説明

システムデスク

【課題】机の脇に置いても奥側に置いてもすっきりとする書棚を備えたシステムデスクを提供する。
【解決手段】システムデスク1は、略水平に支持された平面視長方形の天板16を備えた机10と、所定間隔を有して対向した一対の側板および一対の側板間に棚板を備えて構成されるとともに、机10に対して併置されて用いられる幅広書棚30、幅狭書棚50とを有して構成される。幅広書棚30および幅狭書棚50における所定間隔を合計した合計間隔値が、天板16における左右幅と略一致するように形成され、幅広書棚30は、その所定間隔が天板16における前後幅と略一致するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机と書籍等を収納可能な書棚とからなるシステムデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、机と書棚とがセットになったものの一例として、学習机とこの学習机の天板上に載置された書棚とから構成された本棚付学習机が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような学習机においては一般的に、その構造上本棚の容積を大きく形成することが難しく、本棚の容積が比較的小さい構成となっている。そのため、ユーザーが例えば小学生低学年で収納すべき書籍等が比較的少ない時期にはこの構成で十分対応可能であるが、ユーザーの成長に伴って収納すべき書籍等が増加した場合には収納容積が不足しがちになるという問題があった。
【0003】
この問題に対しては、例えば特許文献2に示すように、机と収納容積が十分確保された自立型書棚とを設けたシステムデスクが知られている。この自立型書棚(書棚)は上書棚と下書棚とから構成されているので、ユーザーの好みに応じて机の天板の上に上書棚を載置したり、または下書棚の上に上書棚を載置することが可能である。また、特許文献2においては、机の左右幅寸法に合わせて書棚(上書棚および下書棚)を形成し、この書棚を机の奥側に置いた場合(図1参照)や、机の側方に置いた場合(図4参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3577955号公報
【特許文献2】特開2008−228913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザーによっては、書棚を机の脇(左右側方)に机に向けた状態で置き、椅子に座ったまま書棚に対して書類等を出し入れできる配置構成を望む場合がある。上記特許文献2においては、書棚は、机の奥行き寸法よりも大きな左右幅寸法に合わせて形成されているため、上記配置構成を採用した場合には机の奥行き方向に書棚が飛び出して、書棚が邪魔になるとともに見た目にもすっきりしない印象を与えてしまう。これに対し、机の奥行き寸法に合わせて書棚を形成する方法が考えられ、この書棚を机の脇に置いた場合には奥行き方向に飛び出すことなくすっきりしているが、机の奥側に置いた場合には机の左右幅寸法と揃っていない(机の左右幅寸法よりも小さい)ため、すっきりしない印象を与えてしまう。このように、書棚を机の脇に置いた場合、および書棚を机の奥側に置いた場合のどちらにおいても、書棚を机の寸法に揃えてすっきりとしたシステムデスクを実現することが困難であるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、机の脇に置いても奥側に置いてもすっきりとする書棚を備えたシステムデスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムデスクは、上下に延びて形成された支持部(例えば、実施形態における脚板11)、および前記支持部により略水平に支持された平面視長方形の机側天板(例えば、実施形態における天板16)を備えた机と、上下に延びて所定間隔を有して対向した一対の側板、および前記一対の側板間に略水平に支持された棚板を備えて構成されるとともに前記机に対して併置されて用いられる収納棚(例えば、実施形態における幅広書棚30、幅狭書棚50)とを有したシステムデスクであって、複数の前記収納棚が、前記机に対して併置されて用いられる構成となっており、前記複数の収納棚は、前記複数の収納棚のそれぞれにおける前記所定間隔を合計した合計間隔値が、前記机側天板における長辺長さと略一致するように形成され、前記複数の収納棚のうちのいずれかは、前記所定間隔が前記机側天板における短辺長さと略一致するように形成されており、前記複数の収納棚を前記机側天板の長辺の側方に併置させて用いるときに、前記複数の収納棚を前記側板同士を隣接させて前記長辺に沿った長辺方向に並べるとともに、前記長辺方向における一方側端部の前記側板を前記机側天板の前記長辺方向における一方側端部に揃え、且つ前記長辺方向における他方側端部の前記側板を前記机側天板の前記長辺方向における他方側端部に揃えて併置可能であり、前記いずれかの収納棚を前記机側天板の短辺の側方に併置させて用いるときに、前記長辺に対して前記いずれかの収納棚の前記側板が略平行となるように位置させるとともに、前記短辺に沿った短辺方向における一方側の前記側板を前記机側天板の前記短辺方向における一方側端部に揃え、且つ前記短辺方向における他方側の前記側板を前記机側天板の前記短辺方向における他方側端部に揃えて併置可能である。
【0008】
上記システムデスクにおいて、前記収納棚が、前記所定間隔を有して対向した一対の下側側板(例えば、実施形態における側板41、側板61)、および前記下側側板により略水平に支持された平面視矩形の棚側天板(例えば、実施形態における天板45、天板65)を備えた下側収納棚(例えば、実施形態における幅広下棚30L、幅狭下棚50L)と、前記所定間隔を有して対向した一対の上側側板(例えば、実施形態における側板31、側板51)、および前記一対の上側側板間に略水平に支持された前記棚板を備えるとともに、前記下側収納棚の上側に載置可能な上側収納棚(例えば、実施形態における幅広上棚30U、幅狭上棚50U)とから構成され、前記棚側天板は、対向する少なくとも1対の辺の長さが前記所定間隔と略一致するように形成されるとともに、前記下側側板により前記机側天板と略同一の高さ位置に支持されたことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るシステムデスクは、複数の収納棚のそれぞれにおける側板間の所定間隔を合計した合計間隔値が、机側天板における長辺長さと略一致するように形成され、複数の収納棚のうちのいずれかは、所定間隔が机側天板における短辺長さと略一致するように形成されている。そのため、収納棚を机の脇に置いた場合、および収納棚を机の奥側に置いた場合のどちらにおいても、収納棚を机の寸法に揃えてすっきりと配置することができる。
【0010】
上記システムデスクにおいて、収納棚が、下側収納棚とこの下側収納棚の上側に載置可能な上側収納棚とから構成されたことが好ましい。このように構成した場合、例えば下側収納棚から分離した上側収納棚を机側天板に載置する配置ができ、ユーザーの好みに応じた様々な配置構成が可能となる。また、棚側天板は、対向する少なくとも1対の辺の長さが所定間隔と略一致するように形成され、机側天板と略同一の高さ位置に支持されたことが好ましい。このように構成すると、収納棚の収納容量を確保しつつその外形をコンパクトに構成することができる。このとき、棚側天板と机側天板とが略同一の高さに位置しているので、例えば上側収納棚が分離された下側収納棚を机に隣接させることにより、棚側天板と机側天板とからなる段差のない広い作業領域を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用したシステムデスクの正面図である。
【図2】机を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は側面図を、(c)は平面図をそれぞれ示す。
【図3】幅広書棚を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は側面図を、(c)は平面図をそれぞれ示す。
【図4】(a)は連結金具の拡大図で、(b)は図4(a)中のIV(b)−IV(b)部分を示す断面図である。
【図5】幅狭書棚を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は側面図を、(c)は平面図をそれぞれ示す。
【図6】第1の配置変形例を示す正面図である。
【図7】第2の配置変形例を示す正面図である。
【図8】第2の配置変形例を示す平面図である。
【図9】第3の配置変形例を示す正面図である。
【図10】第4の配置変形例を示す正面図である。
【図11】第4の配置変形例を示す平面図である。
【図12】第5の配置変形例を示す平面図である。
【図13】第6の配置変形例を示す正面図である。
【図14】第7の配置変形例を示す正面図である。
【図15】(a)および(b)は、別の構成のシステムデスクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、各図面において矢印方向で本発明に係るシステムデスクの前後、左右、および上下方向を示し、以下この方向を用いて説明を行う。
【0013】
図1〜5を参照しながら、本発明に係るシステムデスク1の各構成部材について説明する。システムデスク1は、図1に示すように、机10と、収納ワゴン20と、幅広書棚30と、幅狭書棚50とから構成され、これらの色彩は統一されている。なお、図1では、机10の左側に幅広書棚30を、机10の右側に幅狭書棚50をそれぞれ配置した例を示しているが、本発明に係るシステムデスク1はこの配置例に限定されることなく後述するように種々の配置が可能となっている。
【0014】
収納ワゴン20は、図1に示すように全体として略直方体に形成され、図示しないワゴン本体の下端部に複数のキャスター21が取り付けられて移動自在となっている。また、下から順に下引出し22、中引出し23および上引出し24が、ワゴン本体に対して前方に引き出し可能に設けられている。収納ワゴン20の上端部には略水平に天板25が取り付けらており、この天板25はワゴン本体に対して上下に高さ調整可能となっている。
【0015】
机10は、図2(a)〜(c)に示すように、左右端部において上下に延びた脚板11と、脚板11の下部を繋ぐように取り付けられた下部連結板12と、脚板11の下端部に前後に延びて固定された足部13と、2つの引き出し15と、天板16とから構成される。引き出し15は、前後に延びて脚板11に固定されたガイドレール14に取り付けられており、前方に引き出し可能となっている。天板16は、脚板11に固定されて略水平に支持されており、例えば左右幅W1が約1000mmで前後幅D1が約600mmの長方形に形成されている(図2(c)参照)。なお、天板16は種々のサイズに形成可能であるが、例えばユーザーの使い勝手を考慮した場合、ユーザーが椅子(図示せず)に座った状態で天板16の隅にまで手が届くサイズであることが好ましい。
【0016】
幅広書棚30は、図3(a)〜(c)に示すように、下側に位置した幅広下棚30Lと、この幅広下棚30Lの上側に載置された幅広上棚30Uとから構成される。このように、幅広下棚30Lの上側に幅広上棚30Uを載置した状態においては、連結金具70を用いて幅広下棚30Lに対して幅広上棚30Uが固定されており、幅広上棚30Uの落下防止が図られている。なお、連結金具70を取り外すことにより、幅広下棚30Lに対して幅広上棚30Uが分離された状態となり、後述する種々の配置構成が可能となる。
【0017】
幅広上棚30Uは、左右端部において上下に延びた一対の側板31と、この側板31の後端部を繋ぐように取り付けられて上下に延びた後板32と、棚板33と、仕切り板34と、2つの引出し35と、電源コンセント36とから構成される。棚板33は、側板31および後板32によって囲まれた領域に設けられており、側板31および後板32に固定されて略水平となっている。仕切り板34は、棚板33の上面側に取り付けられて上下に延びている。引出し35は、棚板33の下面側に取り付けられており、前方に引き出し可能となっている。
【0018】
電源ユニット36は、電気機器の差込プラグが挿入される差し込み口を複数備えて構成され、側板31に取り付けられている。上記後板32には、この電源ユニット36の取付位置に対応させてコード用孔32aが形成されている。そのため、電源ユニット36から伸びる電源コード(図示せず)を、コード用孔32aを挿通させて電源コンセント(図示せず)と電気接続可能であり、電源コードの取り回しが容易となる。
【0019】
なお、図3等には、左側の側板31の下端部近傍に電源ユニット36を取り付けた構成を示しているが、ユーザーは使用状態に応じてこの電源ユニット36を取り外し、右側の側板31の下端部近傍(電源ユニット36aの位置)、左側の側板31の中央部分(電源ユニット36bの位置)、または右側の側板31の中央部分(電源ユニット36cの位置)に固定することができる。このとき、電源ユニット36a〜36cの各位置に対応させて、後板32にコード用孔32b〜32dがそれぞれ形成されているので、電源ユニット36をどの位置に取り付けた場合であっても電源コードの取り回しが容易である。
【0020】
幅広下棚30Lは、左右端部において上下に延びた一対の側板41と、この側板41の後端部を繋ぐように取り付けられて上下に延びた後板42と、複数の棚板43と、底板44と、天板45とから構成される。棚板43は、側板41の内側に取り付けられた支持金具(図示せず)により支持されて略水平となっており、側板41に対して着脱自在となっている。そのため、支持金具の取付位置を変更することにより、棚板43の上下位置を変更できるようになっている。底板44は、その左右端部が側板41に固定されて略水平となっている。天板45は、側板41に固定されて略水平に支持されており、例えば左右幅W2が約600mmで前後幅D2が約235mmの長方形に形成されている(図3(c)参照)。
【0021】
図3(c)から分かるように、幅広上棚30Uの左右寸法および前後寸法は、天板45のそれと略同一となっている。また、天板45の厚みは、机10を構成する天板16の厚みと略同一となっている。幅広下棚30Lが組み立てられた状態において、幅広下棚30Lを構成する天板45の高さ位置と、机10を構成する天板16の高さ位置とが略同一となっている(図1参照)。なお、図3等には、2つの棚板43を備えた構成を示しているが、これは一例であって、棚板43の枚数は使用状態に応じて変更可能である。
【0022】
ここで、幅広書棚30の左右端部に取り付けられた連結金具70について、図4を参照しながら説明する。
【0023】
連結金具70は、図4(a)および(b)に詳しく図示するように、金属板を折曲等して形成されており、幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとを連結することにより固定可能な強度を有している。連結金具70の上部には、略リング状に押し出された突出部71が形成されている。この突出部71の中心部分には、上下に延びたねじ用孔72が長穴状に形成されており、このねじ用孔72の下端部はその上端部よりも幅広く(略卵形に)形成されている。
【0024】
連結金具70の下部には、略コの字状に折曲された係止部73が形成されており(図4(b)参照)、この係止部73の上下幅は天板45の厚みよりも僅かに広く形成されている。係止部73の先端部には、上方に向けて尖った係止爪74が2つ形成されている。また、側板31には固定ねじ79が挿入可能なねじ穴31aが形成され、側板41にはこのねじ穴31aの位置に対応させて逃がし空間41aが形成されている。
【0025】
上記連結金具70を用いて、幅広下棚30Lの上側に載置された幅広上棚30Uを幅広下棚30Lに連結する手順について説明する。まず、係止部73の先端を逃がし空間41aに挿入するとともに、ねじ用孔72に固定ねじ79を挿入し、ねじ79の先端をねじ穴31aに挿入する。このとき、係止部73の上下幅が天板45の厚みよりも広く形成されているため、係止爪74が天板45に食い込んでいない。
【0026】
次に、固定ねじ79により、側板31に対して連結金具70を締結する。このとき、固定ねじ79の先端がねじ穴31aに挿入されていくのに応じて、突出部71の内周側斜面が固定ねじ79の頭部79aにより押圧され、連結金具70全体が徐々に上方に移動される。上述のように、ねじ用孔72が上下に延びた長穴状に形成されているので、連結金具70の移動が妨げられない。このようにして連結金具70が上方に移動されると、係止爪74が天板45の下面に食い込んで、連結金具70と幅広下棚30Lとが固定されるとともに、固定ねじ79により連結金具70と幅広上棚30Uとが固定される。すなわち、連結金具70を介して、幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとが連結固定される。
【0027】
幅狭書棚50は、図5(a)〜(c)に示すように、下側に位置した幅狭下棚50Lと、この幅狭下棚50Lの上側に載置された幅狭上棚50Uとから構成される。このように、幅狭下棚50Lの上側に幅狭上棚50Uを載置した状態においては、上述した連結金具70が幅狭書棚50の左右端部に取り付けられて、幅狭下棚50Lに対して幅狭上棚50Uが固定されて幅狭上棚50Uの落下防止が図られている。なお、連結金具70を取り外すことにより、幅狭下棚50Lと幅狭上棚50Uとが分離された状態となり、後述する種々の配置構成が可能となる。
【0028】
幅狭上棚50Uは、左右端部において上下に延びた一対の側板51と、この側板51の後端部を繋ぐように取り付けられて上下に延びた後板52と、棚板53と、仕切り板54とから構成される。棚板53は、側板51および後板52によって囲まれた領域に設けられており、側板51および後板52に固定されて略水平となっている。仕切り板54は、棚板53の上面側に取り付けられて上下に延びている。
【0029】
幅狭下棚50Lは、左右端部において上下に延びた一対の側板61と、この側板61の後端部を繋ぐように取り付けられて上下に延びた後板62と、複数の棚板63と、底板64と、天板65とから構成される。棚板63は、側板61の内側に取り付けられた支持金具(図示せず)により支持されて略水平となっており、側板61に対して着脱自在となっている。そのため、支持金具の取付位置を変更することにより、棚板63の上下位置を変更できるようになっている。底板64は、その左右端部が側板61に固定されて略水平となっている。天板65は、側板61に固定されて略水平に支持されており、例えば左右幅W3が約400mmで前後幅D3が約235mmの長方形に形成されている(図5(c)参照)。
【0030】
図5(c)から分かるように、幅狭上棚50Uの左右寸法および前後寸法は、天板65のそれと略同一となっている。また、天板65の厚みは、机10を構成する天板16の厚みと略同一となっている。幅狭下棚50Lが組み立てられた状態において、幅狭下棚50Lを構成する天板65の高さ位置と、机10を構成する天板16の高さ位置とが略同一となっている(図1参照)。なお、図5等には、2つの棚板63を備えた構成を示しているが、これは一例であって、棚板63の枚数は使用状態に応じて変更可能である。
【0031】
以上ここまで、システムデスク1の各構成部材について説明した。以下において、上述の机10、収納ワゴン20、幅広書棚30および幅狭書棚50からなるシステムデスク1の配置構成について、図1を参照しながら説明する。
【0032】
図1には、机10の下方に収納ワゴン20を収納させ、机10の左方に幅広書棚30、机10の右方に幅狭書棚50をそれぞれ配置した例を示している。幅広書棚30および幅狭書棚50は、前方から書籍等の出し入れが可能な向きに配置されている。このシステムデスク1の配置構成は、例えば左右方向のスペースに余裕がある一方で、前後方向のスペースに比較的余裕の少ない部屋に配置する場合に、特に有効である。
【0033】
以上、システムデスク1の配置構成について説明した。以下において、システムデスク1と同一の構成部材を用いて配置構成のみを変更した7つの変形例(システムデスク2〜8)について、図6〜14を参照しながら説明する。すなわち、ユーザーは、上述のシステムデスク1を購入することにより、新たに構成部材を追加することなく配置する部屋の特性や使用状態等に応じて配置構成を変更できて、使い勝手の良いシステムデスクを実現可能となっている。なお、以下のシステムデスク2〜8においては、上述のシステムデスク1の構成部材と同一の構成部材には同一番号を付けている。
【0034】
図6を参照しながら、第1の変形例であるシステムデスク2について説明する。
【0035】
このシステムデスク2は、システムデスク1の配置構成に対して、まず、幅広書棚30における連結金具70を取り外して幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとを分離し、同様に幅狭書棚50における連結金具70を取り外して幅狭下棚50Lと幅狭上棚50Uとを分離した状態にする。分離した幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uを、天板16上に左右に並べて載置する。図6には、左側に幅広上棚30Uを、右側に幅狭上棚50Uを載置した場合を例示している。そして、幅広上棚30Uの左側の側板31と机10の天板16とを連結金具70を用いて連結するとともに、幅広上棚30Uの後板32と机10の天板16とを連結金具70を用いて固定する。幅狭上棚50Uにおいても同様に、幅狭上棚50Uの右側の側板51と机10の天板16とを連結金具70を用いて連結するとともに、幅狭上棚50Uの後板52と机10の天板16とを連結金具70を用いて固定する。こうすることで、机10(天板16)に対して、幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uがしっかりと固定される。
【0036】
上述したように、幅広上棚30Uの左右幅W2と幅狭上棚50Uの左右幅W3との合計幅が、天板16の左右幅と略一致するように形成されているので、このシステムデスク2の配置構成においては、幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uを天板16上にすっきりと納めることができる。また、幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uが天板16に載置されているので、ユーザーは立ち上がることなく椅子に座ったまま、幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uに対して書籍等を出し入れすることができ、使い勝手が良くなる。
【0037】
図7および8を参照しながら、第2の変形例であるシステムデスク3について説明する。
【0038】
このシステムデスク3は、システムデスク1の配置構成に対して、まず幅広書棚30における連結金具70を取り外して、幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとを分離した状態にする。そして、分離した幅広上棚30Uを天板16の後側右端部に載置し、幅広上棚30Uの右側の側板31と机10の天板16とを連結金具70を用いて連結するとともに、幅広上棚30Uの後板32と机10の天板16とを連結金具70を用いて固定する。こうすることで、机10(天板16)に対して、幅広上棚30Uがしっかりと固定される。次に、幅広下棚30Lの向きを変えて、右方から書籍等の出し入れができる向きにするとともに、机10(天板16)に寄せる。
【0039】
このとき、天板16の前後幅D1と天板45の左右幅W2とは略同一となるように形成されているので、机10に対して幅広下棚30Lが前後に飛び出すことなくすっきりと並べることができる(図8参照)。また、天板16と天板45とは上下方向に高さが揃っているので、結果的に作業スペースを拡大することができる。さらに、図2(b)に示すように、机10の脚板11は左右に大きく開口しているので、ユーザーは立ち上がることなく椅子に座ったままの状態で、この開口部分を利用して幅広下棚30Lに対して書籍等を出し入れでき、使い勝手が良くなる。
【0040】
図9を参照しながら、第3の変形例であるシステムデスク4について説明する。
【0041】
このシステムデスク4は、システムデスク1の配置構成に対して、幅広書棚30の向きを変えて、右方から書籍等の出し入れができる向きにするとともに、机10(天板16)に寄せる。上述のように、天板16の前後幅D1と天板45(幅広書棚30)の左右幅W2とは略同一となるように形成されているので、机10に対して幅広書棚30が前後に飛び出すことなくすっきりと並べることができる。このシステムデスク4の配置構成においては、ユーザーは立ち上がることなく椅子に座ったままの状態で、左方に位置した幅広下棚30Lおよび幅広上棚30Uに腕を伸ばして簡単に書籍等を出し入れすることができる。
【0042】
図10および11を参照しながら、第4の変形例であるシステムデスク5について説明する。
【0043】
このシステムデスク5は、システムデスク1の配置構成に対して、幅広書棚30を机10の後方左側に移動させ、幅狭書棚50を机10の後方に移動させて幅広書棚30の右側に隣接させる。ここで、幅広書棚30の左右幅W2と幅狭書棚50の左右幅W3との合計幅が、天板16の左右幅W1と一致するように形成されているので、机10(天板16)に対して幅広書棚30および幅狭書棚50が左右に飛び出すことがなくすっきりと並べることが可能である。また、ユーザーは立ち上がることなく椅子に座ったまま、机10の下方において幅広下棚30Lおよび幅狭下棚50Lに対して書籍等の出し入れができる。
【0044】
なお、図10に示すように、収納ワゴン20を机10の下方から例えば机10の右方に移動させるとともに、天板25の高さを調整して天板16の高さに揃えた構成としても良い。このようにすると、結果的に天板25の分だけ作業スペースを拡大させて使い勝手を向上させることができる。また、天板16上を照らす照明が必要な場合には、例えばアーム型の卓上照明9を天板16の後側左端部に取り付け、卓上照明9の差込プラグを電源ユニット36に差し込むと良い。この場合、卓上照明9と電源ユニット36とが近くに位置しているので、差込プラグの差込作業が容易となる。
【0045】
図12を参照しながら、第5の変形例であるシステムデスク6について説明する。
【0046】
このシステムデスク6は、幅広書棚30および幅狭書棚50の向きを、右側から書籍等を出し入れ可能な向きにするとともに、机10の左方に幅広書棚30を隣接させ、この幅広書棚30の前方に幅狭書棚50を隣接させて並べる。この配置構成により、ユーザーは椅子に座ったままの状態で腕を伸ばすだけで幅広書棚30および幅狭書棚50にアクセスでき、書籍等の出し入れを容易に行うことができる。このとき、机10の前後幅D1と幅広書棚30の左右幅W2とが一致しているので、まとまりのあるシステムデスク6を実現できる。
【0047】
図13を参照しながら、第6の変形例であるシステムデスク7について説明する。
【0048】
このシステムデスク7は、システムデスク1の配置構成に対して、幅狭書棚50における連結金具70を取り外して、幅狭下棚50Lと幅狭上棚50Uとを分離した状態にする。分離した幅狭上棚50Uを天板16の後側左方に載置して、2つの連結金具70を用いて固定する。そして、幅狭下棚50Lの向きを左側から書籍等を出し入れ可能な向きにして机10に寄せ、収納ワゴン20を机10の下方において左方に寄せる。そうすることにより、椅子に座ったまま幅狭下棚50Lに対して書籍等を出し入れでき、使い勝手が向上する。
【0049】
図14を参照しながら、第7の変形例であるシステムデスク8について説明する。
【0050】
このシステムデスク8は、机10の左方に幅広書棚30および幅狭書棚50を並べた配置構成となっている。特に左右方向に比較的スペースがある部屋に対しては、このような配置構成が有効である。この配置構成の場合、幅広書棚30および幅狭書棚50に、どうような書籍が収納されているのかを一目で把握することができる。
【0051】
以上ここまでは、システムデスク1と同一の構成部材を用いて配置構成のみを変更した変形例(システムデスク2〜8)について説明した。ところで、机10の天板16は様々なサイズに形成可能であり、左右幅および前後幅ともに天板16よりも大きく形成される場合がある。この天板の拡大に対して、幅広書棚30および幅狭書棚50の左右幅を広げることにより、上述の寸法関係を保つことも可能ではあるが、そうした場合には幅広書棚30および幅狭書棚50の強度が低下しやすくなる。このような場合に特に有効な構成の一例として、図15(a)および(b)に示すシステムデスク100が挙げられ、以下においてこのシステムデスク100について説明する。なお、図15(a)および(b)において、システムデスク1と同一構成部材には同一番号を付している。
【0052】
システムデスク100は、図15(a)に示すように、左右幅W4(>W1)で前後幅D4(>D1)のサイズに形成された天板16'を備えた机10'に対して、例えば2つの幅広書棚30と1つの幅狭書棚50とを組み合わせて構成される。ここで、幅広書棚30の左右幅W2の2倍に幅狭書棚50の左右幅W3を加えた寸法が、机10'の左右幅W4と一致している。また、幅広書棚30の左右幅W2に幅狭書棚50の左右幅W3を加えた寸法が、机10'の前後幅D4と一致している。
【0053】
システムデスク100の構成において、例えば左右方向になるべくコンパクトになった配置構成としたい場合には、図15(a)に示すように、机10'の後方に2つの幅広書棚30と1つの幅狭書棚50とを左右に並べて配置すると良い。そうすることにより、幅広書棚30および幅狭書棚50の各々の強度を確保しつつ、これらと天板16'の左右幅とを一致させて、全体としてすっきりとした配置構成にすることができる。
【0054】
例えば前後方向へのスペースが限られている場合には、図15(b)に示すように、2つのうち1つの幅広書棚30を幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとに分離するとともに、幅狭書棚50を幅狭下棚50Lと幅狭上棚50Uとに分離する。分離した幅広上棚30Uおよび幅狭上棚50Uを天板16'に載置し、連結金具70を用いて天板16'に連結して固定する。一方、分離した幅広下棚30Lおよび幅狭下棚50Lを、右方からアクセス可能な向きにして天板16'の左側に前後に並べて配置する。そして、天板16'の右側に幅広下棚30Lと幅広上棚30Uとが一体となった幅広書棚30を位置させる。このように配置すると、幅広書棚30および幅狭書棚50の各々の強度を確保しつつ、天板16'に対して幅広下棚30Lおよび幅狭下棚50Lが前後方向に飛び出ることがなく、すっきりと並べることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 システムデスク
10 机
11 脚板(支持部)
16 天板(机側天板)
30 幅広書棚(収納棚)
30L 幅広下棚(下側収納棚)
30U 幅広上棚(上側収納棚)
31 側板(上側側板)
33 棚板
41 側板(下側側板)
45 天板(棚側天板)
50 幅狭書棚(収納棚)
50L 幅狭下棚(下側収納棚)
50U 幅狭上棚(上側収納棚)
51 側板(上側側板)
53 棚板
61 側板(下側側板)
65 天板(棚側天板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びて形成された支持部、および前記支持部により略水平に支持された平面視長方形の机側天板を備えた机と、
上下に延びて所定間隔を有して対向した一対の側板、および前記一対の側板間に略水平に支持された棚板を備えて構成されるとともに前記机に対して併置されて用いられる収納棚とを有したシステムデスクであって、
複数の前記収納棚が、前記机に対して併置されて用いられる構成となっており、
前記複数の収納棚は、前記複数の収納棚のそれぞれにおける前記所定間隔を合計した合計間隔値が、前記机側天板における長辺長さと略一致するように形成され、
前記複数の収納棚のうちのいずれかは、前記所定間隔が前記机側天板における短辺長さと略一致するように形成されており、
前記複数の収納棚を前記机側天板の長辺の側方に併置させて用いるときに、
前記複数の収納棚を前記側板同士を隣接させて前記長辺に沿った長辺方向に並べるとともに、前記長辺方向における一方側端部の前記側板を前記机側天板の前記長辺方向における一方側端部に揃え、且つ前記長辺方向における他方側端部の前記側板を前記机側天板の前記長辺方向における他方側端部に揃えて併置可能であり、
前記いずれかの収納棚を前記机側天板の短辺の側方に併置させて用いるときに、
前記長辺に対して前記いずれかの収納棚の前記側板が略平行となるように位置させるとともに、前記短辺に沿った短辺方向における一方側の前記側板を前記机側天板の前記短辺方向における一方側端部に揃え、且つ前記短辺方向における他方側の前記側板を前記机側天板の前記短辺方向における他方側端部に揃えて併置可能であることを特徴とするシステムデスク。
【請求項2】
前記収納棚が、
前記所定間隔を有して対向した一対の下側側板、および前記下側側板により略水平に支持された平面視矩形の棚側天板を備えた下側収納棚と、
前記所定間隔を有して対向した一対の上側側板、および前記一対の上側側板間に略水平に支持された前記棚板を備えるとともに、前記下側収納棚の上側に載置可能な上側収納棚とから構成され、
前記棚側天板は、対向する少なくとも1対の辺の長さが前記所定間隔と略一致するように形成されるとともに、前記下側側板により前記机側天板と略同一の高さ位置に支持されたことを特徴とする請求項1に記載のシステムデスク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−87828(P2011−87828A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244855(P2009−244855)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(500560129)株式会社 ニトリホールディングス (7)
【Fターム(参考)】