説明

シリカ補強サイドウォールを有するオフロードタイヤ

【課題】重負荷条件下での使用も意図されるオフロードタイヤ、農業用タイヤ及び産業用タイヤの用途などの少なくとも非常に大型のオフロードタイヤについて、サイドウォールの切傷生長抵抗性(亀裂生長抵抗性)、引裂抵抗性及びパンク抵抗性を高める組成物及びタイヤを提供する。
【解決手段】外側サイドウォールゴム層は、(A)シス1,4−ポリイソプレン天然ゴム及びシス1,4−ポリブタジエンゴムを含む100重量部のゴム、(B)20〜40phrのカーボンブラック及び20〜40phrの沈降シリカを含む補強充填剤、(C)前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記エラストマーと相互作用する別の異なる部分を有するカップリング剤、(D)硫黄及びベンゾチアゾールスルフェンアミドとからなる1〜2phrの硫黄硬化系、を含むことを特徴とするゴム組成物であるタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのサイドウォール係合面(tire sidewall engaging surfaces)での使用を目的とした空気入りゴムタイヤに関する。一態様において、そのようなゴムタイヤはさらに、重負荷条件下での使用も意図される。そのようなタイヤは、ハイウェイ(道路)以外での使用条件下で使用するためのオフロードタイヤと呼ぶことができ、例えば、オフロードタイヤ、農業用タイヤ及び産業用タイヤの用途などが含まれうる。少なくとも約57インチ(144cm)のリム径を有する非常に大型のオフロードタイヤが本発明の特徴である。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤのサイドウォールが係合する荒地面での使用を目的としたタイヤは、タイヤカーカスによって支持された周方向ゴムトレッド及び隣接するサイドウォールで構成されている。そのような用途のタイヤは、例えば米国特許第6,761,198号に示唆されている。
【0003】
用語“オフロード”又は“オフハイウェイ”タイヤとは、舗装道路以外又はそれに加えて、そのサイドウォールが例えば岩石や瓦礫などとの接触にさらされる地面上での走行を経験することを意図された大型タイヤのことを言う。
【0004】
オフロード使用タイヤのトレッドは、典型的には、良好な牽引及びパンク抵抗性を促進するためのゴム組成物を含む。
これに対し、大型車両用タイヤによく使用されるタイヤに連合しているサイドウォールは、従来、接地するようには設計されておらず、トレッドを適切に支えるため、従来、牽引及びパンク抵抗性を強調した設計になっていないゴム組成物ではあるが、その代わりにトレッドゴムよりも大きいサイドウォールフレキシビリティを提供するために、より柔軟なゴム組成物で構成されている。
【0005】
その結果、そうした柔軟なサイドウォールゴム組成物は、典型的には、そのようなタイヤのサイドウォールが接触するような使用条件中に遭遇するパンク原因物体に対する抵抗性が低い。
【0006】
例えば、大型タイヤがゴツゴツした地形を含む比較的苛酷な使用条件下での利用を所望される場合、例えばオフロード運転条件中の重負荷タイヤなどの場合、それらのサイドウォールは、例えば岩石や瓦礫を含む地面との接触によって、損傷を受ける条件を経験するであろうことが認められている。タイヤがゴツゴツした地形上で運転されるような状況は、例えば、重運搬条件、各種採鉱作業及び伐採作業などの場合に発生しうる。そのような条件下では、サイドウォールの切傷生長抵抗性(cut growth resistance)(亀裂生長抵抗性と呼ぶこともできる)、引裂抵抗性及びパンク抵抗性が、そのようなタイヤのサイドウォールに関する重要な考慮事項となる。
【0007】
そこで、切傷生長抵抗性及び引裂抵抗性のような物理的性質は実質的に維持しながら、パンク抵抗性も有するという組合せを促進するためのサイドウォールゴム組成物に対する相当のニーズがある。従って、オフハイウェイ(オフロード)タイヤ使用のために、サイドウォール接触条件への暴露が想定されているタイヤに対し、外側の、すなわち目に見える適切なサイドウォールゴム層を提供するという課題が提示されている。
【0008】
歴史的には、各種タイヤに、切傷生長抵抗性を促進するために設計された天然シス1,4−ポリイソプレンゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムの組合せを含むカーボンブラック補強ゴム組成物の外側サイドウォールゴム層を備えたサイドウォールが使われたこともある。
【0009】
そのような外側タイヤサイドウォールゴム組成物を補強するためのゴム補強カーボンブラックは、従来、タイヤトレッドに通常使用されている補強カーボンブラックよりもかなり大きい粒径であると理解されている。
【0010】
そのようなタイヤ用のそのようなゴム補強カーボンブラックは、例えば、約35〜約50g/kgの範囲のヨウ素価(ASTM D1510)を有することによって例示されるであろうが、トレッドゴム組成物用に典型的に使用される補強カーボンブラックをより代表するのは少なくとも90という高いヨウ素価であろう。
【0011】
しかしながら、本願の場合、外側タイヤサイドウォールゴム層のために前述の亀裂生長抵抗性及び引裂抵抗性を実質的に保持しながらパンク抵抗性も促進する天然シス1,4−ポリイソプレンゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムの組合せを含む組成物の外側タイヤゴムサイドウォールゴム層を備えた、サイドウォール接地条件下での使用を目的としたタイヤ(例えばオフロードタイヤ)を提供するのが望ましい。
【0012】
従って、そのようなタイヤのサイドウォールに、大粒径ゴム補強カーボンブラックを含有し、天然ゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムの組合せで構成されているゴム組成物の外側(目に見える)ゴム層を提供するのが望ましい。これは他の多くのタイヤサイドウォールゴム組成物に多少共通しているが、しかしながらパンク原因物体に対する増強された抵抗性を推進している。
【0013】
本発明の記述において、用語“phr”は、100重量部のゴムあたりの成分の重量部に関する。
用語“ゴム”及び“エラストマー”は互換的に使用される。
【0014】
用語“Tg”は、エラストマーのガラス転移温度に関する。当業者には分かる通り、通常及び従来的に、温度を1分あたり10℃上昇させながら示差走査(DSC)熱量計によって測定される。
【0015】
用語“オフロード”又は“オフハイウェイ”タイヤは、タイヤ使用時に、サイドウォールが、例えばサイドウォールを損傷する岩石又は岩石だらけの状態や各種瓦礫と接触するという意味で地面と接触するオフハイウェイ用途での使用を意図されたタイヤに関する。そのようなタイヤは、特に、例えば約25〜約75インチ(約64〜約191cm)、あるいは約49〜約65インチ(約124〜約165cm)、あるいは少なくとも約57インチ(少なくとも約144cm)の範囲のリム径(例えばビード径)を有する大型タイヤに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,761,198号明細書
【発明の概要及び発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に従って、周方向外側ゴムトレッドと前記トレッドから相隔たるビードへとそれぞれ伸びる1対のサイドウォールとを有するカーカスを持つオフロード空気入りタイヤを提供する。前記サイドウォールのそれぞれは、接地条件にさらされるために設計された外側サイドウォールゴム層を有しており、前記外側サイドウォールゴム層は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含む100phrのエラストマー
(1)約40〜約60phrのシス1,4−ポリイソプレン天然ゴム及び
(2)約40〜約60phrのシス1,4−ポリブタジエンゴム
(B)下記を含むゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカを含む約40〜約80phrの補強充填剤
(1)約35〜50g/kgのヨウ素価(ASTM D1510)及び約115〜130cc/100gのジブチルフタレート(DBP)価(ASTM D2414)からなる性質を有する約20〜約40phrのカーボンブラック、
(2)約20〜約40phrの沈降シリカ、ここで前記沈降シリカ対前記ゴム補強カーボンブラックの重量比は約1/2〜2/2の範囲である、
(C)前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記エラストマーと相互作用する別の異なる部分を有するカップリング剤、そして
(D)N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びN−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの組合せからなる約1〜約2phrの一次硫黄加硫促進剤(従って、例えばジフェニルグアニジンなどの二次硫黄硬化促進剤は除く)からなる硫黄及び硫黄加硫促進剤を含む硫黄硬化系、ここで前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比は約5/1〜約1.5/1、あるいは約3/1〜約2/1の範囲である
を含むゴム組成物である。
【0018】
一態様において、沈降シリカは、約125〜約200m/gの範囲のBET表面積を有する。
一態様において、(前記外側サイドウォールゴム層とは対照的に)前記周方向トレッドは、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)イソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つのポリマー、及びスチレンとイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つとのコポリマーを含む少なくとも一つのゴムを含む少なくとも一つのジエン系エラストマー、
(B)下記を含む約20〜約70、あるいは約30〜約60phrのゴム補強充填剤
(1)約90〜約145g/kgの範囲のヨウ素価及び約110〜約145cc/100gの範囲のDBP価を有するゴム補強カーボンブラック、又は
(2)沈降シリカと前記ゴム補強カーボンブラックとの組合せ
のゴム組成物を含む。
【0019】
一態様において、前記沈降シリカはシリカカップリング剤なしに供給される。
別の態様において、前記沈降シリカは、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応する部分及び前記エラストマーと相互作用する別の異なる部分を有する、前記沈降シリカのためのカップリング剤と一緒に供給される。
【0020】
このように、前記タイヤサイドウォール外側ゴム層組成物の組成は、周方向トレッドゴム組成物のゴム組成物とは異なる。
前記タイヤトレッド及び前記タイヤサイドウォール外側ゴム層のための前述の著しく異なるゴム組成物は本発明の重要な側面であるが、本発明の記載は主に前記タイヤサイドウォール外側ゴム層のゴム組成物に向けられる。
【0021】
示したように、前記外側サイドウォール組成物のための、エラストマーと、ゴム補強カーボンブラックと、沈降シリカと、カップリング剤と、そして特に硬化系における組合せ促進剤との組合せは、引裂及び切傷生長に対する抵抗性を実質的に維持しながらパンク抵抗性を推進するのに使用される。
【0022】
本発明の一側面において、外側サイドウォールゴム層のためのゴムは、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム及びシス1,4−ポリブタジエンゴムであるが、シス1,4−ポリブタジエンゴム相と天然ゴム相の相対的非混和性のために、シス1,4−ポリブタジエンゴム相の分散物を含有する連続シス1,4−ポリイソプレンゴム相が提供される。そのような非混和性に依拠してサイドウォール組成物の亀裂生長伝播に対する抵抗性への貢献がなされている。この相対的非混和性は、主にエラストマーのガラス転移温度(Tg)の著しい相違(隔たり)の結果であり、少なくとも30℃異なる。例えば、シス1,4−ポリブタジエンゴムは約−100℃〜約−106℃の範囲のTgを有し、天然ゴムは約−65℃〜約−70℃の範囲のTgを有する。各種エラストマーのTgの相違によるそのような非混和性現象は当業者には公知である。
【0023】
サイドウォール外側層ゴム組成物のエラストマーのTgのそのような相違の利点を促進するために、サイドウォールゴム組成物は、前記天然シス1,4−ポリイソプレンとシス1,4−ポリブタジエンゴムの前述のTgの中間(間)のTgを有する他のエラストマーを除外する、すなわち−70℃〜約−90℃の間のTgを有する他のエラストマーを除外するのが好適である。
【0024】
従って、引裂抵抗性及び亀裂生長抵抗性の両方を促進するためのそのようなサイドウォール外側ゴム組成物を提供するために、前述の相隔たるTgを有する天然ゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムブレンドのブレンドを、カップリング剤及び前述の硬化促進剤系と共に、前記の比較的大サイズのゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの組合せで補強する。
【0025】
示したように、大きいサイズのカーボンブラックは、ゴムサイドウォールに従来使用されているカーボンブラックであり、タイヤトレッドのゴム組成物に従来使用されている比較的小さいサイズのカーボンブラックと対照的である。本明細書では、そのような比較的大サイズのカーボンブラックは、サイドウォールゴム組成物に亀裂生長抵抗性を促進することに貢献していると考えている。
【0026】
特に、天然ゴム/シス1,4−ポリブタジエンサイドウォールゴム組成物の補強剤として沈降シリカを大サイズのカーボンブラックと組み合わせて使用することが本発明では必要とされる。本明細書では、沈降シリカは、カップリング剤と共に使用された場合、ゴム組成物のモジュラス(例えば300パーセントモジュラス)、パンク抵抗性、引裂抵抗性を増強しながら、ゴム組成物の比較的低い発熱を促進することに著しく貢献していると考えられている。
【0027】
示したように、本発明の重要な側面は、前述のゴム特性属性のバランスを促進するための前記スルフェンアミド硬化促進剤の組合せに関するとも考えられている。
従って、接地を目的とした本発明のゴムサイドウォールのための重要な側面は、容認可能なパンク抵抗性を促進しながら切傷生長抵抗性、引裂抵抗性、及び発熱性に関する物理的性質を実質的に維持するために、間隔をあけて定義された(相隔たる)Tgを有する特定量の天然ゴム及びシス1,4−ポリブタジエンゴムと、選択された比較的大粒径のゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカの特定補強系と、カップリング剤及び特定の組合せ硬化促進剤との独自の組合せである。
【0028】
本発明で使用するための天然ゴムはシス1,4−ポリイソプレンゴムで、典型的には約95〜約100パーセントの範囲のシス1,4−含有量と約−65℃〜約−70℃の範囲の前記Tgを有している。
【0029】
示したように、本発明で使用するためのシス1,4−ポリイソプレンゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムは、例えばタイヤサイドウォール外側ゴム層の切傷生長に対する抵抗性を促進するためにそれらのゴムが相互に比較的非適合性又は非混和性であるために、相隔たるTg、すなわち少なくとも30℃異なるTgを有することが、本発明にとって特に重要である。
【0030】
サイドウォールの外側ゴム層のためのそのような大サイズのゴム補強カーボンブラックの代表例は、例えばASTM規格:N550、N660及びN326のもので、トレッドゴム組成物により通常的に使用される小粒径のN110、N121及びN299カーボンブラックではない。
【0031】
示したように、サイドウォールの外側ゴム層中のカーボンブラック補強充填剤は、90g/kg以上のヨウ素価(数)を有するゴム補強カーボンブラックを除外するのが望ましい。
【0032】
示したように、サイドウォールの外側ゴム層に使用するための沈降シリカは、望ましくは約125〜200m/gの範囲のBET表面積を有する。
沈降シリカのための様々なカップリング剤が使用できる。例えば、平均2〜約4個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有するビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド(平均約3.2〜約3.8個又は平均約2〜約2.6個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有する)及び例えば有機アルコキシメルカプトシランを含むカップリング剤などである。アルコキシ基のアルキル基は望ましくはエチル基を含み、前記シリルアルキル部分のアルキル基は、例えば、エチル、プロピル及びブチルラジカルから選ぶことができるが、特にプロピル基である。
【0033】
従って、一態様において、そのようなビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドカップリング剤は、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドを含みうる。
【0034】
示したように、硫黄加硫促進剤は、二つのスルフェンアミド化合物、すなわちN−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びN−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドからなる規定の組合せであり、前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比は、N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドが大部分を占めるように、約5/1〜約1.5/1、あるいは約3/1〜約2/1の範囲である。二つの硫黄加硫促進剤の組合せは、例えばジフェニルグアニジンなどの二次硫黄硬化促進剤を除く。その他の促進剤の種類又は組合せは本発明から除外される。
【0035】
当業者には、サイドウォールのゴム組成物は、ゴム配合分野で一般的に知られている方法、例えば各種の硫黄加硫可能な成分ゴムを、必要に応じて、各種の通常使用されている添加剤材料、例えば、加工添加剤、例えばオイル、粘着付与樹脂を含む樹脂及び可塑剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤及びしゃく解剤と混合することによって配合されるであろうことは容易に理解される。当業者には分かる通り、硫黄加硫可能な材料及び硫黄加硫された材料(ゴム)の意図する使用に応じて、前述の添加剤は選択され、従来量で一般的に使用される。
【0036】
粘着付与樹脂の典型量は、使用される場合、約0.5〜約10phr、通常約1〜約5phrを含みうる。加工助剤の典型量は、使用される場合、約1〜10phrを含みうる。そのような加工助剤は、例えば、芳香族、ナフテン系、及び/又はパラフィン系のプロセス油を含みうる。抗酸化剤の典型量は、使用される場合、約1〜約3phrを含みうる。代表的抗酸化剤は、例えば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン及びその他、例えばThe Vanderbilt Rubber Handbook(1978),344〜346ページに開示されているようなものであろう。サイドウォール組成物用のオゾン劣化防止剤の典型量は、使用される場合、約3〜約7phrを含みうる。代表的オゾン劣化防止剤は、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンであろう。脂肪酸の典型量は、使用される場合、ステアリン酸などでありうるが、約0.5〜3phrを含む。酸化亜鉛の典型量は約2〜約6phrを含む。ワックスの典型量は約1〜約5phrを含む。多くの場合、微晶質ワックスが使用される。しゃく解剤の典型量は約0.1〜約1phrを含む。典型的なしゃく解剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドであろう。
【0037】
上記添加剤の存在及び相対量は本発明の側面とは見なされない。本発明は、それよりも主に、接地するために設計されたタイヤサイドウォール外側ゴム層に、硫黄加硫可能な組成物として天然ゴムとシス1,4−ポリブタジエンゴムの特定ブレンドを利用し、それを比較的大粒径のカーボンブラックと沈降シリカの特定組合せ及びカップリング剤及びスルフェンアミドタイプの特定の促進剤の組合せで補強することに向けられている。
【0038】
加硫は、硫黄加硫剤に加えて前述のスルフェンアミド硫黄硬化促進剤の組合せの存在下で実施される。硫黄加硫剤は好ましくは硫黄、特に元素硫黄である。これは、少なくとも1個の硫黄及び特に複数の連結硫黄原子の構成を含みうる。そのいずれも元素硫黄と呼ぶことができる。元素硫黄は、例えば、約0.5〜約4phr、あるいは約0.5〜約2phrの範囲の量で使用されうる。
【0039】
時に、所望であれば、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤及びワックスの組合せをまとめて“劣化防止剤(antidegradant)”と呼んでもよい。オゾン及び酸化に対する保護を促進するために、前記サイドウォールは比較的高濃度(例えば約4〜約12phr)の劣化防止剤を含む。
【0040】
本発明の目的のために、オフロードタイヤのサイドウォール外側ゴム層に使用するための、下記の目標物理的性質を有しうる硫黄加硫されたジエン系ゴム組成物を提供するのが望ましい。そのような性質を表Aに示す。
【0041】
【数1】

【0042】
試験条件は表2の脚注に記載。
本発明をさらに例示するために以下の実施例を提供する。部及びパーセンテージは別途記載のない限り重量による。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、硬化ゴムサンプルA〜Fそれぞれの貫入エネルギー対貫入深度を示すグラフである。
【図2】図2は、硬化ゴムサンプルA〜Fそれぞれの亀裂生長長さ対時間を示すグラフである。
【実施例】
【0044】
実施例I
ゴムサンプルAは一般的なタイヤサイドウォールゴム組成物に関し、ゴムサンプルBは一般的なタイヤトレッドゴム組成物に関する。ゴムサンプルA及びBの一般的材料を100部のゴムあたりの部(phr)で表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム
シス1,4−ポリブタジエンゴム
ゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカ。シリカカップリング剤なし。サイドウォールゴム組成物用にN550(ASTM規格)の大粒径ゴム補強カーボンブラック、トレッドゴム組成物用にN347の小粒径ゴム補強カーボンブラック。
【0047】
プロセス油、必要に応じて樹脂と共に。
劣化防止剤
硬化系は、硫黄及びスルフェンアミド促進剤及び酸化亜鉛及び脂肪酸(ステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸を含む)を含む。
【0048】
ゴムサンプルA及びBの物理的性質を表2に示す。必要に応じて、表2のサンプルは約135℃の温度で約140分間硬化された。
【0049】
【表2】

【0050】
エネルギー貫入(energy penetration):試験は加硫ゴムに対し、約25℃で実施された。45°の角度、直径4.8mmの圧子(indentor)をゴムサンプルブロックに約100mm/分の一定速度で押し込む試験と言える。20mmの深さに貫入するためのエネルギーが記録される。高い値ほど貫入物体に対する抵抗性が良好である。エネルギー(ジュール)対パンク深度(ミリメートル)のグラフプロットについては図1参照。
【0051】
引裂抵抗性:試験は加硫ゴムに対し、約95℃で実施された。5mm幅のストリップを引き裂くのに必要な力である(180°で引張る)。それ自体に対する界面接着の尺度である。高い値ほど良好である。
【0052】
亀裂生長速度:試験は加硫ゴムに対し、約95℃で実施された。サンプルを約320回/分、総試験時間240分で繰返し屈曲(repeated bend flexing)する試験と言える。亀裂の長さを一定の時間間隔で測定し記録する。高い値ほど亀裂の生長により時間がかかったことを示すので良好である。亀裂生長長さ(単位ミリメートル)対時間(分)のグラフプロットについては図2参照。
【0053】
タンジェント・デルタ(損失正接):試験は加硫ゴムに対し、ラバー・プロセス・アナライザーを用いて実施された。試験中、サンプルは密封及び加圧された金型キャビティ内にある。サンプルを約135℃で約140分間硬化する。貯蔵弾性率及び損失弾性率(G’及びG”)を、約1パーセント〜140パーセントのプログラムされた歪について、約1ヘルツの周波数で測定する。試験は約100℃で管理される。10パーセント歪時のタンジェント・デルタは、10パーセント歪時G”を10パーセント歪時のG’で割った結果である。低い値ほど低い発熱性、すなわち低いヒステリシスを示す。
【0054】
レオメーター:試験中、約135℃で約140分間硬化される未硬化ゴムサンプルに可動ダイ(moving die)によって印加されるトルク。所定の試験期間の場合の90パーセントの硬化量に達する時間(分)を計算する。
【0055】
表2から、一般的タイヤサイドウォールのサンプルAは所望の貫入エネルギーを満たしておらず、従ってパンク原因物体に対する抵抗性が低いことがわかる。一般に、サイドウォールは柔らかく設計されていることで、トレッドゴムより大きいフレキシビリティを提供している。この柔軟なゴム成分は、タイヤトレッドのサンプルBと対比して、高い引裂抵抗性及び亀裂生長抵抗性及び高い発熱性をもたらしている。
【0056】
反対に、表2から、牽引及びパンク抵抗性を求めて設計されている一般的タイヤトレッドのサンプルBは、所望の貫入エネルギーこそ満たしているが、トレッドゴムは亀裂生長に対する抵抗性が低いことがわかる。タイヤトレッドの硬化速度はサイドウォールよりも早く90%硬化量に達するが、所望の硬化速度目標を満たしていない。
【0057】
実施例II
約−65℃〜約−70℃のTgを有する天然シス1,4−ポリイソプレンゴムと約−100℃〜約−106℃のTgを有するシス1,4−ポリブタジエンの混合物と共にN550ゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカを含むゴム組成物を製造した。これを本明細書中では対照ゴムサンプルC及び実験ゴムサンプルDと呼ぶ。対照ゴムサンプルCは、米国特許第6,046,266号で参照されている公知のサイドウォール配合物である。
【0058】
100部のゴムあたりの部(phr)で表したサンプルC及びDの成分を表3に示す。
【0059】
【表3】

【0060】
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、約−65℃〜約−70℃のTgを有する
シス1,4−ポリブテンゴム、約99パーセントのシス1,4異性体配置含有量及び約−103℃のTgを有するThe Goodyear Tire & Rubber Company社製のBudene 1207(登録商標)
N550(ASTM規格)、約43g/kgのヨウ素価及び121cc/100gのDBP価を有する
沈降シリカ、約135m/gのBET(窒素)表面積を有するPPG社製HiSil 210(登録商標)
カップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(そのポリスルフィドブリッジ中に平均約2〜約2.6個の範囲の硫黄原子を有する)及びカーボンブラックを重量比50/50で含むDegussa Evonik社製X266s(登録商標)
N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
ゴムサンプルC及びDの物理的性質を表4に示す。必要に応じて、表4のサンプルは約135℃の温度で約140分間硬化された。
【0061】
【表4】

【0062】
試験条件は表2の脚注に記載。
表4から、単一の硬化促進剤(表3に示す)を用いた対照サンプルCは本発明の基準を満たしていないことがわかる。サンプルCは改良された貫入抵抗性及び低い発熱性を有しているが、引裂抵抗性及び亀裂生長抵抗性は所望の目標性質より低く、90%の硬化に達する時間は所望の目標より2倍早い。スルフェンアミドの組合せを有するゴムサンプルDは全5つの所望の目標性質を満たしている。
【0063】
実施例III
所望の目標性質を達成するのにスルフェンアミドの一定の比率が必要とされるかどうかを決定するために、追加のゴムサンプルE及びFを、実施例IIのゴムサンプルC及びDで報告されたものと対比して評価した。追加のゴムサンプルE及びFは、表5からわかるように100部のゴムあたりの部(phr)で表したスルフェンアミド硫黄硬化促進剤の量を変動させた以外はゴムサンプルDと同一であった。
【0064】
【表5】

【0065】
促進剤A=N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
促進剤B=N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
ゴムサンプルE及びFの物理的性質をゴムサンプルC及びDと比較し、表6に示す。必要に応じて、サンプルは約135℃の温度で約140分間硬化された。
【0066】
【表6】

【0067】
試験条件は表2の脚注に記載。
表6から、特定の硬化促進剤比率(表5に示す)を用いたゴムサンプルE及びFは、ゴムサンプルDよりも実質的に速い亀裂生長速度を有し、速い硬化速度を有していることが分かる。従って、2.2:1という、N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドが大部分を占める前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの特定の硬化促進剤比率が所望の目標性質をすべて満たすことがわかり、これが本発明の重要な側面である。
【0068】
次の表7及び8は、表2、4及び6に報告されたデータを補足するという意味で、本明細書中の図1の貫入エネルギー(ジュール)対貫入深度(mm)、及び本明細書中の図2の亀裂生長長さ(単位ミリメートル、mm)対時間(分)のグラフ表示を提供するためのゴムサンプルA〜Fのデータを報告するために提示する。
【0069】
【表7】

【0070】
【表8】

【0071】
以下の図面は、表7及び8に示されたゴムサンプルの結果の更なる理解のために提供される。
図面
ゴムサンプルDは、表Aに示されたすべての指示パラメーターを満たしたことを再確認する。そこではゴムサンプルDは、硫黄加硫促進剤、すなわちN−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(促進剤A)及びN−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(促進剤B)の組合せを利用し、前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比は、N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(促進剤A)が大部分を占めるように2.2/1である。
【0072】
図1では、硬化ゴムサンプルA〜Fに貫入するためのジュール単位のエネルギーが、ミリメートル(mm)単位のパンク深度に対してプロットされている。
図1のグラフから、表7に報告されたサイドウォールサンプルAの貫入エネルギーは、トレッドサンプルB及び実験サンプルC、D、E及びFよりも貫入に少ないエネルギー(ジュール)しか必要としなかった、すなわちパンクに対する抵抗性が低いことがわかる。表2から、一般的タイヤトレッドはタイヤサイドウォールよりも良好なパンク抵抗性を有していることは先に述べた。硫黄硬化促進剤の比率以外は同じ配合を有する実験サンプルC、D、E及びFは、増大した貫入のためのエネルギーを示しており、良好なパンク抵抗性が予測される。
【0073】
図2では、硬化ゴムサンプルA〜Fを切り取るためのミリメートル単位の切傷生長長さ(亀裂生長長さ)が、分単位の時間に対してプロットされている。
図2のグラフから、サイドウォールサンプルA及び実験サンプルDは、トレッドサンプルB及び実験サンプルC、E及びFに対比して亀裂が伝播するのに最も長い時間がかかっており、改良された亀裂生長抵抗性が予測されることがわかる。表2から、一般的タイヤサイドウォールは一般的タイヤトレッドよりも亀裂生長に対して高い抵抗性を有していることは先に述べた。実験サンプルC、D、E及びFは類似の配合を有しているが、N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドが大部分を占めるように2.2/1という特定の前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比を有するサンプルDは、実験サンプルC、E及びFに対して亀裂の生長に時間がかかる。
【0074】
図1及び2のグラフ表示から、実験サンプルDは、パンク抵抗性及び亀裂生長抵抗性の所望性質を両方とも満たしながら、引裂抵抗性、低い発熱性及び90%の硬化量に達するまでの時間というその他の重要な性質も満たす唯一のサンプルである。
【0075】
便宜上、以下の表9にゴムサンプルA〜Fの物理的性質の結果のまとめを示す。
【0076】
【表9】

【0077】
促進剤A=N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
促進剤B=N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
表9から、ゴムサンプルDは、その硫黄硬化促進剤を、促進剤A対促進剤Bの比率2.2/1を有するスルフェンアミド系硫黄硬化促進剤の組合せに限定しているが、表Aに特定された指示された課題の物理的性質のすべてを満たしたことがわかる。
【0078】
本発明をその一つ又は複数の態様の記載によって例示してきたが、それらは、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することを意図したものではない。追加の利益及び変更は当業者には容易に明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向外側ゴムトレッドと前記トレッドから相隔たるビードへとそれぞれ伸びる1対のサイドウォールとを有するカーカスを持つオフロード空気入りタイヤであって、前記サイドウォールのそれぞれは、接地条件にさらされるために設計された外側サイドウォールゴム層を有しており、前記外側サイドウォールゴム層は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含む100phrのエラストマー
(1)40〜60phrのシス1,4−ポリイソプレン天然ゴム及び
(2)40〜60phrのシス1,4−ポリブタジエンゴム
(B)下記を含むゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカを含む40〜80phrの補強充填剤
(1)35〜50g/kgのヨウ素価(ASTM D1510)及び115〜130cc/100gのジブチルフタレート(DBP)価(ASTM D2414)からなる性質を有する20〜40phrのカーボンブラック、
(2)20〜40phrの沈降シリカ、ここで前記沈降シリカ対前記ゴム補強カーボンブラックの重量比は1/2〜2/2の範囲である、
(C)前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記エラストマーと相互作用する別の異なる部分を有するカップリング剤、そして
(D)N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びN−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの組合せからなる1〜2phrの一次硫黄加硫促進剤からなる硫黄及び硫黄加硫促進剤を含む硫黄硬化系、ここで前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比は5/1〜1.5/1の範囲である
を含むことを特徴とするゴム組成物であるタイヤ。
【請求項2】
前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比が3/1〜2/1の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
25〜75インチ(64〜191cm)の範囲のリム径を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
49〜65インチ(124〜165cm)の範囲のリム径を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項5】
少なくとも57インチ(少なくとも144cm)のリム径を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記周方向トレッドが、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)イソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つのポリマー、及びスチレンとイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つとのコポリマーを含む少なくとも一つのゴムを含む少なくとも一つのジエン系エラストマー、及び
(B)下記を含む20〜70phrのゴム補強充填剤
(1)90〜145g/kgの範囲のヨウ素価及び110〜145cc/100gの範囲のDBP価を有するゴム補強カーボンブラック、又は
(2)沈降シリカと前記ゴム補強ブラックとの組合せ
を含むゴム組成物であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記サイドウォールの外側ゴム層の前記ゴム組成物が、前記シス1,4−ポリブタジエンゴムの分散不連続相を含有する前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴムの連続相を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴムが−65℃〜−70℃の範囲のTgを有し、前記シス1,4−ポリブタジエンゴムが−100℃〜−106℃の範囲のTgを有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記サイドウォールの外側ゴム組成物が、−70℃〜−90℃の間のTgを有する他のエラストマーを除外することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記沈降シリカが、125〜200m/gのBET表面積を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記カップリング剤が、平均2〜4個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有するビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記カップリング剤が、平均3.2〜3.8個又は平均2〜2.6個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に有するビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記ビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドがビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドを含むことを特徴とする、請求項12に記載のタイヤ。
【請求項14】
前記カップリング剤が有機アルコキシメルカプトシランを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項15】
(A)前記N−N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド対前記N−tertブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドの重量比が3/1〜2/1の範囲であること、
(B)前記タイヤが25〜75インチ(64〜191cm)の範囲のリム径を有すること、
(C)前記サイドウォールの外側ゴム層の前記ゴム組成物が、前記シス1,4−ポリブタジエンゴムの分散不連続相を含有する前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴムの連続相を含むこと、
(D)前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴムが−65℃〜−70℃の範囲のTgを有し、前記シス1,4−ポリブタジエンゴムが−100℃〜−106℃の範囲のTgを有し、そして前記サイドウォールの外側ゴム組成物が、−70℃〜−90℃のTgを有するエラストマーを除外すること、そして
(E)前記カップリング剤が、
(1)平均2〜4個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有するビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、又は
(2)有機アルコキシメルカプトシラン
を含むこと
を特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項16】
前記ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドカップリング剤が平均2〜2.6個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有することを特徴とする、請求項15に記載のタイヤ。
【請求項17】
前記ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドカップリング剤が平均3.2〜3.8個の連結硫黄原子をそのポリスルフィドブリッジ中に含有することを特徴とする、請求項15に記載のタイヤ。
【請求項18】
前記周方向トレッドのゴム組成物のための補強充填剤が、シリカを含む補強充填剤を除外することを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。
【請求項19】
補強充填剤が、シリカカップリング剤を含まない前記ゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカの組合せであることを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。
【請求項20】
補強充填剤が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記エラストマーと相互作用する別の部分を有する、前記沈降シリカのためのカップリング剤を一緒にした前記ゴム補強カーボンブラック及び沈降シリカの組合せであることを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−100503(P2013−100503A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−247588(P2012−247588)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
【Fターム(参考)】