説明

シランと、任意選択により場合によっては官能化されていてもよいジエンゴムと、マイクロゲルとを含有するゴム混合物、その製造方法およびその使用

本発明は、シランと、場合により官能化されていてもよいジエンゴムと、マイクロゲルとを含有するゴム混合物、その製造方法、ならびに高耐摩耗性を有する、湿潤滑り抵抗および低転がり抵抗性の自動車タイヤトレッドを製造するためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意選択で官能化されていてもよいジエンゴムとマイクロゲルとを備えたシラン含有ゴム混合物、高耐摩耗性を有し、湿潤滑り抵抗および低転がり抵抗性の自動車タイヤトレッドを製造するためのその使用、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤトレッドに望まれる重要な特性は、乾燥および湿潤表面に対する良好な密着性と、高耐摩耗性である。転がり抵抗と耐摩耗性を同時に損なうことなく、滑り抵抗を向上させることは非常に難しい。低転がり抵抗は、低燃料消費にとって重要であり、高耐摩耗性は、タイヤの長寿命にとって決定的な因子である。
【0003】
タイヤトレッドの湿潤滑り抵抗と転がり抵抗は、その混合物を製造するのに用いるゴムの動的機械特性に大きく左右される。転がり抵抗を下げるには、比較的高温(60℃〜100℃)で高反発弾性を備えたゴムをタイヤトレッドに用いる。一方、低温(0〜23℃)で高減衰係数、あるいは、0℃〜23℃の範囲で低反発弾性を備えたゴムは、それぞれ、湿潤滑り抵抗を向上させるのに有利である。この複雑な特性プロファイルを達成するためには、様々なゴムで構成された混合物をタイヤトレッドに用いる。通常の方法では、比較的高いガラス転移温度をもつ1つ以上のゴム、例えば、スチレン−ブタジエンゴムと、比較的低いガラス転移温度をもつ1つ以上のゴム、例えば、それぞれ、高い1,4−シス含量のポリブタジエン、低いスチレン含量および非常に低いビニル含量のスチレン−ブタジエンゴム、または中程度の1,4−シス含量および低いビニル含量を有し、溶液中で生成されたポリブタジエンとで構成された混合物を用いる。
【0004】
二重結合を含みアニオン重合された溶液ゴム、例えば、溶液ポリブタジエンおよび溶液スチレン−ブタジエンゴムは、低い転がり抵抗のタイヤトレッドの製造のために、対応するエマルションゴムより有利である。特に、ビニル含量およびそれと関連するガラス転移温度および分子分岐を制御できることが有利である。実用においては、タイヤの湿潤滑り抵抗と転がり抵抗との関係を特に有利なものにする。一例を挙げると、(特許文献1)には、溶液SBRおよびシリカからのタイヤトレッドの製造が記載されている。特性をさらに向上させるために、末端基修飾の数多くの方法が開発されてきている。例えば、(特許文献2)には、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを用いるものが、または(特許文献3)には、シリルエーテルを用いるものが記載されている。しかしながら、ゴムが高分子量であるため、質量基準での末端基の割合は小さく、従って末端基はフィラーとゴム分子間の相互作用に僅かな影響しか与えることができない。(特許文献4)には、1,2−結合ジエン含量(ビニル含量)が60%以下のビニル芳香族およびジエンから構成された比較的高官能化されたカルボキシル化コポリマーが開示されている。(特許文献5)には、ジエンおよび官能化されたビニル芳香族モノマーから構成されたコポリマーが記載されている。これらのコポリマーの欠点は、それらの官能化されたビニル芳香族モノマーの合成が複雑であること、そして、官能基の選択が極めて限定されていることである。なぜなら、用いることができる官能基は、アニオン重合プロセス中に、開始剤とのいかなる反応にも関与しないもののみだからである。特に、ゴム混合物中のフィラーと水素結合が形成可能であり、それによりゴム混合物中のフィラーと特に有利に相互作用が可能な水素原子を有する官能基を、アニオン重合かチーグラー・ナッタ重合のいずれかによってポリマーに組み込むことはできない。
【0005】
文献には、タイヤの転がり抵抗を低減するための様々な手段が開示されており、その1つは、C=C二重結合を含むゴムで構成されたタイヤトレッド中に、ポリクロロプレンゲル((特許文献6))およびポリブタジエンゲル((特許文献7))を用いるものである。高いゴム価格、ポリクロロプレンが高密度であること、及び使用済みタイヤの再生プロセス中に塩素含有成分から予期される環境上の欠点による不利な点が、ポリクロロプレンゲルの使用には存在する。独国特許出願公開第A−4220563号明細書によるポリブタジエンゲルは、このような欠点を示してはいないが、動的減衰が、低温(−20〜+20℃)ばかりでなく、比較的高温(40〜80℃)でも減少し、実際には、このことは転がり抵抗における利点につながるが、タイヤの湿潤滑り性能には不利となる。(特許文献8)による硫黄架橋ゴムゲルは何ら補強効果を示さず、したがってこの用途には適していない。
【0006】
対照的に、(特許文献9)に記載されたマイクロゲルを含有する官能化されたゴム混合物(スチレン/ブタジエンゴムゲルを含有)は、本質的に良好な特性プロファイルを有しているが、それでもさらなる最適化が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,227,425号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第A−334042号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第A−447066号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第A−1000971号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0256284A1号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第A−405216号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第A−4220563号明細書
【特許文献8】英国特許第1078400号明細書
【特許文献9】独国特許第102008023885.6号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、先行技術の欠点をもたず、向上された特性プロファイルを有するゴム混合物を提供することが目的であった。
【0009】
意外にも、(A)少なくとも1種のジエンと任意選択で場合によっては1種以上のビニル芳香族モノマーとに基づく繰り返し単位からなるポリマー鎖を有する少なくとも1種の任意選択により官能化されていてもよいジエンゴムと、(B)任意成分として場合によっては、トルエン中での膨潤指数が1〜25で且つ粒径が5〜1000nmのスチレン/ブタジエンゴムゲルと、(C)少なくとも1種の特定のシランと、(D)任意成分として場合により、さらに、ゴム、フィラーおよびゴム助剤とを含む本件発明のゴム混合物が、低温での高動的減衰および比較的高温での低動的減衰を有し、それによって、転がり抵抗ばかりでなく、湿潤滑り性能にも、また、摩耗に関しても利点を与えることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、(A)少なくとも1種のジエンと任意選択で場合により1種以上のビニル芳香族モノマーに基づく繰り返し単位からなるポリマー鎖を有する少なくとも1種の任意選択により官能化されていてもよいジエンゴムと、(B)任意成分として場合によっては、トルエン中での膨潤指数が1〜25で且つ粒径が5〜1000nmのスチレン/ブタジエンゴムゲルと、(C)下記式(I)
【化1】

(式中、R=水素、あるいは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分であり、これは、直鎖状、分岐状、脂肪族、脂環式または芳香族であることができ、且つ任意選択により、さらにヘテロ原子、例えば、酸素、窒素および/または硫黄を含有していてもよい、
=水素またはメチルであり、
Mはスペーサーであり、これは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分を含むことができ、直鎖状、分岐状、脂肪族、脂環式または芳香族であることができ、任意選択で場合により、さらにヘテロ原子、例えば、酸素、窒素および/または硫黄を含有することができ、
n=0〜25であり、
u=0〜25であり、
w=1〜40、好ましくは、2〜20、特に好ましくは、2であり、
かつ、R、Rおよび/またはwは、シラン内で、同一または異なっていてもよい)のシランと、(D)任意選択により場合によっては、さらに、ゴム、フィラーおよびゴム助剤とを含むゴム混合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
任意選択で官能化されていてもよいジエンゴム(A)におけるジエンは、好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、および/または1,3−ヘキサジエンである。1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを用いるのが特に好ましい。
【0012】
本発明の目的にとって好ましいビニル芳香族モノマーは、スチレン、o−、m−および/またはp−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、および/またはジビニルナフタレンである。スチレンを用いるのが特に好ましい。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態においては、任意選択により場合によって官能化されていてもよいジエンゴム(A)は、0〜60質量%、好ましくは、15〜45質量%の含量の共重合したビニル芳香族モノマーおよび40〜100質量%、好ましくは、55〜85質量%の含量のジエンを有し、1,2−結合ジエンの含量(ビニル含量)は、0.5〜95質量%、好ましくは、10〜85質量%であり、共重合したビニル芳香族モノマーとジエンを併せると、合計で100%となる。
【0014】
上記の官能化されたジエンゴム(A)は、40〜100質量%の1,3−ブタジエンおよび0〜60質量%のスチレンで構成されているのが特に好ましく、この場合、結合された官能基および/またはその塩の割合は、ジエンゴム100質量%を基準として、0.02〜5質量%である。
【0015】
官能化されたジエンゴム中の官能基および/またはその塩の例は、カルボキシ、ヒドロキシ、アミン、カルボン酸エステル、カルボキサミド、またはスルホン酸基である。カルボキシまたはヒドロキシ基が好ましい。好ましい塩は、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、亜鉛カルボン酸塩、およびカルボン酸アンモニウム、さらには、アルカリ金属スルホン酸塩、アルカリ土類金属スルホン酸塩、亜鉛スルホン酸塩、およびスルホン酸アンモニウムである。
【0016】
本発明の特に好ましい一実施形態において、(A)は、1,3−ブタジエンおよびスチレンに基づく繰り返し単位から構成され、且つヒドロキシ基および/またはカルボキシ基によって官能化された官能化ジエンゴムである。
【0017】
ここで、ジエンゴム(A)は、ジエンと、任意選択で場合によってはビニル芳香族モノマーとの重合により、溶液中で、従来技術で公知のプロセスにより、製造されるのが好ましい。官能化されたジエンゴム(A)は、例えば、独国特許第102008023885.6号明細書に記載されたとおり、後での官能基導入により、上述した非官能化ゴムから製造される。
【0018】
スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)は、以下のものの架橋によって製造されるマイクロゲルである。
SBR− 0〜100質量%、好ましくは、10〜60質量%のスチレン含量を有するスチレン/ブタジエンコポリマー、および/または
XSBR− スチレン含量0〜99質量%、及び1〜25質量%の共重合極性モノマー含量を有し、極性不飽和モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−アセトキシメチルメタクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートを用いたスチレン/ブタジエンコポリマーおよびグラフトポリマー。
【0019】
スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)については、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、および/またはペンタエリスリトールテトラメタクリレートを極性不飽和モノマーとして含有するXSBR−スチレン/ブタジエンコポリマーおよびグラフトポリマーが特に好ましい。
【0020】
コポリマーという用語の範囲には、2種以上のモノマーで構成されたポリマーが含まれる。
【0021】
例を挙げると、この範囲にはまた、エマルション中で、ブタジエン、スチレン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、およびヒドロキシエチルメタクリレートの共重合によって得られるマイクロゲルも含まれる。
【0022】
この範囲はまた、欧州特許出願公開第A−1935926号明細書に記載されたマイクロゲルも含む。
【0023】
スチレン/ブタジエンゴムゲルの粒径は、5〜1000nm、好ましくは、20〜400nm(DIN53 206によるDVN値)およびトルエン中のその膨潤指数(Q)は、1〜25、好ましくは、1〜20である。膨潤指数は、溶剤含有ゲル(20000rpmで遠心分離後)の質量およびドライゲルの質量から計算される。
ゲルの湿潤質量/ゲルの乾燥質量。
【0024】
膨潤指数を決定するには、例えば、250mgのSBRゲルを、24時間、25mlのトルエン中で振とうさせて膨潤させる。そのゲルを、遠心分離により取り出して秤量し、次に、70℃で一定質量になるまで乾燥してから再び秤量する。
【0025】
好ましい一実施形態において、スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)は、ヒドロキシ基含量が20〜50mgKOH/gのXSBR−スチレン/ブタジエンコポリマーである。スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)のヒドロキシ基含量は、ここでは、DIN53240により、mgKOH/g-ポリマーの単位をもつヒドロキシ価のかたちで、無水酢酸との反応、およびその結果生じる遊離酢酸をKOHで滴定することで測定される。
【0026】
スチレン/ブタジエンゴム出発生成物の製造は、当業者に知られており、エマルション重合により行われるのが好ましい。これについては、例えば、I.Franta,Elastomers and Rubber Compounding Materials,Elesevier,Amsterdam1989,88〜92頁を参照されたい。
【0027】
スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)を与えるゴム出発生成物の架橋は、ラテックス状態でなされ、まず、重合プロセス中に、多官能性モノマーとの共重合により、重合プロセスを高転化率まで続けることによって、あるいは、モノマー供給プロセスにおいては、高内部転化率を用いる重合により行うことができ、あるいは、重合プロセス後に、後架橋により行うことができ、あるいは、その2つのプロセスの組み合わせによって行うこともできる。その他に可能なのは、調節剤、例えば、チオールを存在させた重合による製造である。
【0028】
架橋性多官能化合物との共重合によるスチレン/ブタジエンゴムの架橋において、少なくとも2、好ましくは、2〜4の共重合性C=C二重結合を有する多官能性コモノマー、例えば、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、および/またはトリアリルトリメリテートを用いるのが好ましい。用いることができるその他の化合物の例は、多価、好ましくは、2〜4価のC〜C10アルコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、2〜20、好ましくは、2〜8のオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール)のアクリレートおよびメタクリレート、並びに脂肪族ジ−およびポリオールと、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸とからなる不飽和ポリエステル、である。多官能性化合物の好ましい使用量は、全モノマー混合物を基準にして、0.5〜15質量%、特に、1〜10質量%である。
【0029】
SBRゴムゲルを与えるスチレン/ブタジエンゴムの架橋はまた、ラテックス形態において、架橋性化学物質による後架橋によっても行うことができる。好適な架橋性化学物質の例は、有機過酸化物、例えば、過酸化ジクミル、過酸化tert−ブチルクミル、ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)、tert−ブチルパーベンゾエート、有機アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスシクロヘキサノニトリル、ジ−およびポリメルカプト化合物、例えば、ジメルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,3,5−トリメルカプトトリアジン、またはメルカプト末端ポリスルフィドゴム、例えば、ビスクロロエチルホルマールとナトリウムポリスルフィドのメルカプト末端反応生成物である。後架橋プロセスを行うのに理想的な温度は、架橋剤の反応性に必然的に左右され、室温から約170℃の温度、任意選択により場合によっては昇圧下で行うことができる。これについては、Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie[Methods of organic chemistry],4th Edition,Vol.14/2、848頁を参照されたい。過酸化物が特に好ましい架橋剤である。これについては、例えば、欧州特許出願公開第A−1307504号明細書を参照されたい。
【0030】
ラテックス形態での後架橋プロセス前、プロセス中またはプロセス後の凝集により、粒子を大きくすることも任意選択により可能である。
【0031】
有機溶媒中で製造されたスチレン/ブタジエンゴムはまた、スチレン/ブタジエンゴムゲルの製造のための出発生成物としても機能し得る。この場合は、ゴムの溶液を、任意選択で場合によっては乳化剤を用いて、水中で乳化させて、有機溶媒除去前または後に、好適な架橋剤を用いて、得られたエマルションを続いて架橋させるとよい。上述した架橋剤が好適な架橋剤である。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態において、ゴム全量100質量部を基準として、スチレン/ブタジエンゴムゲル(B)の割合は、1〜100質量部、特に好ましくは、5〜75質量部である。全量という用語の範囲には、官能化されたジエンゴムと、任意選択で存在してもよい上述したゴム類の両方が含まれる。
【0033】
下記一般式(I)を有する化合物が、シラン(C)として好適である。
【化2】

式中、R=水素、あるいは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分であって、これは直鎖状、分岐状、脂肪族、脂環式、または芳香族であることができ、任意選択で、さらにヘテロ原子、例えば、酸素、窒素および/または硫黄を含有していていもよく、
好ましくは、R=C〜C15アルキルであり、
=水素またはメチルであり、
Mはスペーサーであり、これは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分を含有することができ、直鎖状、分岐、脂肪族、脂環式、または芳香族であることができ、任意選択により、さらにヘテロ原子、例えば、酸素、窒素および/または硫黄を含有していてもよく、
n=0〜25、好ましくは、3〜10であり、
u=0〜25であり、
w=1〜40、好ましくは、2〜20、特に好ましくは、2であり、
かつ、R、R、および/またはwは、分子内で、同一または異なることができる。
【0034】
式(II)の化合物がシラン(C)として特に好ましい。
【化3】

この化合物は、これのみで、あるいは任意選択で、上述したまたはその他の市販されているシランとの混合物として用いられる。
【0035】
式(II)のシランを用いる場合、成分(D)の存在下でゴムゲル(B)を存在させた官能化ジエンゴム(A)との組み合わせが好ましい。
【0036】
有利に用いられるシラン(C)の総量は、全てのゴムの100質量部を基準として、0.2phr〜15phrである。式(I)のシランを他の市販のシランと共に用いる場合には、シラン混合物中の式(I)のシランの量は、好ましくは、少なくとも50%である。
【0037】
式(I)のシランは、例えば、国際公開第2007/068555号パンフレットまたは欧州特許出願公開第A−1285926号明細書に記載された先行技術により公知のプロセスにより製造することができる。
【0038】
式(II)のシランは、例えば、Evonik Industries AG/Evonik Degussa GmbH(http://www.degussa−fp.de/fp/de/gesch/gummisilane/default.htm?Product=366も参照されたい)より入手可能な市販の製品である。
【0039】
特に好ましいのは、以下のものからなる組み合わせである。
a)少なくとも1種の非官能化スチレン−ブタジエンゴムと、少なくとも1種のマイクロゲル、および少なくとも1種の式(II)のシラン(本発明の例2参照)、
b)少なくとも1種の官能化されたスチレン−ブタジエンゴムと、少なくとも1種の式(II)のシラン(本発明の例3参照)、または
c)少なくとも1種の官能化されたスチレン−ブタジエンゴムと、少なくとも1種のマイクロゲル、および少なくとも1種の式(II)のシラン(本発明の例4参照)。
【0040】
本発明のゴム混合物はまた、上述した任意選択で官能化されていてもよいジエンゴム(A)およびスチレン/ブタジエンゴムゲル(B)のほかに、その他のゴム、例えば、天然ゴムまたはその他の合成ゴムを成分(D)を含むことができる。この成分が存在する場合、その量は、ゴム混合物中のゴムの全量を基準として、通常、0.5〜85phr、好ましくは、10〜75phrの範囲である。追加で添加されるゴムの量については、本発明のゴム混合物の各用途に応じて異なる。
【0041】
追加のゴムの例は、天然ゴムおよび合成ゴムである。
【0042】
文献から公知の合成ゴムの例を挙げる。これらの範囲には、特に、以下のものが含まれる。
BR−ポリブタジエン
ABR−ブタジエン−C〜Cアルキルアクリレートコポリマー
IR−ポリイソプレン
ESBR−エマルション重合により製造された1〜60質量%、好ましくは、20〜50質量%のスチレン含量を有するスチレン−ブタジエンコポリマー
IIR−イソブチレン−イソプレンコポリマー
NBR−5〜60質量%、好ましくは、10〜40質量%のアクリロニトリル含量を有するブタジエン−アクリロニトリルコポリマー
HNBR−部分水素化または完全水素化されたNBRゴム
EPDM−エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー
および同じく、これらのゴムの混合物。車両用タイヤを製造するための興味ある材料は、特に、天然ゴム、ESBR、溶液SBR、高シス含量(>90%)のポリブタジエンゴム(Ni、Co、Ti、またはNdに基づく触媒を用いて製造されたもの)、80%以下のビニル含量をもつポリブタジエンゴム、並びにこれらの混合物である。
【0043】
本発明によるゴム混合物に用いることができるフィラーには、ゴム工業において用いられる公知のフィラーを全てが含まれる。これらの範囲には、活性フィラーばかりでなく、不活性フィラーも含まれる。
【0044】
挙げることができる例には以下のものがある。
− 例えば、酸によるシリケートからの沈殿、ハロゲン化ケイ素の火炎加水分解により製造される、比表面積(BET表面積)が5〜1000m/g、好ましくは、20〜400m/g、一次粒径が10〜400nmの微粒子シリカ。シリカは、適切な場合、Al、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr、またはTiの酸化物などの他の金属酸化物との混合酸化物の形態をとり得る。
− BET表面積が20〜400m/g、一次粒径が10〜400nmをもつ、合成ケイ酸塩、例えば、ケイ酸アルミニウム、あるいはアルカリ土類金属ケイ酸塩、例えば、ケイ酸マグネシウムまたはケイ酸カルシウム、
− 天然ケイ酸塩、例えば、カオリンおよびその他の天然産生形態のシリカ、
− ガラスファイバーおよびガラスファイバー製品(マット、ストランド)またはガラスマイクロビーズ、
− 金属酸化物、例えば、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、または酸化アルミニウム、
− 金属炭酸塩、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および/または炭酸亜鉛、
− 金属水酸化物、例えば、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム、
− 金属硫酸塩、例えば、硫酸カルシウムまたは硫酸バリウム、
− カーボンブラック。ここで用いるカーボンブラックは、火炎プロセス、チャネルプロセス、炉プロセス、ガスプロセス、サーマルプロセス、アセチレンプロセス、またはアークプロセスにより製造されたものであり、そのBET表面積は、9〜200m/gであり、例えば、SAF、ISAF−LS、ISAF−HM、ISAF−LM、ISAF−HS、CF、SCF、HAF−LS、HAF、HAF−HS、FF−HS、SPF、XCF、FEF−LS、FEF、FEF−HS、GPF−HS、GPF、APF、SRF−LS、SRF−LM、SRF−HS、SRF−HM−およびMTカーボンブラック、またはASTM分類によるN110、N219、N220、N231、N234、N242、N294、N326、N327、N330、N332、N339、N347、N351、N356、N358、N375、N472、N539、N550、N568、N650、N660、N754、N762、N765、N774、N787、およびN990カーボンブラックである。
− ゴムゲル、特に、ポリブタジエンおよび/またはポリクロロプレンに基づき、粒径が5〜1000nmのもの。
【0045】
用いる好ましいフィラーは、微粒子シリカおよび/またはカーボンブラックである。
【0046】
上述したフィラーは、単独または混合物で用いることができる。特に好ましい一実施形態においては、ゴム混合物は、フィラーとして、微粒子シリカなどの淡色フィラーとカーボンブラックとで構成された混合物を含み、淡色フィラー対カーボンブラックの混合比は、0.01:1〜50:1、好ましくは、0.05:1〜20:1である。
【0047】
ここで用いるフィラーの量は、ゴム100質量部を基準として、10〜500質量部の範囲である。20〜200質量部用いることが好ましい。
【0048】
本発明の他の実施形態において、ゴム混合物はまた、ゴム助剤も含み、これは、例えば、ゴム混合物の加工特性を向上させる、あるいはゴム混合物の架橋に役立つ、あるいは本発明のゴム混合物から製造された特定の用途のために本発明のゴム混合物から製造される加硫物の物理特性を向上させる、あるいはゴムとフィラーと間の相互作用を改善する、あるいはゴムをフィラーに対して結合させるために役立つ。
【0049】
ゴム助剤の例は、架橋剤、例えば、硫黄または硫黄−供与体混合物、反応促進剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、抗オゾン剤、加工助剤、可塑剤、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、エクステンダ(増量剤)、有機酸、シラン、遅延剤、金属酸化物、エクステンダ油、例えば、DAE(蒸留芳香族エキストラクト)油、TDAE(処理済み蒸留芳香族エキストラクト)油、MES(軽度抽出溶媒和物)油、RAE(残油芳香族エキストラクト)油、TRAE(処理済み残油芳香族エキストラクト)油、ナフテンおよび重ナフテン油および活性化剤である。
【0050】
ゴム助剤の総量は、ゴム全量100質量部を基準として、1〜300質量部の範囲である。5〜150質量部のゴム助剤を用いるのが好ましい。
【0051】
本発明はまた、本発明のゴム混合物を製造するプロセスも提供し、それによれば、少なくとも1種の任意選択により官能化されていてもよいジエンゴムを、少なくとも1種のスチレン−ブタジエンゴムゲル、式(I)のシラン、任意選択で場合によってはさらなるゴム、フィラーおよびゴム助剤と、上述した量で、20〜220℃の温度で、混合装置において任意で混合する。
【0052】
混合物の製造は、一段階プロセスまたは多段プロセスで行うことができ、2〜3の混合段数が好ましい。最終混合段階において硫黄および促進剤を、例えば、ロールミルで添加するのが好ましく、温度は、30〜90℃が好ましい。
【0053】
混合物を製造する好適な装置としては、ロールミル、ニーダー、内部ミキサー、または混合押出し機が例示される。
【0054】
本発明はさらに、ゴム加硫物の製造、特にタイヤ、特にタイヤトレッドの製造のための、本発明のゴム混合物の使用も提供する。
【0055】
本発明のゴム混合物はまた、成形物の製造、例えば、ケーブルシース、ホース、ドライブベルト、コンベヤベルト、ロールカバー、靴底、ガスケットリング、および減衰要素の製造にも好適である。
【0056】
以下の例は、本発明を例示するものであり、限定しようとするものではない。
【実施例】
【0057】
〔スチレン/ブタジエンゴムゲルの製造〕
配合試験のために、Tg=−15℃のスチレン/ブタジエンゴムゲルを用いた。このゲルのトルエン中での不溶部分は、95質量%である。トルエン中での膨潤指数は7.4である。ヒドロキシル価は、32.8mgKOH/g-ゲルである。
【0058】
水300部(示したモノマーの部数を基準して)、樹脂酸4.5部、パラメチルヒドロパーオキシド0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸鉄七水和物0.05部、およびホルムアルデヒド-スルホキシル酸ナトリウム0.15部(開始剤として)の存在下で、以下のモノマー混合物を、30℃で、7時間共重合することにより、ゲルを製造した。
【0059】
【表1】

【0060】
次に混合物を加熱し、蒸気蒸留により、減圧にて70℃の温度で残渣モノマーを除去した。次に、生成物100部を基準として、2部(生成物100部を基準として)の酸化防止剤2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(CAS No.:119−47−1)を添加した。
【0061】
凝固させるために、このラテックスを塩化ナトリウム/硫酸の水溶液に添加した。ゴム粉末を分離し、水で洗い、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0062】
ゴム混合物のためには、以下の構成のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を官能化されたジエンゴムとして用いた。
ビニル含量:オイルフリーゴムを基準にして46質量%、
スチレン含量:オイルフリーゴムを基準にして24.5質量%、
ムーニー粘度:52MU(DIN53 523によりML1+4(100℃)で測定)、
油含量(TDAE油):油展ゴムを基準にして29.1質量%、
COOH官能基:35meq/kg。
【0063】
比較のため、Lanxess Deutschland GmbH(Lanxess)の製品である以下の構成の非官能化スチレン−ブタジエンゴムBUNA VSL5025−2を用いた。
ビニル含量:オイルフリーゴムを基準にして46質量%、
スチレン含量:オイルフリーゴムを基準にして24質量%、
ムーニー粘度:50MU(DIN53 523によりML1+4(100℃)で測定)、
油含量(TDAE油):油展ゴムを基準として27.5質量%。
【0064】
以下の表1に、ゴム混合物の構成を示す。
【0065】
【表2】

【0066】
上述した混合物(硫黄、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、チウラムおよびスルフェンアミドなし)を、第1の混合段階で合計で6分間、1.5Lにニーダー中で混合した。その際、温度は、3分間の間に70から150℃まで上がり、混合物を150℃に3分間保持した。シランも全量を第1の混合段階で添加した。
【0067】
混合物を取り出し、24時間、室温に冷まし、第2の混合段階で、150℃に3分間、再び加熱した。混合物をその後、冷やして、混合物の次の成分、すなわち、硫黄、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、チウラムおよびスルフェンアミドを、ロールミルにて、40〜60℃で添加した。
【0068】
表2に示した値は、未加硫ゴム混合物について測定した。
【0069】
【表3】

【0070】
混合物の加硫挙動を、Monsannto MDR2000Eレオメータを用いて、160℃で、DIN53 529により調べた。特性データ、例えば、F、Fmax、Fmax.−Fa、10、t50、t90、およびt95を測定した。
【0071】
DIN53 529、パート3による定義は次のとおりである。
:架橋等温線の最小値において示される加硫計の値
max:加硫計が示した最大値
max−F:加硫計が示した値の最大と最小の差
10:最終転化の10%が達成された時点
50:最終転化の50%が達成された点
90:最終転化の90%が達成された点
95:最終転化の95%が達成された点
【0072】
【表4】

【0073】
上述した混合物は、160℃で20分間、プレスで加硫した。表4に示した値は、加硫物について測定した。
【0074】
【表5】

【0075】
タイヤ用途には低い転がり抵抗が必要とされ、これは、60℃での反発弾性の高い値、高温(60℃)での動的減衰の低tanδ値および低△Gが、加硫物において測定されるときに得られる。表4からわかるとおり、本発明の例の加硫物は、60℃での高い反発弾性値、60℃における動的減衰に対する低いtanδ値、および低い△Gを特徴としている。
【0076】
タイヤ用途にはまた、高い湿潤滑り抵抗も必要とされ、これは、加硫物が、低温(0℃)での動的減衰に対して高いtanδ値を有するときに得られる。表4からわかるとおり、本発明の例の加硫物は、0℃での動的減衰に対する高いtanδ値を特徴としている。
【0077】
タイヤ用途ではさらに、高耐摩耗性が必要とされる。表4からわかるとおり、本発明の実施例の加硫物は、低減されたDIN摩耗値を特徴としている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1種のジエンと任意選択で場合によっては1種以上のビニル芳香族モノマーに基づく繰り返し単位で構成されたポリマー鎖を有する少なくとも1種の任意選択で官能化されていてもよいジエンゴムと、(B)任意成分として場合によっては、トルエン中での膨潤指数が1〜25で且つ粒径が5〜1000nmのスチレン/ブタジエンゴムゲルと、(C)下記式(I)
【化1】

(式中、R=水素、あるいは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分であり、これは、直鎖状、分岐状、脂肪族、脂環式、または芳香族であることができ、且つこれは任意選択により、さらにヘテロ原子を含有することができる、
=水素またはメチルである、
Mはスペーサーであり、これは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分を含むことができ、直鎖状、分岐、脂肪族、脂環式、または芳香族であることができ、任意選択で場合により、さらにヘテロ原子を含有することができる、
n=0〜25である、
u=0〜25である、
w=1〜40である、
かつ、R、Rおよび/またはwは、シラン内で、同一または異なっていてもよい)のシランと、(D)任意成分として場合により、さらに、ゴム、フィラーおよびゴム助剤とを含むゴム混合物。
【請求項2】
前記ジエンゴム(A)が、1,3−ブタジエンとスチレンとに基づく繰り返し単位で構成されており、任意選択により場合によっては、ヒドロキシ基および/またはカルボキシ基により官能化されていてもよいことを特徴とする、請求項1に記載のゴム混合物。
【請求項3】
前記ジエンゴム(A)が、40〜100質量%の1,3−ブタジエンと0〜60質量%のスチレンから構成されており、結合された官能基および/またはその塩の割合が、ジエンゴム100質量%を基準として、0.02〜5質量%であることを特徴とする、請求項2に記載のゴム混合物。
【請求項4】
前記スチレン/ブタジエンゴムゲルの、ゴムの全量100質量部を基準とした割合が、1〜100質量部であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム混合物。
【請求項5】
前記スチレン/ブタジエンゴムゲルの、ゴムの全量100質量部を基準とした割合が、5〜75質量部であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム混合物。
【請求項6】
前記スチレン/ブタジエンゴムゲルが、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、および/またはペンタエリスリトールテトラメタクリレートを含む、XSBR−スチレン/ブタジエンコポリマーまたはグラフトポリマーであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム混合物。
【請求項7】
シランとして、下記式(II)
【化2】

の化合物を用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム混合物。
【請求項8】
前記混合物成分が、20〜220℃の温度で、混合装置において混合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム混合物の製造方法。
【請求項9】
ゴム加硫物を製造するための請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム混合物の使用。
【請求項10】
タイヤトレッドを製造するための請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム混合物の使用。

【公表番号】特表2012−515824(P2012−515824A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546774(P2011−546774)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050571
【国際公開番号】WO2010/084114
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】