩化物に基づいて2.5体積)に溶解させ、化合物6(1当量)、ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.02当量)及びトリエチルアミン(3.0当量)の混合物のトルエン(化合物6に基づいて4体積)溶液に添加漏斗を介して添加する。2時間後、水(化合物6に基づいて4体積)を反応混合物に添加する。30分間撹拌後、層分離させる。次いで、有機相をろ過し、濃縮して、化合物8の濃厚な油を得る(定量的粗収率)。MeCN(粗生成物に基づいて3体積)を添加し、結晶化が起こるまで蒸留する。水(粗生成物に基づいて2体積)を添加し、混合物を2時間撹拌する。固体をろ過によって収集し、1:1(体積)MeCN/水(粗生成物に基づいて2×1体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアートを褐色固体として得る。
【0320】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl塩(化合物9)の合成の合成
【0321】
【化92】
MeCN(3.0体積)中の化合物8(1.0当量)のスラリーに、水(0.83体積)、続いて濃HCl水溶液(0.83体積)を添加する。混合物を45±5℃に加熱する。24から48時間撹拌後、反応が終了し、混合物を周囲温度に冷却する。水(1.33体積)を添加し、混合物を撹拌する。固体をろ過によって収集し、水(2×0.3体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物9をオフホワイト固体として得る。
【0322】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0323】
【化93】
水(10体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーを周囲温度で撹拌する。24時間撹拌後、試料を採取する。試料をろ過し、固体を水(2×)で洗浄する。固体試料をDSC分析にかける。DSC分析によって化合物1への完全な転化が示されれば、固体をろ過によって収集し、水(2×1.0体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る(収率98%)。
【0324】
水及び塩基を使用した3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0325】
【化94】
周囲温度で撹拌された水(10体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーに50%w/wNaOH水溶液(2.5当量)を添加する。混合物を15分以上又は均一な溶液まで撹拌する。濃HCl(4当量)を添加して、化合物1を結晶化させる。混合物を必要に応じて60℃又は90℃に加熱して、t−ブチルベンゾアートエステルのレベルを低下させる。HPLC分析によって0.8%(AUC)以下のt−ブチルベンゾアートエステルが示されるまで、混合物を加熱する。次いで、混合物を周囲温度に冷却し、固体をろ過によって収集し、水(3×3.4体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る(収率97%)。
【0326】
ベンゾアートからの直接的な3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0327】
【化95】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート(1.0当量)のギ酸(3.0体積)溶液を70±10℃に加熱する。反応が終了するまで(1.0%AUC以下の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート)、又は8時間以下加熱して、反応を続ける。混合物を周囲温度に冷却する。50℃で加熱された水(6体積)に溶液を添加し、混合物を撹拌する。次いで、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアートのレベルが0.8%(AUC)以下になるまで、混合物を70±10℃に加熱する。固体をろ過によって収集し、水(2×3体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る。
【0328】
形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンを図1に示す。表1に、図1の計算されたピークを示す。
【0329】
【表1】
形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンを図2に示す。表2に、図2の実際のピークを示す。
【0330】
【表2】
形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンと、形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンとの重ね合わせを図3に示す。重ね合わせは、計算と実際のピーク位置の良好な一致を示し、差はわずか約0.15度にすぎない。
【0331】
形態Iの化合物1のDSC線を図4に示す。形態Iの化合物1の融解は、約204℃で起こる。
【0332】
単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図を図5〜8に示す。図6〜8は、二量体のカルボン酸基間の水素結合、及びその結果結晶中で起こる積み重ねを示す。分子の密な充填が結晶構造から明らかである。形態Iの化合物1は単斜晶、P21/nであり、以下の単位格子寸法を有する:a=4.9626(7)Å、b=12.299(2)Å、c=33.075(4)Å、β=93.938(9)°、V=2014.0Å3、Z=4。構造データから計算される形態Iの化合物1の密度は、100Kで1.492g/cm3である。
【0333】
化合物1の1H NMRスペクトルを図9〜11に示す(図9及び10は、50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1を示し、図11はHCl塩としての化合物1を示す。)。
【0334】
下表3に化合物1の追加の分析データを列挙する。
【0335】
【表3】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119の下、2007年12月7日に出願された米国仮特許出願第61/012,181号、および2008年10月30日に出願された同第61/109,573号の利益を主張し、この両出願の全内容は、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
(発明の技術的背景)
本発明は、嚢胞性線維症などのCFTR媒介性疾患の治療に有用である化合物の調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
CFTRは、吸収及び分泌上皮細胞を含めて、種々の細胞タイプにおいて発現されるcAMP/ATP媒介性陰イオンチャネルであり、膜を横切る陰イオンの流れ、並びに他のイオンチャネル及びタンパク質の活性を調節する。上皮細胞では、CFTRの正常な機能は、呼吸器及び消化器組織を含めて、体全体にわたる電解質輸送の維持に重要である。CFTRは、膜貫通領域の縦列反復で構成されるタンパク質をコードする、約1480個のアミノ酸で構成され、膜貫通領域の各々が6回膜貫通ヘリックスとヌクレオチド結合領域を含む。2つの膜貫通領域は、チャネル活性及び細胞内輸送を調節する複数のリン酸化部位を有する大きな極性調節(R)領域によって連結される。
【0004】
CFTRをコードする遺伝子は、特定され、配列決定されている(Gregory,R.J.et al.(1990)Nature 347:382−386;Rich,D.P.et al.(1990)Nature 347:358−362参照)、(Riordan,J.R.et al.(1989)Science 245:1066−1073)。この遺伝子の欠陥は、CFTRの変異を引き起こし、ヒトにおける最も一般的な致死的遺伝病である嚢胞性線維症(「CF」)をもたらす。嚢胞性線維症は、米国においては乳児2,500名当たり約1名が罹患する。米国人口では、最高1000万人が明白な発症なしに欠陥遺伝子の単一コピーを有する。これに対して、CF関連遺伝子の2個のコピーを有する個体は、慢性肺疾患を含めて、CFの消耗性の致死的作用に苦しむ。
【0005】
嚢胞性線維症患者では、呼吸上皮において内因的に発現されるCFTRの変異は、頂端側陰イオン分泌を減少させ、イオン及び体液輸送の不均衡を引き起こす。結果として生じる陰イオン輸送の減少は、肺における粘液蓄積の増加、及びCF患者の死を最終的にもたらす付随的微生物感染症の一因になる。呼吸器疾患に加えて、CF患者は、典型的には、胃腸障害、及び無処置のまま放置すると死をもたらすすい不全に罹患する。さらに、嚢胞性線維症の男性の大多数は生殖能力がなく、嚢胞性線維症の女性は受精率が低下する。CF関連遺伝子の2個のコピーの激しい作用とは対照的に、CF関連遺伝子の単一コピーを有する個体は、コレラ、及び下痢に起因する脱水に対する抵抗が増加する。これは、恐らく、集団内のCF遺伝子の発生頻度が比較的高いことを説明している。
【0006】
CF染色体のCFTR遺伝子の配列解析によって、種々の病原性変異が明らかになってきた(Cutting,G.R.et al.(1990)Nature 346:366−369;Dean,M.et al.(1990)Cell 61:863:870;及びKerem,B−S.et al.(1989)Science 245:1073−1080;Kerem,B−S et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8447−8451)。現在まで、CF遺伝子の1000を超える病原性変異が特定された(http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/)。最も一般的な変異は、CFTRアミノ酸配列の508位のフェニルアラニンの欠失であり、ΔF508−CFTRと一般に称される。この変異は、嚢胞性線維症の症例の約70%で起こり、重篤な疾患に関連する。
【0007】
ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質の正確な折りたたみを阻止する。その結果、変異タンパク質はERを出ることができず、原形質膜に移動することができない。その結果、膜中に存在するチャネル数は、野生型CFTRを発現する細胞で認められるよりもはるかに少ない。輸送障害に加えて、変異は、不完全なチャネル開閉をもたらす。膜中のチャネル数の減少と不完全な開閉は一緒に、上皮を横切る陰イオン輸送を減少させ、不完全なイオン及び体液輸送をもたらす。(Quinton,P.M.(1990),FASEB J.4:2709−2727)。しかし、複数の研究によれば、膜中の少数のΔF508−CFTRは、野生型CFTRより少なくても機能する。(Dalemans et al.(1991),Nature Lond.354:526−528;Denning et al.、上掲;Pasyk and Foskett(1995),J.Cell.Biochem.270:12347−50)。ΔF508−CFTRに加えて、不完全な輸送、合成及び/又はチャネル開閉をもたらすCFTRの別の病原性変異を上方又は下方制御して、陰イオン分泌を変え、疾患の進行及び/又は重症度を変化させることもあり得る。
【0008】
CFTRは、陰イオンに加えて種々の分子を輸送するが、この役割(陰イオン輸送)が、上皮を横切ってイオン及び水を輸送する重要な機序における一要素であることは明らかである。別の要素としては、上皮Na+チャネルENaC、Na+/2Cl−/K+共輸送体、Na+−K+−ATPaseポンプ及び側底膜K+チャネルが挙げられ、これらは細胞中への塩化物イオンの取り込みを担う。
【0009】
これらの要素は一緒に作用して、細胞内の選択的発現及び局在化を介して、上皮を横切る定方向輸送を果たす。塩化物イオンの吸収は、頂端膜上に存在するENaC及びCFTRと細胞の側底面で発現されるNa+−K+−ATPaseポンプ及びCl−チャネルとの協調活性によって起こる。管腔側からの塩化物イオンの二次性能動輸送は、細胞内塩化物イオンの蓄積をもたらし、次いで塩化物イオンは、Cl−チャネルを介して受動的に細胞から出て行くことができ、ベクトル輸送を生じる。側底面のNa+/2Cl−/K+共輸送体、Na+−K+−ATPaseポンプ及び側底膜K+チャネルの配列と、管腔側のCFTRは、管腔側のCFTRを介した塩化物イオンの分泌を連係して調整する。水は恐らくそれ自体では決して能動輸送されないので、上皮を横切るその流れは、ナトリウム及び塩化物イオンの容積流によって生じるごくわずかの経上皮浸透勾配に依存する。
【0010】
上述したように、ΔF508−CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質の正確な折りたたみを阻止し、その結果、この変異タンパク質がERを出ることができず、原形質膜に移動することができないと考えられる。その結果、不十分な量の成熟タンパク質しか原形質膜に存在せず、上皮組織内の塩化物イオン輸送がかなり低下する。実際に、ER機構によるABC輸送体の不完全なERプロセシングのこの細胞現象は、CF疾患だけでなく、広範囲の他の単独の遺伝性疾患の根底にあることが示された。ER機構が機能不全を起こし得る2つの過程は、分解をもたらすタンパク質のER排出との結合不足、又はこれらの欠陥のある/誤って折りたたまれたタンパク質のER蓄積による[Aridor M,et al.,Nature Med.,5(7),pp745−751(1999);Shastry,B.S.,et al.,Neurochem.International,43,pp1−7(2003);Rutishauser,J.,et al.,Swiss Med Wkly,132,pp211−222(2002);Morello,JP et al.,TIPS,21,pp.466−469(2000);Bross P.,et al.,Human Mut.,14,pp.186−198(1999)]。
【0011】
塩型の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸は、特許文献1(該刊行物を参照によりその全体を本明細書に援用する。)にCFTR活性の調節物質として開示されており、したがって嚢胞性線維症などのCFTR媒介性疾患の治療に有用である。しかし、本明細書に記載のシクロアルキルカルボキサミドピリジン安息香酸の経済的調製プロセスが依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/056341号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本明細書に記載のように、本発明は、嚢胞性線維症の治療に有用であるCFTR修正物質を調製するプロセスを提供する。かかる化合物としては、以下の構造を有する3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(以下「化合物1」)が挙げられる。
【0014】
【化1】
化合物1及び薬学的に許容されるその組成物は、種々のCFTR媒介性疾患の治療又は重症度の低減に有用である。化合物1は、本明細書に記載され特徴づけられる形態Iと称する、実質的に結晶性であり、塩を含まない形態である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンを示す。
【図2】形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンを示す。
【図3】形態Iの化合物1の単結晶から計算されるX線回折パターンと、形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンとの重ね合わせを示す。
【図4】形態Iの化合物1の示差走査熱量測定(DSC)線を示す。
【図5】単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図6】カルボン酸基を介して形成された二量体としての、単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図7】分子が相互に積層されたことを示す、単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図である。
【図8】単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図であり、異なる位置から見た図である(下方a)。
【図9】T(0)における50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1の1H NMR分析結果を示す。
【図10】室温で24時間貯蔵された50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1の1H NMR分析結果を示す。
【図11】化合物1・HCl標準の1H NMR分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、化合物1を調製するプロセスであって、
【0017】
【化2】
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【0018】
【化3】
ii)水、有機溶媒、塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【0019】
【化4】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0020】
【化5】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【0021】
【化6】
v)有機溶媒中で塩基の存在下で化合物6を化合物7
【0022】
【化7】
と反応させて、化合物8
【0023】
【化8】
を生成するステップと、
vi)水、有機溶媒及び酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0024】
【化9】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップとを含む、プロセスに関する。化合物1は、化合物9の遊離型であり、本明細書において特徴づけられる、形態Iと称することがある。
【0025】
別の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)有機溶媒中で塩基の存在下で化合物6
【0026】
【化10】
を化合物7
【0027】
【化11】
と反応させて、化合物8
【0028】
【化12】
を生成するステップと、
ii)水、有機溶媒及び酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0029】
【化13】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0030】
本発明は、式1の化合物を調製するプロセスであって、
【0031】
【化14】
ia)有機溶媒中で塩基の存在下で式6aの化合物
【0032】
【化15】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【0033】
【化16】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセスも提供する。
【0034】
本発明は、式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【0035】
【化17】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【0036】
【化18】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、有機溶媒、塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【0037】
【化19】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5a
【0038】
【化20】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6a
【0039】
【化21】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと
を含む、プロセスを提供する。
【0040】
本発明は、式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【0041】
【化22】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ib)化合物10b
【0042】
【化23】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
を還元剤を用いて還元して、化合物11b
【0043】
【化24】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
iib)化合物11bをハロゲン化剤と反応させて、化合物12bを生成するステップと、
【0044】
【化25】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiib)化合物12bをシアン化物と反応させて、化合物13bを生成するステップと、
【0045】
【化26】
(式中、環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
ivb)化合物13bを塩基の存在下で式13bbの化合物
【0046】
【化27】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14bの化合物
【0047】
【化28】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは化合物10bにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vb)化合物14bを水酸化物塩基及び酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15bを形成するステップと、
【0048】
【化29】
(式中、r、環A、R1及びmは化合物14bにおいて上で定義されたとおりである。)
vib)化合物15bをハロゲン化剤と反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16bを形成するステップ
を含む、プロセスも提供する。
【0049】
【化30】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14bにおいて上で定義されたとおりである。)
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0050】
【化31】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセスも提供する。
【0051】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0052】
【化32】
該プロセスが、化合物9をスラリー化するステップと、NaOH水溶液を添加するステップと、再結晶させて化合物1を生成するステップとを含む、プロセスも提供する。
【0053】
本発明は、式6bの化合物も提供する。
【0054】
【化33】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
定義
本明細書では、別段の記載がない限り、以下の定義を適用するものとする。
【0055】
本明細書では「CFTR」という用語は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子、又はΔF508 CFTR及びG551D CFTRを含めて、ただしそれだけに限定されない、制御因子活性能力のあるその変異体を意味する(CFTR変異体については、例えばhttp://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/を参照されたい。)。
【0056】
本明細書では「結晶性」とは、構造単位が、固定された幾何パターン又は格子状に配置され、その結果、結晶性固体は剛直な長距離秩序を有する化合物又は組成物を指す。結晶構造を構成する構造単位は、原子、分子又はイオンとすることができる。結晶性固体は、明確な融点を示す。
【0057】
当分野で認識されているように、Pd(dppf)Cl2におけるような二座配位リガンド(dppf)は、ジフェニルホスフィノフェロセンを表し、式Ph2PC5H4FeC5H4PPh2として立つ。
【0058】
本明細書では「調節」という用語は、例えば活性を、測定可能な量だけ増減させることを意味する。
【0059】
本明細書では、(以下に示すように)置換基から複数環構造内の1個の環の中央に引かれた結合は、複数環構造内の環のいずれかにおける任意の置換可能な位置における置換基の置換を表す。例えば、図aは、図bに示す位置のいずれかにおける可能な置換を表す。
【0060】
【化34】
別段の記載がない限り、本明細書に記載の構造は、該構造の全異性(例えば、鏡像異性、ジアステレオマー及び幾何(又は配座))体、例えば、各不斉中心に対するRとS配置、(Z)と(E)二重結合異性体、及び(Z)と(E)配座異性体も含むものとする。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、並びに鏡像異性混合物、ジアステレオマー混合物及び幾何(又は配座)混合物は、本発明の範囲内である。別段の記載がない限り、本発明の化合物の全互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、別段の記載がない限り、本明細書に記載の構造は、同位体的に濃縮された1個以上の原子の存在の点でのみ異なる化合物も含むものとする。例えば、水素が重水素若しくはトリチウムで置換された場合や炭素が高13C若しくは14C炭素で置換された場合を除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、バイオアッセイにおけるプローブ、又は改善された治療プロファイルを有するCFTR修正物質として有用である。
【0061】
一実施形態においては、本発明は、化合物1を調製するプロセスを提供する。
【0062】
【化35】
一部の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【0063】
【化36】
ii)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【0064】
【化37】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0065】
【化38】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【0066】
【化39】
v)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7
【0067】
【化40】
と反応させて、化合物8
【0068】
【化41】
を生成するステップと、
vi)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0069】
【化42】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0070】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0071】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される。
【0072】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒はトルエンである。
【0073】
別の実施形態においては、第1の有機溶媒はプロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される。
【0074】
一部の実施形態においては、第1の塩基は無機塩基である。
【0075】
一部の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0076】
一部の別の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸カリウムから選択される。更に別の実施形態においては、第1の塩基は炭酸カリウムから選択される。
【0077】
一部の実施形態においては、遷移金属触媒はパラジウム系触媒である。
【0078】
一部の実施形態においては、パラジウム系触媒は、酢酸パラジウム(II)、Pd(dppf)Cl2、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)から選択される。更に別の実施形態においては、パラジウム系触媒はPd(dppf)Cl2である。
【0079】
一部の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約60℃から約100℃で行われる。
【0080】
別の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約70℃から約90℃で行われる。更に別の実施形態においては、クロスカップリング反応は約80℃で行われる。
【0081】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。
【0082】
一部の実施形態においては、酸化反応は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は過酢酸を使用して行われる。
【0083】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。
【0084】
一部の実施形態においては、酸化反応は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は無水フタル酸の存在下で行われる。
【0085】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。
【0086】
一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。更に別の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0087】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。
【0088】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択されるスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミノ化反応はメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる。
【0089】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0090】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。
【0091】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬は、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択されるアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はエタノールアミンである。
【0092】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0093】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0094】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0095】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0096】
一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0097】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0098】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0099】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0100】
一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0101】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0102】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0103】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0104】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0105】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0106】
別の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップ、又は化合物1の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む。
【0107】
別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0108】
別の実施形態においては、化合物1を調製するプロセスは、
i)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6
【0109】
【化43】
を化合物7
【0110】
【化44】
と反応させて、化合物8
【0111】
【化45】
を生成するステップと、
ii)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【0112】
【化46】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む。
【0113】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0114】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0115】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0116】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0117】
一部の実施形態においては、化合物6と化合物7の反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0118】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0119】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0120】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0121】
一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0122】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0123】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0124】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0125】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0126】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0127】
別の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップ、又は化合物1の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む。
【0128】
一部の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0129】
別の一実施形態においては、本発明は、式1の化合物を調製するプロセスであって、
【0130】
【化47】
ia)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で式6aの化合物
【0131】
【化48】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【0132】
【化49】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセスを提供する。
【0133】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0134】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0135】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。
【0136】
一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0137】
一部の実施形態においては、化合物6aと化合物7aの反応は、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、反応は、触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
【0138】
一部の実施形態においては、式1中のフェニル環上のR1がエステルであるときに、プロセスは、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物を脱エステル化して酸性塩を生成することを更に含む。
【0139】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0140】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。
【0141】
一部の実施形態においては、第3の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0142】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。
【0143】
別の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。更に別の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0144】
一部の実施形態においては、酸性塩は、酸性塩を適切な溶媒中に有効時間スラリー化又は溶解させることによって遊離型、形態Iに転化することができる。
【0145】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又はアルコール/水混合物から選択される。一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物から選択される。別の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0146】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約24時間である。
【0147】
一部の実施形態においては、有効時間は約2から約18時間である。別の実施形態においては、有効時間は約2から約12時間である。更に別の実施形態においては、有効時間は約2から約6時間である。
【0148】
別の実施形態においては、プロセスは、形態Iの式1の化合物のスラリーをろ過するステップ、又は形態Iの式1の化合物の溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した形態Iの式1の化合物をろ過するステップを更に含む。
【0149】
別の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製される。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール又は1−ブタノールが挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで約75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度約0.2℃/minで約10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0150】
別の一実施形態においては、本発明は、式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【0151】
【化50】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【0152】
【化51】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【0153】
【化52】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5aを生成するステップと、
【0154】
【化53】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6aを生成するステップと
を含むプロセスを提供する。
【0155】
【化54】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0156】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される。
【0157】
一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒はトルエンである。
【0158】
別の実施形態においては、第1の有機溶媒はプロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される。
【0159】
一部の実施形態においては、第1の塩基は無機塩基である。
【0160】
一部の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0161】
一部の別の実施形態においては、第1の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸カリウムから選択される。更に別の実施形態においては、第1の塩基は炭酸カリウムである。
【0162】
一部の実施形態においては、遷移金属触媒はパラジウム系触媒である。
【0163】
一部の実施形態においては、パラジウム系触媒は、酢酸パラジウム(II)、Pd(dppf)Cl2、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)から選択される。更に別の実施形態においては、パラジウム系触媒はPd(dppf)Cl2である。
【0164】
一部の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約60℃から約100℃で行われる。
【0165】
別の実施形態においては、クロスカップリング反応は、約70℃から約90℃で行われる。更に別の実施形態においては、クロスカップリング反応は約80℃で行われる。
【0166】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。
【0167】
一部の実施形態においては、酸化反応は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は過酢酸を使用して行われる。
【0168】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。
【0169】
一部の実施形態においては、酸化反応は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は無水フタル酸の存在下で行われる。
【0170】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。
【0171】
一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。更に別の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0172】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。
【0173】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択されるスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミノ化反応はメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる。
【0174】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0175】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。
【0176】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬は、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択されるアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はエタノールアミンである。
【0177】
本発明は、式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【0178】
【化55】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ic)化合物10aを第4の有機溶媒中で還元剤を用いて還元して、化合物11aを生成するステップと、
【0179】
【化56】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
【0180】
【化57】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
iic)化合物11aを第1のハロゲン化剤と第5の有機溶媒中で反応させて、化合物12aを生成するステップと、
【0181】
【化58】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiic)化合物12aをシアン化物と反応させて、化合物13aを生成するステップと、
【0182】
【化59】
(式中、環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
ivc)化合物13aを第3の塩基の存在下で式13aaの化合物
【0183】
【化60】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14aの化合物
【0184】
【化61】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vc)化合物14aを水酸化物塩基及び第2の酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15aを形成するステップと、
【0185】
【化62】
(式中、r、環A、R1及びmは化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
vic)化合物15aを第2のハロゲン化剤と第6の有機溶媒中で反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16a
【0186】
【化63】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
を形成するステップと
を含むプロセスも提供する。
【0187】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0188】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0189】
一部の実施形態においては、第4の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第4の有機溶媒はトルエンである。
【0190】
一部の実施形態においては、還元剤は水素化物である。
【0191】
一部の実施形態においては、還元剤は、水素化ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム又はナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである。一部の実施形態においては、還元剤はナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである。
【0192】
一部の実施形態においては、還元反応は約5℃から約50℃で行われる。別の実施形態においては、還元反応は約15℃から約40℃で行われる。
【0193】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0194】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0195】
一部の実施形態においては、第5の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、メチルt−ブチルエーテル、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第5の有機溶媒はメチルt−ブチルエーテルである。
【0196】
一部の実施形態においては、第1のハロゲン化剤はハロゲン化チオニルである。別の実施形態においては、第1のハロゲン化剤は塩化チオニルである。
【0197】
一部の実施形態においては、化合物11aと第1のハロゲン化剤の反応は、約10℃から約35℃で行われる。別の実施形態においては、ハロゲン化反応は約15℃から約30℃で行われる。
【0198】
一部の実施形態においては、シアン化物はシアン化アルカリ金属である。別の実施形態においては、シアン化物はシアン化ナトリウムである。
【0199】
一部の実施形態においては、化合物19を有機溶媒に溶解させ、シアン化アルカリ金属のスラリーに添加する。別の実施形態においては、有機溶媒はDMSOである。
【0200】
一部の実施形態においては、化合物12aとシアン化物の反応は約10℃から約60℃で行われる。別の実施形態においては、反応は約20℃から約50℃で行われる。別の実施形態においては、反応は約30℃から約40℃で行われる。
【0201】
一部の実施形態においては、ステップivc)中の第3の塩基は無機塩基である。
【0202】
一部の実施形態においては、第3の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムから選択される。
【0203】
一部の実施形態においては、第3の塩基は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。一部の実施形態においては、第3の塩基は水酸化カリウムである。
【0204】
一部の実施形態においては、化合物13aaは、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロブタン、ジクロロペンタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、ジブロモブタン、ジブロモペンタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン又は1−ブロモ−5−クロロペンタンから選択される。
【0205】
一部の実施形態においては、化合物13aaは1−ブロモ−2−クロロエタンである。
【0206】
一部の実施形態においては、化合物13aと式13aaの化合物の反応は約0℃から約90℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約60℃から約80℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約70℃で行われる。
【0207】
一部の実施形態においては、水酸化物塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウムである。別の実施形態においては、水酸化物塩基は水酸化ナトリウムである。
【0208】
一部の実施形態においては、第2の酸は無機酸である。一部の実施形態においては、第2の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される。一部の実施形態においては、第2の酸は塩酸である。
【0209】
一部の実施形態においては、化合物14aと水酸化物塩基及び第2の酸との逐次反応は約70℃から約90℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約80℃で行われる。
【0210】
一部の実施形態においては、化合物14aを水酸化物塩基で処理することは、共溶媒の存在下で行われる。別の実施形態においては、共溶媒はアルコールである。別の実施形態においては、アルコールはエタノールである。
【0211】
一部の実施形態においては、化合物14aを水酸化物塩基で処理した後、それは第2の酸で処理する前に単離される。別の実施形態においては、それは、化合物14aを加水分解するのに使用した塩基とは異なる塩基として単離される。別の実施形態においては、シクロヘキシルアンモニウム塩の形成に使用される異なる塩基はシクロヘキシルアミンである。
【0212】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。
【0213】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0214】
一部の実施形態においては、第6の有機溶媒は、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン又はキシレンから選択される。一部の実施形態においては、第6の有機溶媒はトルエンである。
【0215】
一部の実施形態においては、第2のハロゲン化剤はハロゲン化チオニルである。一部の実施形態においては、第2のハロゲン化剤は塩化チオニルである。
【0216】
一部の実施形態においては、化合物15aと第2のハロゲン化剤の反応は約40℃から約80℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約50℃から約70℃で行われる。一部の実施形態においては、反応は約70℃で行われる。
【0217】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0218】
【化64】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセスも提供する。
【0219】
本発明は、化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【0220】
【化65】
該プロセスが、化合物9をスラリー化するステップと、NaOH水溶液を添加するステップと、再結晶させて化合物1を生成するステップとを含む、プロセスも提供する。
【0221】
一部の実施形態においては、再結晶は、濃HClを添加することによってなされる。
【0222】
一部の実施形態においては、適切な溶媒は、水又は約50%メタノール/水混合物である。一部の実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0223】
一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約24時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約18時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約12時間である。一部の実施形態においては、有効時間は約2時間から約6時間である。
【0224】
一部の実施形態においては、プロセスは、化合物1のスラリーをろ過するステップを更に含む。
【0225】
別の実施形態においては、化合物9は、下記化合物8から生成され、
【0226】
【化66】
該プロセスは、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップを含む。
【0227】
一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第3の有機溶媒はアセトニトリルである。
【0228】
一部の実施形態においては、第1の酸は無機酸である。一部の実施形態においては、第1の酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸又はホウ酸から選択される。一部の実施形態においては、第1の酸は塩酸である。
【0229】
一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約20℃から約60℃で行われる。一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約30℃から約50℃で行われる。一部の実施形態においては、脱エステル化反応は約40℃で行われる。
【0230】
一部の実施形態においては、化合物8は、下記化合物6及び化合物7から調製され、
【0231】
【化67】
該プロセスは、第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7と反応させて、化合物8を生成するステップを含む。
【0232】
【化68】
一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン又はジメチルスルホキシドから選択される非プロトン性溶媒である。一部の実施形態においては、第2の有機溶媒はトルエンである。
【0233】
一部の実施形態においては、第2の塩基は有機塩基である。一部の実施形態においては、第2の塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルメチルアミン又はピリジンから選択される。一部の実施形態においては、第2の塩基はトリエチルアミンである。
【0234】
一部の実施形態においては、プロセスは、アミン触媒の存在下で行われる。一部の実施形態においては、アミン触媒はジメチルアミノピリジンである。
【0235】
一部の実施形態においては、化合物6は、下記化合物4から調製され、
【0236】
【化69】
該プロセスは、
化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【0237】
【化70】
化合物5をアミノ化して、化合物5上のピリジル部分の6位にアミン基を付加して、化合物6を生成するステップ
を含む。
【0238】
【化71】
一部の実施形態においては、酸化反応は過酸化物を使用して行われる。一部の実施形態においては、過酸化物は、尿素−過酸化水素、過酢酸、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化カドミウム又は過酸化水銀から選択される。一部の実施形態においては、過酸化物は過酢酸である。
【0239】
一部の実施形態においては、酸化反応は酸無水物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、酸無水物は、無水酢酸、無水フタル酸又は無水マレイン酸から選択される。一部の実施形態においては、酸無水物は無水フタル酸である。
【0240】
一部の実施形態においては、酸化反応は約25℃から約65℃で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は約35℃から約55℃で行われる。一部の実施形態においては、酸化反応は約45℃で行われる。
【0241】
一部の実施形態においては、アミノ化反応はスルホニル化合物の存在下で行われる。一部の実施形態においては、スルホニル化合物は、塩化p−トルエンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル又はp−トルエンスルホン酸無水物から選択される。一部の実施形態においては、スルホニル化合物はメタンスルホン酸無水物である。
【0242】
一部の実施形態においては、アミノ化反応は周囲温度で行われる。
【0243】
一部の実施形態においては、アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬はアルコールアミンである。一部の実施形態においては、アルコールアミンは、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン又はヘキサノールアミンから選択される。一部の実施形態においては、アルコールアミンはエタノールアミンである。
【0244】
本発明は、式6bの化合物も提供する。
【0245】
【化72】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
一部の実施形態においては、本発明は、RがHである式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0246】
一部の実施形態においては、本発明は、R1がC1〜6脂肪族であり、oが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0247】
一部の実施形態においては、本発明は、R1がメチルであり、oが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0248】
一部の実施形態においては、本発明は、R2が−CO2RJであり、pが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0249】
一部の実施形態においては、本発明は、R2が−CO2RJであり、RJがC1〜6脂肪族であり、pが1である、式6bの化合物及び付随的定義に関する。
【0250】
一部の実施形態においては、本発明は、化合物
【0251】
【化73】
に関する。
【0252】
一部の実施形態においては、化合物1は放射性同位体を含むことができる。一部の実施形態においては、化合物1は14C原子を含むことができる。一部の実施形態においては、化合物1のアミドカルボニル炭素は14C原子である。
【0253】
化合物1を調製する方法
化合物1は、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の遊離型であり、一実施形態においては、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸のHClなどの塩形態を適切な溶媒に有効時間分散又は溶解させることから調製される。別の一実施形態においては、形態Iは、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート及びギ酸などの適切な酸から直接形成される。一実施形態においては、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸のHCl塩形態が出発点であり、一実施形態においては、スキーム1〜3に従って酸塩化物部分をアミン部分とカップリングさせることによって調製することができる。
【0254】
スキーム1.酸塩化物部分の合成
【0255】
【化74】
スキーム1において、カルボン酸17を適切な溶媒(例えば、トルエン)中で還元剤を用いて還元して、アルコール18を生成する。適切な溶媒(例えば、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE))中で化合物18を塩素化剤で処理すると、化合物19が生成する。シアノ基で塩化物を置換すると化合物20が生成する。化合物20と塩基及びジハロゲン化アルキル(例えば、1−ブロモ−2−クロロエタン)との反応によってスピロシクロアルカン化合物21が生成する。シアノ基を加水分解すると、カルボン酸22が生成する。カルボン酸22を塩素化して、酸ハロゲン化物7を生成する。
【0256】
一実施形態においては、化合物17は市販されている。一実施形態においては、還元剤は、ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド[すなわち、NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]の65wt%トルエン溶液であり、Aldrich ChemicalsによってVitride(登録商標)の名称で販売されている。
【0257】
一実施形態においては、化合物18を化合物19に転化する塩素化剤は、塩化チオニルである。別の一実施形態においては、反応混合物の温度を15℃から25℃に維持しながら、塩化チオニルを化合物18に添加し、次いで更に1時間の撹拌を30℃で続ける。
【0258】
一実施形態においては、化合物20のシアノ基は、化合物19を適切な溶媒(例えば、DMSO)中でシアン化ナトリウムと反応させることから得られる。別の一実施形態においては、シアン化ナトリウムを添加しながら、反応混合物の温度を30℃から40℃で維持する。
【0259】
一実施形態においては、化合物20を水酸化カリウム及びジハロゲン化アルキルと反応させて、スピロ環状化合物21を適切な溶媒(例えば、水)中で生成する。スピロ環式プロパン環をスキーム1に示すが、適切なジハロゲン化アルキルを選択することによって、プロセスを別のスピロ環に容易に適合させることができる。例えば、スピロ環式ブタン環は、化合物20を、例えば1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させることによって、生成することができる。混合ブロモ及びクロロジハロゲン化物が経済的に最良であることが見いだされた。これは、反応の熱力学がより有利であるためと考えられる。
【0260】
一実施形態においては、水及び塩基(例えば、水酸化ナトリウム)の存在下で適切な溶媒(例えば、エタノール)中で化合物21をカルボン酸化合物22に加水分解する。塩酸などの酸で後処理すると、化合物22が生成する。別の一実施形態においては、化合物22をジシクロヘキシルアミン(DCHA)と反応させてDCHA塩を生成し、DCHA塩を適切な溶媒(例えば、MTBE)にとり、固体が溶解するまでクエン酸と一緒に撹拌することによって、化合物22を処理する。次いで、MTBE層を水及び塩水で洗浄し、ヘプタンと溶媒交換し、続いてろ過して、化合物22を得る。
【0261】
一実施形態においては、適切な溶媒(例えば、トルエン)中で塩化チオニルを使用して化合物22を塩素化して、化合物7を生成する。一実施形態においては、このステップは、化合物7と化合物6のカップリングを直接進行させ、同じ反応器中で行われる。
【0262】
スキーム1並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物7を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物7を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。水素化アルミニウムリチウムなどの他の還元剤に優先してVitride(登録商標)を使用して化合物17を化合物18に還元すると、制御された(管理しやすい発熱反応及びガス発生)安全な還元剤添加が可能になる。化合物18から化合物19へのハロゲン化反応において、DMFなどのある種の別の塩基に対して、DMAPを触媒として使用すると、公知の発癌物質であるジメチルカルバモイルクロリドの形成が回避される。DMSOなどの有機溶媒中の化合物19の溶液をDMSOなどの有機溶媒中のシアン化物スラリーに添加すると、発熱反応の温度が制御され、シアン化物の取扱いが最小限に抑えられる。化合物21を化合物22に加水分解する際にエタノールを共溶媒として使用すると、均一な反応混合物が生成し、試料採取及び反応の監視がより容易になる。初期の加水分解後に化合物21をジシクロヘキシルアンモニウム塩として精製すると、中間体のいずれでもクロマトグラフィーが不要になる。
【0263】
スキーム2.アミン部分の合成
【0264】
【化75】
2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)を適切な溶媒(例えば、トルエン)中で3−(t−ブトキシカルボニル)−フェニルボロン酸(化合物3)と反応させると、エステル化合物4が生成する。カップリング反応は、パラジウム触媒などの遷移金属触媒によって触媒される。適切な溶媒(例えば、酢酸エチル−水混合物)中で過酸化物を用いて化合物4を酸化すると化合物5が生成する。アミノ化剤(例えば、アルコールアミン)を用いて化合物5をアミノ化すると、化合物6が生成する。
【0265】
一実施形態においては、パラジウム触媒は、二座配位フェロセンリガンドを含むPd(dppf)Cl2である。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.025から0.005当量しか使用されない。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.020から0.010当量しか使用されない。別の一実施形態においては、触媒は、化合物2に対してわずか0.015当量しか使用されない。
【0266】
一実施形態においては、化合物4の酸化は、尿素−過酸化水素又は過酢酸を用いて行われる。過酢酸の方が、経済的に入手しやすく、その後の単離及び処分が容易であるので、好ましい。一実施形態においては、酸無水物を反応混合物に分割添加して、反応器内の温度を45℃未満に維持する。一実施形態においては、酸無水物は無水フタル酸であり、それを固体形態で添加する。酸無水物の添加終了後、混合物を45℃に加熱し、4時間撹拌後、化合物5を単離する。
【0267】
一実施形態においては、アミン基を化合物5に付加して、適切な溶媒(例えば、ピリジン−アセトニトリル混合物)中で化合物6を生成する。一実施形態においては、化合物5がスルホン酸無水物とまず反応した後にアミノ化が起こる。一実施形態においては、スルホン酸無水物は、アセトニトリルに溶解されたメタンスルホン酸無水物であり、ピリジンに溶解した化合物5に50分間添加される。別の一実施形態においては、添加中、温度を75℃未満に維持する。別の一実施形態においては、アミノ化剤はエタノールアミンである。別の一実施形態においては、エタノールアミン量は、化合物5に対して10当量である。
【0268】
スキーム2並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物6を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物6を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。化合物4を形成する化合物2と3のカップリング反応における炭酸カリウム濃度が増加すると、ボロン酸ホモカップリングのレベルが低下する。ボロン酸ホモカップリングは、N2下で加熱後に遷移金属触媒を反応混合物に最後に添加することによっても減少する。化合物4をMsOH水溶液で抽出すると、クロマトグラフィー精製が不要になる。化合物4を化合物5に転化するときに過酢酸を酸化剤として使用すると、別の酸化剤よりも経済的であり、副生物を管理しやすくなる。化合物5を化合物6に転化する際に塩化p−トルエンスルホニルなどの他の類似試薬の代わりにMs2Oを使用すると、クロロ不純物が形成されなくなる。反応終了時に水を添加すると、化合物6が反応混合物から直接結晶化して、収率が向上し、単離が容易になる。
【0269】
スキーム3.3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の酸性塩の形成
【0270】
【化76】
適切な溶媒(例えば、トルエン)中の化合物7と化合物6の酸塩基反応によって、エステル化合物8が生成する。酸(塩酸が示されている。)を用いた化合物8の脱エステル化によって、化合物1の前駆体である化合物9が生成する。
【0271】
一実施形態においては、酸塩化物化合物7は、同じ反応器中でスキーム1に示すように化合物22から調製され、単離される。別の一実施形態においては、酸に基づく反応は、トリエチルアミン(TEA)などの塩基、及びジメチルアミノピリジン(DMAP)などの触媒量の第2の塩基の存在下で行われる。一実施形態においては、TEA量は化合物6に対して3当量である。別の一実施形態においては、DMAP量は化合物6に対して0.02当量である。一実施形態においては、2時間の反応時間後、水を混合物に添加し、更に30分間撹拌する。有機相を分離し、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル)を添加し、反応溶媒(例えば、t)を蒸留除去することによって化合物9を単離する。化合物9をろ過によって収集する。
【0272】
例えば化合物9を出発点として使用して、化合物9を適切な溶媒に有効時間分散又は溶解させることによって化合物1を高収率で形成することができる。例えば他の無機又は有機酸形態など、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の他の塩形態を使用することができる。他の塩形態は、対応する酸を用いたt−ブチルエステルの加水分解から生じる。他の酸/塩形態としては、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、安息香酸、マロン酸などが挙げられる。化合物9は、使用溶媒に応じて可溶性でも非可溶性でもよいが、溶解性不足は、化合物1の形成を妨げない。化合物9は水にわずかしか溶解しないが、例えば、一実施形態においては、適切な溶媒は、水、又は約50%メタノール/水混合物などのアルコール/水混合物とすることができる。一実施形態においては、適切な溶媒は水である。
【0273】
化合物9から化合物1を形成するための有効時間は、2から24時間以上の任意の時間とすることができる。一般に、高収率(約98%)を得るのに24時間を超える時間は不要であるが、ある種の溶媒は24時間を超える時間を必要とし得る。必要な時間は、温度に逆比例することも認識されている。すなわち、温度が高いほど、HClの解離に作用して化合物1を形成するのに必要な時間が短くなる。溶媒が水であるときには、分散液を室温で約24時間撹拌すると、化合物1が収率約98%で得られる。化合物9の溶液がプロセス目的で必要な場合には、高温及び有機溶媒を使用することができる。溶液を高温で有効時間撹拌後、冷却再結晶させると、実質的に純粋な形の化合物1が生成する。一実施形態においては、実質的に純粋とは、90%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、95%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、98%を超える純度を指す。別の一実施形態においては、実質的に純粋とは、99%を超える純度を指す。選択される温度は、使用溶媒にある程度依存し、当業者の決定能力の十分な範囲内である。一実施形態においては、温度は室温から80℃である。別の一実施形態においては、温度は室温から40℃である。別の一実施形態においては、温度は40℃から60℃である。別の一実施形態においては、温度は60℃から80℃である。
【0274】
一部の実施形態においては、化合物1は、有機溶媒からの再結晶によって更に精製することができる。有機溶媒の例としては、トルエン、クメン、アニソール、1−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルイソブチルケトン又は(種々の比の)1−プロパノール/水が挙げられるが、それだけに限定されない。温度は、上述したように使用することができる。例えば、一実施形態においては、化合物1を完全に溶解するまで75℃で1−ブタノールに溶解させる。溶液を速度0.2℃/minで10℃に冷却すると、化合物1の結晶が生成する。この結晶は、ろ過によって単離することができる。
【0275】
スキーム3並びに上記及び本明細書の他の所に記載された実施形態に従って化合物9を形成することの非限定的利点が幾つかある。これらの利点は、化合物9を経済的に製造するときにより一層明白であり、以下のものが挙げられる。化合物7を化合物6と反応させた後に化合物8を結晶化させると、クロマトグラフィー精製が不要になる。トリフルオロ酢酸などの別の酸を用いた脱保護、濃縮、及びHClなどの所望の酸との交換に対して、化合物8を酸で処理した後の化合物9の直接結晶化は、ステップを省き、収率を改善する。
【0276】
一部の実施形態においては、化合物1は放射性同位体を含むことができる。一部の実施形態においては、放射性同位体は14Cである。一部の実施形態においては、化合物1のアミドカルボニル炭素は14Cである。スキーム4に示すように、化合物19を放射性標識シアン化物と反応させることによって、14Cをこの位置に導入する。
【0277】
スキーム4.化合物1への放射性同位体の導入
【0278】
【化77】
一実施形態においては、化合物23の放射性標識シアノ基は、化合物19を適切な溶媒(例えば、DMSO)中で放射性標識シアン化ナトリウムと反応させることから得られる。別の一実施形態においては、シアン化ナトリウムを添加しながら、反応混合物の温度を30℃から40℃で維持する。次いで、化合物23をスキーム1〜3に従って更に反応させて、放射性標識化合物1を生成することができる。
【0279】
化合物1の特性分析
化合物1は、本明細書においてX線粉末回折、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び1H NMR分光法によって特徴づけられる、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸の実質的な遊離型、形態Iとして存在する。
【0280】
一実施形態においては、化合物1は、CuKアルファ照射によって得られたX線粉末回折における15.2から15.6度、16.1から16.5度、及び14.3から14.7度の1個以上のピークによって特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は、15.4、16.3及び14.5度の1個以上のピークによって特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は、14.6から15.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は14.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は17.6から18.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は17.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.4から16.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.4から16.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は16.6度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は7.6から8.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は7.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は25.8から26.2度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は26.0度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は21.4から21.8度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は21.6度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は23.1から23.5度のピークによって更に特徴づけられる。別の一実施形態においては、化合物1は23.3度のピークによって更に特徴づけられる。
【0281】
一部の実施形態においては、化合物1は、図1の回折パターンとかなり類似した回折パターンによって特徴づけられる。
【0282】
一部の実施形態においては、化合物1は、図2の回折パターンとかなり類似した回折パターンによって特徴づけられる。
【0283】
別の一実施形態においては、化合物1は、単斜晶系、P21/n空間群、及び以下の単位格子寸法を有する:a=4.9626(7)Å、b=12.2994(18)Å、c=33.075(4)Å、α=90°、β=93.938(9)°及びγ=90°。
【0284】
別の一実施形態においては、化合物1は、図4に示すDSC線によって特徴づけられる。
【0285】
別の一実施形態においては、化合物1は、図8〜10に示す化合物1の1H NMRスペクトルによって特徴づけられる。
【0286】
本明細書に記載した発明をより十分に理解できるようにするために、以下の実施例を示す。これらの実施例は単に説明のためのものにすぎず、本発明を限定するものと決して解釈すべきではないことを理解すべきである。
【実施例】
【0287】
方法及び材料
示差走査熱量測定(DSC)
化合物1の示差走査熱量測定(DSC)データをDSC Q100 V9.6 Build 290(TA Instruments、New Castle、DE)を用いて収集した。温度をインジウムを用いて較正し、熱容量をサファイアを用いて較正した。試料3〜6mgをアルミニウムパンに計量し、1個のピンホールを有する蓋を圧着した。試料を25℃から350℃まで加熱速度1.0℃/min、窒素ガスパージ50ml/minで走査した。データをThermal Advantage Q SeriesTM version 2.2.0.248ソフトウェアによって収集し、Universal Analysis software version 4.1D(TA Instruments、New Castle、DE)によって分析した。報告した数は、単一の分析結果である。
【0288】
XRPD(X線粉末回折)
HI−STAR2次元検出器及びフラットグラファイトモノクロメーターを備えたBruker D8 DISCOVER粉末回折計によって、形態1のX線回折(XRD)データを収集した。Kα照射のCu封管を40kV、35mAで使用した。試料を25℃のゼロバックグラウンドシリコンウェーハ上に置いた。各試料について、2個のデータフレームを各々2つの異なるθ2角度8°及び26°で120秒目に収集した。データをGADDSソフトウェアによって積分し、DIFFRACTplusEVAソフトウェアによってマージした。報告したピーク位置の不確実性は±0.2度である。
【0289】
Vitride(登録商標)(ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム水素化物[又はNaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]、65wt%トルエン溶液)をAldrich Chemicalsから購入した。
【0290】
2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸をSaltigo(the Lanxess Corporationの系列会社)から購入した。
【0291】
本願のどこでも化合物の名称が化合物の構造を正確に記述することができない場合、構造が名称に取って代わり、基準となる。
【0292】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HClの合成
酸塩化物部分
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−メタノール(化合物18)の合成
【0293】
【化78】
市販2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(1.0当量)をトルエン(10体積)中でスラリーにする。Vitride(登録商標)(2当量)を、温度を15〜25℃に維持する速度で添加漏斗を介して添加する。添加の最後に、温度を40℃に2時間上昇させ、次いで10%(w/w)NaOH水溶液(4.0当量)を添加漏斗を介して慎重に添加し、温度を40〜50℃に維持する。更に30分間撹拌後、40℃で層分離させる。有機相を20℃に冷却し、次いで水(2×1.5体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物18を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0294】
5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(化合物19)の合成
【0295】
【化79】
化合物18(1.0当量)をMTBE(5体積)に溶解させる。触媒量のDMAP(1mol%)を添加し、SOCl2(1.2当量)を添加漏斗を介して添加する。反応器内の温度を15〜25℃に維持する速度でSOCl2を添加する。温度を30℃に1時間上昇させ、次いで20℃に冷却し、次いで水(4体積)を添加漏斗を介して添加し、温度を30℃未満に維持する。更に30分間撹拌後、層分離させる。有機層を撹拌し、10%(w/v)NaOH水溶液(4.4体積)を添加する。15から20分間撹拌後、層分離させる。次いで、有機相を脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物19を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0296】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−アセトニトリル(化合物20)の合成
【0297】
【化80】
化合物19(1当量)のDMSO(1.25体積)溶液を、DMSO(3体積)中のNaCN(1.4当量)のスラリーに添加し、温度を30〜40℃に維持する。混合物を1時間撹拌し、次いで水(6体積)、続いてMTBE(4体積)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。水層をMTBE(1.8体積)で抽出する。混合有機層を水(1.8体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物20(95%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0298】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(化合物21)の合成
【0299】
【化81】
化合物20(1.0当量)、50wt%KOH水溶液(5.0当量)1−ブロモ−2−クロロエタン(1.5当量)及びOct4NBr(0.02当量)の混合物を70℃で1時間加熱する。反応混合物を冷却し、次いでMTBE及び水で処理する。有機相を水及び塩水で洗浄し、次いで溶媒を除去して、化合物21を得る。
【0300】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸(化合物22)の合成
【0301】
【化82】
化合物21を6M NaOH(8当量)を用いてエタノール(5体積)中で80℃で終夜加水分解する。混合物を室温に冷却し、エタノールを減圧蒸発させる。残留物を水及びMTBEにとり、1M HClを添加し、層分離させる。次いで、MTBE層をジシクロヘキシルアミン(0.97当量)で処理した。スラリーを0℃に冷却し、ろ過し、ヘプタンで洗浄して、対応するDCHA塩を得る。塩をMTBE及び10%クエン酸にとり、すべての固体が溶解するまで撹拌する。層分離させ、MTBE層を水及び塩水で洗浄する。溶媒をヘプタンに交換し、続いてろ過し、真空乾燥機中で50℃で終夜乾燥後、化合物22を得る。
【0302】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリド(化合物7)の合成
【0303】
【化83】
化合物22(1.2当量)をトルエン(2.5体積)中でスラリーにし、混合物を60℃に加熱する。SOCl2(1.4当量)を添加漏斗を介して添加する。トルエン及びSOCl2を30分後に反応混合物から蒸留する。追加のトルエン(2.5体積)を添加し、再度蒸留する。
【0304】
14C−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−アセトニトリル(化合物23)の合成
【0305】
【化84】
化合物19(1当量)のDMSO(1.25体積)溶液を、DMSO(3体積)中のNa14CN(1.4当量)のスラリーに添加し、温度を30〜40℃に維持する。混合物を1時間撹拌し、次いで水(6体積)、続いてMTBE(4体積)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。水層をMTBE(1.8体積)で抽出する。混合有機層を水(1.8体積)で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して、粗製化合物23を得る。それをクロマトグラフィーによって精製する。
【0306】
14C−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(化合物24)の合成
【0307】
【化85】
化合物23(1.0当量)と1,2−ジブロモエタン(1.8当量)の混合物のTHF(3体積)溶液を外部冷却装置を介して−10℃に冷却する。1M LHMDSのTHF(2.5当量)溶液を、反応器内の温度を10℃未満に維持する速度で添加漏斗を介して添加する。添加終了から1時間後、20%w/vクエン酸水溶液(13体積)を添加漏斗を介して添加し、反応器内の温度を20℃未満に維持する。外部冷却装置を停止し、30分間撹拌後、層分離させる。有機層をろ過し、濃縮して、粗製化合物24を得る。それをクロマトグラフィーによって精製する。
【0308】
14C−1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸(化合物25)の合成
【0309】
【化86】
化合物24を6M NaOH(8当量)を用いてエタノール(5体積)中で80℃で終夜加水分解する。混合物を室温に冷却し、エタノールを減圧蒸発させる。残留物を水及びMTBEにとる。1M HClを混合物に添加し、有機層をろ過し、濃縮して、化合物25を得る。
【0310】
14C−1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリド(化合物26)の合成
【0311】
【化87】
化合物25、4−ジメチルアミノピリジン及び塩化チオニル(SOCl2)の混合物のCH2Cl2溶液を撹拌して、化合物26を生成する。化合物26は、単離せずに化合物6と更に反応させることができる。
【0312】
アミン部分
tert−ブチル−3−(3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾアート(化合物4)の合成
【0313】
【化88】
2−ブロモ−3−メチルピリジン(1.0当量)をトルエン(12体積)に溶解させる。K2CO3(4.8当量)、続いて水(3.5体積)を添加し、混合物をN2気流下で65℃に1時間加熱する。次いで、3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(1.05当量)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.015当量)を添加し、混合物を80℃に加熱する。2時間後、熱を切り、水を添加し(3.5体積)、層分離させる。次いで、有機相を水(3.5体積)で洗浄し、10%メタンスルホン酸水溶液(MsOH2当量、7.7体積)で抽出する。水相を、50%NaOH水溶液(2当量)を用いて塩基性にし、EtOAc(8体積)で抽出する。有機層を濃縮して、粗製化合物4(82%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0314】
2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−3−メチルピリジン−1−オキシド(化合物5)の合成
【0315】
【化89】
化合物4(1.0当量)をEtOAc(6体積)に溶解させる。水(0.3体積)、続いて尿素−過酸化水素(3当量)を添加する。無水フタル酸(3当量)を固体として分割添加して、反応器内の温度を45℃未満に維持する。無水フタル酸の添加終了後、混合物を45℃に加熱する。更に4時間撹拌後、熱を切る。10%w/wNa2SO3水溶液(1.5当量)を添加漏斗を介して添加する。Na2SO3の添加終了後、混合物を更に30分間撹拌し、層分離させる。有機層を撹拌し、10%w/wNa2CO3水溶液(2当量)を添加する。30分間撹拌後、層分離させる。有機相を13%w/vNaCl水溶液で洗浄する。次いで、有機相をろ過し、濃縮して、粗製化合物5(95%)を得る。それを次のステップに直接使用する。
【0316】
tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾアート(化合物6)の合成
【0317】
【化90】
化合物5(1当量)とピリジン(4当量)のMeCN(8体積)溶液を70℃に加熱する。メタンスルホン酸無水物(1.5当量)のMeCN(2体積)溶液を添加漏斗を介して50分間添加し、温度を75℃未満に維持する。全量添加後、混合物を更に0.5時間撹拌する。次いで、混合物を周囲温度に冷却する。エタノールアミン(10当量)を添加漏斗を介して添加する。2時間撹拌後、水(6体積)を添加し、混合物を10℃に冷却する。3時間以上撹拌後、固体をろ過によって収集し、水(3体積)、2:1 MeCN/水(3体積)及びMeCN(2×1.5体積)で洗浄する。固体を真空乾燥機中で50℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物6を赤黄色固体として得る(収率53%)。
【0318】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート(化合物8)の合成
【0319】
【化91】
化合物7をトルエン(酸塩化物に基づいて2.5体積)に溶解させ、化合物6(1当量)、ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.02当量)及びトリエチルアミン(3.0当量)の混合物のトルエン(化合物6に基づいて4体積)溶液に添加漏斗を介して添加する。2時間後、水(化合物6に基づいて4体積)を反応混合物に添加する。30分間撹拌後、層分離させる。次いで、有機相をろ過し、濃縮して、化合物8の濃厚な油を得る(定量的粗収率)。MeCN(粗生成物に基づいて3体積)を添加し、結晶化が起こるまで蒸留する。水(粗生成物に基づいて2体積)を添加し、混合物を2時間撹拌する。固体をろ過によって収集し、1:1(体積)MeCN/水(粗生成物に基づいて2×1体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアートを褐色固体として得る。
【0320】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl塩(化合物9)の合成の合成
【0321】
【化92】
MeCN(3.0体積)中の化合物8(1.0当量)のスラリーに、水(0.83体積)、続いて濃HCl水溶液(0.83体積)を添加する。混合物を45±5℃に加熱する。24から48時間撹拌後、反応が終了し、混合物を周囲温度に冷却する。水(1.33体積)を添加し、混合物を撹拌する。固体をろ過によって収集し、水(2×0.3体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物9をオフホワイト固体として得る。
【0322】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0323】
【化93】
水(10体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーを周囲温度で撹拌する。24時間撹拌後、試料を採取する。試料をろ過し、固体を水(2×)で洗浄する。固体試料をDSC分析にかける。DSC分析によって化合物1への完全な転化が示されれば、固体をろ過によって収集し、水(2×1.0体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る(収率98%)。
【0324】
水及び塩基を使用した3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0325】
【化94】
周囲温度で撹拌された水(10体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーに50%w/wNaOH水溶液(2.5当量)を添加する。混合物を15分以上又は均一な溶液まで撹拌する。濃HCl(4当量)を添加して、化合物1を結晶化させる。混合物を必要に応じて60℃又は90℃に加熱して、t−ブチルベンゾアートエステルのレベルを低下させる。HPLC分析によって0.8%(AUC)以下のt−ブチルベンゾアートエステルが示されるまで、混合物を加熱する。次いで、混合物を周囲温度に冷却し、固体をろ過によって収集し、水(3×3.4体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る(収率97%)。
【0326】
ベンゾアートからの直接的な3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(化合物1)の合成
【0327】
【化95】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート(1.0当量)のギ酸(3.0体積)溶液を70±10℃に加熱する。反応が終了するまで(1.0%AUC以下の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアート)、又は8時間以下加熱して、反応を続ける。混合物を周囲温度に冷却する。50℃で加熱された水(6体積)に溶液を添加し、混合物を撹拌する。次いで、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾアートのレベルが0.8%(AUC)以下になるまで、混合物を70±10℃に加熱する。固体をろ過によって収集し、水(2×3体積)で洗浄し、フィルター上で減圧下である程度乾燥させる。固体を真空乾燥機中で60℃でわずかなN2気流で一定重量(差<1%)に乾燥させて、化合物1をオフホワイト固体として得る。
【0328】
形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンを図1に示す。表1に、図1の計算されたピークを示す。
【0329】
【表1】
形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンを図2に示す。表2に、図2の実際のピークを示す。
【0330】
【表2】
形態Iの化合物1の単結晶構造から計算されるX線回折パターンと、形態Iの化合物1の実際のX線粉末回折パターンとの重ね合わせを図3に示す。重ね合わせは、計算と実際のピーク位置の良好な一致を示し、差はわずか約0.15度にすぎない。
【0331】
形態Iの化合物1のDSC線を図4に示す。形態Iの化合物1の融解は、約204℃で起こる。
【0332】
単結晶X線分析に基づく形態Iの化合物1の配座図を図5〜8に示す。図6〜8は、二量体のカルボン酸基間の水素結合、及びその結果結晶中で起こる積み重ねを示す。分子の密な充填が結晶構造から明らかである。形態Iの化合物1は単斜晶、P21/nであり、以下の単位格子寸法を有する:a=4.9626(7)Å、b=12.299(2)Å、c=33.075(4)Å、β=93.938(9)°、V=2014.0Å3、Z=4。構造データから計算される形態Iの化合物1の密度は、100Kで1.492g/cm3である。
【0333】
化合物1の1H NMRスペクトルを図9〜11に示す(図9及び10は、50mg/mL、0.5メチルセルロース−ポリソルベート80懸濁液中の形態Iの化合物1を示し、図11はHCl塩としての化合物1を示す。)。
【0334】
下表3に化合物1の追加の分析データを列挙する。
【0335】
【表3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物1を調製するプロセスであって、
【化96】
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【化97】
ii)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【化98】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【化99】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【化100】
v)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7
【化101】
と反応させて、化合物8
【化102】
を生成するステップと、
vi)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【化103】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記第1の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の有機溶媒がトルエンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の有機溶媒がプロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1の有機溶媒がメタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の塩基が無機塩基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の塩基が炭酸カリウムである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記遷移金属触媒がパラジウム系触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記パラジウム系触媒がPd(dppf)Cl2である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記クロスカップリング反応が60℃から100℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記酸化反応が過酸化物を使用して行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記酸化反応が過酢酸を使用して行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記酸化反応が酸無水物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記酸化反応が無水フタル酸の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記酸化反応が25℃から65℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記アミノ化反応がスルホニル化合物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記アミノ化反応がメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がアルコールアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がエタノールアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第2の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第2の有機溶媒がトルエンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
前記第2の塩基が有機塩基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第2の塩基がトリエチルアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項24】
化合物6と化合物7の前記反応がアミン触媒の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項25】
化合物6と化合物7の前記反応が触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項26】
前記第3の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第3の有機溶媒がアセトニトリルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項28】
前記第1の酸が無機酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項29】
前記第1の酸が塩酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項30】
前記脱エステル化反応が20℃から60℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項31】
前記適切な溶媒が水又は50%メタノール/水混合物から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項32】
前記適切な溶媒が水である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項33】
前記有効時間が2から24時間である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項34】
化合物1の前記スラリーをろ過するステップ、又は化合物1の前記溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項35】
化合物1を調製するプロセスであって、
i)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6
【化104】
を化合物7
【化105】
と反応させて、化合物8
【化106】
を生成するステップと、
ii)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【化107】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項36】
式1の化合物を調製するプロセスであって、
【化108】
ia)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で式6aの化合物
【化109】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【化110】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセス。
【請求項37】
前記第2の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記第2の有機溶媒がトルエンである、請求項36に記載のプロセス。
【請求項39】
前記第2の塩基が有機塩基である、請求項36に記載のプロセス。
【請求項40】
前記第2の塩基がトリエチルアミンである、請求項36に記載のプロセス。
【請求項41】
化合物6aと化合物7aの反応がアミン触媒の存在下で行われる、請求項36に記載のプロセス。
【請求項42】
化合物6aと化合物7aの反応が触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる、請求項36に記載のプロセス。
【請求項43】
式1中のフェニル環上のR1がエステルであるときに、前記プロセスが、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で式1の前記化合物を脱エステル化して酸性塩を生成することを更に含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項44】
前記第3の有機溶媒がアセトニトリルである、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記第1の酸が無機酸である、請求項43に記載のプロセス。
【請求項46】
前記第1の酸が塩酸である、請求項43に記載のプロセス。
【請求項47】
前記脱エステル化反応が20℃から60℃で行われる、請求項43に記載のプロセス。
【請求項48】
前記酸性塩が、前記酸性塩を適切な溶媒中に有効時間スラリー化又は溶解させることによって遊離型、形態Iに転化される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項49】
前記適切な溶媒が水又は50%メタノール/水混合物から選択される、請求項48に記載のプロセス。
【請求項50】
前記適切な溶媒が水である、請求項48に記載のプロセス。
【請求項51】
前記有効時間が2から24時間である、請求項48に記載のプロセス。
【請求項52】
形態Iの式1の前記化合物の前記スラリーをろ過するステップ、又は形態Iの式1の前記化合物の前記溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した形態Iの式1の化合物をろ過するステップを更に含む、請求項48に記載のプロセス。
【請求項53】
式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【化111】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【化112】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【化113】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5aを生成するステップと、
【化114】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6a
【化115】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項54】
前記第1の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記第1の有機溶媒がトルエンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項56】
前記第1の有機溶媒がプロトン性溶媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項57】
前記第1の塩基が無機塩基である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項58】
前記第1の塩基が炭酸カリウムである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項59】
前記遷移金属触媒がパラジウム系触媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項60】
前記パラジウム系触媒がPd(dppf)Cl2である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項61】
前記クロスカップリング反応が60℃から100℃で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項62】
前記酸化反応が過酸化物を使用して行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項63】
前記酸化反応が過酢酸を使用して行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項64】
前記酸化反応が酸無水物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項65】
前記酸化反応が無水フタル酸の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項66】
前記酸化反応が25℃から65℃で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項67】
前記アミノ化反応がスルホニル化合物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項68】
前記アミノ化反応がメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項69】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がアルコールアミンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項70】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がエタノールアミンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項71】
式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【化116】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ic)化合物10a
【化117】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
を第4の有機溶媒中で還元剤を用いて還元して、化合物11a
【化118】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
iic)化合物11aを第1のハロゲン化剤と第5の有機溶媒中で反応させて、化合物12aを生成するステップと、
【化119】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiic)化合物12aをシアン化物と反応させて、化合物13aを生成するステップと、
【化120】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
ivc)化合物13aを第3の塩基の存在下で式13aaの化合物
【化121】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14aの化合物
【化122】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vc)化合物14aを水酸化物塩基及び第2の酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15aを形成するステップと、
【化123】
(式中、r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
vic)化合物15aを第2のハロゲン化剤と第6の有機溶媒中で反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16a
【化124】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
を形成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項72】
前記第4の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項73】
前記第4の有機溶媒がトルエンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項74】
前記還元剤が水素化物である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項75】
前記還元剤がナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項76】
前記還元反応が15℃から40℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項77】
前記第5の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項78】
前記第5の有機溶媒がメチルt−ブチルエーテルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項79】
前記第1のハロゲン化剤が塩化チオニルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項80】
化合物11aと第1のハロゲン化反応の前記反応が15℃から30℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項81】
前記シアン化物がシアン化ナトリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項82】
化合物12aとシアン化物の前記反応が30℃から40℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項83】
前記第3の塩基が無機塩基である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項84】
前記第3の塩基が水酸化カリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項85】
化合物13aaが1−ブロモ−2−クロロエタンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項86】
化合物13aと式13aaの化合物の前記反応が50℃から90℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項87】
前記水酸化物塩基が水酸化ナトリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項88】
前記第2の酸が無機酸である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項89】
前記第2の酸が塩酸である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項90】
化合物14aと水酸化物塩基及び第2の酸との前記逐次反応が70℃から90℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項91】
前記第6の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項92】
前記第6の有機溶媒がトルエンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項93】
前記第2のハロゲン化剤が塩化チオニルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項94】
化合物15aと第2のハロゲン化剤の前記反応が40℃から80℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項95】
化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【化125】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセス。
【請求項96】
化合物1を下記化合物8から調製するプロセスであって、化合物1をギ酸と60℃から80℃で反応させることを含む、プロセス。
【化126】
【請求項97】
式6bの化合物:
【化127】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)。
【請求項98】
RがHである、請求項97に記載の化合物。
【請求項99】
R1がC1〜6脂肪族であり、oが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項100】
R1がメチルであり、oが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項101】
R2が−CO2RJであり、pが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項102】
R2が−CO2RJであり、RJがC1〜6脂肪族であり、pが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項103】
以下の化合物
【化128】
。
【請求項1】
化合物1を調製するプロセスであって、
【化96】
i)2−ブロモ−3−メチルピリジン(化合物2)及び3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(化合物3)を提供するステップと、
【化97】
ii)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2と化合物3をクロスカップリングさせて、化合物4を生成するステップと、
【化98】
iii)化合物4を酸化して化合物5を生成するステップと、
【化99】
iv)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6を生成するステップと、
【化100】
v)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6を化合物7
【化101】
と反応させて、化合物8
【化102】
を生成するステップと、
vi)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【化103】
vii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記第1の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の有機溶媒がトルエンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の有機溶媒がプロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1の有機溶媒がメタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の塩基が無機塩基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の塩基が炭酸カリウムである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記遷移金属触媒がパラジウム系触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記パラジウム系触媒がPd(dppf)Cl2である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記クロスカップリング反応が60℃から100℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記酸化反応が過酸化物を使用して行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記酸化反応が過酢酸を使用して行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記酸化反応が酸無水物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記酸化反応が無水フタル酸の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記酸化反応が25℃から65℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記アミノ化反応がスルホニル化合物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記アミノ化反応がメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がアルコールアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がエタノールアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第2の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第2の有機溶媒がトルエンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
前記第2の塩基が有機塩基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第2の塩基がトリエチルアミンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項24】
化合物6と化合物7の前記反応がアミン触媒の存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項25】
化合物6と化合物7の前記反応が触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項26】
前記第3の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第3の有機溶媒がアセトニトリルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項28】
前記第1の酸が無機酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項29】
前記第1の酸が塩酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項30】
前記脱エステル化反応が20℃から60℃で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項31】
前記適切な溶媒が水又は50%メタノール/水混合物から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項32】
前記適切な溶媒が水である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項33】
前記有効時間が2から24時間である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項34】
化合物1の前記スラリーをろ過するステップ、又は化合物1の前記溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した化合物1をろ過するステップを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項35】
化合物1を調製するプロセスであって、
i)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で化合物6
【化104】
を化合物7
【化105】
と反応させて、化合物8
【化106】
を生成するステップと、
ii)水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で化合物8を脱エステル化して、化合物9を生成するステップと、
【化107】
iii)化合物9を適切な溶媒中で有効時間スラリー化又は溶解して、化合物1を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項36】
式1の化合物を調製するプロセスであって、
【化108】
ia)第2の有機溶媒中で第2の塩基の存在下で式6aの化合物
【化109】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
を式7aの化合物
【化110】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロ又はOHである。)
と反応させるステップ
を含む、プロセス。
【請求項37】
前記第2の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記第2の有機溶媒がトルエンである、請求項36に記載のプロセス。
【請求項39】
前記第2の塩基が有機塩基である、請求項36に記載のプロセス。
【請求項40】
前記第2の塩基がトリエチルアミンである、請求項36に記載のプロセス。
【請求項41】
化合物6aと化合物7aの反応がアミン触媒の存在下で行われる、請求項36に記載のプロセス。
【請求項42】
化合物6aと化合物7aの反応が触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下で行われる、請求項36に記載のプロセス。
【請求項43】
式1中のフェニル環上のR1がエステルであるときに、前記プロセスが、水、第3の有機溶媒及び第1の酸を含む二相混合物中で式1の前記化合物を脱エステル化して酸性塩を生成することを更に含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項44】
前記第3の有機溶媒がアセトニトリルである、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記第1の酸が無機酸である、請求項43に記載のプロセス。
【請求項46】
前記第1の酸が塩酸である、請求項43に記載のプロセス。
【請求項47】
前記脱エステル化反応が20℃から60℃で行われる、請求項43に記載のプロセス。
【請求項48】
前記酸性塩が、前記酸性塩を適切な溶媒中に有効時間スラリー化又は溶解させることによって遊離型、形態Iに転化される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項49】
前記適切な溶媒が水又は50%メタノール/水混合物から選択される、請求項48に記載のプロセス。
【請求項50】
前記適切な溶媒が水である、請求項48に記載のプロセス。
【請求項51】
前記有効時間が2から24時間である、請求項48に記載のプロセス。
【請求項52】
形態Iの式1の前記化合物の前記スラリーをろ過するステップ、又は形態Iの式1の前記化合物の前記溶液を濃縮して、再結晶させ、再結晶した形態Iの式1の化合物をろ過するステップを更に含む、請求項48に記載のプロセス。
【請求項53】
式6aの化合物を調製するプロセスであって、
【化111】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
ib)化合物2a及び化合物3aを提供するステップと、
【化112】
(式中、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上4以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)
iib)水、第1の有機溶媒、第1の塩基及び遷移金属触媒を含む二相混合物中で化合物2aと化合物3aをクロスカップリングさせて、化合物4aを生成するステップと、
【化113】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
iiib)化合物4aを酸化して化合物5aを生成するステップと、
【化114】
(式中、R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
ivb)アミン基をピリジル部分の6位に付加して、化合物6a
【化115】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1、o及びpは、化合物2a及び3aに対して上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項54】
前記第1の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記第1の有機溶媒がトルエンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項56】
前記第1の有機溶媒がプロトン性溶媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項57】
前記第1の塩基が無機塩基である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項58】
前記第1の塩基が炭酸カリウムである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項59】
前記遷移金属触媒がパラジウム系触媒である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項60】
前記パラジウム系触媒がPd(dppf)Cl2である、請求項53に記載のプロセス。
【請求項61】
前記クロスカップリング反応が60℃から100℃で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項62】
前記酸化反応が過酸化物を使用して行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項63】
前記酸化反応が過酢酸を使用して行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項64】
前記酸化反応が酸無水物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項65】
前記酸化反応が無水フタル酸の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項66】
前記酸化反応が25℃から65℃で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項67】
前記アミノ化反応がスルホニル化合物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項68】
前記アミノ化反応がメタンスルホン酸無水物の存在下で行われる、請求項53に記載のプロセス。
【請求項69】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がアルコールアミンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項70】
前記アミノ化反応に使用されるアミノ化試薬がエタノールアミンである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項71】
式7aの化合物を調製するプロセスであって、
【化116】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数であり、
nは1以上4以下の整数であり、
Xはハロゲン化物又はOHである。)
ic)化合物10a
【化117】
(式中、
Aは、縮合シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環であり、
R1は−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
mは0以上3以下の整数である。)
を第4の有機溶媒中で還元剤を用いて還元して、化合物11a
【化118】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
iic)化合物11aを第1のハロゲン化剤と第5の有機溶媒中で反応させて、化合物12aを生成するステップと、
【化119】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりであり、Halはハロゲン化物である。)
iiic)化合物12aをシアン化物と反応させて、化合物13aを生成するステップと、
【化120】
(式中、環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
ivc)化合物13aを第3の塩基の存在下で式13aaの化合物
【化121】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
qは0以上3以下の整数である。)
と反応させて、式14aの化合物
【化122】
(式中、
rは1以上4以下の整数であり、
環A、R1及びmは、化合物10aにおいて上で定義されたとおりである。)
を生成するステップと、
vc)化合物14aを水酸化物塩基及び第2の酸と逐次的に反応させて、X=OHのときの化合物7aである、化合物15aを形成するステップと、
【化123】
(式中、r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
vic)化合物15aを第2のハロゲン化剤と第6の有機溶媒中で反応させて、X=ハロゲン化物のときの化合物7aである、化合物16a
【化124】
(式中、
Halはハロゲン化物であり、
r、環A、R1及びmは、化合物14aにおいて上で定義されたとおりである。)
を形成するステップと
を含む、プロセス。
【請求項72】
前記第4の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項73】
前記第4の有機溶媒がトルエンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項74】
前記還元剤が水素化物である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項75】
前記還元剤がナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項76】
前記還元反応が15℃から40℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項77】
前記第5の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項78】
前記第5の有機溶媒がメチルt−ブチルエーテルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項79】
前記第1のハロゲン化剤が塩化チオニルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項80】
化合物11aと第1のハロゲン化反応の前記反応が15℃から30℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項81】
前記シアン化物がシアン化ナトリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項82】
化合物12aとシアン化物の前記反応が30℃から40℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項83】
前記第3の塩基が無機塩基である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項84】
前記第3の塩基が水酸化カリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項85】
化合物13aaが1−ブロモ−2−クロロエタンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項86】
化合物13aと式13aaの化合物の前記反応が50℃から90℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項87】
前記水酸化物塩基が水酸化ナトリウムである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項88】
前記第2の酸が無機酸である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項89】
前記第2の酸が塩酸である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項90】
化合物14aと水酸化物塩基及び第2の酸との前記逐次反応が70℃から90℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項91】
前記第6の有機溶媒が非プロトン性溶媒である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項92】
前記第6の有機溶媒がトルエンである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項93】
前記第2のハロゲン化剤が塩化チオニルである、請求項71に記載のプロセス。
【請求項94】
化合物15aと第2のハロゲン化剤の前記反応が40℃から80℃で行われる、請求項71に記載のプロセス。
【請求項95】
化合物1を下記化合物9から調製するプロセスであって、
【化125】
該プロセスが、化合物9を適切な溶媒中でスラリー化し、有効時間撹拌して、化合物1を生成するステップを含む、プロセス。
【請求項96】
化合物1を下記化合物8から調製するプロセスであって、化合物1をギ酸と60℃から80℃で反応させることを含む、プロセス。
【化126】
【請求項97】
式6bの化合物:
【化127】
(式中、
Rは、H、C1〜6脂肪族、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、
R1及びR2は、−RJ、−ORJ、−N(RJ)2、−NO2、ハロゲン、−CN、−C1〜4ハロアルキル、−C1〜4ハロアルコキシ、−C(O)N(RJ)2、−NRJC(O)RJ、−SORJ、−SO2RJ、−SO2N(RJ)2、−NRJSO2RJ、−CORJ、−CO2RJ、−NRJSO2N(RJ)2、−COCORJから独立に選択され、
RJは水素又はC1〜6脂肪族であり、
oは0以上3以下の整数であり、
pは0以上5以下の整数である。)。
【請求項98】
RがHである、請求項97に記載の化合物。
【請求項99】
R1がC1〜6脂肪族であり、oが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項100】
R1がメチルであり、oが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項101】
R2が−CO2RJであり、pが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項102】
R2が−CO2RJであり、RJがC1〜6脂肪族であり、pが1である、請求項97に記載の化合物。
【請求項103】
以下の化合物
【化128】
。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−506332(P2011−506332A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537039(P2010−537039)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/085458
【国際公開番号】WO2009/076142
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/085458
【国際公開番号】WO2009/076142
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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