説明

シャワー装置

【課題】使用者が装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避することができるシャワー装置を提供すること。
【解決手段】本発明のシャワー装置は、加熱手段2と、漏れ電流検出手段4と、漏れ電流検出手段4が一定以上の漏れ電流を検出した場合、加熱手段2への電源供給を停止する遮断手段3とを備えたシャワー装置において、前記シャワー装置が設置されている状態で装置アースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯シャワー等に使用されるシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシャワー装置(例えば、特許文献1参照)は、漏れ電流検出手段を備えており、それが正常に動作するかどうかをテストする手段は備えていたが、実際にシャワー装置が設置されてから後、装置アースと大地アースが接続されているかどうかあるいは電源のライブとニュートラルが正しく接続されているかどうかを検出する機能は備えていなかった。
【0003】
また、装置アースと大地アースが接続されているかどうかを検出した後、正常接続である事を表示する機能も備えていなかった。
【特許文献1】特開2006−17341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシャワー装置においては、設置後、装置アースが接続されているかどうか確認する手段が無く、たとえ漏れ電流検出手段が備えられていても、大地アースに接続されないと、ライブとニュートラルの電流差が発生せず、原理的に漏れ電流を検出することが出来ない。あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているかを検出することが出来ない。例えば大地アース接続がされていない場合で、加熱手段としてのヒータが絶縁不良を起こして漏れ電流が発生すると、漏れ電流検出手段は漏れ電流を検出できないため、使用者を保護するためのヒータへの電源供給停止が実行できない。結果、ヒータと接している水を介してシャワー装置の使用者が、電気ショックを感じてしまうという課題を有するものであった。
【0005】
また、装置アースと大地アースが接続されているかどうかを検出した後、正常接続である事を表示する機能が無く、施工者ならびに使用者がアース配線接続の異常を知る手段が無い。結果として、シャワー装置使用者が、ヒータから電流が漏れる等装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避出来ないという不具合点があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、装置アースが大地アースに接続されているか否かを検出する手段を備えることで、使用者が装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避することができるシャワー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のシャワー装置は、加熱手段と、漏れ電流検出手段と、前記漏れ電流検出手段が一定以上の漏れ電流を検出した場合、前記加熱手段への電源供給を停止する遮断手段とを備えたシャワー装置において、前記シャワー装置が設置されている状態で装置アースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備えたことにより、装置アースと大地アースが接続されているかどうかを検出した後、正常接続である事を表示する事で、施工者ならびに使用者がアース配線接続の異常あるいは、電源のライブ、ニュートラルの誤接続を知る事が出来る。結果として、シャワー装置使用者が、ヒータから電流が漏れる等装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避出来る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、装置アースが大地アースに接続されているか否かを検出する手段を備えることで、使用者が装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避することができるシャワー装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明のシャワー装置は、加熱手段と、漏れ電流検出手段と、前記漏れ電流検出手段が一定以上の漏れ電流を検出した場合、前記加熱手段への電源供給を停止する遮断手段とを備えたシャワー装置において、前記シャワー装置が設置されている状態で装置アースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備えたことにより、装置アースと大地アースが接続されているかどうかを検出した後、正常接続である事を表示する事で、施工者ならびに使用者がアース配線接続の異常あるいは、電源のライブ、ニュートラルの誤接続を知る事が出来る。結果として、シャワー装置使用者が、ヒータから電流が漏れる等装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避出来る。
【0010】
第2の発明のシャワー装置は、第1の発明のシャワー装置を設置した後、テストボタンを押すと、表示素子にて機器のアースが大地アースに接続されている事を施工者ならびに使用者に知らせることにより、シャワー装置使用者が、ヒータから電流が漏れる等装置に異常があった場合に、電気ショックを受ける可能性を事前に回避出来るものである。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施例のシャワー装置の構成図、図2はアース接続検出手段の詳細を示したものである。
【0013】
図1において、1は水を加熱するヒータユニット、2は1の構成部品で、電気エネルギを熱エネルギに変換する加熱手段(例えば、シーズヒータ)、3は加熱手段と供給される電源の間に位置する、電源遮断手段、4は漏れ電流検出手段、5はアース接続検出手段、6はお湯を通すシャワーホース、7はお湯を吐出するシャワーヘッド、8は装置アース、9は装置アースの正常接続を表示する表示素子、10は電力制御手段、11は電源電線、12は水入り口、13は湯出口、14は流量検出手段、15は大地アースを示す。
【0014】
設置時、施工者は電源電線11を装置の漏れ電流検出手段4のIN側に接続し、また指定された通り電源の極性を接続するよう、装置の説明書に指示がある。
【0015】
ここで、簡単にシャワー装置の動作について説明する。入水を加熱し、シャワーホース6、シャワーヘッド7と通じ、使用者にお湯のシャワーを供給する水通路と、電気エネルギを熱源とし、加熱装置2(シーズヒーター)に電力を供給し、熱出力を制御する電気回路から構成される。
【0016】
使用者がシャワーを使用する場合は、水入口12より入った水を流量検出手段14で一定流量以上検出した場合、電力制御手段10によって、加熱手段(ヒータ)2に電力が供給されて加熱が始まり、ヒータユニット1の中で水が加熱され、湯出口13、シャワーホース6を通じ、シャワーヘッド7から温水が出る仕組みと成っている。
【0017】
次に、図2を参照しながら電気回路の詳細な動作について説明する。
【0018】
漏れ電流検出手段4は、中心に穴が開いたフェライト等磁性材料の円盤に、コイルを巻いた構成をしており、さらにその中心の穴に、ヒータ2に電源を供給する電源電線(ライブ、ニュートラル各々)を通している。負荷側に何らかの漏れ電流、例えばヒータに絶縁不良が発生した場合は、ライブ、ニュートラル各電線の電流値が異なる不平衡の状態が発生し、各電線から発生する磁力に差が生じる。その磁力の差を磁性材料にて電圧に変換し、さらにその電圧を増幅して電源遮断手段3に電源遮断の信号を送る。
【0019】
電源遮断手段3は、漏れ電流検出手段4から送られてきた信号を受けて、電磁コイル等を利用してスイッチを開にし、供給電源を遮断する。
【0020】
アース接続検出手段5は、抵抗とスイッチで構成され、電源のライブ側と本体アース8に接続されている。シャワー装置を設置後、アース接続検出手段5のスイッチを閉にした時に、もし装置アース8が、大地アース15に接続されていて、かつ設置時のライブ、ニュートラルの接続が正しい場合は、この回路に電流が流れ、漏れ電流が発生した場合と同じ状態になり、漏れ電流検出手段4の動作により、電源が遮断され、施工者ならびに使用者に正常にアース接続されていることを知らせることができる。
【0021】
もし、装置アース8が大地アース15に接続されていない場合は、この回路に電流が流れず、漏れ電流検出手段4が動作しない。したがって、施工者ならびに使用者は、正常にアースが接続されていないことを知ることができる。
【0022】
また、本体アース8が大地アース15に接続されているが、ライブ、ニュートラルの接続が逆の場合は、この回路に電流が流れず、漏れ電流検出手段4が動作しない。したがって、施工者ならびに使用者は、正常に配線が接続されていないことを知ることができる。
【0023】
以上のように、本実施例のシャワー装置は、加熱手段と、漏れ電流検出手段、および前記漏れ電流検出手段が、一定以上の漏れ電流を検出した場合、ヒータへの電源供給を停止する遮断手段を備え、この装置が設置されている状態で機器のアースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備えることで、施工者ならびに使用者に正常にアース接続されていることを知らせることができる。
できるものである。
【0024】
また、この装置を設置した後、テストボタンを押すと、表示素子にて機器のアースが大地アースに接続されている事を施工者ならびに使用者に知らせることができ、使い勝手を極めて向上させるものである。
【0025】
以上のように、装置が設置されている状態で機器のアースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備えることで、施工者ならびに使用者に正常にアース接続されていることを知らせることができるものである。
【0026】
また、テストボタンを押すと、表示素子にて機器のアースが大地アースに接続されている事を施工者ならびに使用者に知らせることができ、使い勝手を極めて向上させるものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明はシャワー装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるアース接続検出手段の詳細を示す図
【符号の説明】
【0029】
2 加熱手段
3 遮断手段
4 漏れ電流検出手段
5 配線接続検出手段
8 装置アース
15 大地アース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段と、漏れ電流検出手段と、前記漏れ電流検出手段が一定以上の漏れ電流を検出した場合、前記加熱手段への電源供給を停止する遮断手段とを備えたシャワー装置において、前記シャワー装置が設置されている状態で装置アースが大地アースに接続されているか否か、あるいは電源のライブ、ニュートラルが正しく接続されているか否かを検出する手段を備えたことを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワー装置を設置した後、テストボタンを押すと、表示素子にて機器のアースが大地アースに接続されている事を施工者ならびに使用者に知らせることを特徴とするシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−153572(P2009−153572A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332080(P2007−332080)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】