説明

システム構成の遠隔修正のための方法および装置

コンピュータシステムの複数のシステム構成設定を更新する方法および装置。複数の実施形態は、ユーザが、サーバマシンから、ネットワークまたは同様の通信システム上で、対象のマシンのシステム構成を更新することを可能にする、リモートシステム構成システムを含む。他の実施形態は、システム構成データを対象のコンピュータシステムに書き込むために、バスマスタデバイスを用いたシステム構成方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の複数の実施形態は、複数のコンピュータシステム構成に関する。具体的には、複数の実施形態は、遠隔的にシステム構成を変更することおよびバスマスタデバイスを使用してシステム構成を更新することに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムは、その機能に必要な複数のデバイスを備える。システムが起動されまたは再起動される場合、これら複数のデバイスは、それぞれ、開始されまたは初期化されなければならない。ほとんどの複数のコンピュータシステムは、コンピュータシステムの基本起動および初期化を処理するシステム構成マネージャプログラムを備える。
【0003】
幾つかのコンピュータシステムにおいて、基本起動および初期化プログラムまたはシステム構成マネージャは、基本入力−出力システム(BIOS)と称される。起動または再起動の後、コンピュータシステムは、BIOSの第一の命令を実行することから始める。BIOSは、チップセットを初期化し、システムメモリをテストおよび初期化し、ならびに周辺デバイス機能をテストおよび初期化する。このプロセスは、集合的に、パワーオンセルフテスト(POST)として知られる。複数のシステムデバイスが適切に初期化された後、BIOSは、ブートローダプログラムを読み込む。ブートローダプログラムは、固定ディスクなどのストレージデバイスの指定されるブートセクタに記憶される。ブートローダは、オペレーティングシステムを起動する。オペレーティングシステムは、その後、コンピュータシステムを制御する。
【0004】
BIOSコードは、フラッシュメモリデバイスに記憶されるファームウェアである。BIOSコードは、システムPOSTの間に、複数のユーザ構成可能設定をプログラムするために、構成データを使用する。BIOS構成データは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)から成る不揮発性メモリに記憶される。CMOSは、コンピュータシステムがその主電源から切断された場合に、それがバックアップバッテリによりサポートされることを可能にする省エネ技術である。POSTの間に使用される不揮発性データは、実時間クロック(RTC)データおよび時間データ、複数のドライブ構成、複数のシステムメモリ設定、複数のオペレーティングシステム設定、複数のシリアルおよびパラレルポート設定ならびに複数の他のシステム設定を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の複数の実施形態は、同様の複数の参照番号が同様の複数の要素を示す、添付の複数の図面の複数の図において、制限としてではなく、例として説明される。"一"または"1つの"実施形態への本開示における異なる複数の参照は、必ずしも同じ実施形態へのものでなくてよく、そのような複数の参照は、少なくとも1つを意味する。
【0006】
【図1】コンピュータシステムの1つの実施形態の図である。
【0007】
【図2】コンピュータシステムを備えるネットワークの1つの実施形態の図である。
【0008】
【図3】システムを遠隔的に更新するためのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。
【0009】
【図4】起動または再起動の間にコンピュータシステム初期化を実行するためのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。
【0010】
【図5】バスマスタ更新を実行するためのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0011】
図1は、コンピュータシステムの1つの実施形態の図である。1つの実施形態において、コンピュータシステム101は、複数の命令を実行するために中央処理装置(CPU)103を備える。他の実施形態においては、コンピュータシステム101は、複数のプロセッサを備える。CPU103は、メインボード上に配置される。複数のプロセッサを伴う一実施形態において、それぞれのプロセッサは、同じメインボードまたは別々のメインボードに配置されまたは取り付けられる。CPU103は、メモリハブ105または同様のデバイスと通信する。
【0012】
1つの実施形態において、メモリハブ105は、CPU103とシステムメモリ109、入力−出力(I/O)ハブ111およびグラフィクスプロセッサ107などの同様の複数のデバイスとの間の通信リンクを提供する。1つの実施形態において、メモリハブ105は、'ノースブリッジ'チップセットまたは同様のデバイスである。
【0013】
1つの実施形態において、システムメモリ109は、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュールまたは複数のモジュールの一式である。1つの実施形態において、システムメモリ109は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダブルデータレート(DDR)RAMまたは同様の複数のメモリストレージデバイスを備える。システムメモリ109は、アプリケーションデータ、構成データおよび同様のデータを記憶するために、コンピュータシステム101により使用される。システムメモリ109は、コンピュータシステム101の電源が切れる場合、データが失われる揮発性メモリである。
【0014】
1つの実施形態において、他の複数のデバイスは、グラフィクスプロセッサ107のように、メモリハブ105に接続される。グラフィクスプロセッサ107は、メインボードの上に直接配置される。他の実施形態において、グラフィクスプロセッサ107は、相互接続またはポートを経由してメインボードに取り付けられる別々のボード上に配置される。例えば、グラフィクスプロセッサ107は、アクセラレーテッドグラフィクスポート(AGP)スロットまたは同様の接続を経由してメインボードに取り付けられる周辺カード上に配置される。グラフィクスカードまたはグラフィクスプロセッサ107は、ディスプレイデバイス123に接続される。1つの実施形態において、ディスプレイデバイス123は、陰極線管(CRT)デバイス、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマデバイスまたは同様のディスプレイデバイスである。
【0015】
1つの実施形態において、メモリハブ105は、I/Oハブ111と通信する。I/Oハブ111は、複数のI/Oデバイスならびにストレージデバイス125、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス113または同様のメモリデバイス、基本入力−出力システム(BIOS)115、ユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラ117、ネットワークデバイス119および同様の複数のデバイスなどの同様の複数のデバイスの一式と通信する。1つの実施形態において、I/Oハブ111は、'サウスブリッジ'チップセットまたは同様のデバイスである。他の実施形態においては、メモリハブ105およびI/Oハブ111は1つのデバイスである。
【0016】
1つの実施形態において、ストレージデバイス125は、固定ディスク、物理ドライブ、光学ドライブ、磁気ドライブまたは同様のデバイスなどの不揮発性ストレージデバイスである。ストレージデバイス125は、アプリケーションデータ、オペレーティングシステムデータおよび同様のシステムデータを記憶するために使用される。1つの実施形態において、コンピュータシステム101は、リムーバブルメディアドライブ129を備える。リムーバブルメディアドライブは、ディスクドライブ、CDROMドライブ、DVDドライブまたは同様のデバイスである。1つの実施形態において、CMOS113は、システム構成情報、実時間クロックデータ(RTC)、BIOSデータおよび同様の情報を記憶する。CMOS113は、バッテリバックアップメモリデバイスまたは同様の不揮発性ストレージシステムである。BIOS115は、システム構成および初期化を管理する。BIOS115デフォルトデータは、CMOS113に記憶される。1つの実施形態において、CMOS113およびBIOS115は、同じデバイスの一部である。
【0017】
1つの実施形態において、USBコントローラ117は、I/Oハブ111に接続される。USBコントローラ117は、USBを管理するある種のマイクロコントローラである。1つの実施形態において、USBコントローラ117は、コンピュータシステム101とUSB入力デバイス121との間のインターフェースとして働く入力デバイスコントローラとして機能する。一例の実施形態において、USBコントローラ117は、マウス、プリンタ、ウェブカメラおよび同様の複数のデバイスを含む複数の入力デバイスの一式を管理する。
【0018】
1つの実施形態において、ネットワークデバイス119などの他の複数のデバイスは、I/Oハブ111と通信する。ネットワークデバイス119は、モデム、ネットワークカード、ワイヤレスデバイスまたは同様のデバイスである。1つの実施形態において、ネットワークカード119は、メインボードに集積される。他の実施形態において、ネットワークデバイス119は、周辺装置相互接続(PCI)、PCI Expressスロットまたは同様の相互接続を経由してメインボードに接続される周辺カードである。
【0019】
図2は、リモートシステム構成更新メカニズムを備えるシステムの1つの実施形態の図である。1つの実施形態において、コンピュータシステム101は、ネットワーク213に接続されるローカルマシンである。ここで用いられるように、用語'ローカルマシン'は、コンピュータシステムの構成を更新するためのシステム構成マネージャを伴うコンピュータシステムである。'リモート'マシンまたはアプリケーションは、ネットワークまたは同様のメカニズムを経由して、ローカルマシンに接続される。コンピュータシステム101は、ワークステーション、ラップトップ、デスクトップまたは同様のコンピュータシステムである。コンピュータシステム101は、ネットワークデバイス119を経由して、ネットワーク213に接続される。ネットワーク213は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットまたは同様のネットワークである。ここで用いられるように、用語'システム構成データ'は、複数のユーザ構成可能設定、およびBIOS115などのシステム構成マネージャにより設定されるコンピュータシステムの複数のハードウェア設定を指す。複数のユーザ構成可能設定は、一般的にオペレーティングシステム(OS)、電源管理および他の一般的な複数の設定を含む。複数のハードウェア設定は、プロセッサ、メモリ、バス、グラフィクスプロセッサおよび同様の複数のスピードおよびレイテンシ設定を含む。複数のハードウェア設定は、複数のコンポーネント能力および同様の構成データを含む。
【0020】
1つの実施形態において、コンピュータシステム101は、ローカルクライアントモジュール203を備える。ローカルクライアントモジュール203は、サーバモジュール211と通信するソフトウェアアプリケーションまたはハードウェアデバイスである。ローカルクライアントモジュール203の動作は、下記において詳細に説明される。ローカルクライアントモジュール203は、ストレージデバイス125、CMOS113、リムーバブルメディアドライブ129または同様のストレージロケーションに記憶される。
【0021】
1つの実施形態において、ネットワーク213は、複数のコンピュータシステムを一緒に接続するために使用される。ローカルマシン205などの付加的な複数のコンピュータシステムは、同様に、サーバモジュール211と通信するために、ローカルクライアントモジュール207を実行する。サーバ209は、ネットワークカード、モデム、ワイヤレスデバイスまたは同様のデバイスなどのネットワークデバイスを用いて、ネットワーク213に接続される。サーバ209は、サーバモジュール211を実行する。サーバモジュール211は、ネットワーク213に接続されるさまざまなローカルマシン101、205のためのシステム構成データを生成およびモニタするために活用されるアプリケーションである。1つの実施形態において、サーバ209は、ネットワーク213に接続された複数のコンピュータシステムのために、管理ツールを提供するための専用システム、デスクトップシステム、ラップトップシステム、ハンドヘルドシステムまたは同様のシステムである。他の実施形態においては、サーバ209は、他の複数のアプリケーションを実行している共有システムである。
【0022】
1つの実施形態において、サーバモジュール211は、ユーザがサーバ209と情報交換する複数のコンピュータの複数のシステム構成をモニタおよび修正することを可能にするために、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供する。他の実施形態において、サーバモジュール211により提供されるインターフェースは、グラフィカルベースではなく、むしろテキストベースであり、または他のインターフェースが提供される。サーバモジュール211は、それぞれのマシンのための構成データを得るためにおよび新しいまたは更新された構成情報を複数のクライアントモジュール203、207に送るために、ネットワーク213上で複数のクライアントモジュール203、207と通信する。複数のメッセージは、任意の適した通信プロトコルを用いて、システム構成データを通信することにふさわしい形でフォーマットされる。1つの実施形態において、サーバモジュール211は、同様に、複数のクライアントモジュール203、207と通信し、また複数のクライアントモジュール203、207からデータを受信する。サーバモジュール211は、それぞれのクライアントモジュール203、207に別々の構成メッセージを送りまたは複数のクライアントモジュール203、207に構成データをブロードキャストする。
【0023】
図3は、遠隔的にシステムを更新するためのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。1つの実施形態において、それぞれのコンピュータシステムは、コンピュータの初期化の間に使用されるデフォルトのまたはローカルなシステム構成データを備える。このデフォルトの構成は、マシンにおいて、BIOS115などのシステム構成マネージャまたは同様のアプリケーションの使用により更新される。ここで用いられるように、用語'システム構成マネージャ'は、コンピュータシステムのシステム構成を局所的に管理するプログラムまたはモジュールを指す。BIOSは、そのようなシステム構成マネージャの一例である。システム構成マネージャは、コンピュータシステムのキーボード上のキーシーケンスの手動入力により、コンピュータシステムの初期化の間にアクセスされる。システム構成マネージャにより管理される複数のシステム設定は、複数のデバイスストレージサイズ、複数のデバイススピード、CPUスピード、複数のシステムバススピード、複数のグラフィクス設定、複数のブート設定および同様の複数のシステム設定を含む。
【0024】
1つの実施形態において、ユーザは、再構成されるマシンにおいて手動で入力することなしに、遠隔的に複数のシステム設定にアクセスしおよびを変更する。ユーザは、現在の複数のシステム設定を見るためまたは対象のコンピュータシステムのための新しい構成を生成するために、サーバモジュール211を使用する。サーバ209上で実行しているサーバモジュール211は、構成情報を、ネットワーク213を介して、ローカルマシン101へ送る(ブロック313)。例えば、システム管理者は、ローカルマシン101のオペレーティングシステムソフトウェアを局所的にまたは遠隔的に更新する。オペレーティングソフトウェアの更新は、更新の前にオペレーティングシステムによりサポートされていたものよりも大きな複数の固定ディスクストレージサイズの使用を可能とする。ローカルマシン101は、更新の前にオペレーティングシステムによりサポートされていたものよりも大きな固定ディスク125を備える。システム管理者は、固定ディスク125をより良く使用するために、固定ディスク125のための増やされたサイズを含むローカルマシン101のための新しいシステム構成を作成する。この新しい構成は、その後、ローカルマシン101へ送られる。
【0025】
1つの実施形態において、ローカルマシン101上で実行しているクライアントモジュール203は、入ってくる構成データをネットワークデバイス119からまたは同様の方法で受信する(ブロック315)。他の実施形態において、構成データは、複数のマシンに適用でき、ネットワーク213上の複数のマシンの一式にブロードキャストされる。例えば、クライアントモジュール203は、固定ディスク125上のより大きなスペースの使用を可能にするためにシステム管理者によりサーバモジュール211経由で送られる新しい構成を受信する。
【0026】
1つの実施形態において、クライアントモジュール203は、受信した構成データを所定のメモリスペースに書き込む(ブロック317)。所定のメモリスペースは、システムメモリ109、固定ストレージデバイス125、リムーバブルメディアドライブ129、CMOSまたは同様のストレージデバイスに位置する。他の実施形態において、受信されたシステム構成データを記憶するために、専用のメモリデバイスが使用される。さらなる実施形態において、システムメモリ109または同様のストレージデバイスは、コンピュータシステム101のパワーダウンまたはリブートの間にシステム構成データを維持するために修正されまたはバッテリバックアップなどの永続的な電源供給と共に提供される。例えば、システム管理者により作成される新しいシステム構成は、システムメモリ109またはストレージデバイス125に書き込まれる。ここで用いられるように、用語'リブート'は、コンピュータシステムの再起動を指す。この再起動は、揮発性メモリへの電源の損失およびデータの損失をもたらすかもしれない。ここで用いられるように、'所定のメモリエリア'は、任意の適したメモリデバイスもしくはストレージデバイスまたは複数のデバイスの組み合わせ内のストレージエリアを指し、ここに、新しいまたは更新さらたシステム構成データが、デフォルトの構成データを更新するために使用される前に記憶される。
【0027】
1つの実施形態において、受信されたシステム構成データは、所定のメモリエリアに書き込まれ、任意の適したフォーマットに記憶される。1つの実施形態において、記憶されたシステム構成データのフォーマットは、コンピュータシステム101内のCMOS113または他のロケーションに記憶されたデフォルトのシステム構成データのフォーマットと適合する。ここで用いられるように、'デフォルトのシステム構成データ'は、CMOS113などの不揮発性ストレージデバイスに記憶され、新しいまたは更新されたシステム構成データがそれを更新するまで、コンピュータシステムを初期化するために使用されるシステム構成データを指す。このデフォルトのシステム構成データは、前もって更新または変更されている。さらなる実施形態において、現在のシステム構成への複数の変更のみ、サーバモジュール211により送信され、クライアントモジュール203によりセーブされる。
【0028】
1つの実施形態において、受動的な更新スキーム337が、受信されたシステム構成データでシステム構成を更新するために使用される。1つの実施形態において、コンピュータシステム101がリブートされまたはコンピュータシステム101が起動する場合、システム構成マネージャは、システム構成への複数の変更が存在するかどうかを判断するためにチェックする(ブロック319)。複数の変更が存在する場合、複数の変更または新しい構成は、CMOS113または他の適切なストレージデバイスにより記憶されるデフォルトのシステム構成データを修正または置き換えるために使用される(ブロック321)。例えば、新しいまたは更新された構成が、システム管理者から受信され、所定のメモリエリアに記憶された後、システムがリブートされるかまたは起動されるかのどちらか次の時に、システム構成マネージャは、所定のメモリスペースを、それが新しいまたは変更された構成データを有するかどうかを判断するために調べる。新しいまたは更新されたデータが見つかった場合、それは、デフォルトのシステム構成データを置き換えるまたは修正するために、CMOS113にコピーされる。1つの実施形態において、更新されたまたは新しいデータの検出は、デフォルトの構成データと受信されたシステム構成データとの比較を伴う。他の実施形態において、受信されたシステム構成データが、クライアントモジュール203により記憶される場合、フラグまたは同様の標識がセットされる。この標識は、新しいまたは更新されたデータが受信されたかどうかを判断するためにリブートまたは起動時にチェックされる。
【0029】
1つの実施形態において、システム構成データのためのCMOS113または同様のストレージデバイスが更新されまたは置き換えられた後、新しいデフォルトのシステム構成データは、コンピュータシステム101を初期化または起動するために使用される(ブロック323)。幾つかの状況において、これは、システム構成の複数の変更が実装される前に、他のリブートを要求する。現在使用されるまたはシステム構成設定の更新の時にシステム構成マネージャにより既に初期化された複数のシステム構成設定への複数の変更は、コンピュータシステム101が実行している間、設定可能ではない。例えば、システム管理者により送られた新しい複数の構成設定をCMOS113にコピーした後、BIOS115は、コンピュータをリブートする。次のリブートの間、新しい複数のシステム構成設定およびデータが使用される。
【0030】
他の実施形態において、能動的なシステム325が、複数のシステム構成設定を更新するために使用される。1つの実施形態において、クライアントモジュール203が、サーバモジュール211から、システム構成データを受信しおよび記憶した後、それは、BIOS115などのシステム構成マネージャに、更新されたまたは新しい構成データの受信を通知する(ブロック327)。1つの実施形態において、システム構成マネージャは、コンピュータシステム101が実行している間に、複数の構成設定の変更ができるかどうかを判断するために、更新されたまたは新しい構成データを調べる。他の実施形態において、サーバモジュール211は、コンピュータシステム101が実行している間に複数の変更が実施できるかどうかの標識を送る。この場合、システム構成マネージャは、この標識をチェックする。例えば、コンピュータシステム101により受信されたシステム構成更新は、その認識される容量を増やすために、固定ディスク125のサイズを調整すべきである。サーバモジュール211は、BIOS115およびオペレーティングシステムが、固定ディスクドライブ125の容量の動的な変更を処理でき、コンピュータシステム101のリブートを要求しないことを判断する。
【0031】
1つの実施形態において、システム構成マネージャが新しいまたは更新された構成データに関する通知を受けた後、それは、複数の変更または新しい複数の設定を、CMOS113などのデフォルトの複数の構成設定のためのストレージエリアにコピーする(ブロック329)。複数の設定の複数の変更がコンピュータシステム101のリブートを要求するかどうかを判断するために、チェックされる(ブロック331)。これは、サーバモジュール211からの直接の標識をチェックすることによりまたは実行される複数の設定への複数の変更のタイプを解析することにより、遂行される。例えば、BIOS115は、固定ディスク125の認識される容量の増加を実装する。それは、この構成変更が、複数のエラーを生じずに変更を完全に実装するために、コンピュータシステム101のリブートを要求するかどうかの決定をする。
【0032】
1つの実施形態において、システム構成への複数の変更がリブートを要求しない場合、複数の変更は実装され、コンピュータシステム101は、新しい複数のシステム構成設定により示される複数の変更を伴い、機能を継続する(ブロック333)。システム構成への複数の変更が、システムがリブートされることを要求する場合、クライアントモジュール203、システム構成マネージャ、またはオペレーティングシステムは、複数のシステム構成設定内の変更を完了するために、コンピュータシステム101のリブートを開始する。
【0033】
図4は、システム初期化を実行するためのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。1つの実施形態において、システム初期化は、コンピュータシステム101が起動されまたはリセットされる場合に生じる(ブロック401)。コンピュータシステム101は、複数の基本システムコンポーネントの初期化を開始するシステム構成マネージャの実行を開始する(ブロック403)。複数の基本システムコンポーネントは、チップセット、RTCおよび同様の複数のコンポーネントを含む。初期化は、複数のモデム、複数のグラフィクスカード、複数のネットワークカード、ならびに同様の複数の周辺カードおよびデバイスなどの全てのプラグアンドプレイデバイスを構成することにより、継続する(ブロック405)。
【0034】
1つの実施形態において、同様のシステム構成マネージャは、デフォルトのシステム構成が更新されることを必要とするかどうかを判断するために、所定のメモリエリアをチェックする(ブロック407)。これは、デフォルトのシステム構成データと新しいまたは更新されたシステム構成データとの間の比較を通してまたは更新標識を検出することにより判断される。システム構成マネージャは、CMOS113または同様の不揮発性ストレージにセーブされたデフォルトの複数のシステム構成設定の上にコピーするまたはを更新するプロセスを開始する。システム構成マネージャは、更新されたまたは新しい構成データに示される複数の変更に従って、複数のシステム設定を変更することを開始する。
【0035】
1つの実施形態において、システム構成マネージャは、コンピュータシステム101をリブートすることが必要かどうかを判断する(ブロック411)。これは、記憶されたリブートを要求する標識を検出することによりまたは新しいシステム構成内の複数のシステム設定への複数の変更の解析により判断される。リブートが必要な場合、リブートプロセスは、デフォルトの構成スペースに記憶された新しい構成データと共に再開される。リブートが必要ではない場合、システム構成マネージャは、コンピュータシステム101の複数のコンポーネントの初期化を継続し、完了する(ブロック413)。初期化が完了した場合、システム構成マネージャは、コンピュータシステム101のための適切なオペレーティングシステムを起動するために、ブートロードプログラムを呼び出す(ブロック415)。オペレーティングシステムは、その後、コンピュータシステム101を主として制御する。
【0036】
1つの実施形態において、サーバモジュール211は、クライアントモジュール203に、付加的な複数のコマンドおよび情報を送る。サーバモジュール211は、構成情報の処理が能動的な方法325か、それとも受動的な方法337を用いて処理されるべきかどうかを示す。サーバモジュール211は、対象のコンピュータシステムが、システム再構成プロセスの間に、何時またはリブートすべきかどうかを判断する。
【0037】
図5は、バスマスタデバイスを使用したシステム構成更新を実行することのプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。ここで用いられるように、'バスマスタデバイス'は、コンピュータシステム101の内部バスを駆動できる任意のデバイスである。これは、デバイスが、コンピュータシステム101のメモリスペースを読み出しおよび書き込むことを可能にする。バスマスタデバイスは、コンピュータシステム101に、コンピュータシステム101のUSBポート、シリアルポート、パラレルポート、1394ポート(ファイヤーワイヤー)もしくは同様のポートまたは接続デバイスに結合されたUSBデバイス121、シリアルデバイス、ワイヤレスデバイス、赤外線デバイスまたは同様のデバイスとして取り付けられる。
【0038】
1つの実施形態において、バスマスタデバイスは、サーバモジュール211と同様のシステム管理アプリケーションと連動することができる。このシステム管理アプリケーションは、対象のコンピュータシステム101のシステム構成をモニタできる。
【0039】
1つの実施形態において、システム管理アプリケーションは、システム構成を生成し、この構成をバスマスタデバイス121に伝える(ブロック501)。1つの実施形態において、バスマスタデバイス121は、構成を記憶できる。他の実施形態において、バスマスタデバイス121は、システム構成データを、それを所定のメモリスペースに書き込むことで再送する(ブロック503)。例えば、メモリモジュールを伴うUSBデバイスは、USBデバイスのメモリモジュールにシステム構成をロードするシステム構成管理アプリケーションに接続される。USBデバイスは、その後、ローカルマシン101に接続され、USBデバイスは、その内部のメモリモジュールからローカルマシン101の所定のメモリスペースに、システム構成データをロードする。
【0040】
1つの実施形態において、バスマスタデバイス121は、対象マシンのシステム構成を更新することの受動的な方法505および能動的な方法507の両方をサポートする。システム構成を更新することの受動的な方法において、更新は、コンピュータシステム101の次のリブートまたは起動の間に生じる。リブートプロセスの間に、システム構成マネージャは、システム構成への複数の更新をチェックする(ブロック509)。1つの実施形態において、システム構成マネージャは、CMOS113または同様の不揮発性ストレージに記憶されたデフォルトのシステム構成と所定のメモリスペースに記憶された新しいシステム構成データとの間の比較をする。他の実施形態において、システム構成マネージャは、複数の変更または新しい構成が実装されることを示す標識を検出する。
【0041】
1つの実施形態において、システム構成マネージャは、CMOSまたは同様の不揮発性ストレージ内のデフォルトのシステム構成データを、新しいシステム構成データで、起動またはリブートの間に更新する(ブロック511)。システム構成マネージャは、その後、コンピュータシステム101内の新しい構成を実装する(ブロック513)。他の実施形態において、システム構成マネージャは、更新された複数のシステム構成設定の実装を完了するために、コンピュータシステム101をリブートする。
【0042】
1つの実施形態において、能動的な更新システム507が使用される。バスマスタが、新しいまたは更新されたシステム構成データを、所定のメモリスペースに記憶した後、バスマスタは、システム構成マネージャに、複数のシステム構成設定が変更されることを通知しまたは標識を提供する(ブロック515)。システム構成マネージャは、その後、新しいまたは更新された構成データを、所定のメモリスペースから、CMOS113または同様の不揮発性メモリデバイスなどのデフォルトのストレージエリアにコピーし、または同様に、デフォルトのシステム構成データを更新する(ブロック517)。
【0043】
1つの実施形態において、システム構成マネージャは、複数のシステム設定の実装を完了するためにリブートすることが必要かどうかの判断をする(ブロック519)。システム構成マネージャは、なされるべきシステム構成の複数の変更の複数のタイプを解析することにより、リブートが必要かどうかを判断する。他の実施形態において、システム構成マネージャは、バスマスタから受信されまたはバスマスタにより所定のロケーションに記憶された標識をチェックする。
【0044】
1つの実施形態において、更新されたまたは新しい複数のシステム構成設定の実装を完了するために、リブートが必要である。システム構成マネージャまたはオペレーティングシステムは、システムのリブートを開始し、起動シーケンスの間に、新しいデフォルトの複数のシステム設定の実装を完了する。他の実施形態において、複数のシステム設定に複数の変更をもたらすために、リブートは、必要ではない。システム構成マネージャは、デフォルトのメモリストレージエリアに記憶された更新されたまたは新しい構成データを実装し、コンピュータシステムの動作は、継続する。
【0045】
1つの実施形態において、システム構成データは、同様に、電力制御インターフェース(ACPI)または同様のインターフェースにより使用される。ACPIは、コンピュータシステム内の複数のハードウェアデバイスを構成するために使用される複数の定義ブロックのロードすることおよびアンロードすることを容易にするロードおよびアンロード方法などの複数の方法を提供する。複数のシステム構成変更を実装するためにシステムのリブートが必要とされない1つの実施形態において、複数のシステム変更に関連する複数のACPI定義ブロックは、システム構成への複数の修正を実装するために、ロードまたはアンロードされる。これは、定義ブロックに新しい複数の方法を追加することを含む。これら複数の方法は、ACPIソース言語(ASL)に記述される。
【0046】
1つの実施形態において、改良されたシステム構成更新システムは、ソフトウェアとして実装され、マシン可読媒体上に記憶される。ここで用いられる、マシン可読媒体は、固定ディスク、物理ドライブ、CDROM、DVD、光学ディスク、ワイヤレス送信、光学送信、赤外線送信、ならびに同様の複数のストレージデバイスおよび複数の送信システムなどの、データおよび同様の情報を記憶または転送できる媒体である。
【0047】
前述の明細書において、本発明は、その特定の複数の実施形態を参照して説明された。しかしながら、さまざまな修正および変更が、添付の複数の請求項に記載の本発明の複数の実施形態の上位精神および範囲に反することなく、それになされ得ることは、明白である。本明細書および複数の図面は、したがって、制約的な意義ではなく説明のためと見なされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本入力出力システム(BIOS)構成データを、ネットワーク上で、リモートソースから受信する段階、
受信されたBIOS構成データを記憶する段階、および
システム構成を更新する段階
を備える方法。
【請求項2】
前記受信されたシステム構成データは、所定のメモリスペースに記憶される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定のメモリスペースの中の記憶された構成データの中の前記システム構成への複数の変更をチェックする段階をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記システム構成を更新する段階は、リブートシーケンスの間に生じる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記システムの動作の間に、受信されたBIOS構成データに基づいて、複数のシステム変更をもたらす段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
システム管理モジュールに複数のシステム構成変更を通知する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
基本入力出力システム(BIOS)構成データを、ネットワーク上で、リモートモジュールから受信するクライアントモジュール、
受信されたBIOS構成データを記憶する前記クライアントモジュールに結合されたメモリデバイス、および
受信されたBIOS構成データに基づいて、複数のシステム設定を調整する前記メモリデバイスに結合されたシステム構成モジュール、
を備える装置。
【請求項8】
前記クライアントモジュールを実行するためのプロセッサをさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
リモートマシンとの通信を可能にするための前記クライアントモジュールに結合されたネットワークデバイスをさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記システム構成モジュールおよびBIOS構成データを記憶するための不揮発性メモリデバイスをさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項11】
通信媒体と、
第一のマシンの基本入力出力システム(BIOS)構成データを修正するための第一のクライアントモジュールを有する前記通信媒体に結合された前記第一のマシンと、
前記第一のマシンを再構成するためにBIOS構成データを前記通信媒体を介して前記クライアントモジュールに送信するサーバモジュールを有する前記通信媒体に結合された第二のマシンと
を備えるシステム。
【請求項12】
前記サーバモジュールからBIOS構成データを受信するための第二のクライアントモジュールを有する前記通信媒体に結合された第三のマシンをさらに備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第一のマシンは、
受信されたBIOS構成データを所定のメモリスペースに記憶するために前記クライアントモジュールに結合されたメモリデバイスをさらに備える請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第一のローカルマシンは、
リブートの間に前記所定のメモリスペースの中に記憶されたBIOS構成の中の複数の変更をチェックするためのシステム管理モジュールをさらに備える請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
リモートソースから基本入力出力システム(BIOS)構成データを受信する手段、
受信された(BIOS)構成データを記憶する手段、および
システム構成を更新する手段、
を備える装置。
【請求項16】
受信された複数のBIOS構成変更に基づいて、複数のシステム変更をもたらす手段をさらに備える請求項15に記載の装置。
【請求項17】
複数のBIOS構成変更をシステム構成モジュールに通知する手段をさらに備える請求項15に記載の装置。
【請求項18】
記憶された複数の命令を備えるマシン可読媒体であって、前記複数の命令が実行された場合、マシンに、
プロセッサ構成データ、メモリ構成データ、および周辺デバイス構成データの1つを有する構成データをネットワークの上で、リモートソースから受信すること、
システム構成データを記憶すること、および
システム構成を更新すること
を備える複数の動作の一式を実行させるマシン可読媒体。
【請求項19】
前記受信されたシステム構成データは、所定のメモリスペースに記憶される請求項18に記載のマシン可読媒体。
【請求項20】
記憶されたさらなる命令を備え、前記命令が実行された場合、マシンに、
所定のメモリスペースの中の前記記憶されたシステム構成の中のシステム構成への複数の変更をチェックすることをさらに備える複数の動作の一式を実行させる請求項18に記載のマシン可読媒体。
【請求項21】
前記第一のソースは、リモートサーバである請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第一のソースは、前記所定のメモリスペースに書き込むことができるデバイスである請求項2に記載の方法。
【請求項23】
メモリデバイス、
前記メモリデバイスの中の所定のメモリスペースにシステム構成データを書き込むための装置に遠隔的に結合されたバスマスタデバイス、および
前記所定のメモリスペースの中に記憶された基本入力出力システム(BIOS)構成データに基づいて、複数のシステム構成を調整するために前記メモリに結合されたシステム構成マネージャ、
を備える装置。
【請求項24】
前記デバイスは、取り外し可能で前記メモリデバイスに結合された請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記デバイスは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、シリアルポート、パラレルポートおよび1394ポートの1つで通信する請求項23に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516535(P2007−516535A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547197(P2006−547197)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042678
【国際公開番号】WO2005/064460
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】