説明

シリンダ錠ユニット

【課題】簡単に低コストで製造が可能となり、施錠装置に対し簡単に取付交換を行うことができるシリンダ錠ユニットを提供する。
【解決手段】
支持部材2に設けられた取付座部7に固定され、コ字状断面部12cを有した取付ブラケット12、取付ブラケット12の先端に固定されるシリンダ錠11、取付ブラケット12の内側に回転可能に支持されシリンダ錠11の錠軸に連結されるアダプターロッド13、及びアダプターロッド13の先端に固定されるカム部材15を備える。取付ブラケット12にはシリンダ錠11のフランジを固定するフランジ固定部及びアダプターロッド13を回転自在に支持するロッド支持部12aが設けられる。取付ブラケット12の内側でアダプターロッド13を回転可能に支持するロッド支持部材14が取付ブラケット12の内側に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンなどのゲーム機の前扉を筐体に対し施錠する施錠装置に好適なシリンダ錠ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコホールに設置されるスロットマシンは、一般に、前面枠上に各種の装飾板が立体的に形成されて取り付けられるため、機種に応じて前面枠の厚さが異なって製作される。この種の前面枠は、ゲーム機の本体枠に対し、開閉可能に取り付けられ、シリンダ錠付きの施錠装置により施錠されるが、施錠装置自体はその前面枠と本体枠の当接箇所に位置し、そのシリンダ錠の先端(鍵穴の部分)は、常に前面枠の装飾板の表面に露出して位置する必要がある。
【0003】
このため、複数種のスロットマシン用の施錠装置を製作する場合、ゲーム機の機種に応じてそこに使用される施錠装置のシリンダ錠の長さが異なることから、機種毎に長さの異なるシリンダ錠を製作しなければならない。従って、この種のゲーム機用施錠装置のシリンダ錠は、共通部品の数が少なく大量生産ができないために、製造コストが高くなる。
【0004】
そこで、従来、標準的な長さで共通部品として製作したシリンダ錠に対し、任意の長さに切断した円筒とシャフトを継ぎ足し、長尺で各種の長さとした構造のシリンダ錠が製造されている(例えば下記特許文献1を参照)。
【0005】
従来のこの長尺のシリンダ錠は、標準的なシリンダ錠のケースと同径の円筒が用意され、円筒内の軸心位置に、連結軸が配置される。連結軸の先端には係合部が設けられ、標準シリンダ錠がその錠軸の先端をその係合部に係合させた状態で、シリンダ錠のケース下部が円筒先端部内に嵌着される。
【0006】
一方、円筒の元部には取付フランジが嵌着されるが、取付フランジの中央には円柱嵌合部を突設し、その円柱嵌合部の軸方向に貫通孔を穿設し、その貫通孔に連結軸を回転自在に挿通させながら、円筒元部を円柱嵌合部の外周部に嵌着させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3533599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため、円筒の先端部は、シリンダ錠のケース下部が密に嵌入されるように、その内周面を正確に加工する必要があり、また、取付フランジの円柱嵌合部は、円筒の元部内に密に嵌入されるように、その外周面を正確に加工する必要があり、このような取付フランジと円筒の高精度の切削加工は、多くの手間と工数がかかり、製造コストを押し上げる要因となっていた。
【0009】
ところで、スロットマシンなどのゲーム機は、通常、パチンコホールにパチンコ機と共に、多数台が設置されるところ、多数のゲーム機が設置されたパチンコホールでは、スロットマシンの施錠装置、パチンコ機の施錠装置共に使用可能な統一錠キー(同一のシリンダ錠キー)を使用できれば、多数のゲーム機を管理する上で非常に便利となる。このため、メーカーからパチンコホールにスロットマシンが搬入された後、パチンコホール側でパチンコ機の施錠装置と共通して使用可能な各ホール専用の統一錠として、パチンコ機に汎用的に使用されるシリンダ錠を、ゲーム機の施錠装置に付け替えることが検討されている。
【0010】
しかし、上記のように、スロットマシン用の施錠装置に使用されるシリンダ錠は、加工工数が多く製造コストが嵩むために価格が高く、且つ長尺のシリンダ錠を交換する場合、その錠軸からカム部材を外した状態で、施錠装置の基枠体の取付板からシリンダ錠を取り外し、新たなシリンダ錠を取り付ける必要があり、シリンダ錠の交換作業が非常に手間取ることが予想されるため、交換の容易なシリンダ錠ユニットが要望されていた。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、簡単に低コストで製造が可能となり、施錠装置に対し簡単に取付交換を行うことができるシリンダ錠ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1のシリンダ錠ユニットは、ゲーム機の前扉の内側に取り付けられる施錠装置の支持部材に取り付けられるシリンダ錠ユニットであって、該支持部材に設けられた取付座部に固定され、断面を略コ字状とするコ字状断面部を有した取付ブラケットと、該取付ブラケットの先端に固定されるシリンダ錠と、該取付ブラケットの内側に回転可能に支持され、該シリンダ錠の錠軸に連結されるアダプターロッドと、該アダプターロッドの先端に固定されるカム部材と、を備え、該取付ブラケットには該シリンダ錠のフランジを固定するフランジ固定部及び該アダプターロッドを回転自在に支持するロッド支持部が設けられ、該取付ブラケットの内側で該アダプターロッドを回転可能に支持するロッド支持部材が該取付ブラケットの内側に取り付けられたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、コ字状断面部を有する取付ブラケット、アダプターロッド及びロッド支持部を組み付けるだけで簡単に低コストでシリンダ錠ユニットの製造が可能となり、シリンダ錠を交換する際は、汎用のシリンダ錠をそのフランジ部分から取り外せば、施錠装置に対し簡単にシリンダ錠の交換を行うことができ、パチンコホールなどでは、広く使用されている汎用のシリンダ錠を取り付けて、統一キーを使用し、ゲーム機の管理を簡便に行うことができる。
【0014】
請求項2の発明は、上記請求項1のシリンダ錠ユニットにおいて、上記ロッド支持部材が、上記アダプターロッドの小径部を支持する支持部と上記取付ブラケットに設けた嵌着凹部に嵌着される嵌着部とを備え、合成樹脂により一体成形して形成されたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、取付ブラケットに対しシリンダ錠、アダプターロッド、カム部材を組み付ける際、先ず取付ブラケットの内側にアダプターロッドをロッド支持部材により支持した状態で、シリンダ錠の錠軸をアダプターロッドの先端に嵌合させながらフランジ固定部に、シリンダ錠を固定して容易に組み付けることができる。
【0016】
請求項3の発明は、上記請求項1のシリンダ錠ユニットにおいて、上記ロッド支持部材が上記取付ブラケットのコ字状断面部の内側に嵌入される大きさと形状に、合成樹脂により一体成形して形成され、上記アダプターロッドを支持する断面U字状の支持部をロッド支持部材の内側に設け、ロッド支持部材の上面と下面には係止凹部を設け、ロッド支持部材を取付ブラケットの該コ字状断面部の内側に嵌入したとき、ロッド支持部材がコ字状断面部の上下の壁部内側に突設された突起にその係止凹部を係止させて、保持されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ロッド支持部材が比較的大きい形状となり、より簡単に取付ブラケットの内側の定位置に嵌め込むことができる。
【0018】
請求項4の発明は、上記請求項1のシリンダ錠ユニットにおいて、上記取付ブラケットはコ字状断面部の端部に上記フランジ固定部が設けられ、該フランジ固定部の反対側の該取付ブラケットの端部に第1取付座固定部が設けられ、該第1取付座固定部の端部を直角に曲折して第2取付座固定部が設けられ、該第1取付座固定部と該第2取付座固定部には、施錠装置の支持部材に固定するための固定面と取付孔が設けられたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、シリンダ錠ユニットの取付ブラケットを、その第1取付座固定部と第2取付座固定部を介して、施錠装置の支持部材に対し取付孔と固定ねじを用いて強固に締付固定することができる。
【0020】
請求項5の発明は、上記請求項4のシリンダ錠ユニットにおいて、上記取付ブラケットの第2取付座固定部に上記アダプターロッドを挿通させる軸孔を設けて第1ロッド支持部が形成され、該アダプターロッドの小径部に嵌合して該アダプターロッドを回転自在に支持する第2ロッド支持部が該取付ブラケットのコ字状断面部に設けられたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、シリンダ錠ユニットの組立製造時に、アダプターロッドを取付ブラケット内の定位置に簡単に組み付けることができ、製造時の組み付け作業を容易に行なうことができる。
【0022】
請求項6の発明は、上記請求項1または4のシリンダ錠ユニットにおいて、上記ロッド支持部材が、上記取付ブラケットのコ字状断面部の内側に嵌入される大きさと形状に、合成樹脂により一体成形して形成され、上記アダプターロッドを支持する断面U字状の支持凹部が該ロッド支持部材の内側に設けられ、該ロッド支持部材の上面と下面には係止爪が設けられ、該ロッド支持部材を該取付ブラケットの内側に嵌入したとき、該係止爪が該コ字状断面部の壁部の係止溝に係止させることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、シリンダ錠ユニットの組立製造時、ロッド支持部材を、取付ブラケットのコ字状断面部内に、アダプターロッドを支持するように挿入したとき、定位置に簡単に組み付けて係止することができる。
【0024】
請求項7の発明は、上記請求項6のシリンダ錠ユニットにおいて、上記アダプターロッドを支持する上記ロッド支持部材の断面U字状の支持凹部内に、U字状リブが設けられ、該U字状リブが該アダプターロッドの小径部に嵌合され、上記取付ブラケットのコ字状断面部の平板基部には位置決め孔が設けられ、該ロッド支持部材には該位置決め孔に嵌合する位置決めボスが設けられたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、シリンダ錠ユニットの組立製造時に、ロッド支持部材を取付ブラケット内のコ字状断面部の定位置に、簡単に組み付けることができ、製造時の組み付け作業を容易に行なうことができる。
【0026】
請求項8の発明は、上記請求項1のシリンダ錠ユニットにおいて、上記アダプターロッドは、先端に前記カム部材を固定するためのカム固定部を有し、該カム固定部とは反対側の該先端に矩形部が設けられ、該矩形部に嵌合する矩形嵌合部と前記シリンダ錠の錠軸の先端に嵌合する錠軸嵌合部とを有したロッド連結カバーが、該アダプターロッドと該錠軸間を嵌着されたことを特徴とする。
【0027】
請求項9の発明は、上記請求項8のシリンダ錠ユニットにおいて、上記ロッド連結カバーが合成樹脂により成形され、皿ねじにより上記錠軸に締付固定され、該ロッド連結カバーに設けた孔状の矩形嵌合部に上記アダプターロッドの矩形部が嵌入連結されたことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、シリンダ錠の操作時、錠軸の回動力を、ロッド連結カバーを介してアダプターロッドに確実に伝達することができ、長期間にわたり連結不良を生じずに使用することができる。また、アダプターロッドやロッド連結カバーなどの部品を低コストで製造することができ、シリンダ錠ユニットの組立製造時にも、容易に組み付けることができ、製造コストを低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のシリンダ錠ユニットによれば、コ字状断面部を有した取付ブラケットのコ字状断面部内に、アダプターロッド及びロッド支持部材を組み付けるだけで、簡単に低コストでシリンダ錠ユニットの製造が可能となり、また、シリンダ錠を交換する際は、シリンダ錠をそのフランジ部分から取り外せば、施錠装置に対し簡単にシリンダ錠の交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態を示すシリンダ錠ユニットを取り付けた施錠装置の正面図である。
【図2】同施錠装置の右側面図である。
【図3】同施錠装置の左側面図である。
【図4】同施錠装置の背面図である。
【図5】同施錠装置の平面図である。
【図6】同施錠装置の底面図である。
【図7】施錠装置本体に取り付けたシリンダ錠ユニットの斜め左前からの斜視図である。
【図8】施錠装置本体に取り付けたシリンダ錠ユニットの斜め右前からの斜視図である。
【図9】シリンダ錠ユニットの斜視図である。
【図10】シリンダ錠ユニットの右側からの斜視図である。
【図11】シリンダ錠ユニットの拡大分解斜視図である。
【図12】施錠装置本体に取り付けられたシリンダ錠ユニットの斜め背面側からの斜視図である。
【図13】他の実施形態を示すシリンダ錠ユニットの斜視図である。
【図14】第2実施形態を示すシリンダ錠ユニットの斜視図である。
【図15】同シリンダ錠ユニットを別の角度から見た斜視図である。
【図16】同シリンダ錠ユニットを別の角度から見た斜視図である。
【図17】同シリンダ錠ユニットの分解斜視図である。
【図18】(a)(b)(c)は各々ロッド支持部材の斜視図である。
【図19】ロッド連結カバーの斜視図である。
【図20】施錠装置本体に取り付けられた同シリンダ錠ユニットの斜め正面側からの斜視図である。
【図21】同シリンダ錠ユニットの別の角度から見た斜視図である。
【図22】同シリンダ錠ユニットの斜め背面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図12は第1実施形態のシリンダ錠ユニットを示し、図1はそのシリンダ錠ユニット10を取り付けたゲーム機用の施錠装置の正面図を、図2はその右側面図を示し、図3はその左側面図を、図4はその背面図を示し、図5、6はその平面図と底面図を示している。
【0032】
ゲーム機の施錠装置は、図1〜図6に示すように、概略的には、縦長で長尺の施錠装置本体1の正面に、シリンダ錠ユニット10が突設されて構成される。施錠装置本体1は、外側を覆うケース3を有し、ケース3は、薄い板状空間を内部に有した断面コ字状に形成される共に、薄く細い長尺状に形成され、そのケース3内に、基枠体となる縦長の支持部材2が、その上部をケース3から上方に突出させ、その下部をケース3から下方に突出させた状態で、取り付けられる。
【0033】
支持部材2には、ゲーム機の前面枠(前扉)を施錠し解錠する前面枠施錠機構が設けられ、ケース3の背面側の上部と下部に開口凹部31,32が設けられる。開口凹部31,32の内側には、ゲーム機の筐体側に取り付けられる受け具が開口凹部31,32に進入したとき、その受け具を拘束するように回動して係止するラッチ部材4,5が、支持部材2に対し回動可能に枢支されている。
【0034】
つまり、ケース3で包囲された支持部材2の上部と下部には、板状空間内に、板状で長尺の支持部材2が配設され、前面枠施錠機構としてラッチ部材4、5がケース3内の支持部材2の上部と下部に回動可能に枢支される。そして、ラッチ部材4、5を解錠側に動作させるラッチ作動杆6がケース3内の支持部材2に摺動可能に装着され、ラッチ部材4、5を解錠側に付勢するばね部材がラッチ部材4,5と支持部材2間に装着される。
【0035】
このラッチ作動杆6は、シリンダ錠11を解錠方向とは逆の方向に回したとき、リセットスイッチ21をオンさせてリセット信号を発生させるように、スイッチ作動杆を兼ねて構成されている。ラッチ作動杆6をリセットスイッチの作動杆と兼用する構造としているので、別部品としてのスイッチ作動杆を必要とせず、部品点数を少なくして、構造を簡単化し、施錠装置の形状を薄くすることができる。
【0036】
ラッチ部材4,5は、ケース3の支持部材2内側で、枢軸により回動可能に枢支され、ラッチ部材4,5には受け具を拘束するロック凹部が設けられる一方、ケース3には、受け具(係止ピン)を受け入れる開口凹部が形成され、支持部材2に形成された開口凹部31,32に、そのロック凹部が位置している。これにより、前面枠を閉じて施錠する際には、ラッチ部材4,5が回動して開口凹部31,32から受け具を受入れ、ラッチ部材4,5のロック凹部にそれを拘束するようになっている。
【0037】
そして、シリンダ錠11をキーにより右に回転させたとき、カム部材15が同方向に回動し、そのカム部材15に回動によってラッチ作動杆6が下降し、ラッチ部材4,5のロックを解除する。これにより、ラッチ部材4,5が図示しないばね部材の付勢力により、解錠方向に回動し、受け具をそのロック凹部から離脱させる構造である。
【0038】
支持部材2の正面側は、取付板2aとして平面板状に形成され、さらに、支持部材2の正面視で左側にはシリンダ錠用の取付座部7が突設される。この取付座部7には、図8に示すように、略半円形の開口部7aが形成され、さらに取付座部7の端部は正面側に直角に曲折されて、取付ブラケット用の取付部7bが形成されている。一方、この取付座部7に対応したケース3の左側面位置に、図3に示すように、カム部材用の開口部33が形成され、取付座部7に取り付けられたシリンダ錠ユニット10のカム部材15が、開口部33から突出した、ラッチ作動杆6の係合部6aに係合可能となっている。
【0039】
上記のように、施錠装置本体1の支持部材2の正面に取付板2aが設けられ、この取付板2aの中間部下寄りの左側に取付座部7が突設され、この取付座部7にシリンダ錠ユニット10が正面に突出して取り付けられ、このシリンダ錠ユニット10は、図9〜図12に示すように、シリンダ錠11、取付ブラケット12、アダプターロッド13、ロッド支持部材14、及びカム部材15から構成される。
【0040】
シリンダ錠11は、パチンコ機の施錠装置に、広く使用される標準的な長さのシリンダ錠であり、図11のように、外筒ケースの元部にフランジ11bを設け、フランジ11bの中央から背面側に錠軸11aを突出している。フランジ11bには取付孔が設けられ、固定ねじ16を挿入して取付ブラケット12の先端のフランジ固定部12dに固定されるようになっている。
【0041】
シリンダ錠11が取付固定される取付ブラケット12は、図11のように、略コ字状断面を有した本体部の末端(背面側)に取付座固定部12bを設け、コ字状断面の本体部の先端には、フランジ固定部12dが設けられ、このフランジ固定部12dは、本体部の上下に設けたコ字状断面図12cの端部を、直角に曲折して形成されている。
【0042】
取付ブラケット12は例えば鋼板をプレス加工により、所定の形状に裁断すると共に、断面を略コ字状とするように、本体部の上縁と下縁の壁部を内側に直角に曲折してコ字状断面図12cを形成し、さらにそのコ字状断面図12cの先端側を外側に直角に曲折して、シリンダ錠11のフランジ11bを固定するためのフランジ固定部12dを形成している。
【0043】
また、取付ブラケット12の本体部の末端(先端側と反対側)には、上部と下部の両側に張り出すように取付座固定部12bが形成される。この取付座固定部12bは、取付座部7の取付部7bに固定されるようになっており、さらに、本体部の末端は、コ字状断面図12cの内側と同じ側に直角に曲折されて、ロッド支持部12aが形成されている。ロッド支持部12aには、アダプターロッド13の先端が挿通して支持される貫通孔が形成され、この貫通孔がアダプターロッド13を回転自在に支持する。
【0044】
さらに、取付ブラケット12の平板状の本体部には、多数の開口部が形成され、開口部を形成することにより、軽量化を図ると共に、視認性を阻害しないようになっている。また、図11に示すように、この開口部の一部に連続して、ロッド支持部材14用の嵌着凹部12eが形成されている。ロッド支持部材14はアダプターロッド13をその中間位置で支持するための部材で、図9,10にように、この嵌着凹部12eに嵌着されて取り付けられる。
【0045】
このロッド支持部材14は、例えば合成樹脂により一体成形され、嵌着凹部12eに嵌着可能な嵌着部14aと、ロッドを支持する支持部14bとを有している。支持部14bは、アダプターロッド13の中間部に設けた小径部13bを回動可能に支持するように略U字状に形成され、アダプターロッド13の小径部13bに嵌合してこれを支持する。
【0046】
アダプターロッド13は、図11に示すように、その先端に、シリンダ錠11の錠軸11aを嵌入させる嵌合穴13aを設け、その末端に、カム部材15を固定するカム固定部13cを設け、中間部に小径部13bを設けて構成される。先端の嵌合穴13a内には、シリンダ錠11の錠軸11aの先端に設けた面取り部に嵌合する平坦面が形成され、錠軸11aを嵌合穴13aに嵌入した状態で回動力を伝達可能としている。
【0047】
アダプターロッド13の末端にはカム部材15が固定される。カム部材15には、図6に示すように、第1係合凸部15aと第2係合凸部15bが設けられ、図12の如く、カム部材15が正面視で右側(時計方向)に回動したとき、第1係合凸部15aが係合部6aの上側に係合してラッチ作動杆6を下降させ、ラッチ部材4,5を解錠動作させる。一方、カム部材15が正面視で左側(反時計方向)に回動したとき、カム部材15の第2係合凸部15bが係合部6aの下側に係合してラッチ作動杆6を上昇させ、リセットスイッチ(非接触スイッチ)21を動作させるようになっている。
【0048】
リセットスイッチ21は、ゲーム機のリセットを行なうためのスイッチであり、図12に示すように、ケース3の下部に取り付けられる。一方、ラッチ作動杆6の下部寄りには、スイッチ作動片6cがケース外に突き出すように設けられている。シリンダ錠11をキーにより左に回転させ、カム部材15を同方向に回したとき、ラッチ作動杆6がカム部材15により上昇し、これにより、スイッチ作動片6cが上昇してリセットスイッチ21内に進入し、スイッチングするようになっている。
【0049】
さらに、図12のように、リセットスイッチ21の下側のケース3には、解錠検出器(非接触スイッチ)9が取り付けられる一方、ラッチ作動杆6の下端部には、作動片6bがケース3から左側に突き出すように設けられ、解錠操作時にラッチ作動杆6がカム部材15の右回転によって下降したとき、解錠検出器9内に進入していた作動片6bが解錠検出器9から離脱し、解錠を検出するようになっている。
【0050】
なお、カム部材15の第1係合凸部15aと第2係合凸部15bは、施錠状態において、ラッチ作動杆6の係合部6aに上下両側から係合して、ラッチ作動杆6の上下動をロックするようになっている。これにより、施錠状態において、不正な針金などによる不正解錠を防止することができる。
【0051】
上記構成のシリンダ錠ユニット10を組み立てる場合、先ず、取付ブラケット12のコ字状断面部12cの内側中央に、アダプターロッド13を、ロッド支持部材14を用いて支持する。このとき、アダプターロッド13の末端のカム固定部13cは、取付ブラケット12のロッド支持部12aの貫通孔に挿通され、アダプターロッド13は取付ブラケット12の内側中央に長手方向に向けて配置され、アダプターロッド13の中間部は、ロッド支持部材14の支持部14bにより支持される。このとき、ロッド支持部材14は、そのU字状の支持部14bをアダプターロッド13の小径部13bに回転自在に緩く嵌め、その嵌着部14aを取付ブラケット12の嵌着凹部12eにはめ込めば、簡単に取付ブラケット12の内側中央の所定位置に保持することができる。
【0052】
次に、シリンダ錠11を取付ブラケット12の先端に取り付ける。このとき、アダプターロッド13は取付ブラケット12の所定位置に、ロッド支持部材14により位置決めされて保持されているので、シリンダ錠11は、その錠軸11aをアダプターロッド13の先端の嵌合穴13aに挿入しながら、そのフランジ111bを取付ブラケット12のフランジ固定部12d上に当て、固定ねじ16をねじ孔にねじ込むだけの簡単な操作で、シリンダ錠11を取り付け、且つその錠軸11aをアダプターロッド13の先端に連結することができる。そして、この状態で、取付ブラケット12のロッド支持部12aの貫通孔から背面側に突出するカム固定部13cにカム部材15を固定ねじで固定して、シリンダ錠ユニット10の組み付けは完了する。
【0053】
このように、コ字状断面部12cを有する取付ブラケット12に、アダプターロッド13及びロッド支持部材14を組み付けるだけで、簡単に低コストでシリンダ錠ユニット10の製造が可能となり、シリンダ錠11を交換する際は、シリンダ錠11をそのフランジ11bから取り外せば、施錠装置本体1に対し簡単にシリンダ錠11の交換を行うことができる。これにより、パチンコホールなどでは、広く使用されている汎用のシリンダ錠11をスロットマシンなどのゲーム機の施錠装置に取り付け、統一キーを使用して、ゲーム機の管理を簡便に行うことができる。
【0054】
また、取付ブラケット12に対しシリンダ錠11、アダプターロッド13、カム部材15を組み付ける際、先ず取付ブラケット12の内側にアダプターロッド13をロッド支持部材14により支持した状態で、シリンダ錠11の錠軸11aをアダプターロッド13の嵌合穴13aに簡単に嵌合させながらフランジ固定部12dに、シリンダ錠11のフランジ11bを固定して、シリンダ錠11を容易に且つ迅速に組み付けることができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、小型でクリップ状のロッド支持部材14を取付ブラケット12の内側に嵌着させてアダプターロッド13を所定位置に保持したが、図13に示すように、取付ブラケット12の内側全体を占める大きさにロッド支持部材44を形成し、それを取付ブラケット12の内側にそのまま嵌着することもできる。
【0056】
この場合、上記と同様に、ロッド支持部材44は、合成樹脂により一体成形し、その形状は、取付ブラケット42のコ字状断面部42cの内側全体、つまりコ字状断面部42cの上下の壁部間に嵌入される大きさと形状に形成する。このロッド支持部材44の内側には、アダプターロッド13を回転可能に支持する断面U字状の凹部が設けられ、取付ブラケット42の内側にそのロッド支持部材44を嵌め込むことにより、ロッド支持部材44の内側でアダプターロッド13を中央位置に回転可能に支持される。
【0057】
また、取付ブラケット42のコ字状断面部42cの上下の壁部内側には、突起42dが突設され、ロッド支持部材44を取付ブラケット42内に押し込むと、ロッド支持部材44の内側に設けた係止凹部がその突起42dに係止される構造となっている。このロッド支持部材44においても、それを取付ブラケット42内に簡単に取り付けることができ、アダプターロッド13を定位置に簡単に保持することができる。
【0058】
図14〜図22は第2実施形態のシリンダ錠ユニットを示している。なお、図17、図20〜22に示す矢印Fはシリンダ錠ユニットの前方、矢印Rはその後方、矢印Lはその左側、矢印RIはその右側を示している。シリンダ錠11は、上記と同様に、パチンコ機の施錠装置に、広く使用される標準的な長さのシリンダ錠であり、外筒ケースの元部にフランジ11bを設け、フランジ11bの中央から背面側に錠軸11aを突出している。フランジ11bには取付孔が設けられ、固定ねじ16を挿入して取付ブラケット50の先端のフランジ固定部53に固定される。
【0059】
シリンダ錠11が取付固定される取付ブラケット50は、図17のように、コ字状断面部54を有した本体部の末端(背面側)に第1取付座固定部51を設けると共に、第1取付座固定部51の端部を直角に曲折した第2取付座固定部52が設けられている。第1取付座固定部51には取付孔51aが設けられ、第2取付座固定部52には取付孔52aが設けられている。また、本体部の先端(正面側)には、コ字状断面部54の端部を外側に直角に曲折するようにフランジ固定部53が形成され、このフランジ固定部53の正面側には、上記のように、シリンダ錠11のフランジ11bが、2本の固定ねじ16により固定される。
【0060】
取付ブラケット50の本体部は、例えば鋼板をプレス加工により、所定の形状に裁断し、その平板基部の上縁と下縁の壁部を内側に直角に曲折して、横断面を略コ字状とするコ字状断面部54を設けて形成される。さらにそのコ字状断面部54の先端側は、外側に直角に曲折され、シリンダ錠11のフランジ11bを固定するためのフランジ固定部53が形成されている。
【0061】
また、取付ブラケット12の本体部つまりコ字状断面部54の平板基部の末端には、第1取付座固定部51が形成され、この第1取付座固定部51の端部を直角に曲折するように第2取付座固定部52が形成される。第2取付座固定部52の中央にアダプターロッド60の先端が挿通して支持される貫通孔が形成され、その貫通孔の周辺部が第1ロッド支持部56となっており、第1ロッド支持部56はアダプターロッド60を回転自在に支持する。
【0062】
さらに、取付ブラケット50の本体部におけるコ字状断面部54の平板基部には、内側に切り起こすように、第2ロッド支持部57が形成される。この第2ロッド支持部57は、アダプターロッド60の小径部63に嵌合し、第1ロッド支持部56と共に、アダプターロッド60を回転自在に支持する。取付ブラケット50の先端のフランジ固定部53には、2対の取付孔53a、53bが形成される。これらの取付孔53a、53bは、一方の1対の取付孔53aが上記のようにシリンダ錠11のフランジ11bの固定に使用され、固定ねじ16を取付孔53aにねじ込み、シリンダ錠11を固定する。他方の1対の取付孔53bは、図示しないゲーム機の扉の一部に固定するために使用される。
【0063】
さらに、取付ブラケット50のコ字状断面部54の平板基部には、ロッド支持部材70を位置決めするための位置決め孔54b(図17)が設けられ、コ字状断面部54の上部と下部の壁部には、係止溝54aが設けられる。このような取付ブラケット50の内側には、アダプターロッド60が第1ロッド支持部56と第2ロッド支持部57により回転自在に支持されるが、そのアダプターロッド60とロッド連結カバー67をさらに確実に回転自在に保持するために、ロッド支持部材70が図17に示すように、取付ブラケット50のコ字状断面部54の内側に嵌着される。
【0064】
ロッド支持部材70は、図17,18に示すように、取付ブラケット50のコ字状断面部54の内側に嵌入される大きさの直方体形状に、合成樹脂により一体成形して形成され、アダプターロッド60を支持する断面U字状の支持凹部71がロッド支持部材70の内側に設けられる。さらに、ロッド支持部材70の上面と下面には係止爪72が設けられ、ロッド支持部材70を取付ブラケット50のコ字状断面部54の内側に嵌入したとき、係止爪72がコ字状断面部54の壁部の係止溝54aに係止させるようになっている。係止爪72は内側に弾性変形可能に形成され、ロッド支持部材70をコ字状断面部54内に挿入したとき、簡単に係止爪72が係止溝54aに係止される構造である。
【0065】
アダプターロッド60は、図17に示すように、その先端に矩形部61を設け、その末端にカム固定部62を設けて形成され、中間部には上記のように第2ロッド支持部57が回転可能に支持する小径部63が設けられている。先端の矩形部61は、後述のロッド連結カバー67の矩形嵌合部69(図19)に嵌合可能に形成され、末端のカム固定部62は、カム部材15の矩形穴に嵌合可能に形成される。
【0066】
ロッド連結カバー67は、図19に示すように、合成樹脂などによりその外形を略円柱状に形成され、アダプターロッド60の矩形部61に嵌合可能な孔状の矩形嵌合部69を一方の端部に設けている。また、その矩形嵌合部69の反対側には、孔状の錠軸嵌合部68が連通して形成され、錠軸嵌合部68は上記シリンダ錠11の錠軸11aの先端が嵌合可能な長孔形状に形成されている。
【0067】
一方、錠軸11aの先端にはねじ孔が形成されるが、ロッド連結カバー67の錠軸嵌合部68を錠軸11aに嵌合し、図17のように、皿ねじ66を矩形嵌合部69から挿入し、皿ねじ66の先端を錠軸11aのねじ孔にねじ込むことにより、皿ねじ66の縁部を矩形嵌合部69の内側に係止させ、ロッド連結カバー67を錠軸11aに対しねじ止め構造としている。
【0068】
他方、取付ブラケット50内にロッド支持部材70によって支持されたアダプターロッド60は、その先端の矩形部61が、錠軸11aの先端に固定されたロッド連結カバー67の矩形嵌合部69に嵌合され、錠軸11aの回動力をアダプターロッド60に確実に伝達可能となっている。
【0069】
シリンダ錠ユニットを組み立てる場合、先ず、取付ブラケット50のコ字状断面部54の内側中央に、アダプターロッド60を第1ロッド支持部56と第2ロッド支持部57を用いて支持させる。このとき、アダプターロッド60の末端のカム固定部62は、第1ロッド支持部56の貫通孔に挿通され、アダプターロッド60は取付ブラケット12の内側中央に長手方向に向けて配置され、その中間の小径部63は、第2ロッド支持部57により支持される。
【0070】
アダプターロッド60の先端の矩形部61は、ロッド連結カバー67の矩形嵌合部69に嵌合可能な状態となる。その状態で、コ字状断面部54の上からロッド支持部材70を、その支持凹部71をアダプターロッド60上に被せるように嵌め込む。このとき、ロッド支持部材70の内側のU字状リブ74がアダプターロッド60の小径部63に嵌入して、アダプターロッド60を回転自在に支持し、ロッド支持部材70の両側の係止爪72が、コ字状断面部54の係止溝54aに係止されて、ロッド支持部材70は取付ブラケット50のコ字状断面部54内の定位置に正確に嵌着され、その内側に、アダプターロッド60が回転自在に保持される。
【0071】
次に、シリンダ錠11の錠軸11aにロッド連結カバー67の錠軸嵌合部68を嵌め、図17のように、皿ねじ66をその矩形嵌合部69側から挿入し、錠軸11aのねじ孔に皿ねじ66の先端をねじ込み、固定する。
【0072】
次に、シリンダ錠11を取付ブラケット50の先端に取り付ける。このとき、アダプターロッド60の先端の矩形嵌合部69は、取付ブラケット50の所定位置に、ロッド支持部材70により位置決めされて保持されており、シリンダ錠11の錠軸11aにはロッド連結カバー67が皿ねじ66により固定されているので、アダプターロッド60先端の矩形部61を、ロッド連結カバー67の孔状の矩形嵌合部69に挿入しながら、そのフランジ11bを取付ブラケット50のフランジ固定部53上に当て、固定ねじ16をそれらのねじ孔及び取付孔53aにねじ込むだけの簡単な操作で、シリンダ錠11を取り付け、且つその錠軸11aをアダプターロッド60の先端に連結することができる。そして、この状態で、取付ブラケット50の末端の第2取付座固定部52における、第1ロッド支持部56によって支持される、アダプターロッド60の末端のカム固定部62に、カム部材15を固定ねじで固定して、シリンダ錠ユニット10Aの組み付けは完了する。
【0073】
このように、シリンダ錠11の錠軸11aには、合成樹脂製のロッド連結カバー67が皿ねじ66によって固定され、ロッド連結カバー67の孔状の矩形嵌合部69に、アダプターロッド60の先端の矩形部61を嵌入して連結するので、錠軸11aの回動力をアダプターロッド60に良好に伝達するように、アダプターロッド60と錠軸11aの連結を確実に行なうことができる。また、ロッド連結カバー67は錠軸11aにねじ止め可能な形状に合成樹脂により形成され、アダプターロッド60はその矩形部61をロッド連結カバー67の矩形嵌合部69に嵌入して連結する構造としたので、通常、金属棒を切削加工して製造するアダプターロッド60には軸孔を含む大径部などを設ける必要がなく、低コストでアダプターロッド及びシリンダ錠ユニット10A全体を製造することができる。
【0074】
上記シリンダ錠ユニット10Aは、図20〜22に示すように、施錠装置本体1の支持部材2正面側の取付板2aから左側に延設された取付座部7に、正面を向けて取り付けられる。取付座部7は、その先端が正面側に直角に曲折されて取付部7bとされ、取付座部7には取付孔7cが設けられ、取付部7bには取付孔7dが設けられている。その取付部7bに取付ブラケット50の第1取付座固定部51を当てると共に、第2取付座固定部52を取付座部7の背面側に当て、取付ブラケット50を施錠装置本体1に取り付け、固定ねじにより固定する。
【0075】
このとき、固定ねじ65は、図20,21に示す如く、取付孔51aと取付孔7dにねじ込み、第1取付座固定部51と取付部7bを締め付けて固定することができる。或いは、固定ねじ65は、図22に示す如く、取付孔52aと取付孔7cにねじ込み、第2取付座固定部52と取付座部7を締め付けて固定することができる。これにより、取付ブラケット50つまりシリンダ錠ユニット10Aが施錠装置本体1に取り付けられる。
【0076】
このように、取付ブラケット50の直角関係にある第1取付座固定部51と第2取付座固定部52を、同様に直角に曲折された取付座部7と取付部7bに固定することにより、シリンダ錠ユニット10Aを非常に安定して固定することができる。また、このようなシリンダ錠ユニット10Aを取り付けた施錠装置本体1は、図示しないゲーム機の前扉の内側における自由端側の縁部に、そのシリンダ錠11の鍵穴面を、前扉の前面に露出して、縦に取り付けられるが、そのとき、シリンダ錠ユニット10Aの取付ブラケット50のフランジ固定部53の取付孔53bを用いて、前扉の内側にそのフランジ固定部53を固定ねじで固定する。このために、前方に延びた長尺のシリンダ錠ユニット10Aを安定して固定することができる。
【0077】
ところで、ゲーム機がパチンコホールなどで使用される際、施錠装置本体10Aからシリンダ錠ユニット10Aが各ホールの統一錠(長尺円筒錠)と交換される場合があるが、この際には、固定ねじ65を外すことにより、シリンダ錠ユニット10Aを外し、統一錠と交換することができる。また、このようなシリンダ錠ユニット10Aの交換の際には、固定ねじ65をねじ込む取付孔として、第1取付座固定部51の取付孔51a或いは第2取付座固定部52の取付孔52aの何れか一方を任意に選択することができる。
【0078】
これにより、ゲーム機内に施錠装置本体1を固定した状態で、ゲーム機内のシリンダ錠ユニット10Aの周辺の空間が、取付孔51a側にある場合、固定ねじ65を第1取付座固定部51の取付孔51aにねじ込み、周辺の空間が、取付孔52a側にある場合、第2取付座固定部52の取付孔52aに固定ねじ65をねじ込み、固定する。これにより、ゲーム機内に施錠装置本体1を固定した状態で、シリンダ錠ユニット10Aの交換を容易に行なうことができる。
【0079】
このように、シリンダ錠ユニット10Aは、コ字状断面部54を有する取付ブラケット50に、アダプターロッド60及びロッド支持部材70を組み付けるだけで、簡単に低コストで製造することができる。さらに、パチンコホールなどで統一錠として使用される長尺円筒錠と交換する場合、取付座部7から取付ブラケット50を外し、交換用の長尺円筒錠のフランジを、この取付座部7または取付部7bに当て、固定ねじ65を用いて固定し、簡単に交換することができる。また、シリンダ錠11自体を交換する際は、シリンダ錠11をそのフランジ11bから取り外せば、取付ブラケット50に対し簡単にシリンダ錠11の交換を行うことができる。
【符号の説明】
【0080】

1 施錠装置本体
2 支持部材
2a 取付板
3 ケース
7 取付座部
7b 取付部
10 シリンダ錠ユニット
10A シリンダ錠ユニット
11 シリンダ錠
11a 錠軸
11b フランジ
12 取付ブラケット
12a ロッド支持部
12b 取付座固定部
12c コ字状断面部
12d フランジ固定部
13 アダプターロッド
13a 嵌合穴
13b 小径部
13c カム固定部
14 ロッド支持部材
14a 嵌着部
14b 支持部
15 カム部材
42 取付ブラケット
42c コ字状断面部
44 ロッド支持部材
50 取付ブラケット
51 第1取付座固定部
52 第2取付座固定部
53 フランジ固定部
54 コ字状断面部
54a 係止溝
54b 位置決め孔
56 第1ロッド支持部
57 第2ロッド支持部
57 ロッド支持部
60 アダプターロッド
61 矩形部
62 カム固定部
63 小径部
67 ロッド連結カバー
68 錠軸嵌合部
69 矩形嵌合部
70 ロッド支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機の前扉の内側に取り付けられる施錠装置の支持部材に取り付けられるシリンダ錠ユニットであって、
該支持部材に設けられた取付座部に固定され、断面を略コ字状とするコ字状断面部を有した取付ブラケットと、
該取付ブラケットの先端に固定されるシリンダ錠と、
該取付ブラケットの内側に回転可能に支持され、該シリンダ錠の錠軸に連結されるアダプターロッドと、
該アダプターロッドの先端に固定されるカム部材と、
を備え、
該取付ブラケットには該シリンダ錠のフランジを固定するフランジ固定部及び該アダプターロッドを回転自在に支持するロッド支持部が設けられ、
該取付ブラケットの内側で該アダプターロッドを回転可能に支持するロッド支持部材が該取付ブラケットの内側に取り付けられたことを特徴とするシリンダ錠ユニット。
【請求項2】
前記ロッド支持部材が前記アダプターロッドの小径部を支持する支持部と前記取付ブラケットに設けた嵌着凹部に嵌着される嵌着部とを合成樹脂により一体成形して形成されることを特徴とする請求項1記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項3】
前記ロッド支持部材が、前記取付ブラケットのコ字状断面部の内側に嵌入される大きさと形状に、合成樹脂により一体成形して形成され、前記アダプターロッドを支持する断面U字状の支持凹部が該ロッド支持部材の内側に設けられ、該ロッド支持部材の上面と下面には係止凹部が設けられ、該ロッド支持部材を該取付ブラケットの内側に嵌入したとき、該ロッド支持部材が該コ字状断面部の上下の壁部内側に突設された突起に該係止凹部を係止させて保持されることを特徴とする請求項1記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項4】
前記取付ブラケットはコ字状断面部の端部に前記フランジ固定部が設けられ、該フランジ固定部の反対側の該取付ブラケットの端部に第1取付座固定部が設けれ、該第1取付座固定部の端部を直角に曲折して第2取付座固定部が設けられ、該第1取付座固定部と該第2取付座固定部には、施錠装置の支持部材に固定するための固定面と取付孔が設けられたことを特徴とする請求項1記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項5】
前記取付ブラケットの第2取付座固定部に前記アダプターロッドを挿通させる軸孔を設けて第1ロッド支持部が形成され、前記アダプターロッドの小径部に嵌合して該アダプターロッドを回転自在に支持する第2ロッド支持部が該取付ブラケットのコ字状断面部に設けられたことを特徴とする請求項4記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項6】
前記ロッド支持部材が、前記取付ブラケットのコ字状断面部の内側に嵌入される大きさと形状に、合成樹脂により一体成形して形成され、前記アダプターロッドを支持する断面U字状の支持凹部が該ロッド支持部材の内側に設けられ、該ロッド支持部材の上面と下面には係止爪が設けられ、該ロッド支持部材を該取付ブラケットの内側に嵌入したとき、該係止爪が該コ字状断面部の壁部の係止溝に係止させることを特徴とする請求項1または4記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項7】
前記アダプターロッドを支持する前記ロッド支持部材の断面U字状の支持凹部内に、U字状リブが設けられ、該U字状リブが前記アダプターロッドの小径部に嵌合され、前記取付ブラケットのコ字状断面部の平板基部には位置決め孔が設けられ、該ロッド支持部材には該位置決め孔に嵌合する位置決めボスが設けられたことを特徴とする請求項6記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項8】
前記アダプターロッドは、先端に前記カム部材を固定するためのカム固定部を有し、該カム固定部とは反対側の該先端に矩形部が設けられ、該矩形部に嵌合する矩形嵌合部と前記シリンダ錠の錠軸の先端に嵌合する錠軸嵌合部とを有したロッド連結カバーが、該アダプターロッドと該錠軸間を嵌着された請求項1記載のシリンダ錠ユニット。
【請求項9】
前記ロッド連結カバーは合成樹脂により成形されると共に、皿ねじにより前記錠軸に締付固定され、該ロッド連結カバーに設けた孔状の矩形嵌合部に前記アダプターロッドの矩形部が嵌入して連結されたことを特徴とする請求項8記載のシリンダ錠ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−222948(P2010−222948A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97095(P2009−97095)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(591016138)中東産業株式会社 (47)
【Fターム(参考)】