説明

シャッター用ロック装置及びシャッター装置

【課題】任意の位置までシャッターカーテンを閉めて開かないようにロックすることが可能であると共に、そのロックを解除してシャッターカーテンを容易に開放することが可能なシャッター用ロック装置及びシャッター装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るシャッター用ロック装置20は、ラチェットギヤ26の側方にラチェットレバー30と解除保持レバー40とを備えている。そして、ロック解除操作部の操作により、解除保持レバー40がラチェットレバー30をラチェット有効位置からラチェット無効位置へと移動すると共に、ラチェット有効位置に戻ろうとするラチェットレバー30を先端面で受け止めてラチェット無効位置に保持する構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンを任意の位置まで閉めて開かないようにロックすることが可能であると共に、ロック解除操作によりロックを解除可能なシャッター用ロック装置及びそのシャッター用ロック装置を備えたシャッター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシャッター用ロック装置は、ロック解除操作部を操作している間は、ロックが解除されて任意の位置からシャッターカーテンを開くことができ、ロック解除操作部の操作を止めると、その操作を止めた任意の位置でシャッターカーテンが開かないようにロックされる構成になっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−138356号公報(段落[0022],第4図、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のシャッター用ロック装置の構成では、シャッターカーテンを開くためには、ロック解除操作部によるロック解除操作と同時に開操作も行い続けなければならないので、シャッターカーテンの開操作の操作性を悪かった。特に、シャッターカーテンを全閉状態から全開状態にする場合には、開操作とロック解除操作とを同時に行う期間が長期に亘るので、上記操作性が悪くなっていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、任意の位置までシャッターカーテンを閉めて開かないようにロックすることが可能であると共に、そのロックを解除してシャッターカーテンの開操作を行う一連の操作における操作性を向上させることが可能なシャッター用ロック装置及びシャッター装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るシャッター用ロック装置は、シャッターカーテンの巻取シャフトと共に回転するラチェットギヤと、ラチェットギヤの回転軸と平行な第1回動軸回りに回動し、シャッターカーテンが閉じられる閉方向のラチェットギヤの回転を許容する一方、その逆の開方向の回転を禁止するようにラチェットギヤに係止して、シャッターカーテンをロックするラチェットレバーと、そのロックを解除操作するためのロック解除操作部とを備えたシャッター用ロック装置において、ラチェットレバーと一体に回動すると共に、ラチェットギヤの側面に摺接可能に押し付けられ、開方向に回転するラチェットギヤとの摩擦によって、ラチェットレバーをラチェットギヤに係止可能なラチェット有効位置に付勢する正の付勢力を発生させると共に、閉方向に回転するラチェットレバーとの摩擦によって、ラチェットレバーをラチェットギヤに係止不能なラチェット無効位置に付勢する負の付勢力を発生させるための摺接回動部材と、ロック解除操作部の操作により、第1回動軸と平行な第2回動軸回りの待機位置からロック解除位置へと回動して、ラチェットレバーをラチェット有効位置からラチェット無効位置へと移動すると共に、そのラチェットレバーが受ける正の付勢力を、第2回転軸の回動半径方向の先端面で受け止めてラチェットレバーと共に第1と第2の回動軸の間で突っ張り状態になり、ラチェットレバーをラチェット無効位置に保持可能な解除保持レバーと、解除保持レバーを待機位置に付勢すると共に、突っ張り状態のラチェットレバーが負の付勢力を受けて解除保持レバーから離間することを許容する待機位置付勢手段とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のシャッター用ロック装置において、巻取シャフトは、中心部を貫通した支持シャフトによって回転可能に支持されると共に、巻取シャフトの一端面には凹凸係合部が形成され、ラチェットギヤには、中央に支持シャフトが挿通されるシャフト挿通孔が形成されると共に、シャフト挿通孔の周りに巻取シャフトの凹凸係合部と凹凸係合可能なギヤ側凹凸係合部が形成され、支持シャフトの外側に挿通される環状構造をなしかつ支持シャフトに固定可能であると共に、ラチェットギヤとラチェットレバーと解除保持レバーと待機位置付勢手段と摺接回動部材とを収容した固定ハウジングと、固定ハウジングのうち巻取シャフトの一端面に対向した前側端面に形成され、ギヤ側凹凸係合部を巻取シャフトの一端面に向けて露出させるための前面孔とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のシャッター用ロック装置において、ラチェットギヤに連動回転し、その回転速度に応じた回転抵抗をラチェットギヤに付与する回転式ダンパーを固定ハウジングに固定して備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のシャッター用ロック装置において、固定ハウジングのうち前側端面と反対側の後側端面に設けられて、支持シャフトの軸方向に往復動可能な往復動部材と、往復動部材を固定ハウジング側の原点位置に付勢する原点付勢手段と、往復動部材の原点位置から離れる側に引っ張るためのワイヤーと、往復動部材の原点位置から離れる側の動作を、解除保持レバーの待機位置からロック解除位置への回動に変換する動作変換機構とを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載のシャッター用ロック装置において、シャッターカーテンは、巻取シャフトの一端面から側方に張り出され、固定ハウジングを、巻取シャフトの径方向でその巻取シャフトの外径より小さくして、巻取シャフトに巻回されたシャッターカーテンの内側に収容可能としたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明に係るシャッター装置は、上記請求項2乃至5の何れか1の請求項に記載のシャッター用ロック装置と、シャッターカーテンと、巻取シャフトと、支持シャフトとを備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
請求項1のシャッター用ロック装置では、シャッターカーテンが閉操作されてラチェットギヤが閉方向のトルクを受けると、そのラチェットギヤと摺接回動部材との摺接の摩擦によって、摺接回動部材と一体回動可能なラチェットレバーがラチェットギヤに係止不能なラチェット無効位置に付勢される。これにより、シャッターカーテンを閉操作している間は、ラチェットレバーがラチェットギヤに係止することなくなり、任意の位置までシャッターカーテンを閉めることができる。また、シャッターカーテンを閉操作している間は、ラチェットレバーとラチェットギヤとが接触しないので、静粛性に優れたものとすることができる。
【0013】
一方、シャッターカーテンの閉操作を止め、巻取シャフトがシャッターカーテンを巻き取る方向に付勢又は操作されてラチェットギヤが開方向のトルクを受けると、そのラチェットギヤと摺接回動部材との摺接の摩擦によって、ラチェットレバーがラチェットギヤに係止可能なラチェット有効位置に付勢される。これにより、シャッターカーテンを閉操作している間は、ラチェットレバーがラチェットギヤに係止することがなくなり、任意の位置までシャッターカーテンを閉めることができ、その閉操作を止めると、ラチェットレバーがラチェットギヤに係止し、任意の位置でシャッターカーテンを開かないようにロックすることができる。
【0014】
そのロックを解除してシャッターカーテンを開く場合には、ロック解除操作部の操作すればよい。すると、ロック解除操作部を一度操作するとその過程で、解除保持レバーが、待機位置からロック解除位置へと回動して、ラチェットレバーをラチェット有効位置からラチェット無効位置へと移動させる。
【0015】
ここで、ラチェットレバーは、解除保持レバーによってラチェット無効位置まで移動されたときには、その解除保持レバーとの干渉領域から外れた最端のラチェット無効位置まで移動する。そして、シャッターカーテンが開操作されると、それに伴って開方向に開方向に回動するラチェットギヤと摺接回動部材との摩擦により、ラチェットレバーが、最短のラチェット無効位置からラチェット有効位置寄り中間のラチェット無効位置へと移動する。すると、そのラチェットレバーが、解除保持レバーの回動半径方向の先端面に当接し、第1と第2の回動軸の間でラチェットレバーと解除保持レバーとが突っ張り状態になる。これにより、ラチェットレバーがラチェット無効位置に保持され、ロック解除操作部の操作を止めてもロック解除状態が維持される。
【0016】
このように本発明によれば、ロック解除操作部を一度操作するだけでロック解除状態が維持されるので、ロック解除操作部によるロック解除操作を行い続ける必要がなくなる。また、巻取シャフトがシャッターカーテンを巻き取る方向に付勢されている場合には、ロック解除操作を一度行いさえすれば、巻取シャフトに付与された付勢力のみで、シャッターカーテンを開くことができる。また、ロック解除状態を解消するには、シャッターカーテンを閉操作すればよい。すると、そのシャッターカーテンの閉操作に伴って閉方向に回動するラチェットギヤと摺接回動部材との摩擦により、ラチェットレバーが中間のラチェット無効位置から最端のラチェット有効位置へと移動し、解除保持レバーから離間する。そして、待機位置付勢手段の付勢により解除保持レバーが待機位置に戻る。
【0017】
従って、本発明のシャッター用ロック装置によれば、任意の位置までシャッターカーテンを閉めて開かないようにロックすることが可能であると共に、そのロックを解除してシャッターカーテンの開操作を行う一連の操作における操作性を向上させることができる。
【0018】
[請求項2の発明]
請求項2のシャッター用ロック装置は、ラチェットギヤ、ラチェットレバー等を環状構造の固定ハウジング内に収容して備えたユニット構造になっているので、シャッターカーテンの巻取シャフトとそれを支持する支持シャフトとの間に容易に連結することができる。即ち、固定ハウジングを支持シャフトの外側に挿通していき、巻取シャフトの一端面の凹凸係合部と、固定ハウジングの前面孔を介して露出したラチェットギヤのギヤ側凹凸係合部とが凹凸係合した位置で、固定ハウジングと支持シャフトとを固定すれば、シャッター用ロック装置が巻取シャフトと支持シャフトとの間に連結される。
【0019】
[請求項3の発明]
請求項3のシャッター用ロック装置では、回転式ダンパーがシャッターカーテンの移動速度を抑えるので、シャッターカーテンが全開位置又は全閉位置に急停止して過大な騒音を発生させる事態を防ぐことができる。
【0020】
[請求項4の発明]
請求項4のシャッター用ロック装置によれば、ワイヤーを一度引いて手を離せば、ロック解除状態が維持される。
【0021】
[請求項5の発明]
請求項5のシャッター用ロック装置は、巻回されたシャッターカーテンの内側のスペースに収容されるので、そのスペースを有効利用することができる。これにより、シャッター用ロック装置を備えたシャッター装置を横方向にコンパクトな構成にすることができる。
【0022】
[請求項6の発明]
請求項6のシャッター装置によれば、上記請求項2乃至5の何れか1の請求項に記載のシャッター用ロック装置を備えているので、任意の位置までシャッターカーテンを閉めた状態でロックすることが可能であると共に、そのロックを解除してシャッターカーテンを開放する操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るシャッター装置の斜視図
【図2】シャッター装置の斜視図
【図3】シャッター装置の分解斜視図
【図4】シャッター用ロック装置の後側斜視図
【図5】シャッター用ロック装置の前側斜視図
【図6】シャッター用ロック装置の蓋体を外した状態の斜視図
【図7】シャッター用ロック装置のラチェットギヤを外した状態の斜視図
【図8】シャッター用ロック装置の主要部品の斜視図
【図9】シャッター用ロック装置の側面図
【図10】シャッターカーテンを閉操作している状態のシャッター用ロック装置の側断面図
【図11】シャッターカーテンを開操作している状態のシャッター用ロック装置の側断面図
【図12】ロック解除操作した直後のシャッター用ロック装置の側断面図
【図13】ロック解除状態を維持しているシャッター用ロック装置の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1に示した本実施形態に係るシャッター装置10は、例えば、住宅の窓(図示せず)の上縁部に取り付けられるものであって、シャッターカーテン15を巻き取るための巻取シャフト12を支持シャフト11にて回転可能に支持した構造になっている。
【0025】
図3に示すように、巻取シャフト12は、円筒ドラム12Dの両端部(図3には、円筒ドラム12Dの一端部のみが示されている)の内側に円盤13を嵌合してなる。円盤13の周面の所定箇所には螺子孔13Aが形成され、その螺子孔13Aに対応させて円筒ドラム12Dには螺子挿通孔12Aが貫通形成されている。そして、螺子挿通孔12Aに挿通した螺子N1(図1参照)を円盤13の螺子孔13Aに締め付けて、円筒ドラム12Dと円盤13とが一体回転可能に固定されている。
【0026】
図3に示すように、円盤13の軸中心にはセンター孔13Cが貫通形成され、円盤13の端面のうちセンター孔13Cの周りを均等分した複数位置(例えば、8箇所)には、複数の螺子孔13Bが形成されている。また、巻取シャフト12の一端側の円盤13には、結合リング14が固定されている。その結合リング14は、円板状のリング本体14Hの内周縁から複数の連結突片14A(本発明の「巻取シャフトの凹凸係合部」に相当する)を直角曲して張り出した構造になっている。なお、各連結突片14Aは、結合リング14の中心軸と同心の円弧状に湾曲している。また、リング本体14Hには、周方向で均等分した複数位置(例えば、4箇所)に複数の取付孔14Bが形成されている。そして、リング本体14Hを円盤13の端面に重ねかつ連結突片14Aを円盤13と反対側に突出させた状態にして、取付孔14Bを通した螺子を円盤13の螺子孔13Bに締め付けて結合リング14が円盤13に一体回転可能に固定されている。
【0027】
支持シャフト11は、円筒パイプ構造をなし、巻取シャフト12の両端のセンター孔13C(詳細には、円盤13のセンター孔13C)を貫通して巻取シャフト12の両端面より両横方向に延びている。そして、支持シャフト11の両端部が図示しない取付ベースに回転不能にそれぞれ固定され、それら取付ベースが住居の壁面に固定されている。また、支持シャフト11の外周面と巻取シャフト12におけるセンター孔13Cの内周面との間には、軸受11B(例えば、ベアリング、摺動メタル)が嵌合されている。
【0028】
また、巻取シャフト12の内部には、図示しないトーションコイルバネが支持シャフト11に巻回して設けられており、このトーションコイルバネは一端が円盤13の螺子孔13Bに図示しないネジを介して固定され、他端が支持シャフト11にネジ等で固定されている。これにより、巻取シャフト12は、シャッターカーテン15を巻き取る方向に付勢されている。
【0029】
図1に示すように、シャッターカーテン15は、複数の帯状金属板を連結してなる公知なキャタピラ構造になっている。また、シャッターカーテン15の横幅は、巻取シャフト12の軸長より大きくなっている。そして、シャッターカーテン15の巻回長方向の一端部を巻取シャフト12の外周面に宛がい、巻取シャフト12の両端面からシャッターカーテン15が両横方向に張り出した状態にして、シャッターカーテン15が巻取シャフト12に螺子止めされている。具体的には、前記した円盤13の周面の螺子孔13Aに締め付けられる螺子Nを、シャッターカーテン15の一端部に備えた螺子挿通孔(図示せず)にも挿通して、円筒ドラム12Dとシャッターカーテン15とが円盤13の螺子孔13Aに共締めされている。
【0030】
また、シャッター装置10が取り付けられる住宅の窓の両側縁部には、図示しないシャッターレールがそれぞれ備えられている。そして、シャッターカーテン15のうち巻取シャフト12から下方に延びた部分の両側部が、それらシャッターレールに係合した状態に維持され、シャッターカーテン15の下端部を下方に手動で引くことにより、巻取シャフト12の回転を伴いながらシャッターカーテン15が巻取シャフト12から引き出される。
【0031】
さて、シャッター装置10には、シャッターカーテン15を窓の上下方向における任意の位置まで閉めて、そこから上方に開かないようにロックするためのシャッター用ロック装置20が備えられている。
【0032】
図3に示すように、シャッター用ロック装置20は、偏平円盤状の固定ハウジング21を備えている。図2に示すように、固定ハウジング21の軸中心には、シャフト挿通孔21Aが貫通形成され、その内側に支持シャフト11が遊嵌状態に挿通されている。
【0033】
また、図3に示すように、固定ハウジング21は、支持シャフト11と直交した方向を向いた前側端面21Fと後側端面21Rとを有し、前側端面21Fが巻取シャフト12の一端面に対向配置されている。さらに、シャッター用ロック装置20全体の外径でもある固定ハウジング21の外径は、巻取シャフト12の外径より若干小さくなっている。そして、シャッターカーテン15が巻取シャフト12に巻き取られて円筒状になった場合には、その円筒状のシャッターカーテン15の内側に配置される。
【0034】
図4に示すように、固定ハウジング21の後側端面21Rには、シャフト挿通孔21Aの開口縁部における対向位置から1対のハウジング固定片22,22が突出している。そして、それら両方のハウジング固定片22,22を同軸線上で貫通したボルト挿通孔22Aと、支持シャフト11を径方向で貫通した取付孔(図示せず)とに、図2に示したボルトN3が挿通されて固定ハウジング21が支持シャフト11に固定されている。なお、ハウジング固定片22のボルト挿通孔22Aの内面には、螺子が切られており、ボルトN3は、そのボルト挿通孔22Aの内面の螺子に螺合されている。
【0035】
図5に示すように、固定ハウジング21のうち前側端面21Fを構成する壁部は、蓋体23になっている。その蓋体23は、固定ハウジング21の本体に螺子N4にて固定され、中心部にシャフト挿通孔21Aより径が大きな前面孔23Aを有している。そして、その前面孔23Aを介して次述するラチェットギヤ26に備えた複数の突片連結孔26B(本発明の「ギヤ側凹凸係合部」に相当する)が巻取シャフト12の一端面に臨んでいる。
【0036】
図6には、固定ハウジング21の本体から蓋体23を外した状態が示されている。同図に示すように、固定ハウジング21の内部にはラチェットギヤ26がシャフト挿通孔21Aと同軸上に配置されている。ラチェットギヤ26は円板状をなし、中心にシャフト挿通孔26Aを有している。また、ラチェットギヤ26のうちシャフト挿通孔26Aの周りには、円弧状の複数の突片連結孔26Bが均等配置されている。そして、巻取シャフト12の一端部に備えた結合リング14における複数の連結突片14Aが、蓋体23の前面孔23Aを介して、ラチェットギヤ26の複数の突片連結孔26Bに差し込まれ、これによりラチェットギヤ26が巻取シャフト12と一体回転可能に連結されている。以下、シャッターカーテン15を閉じるときに巻取シャフト12と共にラチェットギヤ26が回転する方向を「閉方向」といい、シャッターカーテン15を開くときに巻取シャフト12と共にラチェットギヤ26が回転する方向を「開方向」という。
【0037】
ラチェットギヤ26の外周面には、複数の係止歯26Tが突出している。これら各係止歯26Tは、ラチェットギヤ26を開方向へ回動したときに回動方向の前側に向かって突出するように傾斜している。より詳細には、図6及び図10に示すように、係止歯26Tのうちラチェットギヤ26を開方向へ回動したときに前側を向く歯面は、後述するラチェットレバー30の回動軸である第1回動支持シャフト31を中心とした円弧形状の係止面26Kになっている。一方、係止歯26Tのうちラチェットギヤ26を開方向へ回動したときに後側を向く歯面、換言すれば、ラチェットギヤ26を閉方向へ回動したときに前側を向く歯面は、係止歯26Tの先端に向かうに従って、隣の係止歯26Tから離れるように傾斜した摺接面26Sになっている。なお、ラチェットギヤ26のうち係止歯26Tを含む外縁部は、蓋体23によって覆われている(図5参照)。
【0038】
ラチェットギヤ26のシャフト挿通孔26Aにおける縁部には、複数の係止凹部26Cが形成されている。そして、それら係止凹部26Cに、図8に示した連結スリーブ24の先端に備えた複数の円弧突壁24Aが係合している。その連結スリーブ24は、固定ハウジング21内に配置される長さをなし、その軸方向の中間部には、リング状の連動ギヤ25(外周面の歯は図面から省略されている)が一体形成されている。
【0039】
図7に示すように、連結スリーブ24の内側には、センターパイプ24Pが備えられ、そのセンターパイプ24Pは固定ハウジング21の後端壁に一体形成されている。そして、センターパイプ24Pの内側が前記したシャフト挿通孔21Aになっていて、そこに支持シャフト11(図2参照)が挿通されている。
【0040】
図2に示すように、固定ハウジング21の後側端面21Rには、回転式ダンパー29が取り付けられている。そして、固定ハウジング21に形成された貫通孔21B(図7参照)を通して回転式ダンパー29の図示しない回転軸に固定されたギヤが連動ギヤ25に噛合している。そして、この回転式ダンパー29が、ラチェットギヤ26の回転速度の増加に伴って増加する回転抵抗をラチェットギヤ26に付与して、シャッターカーテン15の急激な上昇を規制している。
【0041】
図6に示すように、固定ハウジング21の側壁21Sとラチェットギヤ26との間には、第1回動支持シャフト31と第2回動支持シャフト41とが設けられている。これら第1回動支持シャフト31及び第2回動支持シャフト41は、共に、ラチェットギヤ26の回転軸と平行に延び、例えば、図10に示すように、ラチェットギヤ26の回転中心周りに45度程度、離れた位置に配置されて、両端部を、固定ハウジング21の前後の壁部である前側端面21F及び後側端面21Rにより挟持されている。
【0042】
本実施形態では、第1回動支持シャフト31の中心軸が、本発明に係る「第1回動軸」に相当し、第2回動支持シャフト41の中心軸が、本発明に係る「第2回動軸」に相当する。そして、本発明に係るラチェットレバー30が、第1回動支持シャフト31を中心に回動可能に設けられる一方、本発明に係る解除保持レバー40が、第2回動支持シャフト41を中心に回動可能に設けられている。
【0043】
図8に示すように、ラチェットレバー30は、第1回動支持シャフト31から第2回動支持シャフト41寄り位置)まで延びている。また、ラチェットレバー30の基端部には、第2回動支持シャフト41から離れる側に突出した基端突部35が備えられている。
【0044】
図6に示すように、ラチェットレバー30のうち第2回動支持シャフト41側の先端寄り位置からは、ラチェットギヤ26に向かって係止爪32が突出している。係止爪32は、隣り合った係止歯26T,26Tの間の凹部形状に対応した略三角形になっていて、ラチェットレバー30の回動半径に対して傾斜した斜面32Sを第1回動支持シャフト31側に備える一方、第1回動支持シャフト31を中心とした円弧形状の係止面32Kを第1回動支持シャフト31から離れた側に備えている。そして、係止爪32が係止歯26Tに押し付けられるように付勢された状態で、ラチェットギヤ26が開方向の回転トルクを受けたときに、図11に示すように、係止爪32の係止面32Kが何れかの係止歯26Tの係止面26Kに当接してラチェットレバー30がラチェットギヤ26に係止し、ラチェットギヤ26の回転を禁止する。これにより、シャッターカーテン15が開かないようにロックされる。また、図10に示すように、係止爪32が係止歯26Tから離れた状態になると、ラチェットレバー30はラチェットギヤ26に係止できなくなり、ラチェットギヤ26の回転が許容される。
【0045】
ラチェットレバー30を、ラチェットギヤ26に係止可能なラチェット有効位置に向けて付勢するために、ラチェットレバー30には、本発明に係る摺接回動部材34が一体回転可能に固定されている。摺接回動部材34は、バネ板材で構成され、図8に示すように、ラチェットレバー30からラチェットギヤ26側に張り出したメイン摺接片34Aとサブ摺接片34Bとを備えている。メイン摺接片34Aは、バネ板材をV字形状に切断した形状をなして、その「V」字形状の両端部がラチェットレバー30の縁部のうち第1回動支持シャフト31とラチェットギヤ26の回転中心を結ぶ架空の線を挟んだ左右両側の2位置に配置されている。そして、メイン摺接片34AのV字形状の角部がラチェットギヤ26の回転中心の側を向いてラチェットレバー30から張り出している。一方、サブ摺接片34Bは、ラチェットレバー30の外縁部とメイン摺接片34AのV字形状の両辺とに囲まれた三角形になっている。そして、図6に示すように、メイン摺接片34Aとサブ摺接片34Bとが、ラチェットギヤ26の外縁部を板厚方向で狭持して、ラチェットギヤ26の側面に押し付けられている。また、メイン摺接片34AのV字形状の角部には、ラチェットギヤ26の側面に向かって突出するように屈曲した摺接突部34Tが備えられている。なお、サブ摺接片34Bにもメイン摺接片34Aと同様の摺接突部(図示せず)が備えられている。
【0046】
そして、摺接回動部材34のメイン摺接片34A(詳細には、摺接突部34T)とサブ摺接片34Bの摺接突部とが、ラチェットギヤ26が開方向に回転したときにラチェットギヤ26の側面に摺接し、そのときの摩擦によってラチェットレバー30がラチェット有効位置に付勢されるようになっている。このとき、ラチェットレバー30が受ける付勢力が、本発明に係る「正の付勢力」に相当する。また、ラチェットギヤ26が閉方向に回転したときには、摺接回動部材34とラチェットギヤ26の側面との摩擦によって、ラチェットレバー30はラチェットギヤ26に係止不能なラチェット無効位置に付勢される。このとき、ラチェットレバー30が受ける付勢力が、本発明に係る「負の付勢力」に相当する。
【0047】
図6に示すように、ラチェットレバー30のうち係止爪32より第2回動支持シャフト41側に突出した先端位置には、固定ハウジング21の後側端面21R側に向けて向けて略円柱状の回動干渉部33が突出している。
【0048】
解除保持レバー40は、ラチェットギヤ26より後側端面21R側に配置され、第2回動支持シャフト41から第1回動支持シャフト31側に張り出した作用回動片42とその第1回動支持シャフト31と反対側に張り出した連結回動片43とを備えたシーソー構造になっている。また、解除保持レバー40と固定ハウジング21との間には、トーションコイルバネ46(本発明の「待機位置付勢手段」に相当する)が設けられ、そのトーションコイルバネ46の弾発力によって、解除保持レバー40がその可動範囲のうち、作用回動片42の先端部がラチェットギヤ26の回動中心に最も接近した待機位置に付勢されている。
【0049】
作用回動片42の先端部の可動領域の一部と、回動干渉部33の可動領域の一部とは重複している。ここで、作用回動片42の先端部の可動領域と、回動干渉部33の可動領域との重複部分を「干渉領域」と呼ぶと、解除保持レバー40が待機位置に位置した状態で、作用回動片42の先端部は、干渉領域よりラチェットギヤ26の回転中心側に外れた位置に配置される。そして、解除保持レバー40が回動可能範囲のうち待機位置と反対側のロック解除位置まで回動する間に、作用回動片42の先端部における回動方向の前側を向いた跳上当接面45(図8参照)が、回動干渉部33をラチェットギヤ26から離れる方向に押圧して、その回動干渉部33が干渉領域の外に配置された最端のラチェット無効位置までラチェットレバー30を回動させる(図12参照)。
【0050】
作用回動片42の先端には、作用回動片42の回動半径方向を向き、中央が若干窪んだ先端突当面44が備えられている。その先端突当面44は、解除保持レバー40がロック解除位置に位置した状態で干渉領域内に配置される。そして、ラチェットレバー30が、開方向に回動するラチェットギヤ26から摺接回動部材34を介して正の付勢力を受けることで、最端のラチェット無効位置からラチェット有効位置寄りの中間のラチェット無効位置へと移動したときに、図13に示すように、先端突当面44が摺接回動部材34に当接し、第1と第2の回動支持シャフト31,41の間で、ラチェットレバー30と解除保持レバー40とが突っ張り状態に保持される。これにより、ラチェットレバー30がラチェット無効位置に保持され、ロック解除状態が維持される。
【0051】
図2に示すように、固定ハウジング21の後側端面21Rには、連結回動片43の可動領域と対向する部分に操作孔21Wが形成されている。この操作孔21Wは、支持シャフト11に接離する方向に長い長方形になっている。また、固定ハウジング21の後側端面21Rのうち操作孔21Wの一長辺に沿った開口側縁からは、支持突片50が後方に突出し、その支持突片50に中継レバー51が傾動可能に支持されている。
【0052】
中継レバー51は、板金をクランク状に屈曲してなり、その屈曲部分より一端側の第1回動片51Aが支持突片50に重ねられた状態でビス51Jにて回動可能に取り付けられている。そして、第1回動片51Aの先端が操作孔21Wの長手方向に往復動する。また、中継レバー51のうち屈曲部分より他端側の第2回動片51Bは、支持シャフト11を避けるように固定ハウジング21の後側端面21Rにおける外縁側に配置され、その第2回動片51Bの先端部には、ワイヤー53が連結されている。そのワイヤー53の先端は、シャッター装置10が取り付けられた窓の室内に設けた図示しないロック解除操作部に連結されている。また、第2回動片51Bのうち屈曲部分寄りの基端部には、フック51Yが形成されている。これに対応させて、固定ハウジング21の後側端面21Rにもフック51Xが形成され、これらフック51X,51Yの間に引張コイルバネ52(本発明の「原点付勢手段」に相当する)が架け渡されている。これにより、中継レバー51は、第2回動片51Bが固定ハウジング21の後側端面21Rに接近する方向に付勢され、第1回動片51Aの先端部が、操作孔21Wのうち支持シャフト11から離れた側の端部に位置した原点位置に中継レバー51が配置されている。そして、ロック解除操作部の操作により、第2回動片51Bを後側端面21Rから離す側にワイヤー53が引っ張られると、第2回動片51Bの先端部が支持シャフト11側の端部に移動して、その過程で第1回動片51Aの先端部が解除保持レバー40の連結回動片43を押圧する。これにより、解除保持レバー40が待機位置からロック解除位置へと回動する。
【0053】
本実施形態のシャッター装置10及びシャッター用ロック装置20の構成に関する説明は以上である。次に、これらシャッター装置10及びシャッター用ロック装置20の作用効果について説明する。本実施形態のシャッター装置10及びシャッター用ロック装置20では、シャッターカーテン15が閉操作されてラチェットギヤ26が閉方向のトルクを受けると、そのラチェットギヤ26と摺接回動部材34との摺接の摩擦によって、摺接回動部材34と一体回動可能なラチェットレバー30が、ラチェットギヤ26に係止不能なラチェット無効位置に付勢される。これにより、図10に示すように、シャッターカーテン15を閉操作している間は、ラチェットレバー30がラチェットギヤ26から離間して係止することなくなり、任意の位置までシャッターカーテン15を閉めることができる。更に、シャッターカーテン15を閉操作している間は、ラチェットレバー30とラチェットギヤ26とが接触しないので、静粛性に優れたものとすることができる。
【0054】
一方、シャッターカーテン15の開操作を止めることに伴い、シャッターカーテン15を巻き取る方向に付勢された巻取シャフト12によりラチェットギヤ26が開方向のトルクを受けると、そのラチェットギヤ26と摺接回動部材34との摺接の摩擦によって、ラチェットレバー30がラチェットギヤ26に係止可能なラチェット有効位置に付勢される。これにより、シャッターカーテン15を閉操作している間は、図10に示すように、ラチェットレバー30がラチェットギヤ26に係止することがなくなり、任意の位置までシャッターカーテン15を閉めることができ、その閉操作を止めると、図11に示すように、ラチェットレバー30がラチェットギヤ26に係止し、任意の位置でシャッターカーテン15を開かないようにロックすることができる。
【0055】
そのロックを解除してシャッターカーテン15を開く場合には、室内にある図示しないロック解除操作部を引く。このとき、ロック解除操作部を一度操作するとその過程で、解除保持レバー40が、待機位置(図11参照)からロック解除位置(図12参照)へと回動して、ラチェットレバー30をラチェット有効位置からラチェット無効位置へと移動させる。これにより、シャッターカーテン15を開くことができるようになる。
【0056】
ここで、ラチェットレバー30は、解除保持レバー40によってラチェット無効位置まで移動されたときには、その解除保持レバー40との干渉領域から外れた最端のラチェット無効位置まで移動する。そして、シャッターカーテン15が開操作されると、それに伴って開方向に開方向に回動するラチェットギヤ26と摺接回動部材34との摩擦により、ラチェットレバー30が、最端のラチェット無効位置からラチェット有効位置寄り中間のラチェット無効位置へと移動する。すると、そのラチェットレバー30が、図13に示すように、回動干渉部33が先端突当面44に当接し、第1と第2の回動支持シャフト31,41の間で、ラチェットレバー30と解除保持レバー40とが突っ張り状態に保持される。これにより、ラチェットレバー30がラチェット無効位置に保持され、ロック解除状態が維持されるので、シャッターカーテン15を自動的に巻き取ることができる。つまり、シャッターカーテン15を自動的に開放することができる。
【0057】
即ち、ロック解除操作部を一度操作するだけでロック解除状態が維持されるので、ロック解除操作部によるロック解除操作を行い続ける必要がなくなる。つまり、ロック解除操作を一度行いさえすれば、巻取シャフト12に付与された付勢力のみでシャッターカーテン15を開くことができる。また、ロック解除状態を解消するには、シャッターカーテン15を閉操作すれだけでよい。すると、そのシャッターカーテン15の閉操作に伴って閉方向に回動するラチェットギヤ26と摺接回動部材34との摩擦により、図12に示すように、ラチェットレバー30が中間のラチェット無効位置から最端のラチェット有効位置へと移動し、解除保持レバー40から離間する。そして、トーションコイルバネ46の付勢により解除保持レバー40が待機位置に戻る。
【0058】
このように、本実施形態のシャッター装置10及びシャッター用ロック装置20によれば、任意の位置までシャッターカーテン15を閉めて開かないようにロックすることが可能であると共に、そのロックを解除してシャッターカーテン15の開操作を行う一連の操作における操作性を向上させることができる。また、ロック解除状態を維持可能でありながら、シャッターカーテン15を閉じる操作に伴ってロック解除状態が解消されるので、シャッターカーテン15を閉操作してからロックを掛け忘れるような事態を防ぐことができる。更には、回転式ダンパー29がシャッターカーテン15の移動速度を抑えるので、シャッターカーテン15が全開位置に急停止して過大な騒音を発生させる事態を防ぐことができる。その上、全開位置に向けての中間での操作音も小さく抑えることができる。
【0059】
しかも、本実施形態のシャッター用ロック装置20は、ラチェットギヤ26、ラチェットレバー30等を環状構造の固定ハウジング21内に収容して備えたユニット構造になっているので、シャッターカーテン15の巻取シャフト12と支持シャフト11との間に容易に連結することができる。即ち、固定ハウジング21を支持シャフトの外側に挿通していき、巻取シャフト12の一端面の凹凸係合部と、固定ハウジング21の前面孔を介して露出したラチェットギヤ26のギヤ側凹凸係合部とが凹凸係合した位置で、固定ハウジング21と支持シャフトとを固定すれば、シャッター用ロック装置20が巻取シャフト12と支持シャフトとの間に連結される。
【0060】
その上、シャッター用ロック装置20は、巻回されたシャッターカーテン15の内側のスペースに収容されるので、そのスペースを有効利用することができる。これにより、シャッター装置10を横方向にコンパクトな構成にすることができる。
【0061】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0062】
(1)前記実施形態のシャッター用ロック装置20では、摺接回動部材34がラチェットギヤ26を板厚方向で狭持する構成であったが、ラチェットギヤの一側面のみ摺接回動部材を押し付けた構成にしてもよい。
【0063】
(2)前記実施形態のシャッター用ロック装置20は、巻取シャフト12に巻回されたシャッターカーテン15内のスペースに収まる構造になっていたが、シャッター用ロック装置の外径を巻取シャフトより大きくしてシャッターカーテンの側方に配置してもよい。
【0064】
(3)前記実施形態のシャッター用ロック装置20に備えた回転式ダンパー29は、シャッターカーテン15の上昇速度を抑える構成であったが、上昇と下降の両方の速度を抑えて、全開位置と全閉位置の両位置で急停止による過大な騒音を発生させる事態を防ぐ構成にしてもよい。
【0065】
(4)前記実施形態のシャッター装置10は、図示しないトーションコイルバネによって巻取シャフト12がシャッターカーテン15を巻き取る方向に付勢され、ロック解除状態で、シャッターカーテン15が自動的に巻き取られる構成であったが、手動でシャッターカーテン15を押し上げて巻取シャフト12に巻き取らせる構成としてもよい。
【0066】
(5)また、トーションコイルバネの付勢力は、巻取シャフト12によるシャッターカーテン15の自動巻取りはできないが、シャッターカーテン15の操作を止めた後、ラチェットレバー30がラチェット無効位置に回動する程度の大きさであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 シャッター装置
11 支持シャフト
12 巻取シャフト
14A 連結突片(凹凸係合部)
15 シャッターカーテン
20 シャッター用ロック装置
21 固定ハウジング
26 ラチェットギヤ
26B 突片連結孔
29 回転式ダンパー
30 ラチェットレバー
31 第1回動支持シャフト
34 摺接回動部材
40 解除保持レバー
46 トーションコイルバネ(待機位置付勢手段)
52 引張コイルバネ(原点付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンの巻取シャフトと共に回転するラチェットギヤと、
前記ラチェットギヤの回転軸と平行な第1回動軸回りに回動し、前記シャッターカーテンが閉じられる閉方向の前記ラチェットギヤの回転を許容する一方、その逆の開方向の回転を禁止するように前記ラチェットギヤに係止して、前記シャッターカーテンをロックするラチェットレバーと、そのロックを解除操作するためのロック解除操作部とを備えたシャッター用ロック装置において、
前記ラチェットレバーと一体に回動すると共に、前記ラチェットギヤの側面に摺接可能に押し付けられ、前記開方向に回転する前記ラチェットギヤとの摩擦によって、前記ラチェットレバーを前記ラチェットギヤに係止可能なラチェット有効位置に付勢する正の付勢力を発生させると共に、前記閉方向に回転する前記ラチェットレバーとの摩擦によって、前記ラチェットレバーを前記ラチェットギヤに係止不能な前記ラチェット無効位置に付勢する負の付勢力を発生させるための摺接回動部材と、
前記ロック解除操作部の操作により、前記第1回動軸と平行な第2回動軸回りの待機位置からロック解除位置へと回動して、前記ラチェットレバーを前記ラチェット有効位置から前記ラチェット無効位置へと移動すると共に、そのラチェットレバーが受ける前記正の付勢力を、前記第2回転軸の回動半径方向の先端面で受け止めて前記ラチェットレバーと共に前記第1と第2の回動軸の間で突っ張り状態になり、前記ラチェットレバーを前記ラチェット無効位置に保持可能な解除保持レバーと、
前記解除保持レバーを前記待機位置に付勢すると共に、前記突っ張り状態の前記ラチェットレバーが前記負の付勢力を受けて前記解除保持レバーから離間することを許容する待機位置付勢手段とを備えたことを特徴とするシャッター用ロック装置。
【請求項2】
前記巻取シャフトは、中心部を貫通した支持シャフトによって回転可能に支持されると共に、前記巻取シャフトの一端面には凹凸係合部が形成され、
前記ラチェットギヤには、中央に前記支持シャフトが挿通されるシャフト挿通孔が形成されると共に、前記シャフト挿通孔の周りに前記巻取シャフトの前記凹凸係合部と凹凸係合可能なギヤ側凹凸係合部が形成され、
前記支持シャフトの外側に挿通される環状構造をなしかつ前記支持シャフトに固定可能であると共に、前記ラチェットギヤと前記ラチェットレバーと前記解除保持レバーと前記待機位置付勢手段と前記摺接回動部材とを収容した固定ハウジングと、
前記固定ハウジングのうち前記巻取シャフトの一端面に対向した前側端面に形成され、前記ギヤ側凹凸係合部を前記巻取シャフトの一端面に向けて露出させるための前面孔とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のシャッター用ロック装置。
【請求項3】
前記ラチェットギヤに連動回転し、その回転速度に応じた回転抵抗を前記ラチェットギヤに付与する回転式ダンパーを前記固定ハウジングに固定して備えたことを特徴とする請求項2に記載のシャッター用ロック装置。
【請求項4】
前記固定ハウジングのうち前記前側端面と反対側の後側端面に設けられて、前記支持シャフトの軸方向に往復動可能な往復動部材と、
前記往復動部材を前記固定ハウジング側の原点位置に付勢する原点付勢手段と、
前記往復動部材の前記原点位置から離れる側に引っ張るためのワイヤーと、
前記往復動部材の前記原点位置から離れる側の動作を、前記解除保持レバーの前記待機位置から前記ロック解除位置への回動に変換する動作変換機構とを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のシャッター用ロック装置。
【請求項5】
前記シャッターカーテンは、前記巻取シャフトの一端面から側方に張り出され、
前記固定ハウジングを、前記巻取シャフトの径方向でその巻取シャフトの外径より小さくして、前記巻取シャフトに巻回された前記シャッターカーテンの内側に収容可能としたことを特徴とする請求項4に記載のシャッター用ロック装置。
【請求項6】
上記請求項2乃至5の何れか1の請求項に記載のシャッター用ロック装置と、前記シャッターカーテンと、前記巻取シャフトと、前記支持シャフトとを備えたことを特徴とするシャッター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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