説明

シップ薬貼り付け補助具、シップ薬及びシップ薬の貼り付け方法

【課題】シップ薬を所望の部位に確実に貼り付けることができる、シップ薬貼り付け補助具を提供する。
【解決手段】シップ薬を患部に貼り付けるための補助具1であって、シップ薬本体5を保持できるとともに、弾性伸縮可能な帯状ベース部2と、上記帯状ベース部の両端部に連結された操作部3,3と上記シップ薬の貼着面5aを覆うように延出させられるとともに、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させることにより上記シップ薬本体に沿って移動させられ、上記貼着面を露出させる保護部材4,4とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、シップ薬貼り付け補助具、シップ薬及びシップ薬の貼り付け方法に関する。詳しくは、背中等の手の届かない患部に、シップ薬を容易に貼り付けることができるシップ薬貼り付け補助具等に関する。
【背景技術】
【0002】
シップ薬を背中等の手の届かない患部に貼り付けるために種々の補助具が考案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−340470
【特許文献2】特開2004−188145
【0004】
上記特許文献1に記載されている器具は、湾曲した把手の先端部に平板を設け、この平板にシップ薬を保持させ、上記把手を操作して背中等の患部にシップ薬を貼着できるように構成されている。
【0005】
上記特許文献2に記載されている器具は、先端部にシップ薬を挟んで保持できるとともに剥離紙を掴むことのできる器具を設けたへら状の先端部と、この先端部から延出する長尺状の柄部とを備えて構成されている。
【0006】
上記柄を操作して上記先端部に保持したシップ薬を手の届かない患部にあてて、肌に沿って引くことにより剥離紙を剥がしてシップ薬を貼り付けることができるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載されている器具では、湾曲した把手の形状によって、シップ薬を貼り付けることができる患部が限られる。また、シップ薬を保持した部分を背中等の目の届かない部位に正確に位置させるのは極めて困難である。しかも、シップ薬は剥離紙が除去された状態で保持されているため、一旦皮膚に接触すると位置を変更することはできない。したがって、貼り付けに失敗することが多い。
【0008】
上記特許文献2に記載されている器具は、剥離紙を剥がしながらシップ薬を貼着することができるため失敗は少ないと思われる。しかしながら、剥離紙を剥がすために棒状の柄を皮膚に沿って移動させるのは極めて困難ある。このため、操作に熟練を要するばかりでなく、高齢者が取り扱うのは困難である。また、特許文献1に記載した発明と同様に、適用できる患部も限られる。
【0009】
本願発明は、上述の課題を解決するために案出されたものであって、上記従来の問題を解決し、シップ薬を所望の部位に確実に貼り付けることができる、シップ薬貼り付け補助具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1に記載した発明は、シップ薬を患部に貼り付けるための補助具であって、シップ薬本体を保持できるとともに、弾性伸縮可能な帯状ベース部と、上記ベース部の両端部に連結された操作部と、上記シップ薬の貼着面を覆うように延出させられるとともに、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させることにより上記シップ薬本体に沿って移動させられ、上記貼着面を露出させる保護部材とを備えて構成される。
【0011】
本願発明は、弾性伸縮可能な帯状ベース部にシップ薬を保持する。上記帯状ベース部を構成する材料は特に限定されることはない。たとえば、弾性伸縮可能な織物、樹脂製やゴム製シートのみならず、複数の板状部材を機械的に弾性伸縮できるように組付けて構成することもできる。
【0012】
また、弾性伸縮する範囲も特に限定されることはない。たとえば、帯状ベース部材の長さをシップ薬より長く設定して、シップ薬を保持する部分を弾性伸縮しない材料で形成することもできる。
【0013】
本願発明では、剥離紙を剥がしたシップ薬本体が、上記帯状ベース部と上記保護部材との間で保持される。シップ薬を、上記帯状ベース部材の所定位置に確実に保持するため、請求項2に記載した発明のように、上記帯状ベース部に、上記シップ薬本体を保持できる保持手段を設けることができる。上記保持手段として、面ファスナーや、請求項3に記載した発明のように、上記シップ薬本体の裏面に作用する粘着シートを備えて構成することができる。
【0014】
上記操作部は、使用者の手指等で操作することにより、上記帯状ベース部を弾性伸張させるために設けられる。上記操作部の形態も特に限定されることはない。少なくとも一方の操作部を使用者が握持して、上記帯状ベース部を伸張させることができる形態であればよい。たとえば、請求項4に記載した発明のように、上記操作部の一方又は双方を、上記保護部材を設けた側に湾曲して延びるアーム状に形成することができる。
【0015】
また、帯状ベース部の両端に連結される操作部を同じ形態にする必要はない。たとえば、請求項5に記載した発明のように、上記帯状ベース部の一端部に、使用者が握持できる握持部を備える操作部を設ける一方、上記帯上記ベース部の他端部に、器物に掛止できる掛止手段を備える操作部を設けることができる。上記掛止手段をフック状に形成して、家の柱や椅子の背凭れに掛止して、シップ薬の貼り付けを行うように構成することもできる。
【0016】
本願発明では、上記保護部材をシップ薬の貼着面に沿って移動させることにより、上記貼着面を露出させることができるように構成している。すなわち、保護部材をシップ薬の貼着面上をスライドさせるようにして、貼着面を露出させるのである。これにより、患部に上記保護部材を接触させて貼り付け位置を確認した後に、貼着面を露出させて貼り付けることが可能となる。あるいは、患部に保護部材を接触させた状態で、上記保護部材を引き抜くようにしてシップ薬を貼り付けることが可能となる。このため、患部の正確な位置にシップ薬を貼り付けることがでるばかりでなく、貼り付けの失敗がなくなる。
【0017】
上記保護部材は、シップ薬の粘着性のある貼着面上を移動させられる。したがって、請求項7に記載した発明のように、上記保護部材に、上記貼着面に対してスライド可能な剥離手段を設けるのが好ましい。種々の剥離手段を設けることができる。たとえば、請求項7に記載した発明のように、上記剥離手段として、上記保護部材の表面にシップ薬貼着面との粘着力を低減させる加工を施して構成することができる。具体的には、上記保護部材の表面に非粘着性の樹脂等をコーティングした非粘着加工を施すことができる。
【0018】
また、請求項8に記載した発明のように、上記剥離手段として、上記保護部材の離脱方向に伸びる凸条を設けることができる。上記凸状を設けることにより、貼着面に対する接触面積が減少し、移動させやすくなる。
【0019】
本願の請求項9に記載した発明は、剥離紙を備えるシップ薬を患部に貼着するためのシップ薬貼り付け補助具であって、シップ薬を剥離紙ととともに保持できる弾性伸縮可能な帯状ベース部と、上記ベース部の両端部に連結された操作部と、上記操作部の端部から上記ベース部に保持されたシップ薬の縁部に向けて延出させられるとともに、上記剥離紙の縁部に係合できる係合手段とを備え、シップ薬貼り付け位置において、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させるとともに、上記剥離紙をシップ薬の貼着面に沿って移動させることにより、上記貼着面を露出させるように構成したものである。
【0020】
本願発明は、請求項1から請求項8に記載した保護部材の代わりに剥離紙を利用するものである。本願発明に適用できる剥離紙は特に限定されることはないが、剥離紙を貼着面に沿って移動させる必要があるため、引っ張り強度の高いものを採用するのが好ましい。たとえば、厚手のフィルム状剥離紙を備えるシップ薬に適用するのが好ましい。また、剥離紙と貼着面との粘着力が強い場合には、一度剥離紙を剥がして再度付着させ、粘着力を減じてから帯状ベース部に装着することができる。また、貼着面全体を一体的に覆う一枚の剥離紙を、一方の係合部材に係合させて剥離させることもできるし、中央部分で分割された剥離紙を、両側からそれぞれ牽引して剥離させるように構成することもできる。
【0021】
さらに、剥離紙を移動させる手法として、請求項1から請求項8に記載した発明に係る保護部材と同様に、剥離紙を貼着部に対してスライドさせるように一体的に移動させる手法と、剥離紙の縁部から折り返すようにして順次貼着面から剥がしていく手法とがある。本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具は、上記いずれの手法にも適用することができる。なお、後者の手法を採用する場合は、剥離紙の折り返し部分が若干膨らんで患部を擦過する可能製があるため、薄手の剥離紙を採用するのが好ましい。
【0022】
本願発明では、剥離紙の縁部に係合できる係合手段を設ける。上記係合手段は、剥離紙を粘着面に沿って牽引できるけように構成される。たとえば、請求項10に記載した発明のように、上記係合手段として、上記剥離紙の縁部を挟持できるように構成することができる。具体的には、剥離紙の縁部を少し剥がして、弾性的に挟持できる機構を設けて構成することができる。
【0023】
また、請求項11に記載した発明のように、シップ薬の剥離紙自体の形態を変更し、剥離紙の縁部に上記係合手段に係合できる剥離紙側係合手段を設けることができる。たとえば、請求項12に記載した発明のように、上記剥離紙をシップ薬本体縁部に沿って延出させるとともに、この延出部に剥離紙側係合手段として係合穴を設ける一方、上記操作部に、上記係合穴に係合する係合突起を備える係合手段を設けることができる。
【0024】
本願の請求項13に記載した発明は、上記一方の操作部に、手指で握持できる握持部を設ける一方、上記他方の操作部に、器物に掛止できる掛止手段を設けたものである。
【0025】
本願の請求項14に記載した発明は、剥離紙を備えるシップ薬に関するものであり、上記剥離紙の対向縁部を、シップ薬本体の縁部から延出させるとともに、この延出部にシップ薬貼り付け補助具の係合部に係合できる剥離紙側係合手段を設けたものである。本発明に係るシップ薬は、請求項12に記載した発明に係るシップ薬貼り付け補助具と共働して効果を発揮する。上記係合穴の形態及び数は特に限定されることはなく、縁部の全長に沿う複数の係合穴を設けるのが好ましい。
【0026】
本願の請求項15に記載した発明は、剥離紙を備えるシップ薬に関するものであり、上記剥離紙を、シップ薬本体の貼着面に添着される剥離部と、この剥離部の一方の縁部から一体的に延出して、上記剥離部の表面側に折り重ねられた牽引部とを備えて構成し、上記牽引部の縁部に上記剥離紙側係合手段を設けたものである。
【0027】
上述したように、上記剥離紙を移動させる手法として、剥離紙の全体を一度に貼着面に対してスライドさせるように対動させる手法と、剥離紙を折り返しながらシップ薬の貼着面から順次剥がして移動させる手法がある。本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具は、上記いずれの手法にも用いることができる。請求項15に記載した発明は、後者の手法に採用されるシップ薬に係るものである。
【0028】
剥離紙を折り返しながら剥がしていく手法においては、上記牽引部自体を上記剥離紙係合手段として機能させることができる。また、シップ薬貼り付け補助具の係合部が貼着面上で移動させると患部を擦過する可能性があるため、上記牽引部をシップ薬本体の縁から延出させ、この延出部に上記剥離紙側係合手段を設けるのが好ましい。これにより、上記係合手段が患部上で移動させられることはなく、患部を傷める恐れもなくなる。
【0029】
本願の請求項16に記載した発明は、シップ薬を患部に貼着する方法であって、シップ薬本体を、少なくとも一端部に操作部が連結された弾性伸縮可能な帯状ベース部に保持するとともに、上記シップ薬の貼着面を保護部材又は剥離紙によって隠蔽する一方、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させるとともに、上記保護部材又は剥離紙を上記貼着面に沿って移動させることにより、上記貼着面を露出させて上記シップ薬を患部に貼り付けるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るシップ薬貼り付け補助具1は、平面視において全体が弓状に形成されており、弾性伸縮可能な帯状ベース部2と、上記ベース部2の両端部に連結された操作部3,3と、シップ薬5の貼着面5aを覆うように延出させられた保護部材4,4とを備えて構成されている。
【0032】
上記帯状ベース部2は伸縮性のある織物で形成されており、図3に示すように、張力を作用させない自然状態で、ほぼ上記シップ薬5の幅方向寸法と同一の幅寸法で形成されている。なお、本実施の形態では、上記帯状ベース部2の長さが、上記シップ薬の長さ方向寸法とほぼ同一の長さに設定されているが、上記帯状ベース部2の長さを上記シップ薬の長さ方向寸法より長く設定することもできる。また、上記帯状ベース部を長く設定して、上記シップ薬の保持面のみを伸縮性のないシート等で形成することもできる。図2に示すように、上記帯状ベース部2には、上記シップ薬5を保持するための粘着シート7が設けられており、剥離紙を除去したシップ薬5が、上記帯状ベース部2に保持される。
【0033】
上記操作部3は、上記帯状ベース部2の端部に金具8を用いて連結される板状の連結部9と、上記連結部から上記シップ薬5を装着した側に湾曲して伸びるアーム部3aと、上記アーム部3aの先端に設けられた握持部6とが樹脂で一体成形された形態を備えている。
【0034】
上記保護部材4は、シップ薬5の中央部分で分割された形態を備えており、上記連結部9,9にインテグラルヒンジ10,10を介して回動可能に一体成形されている。また、図3に示すように、上記インテグラルヒンジ10を介して上記帯状ベース部2から離間する方向に開動させることにより、シップ薬5を上記帯状ベース2に装着できるように構成されている。なお、本実施の形態では、上記保護部材を上記操作部3の連結部に一体成形したが、帯状ベース部材2の端部に連結することもできる。また、上記帯状ベース部材2の自然状態で、上記保護部材4,4の縁部に若干の隙間が形成されるように設定することもできる。
【0035】
図4に示すように、上記シップ薬5は、上記ベース部材2と上記保護部材4の間に挟まれるようにして保持される。
【0036】
図5から図7に基づいて、上記シップ薬貼り付け補助具1の使用方法を説明する。
【0037】
図5に示すように、上記保護部材4がシップ薬5の貼着面5aに添着された状態で、使用者11の患部11aに位置させる。図5では、理解を容易にするため、シップ薬貼り付け補助具1を患部表面11aから離して描いているが、実際には、患部表面11aに接触させた状態で位置決めすることができる。本実施の形態では、上記保護部材4が貼着面5aを覆っているため患部表面11aで移動させることができる。このため、貼り付け位置を容易に調節することができる。
【0038】
図5に示す上記保護部材4,4が貼着面5aを覆う状態から、上記操部3,3を離間する方向に操作して上記帯状ベース部2を伸張させると、図6に示すように、上記保護部材4,4が、連結部9に牽引されるようにして両側に移動させられる。上記保護部材4,4の移動にともなって上記貼着面5aが中央部分から露出させられ、患部11aに貼着されていく。この状態で、上記帯状ベース部材2が、上記シップ薬5を患部11aに押圧する方向の力を作用させることができる。このため、シップ薬5を患部11aに保持した状態で、貼着面5aを次第に露出させてシップ薬5を確実に貼着することができる。一方、上記保護部材4の移動にともなって、この保護部材4が患部11aと貼着部5aの間に挟まれる部分の割合も減少していくため、上記保護部材4,4を容易に移動させることができる。
【0039】
図7に示すように、上記操作部3,3をさらに離間させることにより、上記保護部材4,4が上記シップ薬5の貼着面5aから完全に取り外され、シップ薬5の全体が患部11aに貼着される。しかも、上記の状態で、上記帯状ベース部2から上記シップ薬5に押圧力を作用させることができるため、シップ薬5の貼着面5aを患部に確実に押し付けることができる。その後、上記シップ薬貼り付け補助具1を患部から離間させることにより、シップ薬の貼り付けが完了する。
【0040】
図8及び図9に、本願発明の第2の実施の形態を示す。
【0041】
図8に示すシップ薬貼り付け補助具21は、図9に示すシップ薬25に適用されるものである。なお、図8は、要部の拡大断面図であり、その他の部位は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0042】
図9に示すように、上記シップ薬25は、剥離紙31をシップ薬本体25aの対向する縁部に沿って延出させるとともに、この延出部31aに、複数の係合穴35を設けて構成される。実施の形態では、上記剥離紙31は、中央部分の分割線34で分割された形態を備え、上記分割線34を挟んで対向する側縁部に上記延出部31aが形成されている。
【0043】
一方、上記シップ薬貼り付け補助具21の板状連結部29の端縁部には、上記係合穴35に係合できる係合突起33を設けた係合部材32が設けられている。上記係合部材32は、基端部が金具28によって上記板状連結部29に固定される一方、上記係合突起33を設けた先端部がインテグラルヒンジ20を介して上記基端部に対して回動可能に形成されており、上記シップ薬25に沿う回動位置において、上記係合突起33が、上記剥離紙31の上記係合穴35に係合できるように構成されている。
【0044】
上記操作部29を離間させるように操作して、上記ベース部22を伸張させることにより、上記係合部材32に引っ張られるけようにして上記剥離紙31が移動させられ、上記シップ薬25の貼着面25aが、中央部分から露出させられる。これにより、シップ薬25を手の届かない患部に容易に貼り付けることが可能となる。なお、上記シップ薬貼り付け手順は、図5から図7に示す1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0045】
図10に、本願発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態は、図9に示すシップ薬25に適用できるシップ薬貼り付け補助具の他の形態を示すものである。
【0046】
図10に示すように、この実施の形態に係るシップ薬貼り付け補助具41では、上記剥離紙31の延出部31aを上記連結部29の表面と上記係合部32との間で挟持するとともに、上記連結部29に上記係合突起33を収容できる穴部36を設けたものである。上記構成を採用することにより、延出部31aを、上記操作部3により確実に保持して、剥離紙31を移動させるとこができる。
【0047】
図11に、本願発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態は、異なる形状を備える操作部3,53を設けたものである。
【0048】
本実施の形態では、上記ベース部2の一方に、第1の実施の形態と同様の操作部3を設ける一方、他方の操作部53を略リング状に形成している。この実施の形態では、リング状の操作部53を片手で握持するとともに、上記アーム状の操作部3の握持部6を握持して、シップ薬の貼り付けを行うことができる。なお、シップ薬の貼り付け手順は、第1の実施の形態と同様であるのて説明は省略する。
【0049】
図12に、本願発明の第5の実施の形態を示す。
【0050】
本実施の形態では、上記ベース部2の一方に、第1の実施の形態と同様の操作部3を設ける一方、他方の操作部63を、板状の連結部69と、伸縮しない布等で形成されたベルト67と、リング状の握持部66とを備えて構成している。
【0051】
使用者は、上記握持部6及び66を握持して、シップ薬の貼り付けを行う。一方に、上記ベルト67を備える操作部63を設けることにより、上記ベルト67が使用者の体に応じて変形し、棒状の操作部では貼り付けにくい患部にシップ薬を貼り付けることが可能となる。
【0052】
図13及び図14に本願発明の第6の実施の形態を示す。
【0053】
この実施の形態は、剥離紙71を、折り返しながら牽引して移動させるように構成したものである。上記剥離紙71は、シップ薬本体25の貼着面25aに添着される剥離部71bと、この剥離部71bの中央側縁部から一体的に折り返し延出させられて、上記剥離部71bの表面側に折り重ねられた牽引部71aとを備え、上記牽引部71aの縁部をシップ薬本体25の縁部から延出させてに、剥離紙側係合手段を設けたものである。
【0054】
図14に示すように、上記構成では、剥離紙が貼着面の中央部分から順次剥がされて互いに重なって側方へ移動していくため、ベース部の伸張長さは上述した実施の形態のものに比べて倍になる。一方、剥離紙を除去する抵抗は小さくなり、力の弱いものでも使用できる。
【0055】
本願発明は、上述の実施の形態に限定されることはない。実施の形態では、弾性伸縮可能な帯状ベース部に織物を採用したが、ゴムシートを採用することもできる。また、帯状ベース部の全体に伸縮可能な織物を採用したが、一部に弾性伸縮しない材料を組み合わせて構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すシップ薬貼り付け補助具にシップ薬を装着する状態を示す平面図である。
【図3】図1に示すシップ薬貼り付け補助具にシップ薬を装着する状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示すシップ薬貼り付け補助具にシップ薬を装着して、保護部材を閉じた状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示すシップ薬貼り付け補助具を用いてシップ薬を貼り付ける手順を示す要部の断面図である。
【図6】図1に示すシップ薬貼り付け補助具を用いてシップ薬を貼り付ける手順を示す要部の断面図である。
【図7】図1に示すシップ薬貼り付け補助具を用いてシップ薬を貼り付ける手順を示す要部の断面図である。
【図8】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第2の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図9】図8に示すシップ薬貼り付け補助具に適用できるシップ薬の平面図である。
【図10】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第3の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図11】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第4の実施の形態を示す全体斜視図である。
【図12】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第5の実施の形態を示す全体斜視図である。
【図13】本願発明に係るシップ薬貼り付け補助具の第6の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図14】図13に示すシップ薬貼り付け補助具でシップ薬の剥離紙を剥がしていく状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 シップ薬貼り付補助具
2 帯状ベース部
3 操作部
4 保護部材
5 シップ薬

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シップ薬を患部に貼り付けるための補助具であって、
シップ薬本体を保持できるとともに、弾性伸縮可能な帯状ベース部と、
上記ベース部の両端部に連結された操作部と、
上記シップ薬の貼着面を覆うように延出させられるとともに、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させることにより上記シップ薬本体に沿って移動させられ、上記貼着面を露出させる保護部材とを備える、シップ薬貼り付け補助具。
【請求項2】
上記帯状ベース部に、上記シップ薬本体を保持できる保持手段を設けた、請求項1に記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項3】
上記保持手段は、上記シップ薬本体の裏面に作用する粘着シートを備えて構成される、請求項2に記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項4】
上記操作部は、上記保護部材を設けた側に湾曲して延びるアーム状に形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項5】
上記帯状ベース部の一端部に、使用者が握持できる握持部を備える操作部を設ける一方、
上記帯上記ベース部の他端部に、器物に掛止できる掛止手段を備える操作部を設けた、請求項1から請求項4のいずれかに記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項6】
上記保護部材に、上記貼着面に対する剥離手段を設けた、請求項1から請求項5のいずれかに記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項7】
上記剥離手段は、上記保護部材の表面に、シップ薬貼着面との粘着力を低減させる加工を施して構成されている、請求項6に記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項8】
上記剥離手段は、上記保護部材の離脱方向に伸びる凸条を備えて構成されている、請求項6又は請求項7のいずれかに記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項9】
剥離紙を備えるシップ薬を患部に貼着するためのシップ薬貼り付け補助具であって、
シップ薬を保持できる弾性伸縮可能な帯状ベース部と、
上記ベース部の両端部に連結された操作部と、
上記操作部の端部から上記ベース部に保持されたシップ薬の縁部に向けて延出させられるとともに、上記剥離紙の縁部に係合できる係合手段とを備え、
シップ薬貼り付け位置において、上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させるとともに、上記剥離紙をシップ薬の貼着面に沿って移動させることにより、上記貼着面を露出させるように構成した、シップ薬貼り付け補助具。
【請求項10】
上記係合手段は、上記剥離紙の縁部を挟持できるように構成されている、請求項9に記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項11】
上記係合手段は、上記剥離紙の縁部に設けた剥離紙側係合手段に係合できるように構成されている、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項12】
上記剥離紙をシップ薬本体の縁部に沿って延出させるとともに、この延出部に係合穴を設ける一方、
上記操作部に、上記係合穴に係合する係合突起を備える係合手段を設けた、請求項11に記載のシップ薬貼り補助具。
【請求項13】
上記一方の操作部に、手指で握持できる握持部を設ける一方、
上記他方の操作部に、器物に掛止できる掛止手段を設けた、請求項9から請求項12に記載のシップ薬貼り付け補助具。
【請求項14】
剥離紙を備えるシップ薬であって、
上記剥離紙の対向縁部を、シップ薬本体の縁部から延出させるとともに、この延出部にシップ薬貼り付け補助具の係合部に係合できる剥離紙側係合手段を設けた、シップ薬。
【請求項15】
上記剥離紙は、シップ薬本体の貼着面に添着される剥離部と、この剥離部の一方の縁部から一体的に延出して、上記剥離部の表面側に折り重ねられた牽引部とを備え、上記牽引部の縁部に、上記剥離紙側係合手段を設けた、請求項14に記載のシップ薬。
【請求項16】
シップ薬を患部に貼着する方法であって、
シップ薬本体を、少なくとも一端部に操作部が連結された弾性伸縮可能な帯状ベース部に保持するとともに、上記シップ薬の貼着面を保護部材又は剥離紙によって隠蔽する一方、
上記操作部を操作して上記帯状ベース部を伸張させるとともに、上記保護部材又は剥離紙を上記貼着面に沿って移動させることにより、上記貼着面を露出させて上記シップ薬を患部に貼り付ける、シップ薬の貼り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−135850(P2007−135850A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333407(P2005−333407)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591279560)
【出願人】(505428134)
【Fターム(参考)】