説明

シリンダ装置およびシリンダ装置の製造方法

【課題】保護カバーの強度を確保するとともに製造工程に自由度をもたせることが可能なシリンダ装置およびシリンダ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】金属製の保護カバー27を軸方向へ分割して構成し、一方を取付けアイ25に固定される第1保護カバー28とし、他方を全長が第1シリンダ2および第2シリンダ3のそれぞれの全長よりも短く形成され第2シリンダ3との間に一定の隙間を有する第2保護カバー29とし、第2保護カバー29を取付けアイ25に固定された第1保護カバー28に圧入して当該第1保護カバー28と第2保護カバー29とを一体化させた。これにより、第2保護カバー29を第2シリンダ3に仮組みした状態で第2シリンダ3の下端をかしめ加工することができ、保護カバーの強度を確保するとともに組立ての自由度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置およびシリンダ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ピストンロッドと取付けアイとの接合部にスプリングシートを固定し、該スプリングシートによりダストカバーの一端を支持したシリンダ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−26409号公報
【特許文献2】特開2008−45738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、ピストンロッドの先端は金属製のスプリングシートによりカバーされているが、ピストンロッドの先端を除くシリンダ外へ突出した部分およびシリンダの先端はプラスチック製のダストブーツによりカバーされているだけである。したがって、車両走行中、小石等が当該ダストカバーに衝突した場合、ダストカバーが破損してピストンロッドあるいはシリンダの先端が傷付く虞がある。
そこで、特許文献2には、第1シリンダの外周に当該第1シリンダとの間に空間を有するように第2シリンダを設け、該第2シリンダの外周に第2シリンダに対して軸方向へ相対移動可能な第3シリンダを設け、該第3シリンダは、一端がピストンロッドと取付けアイとの接合部に固定された底蓋部材により保持され、全長が第2シリンダの全長と同一あるいはそれ以上に設定されたショックアブソーバ(シリンダ装置)が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載のショックアブソーバ(シリンダ装置)では、第2シリンダと第3シリンダとの間に隙間がなく、さらに第3シリンダの全長が第2シリンダの全長と同一あるいはそれ以上に設定されていることから、組み立て時に第3シリンダを第2シリンダに組み付けてしまうと、例えば、第1シリンダおよび第2シリンダの端部(取付けアイ側の端部)に底蓋部材を組付けた後、第2シリンダの端部をかしめ加工することができない。したがって、第3シリンダを第2シリンダに最後に組み付ける必要があり、工程の自由度が小さく製造工程の合理化が困難であった。さらに、第3シリンダの採用によりショックアブソーバが重量化する。
本発明は、保護カバーの強度を確保するとともに製造工程に自由度をもたせることが可能なシリンダ装置およびシリンダ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のシリンダ装置は、保護カバーは、第1保護カバーと第2保護カバーとにピストンロッド軸方向へ分割して構成され、第1保護カバーは、ピストンロッドまたは取付けアイに固定され、第2保護カバーは、全長がシリンダの全長よりも短く形成されるとともにシリンダとの径方向間に所定の隙間をもって第1保護カバーに固定され、第2保護カバーの開口端には、シリンダを覆うダストブーツが接続され、第1または第2保護カバーの外周には、スプリングシートが圧入により取り付けられることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明のシリンダ装置の製造方法は、保護カバーを、第1保護カバーと第2保護カバーとに前記ピストンロッド軸方向へ分割して構成し、スプリングシートを第2保護カバーの外周に圧入により固定するステップと、第2保護カバーをシリンダの外周に仮組みするステップとを含み、第1保護カバーをピストンロッドまたは取付けアイに溶接により固定し、シリンダのピストンロッドが突出した側の端部をかしめ加工した後、仮組みされた第2保護カバーを第1保護カバーに圧入により固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保護カバーの強度を確保するとともに製造工程に自由度をもたせることが可能なシリンダ装置およびシリンダ装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のシリンダ装置の軸断面を示す図である。
【図2】第1保護カバーの取付け構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図1における上方向を上方(上側)および下方向を下方(下側)、ならびに図1に上下方向を軸方向と定義する。
図1に示されるように、シリンダ装置1は、第1シリンダ2と、該第1シリンダ2の外周に設けられ第1シリンダ2に対して同心に配置される第2シリンダ3とを有する。第1シリンダ2内にはピストン4が摺動可能に嵌合されており、該ピストン4により第1シリンダ2の内部空間が上室5と下室6とに区分される。ピストン4にはピストンロッド7の上端が固定され、該ピストンロッド7は、ピストン4から下方へ延びて第1シリンダ2の下端を閉塞する底蓋部材8を貫通して第1シリンダ2外へ突出する。なお、第1シリンダ2と第2シリンダ3との間に形成された下室側連通路14は、底蓋部材8と第1シリンダ2との間に形成された既定の通路により下室6に連通される。
【0010】
第1シリンダ2の上端には、第1シリンダ2の上端を閉塞する上室側減衰バルブ9を介して第1筒体10が接続される。該第1筒体10は、第1シリンダ2に対して同心に設けられ上室側減衰バルブ9から上方へ延びる。第1筒体10の外周には、第1筒体10に対して同心に配置された第2筒体11が設けられる。第2筒体11の下端にはフランジ12が形成され、該フランジ12の内周には第2シリンダ3の上端が嵌合される。第1筒体10と第2筒体11との間には環状の通路19が形成され、該通路19は、上室側減衰バルブ9に形成された通路9aを介して第1シリンダ2と第2シリンダ3との間に形成された下室側連通路14に連通される。
【0011】
第2筒体11の上部にはプラグ部材15が同心に設けられ、該プラグ部材15には下室側減衰バルブ16が収容される。そして、第1筒体10と第2筒体11との間に形成された上記通路19は、プラグ部材15に形成された通路20および下室側減衰バルブ16を介して第1ポート17に連通される。また、第1筒体10の内部に形成された通路21は、一方がプラグ部材15の側面に開口した第2ポート18に連通され他方が上室側減衰バルブ9を介して上室5に連通される。なお、プラグ部材15と第2筒体11とは、プラグ部材15の内周に設けられた雌ねじと第2筒体11の外周に設けられた雄ねじとを螺合させることにより接続される。第2筒体11の中間部の外周にはブッシュ部材22a、22bが嵌合され、該ブッシュ部材22a、22bは、座金23を介してプラグ部材15とフランジ12との間で圧縮される。また、ブッシュ部材22a、22bの間には、環状に形成された上側スプリングシート24が設けられる。
【0012】
ピストンロッド7の下端には取付けアイ25が取り付けられる。図2に示されるように、取付けアイ25は、外郭が正面視で馬蹄形に形成された取付けアイ本体と、該取付けアイ本体の端面25b中央に設けられ上方へ向けて延びる軸部25aと、により構成される。取付けアイ25の軸部25aは、ピストンロッド7の外径よりも大きい外径を有し、溶接による接合部26をもってピストンロッド7に接合される。図1に示されるように、ピストンロッド7および第2シリンダ3の下端は、金属製の保護カバー27により覆われ、該保護カバー27は、第1保護カバー28と第2保護カバー29とに軸方向へ分割されて構成される。
【0013】
第1保護カバー28は、円形に形成された底部28aと、該底部28aにR部を介して連続し第2シリンダ3の外径よりも大きい内径を有する円筒部28bと、該円筒部28aに連続し上方へ向けて拡径される拡径部28cと、該拡径部28cに連続し上方へ向けて延びる円筒部28dと、該円筒部28dに連続し上方へ向けて拡径される拡径部28eと、該拡径部28eに連続し上方へ向けて延びる円筒部28fと、により構成される。そして、第1保護カバー28は、底部28aの中央に設けられた軸孔30に取付けアイ25の軸部25aが嵌合されるとともに底部28aが取付けアイ25の端面25b(受け座)に当接された状態で、底部28aを取付けアイ25の軸部25aに溶接することにより、取付けアイ25に固定(接合)される。なお、第1保護カバーの底部28aには、複数個の貫通孔37が設けられている。
【0014】
第2保護カバー29は、全長(軸方向長さ)が第1シリンダ2および第2シリンダ3のそれぞれの全長よりも短く設定される。また、第2シリンダ3との間に所定の隙間を形成するような内径に設定される。所定の隙間とは、製造工程に自由度を持たせることが可能なよう、シリンダ装置1の種々の部品よりも比較的大きな内径を有するものを意味する。本実施形態では、比較的早い段階で組み付けられるフランジ12の外径よりも第2シリンダ3の内径が大きくなるようにし、仮組みが可能なようにしている。また、第2保護カバー29は、第1保護カバー28の内周、より詳細には、円筒部28d、拡径部28eおよび円筒部28fの内周に圧入される圧入部29aと、該圧入部29aに拡径部29bを介して連続し外径が第1保護カバー28の円筒部28fの外径に略等しく形成された円筒部29cと、該円筒部29cに連続し上方へ向けて縮径される縮径部29dと、該縮径部29dに連続し内径が第1保護カバー28の円筒部28bの外径に略等しく形成された円筒部29eと、により構成される。第2保護カバー29の円筒部29eの外周には、環状に形成された下側スプリングシート31が圧入により取り付けられる。
【0015】
そして、第2シリンダ3の外周に設けられたコイルスプリング32の両端が、上側スプリングシート24と下側スプリングシート31とにより支持される。なお、下側スプリングシート31は、R部31aが第2保護カバー29の縮径部29dに当接されることにより軸方向に位置決めされる。また、第2シリンダ3の外周面には、リング部材33が摺動可能に嵌合される。リング部材33は、下端が第2保護カバー29の円筒部29eに固定され、上端が第2筒体11のフランジ12の外周に取り付けられた合成樹脂製のダストブーツ34の下端に固定される。なお、図1に示される符号35は、当該シリンダ装置1を車体に取り付けるためのスタッドボルトである。
【0016】
例えば、上述したシリンダ装置1は、四輪車両の各車輪に対応して設けられ、車幅方向で対向する左右のシリンダ装置1間は、上室5と下室6とがクロスするように配管される。また、車両前側の左輪に対応するシリンダ装置1の上室5と車両前側の右輪に対応するシリンダ装置1の下室6との間の配管が、車両後側の左輪に対応するシリンダ装置1の上室5と車両後側の右輪に対応するシリンダ装置1の下室6との間の配管に連通される。さらに、車両前側の左輪に対応するシリンダ装置1の下室6と車両前側の右輪に対応するシリンダ装置1の上室5との間の配管が、車両後側の左輪に対応するシリンダ装置1の下室6と車両後側の右輪に対応するシリンダ装置1の上室5との間の配管に連通される。
【0017】
次に、本実施形態の作用を説明する。ここでは、上述したシリンダ装置1の組み付け手順を説明する。
ここで、保護カバー27の組み付けに先立ち、第2保護カバー29に下側スプリングシート31を圧入により固定しておく。また、ピストンロッド7と取付けアイ25の軸部25aとを溶接により接合した後、取付けアイ25の軸部25aに第1保護カバー28を溶接により接合しておく。なお、第1保護カバー28は、軸孔30に取付けアイ25の軸部25aが嵌合されるとともに底部28aが取付けアイ25の端面25b(受け座)に当接された状態で取付けアイ25に固定される。ここで、取付けアイ25、ピストンロッド7、第1保護カバー28および底蓋部材8などの内機部品をサブアッシAという。
【0018】
まず、第2シリンダ3に第2筒体11のフランジ12の内周を圧入し、フランジ12の下端を第2シリンダ3に溶接で固定することによりサブアッシする。これをサブアッシBという。このサブアッシBに第1筒体10、上室側減衰バルブ9、第1シリンダ2を図1に示す下側から挿入し、さらにサブアッシAおよび底蓋部材8などの内機部品を挿入する。
次に、かしめ加工により第2シリンダ3の下端にかしめ部36を形成し、第1シリンダ2および第2シリンダの下端を閉塞する。
次に、第1保護カバー28の内周側に下側スプリングシート31が圧入された第2保護カバー29を圧入する。そして、下側スプリングシート31にコイルスプリング32、ブッシュ部材22a、22b、上側スプリングシート24および座金23を上方から冶具で圧縮して組付ける。
次に、下室側減衰バルブ16などを納めた状態のプラグ部材15を第2筒体11にネジ部で締結し、シリンダ装置1が完成する。
【0019】
本実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、金属製の保護カバー27を軸方向へ分割して構成し、一方を取付けアイ25に固定される第1保護カバー28とし、他方を全長が第1シリンダ2および第2シリンダ3のそれぞれの全長よりも短く形成され第2シリンダ3との間に一定の隙間を有する第2保護カバー29とし、第2保護カバー29を取付けアイ25に固定された第1保護カバー28に圧入して当該第1保護カバー28と第2保護カバー29とを一体化させた。
これにより、例えば、特許文献2に記載の従来技術では、第3シリンダ(本実施形態の保護カバー27に相当)の全長が第2シリンダ(本実施形態の第2シリンダ3に相当)の全長と同一あるいはそれ以上に形成されているのに加え、第2シリンダと第3シリンダとの間に隙間が殆どないことから、第3シリンダを第2シリンダに仮組みした場合、第2シリンダの端部のかしめ加工等の処理ができない。したがって、特許文献2に記載の従来技術では、第3シリンダを第2シリンダの端部の処理後に取り付けることが必須の条件であり、組立ての自由度が低く製造工程の合理化が困難である。これに対し、本実施形態では、第2保護カバー29を第2シリンダ3に仮組みした状態で第2シリンダ3の下端を処理(かしめ加工等)することもでき、組立ての自由度が高く製造工程の合理化に対応することができる。
また、本実施形態では、ピストンロッド7と該ピストンロッド7の外径よりも大きい外径を有する取付けアイ25の軸部25aとを接合し、軸部25aにおけるピストンロッド7と軸部25aとの接合部26よりも下方の位置(取付けアイ本体側)に第1保護カバー28を接合したので、大きい応力が発生する部位(軸部25a)の外径のみを大きく形成することで、ピストンロッド7の外径を最小限に止めることができる。これにより、ピストンロッド7ひいてはシリンダ装置1を軽量化することができるとともに製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、取付けアイ25を馬蹄形に形成したことにより、第1保護カバー28に軸方向下方へ作用する力を取付けアイ25の端面25b(受け座)で受けることができ、保護カバー27の支持構造の剛性を確保することができるとともにピストンロッド7と取付けアイ25の接合部26に作用する応力を軽減することができる。
そして、下側スプリングシート31が第2保護カバー29に圧入により取り付けられるので、例えば、特許文献2に記載の従来技術と比較した場合、下側スプリングシート31の軸方向への取り付け位置の自由度が増す。
また、第1保護カバー28の軸方向長さを、ピストンロッド7が第1、第2シリンダ2,3に挿入され、ピストンロッド7または取付けアイ25に第1保護カバー28を固定した状態で、ピストンロッド7が第1、第2シリンダ2,3から最も突出しているときに、かしめ部36を塞がない長さとしたので、第1保護カバー28をピストンロッド7に溶接した後にかしめ加工することができる。よって、ピストンロッドへの第1保護カバー28の溶接は、シリンダへのピストンロッド挿入前にすることができるので、製造工程を合理化することができる。
【0020】
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
第1保護カバー28をピストンロッド7に取り付けてシリンダ装置1を構成することができる。
また、本実施形態とは反対に、第1保護カバー28を第2保護カバー29に圧入して保護カバー27を一体化させることができる。また第2保護カバー29と下側スプリングシート31は圧入による固定とした例を説明したが、溶接による固定でもよい。
さらに、上述した製造方法は一例であり、必要に応じて組み付け手順を入れ替えることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 シリンダ装置、2 第1シリンダ、3 第2シリンダ、4 ピストン、7 ピストンロッド、25 取付けアイ、25a 軸部、25b 端面(受け座)、27 保護カバー、28 第1保護カバー、29 第2保護カバー、30 軸孔、31 下側スプリングシート、34 ダストブーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、一端が前記シリンダに嵌合されたピストンに固定され他端が前記シリンダの外部に突出して取付けアイに接続されるピストンロッドと、該ピストンロッドと前記シリンダとを覆う金属製の保護カバーと、を備えるシリンダ装置において、
前記保護カバーは、第1保護カバーと第2保護カバーとに前記ピストンロッド軸方向へ分割して構成され、
前記第1保護カバーは、前記ピストンロッドまたは前記取付けアイに固定され、
前記第2保護カバーは、全長が前記シリンダの全長よりも短く形成されるとともに前記シリンダとの径方向間に所定の隙間をもって前記第1保護カバーに固定され、
前記第2保護カバーの開口端には、前記シリンダを覆うダストブーツが接続され、
前記第1または第2保護カバーの外周には、スプリングシートが圧入により取り付けられることを特徴とするシリンダ装置。
【請求項2】
前記第1保護カバーと前記第2保護カバーとは圧入により固定されることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項3】
前記取付けアイは、端面を前記第1保護カバーの受け座とする馬蹄形をなし、前記取付けアイの端面には、前記第1保護カバーに形成された軸孔に嵌合され前記ピストンロッドの外径よりも大きい外径を有する軸部が設けられ、前記ピストンロッドは、前記取付けアイの軸部に接続され、前記第1保護カバーは、前記取付けアイの端面に当接されて前記取付けアイに固定されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置。
【請求項4】
前記シリンダの他端にはかしめ部を設け、前記第1保護カバーの軸方向長は、前記ピストンロッドまたは前記取付けアイに固定され、前記ピストンロッドが前記シリンダに挿入された状態で前記ピストンロッドが前記シリンダから最も突出しているときに前記かしめ部を覆わない長さとすることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項5】
シリンダと、一端が前記シリンダに嵌合されたピストンに固定され他端が前記シリンダの外部に突出して取付けアイに接続されるピストンロッドと、前記ピストンロッドと前記シリンダとを覆う金属製の保護カバーと、を備えるシリンダ装置の製造方法において、
前記保護カバーを、第1保護カバーと第2保護カバーとに前記ピストンロッド軸方向へ分割して構成し、
スプリングシートを前記第2保護カバーの外周に圧入により固定するステップと、前記第2保護カバーを前記シリンダの外周に仮組みするステップとを含み、
前記第1保護カバーを前記ピストンロッドまたは前記取付けアイに溶接により固定し、前記シリンダの前記ピストンロッドが突出した側の端部をかしめ加工した後、仮組みされた前記第2保護カバーを前記第1保護カバーに圧入により固定することを特徴とするシリンダ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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