説明

シャワーノズル

本発明では、湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部(1a)と、複数の通水孔を設けた散水部(1b)とを、この保持部(1a)もしくは散水部(1b)の一端部に着脱自在に配設した開閉弁(6)を介して接続してノズル本体(1c)を構成し、しかも、前記散水部(1b)の他端部に前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタン(12)を着脱自在に取り付けた。このように構成することで、シャワーフックにシャワーノズルを係止させた状態で押ボタンを上から押すだけで吐水・止水をすることができ、操作性を向上させることができるとともに、吐水・止水機能を具備しないタイプのものと、吐水・止水機能を具備するタイプのものに簡単に変形できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、浴室用吐水具として使用されるシャワーノズルに関し、詳しくは吐水・止水を行う押ボタンを備えたシャワーノズルに関するものである。
背景の技術
従来、この種のシャワーノズルについては、図14に示す構成のものが知られている(たとえば、TOTO 総合カタログ 2002〜2003版 P678を参照。)。これは、図示するように、シャワーノズル全体が湾曲した形状をなし、通水部200を内部に形成したシャワーノズルの先端側に散水部100が形成され、同散水部100に保持部110が連接されている。そして、前記保持部110の側面に吐水・止水を行う押ボタン120が設けられている。
そして、通水部200に開閉弁(図示せず)を配置しており、保持部110を手で持った状態で、持った手の親指で前記押ボタン120を操作するものとなっていた。
ところが、上述した従来の押ボタン120が設けられたシャワーノズルにおいては、製造性の観点から見ると、以下の課題を有していた。
すなわち、押ボタン120が保持部110の側面に配置されているので、押ボタン120の操作方向が通水部200に対して、略垂直方向となるため、開閉弁の開閉方向も通水部200に対して略垂直方向となる。そのため、開閉弁を介して通水部200を区画するとともに、開閉弁の開閉により吐水・止水するためには通水部200が複雑な形状となってしまう。
また、組立性の観点から見ると、以下の課題を有していた。前記保持部110は、持ちやすくするために湾曲形状をしており、さらに手で持った状態で押ボタン120を親指で押せるように、その湾曲している保持部110の側面に開閉弁並びに押ボタン120を配置している。そのため、湾曲した保持部110を分割して、一方の保持部110の内部に開閉弁と押ボタン120を組み付けて、他方の保持部110で被い、接合部を溶着することで組み立てている。したがって、使用者の側で押ボタン120をシャワーノズルに組み込むことは容易には行えない。そのため、押ボタン120を有しないシャワーノズルを購入した使用者が、シャワーノズルの手元で吐水・止水する機能を追加したい場合には、そのような機能を有するシャワーノズル自体を新たに購入しなければならない。
さらに、使い勝手の観点から見ると、以下の課題を有していた。
この押ボタン120は、前述したように、持ったときに親指で操作しやすいように保持部110の側面に配置されているので、例えばシャワーフックに本シャワーノズルを引っ掛けた状態で使用する場合、前記押ボタン120を操作しようとすると、押ボタン120を前方から押さなければならなかった。
しかしながら、シャワーノズルは前述したように湾曲しているため、押ボタン120が必ずしも前方に向いているとは限らず、また、たとえ前方に向いていても、シャワーフックに引っ掛けた状態では、押しボタン120を押す場合の操作性が極めて悪かった。
また、この押ボタン120は、通水部200に配置した開閉弁の開閉を行なうためのものであり、シャワーノズルからの吐水量を調整することはできなかった。そのため、使用者は、シャワーノズルに湯水を供給する水栓金具の流量調整機能を別途操作することで調整しなければならなかった。
一方、シャワーノズル外観の耐食性を向上させるとともに美観を高めて意匠性を向上させてより高い質感を出すために、シャワーノズルにめっきや塗装の表面処理を施す場合がある(たとえば、TOTO 総合カタログ 2002〜2003版 P702を参照。)。このものにおいては、誤ってシャワーノズルを落下させてしまった場合などに備えて、めっきなどの表面処理をはがれにくくするために表面処理の膜厚を厚くして耐久性を向上させていた。
しかしながら、表面処理を施した前記シャワーノズルに関していえば、前述したようにめっきなどの膜厚を厚くすると、膜厚が厚くなればなるほどシャワーノズル全体に均一な膜厚を形成することが難しくなり、ムラを生じやすくなってしまう。そのため、均一な厚い膜厚を形成するためには、表面処理に要する費用が嵩み、部品のコストが高くなるという問題も発生していた。
さらに、例えば図14に示すように、通水部200と一体に形成されたシャワーノズルにめっきを直接施した場合、通水部200にもめっき処理が施されてしまう。これでは、シャワーノズルの長期使用において、通水部200のめっきが剥げてしまい、通水にめっき片が混入してしまうおそれがあるので、通水部200にはめっきなどの処理が成されないようにする必要がある。
そのため、通水部200にめっきなどの表面処理が施されないように、通水部200をマスキングするか、もしくは、一旦めっきなどの表面処理を行った後に通水部200のめっきなどの表面処理を施した部分を剥ぐ作業を実施する必要があり、さらに表面処理に要するコストが高くなるという問題点があった。
【発明の開示】
(1)上記課題を解決するために、請求の範囲第1項記載の本発明では、湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とを、この保持部もしくは散水部の一端部に着脱自在に配設した開閉弁を介して接続してノズル本体を構成し、しかも、前記散水部の他端部に、前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタンを着脱自在に取付けたシャワーノズルとした。
このように構成することで、開閉弁と押しボタンとの装着を必要に応じて選択することが可能となる。
そして、開閉弁と押しボタンとを装着した場合、シャワーフックにシャワーノズルを係止させた状態では押しボタンがシャワーノズルの上端部に位置し、この上端部に位置する押ボタンを上から押すだけで吐水・止水をすることができる。そのため、シャワーフックにシャワーノズルを係止させた状態でも押ボタンを操作させ易い。
また、従来のように親指でしか押ボタンを操作できなかったシャワーノズルに比べて、本発明のシャワーノズルにおいては、身体の各部位あるいは周囲のものに押し付けることで押ボタンの開閉が可能となり、操作方法が広がる。
(2)請求の範囲第2項記載の本発明では、湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とからノズル本体を構成し、前記保持部と散水部との間に開閉弁を配置可能とし、かつ、前記散水部の他端部に、前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタンを着脱自在に取付可能とし、または、前記散水部の他端部に上部キャップを着脱自在に取付可能とし、前記開閉弁及び押ボタンを配置するか、または、前記上部キャップを配置するかを選択可能としたシャワーノズルとした。
このように構成することで、機能の異なる二種類のシャワーノズルを全て共用部品で構成することができ、低コストで提供できる。また、使用者とすれば、開閉弁や押しボタンのないシャワーノズルを使用していても、その後、開閉弁と押しボタンとを後付けすることが容易い行える。あるいはその逆に、開閉弁を操作する押しボタン付きのシャワーノズルから開閉弁や押しボタンのないシャワーノズルへと簡単に変更することもできる。
開閉弁と押しボタンとを装着した場合、シャワーフックにシャワーノズルを係止させた状態では押しボタンがシャワーノズルの上端部に位置し、この上端部に位置する押ボタンを上から押すだけで吐水・止水をすることができる。そのため、シャワーフックにシャワーノズルを係止させた状態でも押ボタンを操作させ易い。また、従来のように親指でしか押ボタンを操作できなかったシャワーノズルに比べて、本発明のシャワーノズルにおいては、身体の各部位あるいは周囲のものに押し付けることで押ボタンの開閉が可能となり、操作方法が広がる。
(3)請求の範囲第3項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項記載の押ボタンに連動して前記開閉弁の開閉作動を行う軸を、前記散水部内に配設するとともに、この軸は、前記押ボタンを押すことによって生じる上下運動と前記押ボタンを回転させることによって生じる回転運動とに連動して上下可能であり、しかも、この軸と前記開閉弁とを遊嵌状態で接続することにより前記開閉弁の開度を調整可能とした。
このように構成することで、請求の範囲第1項記載のシャワーノズルにおいて、押ボタンを押す方向と開閉弁を開く方向とが同軸方向となるため、押しボタンの操作を開閉弁に伝達する軸は、まっすぐな棒形状として直線上に配置すればよいので構造も簡単となり、操作も確実となる。そして、前記押ボタンを押すことで軸を押し下げて開閉弁を開状態にすることができる。また、再度押ボタンを押すことで、軸による押し下げ力が解除されて、開閉弁を閉状態にすることができる。
さらに、押ボタンを回転させることで、軸が押ボタンに連動して回転し、この回転運動に連動して軸が軸方向に対して進退する。そのため、軸が開閉弁を押す距離を変化させることができる。すなわち、弁体が弁座から離座する距離を変えて通水開口の面積を可変させることができるので、押ボタンを操作することで吐水・止水だけでなく流量調整も可能となる。このように、流量調整機能を備えたシャワーノズルとすることで、使用勝手がより向上する。
(4)請求の範囲第4項記載の本発明では、前記請求の範囲第3項記載の軸の上端部と、押ボタンの下端部とを螺合した。
このように構成することで、請求の範囲第3項のシャワーノズルと同等な作用効果を奏し、かつより簡単な構成となすことができる。
(5)請求の範囲第4項記載の本発明では、前記請求の範囲第3項記載の軸を、前記押しボタン側に配置される上側軸と前記開閉弁側に配置される下側軸とから構成するとともに、前記上側軸と前記下側軸の端部同士を螺合した。
このように構成することで、請求の範囲第3項のシャワーノズルと同等な作用効果を奏し、この場合においても極めて簡単な構成となすことができる。
(6)請求の範囲第6項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆した。
このように構成することで、請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項のシャワーノズルにおいて、その外観の耐食性を向上させるとともに、美観を高めることを目的として例えばめっきなどの表面処理を行う場合、表面処理を施した別体のカバーによりノズル本体を被覆することで、従来のように通水路をマスキングしたり、全体の表面処理後に通水部分のめっき剥ぎを行ったりする必要がなく、コストを下げることができる。また、好みによって様々な表面処理のカバーを組替えて使用することもできる。さらに、通水路を形成する保持部とカバーを別体で構成することにより、熱膨張による割れの心配がなく、またカバーと前記保持部との間に空気層ができ、断熱効果を生むことができる。
(7)請求の範囲第7項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆して、前記散水部の先端部に前記ノズル本体部の外径より大なる径の上部リングを装着した。
このように構成することで、前記請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項のシャワーノズルにおいて、たとえシャワーノズルを落下させても前記上部リングにより衝撃を吸収することができるので、ノズル本体が落下時に直接床面に触れることがない。そのため、ノズル本体が傷つきにくく、このノズル本体部にたとえめっきや塗装などの表面処理を施してあってもそれを痛めることがなく、めっき剥げの心配もない。
(8)請求の範囲第8項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のノズル本体を略円筒形の棒状に形成し、ノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆して、さらに、このノズル本体の上部と下部に上部リングと下部リングとを装着し、前記カバーが上部リングの外縁と下部リングの外縁とを結んだ線の内側に配置されていることとした。
このように構成することで、請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項のシャワーノズルにおいて、シャワーノズルを落下させたり、床面での引きずったりした際、シャワーノズル本体が直接床面に触れることがないため、シャワー本体を傷つけることがない。またシャワー本体にめっきや塗装などの表面処理を施していてもそれを痛めることがなく、これにより、めっき剥げによる怪我の心配もなく安全である。そして、このように表面処理部分を傷めるおそれがないので、例えばメッキの膜厚を特別厚くしたりする必要がなく、製品重量も軽くでき、また部品を安価に製作することが可能となる。
(9)請求の範囲第9項記載の本発明では、湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とからノズル本体を構成し、このノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆したシャワーノズルとした。
このように構成することで、外観の耐食性を向上させるとともに、美観を高めることを目的として例えばめっきなどの表面処理を行う場合、従来のように本体部の通水路をマスキングしたり、全体の表面処理後に通水部分のめっき剥ぎを行ったりする必要がなく、コストを下げることができる。また、好みによって様々な表面処理のカバーを組替えて使用することもできる。さらに、通水路を形成した保持部とカバーとを別体で構成することにより、熱膨張による割れの心配がなく、またカバーと前記保持部との間に空気層ができ、断熱効果を生むことができる。
(10)請求の範囲第10項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項記載の散水部の複数の通水孔のうち、最上部及び最下部に位置させた通水孔を、他の通水孔よりも大径となるように形成した。
このように構成することで、請求の範囲第1項のシャワーノズルにおいて、散水部内の停滞水の水抜きを早めることができ、シャワーノズルをシャワーフックに係止したときに、前記停滞水がだらだらと滴ることを防止することができる。
(11)請求の範囲第11項記載の本発明では、前記請求の範囲第1項又は第10項に記載の散水部内には、シャワーノズルを垂直に配置したときに散水孔に連通する停滞水を停滞する容積を低減する容積低減手段を配置した。
このように構成することで、請求の範囲第1項又は第10項のシャワーノズルにおいて、散水部内の停滞水の水抜きを早めることができ、シャワーノズルをシャワーフックに垂直状態で係止したときに、前記停滞水がだらだらと滴ることを、より効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例であるシャワーノズルの外観を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施例であるシャワーノズルの縦方向の断面図である。
図3は、本発明の別の実施例であるシャワーノズルの縦方向の断面図である。
図4は、上記別の実施例であるシャワーノズルの模式的説明図である。
図5は、上記別の実施例の変容例を示す模式的説明図である。
図6は、本発明の実施例であるシャワーノズル開閉弁部の縦方向の断面図である。
図7は、本発明の実施例であるシャワーノズルの縦方向の断面図である。
図8は、本発明の実施例であるバルブ部開状態の断面図である。
図9は、本発明の実施例であるバルブ部閉状態の断面図である。
図10は、本発明の実施例であるシャワーノズルをシャワーフックに係止した状態で吐水した状態を示す説明図である。
図11は、本発明の他の実施例である押しボタンを取り外した状態のシャワーノズルの縦方向の断面図である。
図12は、本発明の他の実施例で用いる容積低減手段の斜視図である。
図13は、本発明の実施例であるシャワーノズルの散水部の一部を省略した縦方向の断面図である。
図14は、押ボタンを保持部に形成した従来のシャワーノズルの一部を断面視で示した外観図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明のシャワーノズル1は、図1及び図2に示すように、湯水流入口2aとこの湯水流入口2aに連通された通水路18とを内部に備えて保持部1aを構成するシャワーヘッド本体2と、保持部1a(シャワーヘッド本体2)の通水路18に連通され、複数の通水孔3を側面に形成した散水部1bを構成する散水管4と、これら保持部1aと散水部1bとの間、すなわち前記シャワーヘッド本体2と散水管4との間に設けた開閉弁6と、この開閉弁6を操作する押ボタン12とを備えている。
そして、前記散水部1bをなす前記散水管4の一端部に開閉弁6を設け、この開閉弁6を介在させて前記保持部1aをなすシャワーヘッド本体2を接続する一方、前記散水部1bの他端部に前記押ボタン12を設け、さらに、この押ボタン12に連動して動く軸11を前記散水部1b(散水管4)内に配置している。
そして、押ボタン12の操作により前記軸11を連動させ、この軸11により前記開閉弁6の開閉作動を行うようにしている。
図1に基づき、シャワーノズル1の外観について説明する。
シャワーノズル1は、I字型の略棒状に形成されており、略円筒形状をしている。そして、外観上略棒状に形成されたこのシャワーノズル1は、手で持つ前記保持部1aと、側面に複数の通水孔3を形成して吐水する散水部1bとに大きく区分される。
また、シャワーノズル1の一端(下端)には継手32を介してシャワーホース34を接続し、他端(上端)には通水孔3からの吐水・止水を操作する前記押ボタン12が設けられている。
なお、シャワーノズル1の外周面は、複数の通水孔3を形成した散水領域を除き、めっきなどの表面処理を施した外カバー17により前記保持部1aと散水部1bとを接続してなるノズル本体1cを被覆して形成している。
さらに、この外カバー17の両端部を覆うようにシャワーノズル1の上部と下部にシャワーノズル1の外径より大なる径の上部リング13と下部リング19とを装着している。
次に、図2に基づき、シャワーノズル1の内部構造について説明する。
本発明のシャワーノズル1は、湯水流入口部2aを下端に形成したシャワーヘッド本体2と、複数の前記通水孔3を有する散水管4と、前記通水孔3を設けた前記散水領域以外を覆う外カバー17と、押ボタン12と、この押ボタン12で吐水・止水を行う開閉弁6と上部リング13及び下部リング19とから主に構成されている。
各構成部品の具体的な構造ならびに各構成部品の相互関係について以下に説明する。
シャワーヘッド本体2は、I字型の略柱形状をしており、シャワーノズル1の保持部1aの内部に配置されている。
そして、シャワーヘッド本体2の一端には、水栓(図示せず)からシャワーホース34(図1を参照)を介して湯水が供給される湯水流入口部2aを設け、他端には、Oリングなどのパッキン23を介して散水管4を螺着するねじ部5を形成している。すなわち、同ねじ部5を介して、シャワーヘッド本体2と散水管4とを一体的に連結することにより、保持部1aと散水部1bとからなる棒状の略円筒形としたノズル本体1cが形成される。そして、このノズル本体1cの前記散水部1bの一部(散水領域)を除き、めっきなどの表面処理を施した外カバー17にて覆っている。
散水管4は、I字型の略円筒(略柱)形状をしており、側面に複数の通水孔3を設けた前記散水領域を形成し、この散水領域以外は、前述したように前記シャワーヘッド本体2と共に外カバー17で覆われている。なお、この外カバー17を装着して前記ノズル本体1cを被覆したときに、前記外カバー17の表面と前記散水部1bの散水領域の表面とが略同一面となるようにしている。なお、前記通水孔3は、この散水管4(散水部1b)の側面に形成された散水領域内において、長手方向に複数設けられている。
また、シャワーヘッド本体2の内部には吐水・止水を制御する開閉弁6が装着されている。
この開閉弁6は、図6に示すように、主弁7・弁座29・ばねなどの弾性体8・弁体9・カバー10及びOリングなどのパッキン24、28から構成されている。
ここで、この開閉弁6のさらに具体的な構成を以下に説明する。
開閉弁6は、弁体9とカバー10とを係止して結合することにより、略筒形状をした開閉弁6の外殻(外部形状)が形成され、この弁体9に弁座29を形成するとともに、この弁座29の中央に通水開口9aを形成している。
さらに、前記主弁7が、この通水開口9aを開閉するために、前記弁座29に着座・離座するように、ばねなどの弾性体8にて着座する方向に付勢されながら開閉弁6内を軸方向にスライド可能に配置されている。つまり、前記主弁7は、弁体9の弁座29に着座して止水するように、ばねなどの弾性体8によって散水管4方向(つまり下流方向)に付勢されているのである。
すなわち、前記カバー10内にスライドガイド10bが形成されており、このスライドガイド10bに前記主弁7がOリングなどのパッキン28を介在させて設けられ、さらにこのスライドガイド10bと主弁7との間にばねなどの弾性体8が配置されている。なお、カバー10には、通水開口10aが設けられている(図8を参照)。
そして、この開閉弁6は、シャワーヘッド本体2のねじ部5側の内部にOリングなどのパッキン24を介して装着されて、さらに、前記散水管4をこのねじ部5に螺合することでシャワーヘッド本体2内に固定される。
なお、このとき、前記弁体9が散水管4側に位置し、前記カバー10がシャワーヘッド本体2に位置する(湯水流入口部2a側に向くように)ような配置姿勢となるように、前記開閉弁6をシャワーヘッド本体2内に配置している。
次に、この開閉弁6の開閉を押ボタン12にて操作するための内部構造を図2に基づき説明する。
開閉弁6の作動を介助するものとして、押ボタン12の上下動を開閉弁6に伝達するための軸11が散水管4と軸ガイド25を貫通するように内部に配置されている。なお、図2中、25は軸ガイドであり、この軸ガイド25は、Oリングなどのパッキン25aを介して散水管4の端部に装着され、さらに、この軸ガイド25の軸方向にOリングなどのパッキン27と座金13cを介し押ボタン12を装着している。
そして、前記軸11を、前記軸ガイド25内に配置した押ボタン12と直列に連動するように配置している。さらに、図6に示すように、開閉弁6の主弁7に凹部7aを形成し、この凹部7aに軸11の先端(下端)を挿入している。
このように構成することにより、押ボタン12を操作することで、前記軸11を介し開閉弁6を作動して開閉することができる。
つまり、押ボタン12を押すことにより、押ボタン12と連動した軸11が弾性体8の付勢に逆らい主弁7を押し下げて、図8に示すように、通水開口9aを開き、通水孔3からシャワー吐水することになる。この時押ボタン12はロックされ、通水状態を保つことが可能となる。なお、このロック機構は、図14に示した従来のシャワーノズルにも用いられている押ボタンのロック機構と同様の周知とされる構成であるため、図2及び図3の詳細図とその説明を省略する。
そして、再度押ボタン12を押すと、この押ボタン12のロックが解除され弾性体8の復元する力により、図9に示すように、主弁7が付勢され弁座29に着座して通水開口9aを塞ぎ、通水孔3からシャワー吐水を閉止する。
本実施形態に係るシャワーノズル1においては、押ボタン12をシャワーヘッド本体2(シャワーノズル1)の同軸上の上部に配置することにより、身体の各部位あるいはその他周囲のものに押し付けることで押ボタン12の操作による開閉弁6の開閉が可能となるので、操作方法が広がる。
また、図10(a)に示すように、シャワーフック33などにシャワーノズル1を引っ掛けてシャワー吐水を行う場合においては、シャワーノズル1の上端部に位置する押ボタン12を上から押すことで吐水・止水を行うことができる。そのため、操作性が極めて向上している。また、押ボタン12を上から押すということは、シャワーノズル1がシャワーフック33にしっかりと保持される方向に押すことになるので、押ボタン12を操作したときにシャワーノズル1がシャワーフック33から外れることがない。さらには、上から押すだけでよいため、保持する向きが変わって散水方向が変わることがない。
なお、保持部1aには、シャワーホース34に接続されかつシャワーフック33に係止する継手32が設けられている。そして、この継手32と保持部1aとの間には下部リング19が形成されている。そのため、シャワーフック33にシャワーノズル1を保持させた状態で、押ボタン12を押すと、より保持力が増大する方向にはたらくが、下部リング19がシャワーフック33の上端に当接するため、所定の保持力以上になることがない。つまり、シャワーフック33にシャワーノズル1が嵌り込んで外れなくなるようなことはない。
さらに、このシャワーノズル1に対して、吐水・止水の開閉操作だけでなく、流量調整の機能を備えさせた実施例を図3に基づき説明する。なお、図2に示した前述の構成と同じ構成については説明を省略する。
図3に示すように、軸11を2部品で構成することによって、流量調整が可能な構造をもつことが可能となる。つまり、図2で示した軸11を、図3に示すように上側軸14と下側軸15によって構成するのである。
具体的には、開閉弁6側に配置される下側軸15の上端をなす片側にねじ部20を設けるとともに、押ボタン16側に配置される上側軸14には、前記下側軸14のねじ部20と螺着可能なねじ部22を形成している。
さらに、この下側軸15に縦長のスリット21を形成して、開閉弁6の近傍に設けたガイド部31に突設した突起(図示せず)を前記スリット21に遊嵌して回転規制部21aとなし、前記下側軸15を回転させずにこのガイド部31に沿ってスライドするようにしている。
さらに、前記押ボタン16は、上下運動とともに、水平回転可能な構造としている。
図3(B)は、図3(A)のシャワーノズル1の押ボタン16側から見た平面図を縮小して示している。このように、本実施例における押ボタン16の先端部は、図3(B)に示すように、例えば平面視円形状とせずに一部円弧をカットしており(カットした部分16a)、平面視略D字形状のようにしておくことで指が係り易くなり、押ボタン16を容易に回転させることができる。そして、この押しボタン16を上側軸15と組み合わされることにより、上側軸15に回転運動を確実に伝達して流量調整することが可能となる。
すなわち、図4に示すように、押ボタン16を回転させると、上側軸14のみが回転し(下側軸15は前記スリット21を備える回転規制部21aによって回転しない)、前記ねじ部20、22同士がねじ回しされて下側軸15が上下に進退し、下側軸15の先端と主弁7との間の遊びをなす距離Dが変更され、軸11全体としての主弁7を押す距離を調整することができるのである。このとき、押しボタン16の上下移動距離Lと、前記遊びをなす距離Eと、主弁7の開度E’との間には以下の関係が成立する。
L−Emax≦E’≦L−Emin
つまり、押ボタン16を押し、主弁7を開状態でロックした後、押ボタン16を回転させると、図8に示すように、軸11(上側軸14,下側軸15)の全長が伸縮し弁体7の位置による開口面積bを変化させることができるので、吐水量の調整が可能となる。
また、押しボタン16の回転による流量調整機能は、図5に示す構成とすることもできる。
すなわち、具体的には図5に示すように軸11を1本として、この軸11の上端部と前記押ボタン16の下端部とを螺合したものであり、ここでは、前記軸11の上端をなす片側にねじ部20’を設けるとともに、押ボタン16の下端に前記ねじ部20’と螺合可能なねじ部22’を突設して構成している。なお、この軸11についても前述の回転規制部21aが設けられている。
そして、かかる構成においても、押しボタン16の上下移動距離Lと、前記遊びをなす距離Dと、主弁7の開度L’との間には上記式が成立する。
次に外カバー17について説明する。
前述したように、ノズル本体1cを構成する互いに螺着された散水管4及びシャワーヘッド本体2の外周部には、通水孔3を形成した前記散水領域以外の全てを覆うように外カバー17が装備されている。
そして、この外カバー17は、めっきや塗装が施せる材料で作成されている。また、外カバー17に彩色を施すことにより、意匠性の向上を図ることが可能になる。
特に、本発明のようにめっきや塗装を施した外カバー17を別体で着脱自在に設けることで、使用者の好みに応じて、安価に外観の色彩を選択することができる。
また、めっきや塗装を施した外カバー17は、シャワーノズル1の通水路18とは別体にて構成されているため、従来のように、通水路18にめっきや塗装が付着しないように、マスキングのためのめっき付着防止用塞ぎ蓋やマスキング剤の塗布という工程や付着しためっきや塗装を除去する工程が不要となり、安価に部品を製作することが可能である。
また、通水路18と外カバー17の間に空気層を持つことも可能となり、断熱効果が狙える利点もある。
さらに、外カバー17の端部の保護として、シャワーノズルの上下端部には、上部リング13と下部リング19とを装備している。
上部リング13及び下部リング19の形状は、外カバー17の保護が主な狙いであるため、装着状態で外カバー17の外周よりも外方へ膨出するように、前記外カバー17の径よりも大径の略短尺筒状(略柱形状)をなしていることが好ましい。
シャワーノズル1の上側に装備された上部リング13は、上述の押ボタン12,16を構成する部材が外れないように保持させるために、散水管4の上端部に螺合するネジ部13bを形成している。また、シャワーノズル1の落下時の衝撃を吸収するため、少なくとも外側部は軟質材で覆うことが好ましい。なお、図2中、13aは押しボタン12,16を挿通する挿通孔である。
一方、下側に装備された下部リング19は外カバー17の端部の保護と保持を兼ねている。
この下部リング19の外観部も軟質材とすることが好ましいが、硬質材で形成してもよい。なぜならば、下部リング19側は、シャワーホース34が接続されているため、シャワーノズル1を誤って落下させた場合、下部リング19が床に衝突するおそれがほとんどないからである。
なお、両リング13、19は、シャワーノズル1が落下した場合、外カバー17が床のタイル面などに接触して表面を傷つけることがないようにするのを目的としているので、図7に示すように、上部リング13の外縁と下部リング19の外縁を結んだ線aの内側に外カバー17の外周が入るように、両リング13,19及び外カバー17の大きさや形状を設定する必要がある。
ところで、上述してきた本シャワーノズル1は、前記押しボタン12,16を着脱自在とするとともに、この押しボタン12,16を挿通する挿通孔13aを形成した上部リング13と、前記押しボタン12,16を挿通せずに封水可能とした上部キャップ40とを、前記散水部1bの上端に選択的に取付可能とすることができる。
このとき、前記押しボタン12,16の操作により開閉する開閉弁6についても着脱自在としておく。さらに、前記上部リング13及び上部キャップ40の径は、当然ながらいずれも前記ノズル本体1cの外形よりも大としておくものである。
すなわち、前記上部リング13を取り外した後、押しボタン12,16を取り外すとともに、同押しボタン12,16に関連する構成要素である開閉弁6、軸11(上側軸14、下側軸15を含む)をノズル本体1cより取り出し、前記上部リング13に代えて上部キャップ40を装着すれば、図11に示すように、通水路18と通水孔3とが直通したI型の棒状のシャワーノズル1’となすことができる。
このように、押しボタン12,16により止水・吐水を行うことのできるシャワーノズル1と、押しボタン12,16を備えない通常のシャワーノズル1’との使い分けが極めて簡単に行えるのである。
製造側からすると、全て共用部品なので、機能の異なる二種類のシャワーノズル1,1’を低コストで提供できるし、使用者側からすれば、たとえば押しボタン12,16による止水・吐水切替機能付きのシャワーノズル1を購入していた場合、上部キャップ40のみを購入するだけで、通常のシャワーノズル1’として利用することが可能となる。また、逆の場合であっても、押しボタン12(16)や軸11(上側軸14、下側軸15)、開閉弁6などの部品を購入して後付けすれば、通常のシャワーノズル1’から押しボタン12,16による止水・吐水切替機能付きのシャワーノズル1として使用することができる。
次に、止水・吐水切替え機能を有していない前記シャワーノズル1’の散水部1bの散水管4中に収納した容積低減手段である容積低減体50と、散水管4に形成した通水孔3について、図11〜図13を参照しながら説明する。
これらは、いずれもシャワーノズル1’をシャワーフック33に係止した場合に、散水管4内の停滞水が通水孔3から滴り落ちることを防止するためのものである。
すなわち、従来のシャワーノズルの場合(図14を参照)、シャワーフックに係止したときに散水部100は斜めになるので、一般には通水孔近傍に網を配設して網目に水の表面張力を作用させて止水時に停滞水が流れ出ないようにしているが、本シャワーノズル1’は略垂直状態でシャワーフック33に係止されるので、前述した表面張力を作用させることが困難となる。そこで、散水管4内の停滞水をいち早く流出させることで対応するようにしている。
そのために、図11及び図12に示すように、散水管4の内径よりもわずかに小さな外径を有する筒体の下部を漸次縮径して湾曲形成した容積低減体50を、散水管4内に収納して散水管4の実質的な容積を低減している。
このように、前記容積低減体50を収納することで、通水路18から散水管4内に流入してきた水は前記容積低減体50の湾曲下部50aに沿って円滑に流れるとともに、散水管4の内壁との狭い間隙に流入して通水孔3から勢いよく吐水される一方、止水後に本シャワーノズル1’をシャワーフック33に略垂直状態で係止した場合、前記容積低減体50によって散水管4内の容積そのものが低減しているので、停滞水量も少なくなっていることから、通水孔3からの流出時間も大きく短縮され、水切れが向上する。なお、図11中、51,52はパッキン、25’は上部キャップ40と容積低減体50との間に位置するように散水管4の上端部に配設されたガイドであり、前記容積低減体50を押さえながら安定保持することができる。また、図12中、53はパッキン配設用溝である。
さらに、本実施例においては、図13に示すように、前記複数の通水孔3のうち、最上部及び最下部に位置させた通水孔3aの径Dを、他の通水孔3の径dよりも大径となるように形成している。
すなわち、最上部及び最下部に位置させた通水孔3aを、他の通水孔3よりも大径として、最上部の通水孔3aより空気を散水部1bの内部へ導入することで、内部の停滞水をいち早く流出させることができるようにしているのである。
このように、散水管4内に容積低減体50を収納するとともに、最上部及び最下部に位置させた通水孔3aを他の通水孔3よりも大径とした構成とすることにより、散水部1b内の停滞水の水抜きを早めることが可能となり、シャワーノズル1’をシャワーフック33に係止したときに、停滞水が通水孔3,3aからだらだらと滴ることを防止することができる。
また、図10(a)に示したように、散水部1bからのシャワー吐水が上下方向に広がるように、各通水孔3は散水部1bの周壁に対して斜めに貫通して形成している。当然ながら、散水部1bが略円筒状となっているために、図10(b)に示すように、シャワー吐水は先広がりになり、やはりシャワー範囲が広がることになる。このように、本実施の形態に係るシャワーノズル1(1’)は、身体に浴びるシャワー範囲が広がり、快適なシャワーが行える。
以上、本実施の形態を説明してきたが、前記押ボタン12に連動して動く軸11は、散水部1b(散水管4)の通水路18内に配置している例を示したが、軸11は必ずしも通水路18内に設けなくてもよく、たとえば、図11に示した容積低減体50を用いて、散水部1bに前記通水路と仕切られた別の空間を軸方向に設け、前記通水路と仕切られたこの別の空間内、すなわち容積低減体50内に軸11を配置することもできる。
【産業上の利用可能性】
本発明では、湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とを、この保持部もしくは散水部の一端部に着脱自在に配設した開閉弁を介して接続してノズル本体を構成し、しかも、前記散水部の他端部に、前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタンを着脱自在に取付けたことにより、シャワーフックに引っ掛けた状態で吐水・止水の押ボタンを操作しやすくし、使用勝手を向上させたシャワーノズルを提供することができる。
しかも、前記押しボタン、開閉弁を着脱自在とすることにより、吐水・止水機能を具備しないタイプのものと、吐水・止水機能を具備するタイプのものに簡単に変形できる。
また、流量調整機能を備えることで、さらに一層使用勝手を向上させたシャワーノズルを提供することができる。
さらに、ノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆することにより、耐食性、意匠性の高い、表面処理を行った高品質のシャワーノズルを低コストで提供することが可能となり、しかも、ノズル本体の上端にノズル本体よりも大径のリングを設けることで、表面処理された部分を傷つけることもなくなる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とを、この保持部もしくは散水部の一端部に着脱自在に配設した開閉弁を介して接続してノズル本体を構成し、しかも、前記散水部の他端部に、前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタンを着脱自在に取付けたことを特徴とするシャワーノズル。
【請求項2】
湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とからノズル本体を構成し、前記保持部と散水部との間に開閉弁を配置可能とし、かつ、前記散水部の他端部に、前記開閉弁の開閉作動を行う押ボタンを着脱自在に取付可能とし、または、前記散水部の他端部に上部キャップを着脱自在に取付可能とし、前記開閉弁及び押ボタンを配置するか、または、前記上部キャップを配置するかを選択可能としたことを特徴とするシャワーノズル。
【請求項3】
前記押ボタンに連動して前記開閉弁の開閉作動を行う軸を、前記散水部内に配設するとともに、この軸は、前記押ボタンを押すことによって生じる上下運動と前記押ボタンを回転させることによって生じる回転運動とに連動して上下可能であり、しかも、この軸と前記開閉弁とを遊嵌状態で接続することにより前記開閉弁の開度を調整可能としたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のシャワーノズル。
【請求項4】
前記軸の上端部と、押ボタンの下端部とを螺合したことを特徴とする請求の範囲第3項記載のシャワーノズル。
【請求項5】
前記軸を、前記押しボタン側に配置される上側軸と前記開閉弁側に配置される下側軸とから構成するとともに、前記上側軸と前記下側軸の端部同士を螺合したことを特徴とする請求の範囲第3項記載のシャワーノズル。
【請求項6】
前記ノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆してなることを特徴とする請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のシャワーノズル。
【請求項7】
前記ノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆して、前記散水部の先端部に前記ノズル本体部の外径より大なる径の上部リングを装着したことを特徴とする請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のシャワーノズル。
【請求項8】
前記ノズル本体を略円筒形の棒状に形成し、ノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆して、さらに、このノズル本体の上部と下部に上部リングと下部リングとを装着し、前記カバーが上部リングの外縁と下部リングの外縁とを結んだ線の内側に配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第3項乃至第5項のいずれか1項に記載のシャワーノズル。
【請求項9】
湯水流入口に連通する通水路を内部に形成した保持部と、複数の通水孔を設けた散水部とからノズル本体を構成し、このノズル本体の少なくとも前記通水孔を除いた部分に、表面処理を施した別体のカバーを着脱自在に被覆したことを特徴とするシャワーノズル。
【請求項10】
前記散水部の複数の通水孔のうち、最上部及び最下部に位置させた通水孔を、他の通水孔よりも大径となるように形成したことを特徴とする請求の範囲第1項記載のシャワーノズル。
【請求項11】
前記散水部内には、シャワーノズルを垂直に配置したときに散水孔に連通する停滞水を停滞する容積を低減する容積低減手段を配置したことを特徴とする請求の範囲第1項又は第10項に記載のシャワーノズル。

【国際公開番号】WO2004/026484
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【発行日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537530(P2004−537530)
【国際出願番号】PCT/JP2003/002706
【国際出願日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】