説明

シリコンインゴットの電磁鋳造方法

【課題】鋳造されたインゴット中の酸素濃度および炭素濃度を低減することができるシリコンインゴットの電磁鋳造方法を提供する。
【解決手段】シリコンインゴットの鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、置換処理を1回以上行い、置換処理は、チャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を所定の真空圧とする真空引き工程S1と、チャンバー内の圧力を前記真空圧に維持しつつチャンバー内の雰囲気を排出する真空圧維持工程S2と、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を所定の設定圧とする復圧工程S3と、チャンバー内に不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を前記設定圧に維持する設定圧維持工程S4とを含み、真空圧維持工程S2および設定圧維持工程S4でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用基板の素材であるシリコンインゴットの電磁鋳造方法に関し、さらに詳しくは、鋳造されたインゴット中の酸素濃度および炭素濃度を低減することができるシリコンインゴットの電磁鋳造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池の基板には、多結晶のシリコンウェーハを用いるのが主流である。その多結晶シリコンウェーハは、一方向凝固のシリコンインゴットを素材とし、このインゴットをスライスして製造される。太陽電池の普及を図るには、シリコンウェーハの品質を確保するとともに、コストを低減する必要があることから、その前段階で、シリコンインゴットを高品質で安価に製造することが要求される。この要求に対応できる方法として、特許文献1に開示されるように、電磁誘導を利用した連続鋳造方法(以下、「電磁鋳造法」ともいう)が実用化されている。
【0003】
図6は、電磁鋳造法に用いられる電磁鋳造装置の構成を示す模式図である。同図に示すように、電磁鋳造装置はチャンバー1を備える。チャンバー1は、内部を外気から隔離して鋳造に適した不活性ガス雰囲気に維持する二重壁構造の水冷容器である。チャンバー1の上壁には、開閉可能なシャッター2を介し、図示しない原料供給装置が連結されている。チャンバー1は、上部の側壁にチャンバー内に不活性ガスを供給する不活性ガス導入口5が設けられ、下部の側壁にチャンバー内の雰囲気を排出する排気口6が設けられている。不活性ガスとしてアルゴンやヘリウムが用いられる。
【0004】
チャンバー1内には、無底冷却ルツボ7、誘導コイル8およびアフターヒーター9が配置されている。冷却ルツボ7は、融解容器としてのみならず、鋳型としても機能し、熱伝導性および電気伝導性に優れた金属(例えば、銅)製の角筒体で、チャンバー1内に吊り下げられている。この冷却ルツボ7は、軸方向の一部が、複数の短冊状の素片により、周方向で複数に分割される。また、冷却ルツボ7は、内部を流通する冷却水によって強制冷却される。
【0005】
誘導コイル8は、冷却ルツボ7を囲繞するように、冷却ルツボ7と同芯に周設され、図示しない電源装置に接続されている。アフターヒーター9は、冷却ルツボ7と同芯に、冷却ルツボ7の下方に複数連設され、冷却ルツボ7から引き下げられるシリコンインゴット3を加熱して、その軸方向に適切な温度勾配を与えつつ、長時間かけて室温まで冷却する。アフターヒーター9は、インゴットを加熱するヒーターや断熱材、これらを固定する金属製部材により構成される。アフターヒーター9のヒーターには、発熱体としてカーボンやカンタル線などの耐熱合金の金属線が採用される。
【0006】
また、チャンバー1内には、原料供給装置に連結されたシャッター2の下方に原料導入管11が取り付けられている。シャッター2の開閉に伴って、粒状や塊状のシリコン原料12が原料供給装置から原料導入管11内に供給され、冷却ルツボ7内に装入される。
【0007】
チャンバー1の底壁には、アフターヒーター9の下方に、インゴット3を抜き出すための引出し口4が設けられ、この引出し口4はシールされている。インゴット3は、引出し口4を貫通して下降する支持台15によって支えられながら引き下げられる。
【0008】
冷却ルツボ7の真上には、プラズマトーチ14が昇降可能に設けられている。プラズマトーチ14は、図示しないプラズマ電源装置の一方の極に接続され、他方の極は、インゴット3側に接続されている。このプラズマトーチ14は、下降させて冷却ルツボ7内に挿入された状態で使用される。
【0009】
このような電磁鋳造装置を用いた電磁鋳造法では、冷却ルツボ7内にシリコン原料12を装入し、誘導コイル8に交流電流を印加するとともに、下降させたプラズマトーチ14に通電を行う。このとき、冷却ルツボ7を構成する短冊状の各素片が互いに電気的に分割されていることから、誘導コイル8による電磁誘導に伴って各素片内で渦電流が発生し、冷却ルツボ7の内壁の渦電流が冷却ルツボ7内に磁界を発生させる。これにより、冷却ルツボ7内のシリコン原料は電磁誘導加熱されて融解し、溶融シリコン13が形成される。また、プラズマトーチ14とシリコン原料、さらには溶融シリコン13との間にプラズマアークが発生し、そのジュール熱によっても、シリコン原料が加熱されて融解し、電磁誘導加熱の負担を軽減して効率良く溶融シリコン13が形成される。
【0010】
溶融シリコン13は、冷却ルツボ7の内壁の渦電流に伴って生じる磁界と、溶融シリコン13の表面に発生する電流との相互作用により、溶融シリコン13の表面の内側法線方向に力(ピンチ力)を受ける。このため、冷却ルツボ7と溶融シリコン13とは、非接触の状態に維持される。
【0011】
冷却ルツボ7内でシリコン原料12を融解させながら、溶融シリコン13を支える支持台15を徐々に下降させると、誘導コイル8の下端から遠ざかるにつれて誘導磁界が小さくなることから、発熱量およびピンチ力が減少し、さらに冷却ルツボ7からの冷却により、溶融シリコン13は外周部から凝固が進行する。そして、支持台15の下降に伴ってシリコン原料12を連続的に装入し、融解および凝固を継続することにより、溶融シリコン13が一方向に凝固し、インゴット3を連続して鋳造することができる。
【0012】
このような電磁鋳造法によれば、溶融シリコン13と冷却ルツボ7との接触が軽減されるため、その接触に伴う冷却ルツボ7からの不純物の汚染が防止され、高品質のインゴット3を得ることができる。しかも、連続鋳造であることから、安価に一方向凝固されたインゴット3を製造することが可能になる。
【0013】
ここで、鋳造されたインゴット中の酸素濃度が高くなると、鋳造されたインゴットを切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率が低下する。これは、太陽電池の基板に酸素が存在すると、光励起により放出された自由電子を酸素が奪う現象が発生するからである。
【0014】
多結晶シリコンインゴットを鋳造する方法として、前述の電磁鋳造法の他にキャスト法があり、このキャスト法と比べ、電磁鋳造法は鋳造されたインゴット中の酸素濃度を低減することができる。これは、キャスト法では、シリコン原料を融解する容器や部材に石英を用いるのに対し、電磁鋳造法では冷却ルツボや部材に石英を用いることなく、インゴットの鋳造を行うからである。しかし、電磁鋳造法によるインゴットの鋳造では、さらなる品質向上を実現するため、よりインゴット中の酸素濃度を低減することが望まれている。
【0015】
酸素濃度を低減してインゴットを鋳造する方法に関して従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献2がある。特許文献2に提案される多結晶シリコンインゴットの鋳造方法では、シリコン粉末を高圧成形で造粒し、この造粒されたシリコン圧粉体をプラズマ溶解することにより脱酸素する。プラズマ溶解することにより得られる溶解材を破砕してシリコン原料とし、このシリコン原料を用いてインゴットを鋳造する。特許文献2では、シリコン粉末を造粒して溶解した後、破砕してシリコン原料とすることにより、細粒のシリコン粉末をシリコン原料とすることができるとともに、鋳造されたインゴット中の酸素濃度を低減できるとしている。
【0016】
一方、電磁鋳造法によるインゴットの鋳造では、通常、シリコンインゴットの鋳造を行う前に、チャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換する置換処理を行う。これは、インゴットの鋳造を行ったチャンバーを開放して清掃といった作業を行う際にチャンバー内に大気が流入し、流入した大気に含まれる酸素や水分がチャンバー内に存在する状態で、新たにインゴットの鋳造を行うと、インゴットに酸素が取り込まれて酸素濃度が高くなるからである。このため、インゴットの鋳造を行う前の置換処理では、チャンバー内に存在する酸素や水分を可能な限り除去することが望まれる。
【0017】
図7は、従来の置換処理の工程例を示す図である。図中のS1、S3およびS4は置換処理の工程を表す。同図に示す従来の置換処理では、真空引き工程S1により、チャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の雰囲気の圧力を所定の真空圧とする。真空引き工程S1後の復圧工程S3では、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を所定の設定圧とし、チャンバー内に不活性ガスを充満させる。復圧工程S3後の設定圧維持工程S4では、チャンバー内に不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を設定圧に維持しつつ、チャンバー内に残存する大気を除去する。
【0018】
同図に示す置換処理で、真空引き工程S1後に復圧工程S3を行ってチャンバー内に不活性ガスを充満させるのは、チャンバー内に不活性ガスを供給しつつチャンバー内の雰囲気を排出して不活性ガスを充満させる方式と比べ、処理に要する時間を短縮することができるからである。
【0019】
このような真空引き工程S1、復圧工程S3および設定圧維持工程S4からなる置換処理では、同図に二点鎖線で囲んで示す設定圧維持工程S4で、内側にインゴットを配置することなく、インゴットを加熱しつつ冷却するアフターヒーターを稼働させ、アフターヒーターを空焼きしていた。設定圧維持工程S4でアフターヒーターを空焼きすることにより、チャンバー内の水分を蒸発させる。この蒸発した水分をチャンバー内の雰囲気とともに排出することにより、チャンバー内に存在する水分を除去していた。
【0020】
このような置換処理では、1回のみ置換処理を行う場合に比べ、複数回繰り返して置換処理を行うことにより、チャンバー内に残存する酸素や水分をより多く除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開WO02/053496号パンフレット
【特許文献2】特開平11−314911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前述のとおり、鋳造されたインゴット中の酸素濃度が高くなると、鋳造されたインゴットを切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率が低下することから、鋳造されたインゴット中の酸素濃度を可能な限り低減させることが望まれる。前記特許文献2に提案される多結晶シリコンインゴットの鋳造方法により、シリコン粉末を造粒して溶解した後、破砕してシリコン原料とすることにより、細粒のシリコン粉末をシリコン原料とすることができるとともに、鋳造されたインゴット中の酸素濃度を低減できる。
【0023】
しかしながら、従来の置換処理により、鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換すると、チャンバー内に水分が残存し、その結果、鋳造されたインゴット中の酸素濃度が、同一のインゴット内において引き下げ軸の方向で変化し、ボトム部(鋳造初期に凝固する部分)で高くなる傾向がある。鋳造されたインゴット中の酸素濃度が許容される酸素濃度より高くなった場合、その部分を切り捨てることから、製造歩留りが悪化する。
【0024】
また、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度は、鋳造する都度、異なる濃度となりばらつきが大きい。鋳造されるインゴットを高品質に維持するため、電磁鋳造装置は、一般的に、温度および湿度が一定に保たれた大気中に設置されるが、その場合でも気候変動により大気の絶対湿度は僅かに変化する。これにより、チャンバーを開放した際にチャンバー内に入り込む水分量が増減することにより、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度は、鋳造する都度、ばらつき異なる濃度となる。
【0025】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、鋳造されたインゴットのボトム部において酸素濃度を低減することができるとともに、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制することができるシリコンインゴットの電磁鋳造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、前記図7に示すような従来の置換処理によって鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、真空引き工程によってチャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることにより、鋳造されたインゴットのボトム部において酸素濃度を低減することができるとともに、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制可能であることを知見した。
【0027】
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)および(2)のシリコンインゴットの電磁鋳造方法を要旨としている。
【0028】
(1)雰囲気が不活性ガスに置換されたチャンバー内で、導電性を有する無底冷却ルツボにシリコン原料を投入し、無底冷却ルツボを囲繞する誘導コイルからの電磁誘導加熱によりシリコン原料を融解させ、この溶融シリコンを無底冷却ルツボから引き下げながら凝固させてシリコンインゴットとし、当該シリコンインゴットをアフターヒーターにより加熱しつつ冷却して鋳造するシリコンインゴットの電磁鋳造方法において、
シリコンインゴットの鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、置換処理を1回以上行い、
置換処理は、チャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を所定の真空圧とする真空引き工程と、真空引き工程後に、チャンバー内の圧力を前記真空圧に維持しつつチャンバー内の雰囲気を排出する真空圧維持工程と、真空圧維持工程後に、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を所定の設定圧とする復圧工程と、復圧工程後に、チャンバー内に不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を前記設定圧に維持する設定圧維持工程とを含み、真空圧維持工程、復圧工程および設定圧維持工程でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とするシリコンインゴットの電磁鋳造方法である。
【0029】
(2)さらに復圧工程でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とする上記(1)に記載のシリコンインゴットの電磁鋳造方法。
【発明の効果】
【0030】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、置換処理の設定圧維持工程でチャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることにより、置換処理の水分除去能力を向上できる。これにより、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は鋳造されたインゴットのボトム部において酸素濃度を低減することができるとともに、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制することができる。さらに、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、鋳造されたインゴットのボトム部の炭素濃度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のインゴットの電磁鋳造法による置換処理の工程例を説明する図である。
【図2】本発明例および比較例における絶対湿度と、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度との関係を示す図である。
【図3】比較例で鋳造されたインゴットのボトム部における酸素濃度と炭素濃度との関係を示す図である。
【図4】鋳造されたインゴットの引き下げ軸方向の酸素濃度分布を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は本発明例の引き下げ軸方向の酸素濃度分布をそれぞれ示す。
【図5】発明例および比較例で鋳造されたインゴットのボトム部における酸素濃度を示す図である。
【図6】電磁鋳造法に用いられる電磁鋳造装置の構成を示す模式図である。
【図7】従来の置換処理の工程例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1は、本発明のインゴットの電磁鋳造法による置換処理の工程例を説明する図である。図中のS1〜S4は置換処理の工程を表す。同図に示す置換処理の工程例は、チャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を所定の真空圧とする真空引き工程S1と、真空引き工程S1後に、チャンバー内の圧力を前記真空圧に維持しつつチャンバー内の雰囲気を排出する真空圧維持工程S2と、真空圧維持工程S2後に、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を所定の設定圧とする復圧工程S3と、復圧工程S3後に、チャンバー内に不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を前記設定圧に維持する設定圧維持工程S4とからなる。
【0034】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、置換処理は、真空引き工程S1と、真空圧維持工程S2と、復圧工程S3と、設定圧維持工程S4とを含み、真空圧維持工程S2および設定圧維持工程S4でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とする。真空圧維持工程S2および設定圧維持工程S4で、内側にインゴットを配置することなく、インゴットを加熱しつつ冷却するアフターヒーターを稼働させ、アフターヒーターを空焼きする。
【0035】
真空引き工程によってチャンバー内の雰囲気の圧力を低下させた状態を維持しつつ、真空圧維持工程でアフターヒーターを空焼きすることにより、アフターヒーターを構成するヒーターや断熱材を高温にする。雰囲気の圧力が低下した状態ではヒーターや断熱材に含まれる水分は蒸発し易く、この蒸発した水分はチャンバー内の雰囲気とともにチャンバーから排出される。
【0036】
前記図7に示すような従来の置換処理では、チャンバー内の圧力を復圧した状態でアフターヒーターを空焼きする。この場合、アフターヒーターを構成するヒーターや断熱材に含まれる水分は蒸発し難く、残存する場合がある。このようにアフターヒーターを構成するヒーターや断熱材に水分が残存した状態でインゴットの鋳造を行い、アフターヒーターによりインゴットを加熱すると、アフターヒーターに残存した水分が鋳造初期に蒸発する。この蒸発した水分から反応により酸素が発生してインゴットに取り込まれ、その結果、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度が高くなる。
【0037】
前述のとおり、本発明による置換処理では、チャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることから、ヒーターや断熱材に含まれる水分は蒸発し易い。このため、チャンバーを開放した際にアフターヒーターに含まれた水分の除去能力を向上させることができ、インゴットの鋳造を行う際にアフターヒーターに残存する水分の量を減少させることができる。その結果、インゴットの鋳造を行う際に、アフターヒーターから水分が蒸発して発生する酸素量を減らし、鋳造されたインゴットのボトム部で酸素濃度を低減することができる。
【0038】
このように、本発明による置換処理は、アフターヒーターに含まれる水分の除去能力が向上していることから、絶対湿度が変化して高くなった場合でも、アフターヒーターに水分が残存する量が増加するのを抑え、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度が増加するのを抑制することができる。このため、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造法は、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制することができる。
【0039】
また、アフターヒーターに残存する水分は、例えば、ヒーターに含まれる炭素と反応してCOとなってインゴットに取り込まれ、鋳造されたインゴットのボトム部の炭素濃度を高くする。本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造法は、チャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり前述の置換処理を行い、アフターヒーターに含まれる水分の除去能力が高い。このため、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造法は、鋳造されたインゴットのボトム部の炭素濃度を低減することができる。
【0040】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法では、さらに復圧工程でアフターヒーターを空焼きし、前記図1に二点鎖線で囲んで示すように真空圧維持工程S2、復圧工程S3および設定圧維持工程S4でアフターヒーターを空焼きするのが好ましい。復圧工程でもアフターヒーターを空焼し、チャンバー内に供給された不活性ガス雰囲気を加熱することにより、設定圧維持工程の処理に要する時間を短縮できるからである。
【0041】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法では、置換処理の真空工程および真空圧維持工程における真空圧は、チャンバーの耐圧性やチャンバー内の雰囲気を排出する真空ポンプの能力に応じて適宜設定することができる。真空圧は、真空工程においてチャンバー内に残存する大気(酸素)量を低減できるとともに、真空圧維持工程においてアフターヒーターに含まれる水分を蒸発し易くできることから、低いほど好ましい。しかしながら、真空圧を低く設定し過ぎると、チャンバーや真空ポンプに要する設備コストが問題となる。
【0042】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法では、置換処理の真空圧維持工程、復圧工程および設定圧維持工程でアフターヒーターを空焼きする温度は、アフターヒーターやこれに接する部材の耐熱温度に応じて設定することができる。アフターヒーターを空焼きする温度は、アフターヒーターに残存する水分量を減少できることから、高いほど好ましいが、温度を高く設定し過ぎると、アフターヒーターやこれに接する部材が溶損するおそれがあるからである。
【0043】
真空圧維持工程はアフターヒーターに含まれる水分を除去することを目的としていることから、真空圧維持工程では、空焼きによりアフターヒーターを高温とした状態を一定時間保持する。このアフターヒーターを高温とした状態を保持する時間は、アフターヒーターを構成するヒーターや断熱材の寸法や材質に応じて適宜設定すればよい。
【0044】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法では、復圧工程および設定圧維持工程における設定圧は、インゴットの鋳造を行う際のチャンバー内の圧力とすることができる。これにより、置換処理を行った後、チャンバー内の圧力を調整することなく、インゴットの鋳造を行うことができるからである。
【0045】
真空引き工程や真空圧維持工程でチャンバー内の圧力を低下させると、チャンバーの内壁やチャンバー内に配置された部材の表面が結露する。真空圧維持工程でアフターヒーターを空焼きすると、アフターヒーターやこれと接する部材は高温となるが、チャンバー内の雰囲気を介した熱の伝播がほとんどおこらないことから、それ以外の部材やチャンバー内壁は低温のままとなる。このため、結露した水分は加熱されず低温のままであり、結露した水分の大部分がチャンバーの内壁やチャンバー内に配置された部材の表面に残存する。
【0046】
復圧工程によって不活性ガスを供給してチャンバー内に不活性ガスが充満した状態でアフターヒーターを空焼きすると、チャンバー内の不活性ガス雰囲気が加熱されて高温となり、高温となった不活性ガスにより結露した水分が雰囲気加熱されて蒸発する。復圧工程後の設定圧維持工程では、不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出することから、蒸発した水分はチャンバー内の雰囲気とともに排出され、結露した水分を除去することができる。
【0047】
設定圧維持工程では、チャンバー内の雰囲気温度を結露した水分が蒸発する温度にするため、チャンバーの容量に応じて供給する不活性ガスの流量やアフターヒーターの出力を適宜調整すればよい。また、設定維持工程では、結露した水分が全て蒸発するように時間を適宜調整すればよい。
【0048】
このような本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法による置換処理は、1回のみ置換処理を行う場合に比べ、複数回繰り返して置換処理を行うことにより、チャンバー内に残存する酸素や水分の量をより減少させることができる。したがって、インゴット中に許容される酸素濃度に応じて、複数回繰り返して行うことができる。本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法では、置換処理を繰り返す回数は3〜5回が目安となる。
【実施例】
【0049】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法の効果を確認するため、置換処理によりチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換した後、電磁鋳造法によりインゴットを鋳造する試験を行った。その後、鋳造されたインゴットにおけるボトム部の酸素濃度および引き下げ軸方向の酸素濃度分布を調査した。
【0050】
1.ボトム部の酸素濃度
[試験条件]
本試験では、前記図6に示す電磁鋳造装置を用いて電磁鋳造法により引き下げ長さが7000mm、引き下げ軸に垂直な断面が矩形状で短辺345mm、長辺505mmであるシリコンインゴットを鋳造した。鋳造に用いた電磁鋳造装置は、チャンバー1の容量が36m3であり、引き下げ軸方向の長さが400mmであるアフターヒーター9を20段設けた。アフターヒーター9は、ステンレス鋼からなる四角筒状の外枠と、外枠の内面を覆う断熱材と、断熱材の内側に配置されるヒーターとで構成した。断熱材には厚さ20mmのアルミナ繊維からなるものを用い、断熱材の内側4面の各表面全体にそれぞれヒーターを配置した。また、不活性ガスはアルゴンガスを用いた。
【0051】
本発明例では、インゴットの鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、前記図1を用いて説明した本発明による置換処理を3回行った。本発明例の置換処理では、真空引き工程でチャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を5.3Paとした。真空引き工程後の真空圧維持工程でチャンバー内の圧力を5.3Paに維持しつつチャンバー内の雰囲気を排出した。この際、アフターヒーターを空焼きすることによりヒーターを1000℃にして20分間保持した。
【0052】
真空圧維持工程後の復圧工程では、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を2.9kPaとし、この際に空焼きするアフターヒーターのヒーター温度は1000℃で保持した。復圧工程後の設定圧維持工程では、チャンバー内に不活性ガスを流量30l/minで供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を2.9kPaに維持した。また、設定圧維持工程では、空焼きするアフターヒーターのヒーターを1000℃で90分間保持し、その結果、チャンバー内の雰囲気温度における最低温度が120℃以上である状態が3回の置換処理により合計で約120分間保持された。
【0053】
比較例では、インゴットの鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、前記図7を用いて説明した従来の置換処理を3回行った。比較例の置換処理では、真空引き工程でチャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を5.3Paとした。真空引き工程後の復圧工程では、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を2.9kPaとした。復圧工程後の設定圧維持工程では、チャンバー内に不活性ガスを流量200l/minで供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を2.9kPaに維持した。また、設定圧維持工程では、アフターヒーターを空焼きすることによりヒーターを1000℃にして90分間保持し、その結果、チャンバー内の雰囲気温度における最低温度が120℃以上である状態が3回の置換処理により合計で約80分間保持された。
【0054】
本発明例および比較例ともに、上述の置換処理によりチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換してインゴットを鋳造する試験を複数回行った。各試験では、チャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換する前にチャンバー内の雰囲気の絶対湿度を測定した。また、鋳造されたインゴットを外周から10mmの位置で切断して鋳肌面を除去した後、インゴットを引き下げ軸に平行な面で縦2個、横3個に分割して6個の分割インゴットとした。
【0055】
6個の分割インゴットからそれぞれウェーハを切り出し、引き下げ軸方向における下端位置からサンプルウェーハを6枚採取した。6枚のサンプルウェーハについて格子間酸素濃度をFT−IR法(ASTM F121−79)で測定し、測定値を平均して各試験でボトム部の酸素濃度を算出した。また、比較例では、引き下げ軸方向における下端位置から採取した6枚のサンプルウェーハについて炭素濃度をFT−IR法で測定し、測定値を平均して各試験でボトム部の炭素濃度を算出した。
【0056】
[試験結果]
図2は、本発明例および比較例における絶対湿度と、鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度との関係を示す図である。同図に示す酸素濃度は、本発明例および比較例における酸素濃度のうちで、最高値を基準(1.0)とした相対値であり、図中の破線は酸素濃度0.55を示す。同図から、比較例では、絶対湿度が上昇するとボトム部の酸素濃度が高くなる傾向があり、比較例の大部分がボトム部の酸素濃度が0.55を超えた。一方、本発明例の大部分は、ボトム部の酸素濃度が0.55以下となり、絶対湿度が上昇した場合でもボトム部の酸素濃度が高くなることがなかった。また、比較例では、最高値と最低値の差は約0.6であったのに対し、本発明では、最高値と最低値の差は約0.3であった。
【0057】
したがって、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、真空圧維持工程によってチャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることにより、鋳造されたインゴットのボトム部において酸素濃度を低減することができるとともに、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制可能であることが明らかになった。
【0058】
ここで、比較例の設定圧維持工程では不活性ガスを流量200l/minで供給したのに対し、本発明例の設定圧維持工程では不活性ガスを流量30l/minで供給した。このように、本発明例は、比較例より流量を減少させたにもかかわらず、本発明例は、比較例よりボトム部の酸素濃度を低減できた。
【0059】
これは、以下の理由によるものと考えられる。従来の置換処理では、設定圧維持工程のみでアフターヒーターを空焼きすることから、設定圧維持工程で蒸発する水分量が多く、蒸発した水分をチャンバー内の雰囲気とともに排出するために流量を増加させる必要があった。これに対し、本発明による置換処理では、真空圧維持工程でアフターヒーターを空焼きしつつ、チャンバー内の雰囲気を排出することにより、ある程度の水分がチャンバー内から除去される。このため、設定圧維持工程ではチャンバーの内壁等に結露した水分を主に蒸発させてチャンバー内の雰囲気とともに排出することになり、その結果、本発明による置換処理では、ボトム部の酸素濃度を低減することができるとともに、設定圧維持工程で不活性ガスを供給する際の流量を低減することができる。
【0060】
図3は、比較例で鋳造されたインゴットのボトム部における酸素濃度と炭素濃度との関係を示す図である。同図では、横軸が酸素濃度、縦軸が炭素濃度をそれぞれ示し、いずれも原点から遠ざかるほど濃度が高いことを示す。同図より、電磁鋳造法により鋳造されたインゴットのボトム部の酸素濃度と炭素濃度は相関関係を有し、酸素濃度が高くなれば炭素濃度も高くなる傾向があるといえる。すなわち、前記図2に示すように本発明によりインゴットのボトム部の酸素濃度を低減できることから、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、インゴットのボトム部の炭素濃度も低減できることが明らかになった。
【0061】
2.引き下げ軸方向の酸素濃度分布
[試験条件]
次に、鋳造されたインゴットにおける引き下げ軸方向の酸素濃度分布を調査した。本発明例および比較例ともに、前記「1.ボトム部の酸素濃度」に記載した手順および条件によりチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換した後、電磁鋳造法によりインゴットの鋳造を行った。この際、本発明例および比較例ともに、チャンバー内の雰囲気の絶対湿度をチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換する前に測定し、その絶対湿度は約1.2kg/kg(DA)であった。
【0062】
本発明例および比較例ともに、鋳造されたインゴットを外周から10mmの位置で切断して鋳肌面を除去した後、インゴットを引き下げ軸に平行な面で縦2個、横3個に分割して6個の分割インゴットとした。分割インゴットからそれぞれウェーハを切り出してサンプルウェーハを採取した。サンプルウェーハは、引き下げ軸方向における下端位置、下端位置から1200mm、2400mm、3600mm、4800mm、6300mm、6600mmおよび6900mmの位置で、6個の分割インゴットからそれぞれ採取した。サンプルウェーハについて格子間酸素濃度をFT−IR法(ASTM F121−79)で測定し、引き下げ軸方向で同位置である6枚のサンプルウェーハで測定値を平均して各位置の酸素濃度を算出した。算出された下端位置での酸素濃度をボトム部の酸素濃度とした。
【0063】
[試験結果]
図4は、鋳造されたインゴットの引き下げ軸方向の酸素濃度分布を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は本発明例の引き下げ軸方向の酸素濃度分布をそれぞれ示す。同図に示す酸素濃度は、比較例のボトム部から採取したサンプルウェーハの平均値を基準(1.0)とした相対値である。同図から、本発明例および比較例ともに、鋳造されたインゴットのボトム部(鋳造初期に凝固する部分)で酸素濃度が最も高くなり、ボトム部からの距離が増加するとともに酸素濃度が低下した。したがって、鋳造されたインゴットの酸素濃度は、ボトム部(鋳造初期に凝固する部分)が高くなる傾向があることが確認できた。
【0064】
図5は、本発明例および比較例で鋳造されたインゴットのボトム部における酸素濃度を示す図である。同図に示す酸素濃度は、比較例のボトム部から採取したサンプルウェーハの平均値を基準(1.0)とした相対値である。同図から、比較例の酸素濃度は約0.75〜1.3となったのに対し、本発明例の酸素濃度は約0.4〜0.8となった。したがって、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、真空圧維持工程によってチャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることにより、鋳造されたインゴットにおいて、ボトム部の酸素濃度を低減できることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、置換処理の設定圧維持工程でチャンバー内の圧力を低下させた状態でアフターヒーターを空焼きすることにより、置換処理の水分除去能力を向上できる。これにより、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は鋳造されたインゴットのボトム部において酸素濃度を低減することができるとともに、絶対湿度の変化による酸素濃度のばらつきを抑制することができる。さらに、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法は、鋳造されたインゴットのボトム部の炭素濃度を低減することができる。
【0066】
したがって、本発明のシリコンインゴットの電磁鋳造方法を、太陽電池用ウェーハの製造に適用すれば、製造されたウェーハを用いた太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。また、鋳造されたインゴット中の酸素濃度が基準を超える場合に切り捨てる量を減少させることにより、製造歩留りを向上できる。このため、本発明は太陽電池用ウェーハの製造に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1:チャンバー、 2:シャッター、 3:シリコンインゴット、 4:引出し口、
5:不活性ガス導入口、 6:排気口、 7:無底冷却ルツボ、 8:誘導コイル、
9:アフターヒーター、 11:原料導入管、 12:シリコン原料、
13:溶融シリコン、 14:プラズマトーチ、 15:支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雰囲気が不活性ガスに置換されたチャンバー内で、導電性を有する無底冷却ルツボにシリコン原料を投入し、無底冷却ルツボを囲繞する誘導コイルからの電磁誘導加熱によりシリコン原料を融解させ、この溶融シリコンを無底冷却ルツボから引き下げながら凝固させてシリコンインゴットとし、当該シリコンインゴットをアフターヒーターにより加熱しつつ冷却して鋳造するシリコンインゴットの電磁鋳造方法において、
シリコンインゴットの鋳造を行う前にチャンバー内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換するにあたり、置換処理を1回以上行い、
置換処理は、
チャンバー内の雰囲気を排出してチャンバー内の圧力を所定の真空圧とする真空引き工程と、
真空引き工程後に、チャンバー内の圧力を前記真空圧に維持しつつチャンバー内の雰囲気を排出する真空圧維持工程と、
真空圧維持工程後に、チャンバー内に不活性ガスを供給してチャンバー内の圧力を所定の設定圧とする復圧工程と、
復圧工程後に、チャンバー内に不活性ガスを供給するとともにチャンバー内の雰囲気を排出して、チャンバー内の圧力を前記設定圧に維持する設定圧維持工程とを含み、
真空圧維持工程および設定圧維持工程でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とするシリコンインゴットの電磁鋳造方法。
【請求項2】
さらに復圧工程でアフターヒーターを空焼きすることを特徴とする請求項1に記載のシリコンインゴットの電磁鋳造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−136387(P2012−136387A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289946(P2010−289946)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】