説明

ショーツ状生理用品

【課題】ショーツとガードルとの間に装着して使用するものであって、月経血が表着に漏泄することを完全に防止するショーツ状生理用品を提供することを目的とする。
【解決手段】着用者の腹部を被覆する長方形状の腹部帯2と、該腹部帯2の下端縁2bから垂下し、前記腹部帯2の横方向中央部から二股に分離する筒形状の脚周り部6と、着用者の腰部に嵌着するウエスト開口部3の後半周部32と脇部8とに連設された臀部4と、該脚周り部6の裾部6aから、前記臀部4の脇部8に連設されない端辺4aまで開口する一対のレッグ開口部5と、からなるサニタリーショーツとガードルの間に着用する液不透過性不織布製のショーツ状生理用品であって、前記ウエスト開口部3の少なくとも後半周部32に弾性部材7が張設され、前記レッグ開口部5は、着用時に少なくとも太もも内側被覆部分6bがガードルの股繰り部により太もも内側に密着されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーツとガードルとの間に装着して使用するショーツ状生理用品に関し、更に詳しくは、ガードルの股部開口からガードル外部に脚周り部を引き出して着用するショーツ状生理用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より月経血を吸収する生理用品は、シート状吸収体のナプキンと、膣内に挿入して使用するタンポンとがある。
ナプキンは、裏面の粘着テープでショーツの内股部分に装着させ、月経血を受け止めて吸収させるものである。ナプキンの底部にはポリエチレン等の不透過水性材料を備えられており、経血がショーツに染み出さない構造となっている。
ナプキンの形状は一般的に、略長方形状のものと、長さ方向に対して直交する一対以上のウイング部が本体部分の側縁に設けられた所謂ウイング付形状のものとがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
又、タンポンは、棒状の吸収体を膣内に直接挿入し、経血を吸収させて体外に取り出す仕組みとなっている。
【0004】
【特許文献1】特許第3418331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の生理用品には、以下のような問題がある。
ナプキンは、たとえしっかりとショーツに装着できていたとしても、使用者の体位変化が大きい場合等にズレが生じ、経血がナプキンからはみ出して下着を汚してしまうことがある。
他方、タンポンは経血を膣内で吸収するため、経血が出る瞬間の不快感は少ないものの、未婚の女性には不向きであることが多い。又、タンポンを挿入する動作には慣れが必要であり、うまく装着できなかったり、心理的な抵抗感があったり等、使用できない人も少なくない。
【0006】
又、上記何れの生理用品を使用するにしても、ショーツの股部分の面積は、脚の動作を妨げないようにとの配慮から総じて小さいものとなっている。従って、特に経血量が多い使用者や、長時間の会議・旅行中等で適時の交換ができない場合には、経血が生理用品では吸収しきれずに下着へ漏れ、さらにスカートやズボン等の表着にまで及ぶことさえある。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明は、ショーツとガードルとの間に装着して使用するものであって、月経血が表着に漏泄することを完全に防止するショーツ状生理用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく、本発明は以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係るショーツ状生理用品は、着用者の腹部を被覆する長方形状の腹部帯と、該腹部帯の下端縁から垂下し、前記腹部帯の横方向中央部から二股に分離する筒形状の脚周り部と、着用者の腰部に嵌着するウエスト開口部の後半周部と脇部とに連設された臀部と、該脚周り部の裾部から、前記臀部の脇部に連設されない端辺まで開口する一対のレッグ開口部と、からなるサニタリーショーツとガードルの間に着用する液不透過性不織布製のショーツ状生理用品であって、前記ウエスト開口部の少なくとも後半周部に弾性部材が張設され、前記レッグ開口部は、着用時に少なくとも太もも内側被覆部分がガードルの股繰り部により太もも内側に密着されることを特徴とする。
【0009】
(2)請求項2に係るショーツ状生理用品は、請求項1に記載のショーツ状生理用品であって、前記レッグ開口部が、前記腹部帯の横方向長さの1/2〜1/3の股下丈を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のショーツ状生理用品によれば、以下の効果を奏する。
(1)本発明品の上に着用するガードルの股繰り部によって、脚周り部の太もも内側被覆部分が使用者の太もも付け根部に密着・圧接される。そのため、該脚周り部に弾性部材等を設ける必要がなく、表着のシルエットに影響を及ぼさない。
【0011】
(2)更に、サニタリーショーツで吸収しきれなかった経血が使用者の内股部分に漏れた場合に、使用者の内股部分を本発明に係るショーツ状生理用品の太もも内側被覆部分の液不透過性不織布が被覆することにより、ガードルや表着に漏泄することがない。
従って、月経血量が多い女性や、旅行中等で適時にナプキン等の生理用品の交換ができない場合などであっても、表着が経血で汚れる心配がないので、表着の臀部を絶えず気にするという月経時のストレスから使用者を解放することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明に係るショーツ状生理用品の実施形態を展開した状態を示す図であり、図2は本発明に係るショーツ状生理用品の実施形態を示す斜視図である。また図3は図2におけるX−X’断面図である。図4は、本発明に係るショーツ状生理用品の接合一過程を示す概略説明図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のショーツ状生理用品は、本体1と、長方形状の腹部帯2の2つの部材を接合して成り、サニタリー用のショーツとガードルとの間に着用するものである。
後記する製造方法にて詳述するが、腹部帯2は縫い代を外側にして本体1に一体的に接合されて着用者の腹部を被覆し、図2に示すようにショーツ状の生理用品を形成する。
図2及び図3に示すように、本実施形態のショーツ状生理用品は、腹部帯2と、ウエスト開口部3と、臀部4と、レッグ開口部5を有する脚周り部6とを具備する。
【0014】
前記腹部帯2は、着用時に着用者の腹部に位置し、横長の長方形状を呈する。該腹部帯2の上端2aは、着用者の腰部に嵌着するウエスト開口部3の前半周部31を構成する。
前記脚周り部6は、着用者の股周り部分を被覆するべく前記腹部帯2の下端縁2bに接合され、着用者の太もも内側部は、少なくとも使用者の太もも内側部分を被覆するに充分な丈長さを有して垂下する、前記腹部帯2の横方向中央部から二股に分離する略円筒形状の筒状体である。
更に、前記脚周り部6は、着用者の太もも内側被覆部6bから略円弧を描いてせり上がり、脇部8にて縦断面略洋梨形状の臀部4の左右端辺4aに接合される。
前記臀部4は、前記脚周り部6の両裾部6aをウエスト開口部3の後半周部32まで連設して山折り状に折り返され、かつ前記腹部帯2の両短辺l、l’に左右の端辺4aを各々接合して構成され、着用者の臀部を被覆する。
前記脚周り部6には、その裾部6aが臀部4の脇部8に接合しない左右の端辺4aに開口するレッグ開口部5が形成される。
【0015】
ウエスト開口部3は、着用した時に前部となる前半周部31と、着用した時に背部となる後半周部32とから成り、該後半周部32には、ウエスト開口部2の後ろ身ごろ域を弾性化するため、後半周部32の外周縁に沿いながら弾性部材7が予め伸張された状態で張設されている。
前記弾性部材7は、通常のショーツと同様にウエスト開口部3の全周に亘って設けられても構わないが、本実施例のように、少なくとも後ろ身ごろ域のみに張設されることによっても、着用者が本発明品を着用後にガードルを着用するまでの間、本生理用品がヒップからずり落ちるのを防止する機能を果たすことが可能である。
このように、弾性部材7は、必ずしもウエスト開口部の全周に亘って設けられる必要はないが、本生理用品がヒップからずり落ちるのを防止する観点では、該弾性部材7は、前身ごろ域に設けるよりは、後ろ身ごろ域に設けられる方が好適である。
【0016】
また、このように弾性部材をウエスト開口部全周に亘って設けない利点は、女性の月経時における体調不調に深く配慮されたものと関連している。
即ち、月経の周期に伴って女性は体温変化が生じているのであり、月経直前時期から月経数日間は体温が通常より高い、所謂高体温期にあたる。この体温上昇と月経出血による貧血症状等により、普段は感じない吐き気や目眩等の体調不良を感じる女性が多く、そのような体調不良時には衣服による体の締め付けが、良好な血行を妨げる一因となる。ところが、外部に経血を漏らさないために、流通している生理用品は、体に益々密着し、体を締め付けるものが多くなっているのである。
本発明者は女性の月経時における上述のような不快感を軽減すべく、生理用品による体の締め付けを可能な限り排除した。従って、子宮とその周囲を締め付ける前身ごろには、弾性部材7を設けないこととした。
【0017】
又、本発明に係る生理用品の従来ショーツとの大きな相違点の一つは、レッグ開口部5に弾性部材を有していない点である。
通常のショーツやサニタリーショーツ、ガードル等は、ウエスト部とレッグ開口部の両部に弾性部材が張設されているのが当然である。
然しながら、薄い色のスカートや、体にフィットした形状のズボンを表着として着用している場合等には、該表着に下着と肌との境界線が映り込むことが多く、女性にとって大きな悩みとなっている現状を鑑みれば、レッグ開口部5に弾性部材を具備するのは該レッグ開口部が嵩張る第一要因となり、好ましくない。
ところが本発明品においては、レッグ開口部5を有する脚周り部6を、ガードルの脚繰り部の弾性力によって、着用者の内股部分に密着させて着用するに充分な丈長さを有して構成されている。従って、レッグ開口部5に弾性部材を備えていなくても、本発明品の上に着用するガードルの脚繰り部に備えられている弾性部材によって、脚周り部6が着用者の脚に密着し、月経血が表着に及んで漏れることはない。
【0018】
ここで本発明に係るショーツ状生理用品の脚周り部6の丈長さについて詳述すれば、該脚周り部6は、少なくとも着用者の太もも内側部分を被覆して着用するに必要かつ充分な丈長さを有している。
このような丈長さとは、例えば太もも付け根部から膝までの内股長さの1/4〜3/4程度の丈長さが好適である。短すぎると、着用者が走った場合等の脚付け根部の変位が大きい場合に、漏れだした経血が太もも内側被覆部6bからはみ出して、ガードルを汚す要因となる。
具体的には、腹部帯2横長さLの1/2〜1/3程度の股下丈が選択される。
【0019】
更に、前記脚周り部6の裾6aは、前述したように、脇部8にかけて略円弧状にせり上がる形状を成している。これは、脇部分には経血の漏れ出る心配が無いためであり、ガードルの中でもたつく要因となる余分な布地を付加しない工夫である。
又、裾6aの脇部8にかけてせり上がる形状は、略円弧形状に限られたものではなく、脇部8の長さが内股部分6bの長さに比して短いように形成されれば、本旨を逸脱しないものでとなる。
【0020】
ここで、本発明品の上に着用するガードルとは、着用者の腹部から腰部にかけての体形を整えることを主な目的とする女性用の下着を指し、所謂ロングガードルのように太もも全体を覆う程度の脚周り部丈を有するものや、股上丈が短い所謂ローライズ型のガードルも含まれる。特にローライズ型では、ガードルのウエスト部より本発明品のウエスト開口部3を引き出して着用すれば、特に支障なく本発明品を使用可能である。
本発明品の太もも内側被覆部6bは、股下普通丈のガードルより長く形成されているので、上に着用するガードルとしてはロングガードルを選択すると、該被覆部6bが外部に露出しないので、外観上好適である。
しかし、股下が普通丈のガードルであっても、被覆部6bをガードルも股繰り開口から外部に引き出して着用することによって、該被覆部6bを着用者の内股部に密着させることが可能である。従ってガードルの種類は、着用者の好みに応じて適宜選択可能である。
【0021】
更に、本発明品における脚周り部6には、接合部がないよう構成されている点にも大きな特長を有する。
接合部はそれ自体布地が嵩張る部分となるので、前述同様に、表着に映り込む要因となって好ましくないばかりか、該接合部の微細な穴から経血が漏れる場合がある。
本発明者はいかなる状況にあっても表着に経血を全く漏らさないような生理用品を開発するべく鋭意研究を重ね、経血の漏れが圧倒的に多い事例となる太もも付け根部からの漏れを防ぐことに着目した。その結果、脚周り部6に全く接合部がない本生理用品を発明するに至ったものである。
【0022】
次に本生理用品の素材について説明する。
本生理用品は、下着から漏れ出した経血をとにかく表着に漏らさないために着用するものであるから、液不透過性の素材を用いることが要件となる。また、“空気を通して水を通さない、さらさらエアスルー”のキャッチフレーズで購入者の支持を集めた赤ちゃん用オムツの素材であるところの、ポリオレフィン系樹脂の連続繊維群からなる不織布を用いれば、柔らかさを持ちながら通気性を有するので、湿気がこもって蒸れることがなく、好適な素材の一例としてあげられる。
詳述すれば、ポリプロピレン繊維からなるスパンボンド不織布、スパンボンド層とメルトブローン層からなる不織布、ポリプロピレン及びポリエチレンからなるスパンボンド不織布等がある。
こられの不織布は高強度で、且つ比較的安価であって、小さく折りたたんで携帯するにも適している点から、本生理用品が経血で汚れる毎に使い捨てて使用する使用者にとっては好適な素材である。
付言すれば、上述不織布を脚周り部のみならず臀部4にも用いることにより、使用者が体を横たえた体勢となった場合にも、所謂伝い漏れを防ぐことができるので、好適である。
【0023】
ここで使用者が本発明に係るショーツ状生理用品を着用する際の概略手順を説明する。
使用者は通常のナプキンやタンポン等の生理用品を装着したサニタリーショーツを着用した上で、本発明品の両レッグ開口部5に脚9を片脚ずつ貫通させ、その後ウエスト開口部3或いは脇部8を掴み、ウエスト開口部3の周方向に力を加えて弾性部材7を伸張させながら、かつ腰まで引き上げて着用する。そして、更に本発明品の上からガードルを着用する。
使用者がロングガードルを着用する場合には、該ロングガードルを着用後、ガードルのウエスト開口から太もも内側部分に手を挿し入れ、本発明品の太もも内側被覆部6bを使用者の内股に添わせて密着させ、更に内股から外股に向かって太ももをなぞるように脚周り部6を伸ばして形を整え、該脚周り部6がガードル内で皺を生じないようにする。
又、使用者が股下普通丈のガードルを着用する場合には、本発明品の脚周り部6の全周をガードルの股開口部分から引き出して、該脚周り部6がガードルのレッグ開口部分におけるゴム等の弾性部材によって、使用者の太もも付け根部に密着されるようにする。
【0024】
本発明に係るショーツ状生理用品は上述のようにして着用されるものであるから、ウエスト開口部2の全周に亘って弾性部材7が設けられていなくても、本発明品の上から着用するガードルのウエスト部によって押さえられることができるため、着用時に腹部が圧迫されるのを防止できる上、着用中に臀部からずり落ちる心配がない。
又、ガードルのレッグ開口部の弾性部材によって脚周り部6が使用者の太もも付け根部に密着・圧接されるので、該脚周り部6に弾性部材等を設ける必要がなく、表着のシルエットに影響を及ぼさない。
更に、液不透過性の生地を使用した本発明品によって、使用者の臀部がサニタリーショーツの上からその全体を被覆される構造となるので、サニタリーショーツで吸収しきれなかった経血がガードルや表着に漏泄することがない。
従って、月経血量が多い女性や、旅行中等で適時にナプキン等の生理用品の交換ができない場合などであっても、表着が経血で汚れる心配がないので、表着の臀部を絶えず気にするという月経時のストレスから使用者を解放することができる。
【0025】
次に、図1を用いて、本発明に係るショーツ状生理用品の製造方法について説明する。
[工程ア:本体1の成形]
本体1は、中心線Cに対して左右対称な逆釣鐘形状を成し、頂点Aから中央線C上の基点Oまで、該中央線Cにて二分断される。
頂点Aと基点Oまでの長さは、長方形状の腹部帯2における長辺長さLの1/2を有する。
【0026】
[工程イ:本体1と腹部帯2の接合]
次に、成形された本体1と、腹部帯2とを接合する。腹部帯2は、長方形状であって、その長辺は長さLを有している。
本体1の2つの頂点A、A’を各々両側辺S側に開いて谷折り状態に折り返し、基点Oを中心点とする一線分AOA’を形成する(図4参照)。
距離OAと距離OA’は何れも長さ1/2Lを有するから、線分AOA’は長さLを有することとなり、腹部帯2の長辺長さLと一致する。
2つの頂点A、A’と腹部帯2の下端上の両端点E、E’とを重ね合わせ、且つ縫い代が外側に出るように、直線AOA’に沿って接合する。このように縫い代を外にして接合すると、接合部が外側に出ることとなり、本発明の生理用品を着用の上からガードルを着用した際に、接合部が体を圧迫することを軽減することができる。接合部を外側に出すことは、縫い代を内側にした通常の衣類と比して外観は劣るが、縫い代のごわつき感がないため新生児の衣服等に用いられる手法である。
【0027】
[工程ウ:弾性部材7の張設]
本体1の底辺Bは、接合完成時にウエスト開口部3の後半周部32を構成する部位に該当する。底辺Bに沿って所定強度の弾性部材7を予め伸張した状態で張設する。このとき、弾性部材が収縮状態した時の底辺Bの長さb’が、伸張状態の底辺長さbの概ね1/3程度となるように、弾性部材7を伸張させて配設するのが好適である。この程度の伸張度を有すれば、ガードルを着用するまでの間に本発明品が使用者の臀部からずり落ちるのを防止するに概ね十分である。
弾性部材7を過度に伸張させれば、収縮したときにウエスト開口部3の周長を必要以上に短くさせ、使用者が本発明品を着用するのに苦労する結果となるばかりか、腹部に無用な圧迫を加えることとなって好ましくない。
反対に、弾性部材7がほとんど伸張されない状態であると、ガードルを着用する間本発明品が使用者の臀部にあるのを維持することが難しい。
【0028】
尚、本実施例の弾性部材7に替えて、使い捨てオムツ等に用いられるサイド粘着テープ等を使用することも可能である。しかしながら、トイレにて使用者が血液の漏れを調べたときに、経血が本発明品まで及んでいなかった場合がある。その際には、使い捨てることなく再び着用するに充分な素材強度を本発明品は有しているので、粘着テープは再着用に不向きであり、ゴム等の弾性部材の方が繰り返しの使用に適しているといえる。
【0029】
尚、弾性部材7の張設は、前述工程イより先に行われても、何ら不都合は生じない。
【0030】
[工程エ:脇部の接合]
最後に、腹部帯2の接合されていない左右両端点e、e’と、本体1底辺Bの両端点321、321’とを各々突き合わせ、工程イの接合と同様に縫い代が外側になるように腹部帯2の左右両短端l、l’と本体1の側辺S、S’とを接合し、脇部8を形成する。
その際、図2に示すように、腹部帯の短辺l、l’から長さΔlだけ長く接合することとする。前記工程イにおいて本体1と腹部帯2を接合した際に生じた縫い代の端部を、本工程にて固定するためである。
【0031】
本発明に係るショーツ状生理用品の製造方法は上記の通りであるから、接合箇所も従来のサニタリーショーツやガードル等に比して少なく、製造効率が非常によいばかりか、従来経血の漏れが圧倒的に多かった脚周り部6に接合箇所がないため、接合部分からの血液漏れがない。更には、脚周り部6に接合箇所と弾性部材がないことによって、表着へのシルエットに影響を及ぼす心配が全く生じない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るショーツ状生理用品の実施形態を示す展開図である。
【図2】本発明に係るショーツ状生理用品の実施形態を示す斜視図である。
【図3】図2におけるX−X’断面図である。
【図4】本発明に係るショーツ状生理用品の接合一過程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0033】
2 腹部帯
2b 下端縁
3 ウエスト開口部
32 後半周部
4 臀部
4a 端辺
5 レッグ開口部
6 脚周り部
6a 裾部
6b 太もも内側被覆部
7 弾性部材
8 脇部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹部を被覆する長方形状の腹部帯と、
該腹部帯の下端縁から垂下し、前記腹部帯の横方向中央部から二股に分離する筒形状の脚周り部と、
着用者の腰部に嵌着するウエスト開口部の後半周部と脇部とに連設された臀部と、
該脚周り部の裾部から、前記臀部の脇部に連設されない端辺まで開口する一対のレッグ開口部と、
からなるサニタリーショーツとガードルの間に着用する液不透過性不織布製のショーツ状生理用品であって、
前記ウエスト開口部の少なくとも後半周部に弾性部材が張設され、
前記レッグ開口部は、着用時に少なくとも太もも内側被覆部分がガードルの股繰り部により太もも内側に密着されることを特徴とする、ショーツ状生理用品。
【請求項2】
前記レッグ開口部が、前記腹部帯の横方向長さの1/2〜1/3の股下丈を有することを特徴とする、請求項1に記載のショーツ状生理用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−2036(P2008−2036A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174854(P2006−174854)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(506219878)
【Fターム(参考)】