説明

システム天井用クリップ及びシステム天井

【課題】耐震性の向上をより少ない作業量により達成することができる。
【解決手段】システム天井用クリップ51は、吊持手段により吊り下げられ並設される天井枠材2Aの端部に対してシステム天井用クリップ51を固定する固定部502と、並設される天井枠材2Aの対向する端部同士を繋ぐ仮想線に沿って固定部502から延び、架設された天井板3の側縁を受けて天井板3の動きを規制する規制部501と、を備え、規制部501の長さは、少なくとも一対の天井枠材2Aの間隔の半分の長さよりも短い。規制部501が天井板3の動きを規制するため、振動等によって天井枠材2Aの間の架設位置から壁側に対して天井板3が移動することを抑制し、耐震性を向上させることができる。また、システム天井用クリップ51を天井枠材2Aの端部に容易に取り付けることができ、より少ない作業量によって耐震性の向上を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム天井用クリップ及びこのシステム天井用クリップが設けられたシステム天井に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビル等の建築物においてシステム天井が多く使われている。このシステム天井は、建築物の天井面から吊り金具を介して格子状に組んだ枠材を吊り下げ、この格子の開口部に天井板を配することにより天井面を構成するものである。
【0003】
しかしながら、システム天井は、建築物の天井面から吊り下げられる構造であるため、地震等の振動の影響を受けやすく、システム天井が地震等により大きく振動した場合には、建築物の壁面への衝突や天井材の破損、枠材の破損等の発生が懸念される。このため、近年では、システム天井の耐震性を向上させるための種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、システム天井の周端部と壁面とが所定の距離をあけて配置される構成が示されている。また、特許文献2には、周端部と壁面との間に緩衝材を設ける構成が示されている。
【特許文献1】特開2005−325641号公報
【特許文献2】特開2006−322318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の構成のようにシステム天井の周端部と壁面とを所定の距離をあけて配置する場合には、システム天井の周端部に配置された天井板が外れないように天井見切りを設ける必要がある。また、この周端部と壁面との間から建築物の天井面に対して光や音が漏れるため、隣室や階上に音が伝わりやすくなると共に外観が悪くなるという問題が発生することから、システム天井の周端部と壁面との間に目隠し材を設ける必要がある。このように、特許文献1記載の構成を採用した場合には、天井見切りを設けると共に目隠し材を配置するための手間と材料が必要となる。
【0005】
また、特許文献2記載の構成のように、周端部と壁面との間に緩衝材を設けた場合には、振動の大きさによっては緩衝材によって振動を低減させることができず、システム天井が壁面に衝突する可能性がある。
【0006】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、耐震性の向上をより少ない材料を用いて達成することができるシステム天井用クリップと、このシステム天井用クリップが設けられたシステム天井を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステム天井用クリップは、天井スラブからの吊持手段により吊下げられ離間して並設される一対の天井枠材と、前記一対の天井枠材の間に架設される天井板と、を備えるシステム天井に用いられ、前記一対の天井枠材各々の端部に取り付けられて、前記天井枠材の長手方向における前記天井板の動きを規制するシステム天井用クリップにおいて、前記天井枠材の端部に固定される固定部と、並設される前記天井枠材の対向する端部同士を繋ぐ仮想線に沿って前記固定部から延びており、架設された前記天井板の側縁を受けて前記天井板の動きを規制する規制部と、を備え、前記規制部の長さは、少なくとも前記一対の天井枠材の間隔の半分の長さよりも短いことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、固定部から延びる規制部が、天井枠材の間に架設された天井板の側縁を受けるため、振動等により天井枠材の長手方向に天井板が移動することを抑制することができ、耐震性を向上させることができる。そして、上記の構成によれば、天井枠材及び天井板の周囲を天井見切り等で覆う場合と比較して、より少ない材料で耐震性を向上することができる。さらに、システム天井用クリップを天井枠材の各々の端部に容易に取り付けることができ、より少ない作業量によって耐震性の向上を達成することができる。
【0009】
ここで、上記の作用をより効果的に奏する構成として、具体的には、前記固定部は、前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、前記板状部に設けられたカシメ部と、を備え、前記カシメ部が天井枠材に対して圧接されることにより、前記天井枠材に対して前記板状部がカシメ固定される態様が挙げられる。
【0010】
また、上記の作用をより効果的に奏する他の構成として、具体的には、前記固定部は、前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、前記板状部に設けられた貫通孔と、を備え、前記貫通孔に挿入したネジが巻き締められることにより、前記天井枠材に対して前記板状部がネジ止め固定される態様が挙げられる。
【0011】
また、上記の作用をより効果的に奏する他の構成として、具体的には、前記固定部は、前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、前記板状部に設けられたビス孔と、を備え、前記ビス孔に挿入したビスにより、前記天井枠材に対して前記板状部がビス止め固定される態様が挙げられる。
【0012】
また、本発明は、上記のシステム天井用クリップを備えるシステム天井の発明としても記述することができる。すなわち、本発明に係るシステム天井は、天井スラブからの吊持手段と、前記吊持手段により吊下げられ離間して並設される一対の天井枠材と、前記一対の天井枠材の間に架設される天井板と、前記一対の天井枠材各々の端部に取り付けられる上記のシステム天井用クリップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐震性の向上をより少ない材料を用いて達成することができるシステム天井用クリップと、このシステム天井用クリップが設けられたシステム天井とが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の好適な実施形態に係るシステム天井の一部を示す概略斜視図、図2はそのシステム天井に設けられるシステム天井用クリップの概略斜視図、図3及び図4は、システム天井と壁部との位置を説明する概略断面図である。
【0016】
本実施形態に係るシステム天井1は、いわゆるグリッドシステム天井であり、格子状に組まれた天井枠材2と、天井枠材2によって組まれた格子の開口部を閉じるように天井枠材2間に架設された天井板3と、この天井板3が架設された天井枠材2を吊り下げる吊持手段を構成する吊りボルト41,45、調節ハンガー42、野縁受け43、及びチャンネルクリップ44と、天井枠材2の長手方向における端部に取り付けられたシステム天井用クリップ51と、を含んで構成される。さらに図1に示すシステム天井1の長手方向の端部は、見切り材62が取り付けられた壁部材61と対向するように配置されている。
【0017】
システム天井1に用いられる天井枠材2(2A,2B)は、いわゆるTバーと呼ばれ、断面が逆T字状に形成された鋼やアルミニウム合金等からなる部材である。この天井枠材2は、部材の長手方向に沿って直立するウェブ22と、ウェブ22の下縁から両側に張り出したフランジ部21と、ウェブ22の上縁に形成され、ウェブ22の上縁から両側に張り出した断面略矩形の頭部33と、を備えて構成される。この天井枠材2の大きさは、例えば、短手方向(天井枠材2の高さ方向)の幅が48mm、フランジ部21の水平方向の幅が15mmである。また、天井枠材2の長手方向の長さは、天井の大きさに応じて適宜変更される。
【0018】
そして、複数本の天井枠材2Aが壁部材61と直交するように配置され、この天井枠材2Aに対して直交するように複数本の天井枠材2Bが配置されることによって、例えば一辺が600mmの略正方形の開口部が構成され、この開口部に天井板3が設けられる。天井板3は、ロックウールやグラスウールを主成分として澱粉等の糊剤等を混合して抄造し板状に加工した板状体や、平面形状が略正方形のパネル等からなり、その下面には、例えば多数の小孔が打ち抜かれた防錆処理鋼板が配置され、その上面(すなわち天井裏側)にはグラスウール等の断熱・吸音材が重ねられた構成を有するものが用いられる。なお、天井板3の大きさは、天井枠材2により構成される開口部の大きさに応じて変更され、その構成は用途に応じて適宜変更される。この天井板3は、天井枠材2Aと天井枠材2Bのフランジ部21上に載架されることによって、天井枠材2A,2B間に保持される。
【0019】
次に、この天井枠材2と天井板3を吊持する吊持手段について説明する。吊持手段は、建築物の天井スラブに埋設されたアンカー等によって垂下される吊りボルト41と、この吊りボルト41の下端部に取り付けられた調節ハンガー42と、この調節ハンガー42により水平に架設された野縁受け43と、この野縁受け43に取り付けられたチャンネルクリップ44とにより構成される。そして、チャンネルクリップ44により、天井枠材2Aが野縁受け43に直交して複数本架設される。さらに、天井枠材2Aと直交するように天井枠材2Bが建築物の天井面から垂下される吊りボルト45により保持されることによって、天井枠材2による水平面が形成され、さらにこの天井枠材2(2A,2B)により構成される開口部に天井板3が架設されることにより、システム天井1の天井面が形成される。
【0020】
ここで、本発明の特徴をなすシステム天井用クリップ51の実施形態について説明する。図1及び図2に示すように、システム天井用クリップ51は、天井枠材2Aのうち、壁部材61と対向する端部に取り付けられる略T字状の鋼からなる部材であり、天井枠材2Aの長手方向に直交すると共に水平方向に(すなわち、ウェブ22により構成される面に対して直交する面に沿って)延びる規制部501と、ウェブ22に沿って配置される板状の部材である固定部502と、さらに、この固定部502に設けられたカシメ部503と、を含んで構成される。
【0021】
規制部501は、厚さが0.8〜1.2mm程度の板状の部材であり、天井枠材2Aを挟んで対称に配置される。図2に示すように、規制部501は、並設する天井枠材2Aの対向する端部同士を繋ぐ仮想線に沿って固定部502から延びる。本実施形態では、規制部501が天井枠材2Aのウェブ22と同じ高さの水平方向に延びることで、天井枠材2Aのフランジ部21の上に架設される天井板3と同じ高さに規制部501が配置されることになり、天井板3の角部の側縁を受けることができる。なお、ここでいう天井板3の角部とは、天井板3のうち、天井板3が架設される天井枠材2A近傍の部分である。天井板3の規制部501の高さ方向(天井枠材2Aの短手方向)の幅は、天井板3の厚さにより適宜変更されるが、例えば25mmである。また、固定部502から規制部501の端部までの長さは、少なくとも隣接する天井枠材2Aとの間隔の半分の長さよりも短く、好ましくは、隣接する天井枠材2Aとの間隔に対して20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは8〜15%である。本実施形態のように一辺が600mmの開口部を塞ぐ天井板3の場合、好ましくは120mm以下であり、さらに好ましくは、50〜70mmである。固定部502から規制部501の端部までの長さが10mmよりも短い場合は、天井枠材2Aの長手方向の天井板3の移動を十分に規制することができなくなる恐れがある。
【0022】
固定部502は、規制部501に接続され、天井枠材2Aに対してシステム天井用クリップ51を固定するための部材である。固定部502と規制部501とは、例えばジョイント等により接続されていてもよいし、溶接等により接続されていてもよい。本実施形態のシステム天井用クリップ51に係る固定部502は、天井枠材2Aの端部からウェブ22に沿ってウェブ22の両側に配置される板状の部材であり、ウェブの長手方向に沿った固定部502の長さは例えば100mmであり、ウェブ22の短手方向に沿った固定部502の長さは、ウェブ22の幅よりも小さく、固定部502の上部には、さらにカシメ部503が設けられる。カシメ部503は、図2のようにシステム天井用クリップ51を天井枠材2Aの端部に取り付けた際に天井枠材2Aのウェブ22から離間する方向に屈曲した部材である。システム天井用クリップ51を天井枠材2Aに取り付ける際には、カシメ部503の屈曲部分を加圧することで、カシメ部503が天井枠材2Aのウェブ22に圧接され、その上部が頭部23に対してかしめられることにより、固定部502が天井枠材2Aに対して固定される。このように、本実施形態に係るシステム天井用クリップ51は、カシメ固定によって天井枠材2Aに対して固定される。
【0023】
なお、本実施形態では、天井枠材2Aの端部にシステム天井用クリップ51が取り付けられている場合について説明するが、天井枠材2Aに直交する方向に配置される天井枠材2Bの端部にも、天井枠材2Aと同様にシステム天井用クリップ51を取り付けることができる。
【0024】
次に図3及び図4を用いて、本実施形態に係るシステム天井用クリップ51が取り付けられたシステム天井1の耐震性について説明する。
【0025】
図3は、定常時におけるシステム天井1を説明する断面図であり、図4は、地震等の振動により、システム天井1が壁から遊離した場合について説明する断面図である。図3に示すように、定常時すなわち地震等による振動が発生していない場合に、システム天井1は、壁部材61に対してネジ63によって固定された見切り材62の端部に、システム天井用クリップ51が取り付けられたシステム天井1の周端部(天井枠材2Aの端部)が配置される構成とされる。システム天井1が図3に示す配置となる場合、システム天井1の周端部と壁部材61との間は離間するが、室内(システム天井1の下部)から見た場合、このシステム天井1の周端部と壁部材61との間を見切り材62が覆うため、光が上部に漏れる等の問題は定常時には発生しない。なお、この壁部材61に取り付けられた見切り材62は必要に応じて設けられる部材である。
【0026】
一方、図4に示すように、システム天井1が特に横方向の振動により見切り材62の上部から遊離した場合には、システム天井1を構成する天井枠材2Aのフランジ部21の上面に架設されている天井板3に対して振動の影響を受けて横方向(水平方向)への力が働くため、天井板3が天井枠材2Aから壁部材61の方向へ移動するおそれがある。しかしながら、本実施形態に係るシステム天井1では、天井枠材2Aの端部に取り付けられたシステム天井用クリップ51の規制部501が天井板3の移動を抑制するため、天井板3が定常時の架設位置から移動することが防止される。このため、天井板3が壁部材61に衝突することによる破損等を防止することができるため、耐震性を向上することができる。
【0027】
このように、本実施形態に係るシステム天井用クリップ51及びこれが取り付けられたシステム天井1によれば、水平方向に延びる板状の規制部501が、天井枠材2Aの間に架設された天井板3の動きを規制するため、特に横方向の振動等によって天井枠材2Aの間の架設位置から壁部材61の方向に天井板3が移動することを抑制することができ、耐震性を向上させることができる。さらに、上記の構成によれば、天井枠材2A及び天井板3の周囲を天井見切り等で覆うことによって天井板3の移動を抑制する場合と比較して、より少ない材料で耐震性を向上することができ、システム天井全体としての重量の軽減を図ることができる。さらに、上記の構成によれば、システム天井用クリップ51を天井枠材2Aの端部にカシメ固定により容易に取り付けることができるため、より少ない作業量によって耐震性の向上を達成するという更なる効果が奏される。
【0028】
(変形例)
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態に係るシステム天井用クリップの変形例について説明する。図5及び図6で示すシステム天井用クリップの変形例は、天井枠材2Aに対してシステム天井用クリップを固定する固定部の構成が前述のシステム天井用クリップ51と異なる。以下の説明では、この相違点を中心に説明する。
【0029】
図5は、ネジ止め固定により天井枠材2Aに対して固定されるシステム天井用クリップ52を説明する概略斜視図である。このシステム天井用クリップ52の固定部505は、天井枠材2Aの端部から長手方向に沿って延び、天井枠材2Aの頭部23を覆うように略コの字状に曲げられ、その端部が頭部23の下部を覆うように曲げられると共に、頭部23の上部となる位置にネジ506を挿入するための貫通孔507が設けられている板状の部材からなる。そして、この貫通孔507にネジ506を挿入して巻き締めることにより、固定部505が天井枠材2Aに対して固定される。このように、本実施形態に係るシステム天井用クリップ52は、天井枠材2Aに対してネジ止め固定される態様とすることもできる。
【0030】
図6は、ビス止め固定により天井枠材2Aに対して固定されるシステム天井用クリップ53を説明する概略斜視図である。このシステム天井用クリップ53の固定部508は、天井枠材2Aの端部から長手方向に沿って延び、天井枠材2Aの頭部23を覆うように略コの字状に曲げられると共に、頭部23の上部となる位置にビス509を挿入するための貫通孔510が設けられている板状の部材からなる。また、天井枠材2Aにも貫通孔が設けられ、この貫通孔510にビス509を挿入してビス止めすることにより、固定部508が天井枠材2Aに対して固定される。このように、本実施形態に係るシステム天井用クリップ53は、天井枠材2Aに対してビス止め固定される態様とすることもできる。
【0031】
なお、システム天井用クリップ52,53を天井枠材2Aに対して取り付ける場合の貫通孔507,510の位置は適宜変更することができる。また、システム天井用クリップ52,53の取り付けに用いられるネジ506又はビス509の数量を変更することもできる。
【0032】
図5及び図6に示すシステム天井用クリップ52,53においても、図3に示すカシメ止めにより天井枠材2Aに対して固定されるシステム天井用クリップ51と同様に、規制部501が天井板3の水平方向の移動を抑制することにより耐震性が向上するという効果を有すると共に、少ない材料によってこの耐震性向上を達成することができる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、上記実施形態では、天井枠材2が格子状に配置され、この格子状の開口部を塞ぐように天井板を配置するいわゆるグリッドシステム天井であるシステム天井1について説明したが、本発明に係るシステム天井用クリップは、一対の天井枠材が並設され、この一対の天井枠材の間に形成される長方形状の空隙部に複数枚の天井板を架設するいわゆるラインシステム天井に適用することもできる。
【0034】
また、本発明のシステム天井用クリップ51〜53では、規制部501が板状である構成について説明したが、規制部501の形状は特に限定されず、例えば、円柱状であっても、天井板の側縁を受けて天井板の動きを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の好適な実施形態に係るシステム天井の一部を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の好適な実施形態に係るシステム天井に設けられるシステム天井用クリップの概略斜視図である。
【図3】定常時におけるシステム天井の位置を説明する断面図である。
【図4】振動によりシステム天井が壁から遊離した場合について説明する断面図である。
【図5】本発明の好適な実施形態に係るシステム天井用クリップの変形例(ネジ止め固定)を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の好適な実施形態に係るシステム天井用クリップの変形例(ビス止め固定)を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1…システム天井、2(2A,2B)…天井枠材、3…天井板、51,52,53…システム天井用クリップ、501…規制部、502…固定部。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井スラブからの吊持手段により吊下げられ離間して並設される一対の天井枠材と、前記一対の天井枠材の間に架設される天井板と、を備えるシステム天井に用いられ、前記一対の天井枠材各々の端部に取り付けられて、前記天井枠材の長手方向における前記天井板の動きを規制するシステム天井用クリップにおいて、
前記天井枠材の端部に固定される固定部と、
並設される前記天井枠材の対向する端部同士を繋ぐ仮想線に沿って前記固定部から延びており、架設された前記天井板の側縁を受けて前記天井板の動きを規制する規制部と、を備え、
前記規制部の長さは、少なくとも前記一対の天井枠材の間隔の半分の長さよりも短いことを特徴とするシステム天井用クリップ。
【請求項2】
前記固定部は、
前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、
前記板状部に設けられたカシメ部と、を備え、
前記カシメ部が天井枠材に対して圧接されることにより、前記天井枠材に対して前記板状部がカシメ固定されることを特徴とする請求項1記載のシステム天井用クリップ。
【請求項3】
前記固定部は、
前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、
前記板状部に設けられた貫通孔と、を備え、
前記貫通孔に挿入したネジが巻き締められることにより、前記天井枠材に対して前記板状部がネジ止め固定されることを特徴とする請求項1記載のシステム天井用クリップ。
【請求項4】
前記固定部は、
前記天井枠材の長手方向に沿って延びる板状部と、
前記板状部に設けられたビス孔と、を備え、
前記ビス孔に挿入したビスにより、前記天井枠材に対して前記板状部がビス止め固定されることを特徴とする請求項1記載のシステム天井用クリップ。
【請求項5】
天井スラブからの吊持手段と、
前記吊持手段により吊下げられ離間して並設される一対の天井枠材と、
前記一対の天井枠材の間に架設される天井板と、
前記一対の天井枠材各々の端部に取り付けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム天井用クリップと、
を備えることを特徴とするシステム天井。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−133196(P2010−133196A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312334(P2008−312334)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【出願人】(501131830)株式会社日東紡マテリアル (4)