シンチレータ材料
【課題】現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量が大きく、かつ、未だ提案されていない組成のシンチレータ材料を提供する。
【解決手段】一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料を用いる。 さらに、発光強度を大きくし、発光量を多くするため、前記シンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープすることが好ましく、また、前記xの範囲は0<x≦0.05であることが好ましい。
【解決手段】一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料を用いる。 さらに、発光強度を大きくし、発光量を多くするため、前記シンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープすることが好ましく、また、前記xの範囲は0<x≦0.05であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光強度が大きく、発光量が多いシンチレータ材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シンチレータ材料とは、電離放射線のエネルギーを光子に変換する機能を有する発光材料であり、放射線計測の分野で広範かつ重要な役割を果たしている。
【0003】
シンチレータ材料に求められる特性の1つとして、発光強度が大きく、発光量が多いことがあげられ、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量の大きい材料として、近年、LSO(Lu2SiO5:Ce)、LaBr3(LaBr3:Ce)やLBO(LuBO3:Ce)などが提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1〜3)。
【0004】
しかし、シンチレータ材料を放射線計測の分野等で実際に用いる際には、発光量以外にも種々の特性が要求されるため、なお、別の組成のシンチレータ材料の探索が進められている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4958080号明細書
【0006】
【非特許文献1】“LaBr3:Ce Scintillators for Gamma Ray Spectroscopy ”, Submitted to “IEEE Transactions on Nuclear Science ” ,(United States),on 2 Dec. 2002, LBNL-51793
【0007】
【非特許文献2】“Recent Results in a Search for Inorganic Scintillators for X- and Gamma Ray Detection”,“SCINT97(The International Conference on Inorganic Scintillators and Their Applications)”,(Shanghai China),on September 22-25,1997
【0008】
【非特許文献3】“Fast UV luminescence of Ce3+ and Pr3+ ions in lutetium orthoborate with the calcite or vaterite structure”,“SCINT97(The International Conference on Inorganic Scintillators and Their Applications)”,(Shanghai China),on September 22-25,1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量が大きく、かつ、未だ提案されていない組成のシンチレータ材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0011】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料は、一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0012】
前記シンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープすることが好ましい。
【0013】
また、前記xの範囲は、0<x≦0.05であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量が大きく、かつ、未だ提案されていない組成のシンチレータ材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明者は、発光強度が大きく、発光量が多いシンチレータ材料を開発するため、鋭意研究を進めた結果、一般式:LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)のごく少量をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)に置換すること、または、一般式:YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)のごく少量をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)に置換することにより、発光強度が大きくなり、発光量が多くなることを見出し、本発明に至った。
【0016】
以下、本発明に係るシンチレータ材料の各構成要件における数値限定理由等について説明する。
【0017】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料は、一般式LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)のごく少量をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)に置換したものであり、一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0018】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料は、一般式YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)のごく少量をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)に置換したものであり、一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0019】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料においては、xの値の範囲は0<x≦0.1であることが必要である。xが0よりも大きいことが必要な理由は、一般式LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)の一部をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)で置換することにより発光強度が大きくなるからである。一方、xが0.1よりも大きくなると、Luに対する置換量が多くなりすぎ、発光強度が十分には大きくならない。
【0020】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料においても、xの値の範囲は0<x≦0.1であることが必要である。xが0よりも大きいことが必要な理由は、一般式YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)の一部をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)で置換することにより発光強度が大きくなるからである。一方、xが0.1よりも大きくなると、Yに対する置換量が多くなりすぎ、発光強度が十分には大きくならない。
【0021】
また、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料においては、発光量を多くするため、Ceをドープすることが好ましい。Ceのドープ量は、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料の全質量に対して5.0質量%未満であることが好ましい。Ceのドープ量が5.0質量%より多いとCeが硼酸ルテシウムまたは硼酸イットリウムの結晶中に入り切れなくなるため発光量を抑制する方向に働き、発光量が少なくなるおそれがあるからである。
【0022】
なお、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料において、前記xの範囲は0<x≦0.05であることが好ましい。0<x≦0.05の場合の方が、0<x≦0.1の場合よりも発光量が多くなるからである。
【実施例】
【0023】
(実施例1)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)3.63mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その混合物に99.99%以上の純度の硝酸アンモニウム5.5gを添加して混合した後、ジルコニア坩堝中で270〜300℃に加熱して、熱分解し、乾燥混合物を得た。その後、800℃で20時間加熱した後、徐冷した。そして、常温でプレス成型(圧力:62.5MPa)して、Lu0.999Gd0.001BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図1に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0024】
(実施例2)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)18.15mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.995Gd0.005BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図2に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0025】
(実施例3)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)36.3mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Gd0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図3に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0026】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0027】
(実施例4)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.95Gd0.05BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図4に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0028】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0029】
(実施例5)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)363mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.9Gd0.1BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図5に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0030】
(比較例1)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)1.089gと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.7Gd0.3BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図6に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0031】
(実施例6)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化セリウム(Ce2O3)16.4mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.995Ce0.005BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図7に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0032】
(実施例7)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化テルビウム(Tb2O3)36.6mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Tb0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図8に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0033】
(実施例8)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ランタン(La2O3)32.6mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99La0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図9に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0034】
(実施例9)
99.99%以上の純度の酸化イットリウム(Y2O3)2.26gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Y0.95Gd0.05BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図10に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0035】
(実施例10)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)36.3mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して1%となるよう混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Gd0.01BO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図11に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0036】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
(実施例11)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して1%となるよう混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.95Gd0.05BO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図12に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0038】
(比較例2)
比較例2は、生体の断層像撮影装置PET(Positron Emission Tomography)で現在主流のシンチレータ材料となっているBGO(Bi4Ge3O12)であり、単結晶のものである。このBGOを実施例1と同一の条件で測定した場合の発光量を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1〜5および比較例1のX線ルミネッセンススペクトル(図1〜6参照)からわかるように、一般式:Lu1-xB1+xO3(ただし、0<x≦0.1)で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)を置換するGd量が少ないほど、最大発光強度、発光量が大きくなり、シンチレータ材料としての発光特性が良好になっている。
【0041】
Luを置換するGdの原子比が0.001〜0.1であり、本発明の範囲内である実施例1〜5は、Gdの原子比が0.3であり、本発明の範囲の上限値である0.1を上回っている比較例1よりも最大発光強度、発光量が大きく良好である。さらに、実施例1〜4のように、Luを置換するGdの原子比が0.05以下であれば、Gdの原子比が0.1である実施例5よりも発光量はより大きく、より良好である。
【0042】
比較例1は、Luを置換するGdの原子比が0.3であり、Luを置換するGdの原子比が本発明の範囲の上限である0.1を超えているので、X線ルミネッセンススペクトルの最大発光強度は小さくなっている。
【0043】
比較例2は、現状のPET装置で主流のシンチレータ材料となっているBGOである。比較例2に対して、本発明の範囲内の実施例1〜4は、表1および図1〜4の結果からわかるように、発光量が5倍程度以上である。
【0044】
実施例6〜8のX線ルミネッセンススペクトル(図7〜9参照)からわかるように、Luを置換する原子がGdではなく、同じランタン族元素であるCe、Tb、Laであっても良好な発光特性が得られている。
【0045】
実施例9のX線ルミネッセンススペクトル(図10参照)からわかるように、一般式:YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、原子比0.05だけYをGdで置換した場合も、良好な発光特性が得られている。
【0046】
実施例10は、一般式:Lu1-xB1+xO3(ただし、0<x≦0.1)で表示される硼酸ルテシウムにおいて、原子比で0.01だけルテシウム(Lu)をGdで置換するとともに、Ceを1質量%ドープしたものであるが、表1に示すように、Ceがドープされていないこと以外は同一組成の実施例3よりも60%程度発光量が多くなっており、非常に良好な発光特性が得られている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、具体的には、X線放射、γ線放射、α線放射の記録および測定、固い物体の構造のスペアリング(非破壊)制御、写真フィルムを使用しない三次元陽電子−電子コンピュータ断層撮影法(PET)およびX線コンピュータ間接撮影法(X線CT)等への適用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】Lu0.999Gd0.001BO3(実施例1)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図2】Lu0.995Gd0.005BO3(実施例2)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図3】Lu0.99Gd0.01BO3(実施例3)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図4】Lu0.95Gd0.05BO3(実施例4)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図5】Lu0.9Gd0.1BO3(実施例5)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図6】Lu0.7Gd0.3BO3(比較例1)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図7】Lu0.995Ce0.005BO3(実施例6)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図8】Lu0.99Tb0.01BO3(実施例7)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図9】Lu0.99La0.01BO3(実施例8)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図10】Y0.95Gd0.05BO3(実施例9)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図11】Lu0.99Gd0.01BO3:1質量%Ce(実施例10)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図12】Lu0.95Gd0.05BO3:1質量%Ce(実施例11)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光強度が大きく、発光量が多いシンチレータ材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シンチレータ材料とは、電離放射線のエネルギーを光子に変換する機能を有する発光材料であり、放射線計測の分野で広範かつ重要な役割を果たしている。
【0003】
シンチレータ材料に求められる特性の1つとして、発光強度が大きく、発光量が多いことがあげられ、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量の大きい材料として、近年、LSO(Lu2SiO5:Ce)、LaBr3(LaBr3:Ce)やLBO(LuBO3:Ce)などが提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1〜3)。
【0004】
しかし、シンチレータ材料を放射線計測の分野等で実際に用いる際には、発光量以外にも種々の特性が要求されるため、なお、別の組成のシンチレータ材料の探索が進められている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4958080号明細書
【0006】
【非特許文献1】“LaBr3:Ce Scintillators for Gamma Ray Spectroscopy ”, Submitted to “IEEE Transactions on Nuclear Science ” ,(United States),on 2 Dec. 2002, LBNL-51793
【0007】
【非特許文献2】“Recent Results in a Search for Inorganic Scintillators for X- and Gamma Ray Detection”,“SCINT97(The International Conference on Inorganic Scintillators and Their Applications)”,(Shanghai China),on September 22-25,1997
【0008】
【非特許文献3】“Fast UV luminescence of Ce3+ and Pr3+ ions in lutetium orthoborate with the calcite or vaterite structure”,“SCINT97(The International Conference on Inorganic Scintillators and Their Applications)”,(Shanghai China),on September 22-25,1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量が大きく、かつ、未だ提案されていない組成のシンチレータ材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料は、一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0011】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料は、一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0012】
前記シンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープすることが好ましい。
【0013】
また、前記xの範囲は、0<x≦0.05であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現状のPET(Positron Emission Tomography)装置で主流のシンチレータ材料であるBGO(Bi4Ge3O12)よりも発光量が大きく、かつ、未だ提案されていない組成のシンチレータ材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明者は、発光強度が大きく、発光量が多いシンチレータ材料を開発するため、鋭意研究を進めた結果、一般式:LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)のごく少量をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)に置換すること、または、一般式:YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)のごく少量をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)に置換することにより、発光強度が大きくなり、発光量が多くなることを見出し、本発明に至った。
【0016】
以下、本発明に係るシンチレータ材料の各構成要件における数値限定理由等について説明する。
【0017】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料は、一般式LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)のごく少量をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)に置換したものであり、一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0018】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料は、一般式YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)のごく少量をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)に置換したものであり、一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示される。
【0019】
本発明の第一態様に係るシンチレータ材料においては、xの値の範囲は0<x≦0.1であることが必要である。xが0よりも大きいことが必要な理由は、一般式LuBO3で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)の一部をLuを除くランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)で置換することにより発光強度が大きくなるからである。一方、xが0.1よりも大きくなると、Luに対する置換量が多くなりすぎ、発光強度が十分には大きくならない。
【0020】
本発明の第二態様に係るシンチレータ材料においても、xの値の範囲は0<x≦0.1であることが必要である。xが0よりも大きいことが必要な理由は、一般式YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、イットリウム(Y)の一部をランタン族元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)で置換することにより発光強度が大きくなるからである。一方、xが0.1よりも大きくなると、Yに対する置換量が多くなりすぎ、発光強度が十分には大きくならない。
【0021】
また、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料においては、発光量を多くするため、Ceをドープすることが好ましい。Ceのドープ量は、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料の全質量に対して5.0質量%未満であることが好ましい。Ceのドープ量が5.0質量%より多いとCeが硼酸ルテシウムまたは硼酸イットリウムの結晶中に入り切れなくなるため発光量を抑制する方向に働き、発光量が少なくなるおそれがあるからである。
【0022】
なお、本発明の第一および第二態様に係るシンチレータ材料において、前記xの範囲は0<x≦0.05であることが好ましい。0<x≦0.05の場合の方が、0<x≦0.1の場合よりも発光量が多くなるからである。
【実施例】
【0023】
(実施例1)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)3.63mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その混合物に99.99%以上の純度の硝酸アンモニウム5.5gを添加して混合した後、ジルコニア坩堝中で270〜300℃に加熱して、熱分解し、乾燥混合物を得た。その後、800℃で20時間加熱した後、徐冷した。そして、常温でプレス成型(圧力:62.5MPa)して、Lu0.999Gd0.001BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図1に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0024】
(実施例2)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)18.15mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.995Gd0.005BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図2に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0025】
(実施例3)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)36.3mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Gd0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図3に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0026】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0027】
(実施例4)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.95Gd0.05BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図4に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0028】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0029】
(実施例5)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)363mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.9Gd0.1BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図5に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0030】
(比較例1)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)1.089gと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.7Gd0.3BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図6に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0031】
(実施例6)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化セリウム(Ce2O3)16.4mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.995Ce0.005BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図7に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0032】
(実施例7)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化テルビウム(Tb2O3)36.6mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Tb0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図8に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0033】
(実施例8)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ランタン(La2O3)32.6mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99La0.01BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図9に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0034】
(実施例9)
99.99%以上の純度の酸化イットリウム(Y2O3)2.26gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gを混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Y0.95Gd0.05BO3タブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図10に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0035】
(実施例10)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)36.3mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して1%となるよう混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.99Gd0.01BO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図11に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0036】
X線ルミネッセンススペクトルの測定結果から、発光量を求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
(実施例11)
99.99%以上の純度の酸化ルテシウム(Lu2O3)3.98gと99.99%以上の純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)181.5mgと99.99%以上の純度の硼酸(B2O3)1.4gにドーパントとして硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)をCeのドープ量が硼酸ルテシウムの全質量に対して1%となるよう混合した。その後は実施例1と同様の処理をして、Lu0.95Gd0.05BO3:Ceタブレット(直径20mm、厚さ4mm)を作製し、そのX線ルミネッセンセンスを測定した。図12に測定したX線ルミネッセンススペクトルを示す。
【0038】
(比較例2)
比較例2は、生体の断層像撮影装置PET(Positron Emission Tomography)で現在主流のシンチレータ材料となっているBGO(Bi4Ge3O12)であり、単結晶のものである。このBGOを実施例1と同一の条件で測定した場合の発光量を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1〜5および比較例1のX線ルミネッセンススペクトル(図1〜6参照)からわかるように、一般式:Lu1-xB1+xO3(ただし、0<x≦0.1)で表示される硼酸ルテシウムにおいて、ルテシウム(Lu)を置換するGd量が少ないほど、最大発光強度、発光量が大きくなり、シンチレータ材料としての発光特性が良好になっている。
【0041】
Luを置換するGdの原子比が0.001〜0.1であり、本発明の範囲内である実施例1〜5は、Gdの原子比が0.3であり、本発明の範囲の上限値である0.1を上回っている比較例1よりも最大発光強度、発光量が大きく良好である。さらに、実施例1〜4のように、Luを置換するGdの原子比が0.05以下であれば、Gdの原子比が0.1である実施例5よりも発光量はより大きく、より良好である。
【0042】
比較例1は、Luを置換するGdの原子比が0.3であり、Luを置換するGdの原子比が本発明の範囲の上限である0.1を超えているので、X線ルミネッセンススペクトルの最大発光強度は小さくなっている。
【0043】
比較例2は、現状のPET装置で主流のシンチレータ材料となっているBGOである。比較例2に対して、本発明の範囲内の実施例1〜4は、表1および図1〜4の結果からわかるように、発光量が5倍程度以上である。
【0044】
実施例6〜8のX線ルミネッセンススペクトル(図7〜9参照)からわかるように、Luを置換する原子がGdではなく、同じランタン族元素であるCe、Tb、Laであっても良好な発光特性が得られている。
【0045】
実施例9のX線ルミネッセンススペクトル(図10参照)からわかるように、一般式:YBO3で表示される硼酸イットリウムにおいて、原子比0.05だけYをGdで置換した場合も、良好な発光特性が得られている。
【0046】
実施例10は、一般式:Lu1-xB1+xO3(ただし、0<x≦0.1)で表示される硼酸ルテシウムにおいて、原子比で0.01だけルテシウム(Lu)をGdで置換するとともに、Ceを1質量%ドープしたものであるが、表1に示すように、Ceがドープされていないこと以外は同一組成の実施例3よりも60%程度発光量が多くなっており、非常に良好な発光特性が得られている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、具体的には、X線放射、γ線放射、α線放射の記録および測定、固い物体の構造のスペアリング(非破壊)制御、写真フィルムを使用しない三次元陽電子−電子コンピュータ断層撮影法(PET)およびX線コンピュータ間接撮影法(X線CT)等への適用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】Lu0.999Gd0.001BO3(実施例1)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図2】Lu0.995Gd0.005BO3(実施例2)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図3】Lu0.99Gd0.01BO3(実施例3)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図4】Lu0.95Gd0.05BO3(実施例4)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図5】Lu0.9Gd0.1BO3(実施例5)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図6】Lu0.7Gd0.3BO3(比較例1)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図7】Lu0.995Ce0.005BO3(実施例6)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図8】Lu0.99Tb0.01BO3(実施例7)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図9】Lu0.99La0.01BO3(実施例8)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図10】Y0.95Gd0.05BO3(実施例9)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図11】Lu0.99Gd0.01BO3:1質量%Ce(実施例10)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図12】Lu0.95Gd0.05BO3:1質量%Ce(実施例11)についてのX線ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料。
【請求項2】
請求項1に記載のシンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープしたシンチレータ材料。
【請求項3】
前記xの範囲が0<x≦0.05であることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータ材料。
【請求項4】
一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料。
【請求項5】
請求項4に記載のシンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープしたシンチレータ材料。
【請求項6】
前記xの範囲が0<x≦0.05であることを特徴とする請求項4または5に記載のシンチレータ材料。
【請求項1】
一般式:Lu1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料。
【請求項2】
請求項1に記載のシンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープしたシンチレータ材料。
【請求項3】
前記xの範囲が0<x≦0.05であることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータ材料。
【請求項4】
一般式:Y1-xLnxBO3(ただし、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた1種または2種以上の元素であり、xの値の範囲は、0<x≦0.1である。)で表示されるシンチレータ材料。
【請求項5】
請求項4に記載のシンチレータ材料の全質量に対してCeを5質量%未満ドープしたシンチレータ材料。
【請求項6】
前記xの範囲が0<x≦0.05であることを特徴とする請求項4または5に記載のシンチレータ材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−193630(P2006−193630A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7132(P2005−7132)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(504274491)ジュズ インターナショナル ピーティーイー エルティーディー (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(504274491)ジュズ インターナショナル ピーティーイー エルティーディー (4)
【Fターム(参考)】
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