説明

シンクデバイスおよびソースデバイス

【課題】ユーザの操作に応じた信号を発振するリモートコントローラから発振される信号に対して、ソースデバイスが表示している映像を供給しているデバイスの操作を可能にすること。
【解決手段】 デジタルテレビが表示を行っている映像の供給元を検出し、検出結果に応じてリモコンからの赤外線信号に対応するCECメッセージを検出し、検出されたソースデバイス宛にCECコマンドをCEC送受信部105から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクデバイスおよびソースデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビと録画装置との間の映像信号および音声信号の伝達にHDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格が用いられつつある。
【0003】
HDMI規格では、オプションとして、CEC(Consumer Electronics Control)規格(非特許文献1参照)が定義されている。CEC規格は、HDMI端子にある1本の端子(CEC端子)を介して、HDMI接続機器の制御を相互に行うことができるシリアル通信プロトコルである。
【0004】
特許文献1には、シンク機器と複数のソース機器をHDMIケーブルのCECラインで接続し、リモコンでシンク機器を経由して、各ソース機器を操作することを開示している。
【特許文献1】特開2008−48137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した文献が開示しているリモコンは、ソースデバイスおよびシンクデバイスのそれぞれに対応するコマンドを記憶しておき、ソース機器から送信される操作デバイスに応じて送信するコマンドを切り替えるというものである。
【0006】
一般に使用されているリモコンは、操作ボタンの操作に応じて対応する信号を送信するだけである。上述したような制御機構を有するリモコンを付属させると、製品の価格が上がってしまう。
【0007】
本発明の目的は、ユーザの操作に応じた信号を発振するリモートコントローラから発振される信号に対して、ソースデバイスが表示している映像を供給しているデバイスの操作を行うことが可能なシンクデバイスおよびソースデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例に係わるシンクデバイスは、複数のコネクタであって、各コネクタはソースデバイスから映像信号が入力され、動作制御用の各種コマンドを入出力が行われる複数のコネクタと、前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド送受信手段と、前記コネクタ経由で入力された映像信号に基づいた映像を表示する表示部と、ユーザの操作に応じた信号を出力するリモートコントローラと、前記リモートコントローラが出力した信号を受信し、受信した信号を電気信号に変換するワイヤレス信号受信部と、前記ワイヤレス信号受信部が変換した電気信号に対応するコード信号に変換する変換手段と、前記コード信号に対して、前記複数のコネクタに接続されているそれぞれのソースデバイスに対応するそれぞれのメッセージを管理する手段と、前記表示部が表示している映像の供給元のソースデバイスを検出する検出手段と、前記管理手段から、前記コード信号および前記検出されたソースデバイスに対応するメッセージを取得する手段と、前記取得したメッセージに対応するコマンドを前記コマンド送受信手段から前記検出されたソースデバイス宛に出力させるための手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の一例に係わるソースデバイスは、複数の映像入力コネクタを有し、各映像入力コネクタには映像信号が入力されると共に、動作制御用の各種コマンドの入出力が行われ、前記複数の映像入力コネクタ中の一つの映像入力コネクタを経由して入力されている映像信号に応じた映像を表示する表示部を有するシンクデバイスに対して、前記映像信号の出力および前記各種コマンドの送受信を行うソースデバイスであって、前記映像信号を出力し、前記各種コマンドを入出力するための複数の映像出力コネクタと、前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド送受信手段と、ユーザの操作に応じた信号を出力するリモートコントローラと、前記リモートコントローラが出力した信号を受信し、受信した信号を電気信号に変換するワイヤレス信号受信部と、前記ワイヤレス信号受信部が変換した電気信号に対応するコード信号に変換する変換手段と、前記コード信号対して、前記複数のコネクタに接続されているそれぞれのソースデバイスに対応するそれぞれのメッセージを管理する手段と、前記ソースデバイスの表示部が表示している映像の供給元のソースデバイスを検出する手段と、前記検出されたソースデバイスが自機とは異なるソースデバイスの場合、前記管理手段から、前記コード信号および前記検出されたソースデバイスに対応するメッセージを取得する手段と、前記検出されたソースデバイス宛の前記取得したメッセージに対応するコマンドを前記コマンド送受信手段から出力させるための手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの操作に応じた信号を発振するリモートコントローラから発信される信号に対して、ソースデバイスが表示している映像を供給しているデバイスの操作を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるHDMI(High-Definition Multimedia Interface)システムを示す概略図である。
【0013】
HDMIシステム100は、アンテナから地上デジタル放送波を受信し復調して表示、または外部入力から映像信号を受信して表示する電子機器であるデジタルテレビ1と、CEC機器から入力する音声信号の増幅および再生またはCEC機器から入力する映像信号および音声信号の出力切り替え等を行うAV(Audio and Visual)アンプ2と、BS(Broadcast Satellite)やCS(Communication Satellite)等の衛星放送を受信して復調するチューナとしてのセットトップボックス3と、HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)やDVD等のメディアを再生するDVDプレーヤ4と、放送および外部入力からの映像信号を記録し、記録したコンテンツを外部に出力可能なHDD(Hard Disc Drive)レコーダ5とを有し、それぞれを図示するようにHDMIケーブル6で接続することで構成される。リモコン1Bは、デジタルテレビ1を操作する専用リモコンであるが、HDMIケーブル6を介して他の電子機器に命令信号を送信して操作することも可能である。また、リモコン5Bは、DVDレコーダ5を操作する専用リモコンであるが、HDMIケーブル6を介して他の電子機器に命令信号を送信して操作することも可能である。
【0014】
デジタルテレビ1は、HDMIケーブル6で接続された各電子機器との接続を、デジタルテレビ1の電源投入時に確認するほか、通常動作中に定期的に確認する。接続確認の情報の送受信はHDMIケーブル6のCEC制御ラインを用いて行う。
【0015】
図2(A)および(B)は、本発明の第1の実施形態に係わるHDMIシステムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図2(A)に示すように、デジタルテレビ1は、HDMI端子の入力1および入力2を有し、デジタルテレビ1の入力1にAVアンプ2の出力がHDMIケーブル6を介して接続され、デジタルテレビ1の入力2にHDDレコーダ5の出力がHDMIケーブル6を介して接続される。また、デジタルテレビ1は、アンテナ1Aを介して地上デジタル放送波を受信する。
【0017】
AVアンプ2は、HDMI端子の入力1および入力2を有し、AVアンプ2の入力1にセットトップボックス3の出力がHDMIケーブル6を介して接続され、AVアンプ2の入力2にDVDプレーヤ4の出力がHDMIケーブル6を介して接続される。また、セットトップボックス3は、アンテナ3Aを介してBSおよびCSの放送波を受信する。
【0018】
HDDレコーダ5は、アンテナ5Aを介して地上デジタル放送波を受信する。
【0019】
HDMIケーブル6はCEC(Consumer Electronics Control)制御ライン6AとHDMIライン6Bとを有する。CEC制御ライン6Aは、各電子機器のCPU16、26、36、46、および56の間でシリアルに接続される。HDMIライン6Bは、映像信号および音声信号を伝送するように各電子機器の間でそれぞれ接続される。
【0020】
図2(B)は、図2(A)に示すように各電子機器を接続した場合に、各電子機器に設定される物理アドレスを表記した物理アドレス表記例60であり、デジタルテレビ1は「0.0.0.0」、AVアンプ2は「1.0.0.0」、セットトップボックス3は「1.1.0.0」、DVDプレーヤ4は「1.2.0.0」、HDDレコーダ5は「2.0.0.0」と記述される。物理アドレスは、デジタルテレビ1を0階層目とし、デジタルテレビ1に接続されている電子機器の入力の番号を1階層目の数字として記述する。2階層目、3階層目、4階層目に関しても同様に記述され、デジタルテレビ1から数えて5階層のHDMIシステム100を構成することができる。
【0021】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係わるテレビの構成を示すブロック図である。
デジタルテレビ1は、アンテナ1Aを介して地上デジタルテレビ1放送波(放送信号)を受信し、放送波を復調して番組信号を出力するチューナ10と、チューナ10の出力を映像データ、音声データ、字幕データ等の種別に分別して処理する信号処理部11と、信号処理部11の映像データおよび字幕データの出力をデコードする映像処理部12Aと、映像処理部12Aの出力を表示用の映像信号に変換して出力する表示出力処理部13Aと、表示出力処理部13Aの出力をLCD(Liquid Crystal Display)に表示する表示部14Aと、信号処理部11の音声データの出力をデコードする音声処理部12Bと、音声処理部12Bの出力を音声信号に変換して出力する音声出力処理部13Bと、音声出力処理部13Bの出力を音声に変換するスピーカ14Bと、HDMIケーブル6のHDMIライン6Bを介して外部から映像データおよび音声データを受信するHDMI受信部15と、HDMIケーブル6のCEC制御ライン6Aを介して外部からCEC制御データを送受信しデジタルテレビ1の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)16と、CPU16が処理するデータを一時的に記憶するRAM(RandomAccess Memory)17と、論理アドレス割り当てテーブル18A、アドレスリスト18B、およびファームウエア等のデータを不揮発に記録するROM(Read Only Memory)18と、複数のスイッチ等からなり、それらの入力に基づいてデジタルテレビ1を操作する操作部19と、リモコン1Bから赤外線信号を用いて送信される命令を受信する受光部20とを有する。各部は、バス21によって相互に接続される。
【0022】
なお、HDMIケーブル6は、図示しないHDMIコネクタに接続されHDMIのインターフェースを介してHDMI受信部15およびCPU16にそれぞれ接続される。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施形態に係わる論理アドレス割り当てテーブルの構成を示す表である。
図4に示すように、論理アドレス割り当てテーブル18Aは、HDMI−CECの規格上での論理アドレス180とデバイスナンバー181とデバイスタイプ182を対応付ける表であり、論理アドレス180は「0」から「15」まで16個用意される。
【0024】
論理アドレス180は、「0」から「11」までは論理アドレス割り当てテーブル18Aに表記された通りのデバイスナンバー181およびデバイスタイプ182が設定されているが、論理アドレス180の「12」および「13」は、「High−Definition Multimedia Interface Specification Version 1.3a」ではデバイスナンバー181およびデバイスタイプ182ともに設定されておらず、この論理アドレス180は使用することができない。
【0025】
論理アドレス180の「14」は、「Free Use」のため、任意のデバイスナンバー181およびデバイスタイプ182を設定できる。例えば、レコーディングデバイス1からレコーディングデバイス3までを使用し、さらにレコーディングデバイスをもう1台追加したい場合等に使用することができる。論理アドレス180の「15」は、機器単体で使用することはできないが、命令を実行するとその他の論理アドレスを使用している機器以外のすべての機器に命令が送信される。
【0026】
図5は、本発明の第1の実施形態に係わるアドレスリストの構成を示す表である。
図5に示すように、アドレスリストは、デジタルテレビ1がHDMIケーブル6を介して接続されているCEC機器の接続を確認した場合に、そのCEC機器の物理アドレス183およびデバイスネーム184が書き込まれることで作成される。ここでは、図2(A)および図2(B)に示すHDMIシステム100において、デジタルテレビ1がAVアンプ2、セットトップボックス3、DVDプレーヤ4、およびHDDレコーダ5の接続を確認した場合を表記している。
【0027】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるテレビの動作について各図を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、操作部19またはリモコン1Bを操作することによりデジタルテレビ1の電源を投入すると、CPU16はデジタルテレビ1の起動処理を行う。起動処理は、各部の初期化および設定データの読み込み等の動作からなり、CPU16はそれらの起動処理とともにHDMIケーブル6を介して接続されたCEC機器の接続確認を行う。接続確認は、論理アドレス割り当てテーブル18Aに基づいて行われ、論理アドレス180のそれぞれに接続されているCEC機器の物理アドレス183およびデバイスネーム184を書き込むことで実行される。
【0029】
論理アドレス180のそれぞれに接続を確認する場合に、CPU16はHDMI規格1.3aで定める「<Give Physical Address>」というコマンドを用い、接続されているCEC機器にポーリングする。ポーリングは、接続の確実性を向上させるために、例えば5回繰り返して行う。ポーリングを実行した論理アドレス180にCEC機器が接続されていると、CEC機器はポーリングに対する応答として物理アドレス183およびデバイスネーム184をデジタルテレビ1に送信する。ただし、論理アドレス180の「0」は、デジタルテレビ1自身であり、まず最初に自らを論理アドレス180の「0」に登録する。
【0030】
デジタルテレビ1は、接続確認を含む起動処理を全て終了すると通常動作を開始する。なお、各論理アドレスに対してポーリングを5回行うことで、起動時の接続確認全体に約2〜3秒程度の時間を要する。
【0031】
リモコン1Bは通常デジタルテレビ1を操作するためだけの入力装置であり、リモコン5Bは通常HDDレコーダ5を操作するためだけの入力装置である。特定の操作を行ったり、切り替えスイッチを設けることによって、デジタルテレビ1に付属するリモコンによってソースデバイスであるDVDレコーダ等を操作できる場合もある。しかし、切り替えて操作を行うと、元に戻す操作が必要である。ユーザビリティに乏しい。
【0032】
このデジタルテレビ1は、表示部14Aにシンクデバイスから供給されている映像信号に基づく映像を表示している場合に、リモコンを操作することによってDVDレコーダ等の操作を行うことが出来る。
【0033】
図6を参照して、デジタルテレビ1のリモコンによってDVDレコーダ5等のソースデバイスの操作を行うことための構成を説明する。
【0034】
図6に示すように、デジタルテレビ1は、受光部20、リモコンメッセージ受信部101、CEC接続デバイス管理部102、映像ソース管理部103、CECメッセージ生成部104、およびCEC送受信部105等を有する。なお、リモコンメッセージ受信部101、CEC接続デバイス管理部102、映像ソース監視部103、CECメッセージ生成部104は、CPU16によって実行されるソフトウェアである。
【0035】
受光部20は、リモコン1Bから照射されたコマンドに応じた赤外線信号を受光する。受光部20は、受信した赤外線信号を電気信号に変換する。そして、受光部は、電気信号をリモコンメッセージ受信部101に送信する。
【0036】
リモコンメッセージ受信部101は、電気信号を解析して、受信した赤外線信号に対応するコマンドを特定する。リモコンメッセージ受信部101は、特定したコマンドに対応するコマンド信号を映像ソース監視部103、およびCECメッセージ生成部104に出力する。
【0037】
映像ソース監視部103は、CECラインに流れる入力切り替え等のコマンド(<set stream path>メッセージ)を監視し、表示部14Aが表示している映像を供給しているソースデバイスを特定する機能を有する。<set stream path>メッセージは、映像を表示するソースデバイスを切り替えるメッセージであり、パラメータとしてソースデバイスの物理アドレスが付け加えられて出力される。また、映像ソース監視部103は、CECライン上に流れるコマンドを監視して、ソースデバイスの状態を監視する機能を有する。また、シンクデバイスに表示しているソース機器を特定する情報(CEC論理アドレス)とその状態を管理する。
【0038】
また、映像ソース監視部103は、リモコンメッセージ受信部101が出力するコマンド信号中の入力切り替えコマンドを参照して、表示部14Aが表示している映像を供給しているソースデバイスを特定するようにしても良い。
【0039】
CEC接続デバイス管理部102は、図5に示すアドレスリストに登録されているデバイスに対応するリモコンコードと制御用CECメッセージの対応表を管理する。実際の対応表は、ROM18に格納される。
【0040】
CECメッセージ生成部104は、リモコンメッセージ受信部101から入力されたリモコンコードを受信すると、映像ソース監視部103から操作対象となるシンクデバイスのCEC論理アドレスを取得する。リモコンコードとCEC論理アドレスを使って、CEC接続デバイス管理部102に問い合わせることで操作対象のシンクデバイスへの制御用CECメッセージを取得する。最後に、CEC送受信部105にCEC論理アドレスおよびCECメッセージを送出する。
【0041】
CEC送受信部105は、上記、CECメッセージ生成部104から受信したCECメッセージをCEC信号にエンコードしCECライン上に送出する。またCECライン上の信号をデコードし、メッセージに応じてCEC接続装置管理部に送信する。
【0042】
次に、図7を参照して、デジタルテレビ1がリモコンからの赤外線信号を受信した場合の処理の手順について以下に説明する。
【0043】
先ず、受光部20が赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号を電気信号に変換する(ステップS11)。受光部20は、電気信号をリモコンメッセージ受信部101に出力する。
【0044】
リモコンメッセージ受信部101は、受け取った電気信号をリモコンコードに変換する(ステップS12)。リモコンメッセージ受信部101は、リモコンコードを表示デバイス監視部103、およびCECメッセージ生成部104に出力する。
【0045】
CECメッセージ生成部104は、映像ソース監視部103に対して表示部14Aが表示している映像信号の提供元のデバイスの論理アドレスを問い合わせる(ステップS13)。映像ソース監視部103は、問い合わせに対して表示部14Aが表示している映像の提供元の論理アドレスを回答する(ステップS14)。
【0046】
CECメッセージ生成部104は、映像ソース監視部103から回答に基づいて、論理アドレスが“0”であるか否か、すなわちデジタルテレビ1自身であるか否かを判別する(st15)。論理アドレスが“0”であると判断した場合(ステップS15のYes)、CECメッセージ生成部104は、内部の制御部にリモコンコードを送信する。制御部は、リモコンコードに応じた制御処理を行う(ステップS16)。
【0047】
論理アドレスが“0”ではないと判断した場合(ステップS15のNo)、CECメッセージ生成部104は、映像ソース監視部103から送られた論理アドレスおよびリモコンコードをCEC接続デバイス管理部102に出力し、CEC接続デバイス管理部102に論理アドレスおよびリモコンコードに対応するCECメッセージを問い合わせる(ステップS17)。
【0048】
CEC接続デバイス管理部102は、対応表から論理アドレスおよびリモコンコードに対応するCECメッセージを検出する(ステップS18)。検出されなければ(ステップS19のNo)、対応するCECメッセージが無い旨をCECメッセージ生成部104に通知する(ステップS20)。対応するCECメッセージが検出された場合(ステップS19のYes)、CECメッセージ生成部104は、対応するCECメッセージをCECメッセージ生成部104に通知する(ステップS21)。CECメッセージ生成部104は、CECメッセージおよび論理アドレスをCEC送受信部105に出力する(ステップS22)。
【0049】
CEC送受信部105は、CECメッセージおよび論理アドレスをエンコードしてCECライン上に送出する。
【0050】
以上の処理で、映像のソースがデジタルテレビ1に接続されているシンクデバイスの場合、デジタルテレビ1に付属しているリモコンを用いて、シンクデバイスを操作制御することが出来る。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、DVDレコーダ5に付属するリモコン5Bを用いて、デジタルテレビ(シンクデバイス)1に映像信号を供給している他のソースデバイスの操作を行うソースデバイスについて説明する。
【0052】
図8は、本発明の第2の実施形態に係わるDVDレコーダ5のリモコン制御に係わる構成を示すブロック図である。
【0053】
図8に示すように、DVDレコーダ5は、受光部220、リモコンメッセージ受信部201、CEC接続デバイス管理部202、映像ソース管理部203、CECメッセージ生成部204、およびCEC送受信部205等を有する。なお、リモコンメッセージ受信部101、CEC接続デバイス管理部102、映像ソース監視部103、CECメッセージ生成部104は、例えばソースデバイスが有するプロセッサによって実行されるソフトウェアである。
【0054】
受光部220は、リモコン5Bから照射されたコマンドに応じた赤外線信号を受光する。受光部220は、受光した赤外線信号を電気信号に変換する。そして、受光部は、電気信号をリモコンメッセージ受信部201に送信する。
【0055】
リモコンメッセージ受信部201は、電気信号を解析して、受信した赤外線信号に対応するコマンドを特定する。リモコンメッセージ受信部201は、特定したコマンドに対応するコマンド信号をおよびCECメッセージ生成部204に出力する。
【0056】
映像ソース監視部203は、デジタルテレビ1が出力するCECラインに流れる入力切り替え等のコマンド(<set stream path>メッセージ)を監視し、表示部14Aが表示している映像を供給しているソースデバイスを特定する機能を有する。<set stream path>メッセージは、映像を表示するソースデバイスを切り替えるメッセージであり、パラメータとしてソースデバイスの物理アドレスが付け加えられて出力される。また、映像ソース監視部203は、CECライン上に流れるコマンドを監視して、ソースデバイスの状態を監視する機能を有する。また、シンクデバイスに表示しているソース機器を特定する情報(CEC論理アドレス)とその状態を管理する。
【0057】
また、映像ソース監視部203は、定期的にデジタルテレビ1宛に<Request Active Source>メッセージを出力し、<Request Active Source>メッセージに応答してデジタルテレビ1が返す<Active Source>メッセージを参照して、表示部14Aが表示している映像を供給しているソースデバイスを特定するようにしても良い。<Active Source>メッセージのパラメータには、表示部14Aが表示している映像を供給しているソースデバイスの物理アドレスが含まれる。
【0058】
リモコンメッセージ受信部201から送られたコマンド信号から、入力切り替え等のコマンドを監視し、デジタルテレビ1が表示部14Aに表示している映像のソースを特定する機能、およびソース機器の状態を監視する機能を有する。また、映像のソースが、ソースデバイスの場合に、ソースデバイスを特定する情報(CEC論理アドレス)とその状態を保持することができる。
【0059】
CEC接続デバイス管理部202は、デジタルテレビ1に接続されているシンクデバイスに対してリモコンコードと制御用CECメッセージの対応表を生成/管理を行う。実際の対応表は、ROMに格納される。
【0060】
CECメッセージ生成部204は、リモコンメッセージ受信部201から入力されたリモコンコードを受信すると、映像ソース監視部203から操作対象となるシンクデバイスのCEC論理アドレスを取得する。リモコンコードとCEC論理アドレスを使って、CEC接続デバイス管理部202に問い合わせることで操作対象のシンクデバイスへの制御用CECメッセージを取得する。最後に、CEC送受信部205にCEC論理アドレスおよびCECメッセージを送出する。
【0061】
CEC送受信部205は、上記、CECメッセージ生成部105から受信したCECメッセージをCEC信号にエンコードしCECライン上に送出する。またCECライン上の信号をデコードし、メッセージに応じてCEC接続装置管理部に送信する。
【0062】
次に、DVDレコーダ5がリモコン5Bからの赤外線信号を受信した場合の処理の手順について以下に説明する。
【0063】
先ず、受信部20が赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号を電気信号に変換する(ステップS31)。受光部220は、電気信号をリモコンメッセージ受信部201に出力する。
【0064】
リモコンメッセージ受信部201は、受け取った電気信号をリモコンコードに変換する(ステップS32)。リモコンメッセージ受信部201は、リモコンコードを表示デバイス監視部203、およびCECメッセージ生成部204に出力する。
【0065】
CECメッセージ生成部204は、映像ソース監視部203に対して表示部14Aが表示している映像信号の提供元のデバイスの論理アドレスを問い合わせる(ステップS33)。映像ソース監視部203は、問い合わせに対して表示部14Aが表示している映像の提供元の論理アドレスを回答する(ステップS34)。
【0066】
CECメッセージ生成部204は、映像ソース監視部203から回答に基づいて、映像の提供元の論理アドレスは自機が有する論理アドレスであるか否かを判別する(ステップS35)。自機の論理アドレスであると判断した場合(ステップS35のYes)、CECメッセージ生成部204は、自機(DVDレコーダ5)の内部の制御部にリモコンコードを送信する。制御部は、リモコンコードに応じた制御処理を行う(ステップS36)。
【0067】
自機の論理アドレスではないと判断した場合(ステップS35のNo)、デジタルテレビ1自身が映像を提供しているか否かを判別する(ステップS37)。デジタルテレビ1自身が映像を提供していると判断場合(ステップS37のYes)、リモコン5Bから受信した信号に対する処理を止める。デジタルテレビ1自身が映像を提供していない場合(ステップS37のNo)、CECメッセージ生成部204は、映像ソース監視部203から送られた論理アドレスおよびリモコンコードをCEC接続デバイス管理部202に出力し、CEC接続デバイス管理部202に論理アドレスおよびリモコンコードに対応するCECメッセージを問い合わせる(ステップS38)。
【0068】
CEC接続デバイス管理部202は、対応表から論理アドレスおよびリモコンコードに対応するCECメッセージを検出する(ステップS39)。検出されなければ(ステップS40のNo)、検出されなかった旨をCECメッセージ生成部204に通知する(ステップS41)。対応するCECメッセージが検出された場合(ステップS40のYes)、CECメッセージ生成部204は、対応するCECメッセージをCECメッセージ生成部204に通知する(ステップS42)。CECメッセージ生成部204は、CECメッセージおよび論理アドレスをCEC送受信部205に出力する(ステップS43)。CEC送受信部205は、CECメッセージおよび論理アドレスをエンコードして、CEC信号をCECライン上に送出する(ステップS44)。
【0069】
以上の処理で、映像のソースがデジタルテレビ1に接続されているシンクデバイスの場合、デジタルテレビ1に付属しているリモコンを用いて、シンクデバイスを操作制御することが出来る。
【0070】
なお、リモコンは、加速度センサ等のモーションセンサを内蔵し、リモコンの動きに応じた信号を送るようなものであっても良い。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態に係わるHDMIシステムを示す概略図
【図2】第1の実施形態に係わるHDMIシステムの構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態に係わるテレビの構成を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態に係わる論理アドレス割り当てテーブルの構成を示す表。
【図5】第1の実施形態に係わるアドレスリストの構成を示す表。
【図6】デジタルテレビのリモコンによってDVDレコーダ等のソースデバイスの操作を行うことための構成示す図。
【図7】第1の実施形態に係わる、デジタルテレビがリモコンからの赤外線信号を受信した場合の処理の手順を示すフローチャート。
【図8】第2の実施形態に係わるソースデバイスのリモコン制御に係わる構成を示すブロック図。
【図9】第2の実施形態に係わる、ソースデバイスがリモコンからの赤外線信号を受信した場合の処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0073】
100…HDMIシステム,101…リモコンメッセージ受信部,102…CEC接続デバイス管理部,103…映像ソース管理部,103…表示デバイス監視部,104…CECメッセージ生成部,105…CEC送受信部,180…論理アドレス,181…デバイスナンバー,182…デバイスタイプ,183…物理アドレス,184…デバイスネーム,201…リモコンメッセージ受信部,202…CEC接続デバイス管理部,203…映像ソース管理部,203…映像ソース監視部,204…CECメッセージ生成部,205…CEC送受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコネクタであって、各コネクタはソースデバイスから映像信号が入力され、動作制御用の各種コマンドを入出力が行われる複数のコネクタと、
前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド送受信手段と、
前記コネクタ経由で入力された映像信号に基づいた映像を表示する表示部と、
ユーザの操作に応じた信号を出力するリモートコントローラと、
前記リモートコントローラが出力した信号を受信し、受信した信号を電気信号に変換するワイヤレス信号受信部と、
前記ワイヤレス信号受信部が変換した電気信号に対応するコード信号に変換する変換手段と、
前記コード信号に対して、前記複数のコネクタに接続されているそれぞれのソースデバイスに対応するそれぞれのメッセージを管理する手段と、
前記表示部が表示している映像の供給元のソースデバイスを検出する検出手段と、
前記管理手段から、前記コード信号および前記検出されたソースデバイスに対応するメッセージを取得する手段と、
前記取得したメッセージに対応するコマンドを前記コマンド送受信手段から前記検出されたソースデバイス宛に出力させるための手段と
を具備することを特徴とするシンクデバイス。
【請求項2】
前記リモートコントローラの操作によって発生する映像の供給元を切り替える信号を監視することによって、前記映像の供給元のソースデバイスを検出することを特徴とする請求項1に記載のシンクデバイス。
【請求項3】
前記コネクタは、HDMI(High-Definition-Multimedia Interface)ケーブルを取り外し自在に接続することを特徴とする請求項1に記載のシンクデバイス。
【請求項4】
前記検出手段は、前記HDMIケーブルに流れる<set stream path>メッセージを監視することによって、前記映像の供給元のソースデバイスを検出することを特徴とする請求項3に記載のシンクデバイス。
【請求項5】
複数の映像入力コネクタを有し、各映像入力コネクタには映像信号が入力されると共に、動作制御用の各種コマンドの入出力が行われ、前記複数の映像入力コネクタ中の一つの映像入力コネクタを経由して入力されている映像信号に応じた映像を表示する表示部を有するシンクデバイスに対して、前記映像信号の出力および前記各種コマンドの送受信を行うソースデバイスであって、
前記映像信号を出力し、前記各種コマンドを入出力するための複数の映像出力コネクタと、
前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド送受信手段と、
ユーザの操作に応じた信号を出力するリモートコントローラと、
前記リモートコントローラが出力した信号を受信し、受信した信号を電気信号に変換するワイヤレス信号受信部と、
前記ワイヤレス信号受信部が変換した電気信号に対応するコード信号に変換する変換手段と、
前記コード信号対して、前記複数のコネクタに接続されているそれぞれのソースデバイスに対応するそれぞれのメッセージを管理する手段と、
前記ソースデバイスの表示部が表示している映像の供給元のソースデバイスを検出する手段と、
前記検出されたソースデバイスが自機とは異なるソースデバイスの場合、前記管理手段から、前記コード信号および前記検出されたソースデバイスに対応するメッセージを取得する手段と、
前記検出されたソースデバイス宛の前記取得したメッセージに対応するコマンドを前記コマンド送受信手段から出力させるための手段と
を具備することを特徴とするソースデバイス。
【請求項6】
前記映像出力コネクタおよび前記映像入力コネクタは、HDMI(High-Definition-Multimedia Interface)ケーブルを取り外し自在に接続することを特徴とする請求項5に記載のソースデバイス。
【請求項7】
前記検出手段は、前記HDMIケーブルに流れる<set stream path>メッセージを監視することによって、前記ソースデバイスを検出することを特徴とする請求項6に記載のソースデバイス。
【請求項8】
前記検出手段は、<Request Active Source>メッセージを前記HDMIケーブルに出力し、前記<Request Active Source>メッセージに応じて前記シンクデバイスが返す<Active Source>メッセージによって前記映像の供給元のソースデバイスを検出することを特徴とする請求項6に記載のソースデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−4496(P2010−4496A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163776(P2008−163776)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】