説明

シュープレス用ベルト

【課題】搾水性能に優れたシュープレス用ベルトを提供する。また、排水溝の変形を小さくすることにより、排水溝の排水性能を維持すること。さらに、ランドの中央部上に位置する湿紙部分からも良好に搾水することができ、品質の良い紙を製造すること。
【解決手段】プレスベルト20は、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝21と、隣接する排水溝21間に位置するランド22と、ランド22上に位置してベルト走行方向に沿って延びる補助溝23とを有する。各補助溝23の横断面積は、各排水溝21の横断面積よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製紙工業において、湿紙を加圧脱水処理するために用いられるシュープレス用ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シュープレスとは、プレスベルトの周外部に位置する外部加圧手段としてのプレスロールと、プレスベルトの周内部に位置する内部加圧手段としての加圧シューとの間で、プレスベルトの外周面上に載せたプレス対象物(湿紙)にベルトを介して面圧力をかけ、加圧処理(脱水処理)する方法である。2本のロールでプレスを行なうロールプレスはプレス対象物に線圧力を加えるのに対し、シュープレスでは走行方向に所定の幅を持つ加圧シューを用いることにより、プレス対象物に面圧力を加えることができる。このため、シュープレスによって脱水プレスを行なった場合、ニップ幅を大きくすることができ、脱水効率を高めることができるという利点がある。
【0003】
シュープレスをコンパクトにするため、例えば特開昭61−179359号公報(特許文献1)に開示されるように、内部加圧手段としての加圧シューを、可撓性のある筒状のプレスベルト(プレスジャケット)で覆い、ロール状に組み立てたシュープレスロールが普及している。
【0004】
プレスベルトに対する一般的な要求特性としては、強度、耐摩耗性、可撓性および水、油、ガス等に対する非透過性が挙げられる。プレスベルトには、これらの諸特性を備えた材料として、ウレタンプレポリマーと硬化剤とを反応させて得られるポリウレタンが一般的に使用されている。
【0005】
製紙技術においては、プレスされる湿紙から搾り出された水を運び去るために、プレスベルトの外表面にベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝を設けることが知られている。
【0006】
図1は、従来の典型的な排水溝付きのプレスベルトを示す断面図である。図示するプレスベルト80は、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝81と、隣接する排水溝間に位置しベルト走行方向に沿って延びる多数のランド82とを有する。プレスベルト80のサイズは、一般的に周長が1〜30m、幅が2〜15m、厚みが2〜10mm程度である。
【0007】
図2は、プレス対象物である湿紙84とフェルト83とが、プレスベルト82とプレスロール85との間に挟まれている状態を示している。この状態は、加圧前の状態である。ランド82の上面は平坦な面であり、この平坦な上面がフェルト83に面接触している。
【0008】
図2に示す状態から加圧動作を行なうと、図3に示すようにランド82の上部が下方に押されて横に膨らむ。そのため、排水溝81の開口部の大きさが小さくなり、搾水性能(排水性能)が低下する。加圧変形が繰り返され永久歪が生じた場合、排水溝81は、底が広く、開口部または中央部が狭い状態になるので、排水溝81の中に入り込んだ水を排出しにくくなる。そのため、プレスベルト80が水を含んだままで再度紙に接触するようなこと、いわゆる「水回り」が起こる。そのような現象が生じると、湿紙から搾水をすることができず、紙をさらに湿らせてしまう(再湿)。
【0009】
上記の問題点は、ランドが加圧圧縮されて横に広がり、排水溝の形状を変形させていることに起因するものである。別の問題点もある。この別の問題点を、図4を参照しながら説明する。
【0010】
図4は、プレスベルト80上に、フェルト83および湿紙84が載っている状態を示している。図中矢印で示すように、大部分の領域に位置する湿紙84およびフェルト83内の水は搾水されて排水溝81内に流れ込むが、ランド82の中央部上に位置する領域Aから排水溝81までの距離が長くなるため、この領域A内に位置する湿紙84およびフェルト83からは十分な搾水が行なわれない。このため、湿紙84に水分のムラや繊維の配向ムラが生じ、紙の品質に悪影響を及ぼす場合がある。領域A内でも十分な搾水を行なうために、排水溝81の本数を増やす事も考えられるが、この場合にはランド82の表面積が小さくなりすぎ、荷重が小さな面積に集中するため、図3に示すランド82の加圧変形がより顕著になる。その結果、搾水性が向上しない上に、ランド82自体が強度不足により破損しやすくなる。
【特許文献1】特開昭61−179359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、搾水性能に優れたシュープレス用ベルトを提供することである。
【0012】
この発明の他の目的は、排水溝の変形を小さくすることにより、排水溝の排水性能を良好に維持することのできるシュープレス用ベルトを提供することである。
【0013】
この発明のさらに他の目的は、ランドの中央部上に位置する湿紙部分からも良好に搾水することができ、品質の良い紙を製造することのできるシュープレス用ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に従ったシュープレス用ベルトは、回転走行するエンドレス形状をしており、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝と、隣接する排水溝間に位置する複数のランドと、各ランド上に位置してベルト走行方向に沿って延びる複数の補助溝とを有する。各補助溝の横断面積は、各排水溝の横断面積よりも小さい。
【0015】
この発明の一実施形態では、補助溝は、排水溝の変形を抑制するために、加圧下において変形し易い溝形状を有している。
【0016】
上記の実施形態において、排水溝の幅寸法をA、補助溝の幅寸法をB、ランドの幅寸法をC、排水溝の深さをD、補助溝の深さをEとすると、好ましい寸法関係は、次のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせである。
0.3≦B/A≦0.8
0.15≦B/C≦0.35
0.6≦E/D≦1.4
さらに、上記の実施形態において、排水溝の変形を小さく抑え、補助溝の変形を促進するために、好ましくは、排水溝は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有し、補助溝は、断面角形の底部を有している。
【0017】
この発明の他の実施形態では、補助溝は、排水機能を発揮するために、加圧下においても排水流路を確保し得る形状を有している。
【0018】
上記の実施形態において、排水溝の幅寸法をA、補助溝の幅寸法をB、ランドの幅寸法をC、排水溝の深さをD、補助溝の深さをEとすると、好ましい寸法関係は、次のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせである。
0.4≦B/A≦1
0.15≦B/C≦0.45
0.3≦E/D≦0.8
さらに、上記の実施形態において、排水溝および補助溝の変形を小さく抑えるために、好ましくは、排水溝は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有し、補助溝は、半円形の横断面形状を有している。
【0019】
上記の規定内容の作用効果については、以下の項目中に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本件出願の発明者は、プレスベルトに圧力を加えて、排水溝の変形の様子を観察した。
【0021】
図5は、従来のプレスベルト10を示す断面図である。プレスベルト10の周長は4040mm、全幅寸法は6761mmであった。プレスベルト10は、デュロメータ硬さがA93のポリウレタンからなり、多数の排水溝11と、隣接する排水溝11間に位置するランド12とを有する。排水溝11の幅寸法は、1.0mm、ランド12の幅寸法は2.2mm、排水溝11の深さは1.1mmであった。排水溝11は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有している。
【0022】
図5に示すプレスベルト10に対して上方から6MPaの圧力を加えたところ、図6に示すように、ランド12が押しつぶされて横に広がり、排水溝11の横断面積をかなり小さくした。
【0023】
図7は、この発明の一実施形態に係る製紙用プレスベルト20を示す断面図である。プレスベルト20は、デュロメータ硬さがA93のポリウレタンからなり、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝21と、隣接する排水溝21間に位置する複数のランド22と、各ランド22上に位置してベルト走行方向に沿って延びる補助溝23とを有する。各補助溝23の横断面積は、各排水溝21の横断面積より小さい。
【0024】
図7に示した実施形態のプレスベルト20の補助溝23は、排水溝21の変形を抑制するために、加圧下において変形し易い形状を有している。加圧下において補助溝23が変形してランド22に作用する変形応力を吸収するので、排水溝21の変形を抑制して良好な排水性を維持する。
【0025】
補助溝23を変形し易くするために、各部の寸法的な関係や、溝形状等を考慮する必要がある。図7に示した実施形態においては、排水溝21は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有し、補助溝23は、断面角形の底部を有している。また、排水溝21の幅寸法をA、補助溝23の幅寸法をB、ランド22の幅寸法をC、排水溝21の深さをD、補助溝23の深さをEとすると、それらの値は、以下の通りであった。
【0026】
A=1.0mm
B=0.4mm
C=2.2mm
D=1.1mm
E=1.1mm
排水溝21の幅寸法に対する補助溝23の幅寸法の比率B/Aは、0.4となる。ランド22の幅寸法に対する補助溝23の幅寸法の比率B/Cは0.18となる。排水溝21の深さに対する補助溝23の深さの比率E/Dは1.0となる。
【0027】
図7に示すプレスベルト20に対して上方から6MPaの圧力を加えたところ、図8に示すように、補助溝23が変形してランド22に作用する変形応力を吸収するので、排水溝21の変形を小さくしていることが認められた。従って、図7に示す実施形態に係るプレスベルト20は、排水溝21の変形を抑制して良好な搾水性能を発揮するものとなる。
【0028】
上記の各部の寸法比率を異ならせて多くの加圧テストを行なった結果、補助溝23の変形を促進する実施形態として好ましいB/Aの値は0.3〜0.8の範囲であり、好ましいB/Cの値は0.15〜0.35の範囲であり、好ましいE/Dの値は0.6〜1.4の範囲であると認められた。
【0029】
B/Aの比率が0.3未満であると、補助溝23が加圧初期の段階で塞がってしまい、排水溝21に対する変形抑制効果が劣るようになる。他方、B/Aの比率が0.8を超えると、荷重を受けるランド22の表面積が小さくなりすぎ、荷重が小さな面積に集中してランド22を大きく変形させ、排水溝21も変形させてしまう。
【0030】
B/Cの比率が0.15未満であると、補助溝23の変形による排水溝21に対する変形抑制効果が劣るようになり、他方0.35を超えると荷重を受けるランド22の表面積が小さくなりすぎ、上記と同様の問題が生ずる。
【0031】
排水溝21の深さ方向の全長にわたって排水溝21の変形を抑制するために、補助溝23の深さを排水溝21と深さと同程度にすることが望ましい。この観点から、E/Dのこの好ましい範囲を0.6〜1.4とした。
【0032】
好ましい溝の形状は、次の通りである。すなわち、排水溝21については、加圧下においても比較的大きな開口面積を確保するために、その底部を下方に抉れた断面円弧状にするのが好ましい。補助溝23については、加圧下で容易に変形するようにするために、その底部を断面角形にするのが好ましい。
【0033】
図9は、この発明の他の実施形態に係る製紙用プレスベルト30を示す断面図である。プレスベルト30は、デュロメータ硬さがA93のポリウレタンからなり、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝31と、隣接する排水溝31間に位置する複数のランド32と、各ランド32上に位置してベルト走行方向に沿って延びる補助溝33とを有する。各補助溝33の横断面積は、各排水溝31の横断面積より小さい。
【0034】
図9に示した実施形態のプレスベルト30の補助溝33は、それ自体が排水機能を発揮するために、加圧下においても排水流路を確保し得る形状を有している。加圧下において補助溝33がランド32の中央部上に位置する湿紙およびフェルトから効率的に搾水するので、プレスベルト30全体としての搾水性能が向上する。
【0035】
補助溝33が加圧下においても大きく変形せずに排水流路を確保し得るようにするために、各部の寸法的な関係や、溝形状等を考慮する必要がある。図9に示した実施形態においては、排水溝31は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有し、補助溝33は、半円形の横断面形状を有している。また、排水溝31の幅寸法をA、補助溝33の幅寸法をB、ランド32の幅寸法をC、排水溝31の深さをD、補助溝33の深さをEとすると、それらの値は、以下の通りであった。
【0036】
A=1.0mm
B=0.8mm
C=2.2mm
D=1.1mm
E=0.4mm
排水溝31の幅寸法に対する補助溝33の幅寸法の比率B/Aは、0.8となる。ランド32の幅寸法に対する補助溝33の幅寸法の比率B/Cは0.36となる。排水溝31の深さに対する補助溝33の深さの比率E/Dは0.36となる。
【0037】
図9に示すプレスベルト30に対して上方から6MPaの圧力を加えたところ、図10に示すように、補助溝33の深さが小さくなるが、依然として補助溝33の排水流路が確保されていることが認められた。従って、図9に示す実施形態に係るプレスベルト30は、ランド32のほぼ中央の領域においても良好な搾水性能を発揮するものとなる。
【0038】
上記の各部の寸法比率を異ならせて多くの加圧テストを行なった結果、補助溝33の排水流路を確保する実施形態として好ましいB/Aの値は0.4〜1の範囲であり、好ましいB/Cの値は0.15〜0.45の範囲であり、好ましいE/Dの値は0.3〜0.8の範囲であると認められた。
【0039】
B/Aの比率が0.4未満であると、ランド32の中央領域における搾水性能が不十分となり、1を超えると、ランド32の受圧表面積が小さくなって、ランド32の変形を大きくし、結果的に排水溝31の開口面積もかなり小さくしてしまう。
【0040】
B/Cの比率が0.15未満であると、ランド32の中央領域における搾水性能が不十分となり、0.45を超えると、ランド32の受圧表面積が小さくなって、ランド32の変形を大きくし、結果的に排水溝31の開口面積も小さくしてしまう。
【0041】
補助溝33が加圧下においても排水流路を確保するようにするには、補助溝33が潰れ難い形状を有するようにする必要がある。そのようなことを実現する好ましい補助溝33の形状は、広い幅で浅い溝である。そこで好ましいE/Dの比率は、0.3〜0.8であるが、この比率が0.3未満であると、溝深さが小さすぎて、加圧下で補助溝33が厚み方向に完全に潰れて排水流路を確保できなくなる。他方、上記の比率が0.8を超えると、溝深さが大きすぎて、補助溝33が幅方向に潰れて排水流路を確保できなくなる。
【0042】
好ましい溝の形状は、次の通りである。すなわち、排水溝31については、加圧下においても比較的大きな開口面積を確保するために、その底部を下方に抉れた断面円弧状にするのが好ましい。補助溝33については、加圧下でも変形し難くするために、半円形の横断面形状を有するようにするのが好ましい。
【0043】
図7および図8に示した実施形態は、補助溝23を積極的に変形させることによってランド22に作用する変形応力を吸収し、排水溝21に対する変形を抑制することを狙ったものである。図9および図10に示した実施形態は、加圧下においても補助溝33が潰れないようにして補助溝33に排水機能を付加することを狙ったものである。
【0044】
図11および図12に示した実施形態は、補助溝を変形させて排水溝の変形を抑制しつつ、補助溝自体にも排水機能を付加することを狙ったものである。
【0045】
図11および図12に示すプレスベルト40は、デュロメータ硬さがA93のポリウレタンからなり、ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝41と、隣接する排水溝41間に位置する複数のランド42と、各ランド42上に位置してベルト走行方向に沿って延びる補助溝43とを有する。各補助溝43の横断面積は、各排水溝41の横断面積より小さい。
【0046】
補助溝43を変形し易くし、なおかつ補助溝43に排水機能を付加するために、各部の寸法的な関係や、溝形状等を考慮する必要がある。図11に示した実施形態においては、排水溝41は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有し、補助溝43も、下方に抉れた断面円弧状の底部を有している。また、排水溝41の幅寸法をA、補助溝43の幅寸法をB、ランド42の幅寸法をC、排水溝41の深さをD、補助溝43の深さをEとすると、それらの値は、以下の通りであった。
【0047】
A=1.0mm
B=0.6mm
C=2.2mm
D=1.1mm
E=0.8mm
排水溝41の幅寸法に対する補助溝43の幅寸法の比率B/Aは、0.6となる。ランド42の幅寸法に対する補助溝43の幅寸法の比率B/Cは0.27となる。排水溝41の深さに対する補助溝43の深さの比率E/Dは0.73となる。
【0048】
図11に示すプレスベルト40に対して上方から6MPaの圧力を加えたところ、図12に示すように、補助溝43が変形してランド42に作用する変形応力を吸収するので、排水溝41の変形を小さくしていることが認められた。さらに、変形後の補助溝43は、依然として排水流路を確保した形状を維持しているので、良好な排水機能を有していることが認められた。なお、図11に示すプレスベルトは、補助溝43が断面円弧状の底部を有しているので、図7に示すプレスベルトと比較した場合に補助溝43の底にクラックが発生する危険を回避できる。
【0049】
この発明によるプレスベルトは、図7、図9および図11に示すように各ランド22、32および42にそれぞれ1つの補助溝23、33、43を設ける形態に限定されない。例えば隣り合うランド1つおきに補助溝を設けたり、1つのランドに複数の補助溝を設けたり、さらには異なる形状の補助溝を組み合わせて設けても構わない。排水溝の形状は、底部が断面円弧状である形以外に、断面角形、その他公知のいずれの形状でも良い。
【0050】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明は、搾水性能に優れた製紙用プレスベルトとして有利に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】排水溝を持つ従来の製紙用プレスベルトを示す断面図である。
【図2】従来のプレスベルトの加圧直前状態を示す断面図である。
【図3】従来のプレスベルトの加圧状態を示す断面図である。
【図4】従来のプレスベルトの搾水の様子を示す図解図である。
【図5】従来のプレスベルトの加圧前の状態を示す図解的断面図である。
【図6】図5に示したプレスベルトの加圧状態を示す図解的断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るプレスベルトの図解的断面図である。
【図8】図7に示したプレスベルトの加圧状態を示す図解的断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るプレスベルトの図解的断面図である。
【図10】図9に示したプレスベルトの加圧状態を示す図解的断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係るプレスベルトの図解的断面図である。
【図12】図11に示したプレスベルトの加圧状態を示す図解的断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 プレスベルト、11 排水溝、12 ランド、20 プレスベルト、21 排水溝、22 ランド、23 補助溝、30 プレスベルト、31 排水溝、32 ランド、33 補助溝、40 プレスベルト、41 排水溝、42 ランド、43 補助溝、80 プレスベルト、81 排水溝、82 ランド、83 フェルト、84 湿紙、85 プレスロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転走行するエンドレス形状の製紙用プレスベルトであって、
ベルト走行方向に沿って延びる多数の排水溝と、
隣接する前記排水溝間に位置するランドと、
前記ランド上に位置してベルト走行方向に沿って延びる補助溝とを有し、
前記各補助溝の横断面積は、前記各排水溝の横断面積よりも小さい、シュープレス用ベルト。
【請求項2】
前記補助溝は、前記排水溝の変形を抑制するために、加圧下において変形し易い溝形状を有している、請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項3】
前記排水溝の幅寸法をAとし、前記補助溝の幅寸法をBとすると、
0.3≦B/A≦0.8
の関係が成り立つ、請求項2に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項4】
前記補助溝の幅寸法をBとし、前記ランドの幅寸法をCとすると、
0.15≦B/C≦0.35
の関係が成り立つ、請求項2または3に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項5】
前記排水溝の深さをDとし、前記補助溝の深さをEとすると、
0.6≦E/D≦1.4
の関係が成り立つ、請求項2〜4のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
【請求項6】
前記補助溝は、断面角形の底部を有している、請求項2〜5のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
【請求項7】
前記補助溝は、排水機能を発揮するために、加圧下においても排水流路を確保し得る形状を有している、請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項8】
前記排水溝の幅寸法をAとし、前記補助溝の幅寸法をBとすると、
0.4≦B/A≦1
の関係が成り立つ、請求項7に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項9】
前記補助溝の幅寸法をBとし、前記ランドの幅寸法をCとすると、
0.15≦B/C≦0.45
の関係が成り立つ、請求項7または8に記載のシュープレス用ベルト。
【請求項10】
前記排水溝の深さをDとし、前記補助溝の深さをEとすると、
0.3≦E/D≦0.8
の関係が成り立つ、請求項7〜9のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
【請求項11】
前記補助溝は、半円形の横断面形状を有している、請求項7〜10のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
【請求項12】
前記補助溝は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有する、請求項1〜5、7〜10のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
【請求項13】
前記排水溝は、下方に抉れた断面円弧状の底部を有する、請求項1〜12のいずれかに記載のシュープレス用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−156779(P2008−156779A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346671(P2006−346671)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】