説明

シランカップリング剤

【課題】環境適性の良い官能基を導入し、疎水性の高いシランカップリング剤で、好ましくは300〜400nmの紫外線で露光でき、ポジ型の画像形成等に応用できる安定なシランカップリング剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)
【化1】


(上式中、Rは、メチル基、t−ブチル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいシクロヘキシル基を表し、mは、3〜10の整数であり、nは、3〜9の整数であり、Xは、加水分解性シリル基を表す。)
で表される化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性から親水性に変性するシランカップリング剤、より詳しくは、光照射の前後で疎水性が大きく変化し、光照射された際に疎水性能を有する基が解離し親水性能を有するヒドロキシ基が生じる光分解性シランカップリング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水性から親水性に変性することができる光分解性シランカップリング剤は、特許文献1〜4に記載されているように開示されている。
しかしながら、特許文献1〜2によると精製したシランカップリング剤は材料表面に修飾した際に、光照射前の表面接触角が60〜70°前後のため、光照射前後の疎水性と親水性の差が少なく実用的なパターニングをするには難しかった。一方、疎水性を向上するためにフッ化アルキル鎖を有するシランカップリング剤が特許文献4に記載されているが、確かに光照射前の表面接触角は100°前後まで上昇するが、高価な原料とフッ素化合物の環境への適性を考慮すると工業化に難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4644339号
【特許文献2】特許4156858号
【特許文献3】特開2003−321479号公報
【特許文献4】特開2008−50321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来のシランカップリング剤よりも光照射前の疎水性が高いシランカップリング剤で、汎用露光機を使用できる、好ましくは300〜400nmのような紫外線で露光できて親水性となり、ポジ型の画像形成等に応用できる安定なシランカップリング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、高い疎水性を持ち合わせた光分解性シランカップリング剤である、一般式(I)に示す化合物を提供する。
【0006】
【化1】

【0007】
(上式中、Rは、メチル基、t−ブチル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいシクロヘキシル基を表し、mは、3〜10の整数であり、nは、3〜9の整数であり、Xは、加水分解性シリル基を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るシランカップリング剤によれば、光照射前の高い疎水性を有するシランカップリング剤を提供できる。シランカップリング剤は、環境負荷の少ないフルオロ基非含有の特定置換基の採用により材料表面への導入の際に、シランカップリング剤同士が分子配向し易くなりより疎水性が高くなると考えられる。その後、汎用露光機を使用できる、好ましくは300〜400nmのような紫外線で露光でき、その際に疎水性能を有する基が解離し親水性能を有するヒドロキシ基が生じる。したがって、光照射前後の疎水性と親水性の差が大きく、実用的なパターニングに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】応用例4における光照射の時間と接触角との関係を示す。
【図2】応用例5における光照射の時間と接触角との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
一般式(I)中のXは、加水分解性シリル基を表し、ケイ素原子に結合したアルコキシ基又はクロロ基等の加水分解性基を1〜3個有する、アルコキシシリル基又はクロロシリル基等が挙げられる。例えば、各アルコキシ基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)のトリアルコキシシリル基、アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)で各アルコキシ基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)のアルキルジアルコキシシリル基、各アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)でアルコキシ基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)のジアルキルアルコキシシリル基、トリクロロシリル基、アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)のアルキルジクロロシリル基、各アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)のジアルキルクロロシリル基が挙げられる。Xは、好ましくは、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基である。
一般式(I)中のmは、3〜10の整数である。3以上であれば、Karstedt触媒を用いることができ加水分解性シリル基の導入上好ましいからであり、10以下であれば、反応性良く表面修飾できるからである。
【0011】
一般式(I)中のRは、メチル基、t−ブチル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいシクロヘキシル基を表す。フェニル基やシクロヘキシル基が有してもよい置換基としては、好ましくは炭素数1〜4(より好ましくは1〜2)のアルキル基又はアルコキシ基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、メトキシ基等が挙げられる。フェニル基やシクロヘキシル基が有してもよい置換基の個数は、使用する紫外線の波長への影響が少ないので特に限定されないが、好ましくは1〜2である。
一般式(I)中のnは3〜9の整数である。この範囲は、光分解速度の上で好ましい。
【0012】
一般式(I)の化合物は、好ましくは、下記式(1ET)〜(12ET)で表される化合物である。
【0013】
【化2】

【0014】
一般式(I)の化合物の製造方法の一例を以下に示す。
【0015】
【化3】

【0016】
一般式(I)の化合物は、例えば、バニリンをベンジルブロミドにより保護し、ニトロ化、脱保護し、4位に特定置換基、5位にメトキシ基を有する2−ニトロベンズアルデヒドをヒドラジンと反応させ、二酸化マンガンで酸化してジアゾ化合物とし、過塩素酸の存在下、二重結合を有するアルコールと反応させてエーテルを得た後、エーテルの二重結合をKarstedt’s catalystを触媒として、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシランと反応させることにより得られる。本発明の化合物の分離する方法は、特に限定されないが、好ましくは、本発明者らの特許文献2の段落0007の記載と同様に、テトラメトキシシランを加えた溶出液を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィー法である。一般式(I)の化合物の製造方法は、これに限らず、他の公知の方法も利用できる。
【0017】
一般式(I)の化合物と、表面にヒドロキシ基を有する材料とを反応させ、光照射することにより、材料表面にヒドロキシアルキル基を有する材料の製造できる。
ヒドロキシ基を有する材料は、反応できるヒドロキシ基が存在すれば特に限定されないが、ガラス、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、タルク、クレー、アルミニウム、鉄、マイカ、アスベスト、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられ、好ましくは、ガラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、アルミニウム、鉄、マイカ、特に好ましくは、ガラス、シリカ、アルミナである。詳しくは、エヌ・ティー・エヌ社「表面処理技術ハンドブック」等を参照されたい。これらの材料の形状は、特に限定されず、シリカ粉等の粉状物、シリコンウェハ等の板状物であってもよい。
【0018】
ヒドロキシ基を有する材料としてシリコンウェハを例にとれば、一般式(I)の化合物は、以下に示すように、シリコンウェハ表面のヒドロキシ基と反応して付着し、UV照射によりアルコールに変換される。なお、この例では、加水分解性シリル基としてトリメトキシシリル基を用いた。
【0019】
【化4】

【0020】
一般式(I)のシランカップリング剤を材料表面に付着させる手段は、特に限定されず、通常のシランカップリング剤による表面処理と同様である。例えば、材料が粉体の場合には、一般式(I)の化合物をトルエン又はベンゼン等の溶媒に溶解し、撹拌された粉状のシリカ表面等に噴射したり、溶液中にシリカ等を入れ処理する方法が用いられる。材料がシリコンウェハ等の一定の形状を有する場合には、一般式(I)の化合物をトルエン又はベンゼン等の溶媒に溶解した溶液にシリコンウェハ等を投入し、還流又は室温での振動撹拌を行ったり、又は溶液を材料表面に薄く塗布することにより表面修飾を行うことができる。
【0021】
材料表面に付着した一般式(I)の化合物は、UV照射により、そのエーテル結合が切れて材料表面にヒドロキシ基を存在させることとなる。これは、トルエン又はベンゼン等の溶媒中に分散させた粉体にUV照射したり、又はシリコンウェハ表面に直接UV照射すること等により行うことができる。材料表面での反応(表面修飾)と光照射を同時に行うと、光照射により生じたヒドロキシ基がシリル基と反応することとなり不都合である。
UV照射は、通常の方法が用いられるが、一例を挙げれば、超高圧水銀ランプ(USH−500等)を光源とし、300nm以下の波長はパイレックス(登録商標)製ガラスフィルターでカットして5〜60秒照射する。好ましくは300〜400nmのような紫外線で露光できるため、汎用露光機を使用できる。
【0022】
表面にヒドロキシ基を有する材料が、ヒドロキシ基含有ポリマーであってもよく、この場合、表面にヒドロキシルアルキル基を有するポリマーが製造できる。すなわち、一般式(I)で表される化合物をヒドロキシ基含有ポリマーと反応させ、光照射することによりヒドロキシアルキル基をポリマーに導入することができる。これを用いると、光酸発生剤を必要とせず、ポジ型の画像を形成できる。また、酸素阻害も受けず、この新規ポリマーが有機−無機複合体を形成していることから高い耐熱性も期待される。
【0023】
一般式(I)の化合物は、ベンゼン環上の置換基を選択することにより、ベンゼン環上に置換基を有しない化合物と比較して光の吸収ピークを長波長側にシフトさせることができる。例えば、ベンゼン環上に置換基を有しない化合物の吸収ピークが243nmであるとき、ベンゼン環上に一つのメトキシ基を有する化合物の吸収ピークが345nmとなる場合が挙げられる。この結果として、一般式(I)の化合物は、ベンゼン環上に置換基を有しない化合物より短時間の光照射により反応を完了するができる。
【0024】
一般式(I)の化合物を付加できるポリマーとしては、ヒドロキシ基を有するポリマーが挙げられる。ヒドロキシ基の存在位置は、特に限定されず、側鎖の一部であってもよい。具体的には、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−とp−の混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−とp−の混合、又はm−とo−の混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂などのクレゾールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。その他、レゾール型フェノール樹脂類、ポリビニルフェノール、t−ブチル置換ポリビニルフェノール樹脂、ヒドロキシル基を有するポリアクリル、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等である。
【0025】
一般式(I)で表される化合物をヒドロキシ基含有ポリマーと反応させ、光照射することによりヒドロキシアルキル基をポリマーに導入する反応スキームを以下に示す。なお、pとqは、モル分率を示す。なお、この例では、加水分解性シリル基としてトリメトキシシリル基を用いた。
【0026】
【化5】

【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[合成例1]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(7ET)の合成
[1−1]4−ベンジロキシ−3−メトキシベンザルデヒドの合成
200mlナスフラスコにバニリン16.5g(0.108mol)、アセトン120ml、KCO15.0g(0.108mol)を入れ、室温で25分攪拌した。撹拌後、ベンジルブロミド18.5g(0.108mol)を加えオイルバス上68℃で3時間還流した。その後、濃縮し、水200mlを入れクロロホルム100mlで3回抽出を行った。5%NaHCO水溶液100mlで2回洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、濃縮し、液状残渣にヘキサンを入れ固体を析出させ濃縮し、得られた固体を70℃に温めた酢酸エチルに溶かしヘキサンを加えて析出した固体を吸引ろ過し、その後、真空乾燥を行い白色固体18.7gを得た。収量18.7g、収率71%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ9.84 (s, 1H, -CHO), 7.45-7.31 (m, 7H, Ar-H), 6.99 (d, 1H,J=8.2 Hz, Ar-H), 5.26 (s, 2H, -O-CH2-ph), 3.96 (s, 3H, -OCH3)。
【0028】
[1−2]4−ベンジロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドの合成
氷浴上で300mlナスフラスコに4−ベンジロキシ−3−メトキシベンザルデヒド18.7g(77mmol)、酢酸140mlを入れ撹拌し、冷却後、発煙硝酸25mlを30分かけて滴下した。3時間撹拌した後、氷浴を外し12.5時間撹拌した。撹拌後、反応溶液を冷水250mlの中に入れ固体を析出させ、吸引ろ過を行い、水で固体を洗浄、酢酸エチルに溶かし無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮、70℃に温めた酢酸エチルに溶かしヘキサンを加えて固体を析出させ、その後真空乾燥を行い黄色固体14.7gを得た。収量14.7g、収率67%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ10.41 (s, 1H, -CHO), 7.67 (s, 1H, Ar-H), 7.47-7.35(m, 6H, Ar-H), 5.28 (s, 2H, -O-CH2-ph), 4.02 (s, 3H, -OCH3)。
【0029】
[1−3]4−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒド
氷浴上で200mlナスフラスコに4−ベンジロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒド14.6g(50.9mmol)、トリフルオロ酢酸90mlを入れ60℃で1時間20分撹拌した。その後、反応溶液を濃縮し、冷ヘキサン100mlに入れて固体を析出させ、吸引ろ過を行い、70℃に温めた酢酸エチルに溶かしヘキサンを加えて固体を析出させ、ろ過後真空乾燥を行い暗黄色固体7.11gを得た。収量7.11g、収率71%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ10.4 (s, 1H, -CHO), 7.68 (s, 1H, Ar-H), 7.46(s, 1H, Ar-H), 6.22 (s, 1H, Ar-OH), 4.07 (s, 3H, -OCH3)。
【0030】
[1−4]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドの合成
窒素気流下で50ml二口ナスフラスコに6−ニトロバニリン1.10g(5.58mmol)、ドライDMF5ml、KCO0.798g(5.77mmol)を入れ室温で20分撹拌し、1−ブロモヘキサン0.960g(5.82mmol)を加えオイルバス上85℃で90分間加熱撹拌した。反応後、水30ml、1N塩酸水溶液10mlを少しづつ反応液に加え、酢酸エチル50mlで3回抽出し、飽和NaCl水溶液100mlで4回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加え乾燥、ろ過、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製、真空乾燥を行い、明黄色固体1.36gを得た。収量1.36g、収率87%。
1HNMR(400MHz, CDCl3/TMS): δ10.45 (s, 1H, -CHO), 7.59 (s, 1H, Ar-H), 7.41(s, 1H, Ar-H), 4.15 (t, 2H, J=6.7Hz, Ar-O-CH2-), 4.01 (s, 3H, -OCH3), 1.90 (quint, 2H, J=7.2Hz, Ar-CH2CH2-, 1.51-1.35 (m, 6H, -(CH2)3CH3), 0.917 (t, 3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3)。
【0031】
[1−5]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドのヒドラゾンの合成
100mlナスフラスコに、4−へキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒド0.616g(2.09mmol)、ヒドラジン一水和物0.642g(12.82mmol)、エタノール45ml、回転子を加え2時間還流した。反応溶液を室温に戻し、析出結晶を自然ろ過した。得られた橙黄色結晶をエタノールで軽く洗い、真空乾燥すると目的物0.62gを得た。収量0.62g、収率44%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ8.43 (s, 1H, -CH), 7.56 (s, 1H, Ar-H), 7.48 (s, 1H, Ar-H), 5.80 (s, 2H, -NH2), 4.07 (t, 2H, Ar-O-CH2-), 3.98 (s, 3H, -OCH3), 1.88 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-), 1.48-1.34 (m, 6H, -(CH2)3CH3), 0.910 (t, 3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3)。
【0032】
[1−6]アリル 4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテルの合成
300mlナスフラスコに4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドのヒドラゾン0.616g(2.09mmol)、回転子、ドライクロロホルム50mlを加え撹拌した。均一溶液になったら、二酸化マンガン1.42g(16.3mmol)を少しずつ加えた。室温で10分程撹拌した後二酸化マンガンをろ過により除去した。0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50mlx2)で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した(溶液A)。一方、氷浴上で300mlナスフラスコにアリルアルコール0.24g(4.13mmol)、回転子を加えHClO(70%)7滴を加えた。溶液Aをろ過して無水硫酸マグネシウムを除去した。200ml滴下ロートに溶液Aを加え、300mlナスフラスコに45分で滴下した。氷浴を除去し、室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ml、蒸留水20mlを加え洗浄した。水相をクロロホルムで抽出し(100mlx2)、有機相を合わせ無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を溶出液(クロロホルム:へキサン=4:1)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、目的物(淡橙色結晶)0.10g(0.309mmol)を得た。収量0.10g、収率15%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar), 7,31 (s, 1H, Ar), 6.0 (m, 1H, -CH=CH2), 5.37 (m, 1H, Jtrans=16Hz, -CH=CH2), 5.25 (m, 1H, Jcis=12Hz, -CH=CH2), 4.92 (s, 2H, Ar-CH2-O-), 4.16 (d, J=6.9Hz, 2H, CH2-CH=CH2), 4.07 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.98 (s, 3H, -OCH3), 1.87 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-), 1.55-1.34 (m, 6H, -(CH2)3CH3), 0.910 (t, 3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3)。
【0033】
[1−7]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテルの合成
20mlナスフラスコを窒素置換し、アリル 4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテル 0.095g(0.29mmol)、トリメトキシシラン0.245g(2.00mmol)、Karstedt’s触媒を4滴加え、室温で終夜撹拌した。中圧カラムを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=4:1:0.05(体積比)を用い、目的物を0.061g(0.14mmol)得た。収量0.061g、収率47%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.70 (s, 1H, Ar), 7,30 (s, 1H, Ar),4.89 (s, 2H, Ar-CH2-O-), 4.06 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.97 (s, 3H, Ar-OCH3), 3.58 (s, 2H, -CH2-O-CH2-Ar), 3.58 (s, 9H, -Si-(OCH3)3), 1.77-1.9 (m, 4H, -Si-CH2-CH2-CH2-,Ar-O-CH2-CH2-),1.34-1.48 (m, 6H, -(CH2)3-CH3), 0.91 (t,3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3), 0.72-0.76 (m, 2H, -CH2-Si-)。
FT-IR (KBr): 1527 (NO2), 1328 (NO2), 1275 (C-O-C)。
【0034】
[合成例2]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル(2ET)の合成
[2−1]5−ヘキセニル 4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテルの合成
200mlナスフラスコに合成例1−5で得られた4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドのヒドラゾン0.88g(3.9mmol)、回転子、ドライクロロホルム60mlを加え撹拌した。均一溶液になったら、二酸化マンガン2.8g(32mmol)を少しずつ加えた。室温で10分程撹拌した後、二酸化マンガンをろ過により除去した。0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50mlx2)で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した(溶液A)。
一方、氷浴上で300mlナスフラスコに5−ヘキセン−1−オール0.5g(5.0mmol)、回転子を加えHClO(70%)2滴を加えた。溶液Aをろ過して無水硫酸マグネシウムを除去した。100ml滴下ロートに溶液Aを加え、300mlナスフラスコに30分で滴下した。氷浴を除去し、室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20ml、蒸留水30mlを加え洗浄した。水相をクロロホルムで抽出し(100mlx2)、有機相を合わせ無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を1.4g得た。粗生成物を溶出液クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、目的物(橙色結晶)0.48g(1.6mmol)を得た。収量0.48g、収率41%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar), 7,31 (s, 1H, Ar), 5.77-5.87 (m, 1H, -CH=CH2), 5.00-5.04 (s, 1H, Jtrans=16Hz, -CH=CH2), 4.95-4.98 (s, 1H, Jcis=8Hz, -CH=CH2), 4.92 (s, 1H, Ar-CH2-O-), 4.07 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.99 (s, 3H, -OCH3) 、3.60-3.63 (t, 2H, -O-CH2-CH2), 2.09-2.15 (m, 2H, -CH2-CH=CH2), 1.87 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-), 1.68-1.75 (m, 2H, -O-CH2-CH2-), 1.34-1.58 (m, 8H, -CH2-CH2-CH2-CH=CH2, -(CH2)3CH3), 0.910 (t, 3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3)。
【0035】
[2−2]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテルの合成
20mlナスフラスコを窒素置換し、5−ヘキセニル4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテル 2.95g(10.0mmol)、トリメトキシシラン1.47g(12mmol)、Karstedt触媒を4滴加え、室温で終夜撹拌した。中圧カラムを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=4:1:0.05(体積比)を用い、目的物を1.4g(3.35mmol)得た。収量1.4g、収率34%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar), 7,31 (s, 1H, Ar), 4.89 (s, 2H, Ar-CH2-O-),4.06 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.99 (s, 3H, Ar-OCH3), 3.58-3.61 (s, 2H, -O-CH2-CH2-), 3.57 (s, 9H, -Si(OCH3)3), 1.87 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-),
1.4-1.7 (m, 14H, -CH2-(CH2)4-CH2-,-(CH2)3CH3), 0.91 (t,3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3), 0.63-0.67 (m, 2H, -CH2-Si-)。
FT-IR (KBr): 1525 (NO2), 1328 (NO2), 1276 (C-O-C)。
【0036】
[合成例3]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテル(10ET)の合成
[3−1]9−デセニル 4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテルの合成
500mlナスフラスコに4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンザルデヒドのヒドラゾン4.33g(19.2mmol)、回転子、ドライクロロホルム300mlを加え撹拌した。均一溶液になったら、二酸化マンガン13.9g(158.7mmol)を少しずつ加えた。室温で10分程撹拌した後、二酸化マンガンをろ過により除去した。0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50mlx2)で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した(溶液A)。一方、氷浴上で500mlナスフラスコに9−デセン−1−オール3.8g(24.6mmol)、回転子を加えHClO(70%)10滴を加えた。溶液Aをろ過して無水硫酸マグネシウムを除去した。200ml滴下ロートに溶液Aを加え、500mlナスフラスコに45分で滴下した。氷浴を除去し、室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20ml、蒸留水30mlを加え洗浄した。水相をクロロホルムで抽出し(100mlx2)、有機相を合わせ無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を溶出液クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、目的物(橙色結晶)2.85g(8.1mmol)を得た。収量2.85g、収率42%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar), 7,32 (s, 1H, Ar), 5.78-5.84 (m, 1H, -CH=CH2), 4.98-5.00 (s, 1H, Jtrans=8Hz, -CH=CH2), 4.92-4.94 (s, 1H, Jcis=8Hz, -CH=CH2), 4.89 (s, 2H, Ar-CH2-O-),4.07 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.99 (s, 3H, -OCH3) 、3.58-3.61 (t, 2H, -O-CH2-CH2), 2.01-2.06 (m, 2H, -CH2-CH=CH2), 1.87 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-), 1.66-1.69 (m, 2H, -O-CH2-CH2-), 1.31-1.55 (m, 16H, -CH2-(CH2)5-CH2-CH=CH2, -(CH2)3CH3), 0.910 (t, 3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3)。
【0037】
[3−2]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテルの合成
20mlナスフラスコを窒素置換し、9−デセニル 4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジルエーテル 2.95g(10.0mmol)、トリメトキシシラン1.47g(12mmol)、Karstedt触媒を4滴加え、室温で終夜撹拌した。中圧カラムを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=4:1:0.05(体積比)を用い、目的物を1.4g(3.35mmol)得た。収量1.5g、収率56%。
1HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar), 7,32 (s, 1H, Ar), 4.90 (s, 2H, Ar-CH2-O-),4.06 (t, 2H, J=6.8Hz, Ar-O-CH2-), 3.99 (s, 3H, Ar-OCH3) 3.58-3.61 (s, 2H, -O-CH2-CH2-), 3.57 (s, 9H, -Si-(OCH3)3), 1.87 (quint, J=7.4Hz, 2H, Ar-O-CH2CH2CH2-),
1.65-1.72 (m, 2H, -CH2-CH2-CH2-),1.34-1.48 (m, 6H, -(CH2)3-CH3), 0.91 (t,3H, J=7.1Hz, -(CH2)5CH3), 0.62-0.66 (m, 2H, -CH2-Si-)。
【0038】
[応用例1]シランカップリング剤(2ET)のアルカリ可溶性樹脂への導入
ビニルフェノールとスチレンの共重合体であるCST−70(丸善石油化学社製)(2.0g)、CST−15(丸善石油化学社製)(2.0g)、シランカップリング剤として、4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル(2ET)(0.35g)、トルエン(20ml)を70℃で一時間加熱した。トルエン濃縮後、PSF2803(群栄化学工業社製)(5.0g)、PSF2807(群栄化学工業社製)(3.0g)、オイルブルー613(0.1g)、MEK(160ml)を加え、室温撹拌した。ろ過後、親水化処理したアルミ板に回転塗布し、その後70℃で一時間乾燥機で乾燥させた。露光には超高圧水銀ランプ(500W)を用いて、365nm、100mW/cmの条件で約60秒間程照射した。その後、アルカリ現像液にて現像をし、ポジ型の画像を得た。
【0039】
[応用例2]シランカップリング剤(7ET)のアルカリ可溶性樹脂への導入
シランカップリング剤として4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(7ET)(0.35g)を用いた以外は応用例1と同様にして、ポジ型の画像を得た。
【0040】
[応用例3]シランカップリング剤(10ET)のアルカリ可溶性樹脂への導入
シランカップリング剤として4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテル(10ET)(0.35g)を用いた以外は応用例1と同様にして、ポジ型の画像を得た。
【0041】
応用例1〜3では、光酸発生剤を必要とせず、コントラストの高いポジ型の画像を形成できた。また、必要に応じた性能を出すために、反応させるポリマーを選択することにより容易に光反応性ポリマーを合成でき、且つ酸素阻害等も受けず、この新規ポリマーが有機−無機複合体を形成していることから高い耐熱性も期待できる。
【0042】
[応用例4]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル(2ET)を用いたシリコンウェハの表面修飾
シランカップリング剤として4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル(2ET)の無水トルエン溶液に、シリコンウェハを投入し、窒素雰囲気下で1時間還流して、表面修飾を行った。得られた修飾ウェハをクロロホルムで10分間超音波洗浄し、超高圧水銀灯(500W)を光源としてパイレックス(登録商標)ガラスフィルターを通して光照射し表面をヒドロキシ基に変換した。接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、光照射時間30秒でヒドロキシ基への変換を終了したことがわかった。光照射の時間と接触角との関係を図1、照射前後の接触角の差を表1に示す。
【0043】
[応用例5]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(7ET)を用いたシリコンウェハの表面修飾
シランカップリング剤として4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(7ET)を用いた以外は応用例4と同様にして、表面をヒドロキシ基に変換したシリコンウェハを得た。
接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、光照射時間30秒でヒドロキシ基への変換を終了したことがわかった。光照射の時間と接触角との関係を図2、照射前後の接触角の差を表1に示す。
【0044】
[応用例6]4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテル(10ET)を用いたシリコンウェハの表面修飾
シランカップリング剤として4−ヘキシロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテル(10ET)を用いた以外は応用例4と同様にして、表面をヒドロキシ基に変換したシリコンウェハを得た。
接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、光照射時間30秒でヒドロキシ基への変換を終了したことがわかった。照射前後の接触角の差を表1に示す。
【0045】
[比較例1]4,5‐ジメトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(比較化合物1)を用いたシリコンウェハの表面修飾
4,5‐ジメトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル(比較化合物1)を用いた以外は応用例4と同様にして、表面をヒドロキシ基に変換したシリコンウェハを得た。
接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、光照射時間30秒でヒドロキシ基への変換を終了したことがわかった。照射前後の接触角の差を表1に示す。
【0046】
[比較例2]2−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)へキシルエーテル(比較化合物2)を用いたシリコンウェハの表面修飾
2−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)へキシルエーテル(比較化合物2)を用いた以外は応用例4と同様にして、表面をヒドロキシ基に変換したシリコンウェハを得た。
接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、変換の終了まで20分程度を要したことがわかった。照射前後の接触角の差を表1に示す。
【0047】
【化6】

【0048】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】

(上式中、Rは、メチル基、t−ブチル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいシクロヘキシル基を表し、mは、3〜10の整数であり、nは、3〜9の整数であり、Xは、加水分解性シリル基を表す。)
で表される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物と、表面にヒドロキシ基を有する材料を反応させ、光照射することを特徴する材料表面にヒドロキシアルキル基を有する材料の製造方法。
【請求項3】
上記表面にヒドロキシ基を有する材料が、ヒドロキシ基含有ポリマーである請求項2に記載の材料表面にヒドロキシルアルキル基を有する材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−246225(P2012−246225A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117040(P2011−117040)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(390026435)岡本化学工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】