シャワ装置
【課題】 高齢者や体の不自由な人にも使用勝手がよく、さらにはデザイン性に優れたシャワ装置を提供すること。
【解決手段】 シャワホース２およびシャワヘッド３を有するハンドシャワ４と、カラン６と、湯水混合機構とを備えた中空の柱体７が、浴室８、シャワールーム等の壁面９ａを覆う化粧カバー１０の前面側１０ａに配置され、かつ、壁９に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置１であって、湯水供給流路ｃ、この湯水供給流路ｃに連通するハンドシャワ供給流路ｄおよび湯水供給流路ｃに連通するカラン供給流路ｅの少なくとも三つの供給流路を前記柱体７の内部に有するとともに、カラン供給流路ｅと湯水供給流路ｃを連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路ｄと湯水供給流路ｃを連通させる状態とに切換可能な流路切換手段１１を備え、さらに、前記シャワヘッド３の保持具１２および椅子１３が前記柱体７に沿ってそれぞれスライドするよう設けられている。
【解決手段】 シャワホース２およびシャワヘッド３を有するハンドシャワ４と、カラン６と、湯水混合機構とを備えた中空の柱体７が、浴室８、シャワールーム等の壁面９ａを覆う化粧カバー１０の前面側１０ａに配置され、かつ、壁９に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置１であって、湯水供給流路ｃ、この湯水供給流路ｃに連通するハンドシャワ供給流路ｄおよび湯水供給流路ｃに連通するカラン供給流路ｅの少なくとも三つの供給流路を前記柱体７の内部に有するとともに、カラン供給流路ｅと湯水供給流路ｃを連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路ｄと湯水供給流路ｃを連通させる状態とに切換可能な流路切換手段１１を備え、さらに、前記シャワヘッド３の保持具１２および椅子１３が前記柱体７に沿ってそれぞれスライドするよう設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、シャワ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
本出願人は、上シャワと、複数の吐出部を有するボディシャワと、ハンドシャワとを備えた中空の柱体が、水栓本体上に設置されるか、または、この水栓本体から離れた位置に設置されるよう構成されているシャワ装置を提案している（特願２００３−３０２５４２号明細書・図面参照）。これは、流路切換手段を介して、中空の柱体の内部に設けた上シャワ供給流路、ボディシャワ供給流路、ハンドシャワ供給流路に水栓本体供給流路を連通するだけで、前記柱体を水栓本体から離れた位置に設置でき、使用勝手が良いというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、高齢者や体の不自由な人向きには構成されておらず、高齢者や体の不自由な人が使用するには不向きであるという問題があった。
【０００４】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、高齢者や体の不自由な人にも使用勝手がよく、さらにはデザイン性に優れたシャワ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するために、この発明のシャワ装置は、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられていることを特徴とする（請求項１）。
【０００６】
また、この発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置を提供する（請求項２）。
【発明の効果】
【０００７】
請求項１の発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されており、シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられているので、デザイン性に優れた使用勝手のよいシャワ装置を提供することができる。
【０００８】
請求項２の発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されており、シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられているので、高齢者や体の不自由な人にも使用勝手がよく、さらにはデザイン性に優れたシャワ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【００１０】
図１、図２は、この発明の一実施の形態を示す。図１において、シャワ装置１は、シャワホース２およびシャワヘッド３を有するハンドシャワ４と、水栓５のカラン（吐水管）６と、湯水混合機構とを主として備えた中空の柱体７が、例えば浴室８の壁面９ａを覆う板状の化粧カバー１０の前面１０ａ側に上下方向に配置され、かつ、壁９に支持された状態で設置されるよう構成されている。シャワ装置１は、図２に示すように、湯配管流路ａおよび水配管流路ｂに連通してなり、湯と水を混ぜた後の湯水供給流路ｃと、上流側において前記湯水供給流路ｃに連通し、下流側においてシャワホース２に連通するハンドシャワ供給流路ｄと、上流側において前記湯水供給流路ｃに連通し、下流側においてカラン（吐水管）６に連通するカラン供給流路ｅの少なくとも三つの供給流路を前記柱体７の内部に有するとともに、カラン供給流路ｅと湯水供給流路ｃを連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路ｄと湯水供給流路ｃを連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備えている。この流路切換手段は、混合水あるいは水の流量調整機能と止水・吐水機能とシャワ・カランいずれかの流路に切換える機能とを有する。前記湯水供給流路ｃ、ハンドシャワ供給流路ｄおよびカラン供給流路ｅは、それぞれ適宜長さの可撓性のホースによって形成されている。また、シャワ装置１には、前記シャワヘッド３の保持具１２が前記柱体７に沿って上下方向にスライドするよう設けられているとともに、折り畳み式の椅子１３が前記柱体７に沿ってスライドするよう設けられている。
【００１１】
さらに、前記柱体７には、上から順に、シャワ・カランの切換および止水・吐水ならびに流量調整用のハンドル１１、水導入管を兼用する筒状の柱体取り付け用上部金具１５、保持具１２、シャワホース接続部２ａ、椅子１３、湯導入管を兼用する筒状の柱体取り付け用下部金具１６、水栓５および湯水混合機構の温調ハンドル１４が設けられている。前記柱体７は、前記両金具１５，１６を介して浴室８の壁９に支持されている。１７は、壁９の裏側に位置する水配管（図示せず）の最下流側に設けた、水導入流路を兼ねる継手で、上部金具１５にねじ結合される。１８は、壁９の裏側に位置する湯配管（図示せず）の最下流側に設けた、湯導入流路を兼ねる継手で、下部金具１６にねじ結合される。なお、継手１８から水を導入させる一方、継手１７から湯を導入させてもよく、また、継手１８に、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵させる一方、継手１７を柱体取り付けのみに使用するようにしてもよく、また、継手１７に、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵させる一方、継手１８を柱体取り付けのみに使用するようにしてもよい。
【００１２】
前記湯水混合機構は、前記両金具１５，１６に導入される配管からの水、湯の導入口５０，５１と、前記水と湯とを所望の温度に混合させるバルブ５２と、混合水の導出口５３とを主として有する胴部５５と、前記ハンドル１１と、前記温調ハンドル１４とよりなる。前記バルブ５２が内蔵された胴部５５は前記柱体７の内部に設けられており、その一端には温調ハンドル１４が連結されている。そして、前記ハンドル１１を吐水状態に操作することにより胴部５５に設けた前記導入口５０，５１と導出口５３とを連通させ、この状態でさらに前記ハンドル１１を操作することにより混合水の流量を調整し、また、温調ハンドル１４を操作することにより前記水と湯とを所望の温度に混合させることができる。前記導出口５３は前記湯水供給流路ｃに連通しており、この湯水供給流路ｃの最下流側にハンドシャワ供給流路ｄとカラン供給流路ｅのいずれかに湯水供給流路ｃを連通させるための流路切換バルブ５６が設けられている。この流路切換動作も前記湯水混合機構の前記ハンドル１１を用いて行われる。前記流路切換バルブ５６も前記柱体７の内部に設けられている。
【００１３】
前記椅子１３は、ねじ機構の係止用操作部材２０を介して柱体７に着脱可能に装着されており、この実施の形態では、平板状の座部（シート）１３ａおよび平板状の背もたれ部１３ｂとが折り畳み可能なようにバネはね上げ式に構成されたヒンジ部１３ｃを有する。そのため、係止用操作部材２０を緩めて椅子１３の高さ調整をした上で係止用操作部材２０を締めることにより、椅子１３に座りながらシャワーを浴びたり、休憩したりできるので、高齢者や体の不自由な人にとっても使用勝手がよい。また、水栓５は、止水・吐水ならびに流量調整用の操作部材２１を操作することによりカラン供給流路ｅに供給される混合水をカラン（吐水管）６から吐水できるように構成されている。すなわち、前記ハンドル１１を予め所望の温度の混合水がカラン供給流路ｅに供給されるように操作しておけば、水栓５不使用時には水栓５を止めておくだけで、使用時には高所に位置する前記ハンドル１１を操作することなく低所にある水栓５を操作するだけで混合水を吐水できるので、高齢者や体の不自由な人にとっても使用勝手がよい。また、座部（シート）１３ａは例えば石鹸やシャンプーの載置台に兼用可能なトレイとして使用できる。また、椅子１３は柱体７から取り外しできるので、柱体７から取り外した椅子１３の代わりに石鹸やシャンプーの載置台に取り替えることもできる。
【００１４】
また、前記シャワヘッド３は、シャワ板部分３ａとグリッブ部分３ｂとがヒンジ２４によって結合されており、シャワヘッド３を保持具１２に保持した状態でシャワ板部分３ａをヒンジ２４の回動軸２４ａ回りに、かつ、壁面９ａに沿う形で回動させることができる。また、保持具１２は、例えば特開２００４−１６２３５２号公報に提案されているようなもので、スライド部材１２ａと、スライド部材１２ａを柱体７に係止させるための係止用操作部材１２ｂと、シャワヘッド３を保持する保持具本体１２ｃとからなり、保持具本体１２ｃとスライド部材１２ａとがヒンジ（図示せず）によって結合されており、保持具本体１２ｃを前記ヒンジの回動軸３０回りに、かつ、壁面９ａに垂直な面に沿う形で回動させることができる。
【００１５】
また、前記化粧カバー１０は、平板状で、縦長に形成されており、上部に継手１７の挿通孔３１を有するとともに、下部に継手１８の挿通孔３２を有する。前記化粧カバー１０によってシャワ装置１はデザイン性に優れ、見栄えがする。
【００１６】
前記ハンドル１１の操作部は高齢者や体の不自由な人でも操作し易いように開口３１ａを有する舌片３２ａよりなる。また、前記温調ハンドル１４の操作部は高齢者や体の不自由な人でも操作し易いように開口３１ａを有する舌片３２ａよりなる。開口３１ａは人の指が挿入できる程度の大きさに設定されている。
【００１７】
水導入流路を兼ねる前記継手１７は、水導入流路の分岐流路を形成する分岐部３４を備えている。分岐部３４は不使用時にはめくら栓でカバーされている。また、湯導入流路を兼ねる前記継手１８は、湯導入流路の分岐流路を形成する分岐部３５を備えている。分岐部３５は不使用時にはめくら栓でカバーされている。これら分岐部３４および３５は浴室８の壁９に設けた湯水混合水栓（図示せず）用の水導入管および湯導入管にそれぞれホースを介して接続可能になっている。
【００１８】
図３は、この発明の他の実施の形態を示す。図３において、図１、図２で示した符号と同一のものは同一または相当物である。図３において、柱体７には、上から順に、照明ランプ３９、シャワ・カランの切換および止水・吐水ならびに流量調整用のハンドル１１および温調ハンドル１４、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管が内蔵された上部継手に接続される筒状の柱体取り付け用上部金具１５’、保持具１２、シャワホース接続部２ａ、椅子１３、柱体取り付け用の下部継手に接続される筒状の柱体取り付け用下部金具１６’、カラン６が設けられている。ハンドル１１および１４同士は直角に交差して配置されており、デザイン性に優れている。そして、この実施の形態では、前記バルブ５２が内蔵された胴部５５は前記柱体７の外部に露出しており、一端に温調ハンドル１４が設けられている。なお、下部金具１６’に接続される下部継手に水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵してもよく、また、前記上部継手に湯を導入させる一方、下部継手に水を導入させたり、前記上部継手に水を導入させる一方、下部継手に湯を導入させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】この発明の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図２】上記実施の形態における流路を示す構成説明図である。
【図３】この発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２０】
１ シャワ装置
２ シャワホース
３ シャワヘッド
４ ハンドシャワ
６ カラン
７ 柱体
８ 浴室
９ 壁
９ａ 壁面
１０ 化粧カバー
１０ａ 前面側
１１ 止水・吐水切換ハンドル １２ 保持具
１３ 椅子
１４ 温調ハンドル
ｃ 湯水供給流路
ｄ ハンドシャワ供給流路
ｅ カラン供給流路
【技術分野】
【０００１】
この発明は、シャワ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
本出願人は、上シャワと、複数の吐出部を有するボディシャワと、ハンドシャワとを備えた中空の柱体が、水栓本体上に設置されるか、または、この水栓本体から離れた位置に設置されるよう構成されているシャワ装置を提案している（特願２００３−３０２５４２号明細書・図面参照）。これは、流路切換手段を介して、中空の柱体の内部に設けた上シャワ供給流路、ボディシャワ供給流路、ハンドシャワ供給流路に水栓本体供給流路を連通するだけで、前記柱体を水栓本体から離れた位置に設置でき、使用勝手が良いというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、高齢者や体の不自由な人向きには構成されておらず、高齢者や体の不自由な人が使用するには不向きであるという問題があった。
【０００４】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、高齢者や体の不自由な人にも使用勝手がよく、さらにはデザイン性に優れたシャワ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するために、この発明のシャワ装置は、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられていることを特徴とする（請求項１）。
【０００６】
また、この発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置を提供する（請求項２）。
【発明の効果】
【０００７】
請求項１の発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されており、シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられているので、デザイン性に優れた使用勝手のよいシャワ装置を提供することができる。
【０００８】
請求項２の発明では、シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されており、シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられているので、高齢者や体の不自由な人にも使用勝手がよく、さらにはデザイン性に優れたシャワ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【００１０】
図１、図２は、この発明の一実施の形態を示す。図１において、シャワ装置１は、シャワホース２およびシャワヘッド３を有するハンドシャワ４と、水栓５のカラン（吐水管）６と、湯水混合機構とを主として備えた中空の柱体７が、例えば浴室８の壁面９ａを覆う板状の化粧カバー１０の前面１０ａ側に上下方向に配置され、かつ、壁９に支持された状態で設置されるよう構成されている。シャワ装置１は、図２に示すように、湯配管流路ａおよび水配管流路ｂに連通してなり、湯と水を混ぜた後の湯水供給流路ｃと、上流側において前記湯水供給流路ｃに連通し、下流側においてシャワホース２に連通するハンドシャワ供給流路ｄと、上流側において前記湯水供給流路ｃに連通し、下流側においてカラン（吐水管）６に連通するカラン供給流路ｅの少なくとも三つの供給流路を前記柱体７の内部に有するとともに、カラン供給流路ｅと湯水供給流路ｃを連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路ｄと湯水供給流路ｃを連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備えている。この流路切換手段は、混合水あるいは水の流量調整機能と止水・吐水機能とシャワ・カランいずれかの流路に切換える機能とを有する。前記湯水供給流路ｃ、ハンドシャワ供給流路ｄおよびカラン供給流路ｅは、それぞれ適宜長さの可撓性のホースによって形成されている。また、シャワ装置１には、前記シャワヘッド３の保持具１２が前記柱体７に沿って上下方向にスライドするよう設けられているとともに、折り畳み式の椅子１３が前記柱体７に沿ってスライドするよう設けられている。
【００１１】
さらに、前記柱体７には、上から順に、シャワ・カランの切換および止水・吐水ならびに流量調整用のハンドル１１、水導入管を兼用する筒状の柱体取り付け用上部金具１５、保持具１２、シャワホース接続部２ａ、椅子１３、湯導入管を兼用する筒状の柱体取り付け用下部金具１６、水栓５および湯水混合機構の温調ハンドル１４が設けられている。前記柱体７は、前記両金具１５，１６を介して浴室８の壁９に支持されている。１７は、壁９の裏側に位置する水配管（図示せず）の最下流側に設けた、水導入流路を兼ねる継手で、上部金具１５にねじ結合される。１８は、壁９の裏側に位置する湯配管（図示せず）の最下流側に設けた、湯導入流路を兼ねる継手で、下部金具１６にねじ結合される。なお、継手１８から水を導入させる一方、継手１７から湯を導入させてもよく、また、継手１８に、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵させる一方、継手１７を柱体取り付けのみに使用するようにしてもよく、また、継手１７に、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵させる一方、継手１８を柱体取り付けのみに使用するようにしてもよい。
【００１２】
前記湯水混合機構は、前記両金具１５，１６に導入される配管からの水、湯の導入口５０，５１と、前記水と湯とを所望の温度に混合させるバルブ５２と、混合水の導出口５３とを主として有する胴部５５と、前記ハンドル１１と、前記温調ハンドル１４とよりなる。前記バルブ５２が内蔵された胴部５５は前記柱体７の内部に設けられており、その一端には温調ハンドル１４が連結されている。そして、前記ハンドル１１を吐水状態に操作することにより胴部５５に設けた前記導入口５０，５１と導出口５３とを連通させ、この状態でさらに前記ハンドル１１を操作することにより混合水の流量を調整し、また、温調ハンドル１４を操作することにより前記水と湯とを所望の温度に混合させることができる。前記導出口５３は前記湯水供給流路ｃに連通しており、この湯水供給流路ｃの最下流側にハンドシャワ供給流路ｄとカラン供給流路ｅのいずれかに湯水供給流路ｃを連通させるための流路切換バルブ５６が設けられている。この流路切換動作も前記湯水混合機構の前記ハンドル１１を用いて行われる。前記流路切換バルブ５６も前記柱体７の内部に設けられている。
【００１３】
前記椅子１３は、ねじ機構の係止用操作部材２０を介して柱体７に着脱可能に装着されており、この実施の形態では、平板状の座部（シート）１３ａおよび平板状の背もたれ部１３ｂとが折り畳み可能なようにバネはね上げ式に構成されたヒンジ部１３ｃを有する。そのため、係止用操作部材２０を緩めて椅子１３の高さ調整をした上で係止用操作部材２０を締めることにより、椅子１３に座りながらシャワーを浴びたり、休憩したりできるので、高齢者や体の不自由な人にとっても使用勝手がよい。また、水栓５は、止水・吐水ならびに流量調整用の操作部材２１を操作することによりカラン供給流路ｅに供給される混合水をカラン（吐水管）６から吐水できるように構成されている。すなわち、前記ハンドル１１を予め所望の温度の混合水がカラン供給流路ｅに供給されるように操作しておけば、水栓５不使用時には水栓５を止めておくだけで、使用時には高所に位置する前記ハンドル１１を操作することなく低所にある水栓５を操作するだけで混合水を吐水できるので、高齢者や体の不自由な人にとっても使用勝手がよい。また、座部（シート）１３ａは例えば石鹸やシャンプーの載置台に兼用可能なトレイとして使用できる。また、椅子１３は柱体７から取り外しできるので、柱体７から取り外した椅子１３の代わりに石鹸やシャンプーの載置台に取り替えることもできる。
【００１４】
また、前記シャワヘッド３は、シャワ板部分３ａとグリッブ部分３ｂとがヒンジ２４によって結合されており、シャワヘッド３を保持具１２に保持した状態でシャワ板部分３ａをヒンジ２４の回動軸２４ａ回りに、かつ、壁面９ａに沿う形で回動させることができる。また、保持具１２は、例えば特開２００４−１６２３５２号公報に提案されているようなもので、スライド部材１２ａと、スライド部材１２ａを柱体７に係止させるための係止用操作部材１２ｂと、シャワヘッド３を保持する保持具本体１２ｃとからなり、保持具本体１２ｃとスライド部材１２ａとがヒンジ（図示せず）によって結合されており、保持具本体１２ｃを前記ヒンジの回動軸３０回りに、かつ、壁面９ａに垂直な面に沿う形で回動させることができる。
【００１５】
また、前記化粧カバー１０は、平板状で、縦長に形成されており、上部に継手１７の挿通孔３１を有するとともに、下部に継手１８の挿通孔３２を有する。前記化粧カバー１０によってシャワ装置１はデザイン性に優れ、見栄えがする。
【００１６】
前記ハンドル１１の操作部は高齢者や体の不自由な人でも操作し易いように開口３１ａを有する舌片３２ａよりなる。また、前記温調ハンドル１４の操作部は高齢者や体の不自由な人でも操作し易いように開口３１ａを有する舌片３２ａよりなる。開口３１ａは人の指が挿入できる程度の大きさに設定されている。
【００１７】
水導入流路を兼ねる前記継手１７は、水導入流路の分岐流路を形成する分岐部３４を備えている。分岐部３４は不使用時にはめくら栓でカバーされている。また、湯導入流路を兼ねる前記継手１８は、湯導入流路の分岐流路を形成する分岐部３５を備えている。分岐部３５は不使用時にはめくら栓でカバーされている。これら分岐部３４および３５は浴室８の壁９に設けた湯水混合水栓（図示せず）用の水導入管および湯導入管にそれぞれホースを介して接続可能になっている。
【００１８】
図３は、この発明の他の実施の形態を示す。図３において、図１、図２で示した符号と同一のものは同一または相当物である。図３において、柱体７には、上から順に、照明ランプ３９、シャワ・カランの切換および止水・吐水ならびに流量調整用のハンドル１１および温調ハンドル１４、水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管が内蔵された上部継手に接続される筒状の柱体取り付け用上部金具１５’、保持具１２、シャワホース接続部２ａ、椅子１３、柱体取り付け用の下部継手に接続される筒状の柱体取り付け用下部金具１６’、カラン６が設けられている。ハンドル１１および１４同士は直角に交差して配置されており、デザイン性に優れている。そして、この実施の形態では、前記バルブ５２が内蔵された胴部５５は前記柱体７の外部に露出しており、一端に温調ハンドル１４が設けられている。なお、下部金具１６’に接続される下部継手に水配管および湯配管にそれぞれ連通する水導入管および湯導入管を内蔵してもよく、また、前記上部継手に湯を導入させる一方、下部継手に水を導入させたり、前記上部継手に水を導入させる一方、下部継手に湯を導入させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】この発明の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図２】上記実施の形態における流路を示す構成説明図である。
【図３】この発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２０】
１ シャワ装置
２ シャワホース
３ シャワヘッド
４ ハンドシャワ
６ カラン
７ 柱体
８ 浴室
９ 壁
９ａ 壁面
１０ 化粧カバー
１０ａ 前面側
１１ 止水・吐水切換ハンドル １２ 保持具
１３ 椅子
１４ 温調ハンドル
ｃ 湯水供給流路
ｄ ハンドシャワ供給流路
ｅ カラン供給流路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置。
【請求項２】
シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置。
【請求項１】
シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具が前記柱体に沿ってスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置。
【請求項２】
シャワホースおよびシャワヘッドを有するハンドシャワと、カランと、湯水混合機構とを備えた中空の柱体が、浴室、シャワールーム等の壁面を覆う化粧カバーの前面側に配置され、かつ、壁に支持された状態で設置されるよう構成されているシャワ装置であって、湯水供給流路、この湯水供給流路に連通するハンドシャワ供給流路および湯水供給流路に連通するカラン供給流路の少なくとも三つの供給流路を前記柱体の内部に有するとともに、カラン供給流路と湯水供給流路を連通させる状態と、ハンドシャワ供給流路と湯水供給流路を連通させる状態とに切換可能な流路切換手段を備え、さらに、前記シャワヘッドの保持具および椅子が前記柱体に沿ってそれぞれスライドするよう設けられていることを特徴とするシャワ装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−１７５０６２（Ｐ２００６−１７５０６２Ａ）
【公開日】平成１８年７月６日（２００６．７．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３７２０２４（Ｐ２００４−３７２０２４）
【出願日】平成１６年１２月２２日（２００４．１２．２２）
【出願人】（０００１４４０７２）株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月６日（２００６．７．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１２月２２日（２００４．１２．２２）
【出願人】（０００１４４０７２）株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Ｆターム（参考）】
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